ハロペリドール、フェンタニル
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 鎮痛薬の冠循環動態と心収縮能に及ぼす影響-2-モルヒネ,ペンタゾシン,タラモナ-ル,フェンタニ-ル,ペチジンについて
- 鎮痛薬の冠循環動態と心収縮能に及ぼす影響-1-タラモナ-ル,フェンタニ-ル,ペチジンおよびナロキソンについて
Related Links
- タラモナール静注,ドロペリドール・クエン酸フェンタニル注射液.
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
タラモナール静注
組成
有効成分
- フェンタニルクエン酸塩(日局) 0.0785mg
(フェンタニルとして0.05mg)
ドロペリドール(日局) 2.5mg
添加物
- 酒石酸、パラオキシ安息香酸メチル0.5mg、パラオキシ安息香酸プロピル0.05mg、pH調節剤
禁忌
- 筋弛緩剤の使用が禁忌の患者(「副作用」の項参照)
- ドロペリドール又はフェンタニルクエン酸塩に対し過敏症の既往歴のある患者
- 頭部外傷、脳腫瘍等による昏睡状態のような呼吸抑制を起こしやすい患者[フェンタニル投与により重篤な呼吸抑制が起こることがある。]
- 痙攣発作の既往歴のある患者[痙攣を誘発することがある。]
- 外来患者[麻酔前後の管理が行き届かない。]
- 重篤な心疾患を有する患者[重篤な副作用が生じる可能性がある。]
- QT延長症候群のある患者[QT延長が発現したとの報告がある。]
- 2歳以下の乳児・小児[安全性が確立していない。]
- 喘息患者[気管支収縮が起こることがある。]
効能または効果
- 手術、検査および処置時の全身麻酔並びに局所麻酔の補助
導入麻酔剤として投与する場合
- 通常成人タラモナール静注0.1?0.2mL/kgを緩徐に静注するかまたはブドウ糖液等に希釈して点滴静注する。
麻酔維持のために追加投与する場合
- 通常成人初回量の1/4?1/2量を必要に応じて緩徐に静注するかまたはブドウ糖液等に希釈して点滴静注する。
局所麻酔の補助として投与する場合
- 局所麻酔剤投与10?15分後に通常成人タラモナール静注0.1mL/kgを緩徐に静注する。
- なお、患者の年齢・症状に応じて適宜増減する。
- 本剤の用法・用量は、患者の感受性、全身状態、手術々式、麻酔方法等に応じてきめるが、一般に行われている方法を示すと次のとおりである。
導入麻酔剤として
- アトロピン硫酸塩水和物など通常の前投薬に引き続き、本剤の1回量を緩徐に静注(点滴静注が可)する。なお症例により、同時に、GO、GOF等の吸入麻酔やチアミラール等の静注用全身麻酔剤の併用も行われる。
麻酔維持に
- 本剤単独、又はチアミラールとの併用、GOとの併用が行われ、また必要によりスキサメトニウム塩化物水和物、d -ツボクラリン等筋弛緩剤も併用される。
なお追加投与の時期としては一般に、麻酔深度の低下、すなわち血圧の上昇、脈拍数の増加、体動、不穏、発汗等の症状の現われた時点をもって一応の指標とする。また追加投与に関して本剤の構成成分の一つであるフェンタニルは、ドロペリドールに比し作用持続が短いため、長時間を要する手術に当っては、鎮痛効果の低下が招来され、また覚醒の速やかなることが望ましいなどの理由から、原則としては本剤投与で維持せず、フェンタニルのみを適宜追加し、維持する方法がとられる。
局所麻酔の補助として
- メピバカインなどによる持続硬膜外麻酔の補助として本剤を併用する。(症例によっては、全身麻酔や気管内挿管を必要としないで手術可能な例もある。)
慎重投与
- 重症の高血圧症、心弁膜症等の心血管系に著しい障害のある患者[血圧低下や病状の悪化が起こりやすい。]
- 慢性肺疾患等の呼吸機能障害のある患者[呼吸抑制を増強するおそれがある。]
- MAO阻害剤の投与を受けている患者(「相互作用」の項参照)
- 肝障害、腎障害のある患者[血中濃度が高くなるため、副作用発現の危険性が増加する。]
- パーキンソン病等錐体外路系疾患の患者[過量投与により錐体外路症状を呈することがある。]
- 不整脈のある患者[徐脈を起こすことがある。]
- β-遮断剤を使用中の患者(「相互作用」の項参照)
- 心疾患のある患者[QT延長、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)が発現したとの報告がある。]
- poor risk状態の患者(適宜減量すること。)[錐体外路系症状等の副作用が発現し易い。]
- 薬物依存の既往歴のある患者[依存性を生じやすい。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 褐色細胞腫の患者[異常な血圧上昇を起こすことがある。]
重大な副作用
依存性
頻度不明
- モルヒネ様の薬物依存を起こすことがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。
呼吸抑制(1.78%)、無呼吸(頻度不明)
術中の場合は補助呼吸、調節呼吸を、また、術後の場合は麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)の投与又は補助呼吸等の処置を行うこと。
換気困難
頻度不明
このような場合には筋弛緩剤(スキサメトニウム塩化物水和物等)の投与及び人工呼吸等の処置を行うこと。
血圧降下
2.04%
- 血圧降下がみられることがある。このような場合には輸液を行い、更に必要な場合は昇圧剤(アドレナリンを除く)の投与を行うこと。
なお、本剤を腰椎麻酔、硬膜外麻酔に併用すると、更に血圧降下を招くおそれがあるので、このような場合には慎重に投与すること。
不整脈(頻度不明)、期外収縮(頻度不明)、QT延長(頻度不明)、心室頻拍(頻度不明)、心停止(頻度不明)
- 不整脈、期外収縮、QT延長、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、心停止があらわれることがある。
ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー様症状(頻度不明)
- ショック、アナフィラキシー様症状(血圧低下、蕁麻疹等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
筋強直(0.1%未満)、間代性痙攣(頻度不明)、興奮(0.1%未満)、幻覚(頻度不明)、譫妄(頻度不明)
- 筋強直、間代性痙攣、興奮、幻覚、譫妄があらわれることがある。
チアノーゼ(0.52%)
悪性症候群
頻度不明
- ドロペリドール投与により悪性症候群が発現したとの報告があるので、体温上昇、筋硬直、不安、混乱、昏睡、CK(CPK)上昇等があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
ダントロレン、ブロモクリプチン、ECTが効果的であったとの報告がある。
薬効薬理
- 本剤はブチロフェノン系神経遮断剤・ドロペリドールとピペリジン系麻薬性鎮痛剤・フェンタニルクエン酸塩を50:1の割合に混合したもので、ドロペリドールにより深い鎮静状態が得られると共に、フェンタニルにより強い鎮痛効果がもたらされる。
通常用量ではタラモナール静注の作用は、静注後2?3分後にあらわれ周囲に全く無関心となるMineralization注)の状態が約30分続くが、鎮静作用はなお6?12時間持続する。本剤では患者の意識は消失しないが、外界に対しては無関心な深い鎮静状態となり、一方強い鎮痛作用がもたらされる。
注)Neuroleptanalgesiaの特長は、意識の消失なしに鎮痛効果と鎮静効果の得られることで、無痛状態を得ると同時に、安静、周囲の環境に対する無関心、自律神経系の安定、さらに高度の非被刺激性が得られ、精神科領域でいうMineralizationの状態?無生物のように情動表出のなくなった状態?となり、この状態では、患者は手術に伴う苦痛もなく、患者と術者との間に意志の疎通のある状態で手術を行うことができる。
フェンタニルの作用10,11)
鎮痛作用
- 動物実験でモルヒネと比較すると約200倍に相当する効力を示す(マウス:Haffner変法)。
効果の発現と持続
- 作用は静注投与後直ちにあらわれ、通常用量(成人0.5?1.0mg)では、効果は30?45分(surgical analgesiaの状態)持続する。
ドロペリドールの作用11,12,13)
鎮静作用
- 動物実験(マウス・ラット・イヌ)から攻撃性の抑制、条件回避反応の阻害等強い鎮静作用を示すことが認められる。
制吐作用
- 動物実験(イヌ)からクロルプロマジン、ハロペリドールに比し、強い制吐作用を有することが認められている。
効果の発現と持続
- 通常用量では作用は静注後2?3分であらわれ、周囲に全く無関心となるmineralizationの状態が約30分続くが、鎮静状態はなお6?12時間持続する。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- フェンタニルクエン酸塩(Fentanyl Citrate)
化学名
- N -(1-Phenethylpiperidin-4-yl)-N -phenylpropanamide monocitrate
分子式
分子量
性状
メタノール又は酢酸(100)に溶けやすく、水又はエタノール(95)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルに極めて溶けにくい。
一般名
化学名
- 1-{1-[4-(4-Fluorophenyl)-4-oxobutyl]-1, 2, 3, 6-tetrahydropyridine-4-yl}-1, 3-dihydro-2H -benzoimidazol-2-one
分子式
分子量
性状
酢酸(100)に溶けやすく、ジクロロメタンにやや溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
光によって徐々に着色する。
分配係数(log Pow)
- 2.9(pH7.0)
(Pow=オクタノール相のドロペリドール濃度/水相のドロペリドール濃度)
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- tartaric acid
- 商
- MS温シップ、MS冷シップ、アイファガン、アポノール、アミノレバンEN配合、アリメジン、イフェンプロジル酒石酸塩、イブロノール、エレンタールP乳幼児用配合、エレンタール配合、エンセロン、オーラ、クリアミン配合、サーカネッテン配合、サルポグレラート塩酸塩、ジフェニドール塩酸塩、シプセロン、ゼグミューラー、セリミック、セレクナート、セロクラール、セロケン、セロケンL、ゾルピデム酒石酸塩、タラモナール、チャンピックス、テクニス、テクネMAG3、デトルシトール、デンタカインカートリッジ、トラベルミン配合、ナベルビン、ハーネシップ、バックス、バリエース、バルギン、バロス、ヒシダリン、ヒルトニン、ヒルロック、フレザニール、プロチレリン酒石酸塩、プロヘパール配合、ペチロルファン、ヘパンED配合、ボグニン、マイスリー、マルファ配合、ミルサート冷シップ、メサフィリン配合、メデピン、メトプリック、メトプロロール酒石酸塩、メルコモン、ヨウアジール、ラクール冷シップ、リーバクト配合、リスペリドン、リンブレーン、ロゼウス、ロプレソール、ロプレソールSR、ロルファン、酒石酸
- C4H6O6。
- IUPAC名:2,3-ジヒドロキシブタン二酸
- 分子量150.09。
[★]
- 英
- fentanyl
- 化
- クエン酸フェンタニル fentanyl citrate
- 商
- アルチバ、タラモナール、デュロテップMTパッチ、フェントステープ、ワンデュロパッチ、Duragesic、Sublimaze
- 関
- 合成麻薬
構造
作用機序
薬理作用
- モルヒネの80倍の作用を持ち、持続時間が短いことが特徴
動態
適応
- 術後痛(硬膜外)、神経遮断麻酔、パッチ剤(癌疼痛にモルヒネ代用)
注意
禁忌
副作用
相互作用
[★]
- 英
- synthetic narcotic, synthetic narcotic drug
商品
[★]
- 英
- cod
- 関
- タラ目