- 同
- ピルジカイニド
- 商
- アリスリズム、サンリズム、タツピルジン、ピルシカイニド、ピルジカイニド、ピルシカイニド塩酸塩、ピルジカイニド塩酸塩、ピルジニック、リズムコート、リズムサット、塩酸ピルジカイニド
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/04/01 20:06:37」(JST)
[Wiki ja表示]
ピルシカイニド
|
IUPAC命名法による物質名 |
N-(2,6-dimethylphenyl)-2-(tetrahydro-1H-pyrrolizin-7a(5H)-yl)acetamide
|
臨床データ |
AHFS/Drugs.com |
International Drug Names |
投与方法 |
Oral, IV |
薬物動態データ |
半減期 |
2分(α相)、4.5時間(β相) |
識別 |
CAS番号 |
88069-67-4 |
ATCコード |
無し |
PubChem |
CID: 4820 |
UNII |
AV0X7V6CSE |
KEGG |
D08377en:Template:keggcite |
ChEMBL |
CHEMBL163238en:Template:ebicite |
化学的データ |
化学式 |
C17H24N2O |
分子量 |
272.38 g/mol |
SMILES
-
CC1=C(C(=CC=C1)C)NC(=O)CC23CCCN2CCC3
|
ピルシカイニド(Pilsicainide、商品名:サンリズム、開発コード:SUN 1165)はIc群抗不整脈薬の一つである。NaV1.5(英語版) Na+チャネルを遮断し、ナトリウムの細胞内への流入を遅らせて心筋の活動電位の立ち上がり(最初の脱分極)を遅くする[1]。ピルシカイニドは純粋なナトリウムチャネル(英語版)遮断薬であり、カリウムチャネル及びカルシウムチャネルは遮断しない[2]。ピロリジジン骨格を持つ。
目次
- 1 効能・効果
- 2 禁忌
- 3 副作用
- 4 作用機序
- 5 承認取得状況
- 6 参考資料
効能・効果
- 経口剤―頻脈性不整脈[3]
- 注射剤―緊急治療を要する頻脈性不整脈(上室性及び心室性)[4]
ピルシカイニドは単回投与で正常洞調律・左心室正常の心房細動を治療出来る[5]。又、慢性心房細動への長期投与も可能である[6]。
禁忌
下記疾患の患者には禁忌である[3][4]。
副作用
添付文書に重大な副作用として記載されているものは、心室細動(c:0.09%、i:0.26%)、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)(c:0.22%、i:0.31%)、洞停止(c:0.11%、i:0.37%)、完全房室ブロック(頻度不明)、失神(c:0.04%、i:0.05%)、心不全(頻度不明)、急性腎不全(頻度不明)、肝機能障害(c:0.04%、i:記載無し)である[3][4]。(c:経口カプセル剤での発現率、i:注射液での発現率)
作用機序
ピルシカイニドはNa+チャネルに細胞内外から結合する[7]。その親和性はチャネルの状態に依存し、閉じた状態のチャネル分子でより高く、開いた状態では低い[8]。ピルシカイニドの結合選択性は、チャネルを封鎖し[9]、ナトリウムイオンが心筋細胞内に流入する事を妨げる。これに因り細胞膜の電位依存脱分極が遅延するが、活動電位全体の持続時間には影響しない[9]。脱分極の抑制は使用依存的で[10]、刺激が大きくなる程阻害効果も大きくなる。同時に、心筋の刺激伝達を濃度依存的に遅延させる[11]。これに因り心筋の不応期が後ろ倒しとなり[12]、1c群抗不整脈薬としての効果を発揮する[13]。
ピルシカイニドは心室性[14]及び上室性不整脈に有効であり、副作用は少ない[15]。特に心房細動に対する有効性が高い[16]。心房細動は多彩な原因で発生し[17]、心房で不規則な速い刺激が乱れ飛び短時間で刺激のリエントリーが繰り返され[18]、心筋が再興奮することで一部の心筋細胞のみが繰り返し脱分極して、心房が非規律的な小さな収縮を繰り返す[19]。ピルシカイニドは心房の伝達速度を遅くし、不応期を延長させる事で心房細動を抑制する[20]。この不応期の延長がピルシカイニドの作用の特質であり、心筋の再興奮迄の時間が長くなる事で心房細動が抑止される[21]。
承認取得状況
ピルシカイニドは日本でのみ承認されている[22]。
1991年3月、経口剤で「頻脈性不整脈(心室性)―他の抗不整脈薬が使用出来ない、又は無効の場合」の承認を取得した[23]:1。
1993年1月、経口剤の承認内容が「頻脈性不整脈―他の抗不整脈薬が使用出来ない、又は無効の場合」となり、上室性頻脈に使用出来る様になった[23]:1。
2000年1月、注射剤で「緊急治療を要する頻脈性不整脈(上室性及び心室性)」の承認を取得した[24]:1。
参考資料
- ^ Inomata N, Ishihara T, and Akaike N (1987). “SUN 1165: a new antiarrhythmic Na current blocker in ventricular myocytes of guinea-pig.”. Comp Biochem Physiol C. 87 (2): 237-43. PMID 2443300.
- ^ Yamashita T, Murakawa Y, Sezaki K, Hayami N, Inoue M, Fukui E, and Omata M (1998-05). “Uniqueness of pilsicainide in class Ic antiarrhythmics.”. Jpn Heart J. 39 (3): 389-97. PMID 9711190.
- ^ a b c “サンリズムカプセル25mg/サンリズムカプセル50mg 添付文書” (2014年4月). 2015年10月11日閲覧。
- ^ a b c “サンリズム注射液50 添付文書” (2014年7月). 2015年10月11日閲覧。
- ^ Atarashi H, Inoue H, Hiejima K, Hayakawa H (1996-09-15). “Conversion of recent-onset atrial fibrillation by a single oral dose of pilsicainide (pilsicainide suppression trial on atrial fibrillation).”. Am J Cardiol. 78 (6): 694-7. PMID 8831412.
- ^ Okishige K, Nishizaki M, Azegami K, Igawa M, Yamawaki N, Aonuma K (2000-09). “Pilsicainide for conversion and maintenance of sinus rhythm in chronic atrial fibrillation: a placebo-controlled, multicenter study.”. Am Heart J. 140 (3): e13. PMID 10966544.
- ^ Hattori Y, and Inomata N (1992). “Modes of the Na channel blocking action of pilsicainide, a new antiarrhythmic agent, in cardiac cells.”. Jpn J Pharmacol. 58 (4): 365-73. PMID 1328732.
- ^ Desaphy JF, Dipalma A, Costanza T, Bruno C, Lentini G, Franchini C, George A, Conte Camerino D (2010). “Molecular determinants of state-dependent block of voltage-gated sodium channels by pilsicainide.”. Br J Pharmacol. 160 (6): 1521-33. doi:10.1111/j.1476-5381.2010.00816.x. PMID 20590641.
- ^ a b Hattori Y, Inomata N, Aisaka K, Ishihara T (1986-09). “Electrophysiological actions of N-(2,6-dimethylphenyl)-8-pyrrolizidine-acetamide hydrochloride hemihydrate (SUN 1165), a new antiarrhythmic agent.”. J Cardiovasc Pharmacol. 8 (5): 998-1002. PMID 2429102.
- ^ Courtney KR (1980-11). “Interval-dependent effects of small antiarrhythmic drugs on excitability of guinea-pig myocardium.”. J Mol Cell Cardiol. 12 (11): 1273-86. PMID 6777501.
- ^ Hidaka T, Hamasaki S, Aisaka K, Ishihara T, Morita M, Toyama J, Yamada K (1985). “N-(2,6-dimethylphenyl)-8-pyrrolizidineacetamide hydrochloride hemihydrate (SUN 1165), a new antiarrhythmic agent: effects on cardiac conduction.”. Arzneimittelforschung 35 (9): 1381-6. PMID 4084339.
- ^ Hattori Y, Hidaka T, Aisaka K, Satoh F, Ishihara T (1988-04). “Effect of SUN 1165, a new potent antiarrhythmic agent, on the kinetics of rate-dependent block of Na channels and ventricular conduction of extrasystoles.”. J Cardiovasc Pharmacol. 11 (4): 407-12. PMID 2453743.
- ^ Campbell TJ (1983). “Kinetics of onset of rate-dependent effects of class I antiarrhythmic drugs are important in determining their effects on refractoriness in guinea-pig ventricle, and provide a theoretical basis for their subclassification.”. Cardiovasc Res. 17 (6): 344-52. PMID 6883410.
- ^ Hashimoto H, Satoh N, Nakashima M (1992-03). “Effects of SUN-1165, N-(2,6-dimethylphenyl)-8-pyrrolizidine acetamide hydrochloride hemihydrate, a new class I antiarrhythmic drug, on ventricular arrhythmias, intraventricular conduction, and the refractory period in canine myocardial infarction.”. J Cardiovasc Pharmacol. 19 (3): 417-24. PMID 1378123.
- ^ Ino T, Atarashi H, Kuruma A, Onodera T, Saitoh H, Hayakawa H (1998-01). “Electrophysiologic and hemodynamic effects of a single oral dose of pilsicainide hydrochloride, a new class 1c antiarrhythmic agent.”. J Cardiovasc Pharmacol. 31 (1): 157-64. PMID 9456290.
- ^ Atarashi H, Inoue H, Hiejima K, Hayakawa H (1996-09-15). “Conversion of recent-onset atrial fibrillation by a single oral dose of pilsicainide (pilsicainide suppression trial on atrial fibrillation).”. Am J Cardiol. 78 (6): 694-7. PMID 8831412.
- ^ Dang D, Arimie R, Haywood LJ (2002-12). “A review of atrial fibrillation.”. J Natl Med Assoc. 94 (12): 1036-48. PMID 12510703.
- ^ Veenhuyzen GD, Simpson CS, Abdollah H (2004). “Atrial Fibrillation.”. Can Med Assoc J. 171 (7): 755-60.
- ^ Rensma PL, Allessie MA, Lammers WJ, Bonke FI, Schalij MJ (1988-02). “Length of excitation wave and susceptibility to reentrant atrial arrhythmias in normal conscious dogs.”. Circ Res. 62 (2): 395-410. PMID 3338122.
- ^ Kanki H, Mitamura H, Takatsuki S, Sueyoshi K, Shinagawa K, Sato T, Ogawa S (1998-10). “Postrepolarization refractoriness as a potential anti-atrial fibrillation mechanism of pilsicainide, a pure sodium channel blocker with slow recovery kinetics.”. Cardiovasc Drugs Ther. 12 (5): 475-82. PMID 9926279.
- ^ Shinagawa K, Mitamura H, Takeshita A, Sato T, Kanki H, Takatsuki S, Ogawa S (2000-01). “Determination of refractory periods and conduction velocity during atrial fibrillation using atrial capture in dogs: direct assessment of the wavelength and its modulation by a sodium channel blocker, pilsicainide.”. J Am Coll Cardiol. 35 (1): 246-53. PMID 10636287.
- ^ “Pilsicainide”. Drugs.com. 2015年10月12日閲覧。
- ^ a b “サンリズムカプセル25mg/サンリズムカプセル50mg インタビューフォーム”. 第一三共 (2015年9月). 2015年10月12日閲覧。
- ^ “サンリズム注射液50 インタビューフォーム”. 第一三共 (2014年10月). 2015年10月12日閲覧。
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 草永 真志,有留 玄太郎,林 海輝,太幡 敬洋,渡邊 龍之,久米 恵一郎,原田 大
- 日本消化器内視鏡学会雑誌 57(6), 1373-1377, 2015
- … 様の構成成分を伴う粘膜下血腫を認めたため,同部位が出血源と考え入院後ダビガトランを中止し,絶食・補液管理にて経過観察とした.その後血便はなく,保存的加療のみで軽快した.心房細動に対してはダビガトラン中止のままピルシカイニド塩酸塩の内服を開始し,その後再出血なく病変は治癒した.新規抗凝固薬であるダビガトラン内服による大腸粘膜下血腫は本例が初めてであり,貴重な症例と考えられた. …
- NAID 130005085959
- VT stormをきたした塩酸ピルシカイニド中毒の1例
- 髙橋 雅之,表 和徳,相川 忠夫,浅川 響子,檀浦 裕,小松 義和,相馬 孝光,岩切 直樹,牧野 隆雄,甲谷 哲郎,加藤 法喜
- 心臓 46(6), 723-729, 2014
- … その後, 透析患者にもかかわらず塩酸ピルシカイニド75mg/日の服用が判明し, 血中濃度高値が予想されたため, 持続的血液濾過透析も開始した. … VT stormをきたした塩酸ピルシカイニド中毒について, 文献的考察を含めて報告する. …
- NAID 130005086829
- 患者さんのヘルス・リテラシーを高めるくすりの教室(第4回)ピルシカイニド塩酸塩水和物
Related Links
- サンリズムとは?ピルシカイニドの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版) ... 用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。 すべての副作用を掲載しているわけではありません。
- 田辺三菱製薬株式会社のピルシカイニド塩酸塩カプセル50mg「タナベ」(循環器官用剤)、一般名ピルシカイニド塩酸塩水和物(Pilsicainide hydrochloride hydrate) の効果と副作用、写真、保管方法等を掲載。 QLifeとは サイトマップ 内科 ...
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ピルシカイニド塩酸塩カプセル25mg「トーワ」
組成
1カプセル中の有効成分
添加物
- 乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸Mg
カプセル本体:青色1号、酸化チタン、ラウリル硫酸Na、ゼラチン
禁忌
- うっ血性心不全のある患者[不整脈(心室頻拍、心室細動等)の誘発又は増悪、陰性変力作用による心不全の悪化を来すおそれが高い。]
- 高度の房室ブロック、高度の洞房ブロックのある患者[刺激伝導抑制作用により、これらの障害を更に悪化させるおそれがある。]
効能または効果
下記の状態で他の抗不整脈薬が使用できないか、又は無効の場合
- 通常、成人にはピルシカイニド塩酸塩水和物として、1日150mgを3回に分けて経口投与する。
- なお、年齢、症状により適宜増減するが、重症又は効果不十分な場合には、1日225mgまで増量できる。
- 腎機能障害のある患者に対しては、投与量を減量するか、投与間隔をあけて使用すること。(「重要な基本的注意」の項参照)
- 特に、透析を必要とする腎不全患者では、1日25mgから投与を開始するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
慎重投与
- 基礎心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)のある患者(「重要な基本的注意」の項参照)
- 心不全の既往のある患者[心不全を来すおそれがある。]
- 刺激伝導障害(房室ブロック、洞房ブロック、脚ブロック等)のある患者[刺激伝導抑制作用により、これらの障害を更に悪化させるおそれがある。]
- 著明な洞性徐脈のある患者[高度の徐脈、洞停止を来すおそれがある。]
- 腎機能障害のある患者(「重要な基本的注意」の項参照)
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 重篤な肝機能障害のある患者[AST(GOT)、ALT(GPT)、LDH等の上昇が報告されている。]
- 血清カリウム低下のある患者[一般的に、血清カリウムの低下している状態では、催不整脈作用が発現するおそれがある。]
重大な副作用
- 心室細動、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、洞停止、完全房室ブロック、失神、心不全:このような副作用があらわれ、ショック、心停止に至る場合もあるので、頻回な心電図検査、胸部X線検査等を実施し、異常所見が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 急性腎不全:ショック等による急性腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 肝機能障害:AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、このような症状が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
有効成分に関する理化学的知見
- 構造式:
- 一般名:ピルシカイニド塩酸塩水和物(Pilsicainide Hydrochloride Hydrate)
- 化学名:N-(2,6-Dimethylphenyl)tetrahydro-1H-pyrrolizin-7a(5H)-ylacetamide monohydrochloride hemihydrate
- 分子式:C17H24N2O・HCl・1/2H2O
- 分子量:317.85
- 性 状:白色の結晶又は結晶性の粉末である。酢酸(100)に極めて溶けやすく、水、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けやすい。0.1mol/L塩酸試液に溶ける。
- 融 点:210.5〜213.5℃
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- QT延長症候群、QT間隔
原因
- 洞結節機能不全
- 房室ブロック:2度房室ブロック、3度房室ブロックアンドロゲン遮断療法(GnRHアゴニスト/アンタゴニスト療法または両側性精巣摘除術)
- 利尿薬:低マグネシウム血症・低カリウム血症の誘発による
- 鎮吐薬:
[★]
- 英
- Brugada syndrome
- 同
- Brugada症候群
- 関
概念
- 特発性心室細動をもたらす症候群の一つ。
- 基礎疾患を有さない若年者~中年の失神発作が特徴的
- 非発作時には無症状であるが、発作時には突然死を来す可能性がある。
- 反復する多型性心室頻拍、心室細動を来たし、放置すれば突然死に至。
歴史
- 1992年、Brugadaらは洞調律時に右脚ブロック様QRS波形、V1-V3においてST上昇を示し、心室細動を来した、器質疾患を有さない8例を報告。
病因
- SCN5A geneの突然変異 → Naの流入が緩徐@RV流出路心外膜領域 → 活動電位の短縮(action potential shortening → 正常な心外膜とrapidly depolarized RV outflow epicardiumの間の電位差によりV1-V3でのST上昇を起こす → 局所的リエントリ誘発 → 致死性心室不整脈 (HIM.1442)
- 心筋Naチャネル遺伝子SCN5Aの以上がが原因の20%を占めるが、その他CACNA1C,CACNB2,GPD1-L,SCN1B,KCNE3,SCNE3Bなど多くの遺伝子異常と関係があるとされる。
疫学
- 30-50歳代の男性に多い
- 若年から中年の男性に多く、20-30%は突然死の家族歴を有する。
- 日本や東南アジアに多く、日本では成人の1%にBrugada型心電図を認める。
症状
- 前駆症状を伴わない失神発作が初発症状。
- 反復する多型性心室頻拍、心室細動。
- 放置により突然死する可能性が大きい
- uptodate
- 突然死(sudden cardiac arest)は初発症状の1/3を占める。
- 不整脈は22-65歳で見られ、副交感神経が活発となる日中より夜間、起床中よりも就寝中にみられる。
- 突然死と運動とは無関係とされている。
検査
心電図
- 1)完全あるいは不完全右脚ブロック様QRS波形(つまり、V1-V3でJ波が見られる)
- V1,V2のrSの後ろにJ波が出現している。右脚ブロックのV1誘導の心電図ではrSr'が認められるが、さきのJ波があたかもr'の様に見え、右脚ブロック様QRS波形と称している
- 2)右側胸部誘導(V1-V2(V3))のST上昇(coved型あるいはsaddle back型)
- ST上昇はcoved型(右下がり。陰性T波)、saddle back型(J波とT波が高く、その間が低くなって鞍状のSTを呈する)のパターンを示す。J波の高さが2mm以上でcoved型ST上昇と陰性T波を示す所見が最も診断価値が高い。
[show details]
薬物誘発検査?(HIM.1442)
薬物負荷試験
- ピルシカイニドでcoved型ST上昇を誘発できるとされる。心室頻拍や心室細動を誘発することがある。
診断
治療
予後
ガイドライン
- QT延長症候群(先天性・二次性)とBrugada症候群の診療に関するガイドライン
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2007_ohe_h.pdf
国試
[★]
- 英
- pilsicainide
- 同
- ピルシカイニド(添付文章としてはこちらの名称)
- 化
- 塩酸ピルシカイニド pilsicainide hydrochloride
- 商
- アリスリズム、サンリズム、タツピルジン、ピルジニック、リズムコート、リズムサット
- 関
- 抗不整脈薬
- 不整脈用剤
[show details]
[★]
ピルジカイニド。ピルシカイニド
[★]
- 英
- pilsicainide hydrochloride
- 関
- ピルジカイニド、塩酸ピルジカイニド
[★]
ピルジカイニド。ピルシカイニド
[★]
- 英
- pill
- 関
- 丸剤、経口避妊薬、丸薬