- 英
- granisetron
- 化
- 塩酸グラニセトロン granisetron hydrochloride
- 商
- カイトリル Kytril
- 関
- 鎮吐薬
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/06/11 14:25:58」(JST)
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グラニセトロン
|
IUPAC命名法による物質名 |
1-メチル-N-((1R,3r,5S)-9-メチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-イル)-1H-インダゾール-3-カルボキシアミド |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
B1 (Au), |
法的規制 |
S4 (Au), POM (UK), ℞-only (U.S.) |
投与方法 |
経口, 静脈注射, 経皮注射 |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
60% |
血漿タンパク結合 |
65% |
半減期 |
3–14 時間 |
排泄 |
尿 11–12%, 糞便 38% |
識別 |
CAS登録番号 |
109889-09-0 |
ATCコード |
A04AA02 |
PubChem |
CID 3510 |
DrugBank |
APRD01002 |
ChemSpider |
10482033 |
UNII |
WZG3J2MCOL |
KEGG |
D04370 |
化学的データ |
化学式 |
C18H24N4O |
分子量 |
312.41 g/mol |
SMILES
- CN4[C@@H]1CCC[C@H]4C[C@H](C1)NC(=O)c3nn(C)c2ccccc23
|
InChI
-
InChI=1S/C18H24N4O/c1-21-13-6-5-7-14(21)11-12(10-13)19-18(23)17-15-8-3-4-9-16(15)22(2)20-17/h3-4,8-9,12-14H,5-7,10-11H2,1-2H3,(H,19,23)/t12-,13+,14-
Key:MFWNKCLOYSRHCJ-BTTYYORXSA-N
|
グラニセトロン(英: granisetron)は、5-HT3受容体拮抗薬の1つ。セロトニンと5-HT3受容体との結合を選択的に阻害することで求心性迷走神経と化学受容器引き金帯(CTZ)に作用して嘔吐を抑制するため、制吐薬として使用される。
目次
- 1 塩酸グラニセトロン
- 2 外部リンク
- 3 註
- 4 参考文献
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
塩酸グラニセトロン
グラニセトロンは塩酸グラニセトロンとして塩酸塩の形で市販されている。CAS登録番号は[107007-99-8]で、IUPAC名は1-Methyl-N-(endo-9-methyl-9-azabicyclo[3.3.1]non-3-yl)-1H-imidazole-3-carboxamide hydrochrorideである。化学式はC18H24N4O・HCl、分子量は348.87 g/mol。
英国の製薬企業ビーチャム社(現在のグラクソ・スミスクライン社)により開発されている。日本では1995年8月より薬価収載され中外製薬より商品名「カイトリル」で販売されている。[1]効能は抗悪性腫瘍剤〈シスプラチン等〉投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)である。ヒトでは抗悪性腫瘍剤投与による悪心、嘔吐の場合のみ使用される。注射剤と顆粒剤が販売されている。現在では多数の製薬メーカーよりジェネリック医薬品が販売されている[2][3]。
外部リンク
註
- ^ カイトリル添付文書、中外製薬
- ^ 医薬品インタビューフォーム_グラニセトロン靜注液メルク製薬
- ^ 「グラニセトロン静注液」添付文書 沢井製薬
参考文献
- 伊藤勝昭ほか編集 『新獣医薬理学 第二版』 近代出版 2004年 ISBN 4874021018
関連項目
- 制吐薬
- 化学受容器引き金帯
- メトクロプラミド
- クロルプロマジン
外部リンク
Granisetron data (English)
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- P1-348 便秘を発現したグラニセトロン投与患者の背景因子に関する検討(一般演題 ポスター発表,癌薬物療法(副作用対策),臨床から学び臨床へと還元する医療薬学)
- O7-14 2用量のグラニセトロン静脈内投与における便秘に対する追加解析(一般演題 口頭発表,がん薬物療法(その他),臨床から学び臨床へと還元する医療薬学)
Related Links
- グラニセトロン(英: granisetron)は、5-HT3受容体拮抗薬の1つ。セロトニンと5-HT3 受容体との結合を選択的に阻害することで求心性迷走神経と化学受容器引き金帯( CTZ)に作用して嘔吐を抑制するため、制吐薬として使用される。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
カイトリル錠1mg
組成
成分
有効成分・含有量
- グラニセトロン塩酸塩 1.12mg(グラニセトロンとして1mg)
添加物
- ヒプロメロース、デンプングリコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、結晶セルロース、乳糖水和物、酸化チタン、マクロゴール400、ポリソルベート80
禁忌
効能または効果
- ○抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与及び放射線照射に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)
- 本剤を抗悪性腫瘍剤の投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)に対して使用する場合は、強い悪心、嘔吐が生じる抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)の投与に限り使用すること。
- 本剤を放射線照射に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)に対して使用する場合は、強い悪心、嘔吐が生じる全身照射や上腹部照射等に限り使用すること。
- 通常、成人にはグラニセトロンとして1回2mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 本剤を抗悪性腫瘍剤の投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)に対して使用する場合は、抗悪性腫瘍剤の投与1時間前に投与し、癌化学療法の各クールにおける本剤の投与期間は6日間を目安とする。
- 本剤を放射線照射に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)に対して使用する場合は、放射線照射の1時間前に投与する。
慎重投与
細粒剤(アスパルテームに関する注意)
- フェニルケトン尿症の患者[細粒剤はアスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)を含有する。]
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー様症状
(以上頻度不明)
- ショック、アナフィラキシー様症状(そう痒感、発赤、胸部苦悶感、呼吸困難、血圧低下等)があらわれるとの報告があるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
抗悪性腫瘍剤誘発嘔吐の抑制
シスプラチン誘発嘔吐抑制試験
- フェレットにグラニセトロン塩酸塩を経口投与し、15分後にシスプラチン10mg/kgを静脈内投与したところ、グラニセトロン塩酸塩0.005mg/kg以上で嘔吐回数の有意な減少及び嘔吐潜伏時間の有意な延長が認められた。
ドキソルビシンとシクロホスファミド併用による誘発嘔吐に対する作用
- フェレットにドキソルビシン6mg/kgとシクロホスファミド80mg/kgを静脈内投与する15分前にグラニセトロン塩酸塩0.5mg/kgを経口投与したところ、嘔吐回数の有意な減少及び嘔吐潜伏時間の有意な延長が認められた。
作用機序の検討9,10)
各種受容体に対する親和性
- ラット又はモルモット脳標本を用いて、各種受容体に対するグラニセトロン塩酸塩の親和性を検討したところ、本剤は5-HT3受容体に対しては極めて高い親和性を示したが(Ki値=0.26nM)、5-HT1(5-HT1A、5-HT1B/C、5-HT1C)、5-HT2、ドパミンD2、アドレナリンα1、α2及びβ、ベンゾジアゼピン、ピクロトキシン並びにヒスタミンH1、オピオイドμ、κ及びδの各受容体に対する親和性はほとんど認められなかった(5-HT1C受容体以外の受容体:Ki値>1000nM、5-HT1C受容体:IC50値>10000nM)。
5-HT誘発徐脈に対する作用
- 5-HTによる5-HT3受容体を介した一過性の徐脈(von Bezold-Jarisch reflex)に対する作用を麻酔ラットで検討したところ、グラニセトロン塩酸塩はこの反射を用量依存的に抑制した。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- グラニセトロン塩酸塩(Granisetron Hydrochloride)(JAN)
化学名
- 1-Methyl-N-(endo-9-methyl-9-azabicyclo[3.3.1]non-3-yl)-1H-indazole-3-carboxamide hydrochloride
分子式
分子量
性 状
- 白色の粉末又は塊のある粉末である。水に溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(95)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
融 点
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- QT延長症候群、QT間隔
原因
- 洞結節機能不全
- 房室ブロック:2度房室ブロック、3度房室ブロックアンドロゲン遮断療法(GnRHアゴニスト/アンタゴニスト療法または両側性精巣摘除術)
- 利尿薬:低マグネシウム血症・低カリウム血症の誘発による
- 鎮吐薬:
[★]
- 英
- serotonin syndrome
- 関
- セロトニン、セロトニン受容体
概念
- 抗うつ薬(特に SSRI と呼ばれる選択的セロトニン再取り込み阻害薬。≒セロトニン受容体作動薬)などのセロトニン系の薬物を服用中に出現する副作用
- 精神症状(不安、混乱する、いらいらする、興奮する、動き回るなど)
- 錐体外路症状(手足が勝手に動く、震える、体が固くなるなど)
- 自律神経症状(汗をかく、発熱、下痢、脈が速くなるなど)
- 服薬開始数時間以内に症状が表れることが多い
- 服薬を中止すれば24時間以内に症状は消失
- 「不安」、「混乱する」、「いらいらする」に加えて以下の症状がみられる場合に医療機関受診を推奨している(参考1)
- 「興奮する」、「動き回る」、「手足が勝手に動く」、「眼が勝手に動く」、「震える」、「体が固くなる」、「汗をかく」、「発熱」、「下痢」、「脈が速くなる」
原因となりうる薬剤
トリプトファン、アンフェタミン、コカイン、MDMA、LSD、レボドパ、カルビドパ、トラマドール、ペンタゾシン、メペリジン、SSRI、SNRI、TCA、MAO阻害薬、リネゾリド、5-HT3阻害薬(オンダンセトロン、グラニセトロン)、メトクロプラミド(プリンペラン)、バルプロ酸、カルバマゼピン、シブトラミン(やせ薬)、シクロベンザプリン(中枢性筋弛緩)デキストロメルファン、(メジコン)、ブスピロン(5-HT1A阻害薬、抗不安薬)、トリプタン製剤、エルゴタミン、フェンタニル、リチウム
診断基準
- QJM. 2003 Sep;96(9):635-42
Hunter criteria
感度84%, 特異度97%
参考
- http://www.pmda.go.jp/files/000144659.pdf
[★]
商品
[★]
グラニセトロン。カイトリル
[★]
- 英
- mock、sham、counterfeit、pseudo
- 関
- 仮性、偽性、見せかけの