- 英
- azithromycin, AZM
- 化
- アジスロマイシン水和物 azithromycin hydrate
- 商
- ジスロマック
- 関
- マクロライド系抗菌薬。抗菌薬
適応菌種
- ジスロマック点滴静注用500mg
適応症
- ジスロマック点滴静注用500mg
肺炎、骨盤内炎症性疾患
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/09/12 11:58:29」(JST)
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アジスロマイシン
|
|
臨床データ |
胎児危険度分類 |
? |
法的規制 |
? |
識別 |
ATCコード |
J01FA10 S01AA26 |
KEGG |
D07486 |
化学的データ |
化学式 |
C38H72N2O12 |
アジスロマイシン(azithromycin)は、ファイザー株式会社が製造・販売している15員環マクロライド系抗生物質。日本での商品名は「ジスロマック」日本での略号は「AZM」。
2009年現在15員環マクロライド系抗生物質はアジスロマイシンのみである。
特徴
長時間体内に留まる特徴がある。これは15員環に窒素原子が入っているという構造に由来し、血中濃度より10~100倍の組織、細胞内濃度を得ることができるため半減期が68.1時間(500 mg投与時)ときわめて長い。また、クラリスロマイシンなどでみられる薬物相互作用はほとんど無い。
成人において呼吸器感染症、リンパ管・節感染症、副鼻腔炎などでは基本的に1日1回500 mg服用を3日間続けることによって1週間効果が持続する。
2009年日本においても上市された「ジスロマックSR」は2 gの1回投与のみで1週間効果が持続し、従来の3日間投与と同等以上の効果が得られるとされる。
HIV/AIDS患者の非結核性抗酸菌症 (NTM) 予防・治療のために600 mg錠が上市されている。
その他
他のマクロライド系抗生物質でもみられるQT延長症候群[1]について、アジスロマイシンに対しても米国のFDAは2013年3月12日に警告を強化した。
軽症の呼吸器感染症に関しては米国にて500 mg×3日間が有効という研究があるが、クラミジア肺炎やレジオネラ肺炎ではより長期の投与が必要ではとの意見もある。
小児においての安全性が期待されており、2007年11月米国で小児においての治験が開始されることとなった。また日本ではアジスロマイシンの小児用細粒が2000年4月より上市されている。
脚注
- ^ Ray WA, Murray KT, Hall K, Arbogast PG, Stein CM (2012). “Azithromycin and the risk of cardiovascular death”. N. Engl. J. Med. 366 (20): 1881-1890. doi:10.1056/NEJMoa1003833. PMC 3374857. PMID 22591294. http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pmcentrez&artid=3374857.
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- P1-7-2 アジスロマイシン内服後に発症する下痢に対するトリメブチンマレイン酸塩の抑制効果(Group7 女性医学・感染症・他,一般演題,第63回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 野口 靖之,原田 龍介,大山 由里子,木下 伸吾,保科 眞二,若槻 明彦
- 日本産科婦人科學會雜誌 63(2), 481, 2011-02-01
- NAID 110008508871
- P1-7-1 淋菌およびクラミジア.トラコマティスの混合感染による子宮頸管炎に対するアジスロマイシンの治療効果(Group7 女性医学・感染症・他,一般演題,第63回日本産科婦人科学会学術講演会)
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- アジスロマイシン (ジスロマック ジェネリック) 錠は深在性皮膚感染症,リンパ管・リンパ節炎,咽頭・喉頭炎,扁桃炎(扁桃周囲炎,扁桃周囲膿瘍を含む),急性気管支炎,肺炎,肺膿瘍,慢性呼吸器病変の二次感染,尿道炎 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ジスロマック錠600mg
組成
1錠中:
有効成分
- 日局 アジスロマイシン水和物 628.93mg
(アジスロマイシンとして600mg(力価))
添加物
- 部分アルファー化デンプン、無水リン酸水素カルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ヒプロメロース、乳糖水和物、酸化チタン、トリアセチン
禁忌
効能または効果
適応菌種
- マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)
適応症
- 後天性免疫不全症候群(エイズ)に伴う播種性マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症の発症抑制及び治療
発症抑制:
- 成人にはアジスロマイシンとして、1200mg(力価)を週1回経口投与する。
治療:
- 成人にはアジスロマイシンとして、600mg(力価)を1日1回経口投与する。
- 治療に関する海外臨床試験においてエタンブトールとの併用効果が示されているため、治療の際にはエタンブトール(1日15mg/kg)と併用すること1)。
- 治療に際してはエタンブトールに加え、医師の判断によりMACに対する抗菌活性(in vitro)を有する他の抗菌薬を併用することが望ましい。
- 本剤を使用する際には、投与開始時期、投与期間、併用薬について国内外の学会のガイドライン等、最新の情報を参考にし、投与すること。
慎重投与
- 他のマクロライド系又はケトライド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- 高度な肝機能障害のある患者[肝機能を悪化させるおそれがあるので、慎重に投与すること。]
- 心疾患のある患者[QT延長、心室性頻脈(Torsades de pointesを含む)をおこすことがある。]
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー様症状(頻度不明)注)
- ショック、アナフィラキシー様症状(呼吸困難、喘鳴、血管浮腫等)をおこすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)(頻度不明)注)
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。これらの副作用は本剤の投与中または投与終了後1週間以内に発現しているので、投与終了後も注意すること。
肝炎、肝機能障害、黄疸(頻度不明)注)
- 肝炎、肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性腎不全(頻度不明)注)
- 急性腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、乏尿等の症状や血中クレアチニン値上昇等の腎機能低下所見が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
偽膜性大腸炎(頻度不明)注)
- 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
間質性肺炎、好酸球性肺炎(頻度不明)注)
- 発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、好酸球性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
QT延長、心室性頻脈(Torsades de pointesを含む)(頻度不明)注)
- QT延長、心室性頻脈(Torsades de pointesを含む)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、QT延長等の心疾患のある患者には特に注意すること。
白血球減少、顆粒球減少、血小板減少(頻度不明)注)
- 白血球減少、顆粒球減少、血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症(頻度不明)注)
- 横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。
薬効薬理
抗菌作用27)
- アジスロマイシンは、Mycobacterium avium及びMycobacterium intracellulareから構成されるMACに対してin vitroで抗菌活性を示し、ベージュマウス及びラットのMAC感染モデルにおいて、予防及び治療効果を発揮した。
- アジスロマイシンは、マウス及びヒトのマクロファージ培養細胞及びベージュマウス感染モデルにおいて、貪食されたMACに対して抗菌活性を示した。
作用機序
- 細菌の70Sリボソームの50Sサブユニットと結合し、蛋白合成を阻害する28)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- アジスロマイシン水和物(Azithromycin Hydrate)
化学名
- (2R,3S,4S,5R,6R,8R,11R,12R,13S,14R)-5-(3,4,6-Trideoxy-3-dimethylamino-β-D-xylo-hexopyranosyloxy)-3-(2,6-dideoxy-3-C-methyl-3-O-methyl-α-L-ribo-hexopyranosyloxy)-10-aza-6,12,13-trihydroxy-2,4,6,8,10,11,13-heptamethylhexadecan-14-olide dihydrate
略号
分子式
分子量
力価
- アジスロマイシン水和物の力価は、アジスロマイシン(C38H72N2O12:748.98)としての量を質量(力価)で示す。
性状
- アジスロマイシン水和物は、白色の結晶性の粉末である。メタノール又はエタノール(99.5)に溶けやすく、水にほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
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- 20歳の男性。発熱と右下肢の発赤、疼痛および腫脹とを主訴に来院した。
- 現病歴:4日前、屋外でバスケットボールの練習中に転倒し右下腿を打撲した。次第に打撲した部位の発赤、疼痛および腫脹が出現して急速に拡がり、発熱も出現したため救急外来を受診した。
- 既往歴:3歳時に肺炎で入院。薬物アレルギーはない。
- 生活歴:大学生。バスケットボールのサークルに所属している。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:父親が高血圧症で内服治療中。母親は健康。
- 現症:意識レベルはJCSⅠ-2-R。身長 175cm、体重 63kg。体温 40.6℃。脈拍 120/分、整。血圧 82/40mmHg。呼吸数 22/分。SpO2 96%(room air)。全身に発汗を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。右鼠径部に径2cmで可動性良好なリンパ節を3個触知し、圧痛を認める。右下腿は打撲部位を中心に膝から足首に及ぶ著明な発赤、腫脹および圧痛を認め、皮膚表面には大小の血性水疱を認める。右膝関節および足関節は腫脹と疼痛のため十分な診察ができない。足背動脈は両側とも触知可能である。
- 検査所見:血液所見:赤血球 468万、Hb 13.9g/dL、Ht 42%、白血球 15,300(桿状核好中球 30%、分葉核好中球 55%、好酸球 1%、好塩基球 0%、単球 7%、リンパ球 7%)、血小板 9万、PT-INR 1.6(基準 0.9~1.1)、Dダイマー 3.4μg/mL(基準 1.0以下)。血液生化学所見:総蛋白 6.0g/dL、総ビリルビン 0.9mg/dL、AST 114U/L、ALT 30U/L、LD 602U/L(基準 176~353)、CK 12,200U/L(基準 30~140)、尿素窒素 30mg/dL、クレアチニン 1.9mg/dL、血糖 98mg/dL、Na 134mEq/L、K 5.0mEq/L、Cl 97mEq/L。CRP 22mg/dL。動脈血ガス分析(room air):pH 7.30、PaCO2 32Torr、PaO2 70Torr、HCO3- 14mEq/L。
- 骨盤部・下肢CTで右膝関節周囲から足部にかけての皮下組織と筋肉の強い浮腫像と、下腿の筋肉表面に沿った広範な液体成分の貯留像とを認める。
- 急速大量輸液を開始した。
- 来院時に採取した血液培養から菌の発育を認めた。培養液のGram染色標本(別冊No. 13)を別に示す。当初、広域スペクトル抗菌薬が投与されていたが、この結果から抗菌薬の変更を検討することとなった。
- 最適な候補薬はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111E061]←[国試_111]→[111E063]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107D010]←[国試_107]→[107D012]
[★]
- 関
- QT延長症候群、QT間隔
原因
- 洞結節機能不全
- 房室ブロック:2度房室ブロック、3度房室ブロックアンドロゲン遮断療法(GnRHアゴニスト/アンタゴニスト療法または両側性精巣摘除術)
- 利尿薬:低マグネシウム血症・低カリウム血症の誘発による
- 鎮吐薬:
[★]
- 英
- macrolide antibiotic macrolide antibiotics, macrolides, MLs
- 同
- マクロライド系抗生物質 ←厳密には違うが、多くの人が間違って使っている
- 関
- 抗菌薬
特徴
- 抗菌スペクトルが広い
- 静菌的に作用
- 大きな環状構造を有する。14員環-16員環
- タンパク質合成阻害薬
- 抗生物質としての作用の他に、抗炎症作用を有するらしい
- 炎症の抑制 ex.びまん性汎細気管支炎
構造
- http://www.sigmaaldrich.com/life-science/life-science-catalog/product-catalog.html?TablePage=14572877
- Macrolide antibiotics contain a many-membered lactone ring (14-membered rings for erythromycin and clarithromycin and a 15-membered ring for azithromycin) to which are attached one or more deoxy sugars. Clarithromycin differs from erythromycin only by methylation of the hydroxyl group at the 6 position, and azithromycin differs by the addition of a methyl-substituted nitrogen atom into the lactone ring. These structural modifications improve acid stability and tissue penetration and broaden the spectrum of activity.(GOO. chapter 46)
作用機序
- inhibit bacterial protein synthesis by reacting with the 50s ribosomal subunit and preventing the release of the uncharged tRNA.
薬理作用
動態
抗菌スペクトル
- ペニシリンより広い抗菌スペクトル
- グラム陽性球菌、グラム陰性球菌、グラム陰性桿菌、スピロヘータ、一部のリケッチア、ウイルス
適応
- マイコプラズマ肺炎、クラミジア感染症、カンピロバクター腸炎、レジオネラ症
- びまん性汎細気管支炎:14員環マクロライドのみ
- URIs, pneumonias, STD
注意
禁忌
副作用
- 悪心、嘔吐、消化器の蠕動を促進
- テオフィリン
- 喘息の治療薬。CYP3A4で代謝される。中毒域と治療域がちかいので注意する
マクロライド系抗菌薬
14員環
15員環
16員環
14員環 (ケトライド系抗菌薬)
有効性 (SMB.147)
- ○:殺菌的、△静菌的
[★]
- 英
- acute pharyngitis
- 同
- カタル性咽頭炎 catarrhal pharyngitis
- 関
- 咽頭炎、急性扁桃炎
病因の鑑別
- IRE.475改変
-
治療
- ペニシリン系抗菌薬:ペニシリンアレルギーがある場合には使えない。また病原体が不明であるときに投与すると、疾患が伝染単核球症の場合皮疹を生じさせてしまうので、これを否定できるまで投与しない。(IRE.999)
- マクロライド系抗菌薬:クラリスロマイシンやアジスロマイシン。日本ではマクロライド耐性溶連菌が多いらしい。(IRE.999)
国試
[★]
- 英
- acquired long-QT syndrome
- 関
- QT延長症候群、多形性心室頻拍、トルサード・ド・ポアンツ
病因
- 参考1
治療
参考文献
- 1. 不整脈薬物治療に関するガイドライン(2009年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_kodama_h.pdf
[★]
- 英
- Legionella
- 同
- Legionella属、レジオネラ
- 関
- レジオネラ科 Legionellaceae、グラム陰性桿菌
特徴
レジオネラ症の代表的菌種 レジオネラ属菌
培養
レジオネラ属による感染症
治療