- 英
- antihistamine antihistamines, histamine antagonist
- 同
- ヒスタミン拮抗薬 histamine antagonists、ヒスタミン遮断薬 histamine blocking agents
- 関
- ヒスタミン受容体。薬理学
- ヒスタミンH1受容体拮抗薬 histamine H1 receptor antagonist、H1拮抗薬 H1 blocker、H2遮断薬
- ヒスタミンH2受容体拮抗薬 histamine H2 receptor antagonist、H2拮抗薬 H2 blocker、H2遮断薬
-
- 中枢作用↓、鎮静作用↓、抗コリン作用↓
-
- ケミカルメディエーター放出を抑制
- 中枢作用:有。鎮静作用:有
鎮静性からの分類
構造からの分類
薬理学的作用の比較
- https://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0024/G0000065/0023 をより改変して引用
抗ヒスタミン薬の抗ヒスタミン受容体占拠率
- https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/112/3/112_3_99/_pdf
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抗ヒスタミン薬(こうヒスタミンやく)(Antihistamine)は、ヒスタミンの作用を抑制する薬品である。特にH1受容体拮抗薬を指す。抗ヒ剤と略称することもある。
目次
- 1 用途
- 2 作用
- 3 第一世代と第二世代
- 4 その他のヒスタミン受容体
- 5 抗ヒスタミン薬の中枢作用
- 6 関連項目
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用途
- 花粉症などのアレルギーの諸症状を緩和させるため
- 風邪の諸症状緩和のため
- 睡眠改善薬として
- 乗り物酔いの薬として
作用
アレルギーの中でI型(アナフィラキシー型)は、抗原 + IgE抗体が肥満細胞等のIgE受容体に作用し、ヒスタミン、セロトニン、ロイコトリエン等を放出させるのが契機となって起こる。ヒスタミンには血管拡張作用があり、この作用によりアレルギーの症状である、くしゃみ、鼻水などが発生する。風邪のアレルギー症状も同一の機序による。
この作用を担うヒスタミン受容体はH1受容体と呼ばれ、抗ヒスタミン薬はこの受容体の作用を抑制することで、アレルギー症状を抑える。したがってアレルギーそのものや風邪そのものを治す薬ではない。
また、後述のように中枢神経系に作用して眠気を引き起こすことがあるので、服用後は四輪車、オートバイ、工作機械の運転といった、危険を伴う作業には従事しないことが勧められている。特に、飲酒前後の服用は眠気をさらに引き起こし得る。
第一世代と第二世代
抗ヒスタミン薬は第一世代と第二世代に分類されている。第一世代は脂溶性が高いため血液脳関門を容易に通過し、中枢神経系、特に視床下部に作用して眠気を引き起こす、即ち鎮静作用があると考えられている。第二世代は鎮静作用は少ないものの、肝臓のP450系で代謝されるために他の薬物との相互作用が見られる場合がある。第一世代はエタノールアミン系、プロピルアミン系、フェノチアジン系、ピペラジン系、ピペリジン系に分かれそれぞれ使い分けがある。
- エタノールアミン系
- 塩酸ジフェンヒドラミン(ベナ、レスタミンコーワ軟膏)などがここに含まれる。鎮静作用が強いため夜に服薬させるなど工夫が必要である。抗めまい薬としても使われるジメンヒドリナート(ドラマミン)もここに含まれる。
- プロピルアミン系
- マレイン酸クロルフェニラミン(アレルギン、ポララミン、クロール・トリメトン)などがここに含まれる。鎮静作用が少ないため第一世代の中では昼間の投与に適していると考えられる。クロール・トリメトンは蕁麻疹の治療で用いられる。
- フェノチアジン系
- 塩酸プロメタジン(ピレチア)などが含まれる。局所麻酔作用がある。
- ピペラジン系
- ヒドロキシジン(アタラックスP)などがここに含まれる。鎮静薬、制吐薬としての使われ方が多い。
- ピペリジン系
- 塩酸シプロヘプタジン(ペリアクチン)などが含まれる。食欲亢進、体重増加作用がある。
- 第二世代
- エピナスチン塩酸塩(アレジオン)、ロラタジン(クラリチン)、塩酸フェキソフェナジン(アレグラ)といった薬がここに含まれる。鎮静作用がほとんどないため非常に扱いやすい薬である。妊婦に用いる場合は塩酸セチリジン(ジルテック)が良いと言われている。なお第二世代抗ヒスタミン薬は抗アレルギー薬に分類されることが多い。
抗ヒスタミン薬は鼻炎の症状でよく用いられるがくしゃみや鼻漏、かゆみには有効だが鼻閉には効果がない。鼻閉にはロイコトリエン拮抗薬という抗アレルギー薬が有効であると言われている。抗アレルギー薬は効果が現れるのにひと月くらいかかるものも多く、医師の管理下で用いることが望ましい。
その他のヒスタミン受容体
ヒスタミン受容体にはH2受容体もあり、これは胃の壁細胞に作用して、cAMPを増加させ、プロトンポンプから得られた水素イオンを塩酸の形で胃腔内に放出させる。そのためH2作用を阻害すれば胃酸の分泌を抑えることができる。
H2受容体拮抗剤(H2-blocker、H2ブロッカーと医療現場では呼ばれることが多い)は主に胃に存在するH2受容体に働き、強力に胃酸分泌を阻害するので胃潰瘍、胃炎の治療薬として使用されている。H2受容体拮抗剤が臨床で使用されてから、胃潰瘍の外科手術は激減した。シメチジン、ラニチジン、ファモチジンなどが代表的。
H3受容体拮抗薬は肥満と注意欠損障害に適応がある可能性が指摘されている。
ただし、これらは通常「抗ヒスタミン薬」とは呼ばない。
抗ヒスタミン薬の中枢作用
古いタイプの抗ヒスタミン薬(第一世代抗ヒスタミン薬)には強い眠気を誘うという副作用を持っている。この副作用を利用して睡眠薬や乗り物酔いの薬として利用するケースもある。ヒドロキシジン(商品名アタラックスP、アタP)が古くからこの目的で使用されてきたほか、ジフェンヒドラミン(商品名ドリエル)は2003年に睡眠改善薬として初めて市販が認可された。子供の風邪などでも、ちょっと鎮静のかかった感じにして、ぐっすり寝て改善してもらう、といった色合いもあって、あえて古い世代の抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬を用いることがある。
また、メジャートランキライザー等向精神薬の副作用を軽減する目的で使われる場合がある。これは、ある種の抗ヒスタミン薬にある抗パーキンソン作用を利用するものである。強力な睡眠薬の一つであるベゲタミンの中には抗ヒスタミン作用を持つ物質(塩酸プロメタジン)が混合されている。これは、主成分である塩酸クロルプロマジンの副作用を軽減する目的で添加されている。また、ピレチア(ヒベルナ)などを副作用を軽減する目的で出す場合もある。
関連項目
薬理学:医薬品の分類 |
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消化器/代謝(A) |
胃酸中和剤(制酸薬、H2ブロッカー、プロトンポンプ阻害薬) • 制吐薬 • 瀉下薬 • 止瀉薬/止痢薬 • 抗肥満薬 • 経口血糖降下薬 • ビタミン • ミネラル
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血液、血液生成器官(B) |
抗血栓薬(抗血小板剤、抗凝固薬、血栓溶解薬) • 抗出血(血小板、凝固・線溶系、抗線維素溶解性)
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循環器系(C) |
心臓療法/狭心症治療薬(強心配糖体、抗不整脈薬、強心剤) • 高血圧治療薬 • 利尿薬 • 血管拡張薬 • 交感神経β受容体遮断薬 • カルシウム拮抗剤 • レニン-アンジオテンシン系(ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬) • 脂質降下薬(スタチン、フィブラート、胆汁酸捕捉因子)
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皮膚(D) |
皮膚軟化薬 • 瘢痕形成剤 • 鎮痒薬 • 乾癬治療薬 • 他の皮膚薬
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泌尿生殖器系(G) |
ホルモン避妊薬 • 排卵誘発治療 • SERM • 性ホルモン
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内分泌器(H) |
視床下部脳下垂体ホルモン • 副腎皮質ホルモン(糖質コルチコイド、ミネラルコルチコイド) • 性ホルモン • 甲状腺ホルモン/抗甲状腺薬
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感染(J、P、QI) |
抗菌薬 (抗生物質) • 抗真菌薬 • 抗ウイルス薬 • 抗寄生虫薬(抗原虫薬、駆虫薬) • 外部寄生虫駆除剤 • 静注用免疫グロブリン • ワクチン
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悪性腫瘍(L01-L02) |
抗がん剤(代謝拮抗薬、抗腫瘍性アルキル化薬、紡錘体毒、抗悪性腫瘍薬、トポイソメラーゼ阻害薬)
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免疫系(L03-L04) |
免疫調節薬(免疫賦活薬、免疫抑制剤)
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筋肉、骨、関節(M) |
アナボリックステロイド • 抗炎症薬(NSAIDs) • 抗リウマチ • 副腎皮質ホルモン • 筋弛緩剤 • ビスホスホネート
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脳、神経(N) |
鎮痛剤 • 麻酔剤(一般、局所・静脈) • 食欲低下薬 • ADHD治療 • 中毒医学 • 抗てんかん薬 • アルツハイマー治療 • 抗うつ薬 • 片頭痛治療 • パーキンソン病治療 • 抗精神病薬 • 抗不安薬 • 抑制剤 • エンタクトゲン • エンセオジェン • 陶酔薬 • 幻覚剤(精神展開薬、解離性麻酔薬、デリリアント) • 睡眠導入剤/鎮静薬 • 気分安定化薬 • 神経保護 • スマートドラッグ • 神経毒 • 食欲促進 • セレニック • 覚醒剤 • 覚醒促進物質
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呼吸器(R) |
鬱血除去薬 • 気管支拡張薬 • 鎮咳去痰薬 • 抗ヒスタミン薬
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感覚器(S) |
眼科学 • 耳科学
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その他ATC(V) |
解毒剤 • 造影剤 • 放射性薬理学 • 湿潤療法
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Japanese Journal
- 質疑応答 薬理学 妊婦に使用可能な抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬・禁忌薬
- MS7-4 蕁麻疹における抗ヒスタミン薬の中止時期の検討(MS7 蕁麻疹,ミニシンポジウム,第61回日本アレルギー学会秋季学術大会)
- 三原 祥嗣,平郡 真記子,亀好 良一,弓立 達夫,森田 栄伸,堀川 達弥,竹内 聡,秀 道広,西日本蕁麻疹治療研究会
- アレルギー 60(9・10), 1332, 2011-10-10
- NAID 110008912197
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- Q1: アトピー性皮膚炎のために処方されるかゆみ止めの飲み薬はどんなものがありますか。 Q2: アトピー性皮膚炎のかゆみを本当に止めることができるのでしょうか。 Q3: うちの子はこのお薬を飲んでいますが、相変わらずかゆがっています。
- 用途 花粉症などのアレルギーの諸症状を緩和させるため 風邪の諸症状緩和のため 睡眠改善薬として 乗り物酔いの薬として 作用 アレルギーの中でI型(アナフィラキシー型)は、抗原 + IgE 抗体が肥満細胞等のIgE受容体に作用し、ヒスタミン、 ...
- 1回30mg 1日90mg ヒスタミン遊離の抑制やヒスタミン受容体でヒスタミンと競合。 蕁麻疹、湿疹、アレルギー性鼻炎など。 2003年、睡眠改善薬として大衆薬市場で発売。眠気、鎮静、熱感、倦怠感、めまい、悪心、嘔吐、皮膚炎ほか。
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★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、40、41の問いに答えよ。
- 22歳の女性。腹痛、嘔吐および発熱を主訴に来院した。
- 現病歴:午前6時ごろから心窩部痛を自覚した。痛みは徐々に右下腹部に移動し、悪心、嘔吐および発熱が出現したため午前9時に救急外来を受診した。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 生活歴:喫煙歴と飲酒歴はない。
- 現症:意識は清明。身長 153cm、体重 48kg。体温 37.6℃。脈拍 100/分、整。血圧 118/62mmHg。呼吸数 24/分。頸静脈の怒張を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で、右下腹部に圧痛を認める。下腿に浮腫を認めない。
- 検査所見:血液所見:赤血球 368万、Hb 11.9g/dL、Ht 36%、白血球 9,800、血小板 23万。血液生化学所見:尿素窒素 22mg/dL、クレアチニン 0.9mg/dL。CRP 5.2mg/dL。腹部超音波検査と腹部単純 CTとで虫垂の腫大を認める。40直ちに手術は必要ないと判断し、入院して抗菌薬による治療を開始することにした。①抗菌薬投与の指示を出す際に、適切な溶解液が分からず薬剤部に問い合わせた。②末柏静脈へのカテーテルの刺入を2回失敗し、3回目で成功した。③抗菌薬投与前に、点滴ボトルに別の患者の名前が記してあることに気が付いた。④正しい抗菌薬の投与を午前11時に開始したところ、30分後に患者が全身の痒みを訴え全身に紅斑が出現した。⑤抗菌薬を中止し様子をみたところ、午後2時までに紅斑は消退した。
- インシデントレポートの作成が必要なのは下線のどれか。
- その後の経過:腹痛は持続し、午後5時ごろから体温がさらに上昇し、悪寒を訴えた。体温 39.3℃。脈拍 124/分、整。血圧 80mmHg(触診)。
- この時点で直ちに行うべき治療はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112B040]←[国試_112]→[112B042]
[★]
- 次の文を読み、31、32の問いに答えよ。
- 62歳の男性。筋力低下を主訴に来院した。
- 現病歴:3か月前から階段の昇降に困難を感じていた。2か月前に顔面と頭皮との皮疹に気付いた。1か月前から整髪がしにくくなった。様子をみていたが改善しないため受診した。
- 既往歴:花粉症。
- 生活歴:喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:父親が脳梗塞。
- 現症:意識は清明。身長 170cm、体重 65kg。体温 36.6℃。脈拍88/分、整。血圧 128/84mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 97%(room air)。顔面、頭皮、体幹、背部および両手の手指の関節背面に皮疹を認める。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。口腔内と咽頭とに異常を認めない。頸静脈の怒張を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢に浮腫を認めない。徒手筋力テストで上腕二頭筋、上腕三頭筋、腸腰筋および大腿四頭筋は両側とも4と低下している。顔面の写真(別冊No. 5)を別に示す。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)。赤沈 45mm/1時間。血液所見:赤血球 372万、Hb 10.5g/dL、Ht 34%、白血球 8,800、血小板 23万。血液生化学所見:総蛋白 6.6g/dL、アルブミン 2.7g/dL、AST 89IU/L、ALT 35IU/L、LD 480IU/L(基準 176~353)、ALP 220IU/L(基準 115~359)、γ-GTP 27IU/L(基準 8~50)、CK 1,230IU/L(基準 30~140)、尿素窒素 20mg/dL、クレアチニン 0.8mg/dL。免疫血清学所見:CRP 1.6mg/dL、抗核抗体 320倍(基準 20以下)。
- 第一選択として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109H031]←[国試_109]→[109H033]
[★]
- 次の文を読み、63~65の問いに答えよ。
- 63歳の男性。上行結腸癌の経過観察と腹部造影CT検査のため来院した。
- 現病歴:1年前に上行結腸癌に対して右半結腸切除術を受けている。術後の経過観察のため来院し、外来診察、採血検査および腹部造影CT検査を受けた。
- 既往歴:高血圧症に対し内服治療中。薬物アレルギーはない。
- 生活歴:酒店経営。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:父親は心筋梗塞で死亡。母親は膵癌で死亡。
- 検査所見:血液所見:赤血球 309万、Hb 10.4g/dL、Ht 32%、白血球 4,200、血小板 16万。血液生化学所見:総蛋白 6.8g/dL、アルブミン 3.8g/dL、AST 34IU/L、ALT 40IU/L、尿素窒素 21mg/dL、クレアチニン 0.9mg/dL、Na 139mEq/L、K 4.4mEq/L、Cl 107mEq/L。
- その後の経過:腹部造影CT検査の直後から、全身の掻痒感と呼吸困難が生じ、声がかすれてきた。
- 症状出現時の現症:意識は清明。体温 36.3℃。脈拍 88/分、整。血圧 80/68mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 92%(room air)。四肢の伸側に膨疹を認める。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈の怒張を認めない。心音に異常を認めない。胸部全体にwheezesを聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。
- 気道と呼吸の補助を開始した。次に行うべき治療はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110G062]←[国試_110]→[110G064]
[★]
- 60歳くらいの男性。山林横の道路で意識を消失し、呼吸困難の状態で発見され救急車で搬入された。
- 呼びかけに応答しない。顔面苦悶状。上半身に蕁麻疹と後頸部に径3cmの発赤腫脹とがある。結膜は充血している。対光反射はある。呼吸数28/分、不整。脈拍128/分、整。血圧70/40mmHg。胸部全体にwheezesを聴取する。喉頭浮腫を認める。
- 血液所見:赤血球450万、Hb15.5g/dl、白血球9,000。
- 血清生化学所見:総蛋白6.2g/dl、尿素窒素18mg/dl、クレアチニン1.1mg/dl、総ビリルビン0.8mg/dl、AST38単位、ALT33単位、ChE 600単位(基準400~800)、アミラーゼ100単位(基準37~160)、CK20単位(基準10~40)、Na140mEq/l、K3.6mEq/l、
- 動脈血ガス分析(自発呼吸、酸素5L/分投与下):pH7.30、PaO2 96Torr、PaCO2 48Torr、HCO3- 23mEq/l。心電図には洞性頻脈の他に異常なく、胸部エックス線写真にも異常を認めない。
- 治療薬で適切でないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099F049]←[国試_099]→[099G001]
[★]
- 1歳3か月の女児。長引く咳嗽と鼻汁とを主訴に母親に連れられて来院した。1週間前に39℃台の発熱、鼻汁および咳嗽が出現し、かかりつけ医でセフェム系抗菌薬と鎮咳薬とを処方され、2日後に解熱した。その後も内服を続けているが、鼻汁と痰がらみの咳が続いている。鼻閉のために時に息苦しそうな呼吸になるが、夜間の睡眠は良好である。食欲は普段と変わらず、活気も良好でよく遊ぶ。呼吸器疾患の既往はない。身長 75cm、体重 10.2kg。体温 37.1℃。脈拍 112/分、整。呼吸数 30/分。SpO2 98%(room air)。咽頭に発赤と白苔とを認めない。心音に異常を認めない。鼻閉音を認めるが、呼吸音には異常を認めない。
- 患児に対する対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112C036]←[国試_112]→[112C038]
[★]
- 28歳の女性。悪心、嘔吐および蕁麻疹を主訴に来院した。昨夜青みの魚を食べた後、悪心と嘔吐とが出現し、全身に蕁麻疹も出現した。意識は清明。体温37.2℃、脈拍68/分、整。血圧120/60mmHg。胸部に異常はない。腹部は軽度膨隆し、右肋骨弓下に圧痛を認める。全身に小豆大の膨疹を認め、一部癒合している。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、沈渣に異常はない。糞便検査:潜血(-)。血液所見:赤沈18mm/1時間、赤血球400万、Hb12.6g/dl、白血球8,600(好中球59%、好酸球4%、好塩基球1%、単球10%、リンパ球26%)、血小板39万。血清生化学所見:総蛋白7.9g/dl、尿素窒素9mg/dl、クレアチニン0.5mg/dl、AST12単位、ALT6単位。CRP0.5mg/dl。
- この患者の治療薬として適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [100A056]←[国試_100]→[100A058]
[★]
- 74歳の男性。下腹部痛を主訴に来院した。半年前から尿線が細くなり、頻尿と残尿感とを自覚したため自宅近くの医療機関で内服治療を受けていた。明け方から尿意はあるが排尿できず下腹部痛も伴ってきたため受診した。高血圧症と脂質異常症とで内服治療中である。2日前から感冒様症状を自覚し市販の総合感冒薬を服用している。身長 164cm、体重 58kg。体温 36.8℃。脈拍 88/分、整。血圧 144/88mmHg。呼吸数 16/分。下腹部に弾性軟の腫瘤を触知する。直腸指診で小鶏卵大で弾性硬の前立腺を触知し、圧痛を認めない。導尿によって症状は改善した。
- この患者の排尿状態の悪化に関連したと考えられるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [109D056]←[国試_109]→[109D058]
[★]
- 65歳の男性。大腸ポリープの治療のため入院した。
- 現病歴:1か月前の大腸内視鏡検査でポリープを指摘され、内視鏡的ポリペクトミーが予定された。
- 既往歴:8年前から副鼻腔炎。5年前から心房細動、高血圧症および脂質異常症。3年前に2型糖尿病と診断され、インスリンを毎食前に自己注射している。
- 生活歴:妻と2人暮らし。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:5歳年上の兄が55歳時に狭心症。
- 現症:身長 173cm、体重 68kg。体温 36.1℃。脈拍 80/分、不整。血圧 140/74mmHg。呼吸数 14/分。眼瞼結膜に貧血を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
- 内視鏡的ポリペクトミーに際し、特に気を付けるべき内服薬はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113F067]←[国試_113]→[113F069]
[★]
- 46歳の男性。全身の痒みを伴う皮疹を主訴に来院した。3か月前から大腿、陰部および手に痒みを伴う皮疹が出現した。自宅近くの診療所で抗ヒスタミン薬と副腎皮質ステロイド外用薬とを処方されたが効果はなく、皮疹が徐々に拡大してきたため受診した。高齢者施設の介護職員。受診時、陰部を含む全身に鱗屑を伴う丘疹が多発していた。陰部と手背の写真(別冊No. 15A、B)及び手掌のダーモスコピー像(別冊No. 15C)を別に示す。
- 対応として適切なのはどれか。
- a 保健所に届け出る。
- b 衣類を煮沸消毒する。
- c 個室管理の上で治療を開始する。
- d 皮疹が完全に治癒するまでは就業を禁止する。
- e 勤務先の施設の職員と入居者に問診と診察を行う。
[正答]
※国試ナビ4※ [112A037]←[国試_112]→[112A039]
[★]
- 32歳の女性。くしゃみ、鼻汁および鼻閉を主訴に来院した。3年前から、毎年2月から4月にかけて同様の症状を繰り返していた。症状は外出時に増強し流涙を伴う。体温36.4℃。眼球結膜は軽度発赤している。咽頭扁桃に異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:赤血球 410万、Hb 14.0g/dl、Ht 39%、白血球 4,800(桿状核好中球2%、分葉核好中球41%、好酸球13%、好塩基球2%、単球5%、リンパ球37%)、血小板 21万。免疫学所見:CRP 0.3mg/dl、IgE 260IU/ml(基準250未満)、IgE RASTスコア:スギ3 (基準0)。
[正答]
※国試ナビ4※ [105I075]←[国試_105]→[105I077]
[★]
- 4か月の乳児。10日前から続く咳を主訴に来院した。7日前に38℃台の発熱があったが2日間で解熱した。3日前から顔を真っ赤にする激しい咳と発汗とが著明になり、睡眠が障害されるようになった。食欲低下がみられる。体温36.6℃。脈拍96/分、整。血圧88/50mmHg。眼瞼腫脹がみられる。頸部に湿疹がみられる。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:赤血球450万、Hb13.0g/dl、白血球38,000(分葉核好中球12%、好酸球2%、リンパ球86%)、血小板19万。血清生化学所見:尿素窒素18mg/dl、AST45IU/l、ALT30IU/l、LDH300IU/l(基準176~353)。CRP0.8mg/dl。
- 治療薬として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101A056]←[国試_101]→[101A058]
[★]
- 2歳3か月の男児。発熱と発疹とを主訴に来院した。6日前から38~39℃の発熱が持続し、3日前から左頚部の腫脹と疼痛とを訴え、昨日、紅色皮疹に気付いた。全身に麻疹様発疹を認め、手足の背側が浮腫状で痛みがある。両側眼球結膜は充血し、口唇は潮紅して亀裂を認める。胸腹部に異常所見を認めない。断層心エコー法で冠動脈左前下行枝に内径6mmの動脈瘤を認める。血液所見:赤沈80mm/1時間、赤血球340万、Hb10.2g/dl、白血球16,000(桿状核好中球20%、分葉核好中球44%、好酸球2%、単球4%、リンパ球30%)、血小板56万。CRP15.5mg/dl(基準0.3以下)。第一選択薬はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [097A054]←[国試_097]→[097A056]
[★]
- 7歳の男児。突然の咳と呼吸困難とを主訴に来院した。今朝から突然に咳が出始め、呼吸困難が次第に増強した。体温37.3℃。呼吸数40/分。呼気性喘鳴と胸骨上部の陥凹とを認める。血液所見:赤血球425万、Hb13.1g/dl、白血球15,400(桿状核好中球5%、分葉核好中球57%、好酸球12%、単球8%、リンパ球18%)、血小板23万。CRP0.9mg/dl。胸部エックス線写真を以下に示す。
- 治療として適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [100F023]←[国試_100]→[100F025]
[★]
- 42歳の女性。呼吸困難を主訴に来院した。2日前から発熱と咽順痛とを認め、さらに喘鳴と呼吸困難とが出現するようになった。10年前から慢性副鼻腔炎と鼻茸との加療を受けている。5年前から感冒時に同様の呼吸器症状が生じるようになり、2年前には感冒薬を服用し、呼吸困難が増強して、1週間ほど入院治療したことがある。意識は清明でチアノーゼは認めない。体温38.5℃。脈拍108/分、整。血圧156/90mmHg。全肺野に呼気時のwheezes(笛様音)を聴取する。発作を増強する可能性の高いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [097A014]←[国試_097]→[097A016]
[★]
- 33歳の女性。急性の呼吸困難のため搬入された。3年前に喘息を発症し、近医で治療を受けていた。最近鼻閉がみられるので耳鼻咽喉科を受診したところ鼻ポリープを指摘された。本日歯痛が出現したので、家にある痛み止めを服用したところ重篤な呼吸困難が出現した。入院後直ちに酸素吸入とβ刺激薬投与を行った。
- 次に投与するのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102F021]←[国試_102]→[102F023]
[★]
- 2歳の男児。38℃の発熱とともに全身に紅斑を認め来院した。
- 入院後、紅斑は全身に広がり、続いて薄紙を貼ったような水疱を形成した。経口摂取不良、不機嫌および発熱は持続している。口唇周囲の写真を以下に示す。
- この患児にまず投与するのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098D006]←[国試_098]→[098D008]
[★]
- 65歳の女性。顔面の皮疹を主訴に来院した。半年前から顔面の痒みに対し、近医で処方された外用薬による治療を受けていた。最近、その外用薬に反応しない皮疹が出現し、増悪してきた。
- 顔面の写真を以下に示す。使用していた可能性が高い外用薬はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099G006]←[国試_099]→[099G008]
[★]
- 62歳の女性。顔面の発疹と発熱とを主訴に来院した。2日前に突然、右耳介、右頬部および右側頭部に発赤が出現し、悪寒と戦慄とがみられた。体温38.2℃。顔面の写真(別冊No.24)を別に示す。
- 治療薬として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104I071]←[国試_104]→[104I073]
[★]
- 29歳の女性。保育士。左鼻漏を主訴に来院した。10日前に39℃の発熱が2日間あった。7日前から鼻漏が出現し、徐々に増悪するため受診した。左頬部痛と前額部痛とを認める。左鼻腔の内視鏡像(別冊No. 7)を別に示す。
- 治療薬として最も適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109D026]←[国試_109]→[109D028]
[★]
- 36歳の男性。咽頭痛と38℃台の発熱とを主訴に来院した。解熱薬を服用させたところ、30分後に突然呼吸困難と悪心とを訴えた。脈拍100/分、微弱。血圧60/40mmHg。吸気時喘鳴と全身に蕁麻疹様の皮疹とを認める。
- 最初に投与するのはどれか、
[正答]
※国試ナビ4※ [100I029]←[国試_100]→[100I031]
[★]
- 関
- QT延長症候群、QT間隔
原因
- 洞結節機能不全
- 房室ブロック:2度房室ブロック、3度房室ブロックアンドロゲン遮断療法(GnRHアゴニスト/アンタゴニスト療法または両側性精巣摘除術)
- 利尿薬:低マグネシウム血症・低カリウム血症の誘発による
- 鎮吐薬:
[★]
- 英
- histamine receptor
- 関
- ヒスタミン、抗ヒスタミン薬、受容体
- H1R:平滑筋、血管内皮、神経→血管拡張、血管透過性↑、気管収縮、知覚神経刺激によるかゆみ・痛み
- H2R:胃、心臓、中枢、リンパ→胃酸分泌促進
- H3R:中枢、気道、消化管。ヒスタミン合成やNeuro transmitterの遊離抑制
- H4R:リンパ球をはじめとする免疫炭層細胞、骨髄、脾臓。機能は不明
- H1Rはα1受容体と似ている。Gαqと共役している
- H2Rはβ1受容体と似ている。Gαsと共役している
ヒスタミン受容体 (GOO.630)
[★]
- 英
- H2 blocker H2-blockers
- 同
- H2受容体ブロッカー H2 receptor blocker、H2受容体拮抗薬 H2 receptor antagonist H2RA、ヒスタミンH2受容体遮断薬 ヒスタミンH2受容体拮抗薬 histamine H2-receptor antagonists histamine H2 receptor antagonist histamine H2 antagonist、H2拮抗薬 H2 antagonist H2-antagonist、H2遮断薬、H2ブロッカー
- 関
- 抗ヒスタミン薬
[show details]
GOO.chapter36 p.971
- 十二指腸潰瘍の治癒率を向上する (⇔プロトンポンプ阻害薬)
H2受容体拮抗薬
構造
作用機序
- H1受容体にはほとんど作用しない
- H2受容体に可逆的、競合的に結合してヒスタミンを阻害する。
- 胃粘膜の局所の肥満細胞、ECL細胞
- histamine→H2R→Csα→AC→cAMP↑→PKA→H+,K+-ATPase
- histamine→H2R→[Ca2+]i↑→H+,K+-ATPase ←補助的pathway
- H2RとMRとGRは相互作用しており、胃酸を分泌する。
注意
- 中止すると再発率が高い。そのため半年かけて漸減させゆっくり離脱
- 胃粘膜が減弱している
副作用
- 副作用5%↓
- 汎血球減少症、無顆粒球症
- 肝障害、抗アンドロゲン作用(女性化乳房、乳汁分泌)
- 中止すると再発率が高い。そのため半年かけて漸減させゆっくり離脱
- 胃粘膜が減弱しているから
相互作用
- シメチジン:CYP2D6, CYP3A4阻害作用。 CYPs(CYP1A2,CYP2C9,CYP2D6)の阻害 (GOO.972)
- ラニチジン:CYPs。しかし、シメチジンの10%程度
- ファモチジン、ニザチジン:なし
[★]
- 英
- drug-induced hypoglycemia
- 同
- 薬剤性低血糖症
- 関
- 低血糖
低血糖を引きおこす薬剤
- DMR.295
[★]
- 英
- phenothiazine
- 関
- フェノチアジン系
概念
作用機序
薬理作用
[★]
- 英
- antihistamine poisoning
[★]
- 英
- histamine
- 関
- 抗ヒスタミン薬、H2受容体拮抗薬
概念
- ヒスチジンから生合成される。
- ヒスチジンを脱炭酸する酵素は、ヒスチジンデカルボキシラーゼ(補酵素はピリドキサル5'-リン酸(PLP))
- この反応は肥満細胞で起こる。
一般的作動薬
|
受容体
|
G protein subunit
|
作用
|
ヒスタミン
|
H1
|
Gq
|
鼻、器官粘膜分泌、細気管支収縮、かゆみ、痛み
|
H2
|
Gs
|
胃酸分泌
|
ヒスタミンの主要な生理的効果
- PPC.770
組織
|
効果
|
臨床効果
|
サブタイプ
|
肺
|
気管支収縮
|
喘息様症状
|
H1
|
血管平滑筋
|
後毛細血管細静脈の拡張
|
紅斑
|
H1
|
終末細動脈の拡張
|
静脈収縮
|
血管内皮
|
内皮細胞の収縮と分離
|
浮腫、蕁麻疹反応
|
H1
|
末梢神経
|
求心性神経終末の感作
|
掻痒、疼痛
|
H1
|
心臓
|
心拍数と心収縮力のわずかな増加
|
小さい
|
H2
|
胃
|
胃酸分泌増加
|
消化性潰瘍、胸焼け
|
H2
|
中枢神経
|
神経伝達
|
概日時計、覚醒
|
H3
|
構造式
N-C N-C
|| \ || \
|| C-CH2-CH(NH3+)-COO- → || C-CH2-CH-NH3+
|| / || /
C-N C-N
H H
[★]
- 英
- drug, agent
- 同
- 薬物
- 関
- 作用薬、剤、ドラッグ、媒介物、病原体、麻薬、薬剤、薬物、代理人、薬品
[★]
- 英
- anti
- 関
- アンチ