プロペリシアジン
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/09/22 17:37:06」(JST)
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プロペリシアジン |
識別情報 |
KEGG |
D01485 |
特性 |
化学式 |
C21H23N3S•OS |
モル質量 |
365.49 |
外観 |
黄色の結晶または粉末 |
融点 |
113–118
|
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
プロペリシアジン(propericiazine)は、フェノチアジン系の抗精神病薬で、統合失調症の治療薬。化学式はC21H23N3S•OS。
日本ではシオノギ製薬からニューレプチル®、三菱ウェルファーマからアパミン®という商品名で販売されている。
主な副作用は眠気、注意力の低下など。
目次
- 1 禁忌・注意
- 2 用量・用法
- 3 種類
- 4 外部リンク
禁忌・注意
昏睡状態にある者や、アドレナリンを投与中の者。脳障害のある者は医師に良く相談すること。またアルコールとの併用は避ける。
極めて低い確率であるが、麻痺性イレウス、突然死、再生不良性貧血、遅延性ジスキネジアなどが起こる場合がある。
用量・用法
1日10~60mgを数回に分け、経口投与する。なお、年齢や症状により適宜増減する。
種類
- 錠剤:5mg、10mg、15mg
- 細粒:10
- 内服液:1%
外部リンク
抗精神病薬 (N05A) |
|
定型抗精神病薬 |
ブチロフェノン系: アザペロン Benperidol ブロムペリドール Droperidol Fluanisone ハロペリドール Lenperone Moperone ピパンペロン スピペロン Trifluperidol; Diphenylbutylpiperidines: Clopimozide Fluspirilene Penfluridol Pimozide; フェノチアジン系: アセプロマジン Acetophenazine Butaperazine Carphenazine Chlorproethazine クロルプロマジン Cyamemazine Dixyrazine フルフェナジン レボメプロマジン Mesoridazine Perazine プロペリシアジン ペルフェナジン Piperacetazine Pipotiazine Prochlorperazine プロマジン プロメタジン Propiomazine Sulforidazine Thiethylperazine Thiopropazate Thioproperazine Thioridazine Trifluoperazine Triflupromazine; Thioxanthenes: Chlorprothixene Clopenthixol Flupentixol Thiothixene Zuclopenthixol; Tricyclics: アモキサピン Butaclamol Carpipramine Loxapine Metitepine/Methiothepin Octoclothiepin; Others: Molindone Oxypertine Prothipendyl
|
|
非定型抗精神病薬 |
Azapirones: ペロスピロン Tiospirone; ベンザミド系: Amisulpride Levosulpiride ネモナプリド Remoxipride スルピリド スルトプリド Tiapride Veralipride; ブチロフェノン系: Cinuperone Setoperone; Tricyclics: Asenapine Clotiapine クロザピン Fluperlapine Metitepine/Methiothepin モサプラミン オランザピン クエチアピン Tenilapine ゾテピン; Others: Amperozide アリピプラゾール Bifeprunox ブロナンセリン Cariprazine Iloperidone ルラシドン Ocaperidone パリペリドン Pardoprunox Pimavanserin リスペリドン Sertindole Ziprasidone
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Others |
Cannabidiol D-Cycloserine Mifepristone Reserpine Rimcazole Secretin Talnetant Tetrabenazine Vabicaserin
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ニューレプチル錠5mg
組成
成分・分量
添加物
- 乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、白糖、ゼラチン、アラビアゴム末、タルク、沈降炭酸カルシウム、安息香酸ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルナウバロウ、黄色5号
禁忌
- 昏睡状態、循環虚脱状態にある患者[これらの状態を悪化させるおそれがある。]
- バルビツール酸誘導体・麻酔剤等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制剤の作用を延長し増強させる。]
- アドレナリンを投与中の患者(「相互作用」の項参照)
- フェノチアジン系化合物及びその類似化合物に対し過敏症の患者
効能または効果
- 統合失調症
- 通常、成人にはプロペリシアジンとして、1日10〜60mgを分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
参考:液剤の使用方法
- 誤用(過量を飲み込むなど)の危険を避けるため、原液のままは避け、1回の服用量を水、ジュース又は汁物等に混ぜて、コップ一杯くらいに、必ず希釈して使用すること。
- 希釈後はなるべく速やかに使用すること。
- 添付のスポイトの目盛はそれぞれ約0.5mL、1mL、2mL、3mLに相当する。
慎重投与
- 肝障害又は血液障害のある患者[肝障害又は血液障害を悪化させるおそれがある。]
- 褐色細胞腫、動脈硬化症あるいは心疾患の疑いのある患者[血圧の急速な変動がみられることがある。]
- 重症喘息、肺気腫、呼吸器感染症等の患者[呼吸抑制があらわれることがある。]
- てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣閾値を低下させることがある。]
- 幼児、小児(「小児等への投与」の項参照)
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 高温環境にある患者[体温調節中枢を抑制するため、環境温度に影響されるおそれがある。]
- 脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者[悪性症候群(Syndrome malin)が起こりやすい。]
重大な副作用
悪性症候群(Syndrome malin)
頻度不明
- 無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。
本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。
なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎不全へと移行し、死亡した例が報告されている。
突然死
頻度不明
- 血圧降下、心電図異常(QT間隔の延長、T波の平低化や逆転、二峰性T波ないしU波の出現等)に続く突然死が報告されているので、特にQT部分に変化があれば投与を中止すること。
また、フェノチアジン系化合物投与中の心電図異常は、大量投与されていた例に多いとの報告がある。
再生不良性貧血、無顆粒球症、白血球減少
頻度不明
- 再生不良性貧血、無顆粒球症、白血球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は投与を中止すること。
麻痺性イレウス
0.1%未満
- 腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、投与を中止すること。
なお、この悪心・嘔吐は、本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること。
遅発性ジスキネジア
0.1〜5%未満
- 長期投与により、口周部等の不随意運動があらわれ、投与中止後も持続することがある。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)
0.1%未満
- 低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、このような場合には、投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。2,3)
眼障害
頻度不明
- 長期又は大量投与により、角膜・水晶体の混濁、網膜・角膜の色素沈着があらわれることがある。
SLE様症状
頻度不明
肺塞栓症、深部静脈血栓症
頻度不明
- 抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
薬効薬理
薬理作用4)
本剤の薬理作用と臨床効果の関係
- 条件反射抑制作用を含めた抗ドパミン作用は、幻覚・妄想や概念の統合障害等の陽性症状の改善及び悪心・嘔吐の改善に関連する。
- 自発運動抑制作用を含めた抗ノルアドレナリン作用は、躁状態や緊張状態の改善に関連する。
- 抗セロトニン作用は、思考の貧困化や感情鈍麻等の陰性症状の改善に関連する。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- 10-[3-(4-Hydroxypiperidino)propyl]-phenothiazine-2-carbonitrile
分子式
分子量
性状
- 黄色の結晶性の粉末又は粒で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがある。
メタノール、酢酸(100)、クロロホルム又はN,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、エタノール(95)又はアセトンにやや溶けやすく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水又はヘキサンにほとんど溶けない。
光によって徐々に褐色を帯びる。
融点
分配係数
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- 抗精神病薬
商品
[★]
- 英
- phenothiazine derivative, phenothiazines
- 関
- フェノチアジン phenothiazine、抗精神病薬
作用機序
適応
副作用
- 錐体外路症状、意識障害、血圧低下(自律神経遮断作用による?)
所属する薬物
[★]
- 英
- propericiazine、propericyazine
- 商
- ニューレプチル
[★]
- 英
- roentgen equivalent physical
- 関
- ラド rad