- 英
- folic acid folate FA
- 同
- プテロイルグルタミン酸 pteroylglutamic acid PteGlu, PGA、フォラシン folacin
- ラ
- acidum folicum
- 商
- M.V.I.-12、M.V.I.-3、アミノレバンEN配合、エルネオパ1号輸液、エレンタールP、エレンタール配合、エンシュア・リキッド 、オーツカMV、ダイメジン・マルチ、ツインラインNF配合、ツインライン配合、ネオパレン1号輸液、ネオラミン・マルチV、パンビタン末、ビタジェクト、フェニルアラニン除去ミルク配合、フォリアミン(単剤)、フルカリック1号輸液、ヘパンED配合、マルタミン、ラコールNF配合、ラコール配合、ロイシン・イソロイシン・バリン除去ミルク配合
- 関
- テトラヒドロ葉酸(THF)。プテリン、パラアミノ安息香酸
概念
- 様々な酸化状態のC1基を転移する
吸収
機能
C1単位の調達
- セリン→グリシン (FB.421)
- グリシン開裂系 (FB.421)
- ヒスチジン代謝 (FB.423)
- THF=H4PteGlu
C1単位の転移
- 5,10-CH2H4PteGlu
臨床検査
- 全血もしくは血清で定量する。
- HPLC法により測定する
- 単位:ng/ml x 2.266 = nmol/L
基準範囲
年齢
|
平均(範囲)ng/mL
|
血清
|
全血
|
新生児
|
24.5
|
(3-59)
|
315
|
(100-960)
|
3-4月
|
12.2
|
(5-30)
|
99
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(20-318)
|
6-8月
|
7.7
|
(3.5-16)
|
77
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(32-176)
|
1歳
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9.3
|
(3-35)
|
86
|
(31-400)
|
成人
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13.1
|
(7-20)
|
195
|
(24-400)
|
臨床関連
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葉酸 |
|
|
IUPAC名
N-[4(2-アミノ-4-ヒドロキシ-プテリジン-6-イル メチルアミノ)-ベンゾイル]-L(+)-グルタミン酸
|
別称
プテロイル-L-グルタミン酸
ビタミンB9
ビタミンM
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
59-30-3 |
KEGG |
C00504 |
- C1=CC(=CC=C1C(=O)NC(CCC(=O)O)C(=O)O) NCC2=CN=C3C(=N2)C(=O)N=C(N3)N
|
特性 |
化学式 |
C19H19N7O6 |
モル質量 |
441.396 |
融点 |
250
|
比旋光度 [α]D |
+23°
0.5% in 0.1 M NaOH |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
葉酸(ようさん、英: folate)はビタミンM、ビタミンB9、プテロイルグルタミン酸とも呼ばれ、水溶性ビタミンに分類される生理活性物質である。プテリジンにパラアミノ安息香酸とグルタミン酸が結合した構造を持つ。1941年に乳酸菌の増殖因子としてホウレンソウの葉から発見された。葉はラテン語で folium と呼ばれることから葉酸 (folic acid) と名付けられた。葉酸は体内で還元を受け、ジヒドロ葉酸を経てテトラヒドロ葉酸に変換された後に補酵素としてはたらく。
目次
- 1 機能
- 2 栄養
- 3 生化学的な役割
- 3.1 DNA合成の生化学
- 3.2 アミノ酸合成の生化学
- 3.2.1 グリシン、セリンの代謝
- 3.2.2 ホモシステイン、メチオニン
- 3.2.3 ヒスチジン
- 4 健康問題
- 5 医薬品との関係
- 6 脚注
- 7 関連項目
- 8 外部リンク
機能
テトラヒドロ葉酸は、ホルミル基 (−CHO)、ホルムイミノ基 (−CH2NH-)、メチレン基 (>CH2)、メチル基 (−CH3) など1つの炭素原子を含む断片をドナー分子から受け取り、それをアミノ酸や核酸合成の中間体へ渡す役割を担うなど、アミノ酸および核酸(アデニンやグアニンなどのプリン体やチミジン)の合成に用いられている。葉酸が不足するとDNA生合成に支障を来し、分裂の活発な血球合成に障害が起こり赤血球障害や悪性貧血などの症状を生じる。葉酸を触媒的に回復させるビタミンB12が欠乏しても同様の症状を生じる。
二分脊椎の発症リスクを低下させる効果があるとされる、ビタミンB類の一つ[1]。
厚生労働省は2000年、妊娠を計画している女性に対し、1日当たり0.4mg(400μg)以上の摂取を推奨している[2]。
栄養
葉酸の栄養所要量は、推定平均必要量が 200 μg、推奨量が 240 μg、上限量が 1,000 μg(いずれも成人男女)とされている。ただし、妊娠期および授乳期にはさらに推定平均必要量として +170 μg、+80 μgを、推奨量として +200 μg、+100 μg を付加する。また、妊娠を計画している、あるいは妊娠の可能性のある女性は、一日あたり 400μg の摂取が望ましいとされる[1]。
葉酸を多く含む食品は、レバー、緑黄色野菜、果物である。ただし、調理や長期間保存による酸化によって葉酸は壊れるため、新鮮な生野菜や果物が良い供給源となる。
なお、大量の飲酒は葉酸の吸収および代謝を妨げる。
欠乏症
妊娠や授乳による要求量の増加、小腸の病理的変化、アルコール中毒、メトトレキサートなどの薬剤投与によって引き起こされる。葉酸はアミノ酸や核酸の合成に必要となる補酵素であるため、細胞分裂の盛んな箇所において欠乏症が現れやすい。症状は、貧血、免疫機能減衰、消化管機能異常などが見られる。また、心臓病や大腸ガン、子宮頸ガンのリスクがあるとの報告がある。また、妊娠期に葉酸が欠乏すると、神経管閉鎖障害が起こり、重度の場合は死に至る。また、無脳児の発生のリスクが高まる。
貧血に関しては、葉酸は造血作用に対しビタミンB12と協調してはたらき、いずれのビタミンの欠乏も巨赤芽球性貧血を引き起こす。
神経管閉鎖障害に対しては、妊娠初期が重要で、特に通常まだ妊娠に気付かない第一週が最も葉酸を必要とする期間であると考えられている。
過剰症
過剰症はビタミンB12の欠乏を隠すため、悪性貧血が潜在化する危険性が指摘されている。また、ガン治療に用いられる抗葉酸剤に対して、過剰な葉酸は薬効を低減させる。葉酸過敏症として、紅斑、発熱、蕁麻疹、かゆみ・呼吸障害などを起こすことがある[3]。
生化学的な役割
DNA合成の生化学
テトラヒドロ葉酸(THF)による代謝とビタミンB
12によるTHFの再生産、Folsäure=
葉酸、DHF=ジヒドロ葉酸、THF=テトラヒドロ葉酸、Vit.B
12=ビタミンB
12、Methyl-Vit.B
12=メチルコバラミン、Methionin=メチオニン、Methionin Syntase=5-メチルテトラヒドロ葉酸-ホモシステインメチルトランスフェラーゼ、Homocystein=ホモシステイン、N
5-Methyl-THF=5-メチルテトラヒドロ葉酸、N
5,N
10-Methylene-THF=5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸、N
10-Formyl-THF=10-ホルミルテトラヒドロ葉酸、dUMP=デオキシウリジン一リン酸、NADPH、DNA
テトラヒドロ葉酸化合物の一連の構造について、葉酸誘導体は一連のメチル基転移の基質であり、dUMP(デオキシウリジン一リン酸)からdTMP(チミジル酸=チミジン一リン酸)の合成にも関わっている。なお、DNAの合成は、dUMP-dTMP-dTDP(チミジン二リン酸)-dTTP(チミジン三リン酸)と進むことで完結する[4][要高次出典]。葉酸は、DNA合成に必要であり、すべての細胞分裂に必要なビタミンB12が含まれる重要な反応についての基質である[5]。
葉酸の誘導体である10-ホルミルテトラヒドロ葉酸は、DNAであるアデニンやグアニンのプリン体の生合成で2個所のホルミル化の反応に関わっている(詳細は10-ホルミルテトラヒドロ葉酸を参照のこと)。
このように葉酸はいくつかのDNAの生合成に必要であるため、葉酸が欠乏すると多量のDNAを必要とする細胞分裂の盛んな造血器官等の機能に深刻な影響を与える。また、葉酸を触媒的に再生させるビタミンB12が欠乏しても同様な欠乏症が現れる。
葉酸がジヒドロ葉酸に還元され、さらに還元されてテトラヒドロ葉酸の生成につながる。ジヒドロ葉酸レダクターゼが最後の反応を触媒する[6] 。NADPHとしてのビタミンB3は、合成の両方の反応の補因子として必要である。5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸は、ホルムアルデヒド、セリン又はグリシンの3つの炭素供与体の1つからメチレン基を付与されてテトラヒドロ葉酸から生成される。5-メチルテトラヒドロ葉酸は、NADPHの存在下でメチレン基の還元により5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸から生成することができる。ビタミンB12が5-メチルテトラヒドロ葉酸の唯一の受容体であることを明記することは重要である。同様にメチルビタミンB12の唯一の受容体は、ホモシステインメチルトランスフェラーゼ(5-メチルテトラヒドロ葉酸-ホモシステインメチルトランスフェラーゼ)により触媒されるホモシステインである。これは、ホモシステインメチルトランスフェラーゼの欠損やビタミンB12の欠乏は、テトラヒドロ葉酸のメチル基が捕捉されたままになり、葉酸欠乏症に至るということが重要なことである[7]。これゆえビタミンB12の欠乏は多量の5-メチルテトラヒドロ葉酸の蓄積を生じることになり葉酸が所用の反応を行うことができなくなり、葉酸欠乏症と同様の症状が現れる。テトラヒドロ葉酸の別の構造である10-ホルミルテトラヒドロ葉酸やフォリン酸は5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸の酸化により生じ、あるいは、ホルミル基の供与によるテトラヒドロ葉酸へのホルミル基の導入により生じる。最終的にはヒスチジンがテトラヒドロ葉酸に炭素基1つを供与し5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸を生成する。
別の言葉で表現すれば、次の反応経路となる。
葉酸→ジヒドロ葉酸→テトラヒドロ葉酸→5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸→5-メチルテトラヒドロ葉酸→テトラヒドロ葉酸
アミノ酸合成の生化学
グリシン、セリンの代謝
光呼吸経路におけるグリシン開裂、1はテトラヒドロ葉酸、2は5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸
グリシン開裂系はテトラヒドロ葉酸により以下の反応でグリシンを開裂する(詳細はグリシン開裂系を参照のこと)。
- テトラヒドロ葉酸 + グリシン + NAD+ = 5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸+ NH3 + CO2 + NADH + H+
グリシン開裂系とは別に、グリシンヒドロキシメチルトランスフェラーゼ(セリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼ)(EC 2.1.2.1)の働きにより、可逆的にグリシンをL-セリンに相互に変換し、5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸をテトラヒドロ葉酸に変換する反応が触媒される[8][9]。
- 5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸+ グリシン + H2O = テトラヒドロ葉酸 + L-セリン [10]
グリシン開裂系とセリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼによる2つの反応を複合すると以下の反応式が示めされる。また、その全容は図の通りである。
- 2 グリシン + NAD+ + H2O → セリン + CO2 + NH3 + NADH + H+
ホモシステイン、メチオニン
ホモシステインは、葉酸でメチル化されてメチオニンとなる。補因子として、シスタチオニン-γ-シンターゼとシスタチオニン-β-リアーゼは共にピリドキシル-5'-ホスフェートを、5-メチルテトラヒドロ葉酸-ホモシステインメチルトランスフェラーゼ(MTR)は補因子であるメチルコバラミン(MeB12)を含み、5-メチルテトラヒドロ葉酸(N5-methyl-THF)とホモシステインを基質とする。
この酵素反応は二段階のピンポン機構で進行する。始めに、N5-methyl-THFからのメチル基の転位でMeB12とテトラヒドロ葉酸(THF)が生成する。次に、メチル基がMeB12からホモシステインに転位し、コバラミン(B12)が再生すると同時にメチオニンが生成する(詳細は5-メチルテトラヒドロ葉酸-ホモシステインメチルトランスフェラーゼ、メチオニン及びアミノ酸の代謝分解を参照のこと)。
ヒスチジン
葉酸は、ヒスチジンからグルタミン酸への代謝の過程の一部を担っている(詳細はアミノ酸の代謝分解を参照のこと)。
健康問題
がん
葉酸欠乏症は、細胞内のS-アデノシルメチオニン(SAM)を減少させ、それはDNAにおけるシトシンのメチル化を抑制し、プロト癌遺伝子を活性化し、悪性転換を誘導し、DNA先駆物質の不均衡を引き起こし、DNAへのウラシルを誤認させ、染色体損傷を促進し、これらのすべてのメカニズムは前立腺癌の形成のリスクを増大させる[11]。
葉酸と癌の関係は複雑なように見える[12]。理論的には葉酸は癌を防止できるように思われる[13]ものの、実際の実験ではサプリメント投与は癌の発生率を高めることが認められている[14]。
いくつかの研究では、適切なレベルの葉酸は食道癌、胃癌、卵巣癌のリスクの低下に寄与していることが示されている。しかしながら、葉酸の癌に対する効果は摂取したときの個人の体調に依存している。加えて、既に癌に罹患していたり前癌症状になっている場合には、葉酸には防止効果はなく、むしろ、症状の悪化につながり得ることがある[15]。過剰の葉酸は、逆に、腫瘍の発生を促進することが示唆されている。葉酸は、癌の形成において二つの役割を果たしており、低濃度の葉酸の摂取は初期段階の癌の防止をするが、高濃度の葉酸の摂取は癌の形成の促進をする[16]。それゆえ、公衆衛生学的には、過剰の葉酸を摂取しないように十分に注意しなければならないのである[16]。
葉酸に富んだ食事は大腸癌のリスクの減少に効果があるとしており、食事とサプリメントの組み合わせよりも食事のみからのほうが効果が高いと報告している研究がある[17]。一方でサプリメントからの葉酸の摂取のほうが生体利用効率が高いとしている研究がある[18]。2007年の無作為臨床試験では、葉酸サプリメントは大腸腺腫のリスクを減少させてはおらず、むしろ実際には病変の進行や腺腫の多様化が増加した[19]。大腸癌は葉酸の関連から最もよく調べられている癌のタイプであるが、葉酸サプリメント摂取は520000人の男性を含んだ14年間のヨーロッパでの調査で大腸癌の発生について67%の増加を示した[20]。
81,922人のスエーデン成人を対象とした2006年の研究では、サプリメントからではなく葉酸に富んだ食事の摂取は膵臓癌のリスクの減少に関連していることが認められた[21]。
ほとんどの疫学調査は、葉酸に富んだ食事は乳癌のリスクの減少に関連しているが、結果は一様ではない。癌についてのある広範な調査の結果では、過剰な葉酸の摂取は乳癌のリスクが高まるとしている[22]が、2007年のスエーデンの調査では過剰の葉酸の摂取は閉経後の乳癌の発生を低下させている[23]。2008年の調査では女性におけるすべての浸潤癌や乳癌のリスクと葉酸の摂取とは有意な関係がないとしている[24]。葉酸の摂取は1日15g以上のアルコールを飲む女性を除外して乳癌の発生と関係ないとしている[25]。日に300μg以上葉酸の摂取はアルコールを飲む女性の乳癌のリスクを減少している[25]。
ほとんどの調査研究は、葉酸に富んだ食事は前立腺癌のリスクの減少を示している[20]。しかしながら男性における葉酸サプリメントの摂取は前立腺癌のリスクが2倍になっている[26]。最近の臨床試験では、毎日1gの葉酸サプリメントの摂取は前立腺癌のリスクを増加させるが、ビタミン剤を用いない人々での食事での葉酸摂取と血漿濃度の増加は実際に前立腺癌のリスクを減少させる[27]。29,133人の年配の男性喫煙者の調査では、前立腺癌と血漿葉酸濃度とは何の関係もなかった[28]。
高濃度の葉酸が癌を増加させる理由は、ヌクレオチド合成において葉酸が必要であるように、増殖型の新生細胞は葉酸を必要とし葉酸受容体が癌細胞中で増加するためである[29]。DNAのメチル化における葉酸の役割は、前立腺癌においては重要である[30]。代謝されない葉酸は、ナチュラルキラー細胞の細胞毒性を減少させ、悪性細胞に対抗することのできる免疫系を減退させる[27]。しかしながら、食事からの必要量の葉酸の摂取は、前立腺癌に対しての逆の効果を調査では示している。
葉酸と前立腺癌の関係は明確ではないが、前立腺癌と鼻咽腔癌の細胞に対して葉酸のターゲットベクターである自殺遺伝子の研究が存在する[31]。腫瘍間に葉酸誘導体の微粒子が注入されると腫瘍細胞の成長は明らかに阻害される[31]。 このメカニズムは、細胞の増殖への干渉と細胞間のギャップ結合の障害によるものではないかと考えられている[31]。
抗癌剤であるメトトレキサートは、葉酸の代謝を阻害するように設計されている。葉酸は、フルオロウラシルと予想外の作用をもたらす場合がある。この作用の正確なメカニズムはよくわかってはいない[32]。
ヒトの肝臓中のジヒドロ葉酸レダクターゼは他の動物に比べて活性が低く、ジヒドロ葉酸から活性型の葉酸に転換するのが低いことは、細胞増殖で働くE2F-1のような転写調節因子によりこの酵素がコントロールされているためであると考えられる。「人における低濃度のジヒドロ葉酸レダクターゼとE2F-1のコントロール下にあるタンパク質は、癌の増殖を妨げている可能性がある。もしこれが真実なら、長寿命と関係しているであろうゆっくりとした組織細胞の交代率を有した他の動物もまたジヒドロ葉酸レダクターゼの活性が低いことであろう。」ということが示唆されている[33]。
葉酸サプリメントは、例えばウラシルがDNAに挿入される誤りのようなDNAの複製と修復の際に発生する誤りを防止している[34]。これが、葉酸が大腸癌を防止しているメカニズムとして提案されている[34]。
葉酸サプリメントは、PI3K/Aktの情報伝達増幅経路を活性化し、細胞の生存を改善するが、癌細胞もこの経路を利用して生き延びることができるため[35]、これが身体に有益、不利益の双方に成り得る。葉酸は、PTEN(癌抑制遺伝子)の濃度を低下させ、これらの関係をより複雑にしている[35]。
医薬品との関係
葉酸は制酸剤やアスピリンおよびその関連物質と相互作用し、これらの薬剤は葉酸のはたらきを阻害することが知られている。また、抗けいれん薬(フェニトイン、フェノバルビタール等)や潰瘍性大腸炎治療薬(スルファサラジン等)は葉酸の吸収を低下させる。さらに、ガンやリウマチの治療に用いられるメトトレキサートなどの抗癌剤・免疫抑制剤、あるいは抗生物質のトリメトプリム‐スルファメトキサゾール(ST合剤)は葉酸の代謝を阻害する。したがって、これらの薬剤を頻繁に服用する人は葉酸欠乏に気を配る必要がある。
脚注
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関連項目
外部リンク
- 葉酸解説 -「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
- 葉酸 -「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
補因子 |
|
補酵素 |
ビタミン: NAD+ (B3) - NADP+ (B3) - 補酵素A (B5) - THF / H4F (B9), DHF, MTHF - アスコルビン酸 (C) - メナキノン (K) - 補酵素F420
非ビタミン: ATP - CTP - SAM - PAPS - GSH - 補酵素B - 補酵素M - 補酵素Q - メタノフラン - BH4 - H4MPT
|
|
有機補欠分子族 |
ビタミン: TPP / ThDP (B1) - FMN, FAD (B2) - PLP / P5P (B6) - ビオチン (B7) - メチルコバラミン, コバラミン (B12)
非ビタミン: ヘム - α-リポ酸 - モリブドプテリン - PQQ
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金属補欠分子族 |
Ca2+ - Cu2+ - Fe2+, Fe3+ - Mg2+ - Mn2+ - Mo - Ni2+ - Se - Zn2+
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主要な生体物質:炭水化物(アルコール、糖タンパク質、配糖体) · 脂質(エイコサノイド · 脂肪酸/脂肪酸の代謝中間体 · リン脂質 · スフィンゴ脂質 · ステロイド) · 核酸(核酸塩基 · ヌクレオチド代謝中間体) · タンパク質(タンパク質を構成するアミノ酸/アミノ酸の代謝中間体) · テトラピロール · ヘムの代謝中間体 |
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代謝 (異化, 同化) |
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タンパク質 |
タンパク質生合成 · アミノ酸 · アミノ酸合成 · アミノ酸の代謝分解
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炭水化物 |
同化
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糖新生 · グリコーゲン合成 · 光合成 (炭素固定)
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炭水化物異化
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解糖系 · グリコーゲンの分解 · 発酵 · 細胞呼吸 · キシロース代謝
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他
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ペントースリン酸経路
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脂肪 |
β酸化 · 脂肪酸の合成
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ビタミン (A11) |
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脂溶性 |
A
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レチノール · β-カロテン · トレチノイン · α-カロテン
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D
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D2(エルゴステロール - エルゴカルシフェロール) · D3(7-デヒドロコレステロール - プレビタミンD3 - コレカルシフェロール - 25-ヒドロキシコレカルシフェロール - カルシトリオール(1,25-ジヒドロキシコレカルシフェロール) - カルシトロン酸)
D4(ジヒドロエルゴカルシフェロール) · D5 · Dアナログ(ジヒドロタキステロール - カルシポトリオール - タカルシトール - パリカルシトール)
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E
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トコフェロール (α - β - γ - δ) · トコトリエノール · トコフェルソラン
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K
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フィロキノン (K1) · メナキノン (K2) · メナジオン (K3)
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水溶性 |
B
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B1(チアミン) · B2(リボフラビン) · B3(ナイアシン - ニコチンアミド) · B5(パントテン酸、デクスパンテノール - パンテチン) · B6(ピリドキシン - ピリドキサールリン酸 - ピリドキサミン)
B7(ビオチン) · B9( 葉酸 - ジヒドロ葉酸 - フォリン酸) · B12(シアノコバラミン - ヒドロキソコバラミン - メチルコバラミン - コバマミド) · コリン
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C
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アスコルビン酸 · デヒドロアスコルビン酸
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主要な生体物質:炭水化物(アルコール、糖タンパク質、配糖体) · 脂質(エイコサノイド · 脂肪酸/脂肪酸の代謝中間体 · リン脂質 · スフィンゴ脂質 · ステロイド) · 核酸(核酸塩基 · ヌクレオチド代謝中間体) · タンパク質(タンパク質を構成するアミノ酸/アミノ酸の代謝中間体) · テトラピロール · ヘムの代謝中間体 |
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- Structure-Based Drug Screening手法を用いた<i>Staphylococcus</i>属細菌に対する新規抗菌薬同定の試み
- 小林 舞子,金城 知広,小関 祐司,山田 淳美,アリィヴァロ 志穂,青木 俊介
- 情報処理学会研究報告. BIO, バイオ情報学 2012-BIO-30(11), 1-2, 2012-08-02
- … 本研究ではstructure-based drug screening手法を用いてジヒドロ葉酸還元酵素を標的として抗菌作用を有する新規化合物の同定を試みた。 …
- NAID 110009432499
- 妊婦の葉酸サプリメント摂取状況と児の食物アレルギーへの影響
- 7.血清葉酸ならびにビタミンB_<12>濃度の地域差分析と共有基準範囲の設定(第427回研究協議会研究発表要旨,ビタミンB研究委員会)
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- 葉酸(ようさん、英: folate)はビタミンM、ビタミンB9、プテロイルグルタミン酸とも呼ばれ、 水溶性ビタミンに分類される生理活性物質である。プテリジンにパラアミノ安息香酸と グルタミン酸が結合した構造を持つ。1941年に乳酸菌の増殖因子としてホウレンソウの 葉 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ビタジェクト注キット
組成
- ビタジェクト注キットは,使用時に下記A液・B液を高カロリー輸液剤に連続注入して用いる組合わせ注射剤である.
A液 成分・分量 1シリンジ5mL中
- 脂溶性有効成分
レチノールパルミチン酸エステル 3300ビタミンA 単位
エルゴカルシフェロール 10μg
トコフェロール酢酸エステル 15mg
フィトナジオン 2mg
水溶性有効成分
シアノコバラミン 10μg
葉酸 0.4mg
ビオチン 0.1mg
パンテノール 14.04mg
(パントテン酸として) (15mg)
アスコルビン酸 100mg
添加物
プロピレングリコール (溶解補助剤) 1.0g
ポリソルベート80 (可溶剤) 80mg
水酸化ナトリウム (pH調節剤) 適量
クエン酸 (pH調節剤) 適量
B液 成分・分量 1シリンジ5mL中
- 水溶性有効成分
チアミン塩化物塩酸塩 3mg
リボフラビンリン酸エステルナトリウム 5.08mg
(リボフラビンとして) (4mg)
ピリドキシン塩酸塩 4mg
ニコチン酸アミド 40mg
添加物
希塩酸 (pH調節剤) 適量
禁忌
- 本剤又は本剤配合成分に過敏症の既往歴のある患者
- 血友病の患者
[パンテノール含有のため.]
効能または効果
- 経口,経腸管栄養補給が不能又は不十分で高カロリー静脈栄養に頼らざるを得ない場合のビタミン補給.
- A液およびB液を,高カロリー経静脈輸液に専用の器具を用いて注入し,点滴静注する.
用量は,通常成人1日1キットとする.
なお,年齢・症状により適宜増減する.
(「操作方法」の項参照)
慎重投与
- 高カルシウム血症の患者 (血液,尿検査を行い,異常が認められた場合には,投与を中止すること)
[エルゴカルシフェロール含有のため.]
[副作用が強くあらわれることがある.]
- 本人又は両親,兄弟に気管支喘息,発疹,蕁麻疹等のアレルギーを起こしやすい体質を持つ患者
[過敏症等の副作用が強くあらわれることがある.]
[「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照]
[「小児等への投与」の項参照]
重大な副作用
ショック (0.1% 未満),アナフィラキシー様症状 (頻度不明)
- ショック,アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので,観察を十分に行い,血圧低下,意識障害,呼吸困難,チアノーゼ,悪心,胸内苦悶,顔面潮紅,そう痒感,発汗等があらわれた場合には,直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと.
★リンクテーブル★
[★]
- 28歳の男性。ふらつきを主訴に家族に伴われて来院した。高校在学中に不登校となり、そのまま自宅2階の自室に引きこもるようになった。高校は退学となり、仕事には就かず1日中カーテンを閉め切ってオンラインゲームに熱中していた。食事は母親が自室の前に提供していたが偏食が激しい。3か月前から夜にコンビニエンスストアに出かける際に暗いところで歩行が左右にふらついていることに家族が気付いていた。立ちくらみはなく、日中はトイレに行くときに見かけるのみだが、ふらつきはみられないという。喫煙歴と飲酒歴はない。眼瞼結膜に貧血はなく、心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。神経診察では眼球運動は正常で眼振を認めない。指鼻試験および膝踵試験に異常を認めない。不随意運動はみられない。腱反射は全般に低下しており起立閉眼で体幹の動揺が増強する。
- ビタミンB12とともにこの患者の症状の原因と考えられる不足栄養素はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114E028]←[国試_114]→[114E030]
[★]
- 35歳の男性。ふらつきを主訴に来院した。1年前に仕事上のトラブルをきっかけに退職した。その後は自宅に閉じこもりがちになり、食事は不規則で菓子パンやおにぎりを好んで摂取していた。1週間前から歩行時のふらつきが目立つようになり四肢のしびれ感も訴えるようになったため、心配した家族に付き添われて受診した。意識は清明。脈拍 72/分、整。血圧 124/68mmHg。腱反射は、上肢では減弱し、膝蓋腱反射とアキレス腱反射は消失している。Babinski徴候は陰性である。四肢筋力は遠位部優位に低下している。両下肢で痛覚過敏、振動覚の低下を認める。
- この患者に補充すべきなのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112E028]←[国試_112]→[112E030]
[★]
- 62歳の女性。労作時の息切れと倦怠感とのため来院した。2か月前から体のだるさを自覚し、3週前に階段を昇る時息切れが出現した。6年前に胃癌のため胃全摘術を受けているが最近は受診していない。意識は清明。脈拍108/分、整。血圧98/56mmHg。眼瞼結膜は貧血様。下肢の感覚異常を認める。血液所見:赤血球125万、Hb4.2g/dl、Ht14%、白血球3,500、血小板13万。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [099F008]←[国試_099]→[099F010]
[★]
- 生後47日の乳児。黄疸を主訴に来院した。日齢4から黄疸が出現し、1か月健康診査でも黄疸を指摘された。母乳栄養で、哺乳は良好である。灰白色便が見られる。血清生化学所見:総ビリルビン12.5mg/dl、直接ビリルビン6、7mg/dl、AST(GOT)244単位(基準40以下)、ALT(GPT)136単位(基準35以下)。
- この患児で欠乏するのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [096D029]←[国試_096]→[096D031]
[★]
- 全身状態・疾患とそれに伴う貧血の原因の組合せで誤っているのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108C013]←[国試_108]→[108C015]
[★]
- a 体内総鉄量は0.3~0.4gである。
- b 葉酸は体外から摂取しなければならない。
- c ヘプシジンは消化管での鉄の吸収を抑制する。
- d 血清中の鉄はトランスフェリンと結合している。
- e ビタミンB12が欠乏するとDNA合成障害が起こる。
[正答]
※国試ナビ4※ [111E019]←[国試_111]→[111E021]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103B008]←[国試_103]→[103B010]
[★]
- a. 発生頻度は出生250に対して1である。
- b. 葉酸摂取量と関連がある。
- c. 母体血清中AFPが上昇する。
- d. 脳室拡大は出生前診断の糸口になる。
- e. 分娩は帝王切開が望ましい。
[正答]
※国試ナビ4※ [103D059]←[国試_103]→[103E001]
[★]
- ビタミン・微量元素と欠乏症状の組合せで正しいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099D071]←[国試_099]→[099D073]
[★]
- a 妊娠の1か月以上前
- b 妊娠10週
- c 妊娠20週
- d 妊娠30週
- e 妊娠36週
[正答]
※国試ナビ4※ [114F007]←[国試_114]→[114F009]
[★]
- 母体における欠乏によって胎児に二分脊椎が発生しうるビタミンはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111G007]←[国試_111]→[111G009]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100G067]←[国試_100]→[100G069]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [110B001]←[国試_110]→[110B003]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [110E003]←[国試_110]→[110E005]
[★]
- 英
- hypoglycemics
- 同
- hypoglycemic agent、antidiabetic agent、antidiabetic drug、antidiabetics、glucose-lowering agent、hypoglycemic、hypoglycemic drug、hypoglycemics
- 関
- [[]]
投稿記事
k氏より
インスリンの抽出は大変意図的に行われたのに対し、スルフォニルウレア薬(SU)は偶然に見つかりました。で、1950年代にはじめに二型糖尿病の患者に使われるようになりました。いまでは20種類くらいのSUが広く世界で使われています。
1997にはメグリチニドが臨床適用されました。食後高血糖の治療薬としてはじめて使用された薬です。
メタフォルミンというビグアナイド薬(BG)は、ヨーロッパで広く使われていましたが、1995年にアメリカでも認可されました。
チアゾリジン1997年に市場導入され、二番目にメジャーなインスリン刺激薬として使用されています。この種類の薬には、広汎な肝障害を起こしにくく、世界中で使われています。
スルフォニルウレア薬 SU薬
膵臓のβ細胞の刺激によって、インスリンを放出させ、血糖値を下げます。
治療が長引くと、インスリン分泌というSUのβ細胞刺激性の効果が薄れてきますが、β細胞上のSU受容体のダウンレギュレーションによるものです。また、SUはソマトスタチンの放出を刺激します。ソマトスタチンはグルカゴン分泌を抑制しているので、これも関係SUの糖を下げる効果と関係しています。
SUはATP感受性Kチャンネルを抑制します。Kレベルが下がると、まく表面における、脱分極を促し、電位依存性カルシウムチャンネルを通じたカルシウムイオンの流入を促進します。
SUには無視できない膵臓外作用があるという議論があります。確かにありうべきことですが、2型糖尿病の患者の治療においては、それほど重要なことではないようです。
SU薬はそれぞれが似たような作用スペクトラムを持っているので、薬物動態的な特性がここの薬を区別する手がかりです。腸管からのSU薬の吸収の割合は薬によって違いますが、食物や、高血糖は、この吸収を抑制します。高血糖はそれ自身、腸管の運動を抑制するので、ほかの薬の吸収も阻害します。血漿濃度が効果的な値にまで達する時間を考えると、半減期の短いSUは、食前三十分に投与するのが適切です。SU薬は90から99パーセントくらい血中たんぱく質と結合し、特にアルブミンと結合します。
第一世代のSUは半減期や分布において、大きく違っています。この半減期や作用時間の不一致の理由はいまだはっきりしていません。
SUはすべて肝臓で代謝を受け、尿中に排泄されます。なので、肝不全、腎不全患者には要注意で処方します。
めったにありませんが、第一世代服用患者では、4パーセントの割合でおきます。第二世代ではもっと少ないでしょう。低血糖による昏睡がしばしば問題になります。腎不全や肝不全がある高齢者の患者でおきやすいです。
重症の低血糖は脳血管障害も起こしうる。急性の神経障害が見つかった高齢患者では血中グルコースレベルを測るのが大事です。半減期の長いSUもあるので、24から48時間のグルコースを輸液します。
第一世代は多くの薬物と相互作用を持っています。
ほかに、吐き気嘔吐、胆汁うっ滞性黄疸、脱顆粒球症、再生不良性・溶血性貧血、全身性のアレルギー症状があります。
SUが心血管障害による死亡率を上げるのかについては議論の余地あり。
SUは、食事療法だけでは十分なコントロールを得られない2型糖尿病患者の血糖コントロールに用いられます。禁忌はtype 1 DM(diabetes mellitus:糖尿病)、妊婦、授乳中の患者、腎障害や肝障害の患者です。
普通の患者なら五割から八割くらい、経口の糖尿病治療薬が効きます。インスリン療法が必要になる患者もいます。
トルブタマイドの一日量は500ミリグラムで、3000ミリグラムが最大の許容量です。SUの治療成績の評価は患者の様子を頻繁に観察しながら、行います。
SUとインスリンの併用療法はtype 1, type 2 両方の糖尿病で用いられていますが、βセルの残存能力がないとうまくいきません。
レパグリニドはメグリチニドクラスの経口インスリン分泌促進物質です。化学構造上、SUとは異なっており、安息香酸から分離されたものです。
SU薬と同様にレパグリニドは膵臓βセルにおけるATP依存性Kチャンネルを閉じることによりインスリン分泌を促進します。AEもSU薬と同様、低血糖です。
Dふぇにるアラニンから分離された薬。レパグリニドよりもSEとして低血糖が認められづらいです。
メトフォルミンとフェノフォルミンは1957年に市場導入され、ブフォルミンが1958年に導入されました。ブフォルミンは使用が制限されていますが、前者二つは広く使われています。フェノフォルミンは1970年代に乳酸アシドーシスのAEによって市場から姿を消しました。メトフォルミンはそのようなAEは少なく、ヨーロッパカナダで広く使われています。アメリカでは1995年に使用可能に。メトフォルミンは単独かSUと併用して使われます。
ものの言い方によると、メトフォルミンは抗高血糖であって、血糖を下げる薬ではありません。膵臓からのインスリン放出は促さないので、どんな大容量でも低血糖は起こしません。グルカゴン・コルチゾール・成長ホルモン・ソマトスタチンにも影響なし。肝での糖新生を抑制したり、筋や脂肪におけるインスリンの働きを増すことで、血糖を押さえます。
小腸から吸収。安定な構造で、血中の蛋白と結合しないで、そのまま尿中に排泄。半減期は二時間。2.5グラムを食事と一緒に飲むのがアメリカで最もお勧めの最大用量。
メトフォルミンは腎不全の患者には投与しないこと。肝障害や、乳酸アシドーシスの既往、薬物治療中の心不全、低酸素性の慢性肺疾患なども合併症として挙げられる。乳酸アシドーシスはしかしながら、めちゃくちゃまれである。1000人年(たとえば100人いたら、10年のうちにという意味の単位。または1000人いたら1年につき、ということ。)につき0.1という割合。
メトフォルミンの急性のAEは患者の20パーセントに見られ、下痢、腹部不快感、吐き気、金属の味、食欲不振などです。メタフォルミンを飲んでいる間はビタミンB12や葉酸のきゅうしゅうが 落ちています。カルシウムをサプリで取ると、ビタミンB12の吸収が改善されます。
血中乳酸濃度が3ミリMに達するとか、腎不全・肝不全の兆候が見られたら、メタフォルミンは中止しましょう。
PPARγに効く。(ペルオキシソーム・プロライファレーター・アクチベイティッド・受容体、つまりペルオキシソーム増殖活性受容体みたいな。)PPARγに結合して、インスリン反応性をまして、炭水化物とか、脂質の代謝を調整します。
ロジグリタゾンとピオグリタゾンは一日一度。チアゾリジンは肝にて代謝され、腎不全のある患者にも投与できますが、活動性の肝疾患があるときや肝臓のトランスアミナーゼが上昇しているときは、使用しないこと。
ロジグリタゾンはCYP2C8で代謝されますがピオグリタゾンはCYP3A4とCYP2C8で代謝されます。ほかの薬との相互作用や、チアゾリジン同士の相互作用はいまだ報告されていませんが、研究中です。
ピオグリタゾンとロジグリタゾンは肝毒性とはめったに関係しませんが、肝機能をモニターする必要があります。心不全のある患者はまずそちらを治療してから。
αGIは小腸の刷子縁におけるαグルコシダーゼの働きを阻害することによって、でんぷん・デキストリン・ダイサッカリダーゼの吸収を抑制します。
インスリンを増やす作用はないので、低血糖もおきません。吸収がよくない薬なので、食事の開始と一緒に飲むとよいです。
アカルボースとミグリトールは食後高血糖の抑制に使われます。
αGIは用量依存性に、消化不良・ガス膨満・下痢などをきたします。αGIとインスリンを併用中に低血糖症状が出たら、、グルコースを補充します。
経口から、グルコースが静脈を通ると、インスリンが上がることがわかっていました。消化管の上部からはGIP、消化管下部からはGLP1というホルモンが出ていて、糖依存性のインスリン放出を促していることがわかりました。これらのホルモンはインクレチンといわれています。この二つのホルモンは別の働き方でインスリンの放出を促進します。GIPはtype 2 DMではインスリン分泌を促進する能力がほとんど失われています。一方でGLP1は糖依存性のインスリン分泌を強く促しています。つまりtype 2 DMの治療ではGIPをターゲットにすればよいということになります。GLPはグルカゴンを抑制し。空腹感を押さえ、食欲を抑えます。体重減少も実現できます。この長所を相殺するように、GLP1は迅速にDPPIV(ヂペプチジルペプチダーゼ4エンザイム)によって負活化されます。つまり、GLP1を治療に使うなら、連続的に体に入れなければなりません。GLP1受容体のアゴニストが研究され、これはDPPIVにたいして抵抗性があります。
そのほかのGLP1療法のアプローチに仕方としては、DPPIVプロテアーゼの不活性化で、それによってGLP1の循環量を増やそうとするものです。type 2 DM治療に新しい薬がでるかもしれないですね。
[★]
- 英
- small intestine (Z)
- ラ
- intestinum tenue
- 関
- 管腔内消化
- 小腸は3大栄養素の消化、吸収を行う重要な部位である
- 腸液を分泌する
解剖学
定義
組織学
- →腸腺
生理学
運動の型
- a.分節運動 segmentation
- b.蠕動運動 peristalsis
- 蠕動ラッシュperistalic rush:急速移動。感染性下痢など腸粘膜の異常刺激による。
- 消化間欠期伝播性収縮
運動の発生機構
- 腸平滑筋固有リズムによる。ペースメーカーとなる細胞により発生する。
- 徐波 slow wave、基本的電気リズム basic electric thythm (BER)
- 外来神経系
- 副交感性:促進
- 交感性 :抑制
- 内在神経系
- 胃小腸反射により食後期運動誘発
- なお、IMCの調節には外来、内在神経系のいずれも関係する
- ガストリン、コレシストキニン、インスリン
- 食後期運動増大
- ガストリン
- IMC抑制
- モチリン
- IMC誘発
- セクレチン、グルカゴン
- 運動抑制
炭水化物の吸収
- 食物中の3大炭水化物.
- 1. 二糖類disaccharides
- スクロース(グルコース+フルクトース)
- マルトース(グルコース+グルコース)
- ラクトース(グルコース+ガラクトース)
- 植物性でん粉
- アミロース :グルコースが直鎖状に重合
- アミロペクチン:グルコースが樹枝状に重合
- 直鎖部はα1,4結合
- 分枝部はα1,6結合
- 動物性でん粉
- グリコーーゲン
- グルコースのβ1,4結合(消化不可)
炭水化物の消化
- 管内消化は、主に口腔、十二指腸で起こる
- 唾液αアミラーゼと膵αアミラーゼにより、直鎖状に2~9分子重合したグルコースまで分解される
- αアミラーゼは直鎖部分(α1,4結合)を加水分解する
- 唾液αアミラーゼは作用が弱く、また胃で失活する
- マルトース(グルコース2分子)
- マルトリオース(グルコース3分子)
- α1,4結合マルトオリゴ糖(グルコース4-9分子)
- α限界デキストリン(グルコース5-9分子、分岐したオリゴ糖)
- 2. 膜消化 membrane digestion (終末消化terminal digestion)
- 膜消化は小腸の刷子縁で起こる。
- 刷子縁にはオリゴ糖消化酵素が存在する。
- ラクターゼ:ラクトース→グルコース+ガラクトース
- スクラーゼ:スクロース→グルコース+フルクトース
- マルターゼ:マルトース→グルコース+グルコース
- トレハラーゼ:トレハロース→グルコース+グルコース
- αデキストリナーゼ:α1,4結合,α1,6結合の分解(=isomaltase)
- グルコアミラーゼ:マルトオリゴ糖(α1,4結合)→グルコース
- 3. 吸収(炭水化物の90-95%が小腸で吸収される。)
-
- 刷子縁膜
- Na依存性能動輸送を介して細胞内に取り込まれる。Na+とグルコース(ガラクトース)の共輸送体であるSGLT1が、Na+の濃度勾配を利用して細胞内に取り込む(2次的能動輸送)
- 外側基底膜
- GLUT2による促進拡散により細胞外に拡散する
- 刷子縁膜
- GLUT5によるNa非依存的促進拡散により細胞内に取り込まれる。
- 細胞内
- フルクトース+Pi→グルコース+乳酸
- 外側基底膜
- GLUT2による促進拡散により細胞外に拡散する
炭水化物の吸収傷害
- 腸内炭水化物濃度↑→腸内浸透圧↑ →下痢
- →腸内フローラ(細菌叢) →腸内ガス発生
- 乳糖不耐症
- 小腸上皮細胞刷子縁におけるラクターゼ産生不能
タンパク質の吸収
- 胃や膵臓でタンパク質を分解してオリゴペプチド(アミノ酸4個以上)を生成
- 1-1. 消化酵素の活性化
- ペプシン
- 胃液ペプシノーゲン → (H+が触媒:::) → ペプシン
- 胃液ペプシノーゲン → (ペプシンが触媒) → ペプシン
- トリプシン
- 膵液トリプシノーゲン → (エンテロペプチダーゼ) → トリプシン
- 膵液トリプシノーゲン → (トリプシンが触媒::) → トリプシン
- その他のタンパク質分解酵素(カルボキシペプチダーゼA,B)
- トリプシンが活性化
- 刷子縁でオリゴペプチドの分解がおき、そのための酵素ペプチド分解酵素が存在する。
- アミノペプチダーゼ
- N末から加水分解してアミノ酸を遊離
- ジペプチダーゼ
- ジペプチドを2個のアミノ酸に分解
- ジペプチジルアミノペプチダーゼ
- N末よりジペプチドを遊離する
- 刷子縁膜
- Na+依存性能動的輸送
- 中性アミノ酸、イミノ酸(プロリン、水酸化プロリン)、酸性アミノ酸:::::::::::Na+非依存性促進拡散
- 塩基性アミノ酸、中性アミノ酸(疎水基を有するもの)
- 外側基底膜
- Na+依存性能動的輸送、Na+非依存性促進拡散、単純拡散(外側基底膜はアミノ酸透過性高い)
- 刷子縁膜
- Na+/H+ antiporter
- 2H+/ペプチド synporter
- 細胞内
- プロリダーゼ、ジペプチダーゼ、トリペプチダーゼによる分解
- 外側基底膜
- Na+-K+-ATPase
脂質の吸収
- トリグリセリド(中性脂肪):C14~C18
- コレステロール
- コレステロールエステル
- リン脂質:::::::::主にレシチン
-
- 乳化は脂肪水解を速める
- 胆汁酸、レシチンなどにより1μm以下の脂肪滴形成
- 膵リパーゼ
- トリグリセリド → 2分子の遊離脂肪酸(FFA) + 2-モノグリセリド
- コレステロールエステラーゼ
- コレステロールエステル → FFA + コレステロール
- ホスホリパーゼA2
- レシチン → FFA + リゾレシチン
- 脂肪分解産物(モノグリセリド,リゾレシチン,FFA,コレステロール,脂溶性ビタミン)
- 胆汁酸、レシチンとミセル形成
- ミセルが微絨毛周囲の非撹拝層に侵入→単純拡散により吸収(脂肪の消化・吸収過程の律速過程)
- ミセルにより細胞内に脂肪分解産物が運ばれ、滑面小胞体内で脂肪分解産物から脂質が再合成される。その後、リポ蛋白にと結合してカイロミクロンとなり、ゴルジ装置に入りエキソサイトーシスにより絨毛リンパ管に入る。
栄養の吸収部位
[★]
- 英
- anemia
- 同
- 貧血症
- 関
- 慢性疾患による貧血 anemia of chronic disease ACD
定義(2007前期生理学プリント、WHOの貧血判定基準)
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Hb(g/dl)
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Ht(%)
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男性
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13
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39
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女性
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12
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36
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高齢者・乳幼児・妊婦
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11
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33
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ヘモグロビンと貧血症状
- 8 g/dl :急性貧血で症状が出る
- 7 g/dl :慢性貧血で症状が出る
- 5 g/dl :心雑音
- 3 g/dl :生命の危険
病因
臨床検査
- 一つの赤血球の平均の大きさが分かる
臨床検査に基づく分類
- 正球性貧血
- 小球性貧血
- 大球性貧血
- 低色素性貧血
- 正色素性貧血
貧血の鑑別 (文献不明)
スクリーニングによる貧血の鑑別 (OLM.80)
- Fe↓、UIBC↑、フェリチン↓:鉄欠乏性貧血、慢性出血、慢性体内溶血。体内での鉄の絶対量が不足
- Fe↓、UIBC↓、フェリチン↑:慢性感染症、慢性炎症。細網系では鉄が増加しているが(フェリチン↑)、末梢に鉄を放出できず(Fe↓)、トランスフェリンも減少している(UIBC↓)
身体所見
USMLE
貧血と低酸素血症
- 貧血とは血液中のヘモグロビン濃度が低下した状態であり、一方、低酸素血症は単位体積あたりの酸素分圧が低下してる状態である。PaO2低下すなわちSpO2の低下に相当すると考えてみよう。貧血ではヘモグロビン濃度は少なくても、その少ないヘモグロビンの各々は十分に酸素化されるため、SpO2は低下しない。ただし、ヘモグロビンの絶対量が少ないために、末梢組織に届ける酸素の量が少なくなるだけなのである。(cf. 101B071)
臨床
- MCVで検査項目を絞っていくが、病態が複雑な場合はMCVによる絞り込みが意味をなさないことがある。commonな貧血から除外していく。
- 1. 血算、網状赤血球、フェリチン、鉄、UIBC、葉酸、ビタミンB12
- 2. 銅、亜鉛
- 3. 赤沈、血液像
- 4. 抗核抗体、抗dsDNA抗体、ハプトグロビン、免疫電気泳動(血液)、蛋白分画、IgG,IgA,IgM、C3c、C4、CH50、エリスロポエチン
- 5. 抗SS-A抗体、抗Sm抗体、ループスアンチコアグラント、抗カルジオ抗体、抗CLGPI抗体、抗RNA抗体、PR3-ANCA、MPO-ANCA、直接クームス検査
- 6. リンパ球サブセット、PNH(CD55,CD59)
[★]
- 英
- vitamin
- ビタミン、生物の生存・生育に必要な栄養素のうち、炭水化物やタンパク質、脂質、ミネラル以外の栄養素であり、微量ではあるが生理作用を円滑に行うために必須な有機化合物の総称 wiki
ビタミン
ビタミンと欠乏症、過剰症
[★]
- 英
- methotrexate, MTX
- ラ
- methotrexatum
- 同
- メソトレキサート、メトトレキセート
- 商
- トレキサメット、メソトレキセート、メトトレキサート、メトレート、リウマトレックス
- 関
- 他に分類されない代謝性医薬品
[show details]
- 免疫抑制薬
- 葉酸の4-amino-N10-methyl誘導体
作用機序
- 特にthymidine monophosphateの合成が阻害される (SPC.416)
- RNA、タンパク質合成を阻害するので、S期に移行しにくくなり薬効は低下
薬理作用
適用
副作用
- 胃炎、下痢。消化管穿孔
- 骨髄抑制、肝線維症、腎尿細管壊死、脱毛
- メトトレキサート腎症
関節リウマチの治療薬として用いられる場合の副作用
- 参考1
- 胃腸障害、口内炎、脱毛、肝機能障害
- (重篤な副作用)間質性肺炎(MTX肺炎)(0.5-5%)、骨髄障害(1-2%)、リンパ腫の発生
葉酸欠乏に伴う副作用
- https://minds.jcqhc.or.jp/docs/minds/MTX/05_ch4_MTX.pdf
- 症状:消化器症状(口内炎、下痢、食思不振)、肝酵素上昇、血球減少、脱毛など。用量依存性に出現する
- 治療の推奨:葉酸製剤の併用投与は、用量依存性副作用の予防や治療に有効であり、必要に応じて考慮する。MTX 8mg/週以上使用する場合や副作用リスクが高い症例(腎機能低下例、高齢者、複数のNSAIDs使用例)では葉酸併用投与が強く勧められる。葉酸製剤は5mg/週以内を、MTX最終投与後24-48時間以内に投与する。
注意
- 妊婦→妊娠初期三ヶ月における流産・奇形誘発
禁忌
添付文書
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/4222400D2020_2_01/4222400D2020_2_01?view=body
参考
- 1. 関節リウマチの診療マニュアル(改訂版) 診断のマニュアルとEBMに基づく治療ガイドライン
- http://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/rm400/library/guideline.html
- 2. 関節リウマチ治療におけるメトトレキサート(MTX)診療ガイドライン
- http://www.ryumachi-jp.com/info/guideline_mtx.html
[★]
- 英
- postgastrectomy folic acid deficiency, folic acid deficiency following gastric surgery
- 関
- 葉酸
[★]
- 英
- tetrahydrofolate dehydrogenase
- 関
- テトラヒドロ葉酸脱水素酵素
[★]
- 英
- antifolate
- 関
- 葉酸
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義