- 英
- intravenous infusion
- 関
- 点滴、点滴注入、静脈点滴、経静脈内投与、点滴静脈内注射、点滴静脈内投与、点滴注射、点滴静脈内注入
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/12/04 23:13:53」(JST)
[Wiki ja表示]
点滴静脈注射(てんてきじょうみゃくちゅうしゃ、intravenous drip, DIV, IVD)とは、ボトルやバッグに入れて吊した薬剤を、静脈内に留置した注射針から少量ずつ(一滴ずつ)投与する方法で、経静脈投与(静脈注射、静注と略すことがある)の一種である。単に点滴とも称される。また、そのための医療機器である点滴装置も「点滴」と呼ばれることがある。輸液も参照のこと。
目次
- 1 目的
- 2 手技
- 3 静脈路
- 4 合併症
- 4.1 共通
- 4.2 末梢静脈路
- 4.3 中心静脈路
- 5 参考文献
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
目的
- 輸液・輸血を行う。
- 容量がおおよそ50 mLを超える注射製剤は点滴静注で投与される。
- 緩やかに、徐々に薬剤を投与する。
- 時間をかけてゆっくり投与することで、血中薬剤濃度の急激な上昇を抑え、副作用を回避する。一部の薬剤では致死的な不整脈(塩化カリウムなどで起きる)やアナフィラキシー・ショックを起こすことがあり、必ず点滴静注を行わなければならない。
- 持続的に薬剤を投与する。
- 持続的に薬剤を投与することで、薬理作用を保った血中濃度を維持することができる。
手技
点滴装置
点滴装置は、ガラス瓶或いは合成樹脂製バッグに無菌的に充填された薬液と、患者の静脈に刺入される注射針が、「点滴ライン」或いは「点滴セット」と称される専用のチューブで繋がれたものより成る(組み立てる順番は後述する)。静脈であっても相応の血圧が存在するので、圧力をかけるため薬液は高い位置に吊す必要がある。点滴ラインの途中には「チャンバー」と呼ばれる太くなった箇所があり、ここに薬液が滴下される(「点滴」という呼称はここから来ている)。これにより薬液中の微小な気泡が除去されると共に時間当たりの注入量(=注入速度)を測ることができる。注入速度は「ローラークレンメ」というころ状の部品でチューブを圧迫し、狭窄させることによって調節するが、正確な管理が要求される場合は輸液ポンプが用いられる。点滴ではないが、微量の薬剤を持続的に投与する方法としては注射器をすこしずつ押すシリンジポンプも用いられる。急速に薬剤を注入するときは、加圧バッグで薬液を圧迫する方法もとられる(野外での応急手当のような設備が存在しない環境の場合、手で押すこともある)。
注射針・カテーテル
- 翼状針
- 一時的かつ短時間の点滴静注には翼状針(翼付静脈針)が用いられる。注射針の両脇に体表に固定しやすくするための翼(ポリ塩化ビニル製)が付いている。容器・点滴ライン・翼状針を全て組み立てて中に薬液を通してから針を刺す。
- 留置針
- 持続的に点滴静注を行う場合には、留置針(金属製の注射針にテフロンないしポリウレタン製の柔らかい外筒を付けたもので、血管に刺入後に金属の針を抜くと外筒のみが留置される)を用い、これを留置した後で容器+点滴ラインを接続する。点滴静注終了後に留置針を残す場合は、閉塞を防ぐためにヘパリン(抗凝固薬)希釈液で点滴ルートを満たすヘパリンロックが行われている。また、ヘパリンの代わりに生理食塩液で満たす生食ロックも汎用されている。
- 中心静脈カテーテル
- 中心静脈から点滴静注を行う場合は、専用のカテーテルを留置する。中心静脈カテーテルは長さ30 - 70 cm程度の細い管で、静脈内に持続的に留置するため表面がコーティングされている。複数の内腔をもつカテーテルもあり(ダブルルーメンカテーテルなど)、混注不可能な薬剤を同時に投与するために用いられる。また皮下埋込式リザーバを用いるとカテーテル一式を完全に体内に埋め込むことが可能で、外来化学療法などに利用されている。
静脈路
留置針やカテーテルによって確保された静脈内への薬剤投与経路を、静脈路(静脈ルート)という。静脈路は即効性を期待する投与経路として重要だが、血圧の急に下がるような緊急時にはむしろ確保が難しくなる(末梢の静脈が虚脱するため)。そのため、ルートが血栓で閉塞しないことだけを目的に少量の輸液を持続して行ったり、ヘパリンロックを行う場合もある。
末梢静脈路
腕や脚などの皮下を走る静脈に留置するルート。手軽に確保できるため頻用されるが、浸透圧の高い輸液を行うと血管炎を起こしてしまうため、高カロリー輸液には適さない(末梢静脈路から投与できるブドウ糖液の濃度は、高浸透圧による血管障害のため10%程度が上限とされている)。末梢静脈から行う栄養はPPN(Peripheral Parenteral Nutrition)と呼ばれる。
中心静脈路
上大静脈または下大静脈に留置するルート。これらは体内で最も太く血液量が多い静脈であり、中心静脈 (central vein; CV) と称される。高濃度の薬剤を投与することが可能であり、また血管外への逸脱を起こしにくく確実性の高い投与経路である。その特長を生かして高カロリー輸液 (TPN:Total Parenteral Nutrition) や、血管炎をきたし易い薬剤(一部の抗がん剤など)の投与に用いられる。またカテーテルを通して中心静脈の血圧(中心静脈圧)を測定することが可能であり、体液量の増減やうっ血性心不全の程度を把握するのに役立つ。
中心静脈カテーテルは大腿静脈、内頚静脈、鎖骨下静脈などから挿入し、中心静脈に留置される。手技はやや煩雑で、合併症の危険を伴う(後述)。また、中心静脈ルートが細菌等に感染した場合、致死的な敗血症の原因となることがある。正中静脈から挿入するキット(PICC; Peripherally inserted central catheter)も存在する。
合併症
共通
- カテーテル感染
- 共通して抱えているのが感染である。薬剤の調製や注入の際に混入した病原体が、プラスティックのルートに付着し繁殖する。末梢静脈では静脈炎が、中心静脈ではカテーテル熱と呼ばれる断続的な高熱が出現する。感染が疑われる場合には速やかにカテーテルを抜去する。ヘパリンロックに使う希釈液を病棟でまとめて調製し、使用都度ごとに注射器に取る使用法において、希釈液の汚染によりカテーテル感染が起こるとの報告がある。
- 点滴依存症
- こと日本においては「痛いことを我慢するといいことがある」というような「信仰」があるため、点滴の必要がない病態にもかかわらず担当医に点滴を要求することが多い。[要出典]
- 中にはその求めに対し、ほとんど説明を行わず安易に応じる医師がいる。そのためインフォームド・コンセントの要件を満たしておらず、「do no harm」の原則すら守られていない。
- 人それぞれではあるが中には医師が点滴の必要がない、あるいは点滴をしても病態を劇的に改善できるわけではないと判断しているにもかかわらず点滴を強要し、その結果電解質異常を始め、この欄にある合併症をきたすものも出る。ほかには、点滴をしたにもかかわらず治らない、そもそも点滴をしないと決定したこと自体が不満であると、的外れな苦情を医療者や医療機関につきつける、「点滴をしないと治らない」と思い込み執拗に点滴を要求し、外来診療に影響を及ぼすものすらいる。
- 感染性胃腸炎の流行期には嘔吐を理由にことさら点滴を強要し、不要に長時間医療機関のベッドなどを占拠した挙句、ノロウイルスなどの非常に感染力の強い病原体の場を介した蔓延の契機を作ることすらある。[要出典]
- 電解質異常
- 輸液製剤の選択や、点滴量の決定への誤り、さらには上記にもあるような点滴への過度な期待の結果、不適切な輸液製剤の選択、及び量の計算の誤り、そもそも点滴を要しないにもかかわらず過量の点滴を行ったことにより生じることがある。
末梢静脈路
- 静脈炎
- 末梢静脈では高浸透圧の濃い輸液などで血管痛が生じ、ひいては血管炎に至る。
- 血管外漏出
- 血管への穿刺が不確実な場合や血管壁が脆弱な場合、薬液が血管外に漏れるいわゆる「点滴漏れ」が起こる。穿刺部周囲に浮腫を生じ、痛みを伴う。組織障害性の強い造影剤や化学療法剤が漏出した場合は壊死を起こす事もある。
中心静脈路
- 誤穿刺
- カテーテルを挿入する際に体腔に誤穿刺する。鎖骨下静脈の穿刺では気胸を生じることがある。誤挿入したまま薬液を注入して、胸腔や腹腔・後腹膜腔に薬液貯留をきたす事もある。動脈を誤穿刺したあと血腫を生じ気管や食道を圧迫して呼吸困難になることもある。通常は入れないが右房までカテーテルを挿入しカテ先が貫いて心タンポナーデになったり、洞結節などを刺激して不整脈を生じる事もある。どんなに上手な人がやっても一定の確率で合併症は起こり得る。
- カテーテル切断
- カテーテルを引き千切った場合、カテーテルが心臓やその他の血管内に閉塞してしまう事があり、手術や血管内治療で取り出す必要がある。中心静脈圧は正常で10 cm水柱圧あるので、またサイフォンの原理もあり、カテーテルの切断部から失血する事故も報告されている。
参考文献
関連項目
|
ウィキメディア・コモンズには、点滴静脈注射に関連するカテゴリがあります。 |
- 注射
- 投与経路
- 静脈路確保
- 輸液
- 輸血
- 高カロリー輸液
- en:Central venous catheter
- en:Peripheral parenteral nutrition
- en:Peripherally inserted central catheter
- en:Total parenteral nutrition
外部リンク
|
この項目は、医学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(プロジェクト:医学/Portal:医学と医療)。 |
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 新薬くろ~ずあっぷ(192)リクラスト点滴静注液5mg(ゾレドロン酸水和物注射液)
- おとなの急速進行型円形脱毛症に対するステロイドパルス療法の実際 (特集 ここまでわかる,ここまでできる! こどもとおとなの脱毛症診療)
Related Links
- 点滴静脈注射(てんてきじょうみゃくちゅうしゃ、intravenous drip, DIV, IVD)とは、 ボトルやバッグに入れて吊した薬剤を、静脈内に留置した注射針から少量ずつ(一滴ずつ )投与する方法で、経静脈投与(静脈注射、静注と略すことがある)の一種である。 ...
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
アナフラニール点滴静注液25mg
組成
成分・含量
- 1管 (2mL) 中「日本薬局方」クロミプラミン塩酸塩25mg
添加物
禁忌
- 緑内障のある患者[抗コリン作用により眼圧を上昇させるおそれがある。]
- 本剤の成分又は三環系抗うつ剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- 心筋梗塞の回復初期の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
- 尿閉 (前立腺疾患等) のある患者[抗コリン作用により症状が悪化することがある。]
- MAO阻害剤 (セレギリン) を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者[発汗、不穏、全身痙攣、異常高熱、昏睡等があらわれるおそれがある (「相互作用」の項参照)。]
- QT延長症候群のある患者[心室性不整脈を起こすおそれがある。]
効能または効果
- 抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること。
- 通常成人は日局生理食塩液又は日局5w/v%ブドウ糖注射液250〜500mLに1アンプルを加え、2〜3時間にわたって1日1回点滴静注する。その後漸増し、1回3アンプルまで投与することもできる。一般に一週間以内に効果の発現を見るが、症状の改善がみられた後は徐々に経口投与に切りかえる。
慎重投与
- 排尿困難又は眼内圧亢進等のある患者[抗コリン作用により症状が悪化することがある。]
- 心不全・心筋梗塞・狭心症・不整脈 (発作性頻拍・刺激伝導障害等) 等の心疾患のある患者又は甲状腺機能亢進症の患者[循環器系に影響を及ぼすことがある。]
- てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣を起こすことがある。なお、米国における臨床試験の結果、本剤の用量とてんかん発作出現に明らかな相関関係が認められている。]
- 躁うつ病患者[躁転、自殺企図があらわれることがある。]
- 脳の器質障害又は統合失調症の素因のある患者[精神症状を増悪させることがある。]
- 衝動性が高い併存障害を有する患者[精神症状を増悪させることがある。]
- 自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者[自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。]
- 副腎髄質腫瘍 (褐色細胞腫、神経芽細胞腫等) のある患者[高血圧発作を引き起こすことがある。]
- 重篤な肝・腎障害のある患者[代謝・排泄障害により副作用があらわれやすい。]
- 低血圧のある患者[高度の血圧低下が起こることがある。]
- 低カリウム血症のある患者[低カリウム状態はQT延長の危険因子と考えられる。]
- 高度な慢性の便秘のある患者[抗コリン作用により症状が悪化することがある。]
- 小児又は高齢者 (「高齢者への投与」、「小児等への投与」の項参照)
重大な副作用
ショック
(頻度不明)
- 観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
悪性症候群 (Syndrome malin)
(頻度不明)
- 無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行う。
本症発症時には、白血球の増加や血清CK (CPK) の上昇がみられることが多く、またミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎不全へと移行し、死亡した例が報告されている。
セロトニン症候群
(頻度不明)
- 不安、焦燥、せん妄、興奮、発熱、発汗、頻脈、振戦、ミオクロヌス、反射亢進、下痢等を主症状とするセロトニン症候群があらわれることがあるので、これらの症状が出現した場合には投与を中止し、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。
てんかん発作
(頻度不明)
- てんかん発作があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症
(頻度不明)
- 筋肉痛、脱力感、CK (CPK) 上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。
無顆粒球症、汎血球減少
(頻度不明)
- 無顆粒球症 (前駆症状として発熱、咽頭痛、インフルエンザ様症状等)、汎血球減少があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
麻痺性イレウス
(頻度不明)
- 腸管麻痺 (食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状) を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止すること。なお、この悪心・嘔吐は、本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること。
間質性肺炎、好酸球性肺炎
(頻度不明)
- 発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常 (捻髪音) 等が認められた場合には投与を中止し、速やかに胸部X線等の検査を実施し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群 (SIADH)
(頻度不明)
- 症状として低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
QT延長、心室頻拍 (Torsades de pointesを含む)、心室細動
(頻度不明)
- 定期的に心電図検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸
(頻度不明)
- AST (GOT)、ALT (GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- 抗うつ剤の作用機序は確立されていないが、脳内のセロトニン (5-HT) 及びノルアドレナリン (NA) の神経終末への取り込み阻害による受容体刺激の増強が抗うつ効果と結びついていると考えられている。各種抗うつ剤の脳内 (ラット) での5-HT及びNA取り込み阻害の比[ED50 (5-HT)/ED50 (NA)]は下図のとおりでクロミプラミンではNA取り込み阻害に比して、5-HT取り込み阻害が強い。3)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- クロミプラミン塩酸塩 (Clomipramine Hydrochloride)
化学名
- 3-(3-Chloro-10, 11-dihydro-5H -dibenzo[b , f ]azepin-5-yl)-N , N -dimethylpropylamine monohydrochloride
分子式
分子量
性状
酢酸 (100) に極めて溶けやすく、水、メタノール又はクロロホルムに溶けやすく、エタノール (95) にやや溶けやすく、無水酢酸にやや溶けにくく、アセトンに溶けにくく、酢酸エチル又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
融点
★リンクテーブル★
[★]
- 67歳の女性。右背部痛と発熱とを主訴に来院した。今朝、右背部に一過性の強い痛みを自覚した。夕方から発熱が出現し、ふらつきも自覚したため受診した。右の側腹部から背部にかけて自発痛がある。 30歳ころから数年に一度の尿管結石の発作の既往がある。 55歳から糖尿病を指摘されていたがそのままにしていた。意識は清明。身長 157 cm、体重 68 kg。体温 39.8℃。脈拍 112/分、整。血圧 94/52 mmHg。呼吸数 18/分。右肋骨脊柱角に叩打痛を認める。尿所見:蛋白 1+、糖 3+、潜血3+、沈渣に赤血球 15~30/ 1視野、白血球多数 / 1視野、細菌 2+。血液所見:赤血球 343万、 Hb 12.6 g/dl、Ht 35%、白血球 17,800(桿状核好中球 10%、分葉核好中球 75%、好酸球 1%、単球 2%、リンパ球 12% )、血小板 8.0万。血液生化学所見:総蛋白 6.4 g/dl、アルブミン 3.3 g/dl、AST 124 IU/l、ALT 118 IU/l、LD 466IU/l(基準 176.353)、尿素窒素 34 mg/dl、クレアチニン 1.8 mg/dl、尿酸 6.8 mg/dl、血糖 188 mg/dl、HbA1c(NGSP)7.2% (基準 4.6.6.2)、 Na 132 mEq/l、K 4.8 mEq/l、Cl 101 mEq/l。CRP 24 mg/dl。来院時の腹部単純 CT(別冊 No.20A、B)を別に示す。2セットの血液培養を行い抗菌薬の点滴静注を開始した。
- 次に行うべき治療として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108A045]←[国試_108]→[108A047]
[★]
- 51歳の女性。咳嗽と膿性痰とを主訴に来院した。 3年前から咳嗽と喀痰とを自覚していたがそのままにしていた。 6か月前から痰の性状が黄色となり、量も増加してきたため受診した。 47歳時に鼻茸切除術の既往がある。喫煙歴はない。
- 体温36.3℃。脈拍88/分、整。血圧112/86mmHg。呼吸数16/分。後鼻漏を認める。両側の胸部にcoarse cracklesを聴取する。白血球7,800(桿状核好中球10%、分葉核好中球50%、好酸球1%、単球7%、リンパ球32%)。 CRP0.5mg/dl。
- 肺機能検査所見: %VC82%、 FEV1.0%58%。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air) : pH7.41、 PaCO2 36Torr、 PaO2 73Torr、 HCO3- 22mEq/l。喀痰Gram染色標本で緑膿菌は認めるが、好中球による貪食像を認めない。胸部エックス線写真で両側肺野にびまん性粒状影を認める。胸部単純CT(別冊No. ll)を別に示す。
- 治療として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106A032]←[国試_106]→[106A034]
[★]
- 29歳の男性。咳嗽を主訴に来院した。 1年前から左陰嚢の無痛性腫大を自覚していたがそのままにしていた。 3か月前から咳が出るようになり市販の鎮咳薬を内服しても軽快しないために受診した。意識は清明。身長 176cm、体重 74 kg。体温 36.8℃。脈拍 88/分、整。血圧 110/72 mmHg。呼吸数 20/分。 SpO2 98% ( room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:赤血球 462万、 Hb 14.0 g/dl、Ht 43%、白血球 7,800、血小板 35万。血液生化学所見: LD 853 IU/l(基準 176~353)、 hCG 105m IU/ml。 α-フェトプロテイン〈AFP〉974 ng/ml(基準 20以下 )。陰.部超音波検査で左精巣に長径 8 cmの内部不均一な充実性腫瘤像を認める。腹部造影 CTで他臓器への転移を認めない。胸部エックス線写真 (別冊 No.34A)と肺野条件の胸部単純 CT(別冊 No.34B)とを別に示す。
- 行うべき対応はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [108I079]←[国試_108]→[[[ ]]]
[★]
- 67歳の男性。頭痛と右下眼瞼の痛みとを主訴に来院した。 3か月前から右眼に流涙があり、 3日前から右下眼瞼に痛みを伴うようになった。 2日前から頭痛があり、次第に増悪してきたため受診した。体温38.5℃。脈拍76/分、整。血圧118/76mmHg。右下眼瞼の腫脹を認める。項部硬直を認める。血液所見:赤血球420万、 Hb13.0g/dl、 Ht37%、白血球21,000(桿状核好中球20%、分乗核好中球60%、好酸球1%、単球2%、リンパ球17%)、血小板21万。 CRP18mg/dJ。右下眼瞼の写真(別冊No. 26)を別に示す。
- 直ちに行うべき治療として適切なのはどれか。 2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [106D057]←[国試_106]→[106D059]
[★]
- 50歳の男性。右下腹部痛を主訴に来院し、急性虫垂炎の診断で入院となった。末梢静脈路を確保し、抗菌薬の点滴静注を開始したところ、気分不良を訴え意識を失った。直ちに応援の医師と看護師とを呼んだ。
- 応援が来るまでに、まず行うべき対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106C024]←[国試_106]→[106C026]
[★]
- 英
- intravenous infusion、instillation、drip infusion
- 関
- 滴下、点眼、点眼剤、点眼薬、点滴、滴下注入、静脈点滴、経静脈内投与、点滴静注、点滴静脈内注射、点滴静脈内投与、点滴注射、点滴静脈内注入
[★]
- 英
- intravenous infusion、intravenous administration
- 関
- 静脈内注射、点滴、点滴注入、静脈内投与、静脈点滴、経静脈内投与、点滴静注、静脈投与、点滴静脈投与、点滴静脈内注射、点滴注射、点滴静脈内注入
[★]
- 英
- intravenous infusion
- 関
- 点滴、点滴注入、静脈点滴、経静脈内投与、点滴静注、点滴静脈内投与、点滴注射、点滴静脈内注入
-点滴静注
[★]
- 英
- intravenous infusion
- 関
- 点滴、点滴注入、静脈点滴、経静脈内投与、点滴静注、点滴静脈内注射、点滴静脈内投与、点滴静脈内注入
[★]
- 英
- intravenous infusion
- 関
- 点滴、点滴注入、経静脈内投与、点滴静注、点滴静脈内注射、点滴静脈内投与、点滴注射、点滴静脈内注入
[★]
- 英
- drip infusion pyelography, DIP
- 関
- 静脈性尿路造影 IVU
[show details]
- 静脈性尿路造影(IVU)よりも多量の造影剤を使用することで、造影剤の増量と浸透圧利尿により尿路排泄系の造影が強化される。静脈性尿路造影で腎杯、腎盂、尿管の所見が不十分な場合に施行する。腎機能の軽度低下時ににも比較的鮮明な像が得られ、全尿管走行も描出できるが、利尿のため尿路は一般的に普通よりも拡張されて造影される。(SURO.69)
[★]
- 英
- continuous intravenous infusion
- 関
- 持続静注、持続点滴、持続静脈内投与
[★]
- 英
- ACTH infusion test
- 同
- 副腎皮質刺激ホルモン点滴静注法
[★]
- 英
-
- 関
- インフュージョン、温浸、注入、注入液、滴下、輸液、滴下注入、点滴注入、静脈点滴、経静脈内投与、点滴静注、点滴薬、輸液剤、点滴静脈内注射、点滴静脈内投与、点滴注射、点滴静脈内注入
[★]
- 英
- intravenous injection、i.v.
- 関
- 静脈内、静脈内注射、静脈内投与、静脈投与、静脈注射