- 英
- ketone
WordNet
- any of a class of organic compounds having a carbonyl group linked to a carbon atom in each of two hydrocarbon radicals
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/09/05 16:48:55」(JST)
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ケトン (ketone) は R−C(=O)−R' (R, R' はアルキル基など)の構造式で表される有機化合物群。身近な物質の中では、除光液として用いられるアセトン (R, R' が -CH3の場合) が代表例である。
R または R' が水素原子であるときは、アルデヒドという。環状不飽和炭化水素のパラ位がカルボニル基になっているものはキノンと呼ばれる。
目次
- 1 命名法
- 2 合成法
- 3 物性・反応性
- 4 検出法
- 5 その他
- 6 主な化合物
命名法
ケトンを命名する場合、カルボニル基の位置を示す数字とともに、対応するアルカンの語尾に one をつけるか、接頭語 oxo を用いる。(→IUPAC命名法)
例: 2-ブタノン (2-butanone) / 2-オキソブタン (2-oxobutane)
合成法
・第二級アルコールをクロム酸酸化やスワーン酸化などで酸化するとケトンが得られる。
- RR'CH-OH + 酸化剤 → R-C(=O)-R'
・ハロゲン化アシルとギルマン試薬を反応させるとカップリングによりケトンが生成する。
- RC(=O)Cl + R'2CuLi → R-C(=O)-R'
・ハロゲン化アシルやエステル等と有機リチウム試薬やグリニャール試薬等の求核剤を反応させることによりケトンが生成する。
- RC(=O)Cl + R'M → R-C(=O)-R'
しかしこの反応では、生成したケトンがさらに求核剤と反応することでアルコールへと変換される(反応の項を参照)。 この副反応を防ぐためにワインレブアミドを中間体として経由するケトン合成法が知られている。
・フリーデル・クラフツ反応によるアシル化で芳香族ケトンを得ることができる。
- RC(=O)Cl + ArH + AlCl3 → R-C(=O)-Ar
・アルケンをオゾン酸化すると2分子のケトンが得られる。
・ほか、ケトンを生成する人名反応として、ピナコール転位、マンニッヒ反応、クライゼン転位などが挙げられる。
物性・反応性
物性
水素結合性はアルコールほど強くはないが、カルボニル基が持つ極性のため、低分子量のケトンは極性溶媒、非極性溶媒を問わず溶解性は良好である。
反応性
化学的には比較的安定であるが、グリニャール試薬や有機リチウムなど、求核性の強い有機金属とは反応し、続いて酸で加水分解すると第三級アルコールが得られる。
- R-C(=O)-R' + R''MgBr → RR'R''C-OH(加水分解後)
また、水素化アルミニウムリチウムやボランなどで還元すると第二級アルコールになり、クレメンゼン還元やウォルフ・キッシュナー還元ではメチレン化合物 R-CH2-R' になる。
- R-C(=O)-R' + LiAlH4 など → RR'CH-OH
- クレメンゼン還元
酸触媒下に2分子のアルコールと脱水縮合させるとアセタールが得られ、これはケトンの保護法のひとつである。
- R-C(=O)-R' + 2 R''OH + H+ → RR'C(OR'')2
ウィッティヒ反応やマクマリー反応により、アルケンに変えることができる。
- ウィッティヒ反応
ほか、アルドール縮合、バイヤー・ビリガー酸化、シュミット反応、ヴィルゲロット反応など、ケトンを基質とする化学反応は数多い。
検出法
ケトンとアルデヒドとを区別するには、還元性を持たないケトンは銀鏡反応やフェーリング反応を起こさないことが利用できる。ただし、糖のケトースは、ケトン構造を持つにも関わらず、還元性を有するため、この方法でアルドースと区別することはできない。メチルケトン構造の検出のためには、ヨードホルム反応が利用できる。
薄層クロマトグラフィーでは 2,4-ジニトロフェニルヒドラジンを呈色試薬として用いることで検出できる。
その他
最も単純なケトンはアセトン(プロパノン)で、工業的にはクメン法によって作られる。糖尿病の際に排泄されるケトンは主としてアセトンである。これは糖や脂肪を代謝する際に自然に生成するもので、過剰に生成されると血中に排出されて毒性を発揮することになる。これを予防するには代謝を改善することが必要である。
主鎖の炭素がケイ素に置き換わった構造(R-Si(=O)-R')はシラケトン(silaketone)と呼ばれる。
主な化合物
- アセトン
- メチルエチルケトン
- ジエチルケトン
- メチルプロピルケトン
- メチルイソブチルケトン
- メチルアミルケトン
- シクロヘキサノン
- イソホロン
- アセトフェノン
- ベンゾフェノン
官能基 |
- アセチル基
- アセトキシ基
- アクリロイル基
- アシル基
- アルコール
- アルデヒド
- アルカン
- アルケン
- アルキン
- アルコキシ基
- アミド
- アミン
- アゾ化合物
- ベンゼン
- カルベン
- カルボニル基
- カルボン酸
- シアネート
- ジスルフィド
- ジオキシラン
- エステル
- エーテル
- エポキシド
- ハロゲン化アルキル
- ヒドラゾン
- ヒドロキシ基
- イミド
- イミン
- イソシアネート
- イソチオシアネート
- イソニトリル
- ケトン
- メチル基
- メチレン
- メチン基
- ニトリル
- ニトレン
- ニトロ化合物
- ニトロソ化合物
- 有機リン化合物
- オキシム
- ペルオキシド
- リン酸
- ピリジン
- セレノール
- スルホン
- スルホン酸
- スルホキシド
- チオエステル
- スルフィド
- チオエーテル
- チオケトン
- チオール
- 尿素
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 新生児マススクリーニング対象疾患の保険契約の現状について
- 小松 祥子,新宅 治夫,平田 陽一,松原 洋一,原田 正平,山口 清次
- 日本小児科学会雑誌 115(10), 1573-1579, 2011-10-01
- NAID 10029836489
- 緩和ケトン食が著効した部分発作とスパズムの複合発作を有するてんかんの1男児例
- 高橋 宏佳,今井 克美,高山 留美子,美根 潤,大谷 早苗,池田 浩子,久保田 裕子,高橋 幸利,井上 有史,藤原 建樹
- 脳と発達 43(4), 305-308, 2011-07-01
- NAID 10029387005
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ハイアラージン外用液2%
組成
成分・含量(1g中)
添加物
- 無水エタノール、メチルエチルケトン、マクロゴール400、サリチル酸メチル、ジブチルヒドロキシトルエン
禁忌
効能または効果
- 汗疱状白癬、頑癬、小水疱性斑状白癬、癜風
- 通常、1日2〜3回、適量を患部に塗布又は塗擦する。
薬効薬理
各種真菌類に対するトルナフタートの抗菌力1)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- O -Naphthalen-2-yl N -methyl-N -(3-methylphenyl)thiocarbamate
分子式
分子量
性状
- トルナフタートは白色の粉末で、においはない。クロロホルムに溶けやすく、ジエチルエーテルにやや溶けにくく、メタノール又はエタノール(95)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
- ☆case75 自宅での意識消失
- ■症例
- 21歳 男性
- 主訴:意識消失
- 現病歴:男性のアパートで意識を失っている所を彼女に発見され、午後5時に搬送された。彼女が最後に彼に会ったのは午後8時で、クリスマスの買い物をして帰宅した時であった。翌日午後、彼女が彼に会いに行った所、彼がお風呂の床で意識を失っているのを見つけた。彼女によれば、前日変わった様子(unusal mood)はなかった。彼は心理学の期末試験が1週間に迫っておりこのことを心配していたが、勉強はうまくいっているようだった。また以前の試験に問題はなかった。
- 喫煙歴:なし。
- 飲酒歴:機会飲酒 10 units/week(1週間に350mlビール6本弱)
- 既往歴:なし
- 家族歴:父と2人の兄弟のうち1人が糖尿病
- 服薬歴:以前、エクスタシー錠剤を服用していたが、静脈注射の薬はやったことがない。
- 身体所見 examination
- 顔貌 青白。注射痕は認められない。脈拍 92/分、血圧 114/74 mmHg、呼吸数 22/分。心血管系、呼吸器系に異常を認めず。神経系 命令に従わないが、痛みに反応して適切に手を引っ込める(GCS M4)。腱反射(+)・対称性、足底反射(-)。瞳孔散大、対光反射(+)。眼底 視神経円板腫脹
- ■鑑別診断をあげるためのkeyword(司会者用)
- ・24時間以内に来した意識消失、糖尿病の家族歴、冬、風呂、精神疾患リスク(試験で悩んでいる。薬物の服用歴)、顔色、脈拍、血圧、呼吸数、腱反射、病的反射、瞳孔、眼底(司会者用)
- ■keywordからどういう疾患を考えるか?
- 真っ先にあげたいもの
- ・二次的な脳圧亢進
- ・糖尿病
- ・薬物中毒、中毒物質の摂取・吸引
- ・神経疾患(てんかんなど)の発作
- ・24時間以内に来した意識消失
- ・クモ膜下出血:局所神経症状、硝子体下出血(subhyaloid hemorrhage)。
- ・糖尿病の家族歴
- ・低血糖発作
- 低血糖による昏睡は早いが糖尿病の新規症状として起こらない。まれにインスリノーマによる低血糖による昏睡があり得る。
- ・糖尿病性ケトアシドーシス diabetic ketoacidosis DKA
- 極度のインスリン欠乏とコルチゾールやアドレナリンなどインスリン拮抗ホルモンの増加により、(1)高血糖(≧250mg/dl)、(2)高ケトン血症(β-ヒドロキシ酪酸の増加)、アシドーシス(pH7.3未満)をきたした状態。(糖尿病治療ガイド 2008-2009 p.66)
- ・高浸透圧性非ケトン性昏睡 nonketotic hyperosmolar coma
- DM type 2
- 50歳以上に好発し、インスリン非依存性糖尿病*患者が腎不全や中枢神経障害、悪性腫瘍、消化器疾患、呼吸器感染などを合併するときに多くみられ、ステロイドや利尿薬の投与、輸液や高カロリー補給、人工透析などの際に医原性に起きやすい。
- 高血糖性の昏睡は発症が早くない。その前に口渇や多尿があるはず。
- → 否定するための検査 → 血糖測定
- ・風呂
- ・脳出血
- ・冬だし、風呂(脱衣所のことか)にガスヒーターがあったら疑わしい。
- ・精神疾患リスク(試験で悩んでいる。薬物の服用歴)
- (最も多いのが)薬物中毒(鎮静薬、アスピリン、アセトアミノフェン)
- (意識障害で運ばれてきたときに考えるべきなのが)一酸化中毒
- 一酸化中毒の場合の顔色は蒼白(cherry-red colorと言われてきたが)。眼底所見:(severe CO中毒で)乳頭浮腫
- ・顔色
- ・脈拍、血圧、呼吸数
- ・腱反射、病的反射
- 腱反射が亢進していたら、上位運動ニューロンの障害を考慮する。腱反射亢進と意識障害が共存していれば、障害部位は脊髄の伝導路ではなくむしろ脳幹・大脳皮質に障害があると考えることができる。
- ・瞳孔
- 瞳孔が散大していれば交感神経興奮、副交感神経の麻痺:フェニレフリン・エピネフリン・コカインなど交感神経刺激、動眼神経麻痺、脳死の徴候
- 瞳孔が縮瞳していれば副交感神経興奮、オピオイド受容体への刺激:麻薬中毒、有機リン中毒、橋出血、脳幹部梗塞(脳底動脈閉塞症など)
- ・眼底 (IMD.71)
- 視神経円板(=視神経乳頭)の腫脹は乳頭浮腫(papilledema, DIF.342)を反映。乳頭浮腫の発生機序は軸索輸送障害や静脈還流うっ滞である。原因として頭蓋内疾患が最も多い。頭蓋外の疾患(高血圧、視神経炎、偽性脳腫瘍)。
- 乳頭浮腫 papilledema DIF.243
- V 動静脈奇形、高血圧による脳血圧脳症・頭蓋内出血、クモ膜下出血、硬膜下血腫
- I 脳膿瘍、慢性経過の髄膜炎(細菌性×)、敗血症による血栓や静脈洞血栓
- N 脳腫瘍
- D -
- C 動静脈奇形、水頭症、頭蓋奇形(尖頭症などによる)、血友病、時にSchilder disease
- A ループス脳炎、動脈周囲炎
- T 急性期の硬膜外血腫や硬膜下血腫ではない。慢性硬膜下血腫ならありうる。
- E 褐色細胞腫による悪性高血圧、偽性脳腫瘍(=特発性頭蓋内圧亢進症)(肥満・無月経・感情障害(emotionally disturbed)をきたした女性に多い)
- ■問題
- 症例だけでは絞れないので、最も疑われる疾患をあげ、鑑別診断を列挙し、検査、治療を考えていくことにします。
- ■一酸化炭素中毒
- ■オチ
- 血中carboxyhemoglobinを測定したところ32%。高レベルの酸素投与でゆっくりだが、48時間で完全に回復。脳浮腫にたいするマンニトールや高圧酸素療法も考慮する。問題は4年間点検されていないガス温水器の不完全燃焼だったとさ。
- ■KEY POINTS
- ・薬物中毒は若い人の意識消失の最も一般的な原因だけど、他の診断もいつも考慮しておく。
- ・一酸化炭素ヘモグロビンレベルは屋内や車内、あるいはよく分からない煙に暴露した意識消失患者で測るべき
- ・一酸化中毒による重度の低酸素血症ではチアノーゼを欠く。
- ■initial plan(救急だからのんびりやってられないだろうけど)
- A.
- 1. 呼吸器系、循環器系の安定を確認
- 2. 血液ガス検査
- 3. 血液生化学(電解質(Na,Ca)、血糖)
- □ビール1本 = 350ml アルコール5%: 350 (ml/本) x 0.05 / 10 (ml/unit) =1.75 (unit/本)
- ■参考文献
- DIF Differential Diagnosis in Primary Care Fourth Edition版 Lippincott Williams & Wilkins
[★]
- 英
- hypochlorous acid
- 関
次亜塩素酸(じあえんそさん、Hypochlorous acid)は塩素のオキソ酸の1つで、塩素の酸化数は+1である。組成式では HClO と表わされるが、水素原子と塩素原子が酸素原子に結合した構造 H−O−Cl を持つ。不安定な物質であり水溶液中で徐々に分解する。次亜塩素酸および次亜塩素酸の塩類は酸化剤、漂白剤、外用殺菌剤、消毒剤として利用される。
性質
実験室的には水酸化カリウム水溶液などに塩素を通じたりして調整した次亜塩素酸塩水溶液を硫酸で中和し、水蒸気蒸留して遊離酸の水溶液を得る。また、酸化水銀 の四塩化炭素懸濁液に塩素を通じた後に水で抽出したり、あるいは酸化ビスマスを水懸濁液中に塩素を通じることで遊離酸の水溶液を得る方法も知られている。
薄い水溶液としては存在するが、25%以上の濃度では一酸化二塩素に変化するので遊離酸を単離することはできない。濃厚水溶液は淡黄色である。また、遊離酸が弱酸 (pKa = 7.53)<ref>「次亜塩素酸」、『岩波理化学辞CD-ROM版』 第5版、岩波書店、1998年。</ref> のため、次亜塩素酸ナトリウムなどの次亜塩素酸塩水溶液はかなり強い塩基性を示す。
水溶液中でも不安定で、次のような不均化により塩化水素を放出しながら徐々に分解する。
- <math>\rm 2 HClO \longrightarrow 2 HCl + O_{2}</math>
- <math>\rm 3 HClO \longrightarrow 2 HCl + HClO_{3}</math>
次亜塩素酸やその塩の水溶液は、カルキ臭と呼ばれるプールの消毒槽のようなにおいを持つ。
また、塩素を水に溶かすと、次のような平衡により一部が塩酸と次亜塩素酸となる<ref>「次亜塩素酸」、『世界百科事典CD-ROM版』 V1.22、平凡社、1998年。</ref>。
- <math>
{\rm Cl_2 + H_2O \ \overrightarrow\longleftarrow \ HCl + HClO} \quad K _{\rm w}=1.56 \times 10^{-4}
</math>
すなわち、中性~酸性条件ではこの反応はあまり進行しないが、アルカリ性条件では生成する遊離酸が次亜塩素酸塩となり平衡が右に偏るので、次亜塩素酸塩を製造する方法の1つとなる。
- <math>
\rm Cl_2O + H_2O \longrightarrow 2HClO
</math>
- <math>
\rm HClO + H_2O_2 \longrightarrow HCl + H_2O + O_2
</math>
- ハロホルム反応により、アルカリ性条件下で次亜塩素酸(塩)はメチルケトンやアルコール類を塩素化する。
- 炭素二重結合に次亜塩素酸が付加すると、クロロヒドリン体を与える。
塩
出典
<references />
参考文献
- R・B・ヘスロップ、K・ジョーンズ 『ヘスロップ ジョーンズ無機化学(下)』 第1版、斎藤喜彦訳、東京化学同人、1977年。
関連項目
[★]
- 英
- ketoacid, keto acid
- 同
- ケトン酸、オキソ酸 oxoacid oxo acid
- 関
- アミノ基転移
[show details]
ケトンのカルボニル基COとカルボキシル基のCOOHを含む有機化合物
- アミノ基転移反応の際に、αケト酸はカルボニル基の炭素原子でアミノ酸からのアミノ基-NH3を受け取る
ケト酸(ケトさん、Keto acid)は、ケトン基とカルボキシル基を含む有機酸である。
ケト酸のタイプには次のようなものがある。
- α-ケト酸(2-オキソ酸):ピルビン酸のようにケトン基がα炭素にあるもの。
- ピルビン酸 CH3COCOOH
- β-ケト酸(3-オキソ酸):アセト酢酸のようにケトン基がβ炭素にあるもの。
- アセト酢酸 CH3COCH2COOH
- γ-ケト酸(4-オキソ酸):レブリン酸のようにケトン基がγ炭素にあるもの。
- レブリン酸 CH3COCH2CH2COOH
Pyruvic acid wiki structure.jpg
Acetoacetic acid wiki structure.jpg
Levulinic acid wiki structure.jpg
[★]
- 英
- ketosis (FB)
- 同
- ケトン血症、インスリン依存性糖尿病
- 関
- ケトン、ケトン体
[show details]
- アセト酢酸の代謝分解より生成の方が早い
- 呼気がアセトン臭
[★]
- 英
- ketone odor
- 関
- ケトン
[★]
- 英
- ketotic hypoglycemia
- 関
- アセトン血性嘔吐症、低血糖症
概念
- 比較的やせ型の児が、感冒や精神的ストレスにより食事が取れないために糖の補給ができなくなり、ケトーシスを来して元気がなくなり嘔吐を発症する疾患。幼児期~児童初期にみられる。
疫学
- 小児の低血糖症の中で最も多く認められる(全体の50%)。
- 身体的には未熟児、SFD児、身体発育不良児に多い。
- 2-5歳に最も多い
- 男女比は2:1で男児に多い。
- 加齢とともに発作頻度は減少。10歳くらいまでに消失
病因
- 糖新生能力が低い:小児では肝のグリコーゲンは数時間で枯渇。筋から動員される糖原性アミノ酸からアラニンとなり糖新生されるが、小児では糖の補充が間に合わないことがある。
誘因
- 摂食が制限されているときに起こるので、朝に起きやすいし、前日の夕食を抜いていればなおさら
病態生理
症状
- 悪心・嘔吐、脱力感、全身倦怠感、無表情、会話の停滞、集中力減退、速脈、顔面蒼白、歩行障害、嗜眠、意識障害、けいれん (SPE.210)
診断
検査
- ケトン負荷:ケトン食で低血糖発作
- グルカゴン負荷:低血糖発作時にグルカゴン負荷に反応しない
血液検査
尿検査
治療
予防
- 食事回数の増加、誘発因子(感染、ストレス)を避ける
鑑別
- YN.D-107
参考
uptodate
- 1. [charged] 幼児および小児における低血糖症の病因 - uptodate [1]
- 2. [charged] 乳児および小児における低血糖に対するアプローチ - uptodate [2]
国試
[★]
- 英
- test of keton bodies
- 関
- ケトン体、ケトン体定性
[★]
- 英
- isobutyl methyl ketone
- 関
- メチルイソブチルケトン