出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/03/26 01:09:28」(JST)
カロリー calorie |
|
---|---|
記号 | cal |
系 | CGS単位系 |
量 | 熱量 |
SI | (正確に)4.184 J(計量法による。)(本文を参照) |
由来 | 水1gの温度を1℃上げる熱量 |
語源 | ラテン語 calor(熱) |
テンプレートを表示 |
カロリー(仏: calorie、記号:cal)は、熱量の単位である。「カロリー」という言葉は、ラテン語で「熱」を意味する calor に由来する。
かつては広く用いられていたが、1948年の国際度量衡総会(CGPM)で、カロリーはできるだけ使用せず、もし使用する場合にはジュール(J)の値を併記することと決議された。よって国際単位系(SI)においては、カロリーは併用単位にもなっていない。
カロリーは、日本の計量法では1999年10月以降、法令上の正確な表現では、「人若しくは動物が摂取する物の熱量又は人若しくは動物が代謝により消費する熱量の計量」のみに使用できる。計量単位令による定義は、1カロリー = 4.184 J(正確に)である[1]。後述の熱力学カロリーを採用したものである。
日本の計量法によるカロリーは、「人若しくは動物が摂取する物の熱量又は人若しくは動物が代謝により消費する熱量の計量」に限定して使用できる(計量単位令第5条、別表第6の項番13)[4]。計量法によるカロリーの定義は 1 cal = (正確に)4.184 J である。なお、計量単位令は、キロカロリー(kcal),メガカロリー(Mcal),ギガカロリー(Gcal)の使用を認めている。
計量法の定義以外に、カロリーの定義には各種あり、値は次のとおり。
国際標準化機構 (ISO) の ISO 31-4 appendix B と ISO 80000-5 は、太字で示した国際蒸気表カロリー、熱力学カロリー、15度カロリーの3つを(非推奨の単位としてではあるが)挙げている。15度カロリーは実験的に値が決定される単位であり、ISOでは値を定めていない。
名称 | 記号 | J/cal | cal/J | 備考 |
---|---|---|---|---|
0度カロリー | cal0 | ~4.21900 | ~0.2370 | |
4度カロリー | cal4 | ~4.20450 | ~0.237 84 | |
平均カロリー | calmean | ~4.190 02 | ~0.238 662 | NISTによる |
旧国際蒸気表カロリー | ~4.186 84 | ~0.238 844 | 廃止 | |
国際蒸気表カロリー | calIT | 4.18680 | ~0.238 846 | 定義値 |
旧計量法カロリー | 4.186 05 | ~0.238 889 | 定義値、廃止 | |
15度カロリー | cal15 | ~4.185 80 | ~0.238 903 | [2] |
15度カロリー | cal15 | ~4.18550 | ~0.238 92 | CIMP1950による |
熱力学カロリー | calth | 4.18400 | ~0.239 006 | 定義値 |
IUNSカロリー | 4.18200 | ~0.239 120 | 定義値 | |
20度カロリー | cal20 | ~4.181 90 | ~0.239 126 | [2] |
カロリーの元々の定義は、「1グラムの水の温度を標準大気圧下で1℃上げるのに必要な熱量」である。ただし水の比熱はその温度によって異なり、0℃で 4.218 J/g、34.5℃で 4.178 J/g の最小値、100℃で 4.216 J/g となる。そのため、何度の水で定義するかにより各種の「カロリー」が生まれることになる。
例えば水 1 g の温度を15℃前後で1℃上げる(14.5℃から15.5℃に上げる)のに必要な熱量は15度カロリー(15° calorie、記号:cal15)という。標準カロリー (standard calorie) ともいう。その値はアメリカ国立標準技術研究所 (NIST) によれば 4.18580 J、国際度量衡委員会 (CIPM) 1950 によれば、4.1855(5) J である(括弧内は最終桁の誤差)。
一般に、水 1 g の温度をt−0.5℃からt+0.5℃に上げるのに必要な熱量をt度カロリー(t° calorie、記号:calt)という。ただし例外的に、0度カロリーは、0℃から1℃までで定義される。そのほか、20度カロリー、17度カロリー、4度カロリー(事実上3.98度カロリーと同じ。水の密度が最大になる温度)などが使われる。
0℃から100℃まで上げるに必要な熱量の1/100は平均カロリー(mean calorie、記号 calmean)と呼ばれる。
しかしこれらは全て、実験的に求まる値であり常に誤差を伴う。この問題を避けるため、ジュールで定義したカロリーが考え出された。
国際的には国際蒸気表カロリー(記号:calIT[3])(単に「ITカロリー」と呼ぶ場合が多い)がよく使われる。これは1956年の国際蒸気性質会議(IAPS,現 国際水・蒸気性質会議 (IAPWS))で正確に 1 calIT = 4.1868 J と定義された。
1926年から1956年までは、1 calIT = 1/860 int. Wh = 180/43 int. J ≒ 4.186 047 int. J という定義が使われていた[4]。「Int.(international、国際)」とはかつて使われていた国際電気単位(国際単位系とは無関係)を示す記号で、国際ジュールは int. J = (int. V)2 / (int. Ω) と定義され、J = N·m と定義される絶対ジュール(実用ジュール)とはわずかに異なっていた。その値は国などによって微妙に異なったが、1949年の第9回国際度量衡総会 (CGPM) で決定された平均国際電気単位では int. J = (1.000 34 V)2 / (1.000 49 Ω) ≒ 1.000 19 J なので calIT ≒ 4.186 842 J となる。
現在の日本(1999年10月1日からの新計量法下)では、熱力学カロリー(記号:calth[5])を使う。熱化学カロリー[6]、定義カロリー[7]ともいう。1 calth = 4.184 J と定義されており、ほぼ 17度カロリー cal17 に等しい。
1929年、F.R.ビチョウスキー[8]とF.D.ロッシーニ[9]が18度カロリー cal18 と同じになるように定義した calth = 4.1833 int. J が元になっている。当時は 4.1850 J に等しいとされたが、1949年の平均国際電気単位では 約4.184 095 J となる。
日本の旧計量法(1951年~1992年)では、カロリーの定義として、温度 t を指定した t 度カロリーか、温度を指定しないならば 1 cal = 4.186 05 J という値が定義されていた。この後者を旧計量法カロリーという(計量法改正前は単に計量法カロリーといった)。なお、組立単位では t 度カロリーは不可で、旧計量法カロリーのみが使えた。
旧計量法カロリーは国際蒸気カロリーに近いが少し小さい。これは、旧国際蒸気カロリーの国際電気単位による定義を、換算なしでそのまま絶対単位による定義 1 cal = 1/860 Wh = 180/43 J ≒ 4.186 047 J としたためである。またさらにその数値を丸めて小数表現にしてある。
1992年には新計量法が施行され旧計量法は廃止されたが、新法の規定により猶予期間として1999年までは、t 度カロリー、旧計量法カロリー、熱力学カロリーの3つのカロリーが使えた(組立単位は旧計量法カロリーのみ)。1999年10月1日からは熱力学カロリーに一本化され、またカロリーが使用できる計量は「人若しくは動物が摂取する物の熱量又は人若しくは動物が代謝により消費する熱量の計量」に制限された(計量単位令附則第1号)。
国際栄養科学連合(英語版)が定めたカロリーで、正確に 1 cal = 4.182 J である。[4]
1824年ニコラス・クレメントが、「水 1 kg の温度を1℃上げるのに必要な熱量」をカロリーと名づけた。これは 1 kg に基づいているので、MKS単位系の単位である。これは現在のカロリー(CGS単位系)の定義では 1000 cal = 1 kcal にあたる。
1888年、英国学術協会(英語版)が、「水 1 g の温度を1℃上げるのに必要な熱量」をサーム[10](現在のサーム = 105 BTU とは別)と名づけ、1896年、カロリーと改称した。
カロリーにはSI接頭辞を付けることができる(もちろんSIではカロリーもその倍量・分量単位も認められない)。栄養学ではキロカロリー (kcal = 1000 cal) がよく使われる。大きな熱量を示すときには、メガカロリー (Mcal = 106 cal) やギガカロリー (Gcal = 109 cal) も希に使われる。一方、ミリカロリー (mcal = 0.001 cal) などの分量単位はほとんど使われない。
106カロリー(15度カロリー)をテルミまたはサーミー[11](記号:th)という。1 th = 1000 000 cal15 ≒ 4.1855 MJ である。元来は、1 t の水について定義された、MTS単位系の単位である。
109カロリー(熱力学カロリー[2])を1TNTトンといい、核兵器などのエネルギーに使われる。1 tTNT = 109 calth = 4.184 GJ である。
カロリーという単位名称は元来、MKS単位系のキログラムに基づく単位(現在の kcal = 1000 cal に等しい)の名称であった。これと、CGS単位系のグラムに基づく単位は次のように言い分けられる。(なお、MTS単位系のトンに基づく単位の名称はテルミである)
MKS単位系での名称 (英語) |
CGS単位系での名称 (英語) |
記号 |
---|---|---|
小カロリー (small calorie) |
グラムカロリー (gram calorie) |
cal |
大カロリー (large calorie) |
キログラムカロリー (kilogram calorie) |
Cal kcal |
大カロリーは現在では栄養学でのみ残っている。しかし紛らわしいため、キロカロリー (kcal) へ移行しつつある。
詳細は「生理的熱量」を参照
栄養学においては、カロリーは生理的熱量(栄養学における熱量、エネルギー)を表す単位として用いられる。日本の計量法(1999年10月1日から)では、カロリー、キロカロリー (kcal)、メガカロリー (Mcal)、ギガカロリー (Gcal) の使用が、「人若しくは動物が接取する物の熱量又は人若しくは動物が代謝により消費する熱量の計量」(すなわち栄養学や生物学に関する事項)に限定して認められている。
摂取する食物から得られる栄養学的熱量と、運動や基礎代謝によって消費される熱量について適用され、生物が生理的に代謝したエネルギー1カロリーは空気中での酸化反応(燃焼)によって発生した熱量1カロリーと等しいと定義される。
栄養学ではカロリー(本来は平均カロリー、日本の計量法では熱力学カロリー)の1000倍のキロカロリー (kcal) がよく使われる。かつてはキロカロリーのかわりに大カロリー (Cal、1文字目が大文字)を使い、単にカロリーと言っていた。ただし、"Cal"と"cal"はまぎらわしいので、今日では kcal(キロカロリー)と表記するのが一般的である。ただし、カロリーという呼び方は今でもしばしばなされる。なお一日のエネルギー必要量(消費量)は、身体活動レベルに応じて基礎代謝量の1.5〜2倍程度となる。詳細は栄養#栄養学の観点からを参照のこと。
この用途でのカロリーは、日本を含む多くの国で生理的熱量を表す標準単位として広く用いられ、計量法改正でも「用途を限定する非SI単位」と定義され、SI単位への移行からは除外されているが、今後は政策的にSI単位であるジュール(1 cal = (正確に)4.184 J)に置き換えられていく予定となっている。日本食品標準成分表においても、kcalによる数値と、1 kcal = 4.184 kJの換算によるkJによる数値が併記されている[12][13]。海外(アメリカを除く)の食品では、そのラベルにジュール表記を併記したものもある。
この用法から転じて、「カロリー」は食品の持つ栄養価としての生理的熱量そのものを指す言葉ともなっている。例「こんにゃくはカロリーが低い」「ファストフードはカロリーが高いから太りやすい」など。
ジュール | キロワット時 | 電子ボルト | 重量キログラムメートル | カロリー | |
---|---|---|---|---|---|
1 J | = 1 kg·m²/s² | ≈0.278×10−6 | ≈6.241×1018 | ≈0.102 | ≈0.239 |
1 kWh | = 3.6×106 | = 1 | ≈22.5×1024 | ≈0.367×106 | ≈0.860×106 |
1 eV | ≈0.1602×10−18 | ≈44.5×10−27 | = 1 | ≈16.3×10−21 | ≈38.3×10−21 |
1 kgf·m | = 9.80665 | ≈2.72×10−6 | ≈0.613×1018 | = 1 | ≈2.34 |
1 calIT | = 4.1868 | ≈1.163×10−6 | ≈0.261×1020 | ≈0.427 | = 1 |
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
フルカリック1号輸液(903mL)
[出血時間を延長することがある(パンテノール含有のため).]
[乳酸血症が悪化するおそれがある.]
[高ナトリウム血症が悪化するおそれがある.]
[高クロール血症が悪化するおそれがある.]
[高カリウム血症が悪化又は誘発されるおそれがある.]
[高リン血症が悪化又は誘発されるおそれがある.]
[高マグネシウム血症が悪化又は誘発されるおそれがある.]
[高カルシウム血症が悪化するおそれがある.]
[肝性昏睡が悪化又は誘発されるおそれがある.]
[高窒素血症が誘発されるおそれがある.]
[アミノ酸インバランスが助長されるおそれがある.]
通常,成人には1日1806mLを24時間かけて中心静脈内に持続点滴注入する.
なお,年齢,症状,体重により適宜増減する.
通常,成人には1日2006mLを24時間かけて中心静脈内に持続点滴注入する.
なお,年齢,症状,体重により適宜増減する.
通常,成人には1日2206mLを24時間かけて中心静脈内に持続点滴注入する.
なお,年齢,症状,体重により適宜増減する.
[副作用が強くあらわれることがあり,腎不全病態が悪化するおそれがある.]
[過敏症等の副作用が強くあらわれることがある.]
[カテーテルが二次感染巣となることがあり,敗血症さらには敗血症性ショックを起こすおそれがある.]
[脱水症が悪化するおそれがある.]
[高血糖が誘発され,脱水症状が悪化するおそれがある.]
[心不全が悪化するおそれがある.]
[水,電解質及び窒素代謝物が蓄積するおそれがある.]
[高血糖が悪化又は誘発されるおそれがある.]
[水,電解質異常が悪化又は誘発されるおそれがある.]
[アシドーシスが悪化するおそれがある.]
[高血糖が悪化又は誘発されるおそれがある.]
[「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照]
[「小児等への投与」の項参照]
リンク元 | 「100Cases 75」「100Cases 13」「熱量」「エネルギー」「カロリー価」 |
拡張検索 | 「カロリー病」「カロリールゼリー」 |
エネルギー (kcal/kg/day) | |
新生児 | 120 |
乳児 | 100~120 |
幼児 | 80~90 |
学童 | 60~70 |
成人 | 30~40 |
.