浸透圧
2007年後期生理学実習書(1)
- 浸透圧は粒子数に比例するので、浸透圧を粒子数で表してもよい。このときに用いられる粒子数の単位がOsm
- πV=nRT (ファントホッフの法則から)
- 浸透圧
反応に関わる分子の数を表す
- 当量(Eq)=物質量(mol) x 価数(無次元)
- 生理学において、電気的な中性であるかを考えるためによく使われる。
- Ca2+が1mmol/l存在するとき、2mEq/lとも表すことができる。水溶液が電気的に中性であるならば、2mEq/l分の陰イオンが存在すると考えてよいことになる。
化学当量
臨床検査
- 単位変換 SI unit<-> conventional unit
WordNet
- an individual or group or structure or other entity regarded as a structural or functional constituent of a whole; "the reduced the number of units and installations"; "the word is a basic linguistic unit"
- a single undivided natural thing occurring in the composition of something else; "units of nucleic acids" (同)building_block
- an organization regarded as part of a larger social group; "the coach said the offensive unit did a good job"; "after the battle the soldier had trouble rejoining his unit" (同)social unit
- a single undivided whole; "an idea is not a unit that can be moved from one brain to another"
PrepTutorEJDIC
- 《集合的に》『構成単位』;(学習の)『単元』;(全体を構成する)部門,部隊 / (特定用途の)設備[一式],器具[一そろい] / (測定基準としての)『単位』;(…の)単位《+of+名》,(…する)単位《+for doing》 / 正の最小整数(1)
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2017/09/07 20:19:49」(JST)
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この項目では、量の測定に関わる単位について説明しています。学校等で取得される単位については「学年制と単位制」、「単位 (高等学校)」をご覧ください。 |
単位(たんい、英: unit)とは、量を数値で表すための基準となる、約束された一定量のことである。約束ごとなので、同じ種類の量を表すのにも、社会や国により、また歴史的にも異なる多数の単位がある。
目次
- 1 漢語の「単位」
- 2 物理単位
- 3 数学における単位
- 3.1 単位(identity)
- 3.2 単位(unit)
- 4 医学における単位
- 5 出典
- 6 関連項目
漢語の「単位」
漢語の「単位」は本来仏教用語で、禅宗寺院で修行僧1人ごとに与えられる一畳のスペースを「単」もしくは「単位」と呼ぶ。ここから、一区切りを「単位」と言うようになった。
物理単位
詳細は「物理単位」を参照
単位の書き方は国際的に決められており、数値の後に半角1マス空け、単位を書く。例えば、1.50 kgと書く。
計算において、単位は文字式の文字のように扱えるため、基本的には単位も一緒に計算する。例として、100 g+300 g=400 gや、100 m÷25 s=4.0 m/sのように単位をかきながら計算することで、計算ミスも減る。
連続量ではどれだけの量を単位と定めるかは全く任意であり、決め方が異なる単位の間の比は一般に実数値となり、しかもその比には誤差がつきまとう。実際の量を数値表現するには、具体的に実現された単位量と測定対象の量とを比較しなければならず、必ず誤差がつきまとうからである。だが離散量である個数では1個より小さい単位は考えられず、ひとつひとつ数えることにより原理的には誤差のない測定が可能である。
離散量を表すときの「人」「個」「冊」などは助数詞であり、正式には単位とは見なされていないが、単位に準ずるものとして扱うことはできる[1]。12をひとかたまりとするダースや12ダースをひとかたまりとするグロスは個数という量の単位と見なせる。
- 多くの物理や自然科学に関する文書中では、単位は物理単位を意味する。
- 通貨やお金の単位については該当項目を参照のこと。
数学における単位
単位(identity)
数学において、単位とは、「恒等の作用をするもの」(英: identity)を意味する。積では、数の1がこれに当たる。
- 単位元は環や半群において、積に関して恒等的な作用をもつ元のことである。(単位元の存在を構造としてみるとき、単位的環、単位的半群などとも言う。)
- 単位行列は、行列積における単位元を指す。対角成分が1でそのほかが全て0の正方行列となる。
単位(unit)
また、数学において、単位は数の「1」を意味し(英: unit)、またそれを想起させるさまざまな意味で用いられる。ただし、一般的には単位とは「1」に限られたものではなく、「単位時間」などは状況により様々な数値を取るため注意が必要である(例:5年生存率は5年という単位時間当たりの生存率%を表すものであり、単位は正式には「%/5年」と表記される(一般的には%のみで表記するのが普通である))。
- 単位ベクトルは長さ1のベクトルのことである。
- 単位円は原点を中心とした半径1の円のことである。
- 単位球は原点を中心とした半径1の球のことである。
- 単位区間は0と1を端点とする長さ1の区間のことである。
- 行列単位はただ一つの成分のみが1でそのほかが全て0の行列のことである。
- 虚数単位はその平方が-1となる絶対値1の複素数 i のことである。
- 単位時間とは科学における用語で、議論の基準となる時間の長さを指す(数値が「1」とは限らない)。
医学における単位
医薬品の中には投薬量を単位で表す物があり、ペニシリンやインスリンなどの薬が一定の効き目を示す量を1単位としている。
出典
- ^ 二村隆夫「丸善 単位の辞典」丸善(2002/03)
関連項目
- 単位一覧
- 物理単位一覧
- 単位の換算一覧
- 国際単位系
- 単位時間
UpToDate Contents
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Japanese Journal
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
トロンビン“化血研” (5,000単位製剤)
組成
- 本剤はヒトの血漿から製した日本薬局方トロンビンを含む凍結乾燥製剤で、1バイアル中の組成は下記のとおりである。
有効成分
日本薬局方トロンビン
添加物
クエン酸ナトリウム水和物
添加物
塩化ナトリウム
- 17mg
- 本剤の有効成分であるトロンビンは、ヒトの血液(採血国:日本、採血方法:献血)を原材料としている。また、本剤は製造工程でブタの腸粘膜由来成分(ヘパリンナトリウム)を使用している。
禁忌
- 凝血促進剤(ヘモコアグラーゼ)、抗プラスミン剤(イプシロンアミノカプロン酸、トラネキサム酸)、アプロチニン製剤を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
効能または効果
- 通常の結紮によって止血困難な小血管、毛細血管及び実質臓器からの出血(例えば、外傷に伴う出血、手術中の出血、骨性出血、膀胱出血、抜歯後の出血、鼻出血及び上部消化管からの出血など)。
- 通常、出血局所に、生理食塩液に溶かした溶液(トロンビンとして50〜1,000単位/mL)を噴霧もしくは灌注するか、又は粉末のままで撒布する。上部消化管出血の場合には、適当な緩衝剤に溶かした溶液(トロンビンとして200〜400単位/mL)を経口投与する。尚、出血の部位及び程度により適宜増減する。
- トロンビンの至適pHは7付近であり、酸により酵素活性が低下するので、本剤を上部消化管出血に用いる場合には、事前に緩衝液等により胃酸を中和させること(「適用上の注意」の項参照)
慎重投与
重篤な肝障害、汎発性血管内凝固症候群(DIC)等網内系活性の低下が考えられる病態を有する患者[微量のトロンビンの血管内流入により、血管内血栓を形成するおそれがある。]
溶血性・失血性貧血の患者[ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある。]
免疫不全患者・免疫抑制状態の患者[ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、持続性の貧血を起こすことがある。]
重大な副作用
ショック:ショック(頻度不明)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、呼吸障害、胸部不快感、血圧降下、昏迷等の症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- トロンビンは血液凝固機作に関与する酵素の1つで、血液凝固過程の最終段階、即ちフィブリノゲンに直接作用してフィブリンに転化する。従って、血液中にフィブリノゲンが存在すれば下記の作用機序により出血局所の血液を急速に凝血して損傷血管端を閉塞し、血小板の存在のもとに凝血塊は収縮して血管断端を完全に止血する。
- トロンビンはフィブリノゲンを加水分解して2種のペプチドを遊離し、できたフィブリンは生理的条件下で速やかにゲル化する。このゲルにさらに活性化されたXIII因子が作用してフィブリン分子を共有結合で結びつけ、安定化したフィブリンを形成する。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- hypoglycemics
- 同
- hypoglycemic agent、antidiabetic agent、antidiabetic drug、antidiabetics、glucose-lowering agent、hypoglycemic、hypoglycemic drug、hypoglycemics
- 関
- [[]]
投稿記事
k氏より
インスリンの抽出は大変意図的に行われたのに対し、スルフォニルウレア薬(SU)は偶然に見つかりました。で、1950年代にはじめに二型糖尿病の患者に使われるようになりました。いまでは20種類くらいのSUが広く世界で使われています。
1997にはメグリチニドが臨床適用されました。食後高血糖の治療薬としてはじめて使用された薬です。
メタフォルミンというビグアナイド薬(BG)は、ヨーロッパで広く使われていましたが、1995年にアメリカでも認可されました。
チアゾリジン1997年に市場導入され、二番目にメジャーなインスリン刺激薬として使用されています。この種類の薬には、広汎な肝障害を起こしにくく、世界中で使われています。
スルフォニルウレア薬 SU薬
膵臓のβ細胞の刺激によって、インスリンを放出させ、血糖値を下げます。
治療が長引くと、インスリン分泌というSUのβ細胞刺激性の効果が薄れてきますが、β細胞上のSU受容体のダウンレギュレーションによるものです。また、SUはソマトスタチンの放出を刺激します。ソマトスタチンはグルカゴン分泌を抑制しているので、これも関係SUの糖を下げる効果と関係しています。
SUはATP感受性Kチャンネルを抑制します。Kレベルが下がると、まく表面における、脱分極を促し、電位依存性カルシウムチャンネルを通じたカルシウムイオンの流入を促進します。
SUには無視できない膵臓外作用があるという議論があります。確かにありうべきことですが、2型糖尿病の患者の治療においては、それほど重要なことではないようです。
SU薬はそれぞれが似たような作用スペクトラムを持っているので、薬物動態的な特性がここの薬を区別する手がかりです。腸管からのSU薬の吸収の割合は薬によって違いますが、食物や、高血糖は、この吸収を抑制します。高血糖はそれ自身、腸管の運動を抑制するので、ほかの薬の吸収も阻害します。血漿濃度が効果的な値にまで達する時間を考えると、半減期の短いSUは、食前三十分に投与するのが適切です。SU薬は90から99パーセントくらい血中たんぱく質と結合し、特にアルブミンと結合します。
第一世代のSUは半減期や分布において、大きく違っています。この半減期や作用時間の不一致の理由はいまだはっきりしていません。
SUはすべて肝臓で代謝を受け、尿中に排泄されます。なので、肝不全、腎不全患者には要注意で処方します。
めったにありませんが、第一世代服用患者では、4パーセントの割合でおきます。第二世代ではもっと少ないでしょう。低血糖による昏睡がしばしば問題になります。腎不全や肝不全がある高齢者の患者でおきやすいです。
重症の低血糖は脳血管障害も起こしうる。急性の神経障害が見つかった高齢患者では血中グルコースレベルを測るのが大事です。半減期の長いSUもあるので、24から48時間のグルコースを輸液します。
第一世代は多くの薬物と相互作用を持っています。
ほかに、吐き気嘔吐、胆汁うっ滞性黄疸、脱顆粒球症、再生不良性・溶血性貧血、全身性のアレルギー症状があります。
SUが心血管障害による死亡率を上げるのかについては議論の余地あり。
SUは、食事療法だけでは十分なコントロールを得られない2型糖尿病患者の血糖コントロールに用いられます。禁忌はtype 1 DM(diabetes mellitus:糖尿病)、妊婦、授乳中の患者、腎障害や肝障害の患者です。
普通の患者なら五割から八割くらい、経口の糖尿病治療薬が効きます。インスリン療法が必要になる患者もいます。
トルブタマイドの一日量は500ミリグラムで、3000ミリグラムが最大の許容量です。SUの治療成績の評価は患者の様子を頻繁に観察しながら、行います。
SUとインスリンの併用療法はtype 1, type 2 両方の糖尿病で用いられていますが、βセルの残存能力がないとうまくいきません。
レパグリニドはメグリチニドクラスの経口インスリン分泌促進物質です。化学構造上、SUとは異なっており、安息香酸から分離されたものです。
SU薬と同様にレパグリニドは膵臓βセルにおけるATP依存性Kチャンネルを閉じることによりインスリン分泌を促進します。AEもSU薬と同様、低血糖です。
Dふぇにるアラニンから分離された薬。レパグリニドよりもSEとして低血糖が認められづらいです。
メトフォルミンとフェノフォルミンは1957年に市場導入され、ブフォルミンが1958年に導入されました。ブフォルミンは使用が制限されていますが、前者二つは広く使われています。フェノフォルミンは1970年代に乳酸アシドーシスのAEによって市場から姿を消しました。メトフォルミンはそのようなAEは少なく、ヨーロッパカナダで広く使われています。アメリカでは1995年に使用可能に。メトフォルミンは単独かSUと併用して使われます。
ものの言い方によると、メトフォルミンは抗高血糖であって、血糖を下げる薬ではありません。膵臓からのインスリン放出は促さないので、どんな大容量でも低血糖は起こしません。グルカゴン・コルチゾール・成長ホルモン・ソマトスタチンにも影響なし。肝での糖新生を抑制したり、筋や脂肪におけるインスリンの働きを増すことで、血糖を押さえます。
小腸から吸収。安定な構造で、血中の蛋白と結合しないで、そのまま尿中に排泄。半減期は二時間。2.5グラムを食事と一緒に飲むのがアメリカで最もお勧めの最大用量。
メトフォルミンは腎不全の患者には投与しないこと。肝障害や、乳酸アシドーシスの既往、薬物治療中の心不全、低酸素性の慢性肺疾患なども合併症として挙げられる。乳酸アシドーシスはしかしながら、めちゃくちゃまれである。1000人年(たとえば100人いたら、10年のうちにという意味の単位。または1000人いたら1年につき、ということ。)につき0.1という割合。
メトフォルミンの急性のAEは患者の20パーセントに見られ、下痢、腹部不快感、吐き気、金属の味、食欲不振などです。メタフォルミンを飲んでいる間はビタミンB12や葉酸のきゅうしゅうが 落ちています。カルシウムをサプリで取ると、ビタミンB12の吸収が改善されます。
血中乳酸濃度が3ミリMに達するとか、腎不全・肝不全の兆候が見られたら、メタフォルミンは中止しましょう。
PPARγに効く。(ペルオキシソーム・プロライファレーター・アクチベイティッド・受容体、つまりペルオキシソーム増殖活性受容体みたいな。)PPARγに結合して、インスリン反応性をまして、炭水化物とか、脂質の代謝を調整します。
ロジグリタゾンとピオグリタゾンは一日一度。チアゾリジンは肝にて代謝され、腎不全のある患者にも投与できますが、活動性の肝疾患があるときや肝臓のトランスアミナーゼが上昇しているときは、使用しないこと。
ロジグリタゾンはCYP2C8で代謝されますがピオグリタゾンはCYP3A4とCYP2C8で代謝されます。ほかの薬との相互作用や、チアゾリジン同士の相互作用はいまだ報告されていませんが、研究中です。
ピオグリタゾンとロジグリタゾンは肝毒性とはめったに関係しませんが、肝機能をモニターする必要があります。心不全のある患者はまずそちらを治療してから。
αGIは小腸の刷子縁におけるαグルコシダーゼの働きを阻害することによって、でんぷん・デキストリン・ダイサッカリダーゼの吸収を抑制します。
インスリンを増やす作用はないので、低血糖もおきません。吸収がよくない薬なので、食事の開始と一緒に飲むとよいです。
アカルボースとミグリトールは食後高血糖の抑制に使われます。
αGIは用量依存性に、消化不良・ガス膨満・下痢などをきたします。αGIとインスリンを併用中に低血糖症状が出たら、、グルコースを補充します。
経口から、グルコースが静脈を通ると、インスリンが上がることがわかっていました。消化管の上部からはGIP、消化管下部からはGLP1というホルモンが出ていて、糖依存性のインスリン放出を促していることがわかりました。これらのホルモンはインクレチンといわれています。この二つのホルモンは別の働き方でインスリンの放出を促進します。GIPはtype 2 DMではインスリン分泌を促進する能力がほとんど失われています。一方でGLP1は糖依存性のインスリン分泌を強く促しています。つまりtype 2 DMの治療ではGIPをターゲットにすればよいということになります。GLPはグルカゴンを抑制し。空腹感を押さえ、食欲を抑えます。体重減少も実現できます。この長所を相殺するように、GLP1は迅速にDPPIV(ヂペプチジルペプチダーゼ4エンザイム)によって負活化されます。つまり、GLP1を治療に使うなら、連続的に体に入れなければなりません。GLP1受容体のアゴニストが研究され、これはDPPIVにたいして抵抗性があります。
そのほかのGLP1療法のアプローチに仕方としては、DPPIVプロテアーゼの不活性化で、それによってGLP1の循環量を増やそうとするものです。type 2 DM治療に新しい薬がでるかもしれないですね。
[★]
- ☆case84 嘔吐
- ■症例
- 32歳 男性
- 主訴:
- 現病歴:2 amにからり酔っぱらって救急部に受診。11.45 pmに気分が悪くなり2度嘔吐。嘔吐物は最初は苦く感じられ、それは食べ物と2Lのビールであった。1時間程度後に、何度か猛烈に吐き気を催した。1 amに鮮赤血を吐いた(bright red blood)。患者が言うには最初は少量だったが、2回目にはかなり多い量であった。服用薬なし。時々マリファナを吸う。タバコ1日10本、アルコール2-3 unit/week
- 既往歴:特記なし
- 家族歴:特記なし
- 生活歴:
- ・身体診断
- 酔っぱらっているように見える。口の周りに乾燥した血液の付着を認める。脈拍:102/分。(臥位(lying))血圧:134/80 mmHg。立位でも血圧の変化は認められない。心血管系、呼吸器系に異常を認めず。腹部:上腹部(心窩部)にわずかに圧痛。
- ・検査
- (血液生化学)
- 異常なし
- ■解説
- (第1パラグラフ)
- もっともな診断は、下部食道もしくは胃上部における吐血を引き起こす粘膜の裂傷である(Mallory-Weiss lesion/Mallory-Weiss tear/Mallory-Weiss laceration)。激しい嘔吐やむかつきによる機械的な外傷で生じる。本症例では、なれない大量飲酒によって生じた。
- (第2パラグラフ)
- 患者の話から出血量を見積もるのは難しい。吐血はびっくりするような出来事であり、吐血の量を多く見積もりがちである。ヘモグロ分派性状であり、急性の出血では吐血量を見積もる手がかりにならない。急性期にヘモグロ分が低ければ慢性の出血をほのめかす。著しい失血の最初のサインは頻脈と起立時の血圧低下であることがある。本症例の彼の脈波速いが、これは不安と関連しているのかもしれない。
- (第3パラグラフ)
- 吐血の他の原因は胃炎か消化性潰瘍である。何度か血液を含まない胃内容物のむかつきと嘔吐の話はマロリーワイス症候群に特徴的である。この疾患は普通介入を必要としない良性の病態である。確定診断は上部消化管内視鏡を必要とするが、典型的な症例ではいつも必要になるわけではない。時に、出血がもりひどかったり、壁の解離が粘膜より深いこともあり、穿孔につながる。
- (第4パラグラフ)
- この症例の管理は注意深い観察、嘔吐で失われた体液を戻すための静脈内輸液である。出血が激しい場合には血液型検査のために採血するが、輸血は必ずしも必要ない。彼は生徒大とH2 blockerで治療された。嘔吐は収まりそれ以上の出血も見られなかった。彼は将来のパーティでは通院しすぎないように決めた。
- ■管理(内科診断学 第2版 医学書院)
- ①本疾患の大多数は安静、絶食、制酸薬・粘膜保護薬の投与で保存的に治療できる。
- ②輸血が必要なほどの貧血は稀である。
- ③内視鏡検査時に出血している症例に対しては内視鏡的止血術を行う。
- ④クリッピング法(図4-89) [図] 、純エタノール局注法、アルゴンプラズマ凝固(APC)法などさまざまあるが、いずれの方法でも良好な止血成績を得られる。
- ■鑑別診断 (内科診断学 第2版 医学書院 p.843)
- ・特発性食道破裂(ブールハーフェ症候群)
- ・逆流性食道炎
- ・食道静脈瘤破裂
- ・出血性胃潰瘍
- ・急性胃粘膜病変(AGML)
- ■KEYPOINT
- ・吐血の前の血液を伴わない激しい嘔吐とむかつきの既往は、上部消化管の裂傷を示唆する。
- ・患者は血液の量を見積もるのが困難と分かるので、吐血で失われた失血の程度は多糸かでないし、消化管の中にとどまっている血液の量は分からない。
- ・アルコールは救急入院の約1/4と直接の連関があるという研究がある。
- □マロリーワイス症候群(内科診断学 第2版 医学書院)
- 嘔吐などにより腹腔内圧が急激に上昇して噴門部近傍に裂創が発生し、これを出血源として顕出血をきたしたもの。30-50歳代の男性に多く、全消化管出血例の約3-15%を占める。 アルコール多飲が原因となることが多いが、ほかに妊娠悪阻、乗り物酔い、脳腫瘍や髄膜炎、医原性のものとしては上部消化管内視鏡検査や心肺蘇生術など、原因となるものは種々である。 ②嘔吐などにより急激に腹圧が上昇すると、急激に胃内圧が上昇し、これにより食道胃接合部近傍に裂創が生じる。
- □吐血 hematemesis (内科診断学 第2版 医学書院)
- コーヒー残渣用の吐血 melanemesis
- 鮮血の吐血 hematoemesis
- □急性胃粘膜病変 acute gastric mucosal lesion AGML
- 急性胃炎の劇症型であり、急速に起こる腹痛(時に、吐血、下血)をきたし、潰瘍・びらん・出血が混在した病態を呈する。
- 病因はアルコール、薬物(アスピリン、ステロイド)、薬品、ストレス、食物(激辛食品など)、アニサキス、中枢神経系障害、熱傷、外科手術
- ■glossary
- inebriate
- vt. (人)を酔わせる(make drunk)。~を有頂天にする
- adj. 酔っぱらいの、大酒飲みの
- n. 酔っぱらい、大酒飲み
- pint n. (液体の単位)1パイント = 1/2クオート=(米)28.8753 inch cube = 0.473 liter = (英) 0.568 liter = 約500cc
- retch
- vi. むかつく、吐き気を催す、無理に吐こうとする
- vt. 吐く
- n. むかつく。ヒック(吐き気を催すときの音)
- lager n. ラガー(ビール)(貯蔵ビール;日本の普通のビール)
- violently adj. 激しく、猛烈に
- drunk adj. (pred)酔って。(fig)酔いしれて
- epigastrium n. 上腹部、心窩部
- blood grouping 血液型判定、血液型検査
- indulge
- vt. ~にふけらせる。気ままにさせる、(子どもを)甘やかす。(欲求などを)思いのままに満たす。喜ばせる、楽しませる。
- vi. (快楽・趣味などに)ふける、身を任す(in)。(略式)たらふく食べる、痛飲する。(~に)従事する。(好ましくないことに)かかわる(in)
- □Hematemesis and Melena(Differential Diagnosis in Primary Care 4th)
- ・吐血か喀血を見分けたい場合はnitrazine paperを使って判定
- ・身体開口部(body orifice)からの出血を鑑別するとき解剖学的なアプローチがよい。
- (食道)
- ・静脈瘤、逆流性食道炎、癌腫、マロリーワイス症候群。
- ・外来異物も忘れるな。
- ・先天性まれな病因として異所性胃粘膜によるバレット食道炎と潰瘍もある。
- ・大動脈瘤、縦隔腫瘍、肺癌が食道を潰瘍化させ出血させることもある。
- (胃)
- ・炎症:胃炎と胃潰瘍。アスピリンとアルコールも良くある原因
- ・幽門部静脈瘤で出血するかもしれない
- ・出血がひどく、他の原因が見つからなければ血液疾患を検索する。
- (診断への道)
- ・吐血の確固たる証拠がある時、内視鏡をつかえる状況にあれば問診とか検査で無駄な時間を使わずに内視鏡で診断&治療をやってしまえ。
- ・血液型検査、血液のクロスマッチ?して輸血の準備、凝固能検査など鑑別に必要な検査をやりなさい。内視鏡検査の準備をしている間に、アルコール、アスピリン、そのほかの薬品の服用、潰瘍の既往、食道疾患既往を聴け
- ・ひどい出血や最近の急な吐血の既往がなければ(内視鏡を使わずに?)伝統的なアプローチでも良い
- ・吐血の前に血液を伴わない嘔吐があればマロリーワイス症候群の診断の助けとなる。
[★]
- 関
- 摂氏
- ninety-eight point six degrees Fahrenheit
|
華氏
|
摂氏
|
氷点
|
32.0 F
|
0.0 C
|
平熱
|
98.6 F
|
37 C
|
発熱
|
100.0 F
|
37.8 C
|
沸点
|
212.0 F
|
100.0 C
|
華氏度(かしど)は、数種ある温度目盛のうちの1つであるファーレンハイト温度目盛(華氏温度目盛)によって計測した温度の単位である。ファーレンハイト度(ファーレンハイトど)とも言う。「華氏」は、考案者ファーレンハイト(Fahrenheit)の中国語における音訳「華倫海特」(普通話ではHualunhaite)によるものである。
概要
ファーレンハイト温度目盛は、ドイツの物理学者ガブリエル・ファーレンハイトが1724年に提唱したもので、その名前を取って呼ばれる。ファーレンハイト度は、他の温度目盛と同様「度」(記号:°)の単位がつけられ、他の温度目盛による値と区別するためにファーレンハイトの頭文字を取って"°F"と書き表される。「32°F」は、日本語では「華氏32度」、英語では"32 degrees Fahrenheit"、または、"32 deg F"と表現される。
ファーレンハイト温度目盛では、水の氷点を1 E2 K(32°F)、沸点を212度(212°F)とする。水の氷点と沸点の間は180度に区切られる。よって、この温度目盛によって計った温度Fは、セルシウス温度目盛による値(セルシウス度、摂氏度)Cと、以下の関係にある。
- <math>F = \frac{9}{5}C + 32</math>
- <math>C = \frac{5}{9}(F - 32)</math>
華氏⇔摂氏早見表
華氏 |
摂氏
|
-40.0 |
-40.0
|
-30.0 |
-34.4
|
-22.0 |
-30.0
|
-20.0 |
-28.9
|
-10.0 |
-23.3
|
-4.0 |
-20.0
|
0.0 |
-17.8
|
10.0 |
-12.2
|
14.0 |
-10.0
|
20.0 |
-6.7
|
30.0 |
-1.1
|
32.0 |
0.0
|
40.0 |
4.4
|
50.0 |
10.0
|
|
華氏 |
摂氏
|
50.0 |
10.0
|
60.0 |
15.6
|
68.0 |
20.0
|
70.0 |
21.1
|
80.0 |
26.7
|
86.0 |
30.0
|
90.0 |
32.2
|
100.0 |
37.8
|
104.0 |
40.0
|
110.0 |
43.3
|
120.0 |
48.9
|
122.0 |
50.0
|
130.0 |
54.4
|
140.0 |
60.0
|
|
華氏 |
摂氏
|
140.0 |
60.0
|
150.0 |
65.6
|
158.0 |
70.0
|
160.0 |
71.1
|
170.0 |
76.7
|
176.0 |
80.0
|
180.0 |
82.2
|
190.0 |
87.8
|
194.0 |
90.0
|
200.0 |
93.3
|
210.0 |
98.9
|
212.0 |
100.0
|
220.0 |
104.4
|
230.0 |
110.0
|
|
セルシウス度に対するケルビンに対応するものとして、絶対零度を0としてファーレンハイト度の目盛りを振ったランキン度がある。
歴史
ファーレンハイトがこの温度目盛を作った時の話には、いくつかの説がある。
- ファーレンハイトは最初、彼が測ることのできた最も低い室外の温度を0度、彼自身の体温を100度としようとしたと述べている。彼は1708年か1709年の冬の大変寒い日に、ダンツィヒ郊外の彼の自宅において「0度」を計測した(これは-17.8℃である)。後に同じ温度を氷・塩化アンモニウム・水を混ぜることで実験室環境で作り出している。当時使われていたレーマー度目盛では、日常的に使われる温度にマイナスの値が出てきてしまっていて不便であったので、彼はこれを避けたかった。彼の体温(彼は37.8℃と計測したが、正確には37℃であった)を「100度」と固定した。この元の目盛を12等分し、さらに8等分して、96度の目盛を作った。これにより、水の氷点が32度、沸点が212度になり、その間が正確に180度に区切られることになる。
- 「0度」を同量の氷・塩の混合物(寒剤)によって得られる温度(この温度が人類が作り出せる最も低い温度であるとファーレンハイトが思っていたともいう)としたとしている。そして血液の温度を96度とした(彼が温度目盛を調整するときは馬の血液を使った)。当初は12等分しかしていなかったが、後にそれぞれを8等分して96度とした。彼は、この目盛によって純水が32度で凍り、212度で沸騰することを観測した(それまでは、物質が凍ったり沸騰したりする温度は一定であるとは思われていなかった)。
- レーマー温度目盛で水が凍る温度が7.5度、沸騰する温度が60度であることから、小数をなくしスケールを大きくするためにそれぞれを4倍して30と240にしたというものである。それから、水の氷点と人の体温(彼はこれを96度とした)の間が64度(64が2の6乗であるので)となるように再調整した。その結果、水の氷点は32度になった。
日本では1.と2.を合わせたものがよく知られているが、アメリカでは3.が有名であるようである。
ファーレンハイトの計測は完全に正確ではなかった。彼が作ったオリジナルの目盛によって計った水の氷点・沸点は32度・212度とは異なっていた。彼の死後、その値が32度・212度となるように調整された。その結果、人の体温は96度ではなく98.6度となった。
使用
1960年代まで、多くの英語圏の国でファーレンハイト度は気候・産業・医療における温度の基準となっていた。1960年代後半から1970年代にかけて、メートル法への切り換えの一環としてセルシウス度(摂氏度)の導入が政府によって行われた。しかし、切り換えのための努力にもかかわらず、現在でも多くの英語圏の国では非科学分野での温度計測にファーレンハイト度が広く使用されている。
ファーレンハイト度の支持者は、これがファーレンハイト度が利用者によって親しみやすいからだと主張している。地球上の居住可能地域の大部分で気温変化は0°Fから100°Fの範囲に収まり、ファーレンハイト度は生活感覚に直結した温度目盛であると主張している。
- 10度台 -- 厚い霜が降りる。
- 20度台 -- 薄い霜が降りる。
- 30度台 -- 寒い。氷点に近い。
- 40度台 -- 寒い。厚い衣服が必要。
- 50度台 -- 涼しい。適度な厚さの衣服で十分。
- 60度台 -- 暖かい。薄手の衣服が必要。
- 70度台 -- 適度に暑い。夏服が必要。
- 80度台 -- 暑いが耐えられる。少なめの衣服
- 90度台 -- とても暑い。過熱に対する予防措置が必要。
- 100度台 -- 危険なほど暑い。
しかし、そのような温度と生活感覚の相互関係は、単に習慣から生まれるものである。日常摂氏を使用している人であれば、マイナスの温度では霜が降り、0-10℃は寒い、10-20℃は適温、20-30℃は暖かい、30-40℃は暑いということを知っている。
アメリカ合衆国・ジャマイカでは、メートル法への置き換えが生産者側・消費者側の両方で大きな抵抗に遭っているため、ファーレンハイト度は様々な分野で広く使われ続けている。同様にイギリスの一部では、低い温度はセルシウス度で表されるが、日常的に使われる温度はファーレンハイト度で測定されている。カナダではメディアはセルシウス度で温度が報じるが、年配のカナダ人は今でもファーレンハイト度で温度を表す。
また、ファーレンハイト度での人間の平熱が98.6度であることはよく知られていて、体温が華氏100度以上になると治療が必要とされる。
[★]
- ☆case28 慢性に経過する胸痛
- ■症例
- 25歳 女性
- 主訴:胸痛
- 現病歴:2年前より胸痛の出現と消退が持続していた。胸痛は6ヶ月間は収まっていたが、最近10ヶ月間は出現してきていた。胸痛は胸部左方
- にあり、左腋窩に放散していた。胸痛は胸を締め付けられる、あるいは握りつぶされるような痛みであり、5-30分持続した。胸痛はどんなときでも出現することがあった。労作時によく出現したが、ある場合には安静時にも出現し、特に夕方に出現した。胸痛には息切れが伴うことが良くあった。胸痛が出現したときには、どんなときでも身動きができなくなり、痛みと共にが遠くなったり、めまいをかんじた。時々、胸痛と共に動悸があった。動悸は強く感じられたが、心拍動はしっかりしていた(steady heart beat)。
- 既往歴:
- ・15歳 虫垂摘出
- ・30歳 腹症(irregular bowel habit)と腹痛:精査(be investigated for)をうけたが、診断がつかず(no specific diagnosis was arrived at)。症状は現在も持続。
- ・季節性鼻炎(seasonal rhinitis)
- ・2年前コレステロールを測定したが4.1 mmol/Lであった
- 基準値(HIM A-10)
- 単位:mg/dL (mmol/L)
- desirable: <200 (<5.17)
- borderline high: 200-239 (5.17-6.18)
- high: ≧240 (≧6.21)
- 生活歴:medical secretaryとして働いている。既婚で子供はいない
- 家族歴:祖父が1年前MIで死亡(77歳)。家族の数人に花粉症、あるいは喘息がある。
- 身体所見 examination
- 血圧:102/65 mmHg。脈拍:78/分、整。心音に異常所見はみとめない。左胸部、胸骨左部、乳腺下部に圧痛。呼吸数22/分。肺に異常所見を認めない。左腸骨窩に圧痛。
- 検査所見 investigations
- ECG
[★]
アルコールの量 unit
- 1unitの量が国によって違う。純エタノール換算で、1英unitは8g=10ml(英糖尿病協会採用の数値)、1米unitは15g(20ml弱:1drinkとも)で、日本では10~14g程度(代謝熱量80Kcalが基準:食品成分表5訂版,2002)や20ないし23g(日本酒1合分)を1unitとしている。日本の医学界では1unit=20g(体積に換算すると25ml)を採用することが多いので、ここでもそれに従う。この基準(1unit=20g=25ml)で計算すると、40度のウィスキー1ショット(=1オンス:英液量オンスで28.41ml、米液量オンスで29.57ml、日本の1ショットで30ml)が約0.5unitとなる。5度のビールなら500mlでだいたい1unit(この、日本酒1合≒ウィスキーダブル≒ビール500cc≒1unitという関係は、覚えておくと便利かもしれない:ワインなどは日本酒に準じるので、1本750mlがだいたい4unit強である)。 (参考1.より引用)
参考
[★]
- 英
- elementary unit、building block
- 関
- 構成要素、建築ブロック
[★]
- 英
- replication unit
- 関
- レプリコン
[★]
- 英
- sensory unit
- 関
- 感覚単位
[★]
- 英
- unit evolutionary period