出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/04/12 12:03:04」(JST)
食餌療法(しょくじりょうほう、medical diet)とは、食事の成分・量などを調節することによって、病気の治療をはかり、あるいは病気の臓器を守り健康管理をはかること。糖尿病・腎臓病・高血圧症などで行われる。
「餌」が当用漢字外の字であることから、新聞協会用語懇談会が定めた代用表記である食事療法と書き換えられることが多い。
目次
|
栄養の評価は体重、上腕三頭筋皮下脂肪厚(TSF)、上腕周囲長(AC)、血清アルブミン値、その他ラピッドターンオーバープロテインなどで評価されることが多い。アルブミンは肝臓で合成されるため肝障害時、また炎症を伴う場合、アルブミン以外の蛋白合成がされるため栄養状態の尺度とならないこともある。
項目 | アルブミン | トランスサイレチン (プレアルブミン) |
トランスフェリン | レチノール結合蛋白 | リンパ球 |
---|---|---|---|---|---|
半減期 | 約21日 | 3〜4日間 | 7〜10日間 | 12〜16時間 | |
高値群 | 脱水 | 腎不全、甲状腺機能亢進症、妊娠 | 鉄欠乏性貧血、妊娠 | 慢性腎不全、過栄養性脂肪肝 | |
低値群 | 栄養障害、肝障害、ネフローゼ症候群、感染症、悪性腫瘍 | 栄養障害、肝障害、感染症 | 栄養障害、肝障害、ネフローゼ症候群、感染症、膠原病 | 栄養障害、肝障害、感染症、ビタミンA欠乏症、甲状腺機能亢進症 | |
栄養正常 | 3.5g/ml以上 | 2000以上 | |||
軽度栄養障害 | 3.1-3.5 | 1200〜2000 | |||
中等度栄養障害 | 2.1-3.0 | 〜120 | 800〜1200 | ||
高度栄養障害 | -2.0 | 〜800 |
主に糖尿病の治療目的に用いられる食事である。2型糖尿病の場合は肥満によるインスリン抵抗性を改善するため、エネルギーを制限することが望ましいと考えられている。1日あたりの総エネルギー量の目安は、
で計算し、食事量を決める。エネルギー量の計算は、80kcalを1単位として計算する方法が簡単で、一般的である。例えば、デスクワークの多い成人男性では、1500kcal〜1600kcal(約20単位)ということになる。
食生活の気をつける点としては
などがあげられる。なおインスリン導入後は低血糖の防止のため補食するのも可能であり、補食の場合はインスリンを打たないこともよくある。しかし食事をとらなかった場合も基礎分泌を保つため定時に通常の半量〜2/3量のインスリンの注射が必要である。
詳細は「低炭水化物ダイエット」を参照
近年糖尿病の食事療法は必ずしも総エネルギー量制限を主とする療法のみではない。血糖を上昇させる主たる栄養素は糖質である事から、糖質制限(低炭水化物)食を導入する動きが広がっており、成果をあげている[2][3][4]。その代表例がアトキンスダイエットで、糖質を制限する食事は食後血糖値の上昇を押さえるが、20年以上の長期にわたってそのような食事スタイルを継続することによる、糖尿病以外の病気発生リスクの有無に関する評価は始まったばかりである。一般に高血糖状態におかれている場合、血管に与えるダメージを軽減する必要性から血糖値を下げることは非常に重要であるが、炭水化物からとる分のカロリーを蛋白質・脂質から摂取するようにした場合、腎機能が低下している、もしくはその徴候の認められる患者に対して糖質制限食は慎重を要する。最近は、糖質制限食でアディポネクチンが増加するという報告[5]がある。
世界保健機関の2007年の報告では、タンパク質の多い食事は腎臓疾患や糖尿病性腎不全を悪化させる[6]。世界保健機関の2003年の報告は、肥満や糖尿病を予防する原因に全粒穀物を挙げている[7]。国際糖尿病連合は、糖尿病の治療には低いグリセミック指数の食品を挙げており、これは全粒穀物などがあてはまる[8]。ハーバード大学公衆衛生学教室の調査[9]では、20年間の調査で冠疾患の増加リスクはないとされている。日本でも研究は始まっている[10]。
高血圧や肝不全といった浮腫性疾患の治療の際に用いられる治療食である。
腎不全、透析の際に用いられる食事である。
基本的にはエネルギー調整食を心掛ければよい。DASH食、カーボカウント、糖質制限なども提唱されている。
窒素制限(実際には蛋白制限)が必要となることがある。
血糖値を低下させる作用のある食物には、次がある[11]。
エネルギー (kcal/kg/day) |
蛋白質 (g/kg/day) |
食塩 (g/day) |
カリウム (g/day) |
水分 |
---|---|---|---|---|
35〜40 | 0.5〜0.8 | <7 | 血清K値が5.5mEq/l以上で制限 | 尿量+不感蒸泄量+腎以外の経路の喪失量 |
急性腎不全は原因によって病態が著しく異なる。そのため上記の図は参考にすぎない。状況によって変えていくべきである。急性期で消化器症状が強い場合はIVH管理になることが多い。蛋白制限量は内科的疾患の時は0.5〜0.8g/kg/dayであるが、外科的な疾患の場合は、特に腎後性腎不全の場合は0.7〜1.0g/kg/day程度になる。また急性腎不全で透析療法を併用している場合は0.9〜1.2g/kg/dayの制限でよい。また高カリウム血症は急性腎不全の予後を決定する因子のひとつである。血清K値が5.5mEq/l以上で制限食に切り替え、血清K値が6.5mEq/l以上でカリウム交換樹脂の併用を行う。
エネルギー (kcal/kg/day) |
蛋白質 (g/kg/day) |
食塩 (g/day) |
カリウム (g/day) |
水分 | リン (mg/day) |
---|---|---|---|---|---|
35 | 0.6〜0.7 | <7 | 血清K値が5.5mEq/l以上で制限 | Ccr15ml/min以下のとき制限 | 尿中P排出量500mg/day以上で制限 |
Ccr70ml/min以下の保存期慢性腎不全患者においては低蛋白食を中心とした食事療法が推奨されている。一日の蛋白摂取量の目標値は健康成人の最低蛋白摂取量である理想体重当たり0.6gとし0.7g未満であれば目標は達成である。また高血圧が増悪因子であることから食塩制限も行い、一日食塩7gの制限とする。Ccr71ml/min以上の患者でも将来腎機能が低下し、末期腎不全に進行する可能性がある場合は低蛋白食に移行してもかまわないとされている。こういった場合は0.8〜1.0g/kg/dayの蛋白制限から始める場合が多い。日常の食生活を調べ、一般の蛋白摂取量を1.3g/kg/dayを超えることがないように指導しなければならない。カリウムやリンに関しては基本的には低蛋白食ができていれば、通常は制限の必要はないとされている。しかし検査値に異常がみられる場合は新たに制限を加えることがある。カリウムならばバナナなどカリウムを多く含む食品を避けて、野菜をゆでて食べるようにすればある程度摂取量を減らすことができる。リンに関してはタンパク質に付随して摂取されることが多く、制限が不要なことが多いが、レバー、チーズ、豆腐、アーモンド、ソフトドリンクなどに多く含まれていることからこれらを避けるようにすることが望ましい。Ccrが低値であったりネフローゼ症候群が見られる場合は水分も制限する。その場合は尿量と不感蒸泄分のみの摂取となる。エネルギー制限に関しては35kcal/kg/dayでは高齢者や女性では多すぎることがあるため28〜40kcal/kg/dayの幅がある。これらを目安とするには高エネルギー低蛋白とするという保存期腎不全の原則のために設けられている。
維持透析には血液透析と腹膜透析に大別される。透析患者の平均余命が改善したことを受けて、透析患者の食事も変わりつつある。 週3回の血液透析の場合。
総エネルギー (kcal/kg/day) |
蛋白質 (g/kg/day) |
食塩 (g/kg/day) |
カリウム (g/day) |
食事以外水分 (ml/kg/day) |
リン (mg/day) |
カルシウム (mg/day) |
---|---|---|---|---|---|---|
30〜35 | 1.0〜1.2 | 0.15 | 1.5 | 15 | 700 | 600 |
食塩に関しては0.15g/kg/dayが原則であるが残腎尿量100mlにつき0.5g/dayの増量が可能である。また食事以外の水分に関しても15ml/kg/dayが原則だが残腎尿量分の増加が可能である。
持続式携帯型腹膜透析の場合。
総エネルギー (kcal/kg/day) |
蛋白質 (g/kg/day) |
食塩 (g/day) |
カリウム (g/day) |
食事以外水分 (ml/day) |
リン (mg/day) |
カルシウム (mg/day) |
---|---|---|---|---|---|---|
29〜34 | 1.1〜1.3 | CAPD除水量(l)×7.5 | 2.0〜2.5 | CAPD除水量 | 700 | 600 |
CAPDの場合は食塩摂取量はCAPD除水量(l)×7.5g/dayであるが残腎尿量100mlにつき0.5g/dayの増量が可能である。また食事以外の水分に関してもCAPD除水量が原則だが残腎尿量分の増加が可能である。なお総エネルギーは透析液からの腹膜吸収分を含む。
病期 | エネルギー (kcal/kg/day) |
蛋白質 (g/kg/day) |
食塩 (g/day) |
カリウム (g/day) |
水分 |
---|---|---|---|---|---|
乏尿期 | 35 | 0.5 | 0〜3 | 血清K値が5.5mEq/l以上で制限 | 前日尿量+不感蒸泄量 |
利尿期 | 35 | 0.5 | 0〜3 | 血清K値が5.5mEq/l以上で制限 | 前日尿量+不感蒸泄量 |
回復期 | 35 | 1.0 | 3〜5 | 制限せず | 制限せず |
乏尿期と利尿期に関しては食事療法は変化しない。急速進行性糸球体腎炎も食事療法では急性腎炎症候群に含まれる。
経腸栄養剤には天然濃厚流動食、人工濃厚流動食、病態別経腸栄養剤がある。人工濃厚流動食には半消化態栄養剤、消化態栄養剤、成分栄養剤が存在する。天然濃厚流動食、半消化態栄養剤は窒素源が蛋白質であるが、消化態栄養剤はオリゴペプチドであり成分栄養剤はアミノ酸である。細かくなるほど流動性、残渣という点では好ましくなるが、味、香りの面で劣りまた高浸透圧となるため管理が難しくなってくる。細かくなると腸管免疫の維持という点では好ましくなくなると考えられている。ラコール、ツインラインはビタミンKが60μg以上含まれているために抗凝固療法では注意が必要である。
天然濃厚流動食としてはオクノス流動食やファイブレンYHなどがこれに該当する。正常な消化吸収能が必要であるため、パーキンソン病患者など、経口摂取障害、嚥下障害で用いられる。粘度が極めて高いため太い経管栄養チューブが必要である。浸透圧が高いため開始後に下痢を起こしやすい。
半消化態栄養剤としては多少の消化機能を要するが易吸収性で適応範囲は極めて広い。浸透圧が低めで下痢を起こしにくく、味も栄養剤の中では比較的良い。栄養成分の添加もされており欠乏症のリスクは低い。エンシュアリキッド、エンシュアH、ラコール、ハーモニックM、ハーモニックFなどが有名である。腸管安静が必要な病態や消化管機能が高度に障害されている場合は適応はない。術前術後の栄養管理、熱傷、神経因性食欲不振症、意識障害など中枢神経疾患、悪性腫瘍による化学療法や放射線療法の施行時や口腔、咽頭、食道の狭窄や機能障害の時に用いられる。エンシュアリキッドやエンシュアHは高濃度経腸栄養剤と言われ、水分制限が必要な時や異化亢進時に好まれる傾向がある。
消化態栄養剤ととしてはツインラインが非常に有名である。食品としてはエンテルードなどが知られている。小腸機能まで障害された際によく用いられる。短腸症候群、放射性腸炎、蛋白アレルギー、吸収不良症候群などに適応がある。流動性が高いため細いチューブで投与可能だが、腸管免疫の低下、腸管機能の低下、浸透圧性下痢、味、香りがよくないといった欠点がある。また菌交代症による敗血症も起こる可能性がある。
成分栄養剤としてはエレンタール及び小児用のエレンタールPが知られている。脂肪が著しく少ないため必須脂肪酸欠乏症に注意が必要である。それ以外の注意事項は消化体栄養剤と殆ど同内容となるが、更に程度は強い。クローン病、潰瘍性大腸炎、大腸手術の前処置として用いられることがある。
GFO®はグルタミン、食物繊維、オリゴ糖の頭文字から命名された。グルタミンが小腸を栄養し、食物繊維とオリゴ糖が大腸を栄養する。GFOの投与によって腸管の免疫能を促進する方法をGFO療法という。
ARDSに対して使用される免疫調節経腸栄養剤である。抗動脈硬化作用、抗炎症作用の知られるEPAなどが含まれている。
ビーフリード®やイントラリポス®を用いることで末梢静脈から1000Kcal以上の投与が可能である。ビーフリード2000ml(840Kcal)と20%イントラリポス200ml(400Kcal)の投与で1240Kcalの投与となる。
必須脂肪酸欠乏、代謝性アシドーシス、微量元素欠乏、肝機能障害といった合併症が知られている。
[ヘルプ] |
この項目は、医学に関連した書きかけの項目です。この記事を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(プロジェクト:医学/Portal:医学と医療)。 |
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
国試過去問 | 「104G060」「104G059」「104G058」「104G066」「106D041」「113A059」「106D059」「107D047」「106D025」「113A015」「106E040」「106H026」「102I059」「106E023」「106C014」 |
リンク元 | 「血糖降下薬」「一般療法」「dietetics」「食餌療法」「alimentary therapy」 |
拡張検索 | 「食事療法学」 |
関連記事 | 「食事」「法」「療法」 |
B
※国試ナビ4※ [104G059]←[国試_104]→[104G061]
A
※国試ナビ4※ [104G058]←[国試_104]→[104G060]
B
※国試ナビ4※ [104G057]←[国試_104]→[104G059]
AD
※国試ナビ4※ [104G065]←[国試_104]→[104G067]
E
※国試ナビ4※ [106D040]←[国試_106]→[106D042]
C
※国試ナビ4※ [113A058]←[国試_113]→[113A060]
BDE
※国試ナビ4※ [106D058]←[国試_106]→[106D060]
A
※国試ナビ4※ [107D046]←[国試_107]→[107D048]
D
※国試ナビ4※ [106D024]←[国試_106]→[106D026]
B
※国試ナビ4※ [113A014]←[国試_113]→[113A016]
C
※国試ナビ4※ [106E039]←[国試_106]→[106E041]
A
※国試ナビ4※ [106H025]←[国試_106]→[106H027]
AB
※国試ナビ4※ [102I058]←[国試_102]→[102I060]
A
※国試ナビ4※ [106E022]←[国試_106]→[106E024]
B
※国試ナビ4※ [106C013]←[国試_106]→[106C015]
k氏より
インスリンの抽出は大変意図的に行われたのに対し、スルフォニルウレア薬(SU)は偶然に見つかりました。で、1950年代にはじめに二型糖尿病の患者に使われるようになりました。いまでは20種類くらいのSUが広く世界で使われています。 1997にはメグリチニドが臨床適用されました。食後高血糖の治療薬としてはじめて使用された薬です。 メタフォルミンというビグアナイド薬(BG)は、ヨーロッパで広く使われていましたが、1995年にアメリカでも認可されました。 チアゾリジン1997年に市場導入され、二番目にメジャーなインスリン刺激薬として使用されています。この種類の薬には、広汎な肝障害を起こしにくく、世界中で使われています。
膵臓のβ細胞の刺激によって、インスリンを放出させ、血糖値を下げます。 治療が長引くと、インスリン分泌というSUのβ細胞刺激性の効果が薄れてきますが、β細胞上のSU受容体のダウンレギュレーションによるものです。また、SUはソマトスタチンの放出を刺激します。ソマトスタチンはグルカゴン分泌を抑制しているので、これも関係SUの糖を下げる効果と関係しています。 SUはATP感受性Kチャンネルを抑制します。Kレベルが下がると、まく表面における、脱分極を促し、電位依存性カルシウムチャンネルを通じたカルシウムイオンの流入を促進します。 SUには無視できない膵臓外作用があるという議論があります。確かにありうべきことですが、2型糖尿病の患者の治療においては、それほど重要なことではないようです。
SU薬はそれぞれが似たような作用スペクトラムを持っているので、薬物動態的な特性がここの薬を区別する手がかりです。腸管からのSU薬の吸収の割合は薬によって違いますが、食物や、高血糖は、この吸収を抑制します。高血糖はそれ自身、腸管の運動を抑制するので、ほかの薬の吸収も阻害します。血漿濃度が効果的な値にまで達する時間を考えると、半減期の短いSUは、食前三十分に投与するのが適切です。SU薬は90から99パーセントくらい血中たんぱく質と結合し、特にアルブミンと結合します。 第一世代のSUは半減期や分布において、大きく違っています。この半減期や作用時間の不一致の理由はいまだはっきりしていません。 SUはすべて肝臓で代謝を受け、尿中に排泄されます。なので、肝不全、腎不全患者には要注意で処方します。
めったにありませんが、第一世代服用患者では、4パーセントの割合でおきます。第二世代ではもっと少ないでしょう。低血糖による昏睡がしばしば問題になります。腎不全や肝不全がある高齢者の患者でおきやすいです。 重症の低血糖は脳血管障害も起こしうる。急性の神経障害が見つかった高齢患者では血中グルコースレベルを測るのが大事です。半減期の長いSUもあるので、24から48時間のグルコースを輸液します。 第一世代は多くの薬物と相互作用を持っています。 ほかに、吐き気嘔吐、胆汁うっ滞性黄疸、脱顆粒球症、再生不良性・溶血性貧血、全身性のアレルギー症状があります。 SUが心血管障害による死亡率を上げるのかについては議論の余地あり。
SUは、食事療法だけでは十分なコントロールを得られない2型糖尿病患者の血糖コントロールに用いられます。禁忌はtype 1 DM(diabetes mellitus:糖尿病)、妊婦、授乳中の患者、腎障害や肝障害の患者です。 普通の患者なら五割から八割くらい、経口の糖尿病治療薬が効きます。インスリン療法が必要になる患者もいます。 トルブタマイドの一日量は500ミリグラムで、3000ミリグラムが最大の許容量です。SUの治療成績の評価は患者の様子を頻繁に観察しながら、行います。 SUとインスリンの併用療法はtype 1, type 2 両方の糖尿病で用いられていますが、βセルの残存能力がないとうまくいきません。
レパグリニドはメグリチニドクラスの経口インスリン分泌促進物質です。化学構造上、SUとは異なっており、安息香酸から分離されたものです。 SU薬と同様にレパグリニドは膵臓βセルにおけるATP依存性Kチャンネルを閉じることによりインスリン分泌を促進します。AEもSU薬と同様、低血糖です。
Dふぇにるアラニンから分離された薬。レパグリニドよりもSEとして低血糖が認められづらいです。
メトフォルミンとフェノフォルミンは1957年に市場導入され、ブフォルミンが1958年に導入されました。ブフォルミンは使用が制限されていますが、前者二つは広く使われています。フェノフォルミンは1970年代に乳酸アシドーシスのAEによって市場から姿を消しました。メトフォルミンはそのようなAEは少なく、ヨーロッパカナダで広く使われています。アメリカでは1995年に使用可能に。メトフォルミンは単独かSUと併用して使われます。
ものの言い方によると、メトフォルミンは抗高血糖であって、血糖を下げる薬ではありません。膵臓からのインスリン放出は促さないので、どんな大容量でも低血糖は起こしません。グルカゴン・コルチゾール・成長ホルモン・ソマトスタチンにも影響なし。肝での糖新生を抑制したり、筋や脂肪におけるインスリンの働きを増すことで、血糖を押さえます。
小腸から吸収。安定な構造で、血中の蛋白と結合しないで、そのまま尿中に排泄。半減期は二時間。2.5グラムを食事と一緒に飲むのがアメリカで最もお勧めの最大用量。
メトフォルミンは腎不全の患者には投与しないこと。肝障害や、乳酸アシドーシスの既往、薬物治療中の心不全、低酸素性の慢性肺疾患なども合併症として挙げられる。乳酸アシドーシスはしかしながら、めちゃくちゃまれである。1000人年(たとえば100人いたら、10年のうちにという意味の単位。または1000人いたら1年につき、ということ。)につき0.1という割合。 メトフォルミンの急性のAEは患者の20パーセントに見られ、下痢、腹部不快感、吐き気、金属の味、食欲不振などです。メタフォルミンを飲んでいる間はビタミンB12や葉酸のきゅうしゅうが 落ちています。カルシウムをサプリで取ると、ビタミンB12の吸収が改善されます。 血中乳酸濃度が3ミリMに達するとか、腎不全・肝不全の兆候が見られたら、メタフォルミンは中止しましょう。
PPARγに効く。(ペルオキシソーム・プロライファレーター・アクチベイティッド・受容体、つまりペルオキシソーム増殖活性受容体みたいな。)PPARγに結合して、インスリン反応性をまして、炭水化物とか、脂質の代謝を調整します。
ロジグリタゾンとピオグリタゾンは一日一度。チアゾリジンは肝にて代謝され、腎不全のある患者にも投与できますが、活動性の肝疾患があるときや肝臓のトランスアミナーゼが上昇しているときは、使用しないこと。 ロジグリタゾンはCYP2C8で代謝されますがピオグリタゾンはCYP3A4とCYP2C8で代謝されます。ほかの薬との相互作用や、チアゾリジン同士の相互作用はいまだ報告されていませんが、研究中です。
ピオグリタゾンとロジグリタゾンは肝毒性とはめったに関係しませんが、肝機能をモニターする必要があります。心不全のある患者はまずそちらを治療してから。
αGIは小腸の刷子縁におけるαグルコシダーゼの働きを阻害することによって、でんぷん・デキストリン・ダイサッカリダーゼの吸収を抑制します。 インスリンを増やす作用はないので、低血糖もおきません。吸収がよくない薬なので、食事の開始と一緒に飲むとよいです。 アカルボースとミグリトールは食後高血糖の抑制に使われます。 αGIは用量依存性に、消化不良・ガス膨満・下痢などをきたします。αGIとインスリンを併用中に低血糖症状が出たら、、グルコースを補充します。
経口から、グルコースが静脈を通ると、インスリンが上がることがわかっていました。消化管の上部からはGIP、消化管下部からはGLP1というホルモンが出ていて、糖依存性のインスリン放出を促していることがわかりました。これらのホルモンはインクレチンといわれています。この二つのホルモンは別の働き方でインスリンの放出を促進します。GIPはtype 2 DMではインスリン分泌を促進する能力がほとんど失われています。一方でGLP1は糖依存性のインスリン分泌を強く促しています。つまりtype 2 DMの治療ではGIPをターゲットにすればよいということになります。GLPはグルカゴンを抑制し。空腹感を押さえ、食欲を抑えます。体重減少も実現できます。この長所を相殺するように、GLP1は迅速にDPPIV(ヂペプチジルペプチダーゼ4エンザイム)によって負活化されます。つまり、GLP1を治療に使うなら、連続的に体に入れなければなりません。GLP1受容体のアゴニストが研究され、これはDPPIVにたいして抵抗性があります。 そのほかのGLP1療法のアプローチに仕方としては、DPPIVプロテアーゼの不活性化で、それによってGLP1の循環量を増やそうとするものです。type 2 DM治療に新しい薬がでるかもしれないですね。
.