- 英
- glucagon (Z)
- 商
- グルカゴンGノボ
- 関
- ホルモン
分類
性状
産生組織
標的組織
受容体
作用
-
- 慢性膵炎などで膵内分泌機能が低下した場合、低血糖を起こすとグルカゴンの分泌も低下しているため、糖尿病患者のインスリン投与過多による低血糖よりも重篤らしい。
- インスリン分泌促進作用
- 成長ホルモン分泌促進作用
- 消化管運動抑制作用:消化管内視鏡を行うとき、副交感神経拮抗薬で消化管の運動を押さえますが、現病として緑内障がある時には、グルカゴンを代わりに使うことがあります。ケド高いらしい。(2020年現在1mg \1600-1800)
分泌の調整
- 亢進:アミノ酸(アルギニン)、グルコース(↓血糖)
- 抑制:グルコース(↑血糖値)、遊離脂酸、ソマトスタチン
分子機構
生合成
臨床関連
薬効薬理
- 消化管の運動を抑制し、胃酸、膵液の分泌を抑制する。これは平滑筋への直接作用による弛緩作用と考えられている。
- グルカゴンは肝臓のアデニル酸シクラーゼを活性化させ、細胞内cAMP濃度を上昇させる。これにより、グリコーゲンの分解及び糖新生を促進させ、血糖値が上昇する。
- グルカゴン投与により一時的に血糖値が上昇するが、60~90分後にリバウンド作用により血糖値が低下する。その時、下垂体からの成長ホルモン分泌を刺激すると考えられている。
禁忌
- グルカゴンGノボ注射用1mg
- 1. 褐色細胞腫及びその疑いのある患者〔急激な昇圧発作を起こすことがある。〕
- 2. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
参考
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/7229402D1036_1_02/7229402D1036_1_02?view=body
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/04/17 07:54:02」(JST)
[Wiki ja表示]
グルカゴン (glucagon) は29アミノ酸残基からなるペプチドホルモンで、炭水化物の代謝に重要な機能を持つ。分子量3,485。インスリンとともに血糖値を一定に保つ作用をするホルモンであり、インスリンとは反対に血糖値が下がって糖を必要とするようになったときに肝細胞に作用してグリコーゲンの分解を促進する。Kimball と Murlin によって膵臓の抽出物から1923年に発見された。グルカゴンは主に膵臓のランゲルハンス島のA細胞(α細胞)で生合成、分泌される。膵臓のほかにも消化管から分泌される。膵外グルカゴンは腸管グルカゴンとも呼ばれる。なかでも胃底部に最も多く分布する。
目次
- 1 分泌調節
- 2 生理作用
- 3 グルカゴン製剤
- 4 脚注
分泌調節
グルカゴンの分泌は低血糖により促進され、高血糖により抑制される。遊離脂肪酸によっても抑制され、アルギニンなどのアミノ酸によって刺激される。高蛋白食、高脂質食では血漿グルカゴンの上昇がみられる。[1]
2型糖尿病では食後グルカゴン分泌の亢進がみられる。[2] 体液性因子としては、血中グルコース上昇により分泌されるインスリンがグルカゴン分泌を抑制する。ソマトスタチン、セクレチンもグルカゴン分泌を抑制し、反対に成長ホルモン、サイロキシン、糖質コルチコイド、コレシストキニン、ガストリンは刺激する。神経性因子として、迷走神経はムスカリン様作用により分泌を促進する。交感神経はβ作用により分泌促進とα作用による分泌抑制の両作用を持つが、通常は分泌促進作用が優勢である。
生理作用
グルカゴンは貯蔵燃料を動員する異化ホルモンである。アデニル酸シクラーゼの活性化を介してプロテインキナーゼAを活性化し、最終的にグリコーゲンホスホリラーゼやホルモン感受性リパーゼなどが活性化される。その結果、肝のグリコーゲン分解、アミノ酸からの糖新生を促進する事になり、血糖値が上昇する。また、先に述べたように脂肪細胞のホルモン感受性リパーゼを活性化して、脂肪分解を促進して遊離脂肪酸放出を増加させる。遊離脂肪酸は肝でのケトン体産生の基質になるので、結果としてケトン生成を促進する。なお筋肉ではグリコーゲン分解を促進しない。また膵B細胞のインスリン分泌、D細胞のソマトスタチン分泌、下垂体前葉の成長ホルモン分泌を刺激する。
グルカゴン製剤
グルカゴンは、インスリン分泌を刺激するため、インスリン分泌刺激試験に用いられる。また、糖尿病患者の低血糖に対する治療薬としても用いられる。
脚注
- ^ Kawai K, et al: Postprandial glucose, insulin and glucagon responses to meals with different nutrient compositions in non-insulin-dependent diabetes mellitus. endocrinol Jpn 34: 745-753, 1987.
- ^ Kozawa J, et al. Early postprandial glucagon surge affects postprandial glucose levels in obese and non-obese patients with type 2 diabetes. Endocr J 2013;60(6):813-818.
内分泌器:ホルモン(ペプチドホルモン、ステロイドホルモン) |
|
視床下部 - 脳下垂体 |
視床下部
|
GnRH - TRH - ドーパミン - CRH - GHRH - ソマトスタチン - ORX - MCH - MRH - MIH
|
|
脳下垂体後葉
|
バソプレッシン - OXT
|
|
脳下垂体中葉
|
MSH(インテルメジン)
|
|
脳下垂体前葉
|
αサブユニット糖タンパク質ホルモン(FSH - LH - TSH) - GH - PRL - POMC(ACTH - エンドルフィン - リポトロピン)
|
|
|
副腎 |
副腎髄質
|
副腎髄質ホルモン(アドレナリン - ノルアドレナリン - ドーパミン)
|
|
副腎皮質
|
副腎皮質ホルモン(アルドステロン - コルチゾール - DHEA)
|
|
|
甲状腺 |
甲状腺
|
甲状腺ホルモン(T3 - T4 - カルシトニン)
|
|
副甲状腺
|
PTH
|
|
|
生殖腺 |
精巣
|
テストステロン - AMH - インヒビン
|
|
卵巣
|
エストラジオール - プロゲステロン - インヒビン/アクチビン - リラキシン(妊娠時)
|
|
|
その他の内分泌器 |
膵臓
|
グルカゴン - インスリン - ソマトスタチン
|
|
松果体
|
メラトニン
|
|
|
内分泌器でない器官 |
胎盤:hCG - HPL - エストロゲン - プロゲステロン - 腎臓:レニン - EPO - カルシトリオール - プロスタグランジン - 心臓:ANP - BNP - ET - 胃:ガストリン - グレリン - 十二指腸:CCK - GIP - セクレチン - モチリン - VIP - 回腸:エンテログルカゴン - 脂肪組織:レプチン - アディポネクチン - レジスチン - 胸腺:サイモシン - サイモポイエチン - サイムリン - STF - THF - 肝臓:IGFs(IGF-1 - IGF-2) - 耳下腺:バロチン - 末梢神経系:CGRP - P物質
|
|
誘導タンパク質 |
NGF - BDNF - NT-3
|
|
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 岩本 安彦
- 東京女子医科大学雑誌 81(E2), E66-E69, 2011-03-31
- … これらの薬剤は、インスリン分泌を促進し、グルカゴン分泌を抑制する活性型GLP-1濃度を高めることによって良好な血糖コントロールを達成するもので、インスリン分泌低下型が多い日本人糖尿病患者においてより効果的と考えられる。 …
- NAID 110008441446
- <症例>腫瘤形成性膵炎を合併しインスリン導入後に抗GAD抗体陽性化した糖尿病の1例
- 野口 周也,田中 陽一,大野 恭裕,辻 直子
- 近畿大学医学雑誌 36(1), 33-37, 2011-3
- … 入18ケ月後にコントロール悪化し再入院.抗GAD抗体陽性化し内因性インスリン分泌能の低下を認めたがインスリンの増量なく改善した.2ケ月後,更にコントロール悪化し再度入院.抗GAD抗体価は上昇し,グルカゴン負荷テストにてインスリン依存状態であった.本症例では1型糖尿病の疾患感受性HLAクラスIIハプロタイプ(DRB1*0405 -DQB1*0401,DRB1*0901-DQB1*0303 )を有しており,膵炎合併やインスリン注射により膵島自己免 …
- NAID 120003002906
- 胆石症の手術入院を契機として診断されたインスリノーマの1例
- 高橋 憲史,大矢 敏裕,松本 広志,多胡 賢一,清水 尚,沼賀 有紀,家里 裕,横森 忠紘,竹吉 泉
- The Kitakanto medical journal 61(1), 63-68, 2011-02-01
- … 病理組織診断はislet cell tumor(typical case), ホルモン産生はインスリン(+), グルカゴン(一), ソマトスタチン(+/一)であった. …
- NAID 120002789399
- 糖新生の転写制御と糖代謝 (第1土曜特集 エネルギー代謝転写因子ネットワークと生活習慣病) -- (臓器・疾患別にみた転写因子の展開)
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
グルカゴン注射用1単位「F」
組成
有効成分
含量
添加物
- 乳糖水和物 107mg
塩酸(pH調整剤) 適量
水酸化ナトリウム(pH調整剤) 適量
添付溶解液
禁忌
- 褐色細胞腫の患者[カテコールアミンの遊離を刺激して、急激な血圧の上昇を招くおそれがある。]
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
成長ホルモン分泌機能検査
血中HGH値は、測定方法、患者の状態等の関連で異なるため、明確に規定しえないが、通常、正常人では、本剤投与後60?180分でピークに達し、10ng/mL以上を示す。血中HGH値が5ng/mL以下の場合HGH分泌不全とする。
なお、本剤投与後60分以降は30分ごとに180分まで測定し、判定することが望ましい。
- 本品1U.S.P.単位(1バイアル)を1mLの注射用水に溶解し、通常1U.S.P.単位または体重1kgあたり0.03U.S.P.単位を皮下または筋肉内に注射する。
インスリノーマの診断
正常反応は個々の施設で設定されるべきであるが、通常、正常人では、投与後5分以内に血中IRI値がピークに達し、100μU/mL以下を示し、血糖/IRI比は1以上である。インスリノーマの患者では、投与後6分以降に血中IRI値がピークに達し、100μU/mL以上を示し、血糖/IRI比は1以下である。
- 通常1U.S.P.単位(1バイアル)を1mLの注射用水に溶解し、静脈内に注射する。
肝糖原検査
正常反応は個々の施設で設定されるべきであるが、通常、正常小児では、本剤筋注後30?60分で血糖はピークに達し、前値より25mg/dL以上上昇する。正常成人では、本剤の静注後15?30分でピークに達し、前値より30?60mg/dL上昇する。しかし、投与後の血糖のピーク値だけでは十分な判定ができないと考えられる場合は、投与後15?30分ごとに測定し、判定することが望ましい。
- 通常成人には1U.S.P.単位(1バイアル)を生理食塩液20mLに溶かし、3分かけて静脈内に注射する。なお、小児においては通常体重1kgあたり0.03U.S.P.単位を筋肉内に注射する。
低血糖時の救急処置
- 通常1U.S.P.単位(1バイアル)を1mLの注射用水に溶解し、筋肉内または静脈内に注射する。
消化管のX線および内視鏡検査の前処置
- 通常1U.S.P.単位(1バイアル)を1mLの注射用水に溶解し、0.5?1U.S.P.単位を筋肉内または静脈内に注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、本剤の作用持続時間については、筋肉内注射の場合約25分間、静脈内注射の場合15?20分間である。
慎重投与
- 心疾患のある高齢者(「高齢者への投与」1.の項参照)
- 糖尿病患者(「重要な基本的注意」4.の項参照)
- 肝硬変等、肝の糖放出能が低下している肝疾患のある患者(「重要な基本的注意」2.の項参照)
- 糖原病 I 型の患者[糖原病 I 型ではグルコース-6-リン酸からグルコースへの変換が障害されているため、本剤の投与により血液中の乳酸が増加し、乳酸アシドーシスを起こすおそれがある。](「重要な基本的注意」 7.の項参照)
重大な副作用
ショック、アナフィラキシーショック(頻度不明)
- ショック、アナフィラキシーショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、不快感、顔面蒼白、血圧低下等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
低血糖(頻度不明)
- 検査中(通常投与後90分以降)、低血糖があらわれることがあるので、観察を十分に行い、嘔吐、嘔気、全身けん怠、傾眠、顔面蒼白、発汗、冷汗、冷感、意識障害等の異常が認められた場合には、直ちにブドウ糖、糖質の補給が望ましい。他のグルカゴン製剤で、主に小児を対象とした成長ホルモン分泌機能検査においては、嘔気(6/46例、13%)、嘔吐(4/46例、8.7%)、発汗(3/46例、6.5%)等の低血糖によると思われる症状が多く認められている。特に、プロプラノロール併用による検査では、2/5例に低血糖によると思われる症状が認められているので、観察を十分に行うこと。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
分子式
分子量
性状
- 白色の粉末で、においはない。
希水酸化ナトリウム試液または希塩酸にやや溶けやすく、水、メタノールまたはエタノール(95)にほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
- 45歳の男性。職場の廊下で倒れているところを同僚に発見され救急車で搬入された。同僚や家族によると最近、ときに異常な言動がみられたという。常用薬はない。身長 172cm、体重 84kg(ともに家族からの情報)。体温 36.5℃。心拍数 110/分、整。血圧 140/70mmHg。呼吸数 18/分。呼びかけにかすかにうなずき、痛み刺激に反応する。全身の発汗が著明である。胸腹部に異常を認めない。血液生化学所見:血糖 28mg/dL、Na 138mEq/L、K 3.7mEq/L、Cl 99mEq/L、空腹時インスリン(IRI) 42μU/mL(基準 17以下)、空腹時Cペプチド 5.6ng/dL(基準 0.6~2.8以下)。心電図、胸腹部エックス線写真、腹部超音波検査および頭部CTで異常を認めない。
- 鑑別診断に必要な検査はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [111I075]←[国試_111]→[111I077]
[★]
- 51歳の女性。最近胸やけがひどくなり来院した。3年前から水様性下痢、腹痛および嘔吐がみられるようになった。身長153cm、体重58kg。脈拍62/分、整。血圧114/76 mmHg、眼球結膜に黄疸を認めない。腹部身体所見で腸雑音の亢進と臍上部の圧痛とを認める。十二指腸下行脚の内視鏡写真を以下に示す。
- 診断確定に必要な検査はどれか。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [095D028]←[国試_095]→[095D030]
[★]
- ホルモンとその生理作用の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [108B031]←[国試_108]→[108B033]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103E022]←[国試_103]→[103E024]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100G041]←[国試_100]→[100G043]
[★]
- ホルモンとその過剰による病態の組合せで正しいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100G061]←[国試_100]→[100G063]
[★]
- ホルモンと産生組織の組合せで誤っているのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [097G042]←[国試_097]→[097G044]
[★]
- ホルモンの過剰と症候の組合せで誤っているのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098G063]←[国試_098]→[098G065]
[★]
- 多発性内分泌腫瘍II型で血中濃度が上昇するのはどれか。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [095B061]←[国試_095]→[095B063]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [104I028]←[国試_104]→[104I030]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [109D011]←[国試_109]→[109D013]
[★]
- 低血糖時に血中濃度が上昇するホルモンはどれか。3つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [110E039]←[国試_110]→[110E041]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103E001]←[国試_103]→[103E003]
[★]
- 英
- hypoglycemics
- 同
- hypoglycemic agent、antidiabetic agent、antidiabetic drug、antidiabetics、glucose-lowering agent、hypoglycemic、hypoglycemic drug、hypoglycemics
- 関
- [[]]
投稿記事
k氏より
インスリンの抽出は大変意図的に行われたのに対し、スルフォニルウレア薬(SU)は偶然に見つかりました。で、1950年代にはじめに二型糖尿病の患者に使われるようになりました。いまでは20種類くらいのSUが広く世界で使われています。
1997にはメグリチニドが臨床適用されました。食後高血糖の治療薬としてはじめて使用された薬です。
メタフォルミンというビグアナイド薬(BG)は、ヨーロッパで広く使われていましたが、1995年にアメリカでも認可されました。
チアゾリジン1997年に市場導入され、二番目にメジャーなインスリン刺激薬として使用されています。この種類の薬には、広汎な肝障害を起こしにくく、世界中で使われています。
スルフォニルウレア薬 SU薬
膵臓のβ細胞の刺激によって、インスリンを放出させ、血糖値を下げます。
治療が長引くと、インスリン分泌というSUのβ細胞刺激性の効果が薄れてきますが、β細胞上のSU受容体のダウンレギュレーションによるものです。また、SUはソマトスタチンの放出を刺激します。ソマトスタチンはグルカゴン分泌を抑制しているので、これも関係SUの糖を下げる効果と関係しています。
SUはATP感受性Kチャンネルを抑制します。Kレベルが下がると、まく表面における、脱分極を促し、電位依存性カルシウムチャンネルを通じたカルシウムイオンの流入を促進します。
SUには無視できない膵臓外作用があるという議論があります。確かにありうべきことですが、2型糖尿病の患者の治療においては、それほど重要なことではないようです。
SU薬はそれぞれが似たような作用スペクトラムを持っているので、薬物動態的な特性がここの薬を区別する手がかりです。腸管からのSU薬の吸収の割合は薬によって違いますが、食物や、高血糖は、この吸収を抑制します。高血糖はそれ自身、腸管の運動を抑制するので、ほかの薬の吸収も阻害します。血漿濃度が効果的な値にまで達する時間を考えると、半減期の短いSUは、食前三十分に投与するのが適切です。SU薬は90から99パーセントくらい血中たんぱく質と結合し、特にアルブミンと結合します。
第一世代のSUは半減期や分布において、大きく違っています。この半減期や作用時間の不一致の理由はいまだはっきりしていません。
SUはすべて肝臓で代謝を受け、尿中に排泄されます。なので、肝不全、腎不全患者には要注意で処方します。
めったにありませんが、第一世代服用患者では、4パーセントの割合でおきます。第二世代ではもっと少ないでしょう。低血糖による昏睡がしばしば問題になります。腎不全や肝不全がある高齢者の患者でおきやすいです。
重症の低血糖は脳血管障害も起こしうる。急性の神経障害が見つかった高齢患者では血中グルコースレベルを測るのが大事です。半減期の長いSUもあるので、24から48時間のグルコースを輸液します。
第一世代は多くの薬物と相互作用を持っています。
ほかに、吐き気嘔吐、胆汁うっ滞性黄疸、脱顆粒球症、再生不良性・溶血性貧血、全身性のアレルギー症状があります。
SUが心血管障害による死亡率を上げるのかについては議論の余地あり。
SUは、食事療法だけでは十分なコントロールを得られない2型糖尿病患者の血糖コントロールに用いられます。禁忌はtype 1 DM(diabetes mellitus:糖尿病)、妊婦、授乳中の患者、腎障害や肝障害の患者です。
普通の患者なら五割から八割くらい、経口の糖尿病治療薬が効きます。インスリン療法が必要になる患者もいます。
トルブタマイドの一日量は500ミリグラムで、3000ミリグラムが最大の許容量です。SUの治療成績の評価は患者の様子を頻繁に観察しながら、行います。
SUとインスリンの併用療法はtype 1, type 2 両方の糖尿病で用いられていますが、βセルの残存能力がないとうまくいきません。
レパグリニドはメグリチニドクラスの経口インスリン分泌促進物質です。化学構造上、SUとは異なっており、安息香酸から分離されたものです。
SU薬と同様にレパグリニドは膵臓βセルにおけるATP依存性Kチャンネルを閉じることによりインスリン分泌を促進します。AEもSU薬と同様、低血糖です。
Dふぇにるアラニンから分離された薬。レパグリニドよりもSEとして低血糖が認められづらいです。
メトフォルミンとフェノフォルミンは1957年に市場導入され、ブフォルミンが1958年に導入されました。ブフォルミンは使用が制限されていますが、前者二つは広く使われています。フェノフォルミンは1970年代に乳酸アシドーシスのAEによって市場から姿を消しました。メトフォルミンはそのようなAEは少なく、ヨーロッパカナダで広く使われています。アメリカでは1995年に使用可能に。メトフォルミンは単独かSUと併用して使われます。
ものの言い方によると、メトフォルミンは抗高血糖であって、血糖を下げる薬ではありません。膵臓からのインスリン放出は促さないので、どんな大容量でも低血糖は起こしません。グルカゴン・コルチゾール・成長ホルモン・ソマトスタチンにも影響なし。肝での糖新生を抑制したり、筋や脂肪におけるインスリンの働きを増すことで、血糖を押さえます。
小腸から吸収。安定な構造で、血中の蛋白と結合しないで、そのまま尿中に排泄。半減期は二時間。2.5グラムを食事と一緒に飲むのがアメリカで最もお勧めの最大用量。
メトフォルミンは腎不全の患者には投与しないこと。肝障害や、乳酸アシドーシスの既往、薬物治療中の心不全、低酸素性の慢性肺疾患なども合併症として挙げられる。乳酸アシドーシスはしかしながら、めちゃくちゃまれである。1000人年(たとえば100人いたら、10年のうちにという意味の単位。または1000人いたら1年につき、ということ。)につき0.1という割合。
メトフォルミンの急性のAEは患者の20パーセントに見られ、下痢、腹部不快感、吐き気、金属の味、食欲不振などです。メタフォルミンを飲んでいる間はビタミンB12や葉酸のきゅうしゅうが 落ちています。カルシウムをサプリで取ると、ビタミンB12の吸収が改善されます。
血中乳酸濃度が3ミリMに達するとか、腎不全・肝不全の兆候が見られたら、メタフォルミンは中止しましょう。
PPARγに効く。(ペルオキシソーム・プロライファレーター・アクチベイティッド・受容体、つまりペルオキシソーム増殖活性受容体みたいな。)PPARγに結合して、インスリン反応性をまして、炭水化物とか、脂質の代謝を調整します。
ロジグリタゾンとピオグリタゾンは一日一度。チアゾリジンは肝にて代謝され、腎不全のある患者にも投与できますが、活動性の肝疾患があるときや肝臓のトランスアミナーゼが上昇しているときは、使用しないこと。
ロジグリタゾンはCYP2C8で代謝されますがピオグリタゾンはCYP3A4とCYP2C8で代謝されます。ほかの薬との相互作用や、チアゾリジン同士の相互作用はいまだ報告されていませんが、研究中です。
ピオグリタゾンとロジグリタゾンは肝毒性とはめったに関係しませんが、肝機能をモニターする必要があります。心不全のある患者はまずそちらを治療してから。
αGIは小腸の刷子縁におけるαグルコシダーゼの働きを阻害することによって、でんぷん・デキストリン・ダイサッカリダーゼの吸収を抑制します。
インスリンを増やす作用はないので、低血糖もおきません。吸収がよくない薬なので、食事の開始と一緒に飲むとよいです。
アカルボースとミグリトールは食後高血糖の抑制に使われます。
αGIは用量依存性に、消化不良・ガス膨満・下痢などをきたします。αGIとインスリンを併用中に低血糖症状が出たら、、グルコースを補充します。
経口から、グルコースが静脈を通ると、インスリンが上がることがわかっていました。消化管の上部からはGIP、消化管下部からはGLP1というホルモンが出ていて、糖依存性のインスリン放出を促していることがわかりました。これらのホルモンはインクレチンといわれています。この二つのホルモンは別の働き方でインスリンの放出を促進します。GIPはtype 2 DMではインスリン分泌を促進する能力がほとんど失われています。一方でGLP1は糖依存性のインスリン分泌を強く促しています。つまりtype 2 DMの治療ではGIPをターゲットにすればよいということになります。GLPはグルカゴンを抑制し。空腹感を押さえ、食欲を抑えます。体重減少も実現できます。この長所を相殺するように、GLP1は迅速にDPPIV(ヂペプチジルペプチダーゼ4エンザイム)によって負活化されます。つまり、GLP1を治療に使うなら、連続的に体に入れなければなりません。GLP1受容体のアゴニストが研究され、これはDPPIVにたいして抵抗性があります。
そのほかのGLP1療法のアプローチに仕方としては、DPPIVプロテアーゼの不活性化で、それによってGLP1の循環量を増やそうとするものです。type 2 DM治療に新しい薬がでるかもしれないですね。
[★]
- 英
- hormone
古典的な定義
- 特定の内分泌腺から分泌され、血行によって運ばれ、遠隔部の特定の標的器官に作用して特異的効果を現す物質(PT.403)
例外
- 消化管ホルモン (PT.403)
- 視床下部ホルモン (PT.403)
- 甲状腺濾胞ホルモン?
- カルシトニン?
ホルモンの一覧表
[★]
- 英
- acute pancreatitis
- 関
- 膵炎、慢性膵炎
概念
- 種々の原因で膵酵素が膵内で活性化され、組織を自己消化して起こる急性炎症。
- 原因としてはアルコールと胆石が一般的と思われる。
- 突然上腹部痛を呈し、 種々の腹部所見(軽度の圧痛から反跳痛まで)が見られる。
- 症候、身体所見、および検査値異常として、嘔吐、発熱、頻脈、白血球増加、血中・尿中の膵酵素の上昇を見る。
- 重症急性膵炎は特定疾患治療研究事業の対象疾患である(公費対象)
病因
- アルコール
- 胆石症
- 特発性
- 医原性
- 外傷
- 慢性膵炎急性増悪
- 膵・胆道奇形
- 代謝・栄養障害
- SSUR.626
- アルコール、胆石症、ERCP、手術、薬剤、脂質異常症、副甲状腺亢進症
小児の急性膵炎
- YN.B-82
発症機序
- SSUR.626
- 共通管説:胆石性膵炎
- 膵外分泌亢進-膵管閉塞説:アルコール性膵炎:アルコール化量摂取が膵外分泌を亢進させ、乳頭部の浮腫や痙攣を惹起して膵液の相対的流出障害を起こす。
- Oddi括約筋の痙攣、不溶性蛋白栓の沈殿による膵導管の閉塞、および 膵プロテアーゼの活性化が考えられている(ガイドイラン1)。
- 十二指腸液逆流説:小腸閉塞、Billroth II法再建胃切除術後の輸入脚症候群における急性膵炎
分類
障害組織による分類
- 浮腫性膵炎:炎症に伴いびまん性または限局性に膵臓は腫大し、壊死を伴わないもの。造影CTで不染領域をみとめないもの
- 壊死性膵炎:びまん性または限局性に膵実質が壊死に陥ったもの。壊死組織は造影CTで造影不良をみる。膵壊死組織への細菌感染の有無が予後を規定する。
疫学
- 発生頻度は27.7/10 万人/年
- 男女比=2:1
- アルコール性膵炎は男性に多く、胆石性膵炎は女性に多い。
病態
- SSUR.626
- 膵酵素の膵実質障害 → 炎症反応惹起 → (炎症が高度の場合)高サイトカイン血症 → 活性化された顆粒球による多臓器障害
- 膵酵素、エンドトキシン、顆粒球やマクロファージから産生されたホスホリパーゼA2により肺胞が障害される。
- 膵臓からの滲出液の後腹膜腔への貯留 + サイトカイン血症による血管透過性の亢進 → 血液量減少
症状
- 上腹部腹痛から背部痛、悪心嘔吐、腹部膨満感、発熱。
合併症
- 早期合併症:(重症化例で)DIC、ショック、呼吸不全、腎不全、MODS
- 後期合併症:膵仮性嚢胞(2-3%の症例にみられる)、膵膿瘍、腹腔内膿瘍、出血、重症感染症
検査
CT
- (浮腫性膵炎)単純CTで膵臓の浮腫による腫大、炎症の波及による膵周囲脂肪織の濃度上昇。
- (壊死性膵炎)浮腫性膵炎の所見に加え、造影CTで造影不良領域が認められる。
血液一般検査・生化学
- 白血球:増加
- Plt:低下 (なぜ? DICが存在するのであれば、想像できるが)
- Ht:増加(浸出液増加による血液濃縮)
- Ca:↓(重症のサイン。鹸化壊死で消費) ← また、血中グルカゴン上昇により、カルシトニンが甲状腺より遊離されるため(QB.B-349) おかしくない???
- 血糖:上昇(ランゲルハンス島の破壊)
- BUN:上昇(腎機能障害)
- LDH:上昇(重症例で。組織破壊)
- TG?:血中リパーゼ濃度が上昇し、脂肪が分解されるため、らしい。
逸脱酵素
- 血清アミラーゼ:高値。発症数時間で上昇。3日程度で正常化。尿中アミラーゼは持続日数が長い。鑑別:高アミラーゼ血症
- 血清トリプシン:高値。特異性高い。
- 血清リパーゼ:高値。特異性高い。
- 血清エラスターゼ-I:高値。特異性高い。高値が持続する。膵臓に特異的らしい。アミラーゼ、リパーゼに比べ正常化が遅れるため、経過を見るのに適す(YN.B-80)。
肝機能・胆道系酵素
画像検査
診断
重症度
- 重症度は血清カルシウム、血糖値、BUNで判定できる。血清アミラーゼは参考にならない。
ガイドライン1
- 予後因子3点と造影CT Grade 2以上の場合に重症と判定される。
予後因子(各1点)
- 1. Base Excess≦-3 mEq/L, またはショック(収縮期血圧≦80 mmHg) 代謝性アシドーシス
- 2. PaO2≦60 mmHg (roomair), または呼吸不全(人工呼吸管理が必要) 換気機能低下
- 3. BUN≧40 mg/dL (or Cr≧2 mg/dL), または乏尿(輸液後も1 日尿量が400 mL 以下) 腎機能低下
- 4. LDH≧基準値上限の2 倍 組織障害
- 5. 血小数≦10 万/mm3 血小板の消費
- 6. 総Ca≦7.5 mg/dL 脂肪壊死
- 7. CRP≧15 mg/dL 炎症
- 8. SIRS 診断基準における陽性項目数≧3 全身性の炎症
- 9. 年齢≧70 歳 ストレスに対する適応能力低下
- SIRS診断基準項目:(1)体温>38℃または<36℃,(2)脈拍>90 回/分,(3)呼吸数>20 回/分またはPaCO2<32 torr,(4)白血球数>12,000/mm3か<4,000 mm3または10%幼若球出現
造影CT Grade
- 前腎傍腔 0点
- 結腸間膜根部 1点
- 腎下極以遠 2点
- 膵を便宜的に3 つの区域(膵頭部, 膵体部, 膵尾部) に分け判定する。
- 各区域に限局している場合,または膵の周辺のみの場合 0点
- 2つの区域にかかる場合 1点
- 2つの区域全体を占める,またはそれ以上の場合 2点
- 1点以下 Grade 1
- 2点 Grade 2
- 3点以上 Grade 3
治療
- SSUR.627
- 血液量減少:急速輸液
- 膵臓を休ませる?:高カロリー輸液
- 感染防止:抗菌薬
- 組織障害抑制:膵酵素阻害薬
- 多臓器不全:人工呼吸、血漿交換、腹膜透析、血液透析
- (胆石性膵炎では)膵炎の治療の前に内視鏡的乳頭切開術による胆石除去を行う
- 手術療法:壊死膵組織が感染して膵膿瘍、敗血症となった場合に限り適応。膵壊死部摘除術、膵切除術、open drainageを行い、壊死巣を除去する。
手術適応
- B.352
- 緊急手術を要する疾患と鑑別が困難な場合(穿孔性腹膜炎など)
- 保存治療が奏功しない場合
- 胆道疾患が合併するとき
- 合併症が存在するとき(膿瘍、血腫、仮性嚢胞、慢性膵炎)
ガイドライン
- 1. 日本膵臓学会 - 急性膵炎診療ガイドライン2010
- http://www.suizou.org/APCGL2010/APCGL2010.pdf
- 2. 急性膵炎GL2010改訂出版委員会編/医療・GL(10年)/ガイドライン
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0011/1/0011_G0000243_GL.html
参考
- 1. 急性膵炎の重症度判定基準 - 日本メディカルセンター
- http://www.nmckk.jp/pdf.php?mode=puball&category=CLGA&vol=23&no=10&d1=2&d2=0&d3=0
- http://www.jslm.org/books/guideline/19.pdf
- 3. 難病情報センター | 重症急性膵炎(公費対象)
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/271
国試
- 英
- acute pancreatitis
- 同
- acute pancreatitis
[★]
- 英
- gastrointestinal hormone
- 同
- 胃腸ホルモン gut hormone
- 資料によって書いてあることがバラバラ
種類
胃腸内分泌細胞と消化管ホルモン (HIS.332)
[★]
- 英
- pheochromocytoma PC, phaeochromocytoma
- 同
- クロム親和細胞腫 chromaffin cell tumor chromaffinoma
- 関
- 副腎外褐色細胞腫、傍神経節腫 paraganglioma。アドレナリン受容体
概念
- 副腎髄質や傍神経節などのクロム親和性細胞から発生する腫瘍。
- カテコールアミン分泌する
病型
- 臨床像:発作型・持続型
- 腫瘍発生様式:散発性、家族性(10%) : :*家族性発生のものはMEN2の可能性あり。
- 発生部位:副腎原発(90%)(片側性、両側性(10%))、副腎外発生(10%)
- 腫瘍の数:単発性、多発性(10%)
- 腫瘍の正常:良性、悪性(10%)
病因
- 10% disease
- embfc ← なんか適当な語呂にして
- extraadrenal:副腎外10%
- malignancy:悪性10%
- bilateral:両側10%
- familial:家族性10%
- child:小児10%
疫学
遺伝形式
原因となる遺伝子
Location
|
Phenotype
|
Phenotype
|
Gene/Locus
|
Gene/Locus
|
MIM number
|
MIM number
|
1p36.22
|
Pheochromocytoma
|
171300
|
KIF1B
|
605995
|
1p36.13
|
Pheochromocytoma
|
171300
|
SDHB
|
185470
|
2q11.2
|
{Pheochromocytoma, susceptibility to}
|
171300
|
TMEM127
|
613403
|
3p25.3
|
Pheochromocytoma
|
171300
|
VHL
|
608537
|
5p13.2
|
{Pheochromocytoma, modifier of}
|
171300
|
GDNF
|
600837
|
10q11.21
|
Pheochromocytoma
|
171300
|
RET
|
164761
|
11q23.1
|
Pheochromocytoma
|
171300
|
SDHD
|
602690
|
14q23.3
|
{Pheochromocytoma, susceptibility to}
|
171300
|
MAX
|
154950
|
病態生理
- 起立性低血圧:慢性的な血管収縮により体液が減少して生じやすくなる。また、慢性的なカテコラミン過剰により自律神経の血圧調節能力低下。
病理
- 悪性褐色細胞腫ではコハク酸脱水素酵素サブユニットB(SDHB)遺伝子に変異が存在するものがある。
症状
- カテコールアミンの過剰分泌による症状
- 高血圧、頭痛、発汗、動悸・頻脈、高血糖 → 5H
- 起立性低血圧、起立性めまい、蒼白、不安・神経過敏、体重減少
- YN.D-69
- HT,HM,HG,Hhidr,Head
高血圧
- α1作用により末梢血管収縮。
- β1作用によりレニン分泌
代謝亢進
高血糖
- α2作用:インスリン分泌抑制
- β2作用:肝臓によるグリコーゲン分解
頭痛
発汗
- 代謝亢進による体温上昇に対して発汗により体温の上昇を補償することがメカニズムと思われる。
- 甲状腺機能亢進症と同じメカニズムに基づく。さらに、脱共役蛋白質の活性化によるものと思う(成長ホルモン#)。
検査
- MRI:病変はT2 high
- CT:出血・壊死部位は低吸収
- シンチ:副腎シンチグラム:131I-MIBGの取り込みを見る。
検査禁忌
- 副腎静脈造影、副腎静脈サンプリング ← 褐色細胞腫の場合に高血圧クリーゼの恐れ
診断
治療
- 薬物療法と手術療法がある。
薬物療法
手術療法
- αブロッカー(プラゾシン)とβブロッカーを併用、あるいはαβ遮断薬(ラベタロール)を使用し血圧を安定させてから手術を行う。手術は静脈結紮を先に行いカテコラミンの体循環への流入を防ぐ。
- 腹腔鏡下副腎摘除術
禁忌となる薬物
- グルカゴン:以下のような目的でグルカゴンが用いられるが、褐色細胞腫の患者においては「カテコールアミンの遊離を刺激して、急激な血圧の上昇を招くおそれがあ」ため、禁忌
- 成長ホルモン分泌能検査、インスリノーマの診断、肝糖原検査、低血糖時の救急処置、消化管のX線および内視鏡検査の前処置
- β受容体遮断薬:α受容体遮断薬と併用することなしに単独で用いるのは禁忌。α受容体の血管収縮作用を相対的に増強させるため、逆に血圧が上昇してしまう危険がある。(QB.D-289)
参考
- 1. PHEOCHROMOCYTOMA - OMIM
- http://omim.org/entry/171300
国試