- 英
- hyperbaric oxygen therapy HBOT、hyperbaric oxygenation、hybaroxia、HBO、hyperbaric、oxygen under high pressure OHP
- 関
- 高圧、高気圧酸素治療、高気圧酸素療法
PrepTutorEJDIC
- (医療などで)高圧酸素を使った
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高気圧酸素治療(HBO、Hyperbaric oxygen therapy)とは、大気圧よりも高い気圧環境の中に患者を収容し、この患者に高濃度の酸素を吸入させることによって、病態の改善を図る治療の事である。
目次
- 1 概要
- 2 治療
- 3 健康保険が適用される主な疾患
- 4 危険性
- 5 参考文献
- 6 外部リンク
- 7 関連項目
概要
高気圧環境下での高濃度酸素吸入による生理的、化学的、物理的作用により病態の改善を図る。酸素は、通常の大気圧環境下に於いて、血液中のヘモグロビンと結合する事により体内(血中)に運ばれる。しかし高気圧環境下ではその圧力により、ヘモグロビンの存在とは無関係に血中に溶け込むことが出来るようになる。これは血液循環(いわゆる血行)が飛躍的に促進されることを意味し、HBOの生理的治療効果である。代表的な適応疾患にはバージャー病などの末梢血行障害や一酸化炭素中毒などがある。また、嫌気性細菌などに対する殺菌作用が、HBOにおける化学的治療効果である。高圧力による物理的作用により、潜水病などのために血中で泡沫化したガスを消失させる効果もある。
治療
概ね10分~15分程度をかけて装置内の気圧を高め、その後に一定時間(多くの場合60分程度)安定した高気圧環境下に患者をおく。規定の加圧時間が経過した後に昇圧と同等またはやや長い時間をかけて減圧する。昇圧と減圧に時間を掛けるのは気圧の急変による患者の身体への負担をなくすためである。急減圧による重大な副作用としては減圧症が挙げられる。治療に使用される装置には、 1名の患者のみを収容する第1種装置と、2名以上の患者を同時に収容し、又は治療に従事する医療職員を患者とともに収容する第2種装置とがある。この治療の重大なリスクとしては、酸素中毒と火災が挙げられる。(後述)
第1種装置
患者1名を収容し、多くの場合には高濃度の酸素を装置内に送出する事により加圧する。潜水病に代表される減圧症などの症例に対しては、空気により加圧し、マスクを用いて別に酸素を吸入させる方法をとる場合もある。密閉された空間に患者のみを収容する上、急な体調不良を患者が訴えた際にも、減圧症などのリスクから急減圧による治療中止がある事などから、血圧や心拍測定や問診による事前のバイタルチェックがより重要となる。
第2種装置
概ね4~6名程度の患者を同時に収容できる装置で、患者のほかに医師や看護師なども同時に入室し、患者の容態を監視できる利点がある。第1種装置よりも多くの医療機器を収容しているために、火災のリスクが高くなる事と、患者よりも頻繁に装置内にて高気圧環境下に曝露される機会の多い医療スタッフへの酸素中毒のリスクを軽減させる2つの理由から空気による加圧が一般的である。
健康保険が適用される主な疾患
救急的なもの
- 急性一酸化炭素中毒その他のガス中毒(間歇型を含む)
- ガス壊疽
- 空気塞栓または減圧症
- 急性末梢血管障害
- 重症の熱傷または凍傷
- 広汎挫傷または中等度以上の血管断裂を伴う末梢血管障害ショック
- 急性心筋梗塞その他の急性冠不全
- 脳塞栓、重症頭部外傷、若しくは開頭術後の意識障害または脳浮腫
- 重症の低酸素性脳機能障害
- 腸閉塞
- 網膜動脈閉塞症
- 突発性難聴
- 重症の急性脊髄障害
非救急的なもの
- 放射線または抗癌剤治療と併用される悪性腫瘍
- 難治性潰瘍を伴う末梢循環障害
- 皮膚移植
- 脳血管障害、重症頭部外傷または開頭術後の運動麻痺
- 一酸化炭素中毒後遺症
- 脊髄神経疾患
- 骨髄炎または放射線壊死
危険性
重大なリスクとしては、酸素中毒と火災が挙げられる。高気圧環境下においては僅かな発火元であっても一気に火勢が拡大するため、HBOのなかでも最大のリスクとして認識されており、各医療機関において十分な対策がとられている。とくに、下記の物品の持込は厳禁であり、入室前の患者に対する入念なボディチェックが重要とされる。また、静電気によっても発火する恐れがあるために、綿または木綿100%の下着を着用する事が重要である。ただし、日本高気圧環境医学会の定める治療指針に従えば、火災などのリスクは通常の気圧環境下と同等程度に軽減できるとされる。
持ち込み禁止の品
- マッチ
- ライター
- タバコ
- カイロ(使い捨て含む)
- その他の保暖器具
- 時計
- ラジオ
- 携帯電話その他電気・電子機器
- 消毒用アルコール
- ベンジン
- 油脂類
参考文献
榊原欣作『高気圧酸素治療の基礎と臨床』 2009年医学書院ISBN 4260700685
外部リンク
関連項目
- 日本臨床高気圧酸素・潜水医学会
- 酸素カプセル
- 酸素中毒
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Japanese Journal
- 東日本大震災直後での山形大学医学部附属病院救急部の診療状況
- 伊関 憲,林田 昌子,清野 慶子,岩下 義明,篠崎 克洋
- 山形大学紀要. 医学 : 山形医学 30(1), 1-7, 2012-02-25
- … 余震のため高圧酸素療法を行わない方針とし、大気圧下酸素吸入療法をおこなった。 …
- NAID 110008906958
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- 百科事典マイペディア 高圧酸素療法の用語解説 - 人体の臓器や組織が血行障害や 血液成分異常のために低酸素状態におかれ,他の方法では改善が望めない時に行 われる療法。患者をタンク中に入れ,2~5気圧の高圧酸素状態下において, ヘモグロビンと ...
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[★]
- 次の文を読み、60~62の問いに答えよ。
- 20歳の男性。発熱と右下肢の発赤、疼痛および腫脹とを主訴に来院した。
- 現病歴:4日前、屋外でバスケットボールの練習中に転倒し右下腿を打撲した。次第に打撲した部位の発赤、疼痛および腫脹が出現して急速に拡がり、発熱も出現したため救急外来を受診した。
- 既往歴:3歳時に肺炎で入院。薬物アレルギーはない。
- 生活歴:大学生。バスケットボールのサークルに所属している。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:父親が高血圧症で内服治療中。母親は健康。
- 現症:意識レベルはJCSⅠ-2-R。身長 175cm、体重 63kg。体温 40.6℃。脈拍 120/分、整。血圧 82/40mmHg。呼吸数 22/分。SpO2 96%(room air)。全身に発汗を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。右鼠径部に径2cmで可動性良好なリンパ節を3個触知し、圧痛を認める。右下腿は打撲部位を中心に膝から足首に及ぶ著明な発赤、腫脹および圧痛を認め、皮膚表面には大小の血性水疱を認める。右膝関節および足関節は腫脹と疼痛のため十分な診察ができない。足背動脈は両側とも触知可能である。
- 検査所見:血液所見:赤血球 468万、Hb 13.9g/dL、Ht 42%、白血球 15,300(桿状核好中球 30%、分葉核好中球 55%、好酸球 1%、好塩基球 0%、単球 7%、リンパ球 7%)、血小板 9万、PT-INR 1.6(基準 0.9~1.1)、Dダイマー 3.4μg/mL(基準 1.0以下)。血液生化学所見:総蛋白 6.0g/dL、総ビリルビン 0.9mg/dL、AST 114U/L、ALT 30U/L、LD 602U/L(基準 176~353)、CK 12,200U/L(基準 30~140)、尿素窒素 30mg/dL、クレアチニン 1.9mg/dL、血糖 98mg/dL、Na 134mEq/L、K 5.0mEq/L、Cl 97mEq/L。CRP 22mg/dL。動脈血ガス分析(room air):pH 7.30、PaCO2 32Torr、PaO2 70Torr、HCO3- 14mEq/L。
- 骨盤部・下肢CTで右膝関節周囲から足部にかけての皮下組織と筋肉の強い浮腫像と、下腿の筋肉表面に沿った広範な液体成分の貯留像とを認める。
- 急速大量輸液を開始した。
- 最も優先して行うべきなのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111E060]←[国試_111]→[111E062]
[★]
- 62歳の男性。血便を主訴に来院した。
- 現病歴:本日夕食後に多量の暗赤色の便が出現し、ふらつきを自覚したため救急外来を受診した。特に腹痛や下痢を自覚していない。
- 既往歴:30年前から高血圧症と糖尿病で内服治療中。10年前から心房細動に対してワルファリンを処方されている。最近、処方薬の増量や変更はない。
- 生活歴:妻と2人暮らし。喫煙は50歳まで 20本/日を20年間。飲酒はビール 350mL/日。
- 家族歴:父親が脳梗塞。母親が大腸癌。
- 現症:意識は清明。身長 169cm、体重 70kg。体温 36.7℃。脈拍 88/分、不整。血圧 114/78mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 96%(room air)。眼瞼結膜は貧血様だが、眼球結膜に黄染を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腸雑音はやや亢進している。直腸指診で暗赤色の便の付着を認める。四肢に軽度の冷汗を認める。
- 検査所見:血液所見:赤血球 299万、Hb 9.7g/dL、Ht 32%、白血球 12,000、血小板 21万。血液生化学所見:総蛋白 6.5g/dL、アルブミン 3.6g/dL、総ビリルビン 0.9mg/dL、AST 28U/L、ALT 22U/L、LD 277U/L(基準 176~353)、γ-GTP 41U/L(基準 8~50)、アミラーゼ 80U/L(基準 37~160)、尿素窒素 18mg/dL、クレアチニン 1.1mg/dL、尿酸 6.7mg/dL、血糖 128mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.5mEq/L、Cl 100mEq/L。CRP 1.9mg/dL。 腹部単純CT(別冊 No.10A)及び腹部造影CT(別冊No.10B、C)を別に示す。
- その後の経過:入院後、翌朝までに赤血球液-LR 6単位の輸血を行ったが、Hb値は8.2g/dLで血便が持続している。下部消化管内視鏡検査を行ったが多量の凝血塊のため止血術を実施できなかった。
- この時点で考慮すべきなのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [113C064]←[国試_113]→[113C066]
[★]
- 次の文を読み、72~74の問いに答えよ。
- 70歳の女性。発熱および左殿部痛のため救急車で搬入された。
- 現病歴:1か月前から左殿部に圧痛を伴う発赤が出現した。また、しばしば腟から排膿することがあった。10日前から発熱が出現し、以後は食事摂取量が少なかったという。左殿部の痛みにより歩行も困難になったため救急車を要請した。
- 既往歴:10年前に人工物による子宮脱の手術を受けた。
- 生活歴:専業主婦。家族歴:父が糖尿病、高血圧症。
- 現症:意識レベルはJCSⅠ-2。身長 145cm、体重 46.6kg。体温 39.0℃。心拍数 92/分、整。血圧 108/76mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 98%(マスク 5L/分酸素投与下)。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。左殿部(別冊No.17A)を別に示す。同部に強い圧痛を認める。内診で腟後壁に瘻孔と排膿が観察され、膿は悪臭である。直腸指診では異常を認めない。
- 検査所見:血液所見:赤血球 403万、Hb 12.2g/dL、Ht 35%、白血球 1,800、血小板 3万、PT-INR 1.3(基準 0.9~1.1)、血清FDP 26μg/mL(基準 10以下)。血液生化学所見:総蛋白 4.6g/dL、アルブミン 1.7g/dL、総ビリルビン 2.4mg/dL、AST 48U/L、ALT 47U/L、LD 216U/L(基準 120~245)、γ-GT 40U/L(基準 8~50)、アミラーゼ 17U/L(基準 37~160)、CK 72U/L(基準 30~140)、尿素窒素 32mg/dL、クレアチニン 2.1mg/dL、血糖 215mg/dL、HbA1c 9.0%(基準 4.6~6.2)、Na 132mEq/L、K 3.8mEq/L、Cl 105mEq/L。CRP 19mg/dL。殿部CTの水平断像(別冊No.17B)を別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [114F072]←[国試_114]→[114F074]
[★]
- 61歳の男性。心窩部痛を主訴に救急車で搬入された。7日前に腰痛を自覚し自宅近くの診療所でNSAIDを処方されていた。今朝急に心窩部痛が出現し急速に増強するため救急車を要請した。意識は清明。身長 173cm、体重 67kg。体温 36.0℃。心拍数 88/分、整。血圧 124/80mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 98%(鼻カニューラ3L/分酸素投与下)。腹部は平坦で、心窩部に圧痛と軽度の反跳痛とを認める。血液所見:赤血球 483万、Hb 15.7g/dL、Ht 47%、白血球 14,700、血小板 30万。血液生化学所見:総蛋白 7.3g/dL、アルブミン 4.2g/dL、総ビリルビン 0.9mg/dL、AST 20U/L、ALT 15U/L、LD 170U/L(基準 120~245)、ALP 265U/L(基準 115~359)、γ-GT 66U/L(基準 8~50)、アミラーゼ 52U/L(基準 37~160)、CK 85U/L(基準 30~140)、尿素窒素 17mg/dL、クレアチニン 1.0mg/dL、血糖 103mg/dL、Na 146mEq/L、K 3.8mEq/L、Cl 106mEq/L。CRP 2.2mg/dL。腹部単純CT(別冊No. 33)を別に示す。まずは手術を実施せず、保存的治療を行うこととした。
- 対応として適切なのはどれか。3つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [114A071]←[国試_114]→[114A073]
[★]
- 65歳の男性。右下腿の激痛と腫脹とのために救急車で搬入された。
- 7日前に農作業中に右足に怪我をしたが、自分で創の処置をしていた。4日前から右足の発赤、腫脹および疼痛が始まり、急速に増悪した。2日前から耐え難いほどの激痛となり、悪臭を放つようになったが、病院に行くことを拒否し続けていた。
- 既往歴には高血圧がある。右下肢は青紫色で著明に腫脹し、悪臭を発している。意識は清明。体温39.2℃。脈拍104/分、整。血圧180/96mmHg。
- 血液所見:赤血球420万、白血球18,500、血小板12万。血清FDP18μg/ml(基準10以下)。CRP38mg/dl(基準0.3以下)。
- 来院時の両側下腿エックス線単純写真を以下に示す。
- 適切な処置はどれか。2つ選べ。
- a. 右大腿切断術
- b. 抗血清の投与
- c. 高圧酸素療法
- d. 抗凝固薬の投与
- e. 経口抗菌薬の投与
[正答]
※国試ナビ4※ [098D057]←[国試_098]→[098D059]
[★]
- 45歳の女性。右視力低下と排尿障害とを主訴に来院した。 3か月前にものが二重に見えたが1週間で軽快した。 1か月前から右眼瞼が閉じにくくなり、その後右顔面の感覚鈍麻に気付いた。 5日前から排尿障害があり、昨日急に右視力が低下した。 10年前から高血圧症の治療を受けている。意識は清明。視力は右0.1(矯正不能)、左1.0(矯正不能)。眼底に異常を認めない。眼球運動は右眼の外転が不十分である。右顔面の痛覚低下を認める。両側上下肢の軽い運動麻痺があり、両側上下肢で腱反射が亢進し、Babinski徴候は両側陽性である。脳脊髄液検査で細胞数 6/mm3(全て単核球)(基準0-2)、蛋白 56mg/dl(基準15-45)である。
- 直ちに行うべき治療はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105A032]←[国試_105]→[105A034]
[★]
- 78歳の男性。腹痛を主訴に来院した。4時間前に腹痛が突然出現し、徐々に増強してきたため受診した。2年前から心房細動で内服加療中であった。体温 37.1℃。脈拍 120/分、不整。血圧 86/56mmHg。呼吸数 24/分。腹部は膨隆し全体に圧痛を認める。血液所見:赤血球 510万、Hb 15.8g/dL、Ht 45%、白血球 9,500、血小板 13万。血液生化学所見:総蛋白 6.8g/dL、アルブミン 3.4g/dL、AST 16U/L、ALT 14U/L、LD 310U/L(基準 120~245)、CK 275U/L(基準 30~140)、尿素窒素 31mg/dL、クレアチニン 0.8mg/dL、Na 134mEq/L、K 5.2mEq/L、Cl 108mEq/L。腹部造影CT(別冊No. 8)を別に示す。
- 治療として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114D024]←[国試_114]→[114D026]
[★]
- 25歳の男性。バレーボールを行っているうち、急に左胸痛と呼吸困難とが出現して来院した。既往に特記することはない。意識は清明。身長174cm、体重57kg。体温36.8℃。呼吸数32/分。脈拍108/分、整。血圧112/64mmHg。皮膚はやや湿潤。心濁音界はやや右方に偏移しているが心雑音はない。左肺野は打診上鼓音を呈し、呼吸音を聴取できない。腹部と下肢とに異常を認めない。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH7.47、PaO2 78Torr、PaCO2 33Torr、HCO3- 23.2mEq/l。胸部エックス線写真を以下に示す。
- 必要な処置はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101A016]←[国試_101]→[101A018]
[★]
- 38歳の男性。意識障害のため仲間に伴われて救急車で搬入された。本日、海で水深30m程度のスキューバ潜水を楽しんでいた。2回目に浮上したとき、約5分後に全身倦怠感を訴え、意識を消失した。搬入時は意識は清明で、顔面腫脹、両上肢の感覚低下および両下肢の運動麻痺と感覚低下とを認める。血液所見:赤血球560万、Hb20.2g/dl、Ht61%、白血球8,800。胸部エックス線写真に異常はなく、心電図は正常範囲である。
- 適切な治療法はどれか。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [097I046]←[国試_097]→[097I048]
[★]
- 70歳の男性。激しい腹痛と腹部膨満感とを主訴に救急車で搬入された。以前からParkinson病で内服治療中であった。体温 36.8℃。心拍数 72/分、整。血圧 130/70mmHg。呼吸数 16/分。血液所見:赤血球 420万、Hb 11.2g/dL、白血球 11,000、血小板 20万。血液生化学所見:AST 33U/L、ALT 25U/L。CRP 5.8mg/dL。腹部エックス線写真(別冊No. 13)を別に示す。
- まず行うべきなのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112D029]←[国試_112]→[112D031]
[★]
- 18歳の男子。バイク運転中に転倒し、頸部を強打して搬入された。前頸部の痛みと呼吸困難とを訴えている。意識は清明。体温37.5℃。脈拍80/分、整。血圧120/80mmHg。喉頭内視鏡検査で喉頭蓋の浮腫と仮声帯の粘膜腫脹とを認める。声帯は観察できない。まず、静脈路の確保を行った。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G012]←[国試_101]→[101G014]
[★]
- 心肺蘇生後に心拍出量が不十分な場合にまず行うべき処置はどれか。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [095B022]←[国試_095]→[095B024]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096G118]←[国試_096]→[096G120]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103E010]←[国試_103]→[103E012]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103C006]←[国試_103]→[103C008]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101B118]←[国試_101]→[101B120]
[★]
- ☆case75 自宅での意識消失
- ■症例
- 21歳 男性
- 主訴:意識消失
- 現病歴:男性のアパートで意識を失っている所を彼女に発見され、午後5時に搬送された。彼女が最後に彼に会ったのは午後8時で、クリスマスの買い物をして帰宅した時であった。翌日午後、彼女が彼に会いに行った所、彼がお風呂の床で意識を失っているのを見つけた。彼女によれば、前日変わった様子(unusal mood)はなかった。彼は心理学の期末試験が1週間に迫っておりこのことを心配していたが、勉強はうまくいっているようだった。また以前の試験に問題はなかった。
- 喫煙歴:なし。
- 飲酒歴:機会飲酒 10 units/week(1週間に350mlビール6本弱)
- 既往歴:なし
- 家族歴:父と2人の兄弟のうち1人が糖尿病
- 服薬歴:以前、エクスタシー錠剤を服用していたが、静脈注射の薬はやったことがない。
- 身体所見 examination
- 顔貌 青白。注射痕は認められない。脈拍 92/分、血圧 114/74 mmHg、呼吸数 22/分。心血管系、呼吸器系に異常を認めず。神経系 命令に従わないが、痛みに反応して適切に手を引っ込める(GCS M4)。腱反射(+)・対称性、足底反射(-)。瞳孔散大、対光反射(+)。眼底 視神経円板腫脹
- ■鑑別診断をあげるためのkeyword(司会者用)
- ・24時間以内に来した意識消失、糖尿病の家族歴、冬、風呂、精神疾患リスク(試験で悩んでいる。薬物の服用歴)、顔色、脈拍、血圧、呼吸数、腱反射、病的反射、瞳孔、眼底(司会者用)
- ■keywordからどういう疾患を考えるか?
- 真っ先にあげたいもの
- ・二次的な脳圧亢進
- ・糖尿病
- ・薬物中毒、中毒物質の摂取・吸引
- ・神経疾患(てんかんなど)の発作
- ・24時間以内に来した意識消失
- ・クモ膜下出血:局所神経症状、硝子体下出血(subhyaloid hemorrhage)。
- ・糖尿病の家族歴
- ・低血糖発作
- 低血糖による昏睡は早いが糖尿病の新規症状として起こらない。まれにインスリノーマによる低血糖による昏睡があり得る。
- ・糖尿病性ケトアシドーシス diabetic ketoacidosis DKA
- 極度のインスリン欠乏とコルチゾールやアドレナリンなどインスリン拮抗ホルモンの増加により、(1)高血糖(≧250mg/dl)、(2)高ケトン血症(β-ヒドロキシ酪酸の増加)、アシドーシス(pH7.3未満)をきたした状態。(糖尿病治療ガイド 2008-2009 p.66)
- ・高浸透圧性非ケトン性昏睡 nonketotic hyperosmolar coma
- DM type 2
- 50歳以上に好発し、インスリン非依存性糖尿病*患者が腎不全や中枢神経障害、悪性腫瘍、消化器疾患、呼吸器感染などを合併するときに多くみられ、ステロイドや利尿薬の投与、輸液や高カロリー補給、人工透析などの際に医原性に起きやすい。
- 高血糖性の昏睡は発症が早くない。その前に口渇や多尿があるはず。
- → 否定するための検査 → 血糖測定
- ・風呂
- ・脳出血
- ・冬だし、風呂(脱衣所のことか)にガスヒーターがあったら疑わしい。
- ・精神疾患リスク(試験で悩んでいる。薬物の服用歴)
- (最も多いのが)薬物中毒(鎮静薬、アスピリン、アセトアミノフェン)
- (意識障害で運ばれてきたときに考えるべきなのが)一酸化中毒
- 一酸化中毒の場合の顔色は蒼白(cherry-red colorと言われてきたが)。眼底所見:(severe CO中毒で)乳頭浮腫
- ・顔色
- ・脈拍、血圧、呼吸数
- ・腱反射、病的反射
- 腱反射が亢進していたら、上位運動ニューロンの障害を考慮する。腱反射亢進と意識障害が共存していれば、障害部位は脊髄の伝導路ではなくむしろ脳幹・大脳皮質に障害があると考えることができる。
- ・瞳孔
- 瞳孔が散大していれば交感神経興奮、副交感神経の麻痺:フェニレフリン・エピネフリン・コカインなど交感神経刺激、動眼神経麻痺、脳死の徴候
- 瞳孔が縮瞳していれば副交感神経興奮、オピオイド受容体への刺激:麻薬中毒、有機リン中毒、橋出血、脳幹部梗塞(脳底動脈閉塞症など)
- ・眼底 (IMD.71)
- 視神経円板(=視神経乳頭)の腫脹は乳頭浮腫(papilledema, DIF.342)を反映。乳頭浮腫の発生機序は軸索輸送障害や静脈還流うっ滞である。原因として頭蓋内疾患が最も多い。頭蓋外の疾患(高血圧、視神経炎、偽性脳腫瘍)。
- 乳頭浮腫 papilledema DIF.243
- V 動静脈奇形、高血圧による脳血圧脳症・頭蓋内出血、クモ膜下出血、硬膜下血腫
- I 脳膿瘍、慢性経過の髄膜炎(細菌性×)、敗血症による血栓や静脈洞血栓
- N 脳腫瘍
- D -
- C 動静脈奇形、水頭症、頭蓋奇形(尖頭症などによる)、血友病、時にSchilder disease
- A ループス脳炎、動脈周囲炎
- T 急性期の硬膜外血腫や硬膜下血腫ではない。慢性硬膜下血腫ならありうる。
- E 褐色細胞腫による悪性高血圧、偽性脳腫瘍(=特発性頭蓋内圧亢進症)(肥満・無月経・感情障害(emotionally disturbed)をきたした女性に多い)
- ■問題
- 症例だけでは絞れないので、最も疑われる疾患をあげ、鑑別診断を列挙し、検査、治療を考えていくことにします。
- ■一酸化炭素中毒
- ■オチ
- 血中carboxyhemoglobinを測定したところ32%。高レベルの酸素投与でゆっくりだが、48時間で完全に回復。脳浮腫にたいするマンニトールや高圧酸素療法も考慮する。問題は4年間点検されていないガス温水器の不完全燃焼だったとさ。
- ■KEY POINTS
- ・薬物中毒は若い人の意識消失の最も一般的な原因だけど、他の診断もいつも考慮しておく。
- ・一酸化炭素ヘモグロビンレベルは屋内や車内、あるいはよく分からない煙に暴露した意識消失患者で測るべき
- ・一酸化中毒による重度の低酸素血症ではチアノーゼを欠く。
- ■initial plan(救急だからのんびりやってられないだろうけど)
- A.
- 1. 呼吸器系、循環器系の安定を確認
- 2. 血液ガス検査
- 3. 血液生化学(電解質(Na,Ca)、血糖)
- □ビール1本 = 350ml アルコール5%: 350 (ml/本) x 0.05 / 10 (ml/unit) =1.75 (unit/本)
- ■参考文献
- DIF Differential Diagnosis in Primary Care Fourth Edition版 Lippincott Williams & Wilkins
[★]
- 関
- HBO、hyperbaric、hyperbaric oxygen therapy、hyperbaric oxygenation
[★]
- 関
- HBO、hybaroxia、hyperbaric、hyperbaric oxygen therapy
[★]
- 英
- hyperbaric oxygen therapy HBO
- 関
- 高圧酸素療法、高気圧酸素治療
[★]
- 英
- hyperbaric oxygen therapy
- 関
- 高圧酸素療法、高気圧酸素療法
[★]
- 英
- oxygen
- 関
- 空気、酸素療法
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%BA%E6%B0%97
麻酔科
- 参考1
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酸素
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笑気
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空気
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二酸化炭素
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医療ガス配管
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緑
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青
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黄
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橙
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ガスボンベの色(日本)
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緑
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ピンインデックス
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ピン
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角度(時計回り)
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120
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-90
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参考
- http://www.eonet.ne.jp/~hidarite/me2/anzenkanri05.html
[★]
- 英
- oxygen therapy
- 同
- 酸素吸入療法、酸素治療 oxygen treatment、酸素投与 oxygen administration
- 関
- 在宅酸素療法
[★]
- 英
- method、law
- 関
- 測定法、測定方法、訴訟、方法、法律学、手法、方式、法律
[★]
- 英
- therapy、regimen、cure、remedy、therapeutic
[★]
- 英
- high pressure、hyperbaric
- 関
- 高圧酸素療法