-急性便秘
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/01/21 15:00:39」(JST)
便秘 | |
---|---|
分類及び外部参照情報 | |
ICD-10 | K59.0 |
ICD-9 | 564.0 |
DiseasesDB | 3080 |
MedlinePlus | 003125 |
eMedicine | med/2833 |
MeSH | D003248 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 | |
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便秘(べんぴ、英: constipation)とは、ヒト(または他の動物)において便の排泄が困難になっている消化器の状態のことである。
一般に、
などで認識・診断される。「毎日便が出なければならない」と考える者も存在するが、各個体の排便間隔は体質、環境などによりまちまちで、一意に決めることはできない。
日本内科学会の定義では「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」 となっている。
便秘の対義として下痢ないし軟便を用いることがあるが、下痢・軟便の状態でも便秘になることはある。
便秘はその原因から「続発性便秘」と「特発性便秘」の2種類に大別される。
具体的な状態としては、
などがある。
また、自覚症状として、腹痛、吐き気、直腸残便感、腹部膨満感、下腹部痛、食欲不振、めまいなどのほか、肩や背中に放散痛を伴う場合がある。
便秘の外部的要因には次のようなものが一例として挙げられる。
これらは、互いに原因となる多様性があり、女性はホルモンの関係にも伴い陥り易いほか、加齢によっても便秘になりやすくなる傾向や、性別に拠らず職業を含む生活環境によっても便秘となりやすい傾向も見られる(後述)。
S状結腸の過長等により、腸内に便の通りが著しく悪い個所が存在する場合、直腸内は空になっていても便秘になりやすい。この場合、薬局で市販されている浣腸では便まで薬が到達せず、排泄を促進することができない。
多くの場合、短時間しか続かないが、重症の場合は排泄できず中毒死する場合もある。
便秘には、問題のある便秘と問題のない便秘があり、問題のあるものは大腸で便の通りが悪くなる、大腸ガン、腫瘍、直腸ガン、腸の癒着、痔、甲状腺機能低下症などがあり、ガンや腫瘍などの場合は血便がある場合が多く、痔の場合は便通時に痛みを感じる場合がある。これまで述べたものは原因のはっきりした便秘で、それに合った治療を受けられるが、原因のはっきりしないものは「常習性便秘」と呼ばれる。常習性便秘は2つあり、1つ目は「弛緩性便秘」で、これは便をためておく癖がある人に良くみられるが、自覚症状はそれほどない。もう1つは「痙攣性便秘」で、多くは頭痛や吐き気、めまいやのぼせ、さらに不眠などを伴う。
タイプが最も多い便秘として特発性便秘(機能性便秘)がある。慢性便秘とも呼ばれ、症状・原因により次の3つに分類される。
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治療には、下剤の摂取により便の排泄を試みたり、早期の治療には浣腸も含まれるが、そういった状態が常態化すると、体がそれらの刺激で排泄をするのが当たり前になってしまい、それらを欠かすとなおひどい便秘になる場合もある。
過敏性腸症候群では、「過敏性腸症候群の診断・治療ガイドライン」[1]が策定されている。
(詳細は、下剤 を参照。)
下剤による副作用として、塩類下剤では高マグネシウム血症、刺激性下剤は習慣性になりやすく、薬剤に対する感受性が低下し便秘薬を服用しないと排便が行われなくなる便秘薬依存症や腸管粘膜障害などがある。
浣腸にはグリセリンなどが入っており、これらの直腸への刺激で排泄を促すものだが、刺激が強く急激に催し、また悪寒や吐き気などといった症状を誘発させる場合もある。グリセリン浣腸では、我慢しきれずすぐに出してしまうなど使い方が悪かった場合などには、後述するような体質にも拠り、出し切ることができず不快感が残る場合もある。完全に腸内の便を取り除くのを望む場合には、腸洗浄と呼ばれる処置もある。こちらはぬるま湯(生理食塩水を使う場合もある)を注入、それらの湯と一緒に排出するが、注入時に無理な圧力を掛けると直腸穿孔など負傷のおそれもある。したがって専用の器具が利用され、また市販もされているが、基本的には専門の医師などの指導が必要といえる。また、こちらは専用の器具や温度管理などで手間が掛かるが、注入量が多く刺激が少ないため、腹痛などの問題がおきにくいなどの体験談も聞かれる。民間療法の範疇としてはぬるま湯や生理食塩水以外のもの(コーヒーなど)を使うという話も聞かれるが、医学的に根拠は無い。
原因のはっきりしているものは、それに合った治療をするが、常習性便秘の養生法は以下の通り。
排便時の座位姿勢は、直腸肛門角が開くよう少し前傾姿勢で、たとえるならロダンの彫刻「考える人」の様な姿勢が良いとされる。更に、腹筋に力が入りやすいように踵を少し上げたり、脇腹を両手で押さえて腹圧を与える方法もある。[2]
食べ物、飲み物、運動の程度を変えることは、便秘を予防することになる。以下はそれらの他の方法である。
食物繊維は柔らかく大きな大便を作る。野菜、果物、穀物などに多く含まれる。食物繊維は、一度に大量摂取してもあまり意味がない。繊維を多く含む食べ物を次に示す。
十分な量の水もしくは野菜や果物のジュース、スープなどを摂取する。
水分は大便を柔らかく保ち、通りを良くするため、水分を十分取っただけで便が排出される又は症状が改善される場合も多い。ただし、カフェインやアルコールを含む飲料は、消化器の水分を減らす傾向がある。
脂肪は腸管を滑らかにする働きがあるので、摂取することで便の通りがよくなる。よって油物を摂取するのも効果的である。ただしこれはダイエットなどで過剰な摂食制限をしている場合にいえることで、脂身などの多い肉類を日常的かつ過剰に取っている場合などは当てはまらないし、他の生活習慣病になるおそれがある。あくまでも普段サラダと少量の炭水化物のみなどといった、偏った食生活をしている場合である。
規則正しい運動は消化器を活発にする。運動は軽いものでも十分で、毎日20~30分の歩行でよい。また、軽い腹筋やストレッチも効果がある。手を使って腹をさすり、腸の蠕動運動を促すだけでも効果がある。
便意を無視しないようにする。生活習慣において毎日決まった時間に便意を催す者もいるが、そうでない人は、便意を催し易い時間帯を排泄に割り振る生活上の配慮も効果がある。朝食前は体温が低く体全体の活動も活発でないため排泄時間には向かない。
下剤は大便を通しやすくする薬である。軽い便秘は上記の予防で十分な場合もあるが、程度に応じて下剤を使用することもできる。薬は医師の処方、または薬局で入手できる。液体、チューインガム、丸薬、粉などいくつかの種類がある。
便秘は高齢者に多く見られ、男性よりも女性に多い[3]。これには科学的な根拠があり、それは社会的なものから、生活習慣的なもの、そして女性独特の身体構造に大きく関与すると様々な指摘がある[4][5]。
などの理由が挙げられており、便秘治療薬の購入者は女性が圧倒的に多い(パッケージにピンクが多いのは明らかに女性をターゲットにしている証拠である)。その一方、男性は、高齢者以外は便秘で悩まされるケースは少ない。だが、男性は便秘より下痢に悩まされている傾向にある[6]。これも同様に、食習慣(アルコール、油物、刺激物を好む傾向にあるが、これらは腸の動きを活発化させたり、腸壁をなめらかにさせたりする作用がある)や外的ストレスに対する脆弱性(前述の過敏性腸症候群は、男性だと下痢になりがちである)、太い腸管など身体の構造に起因するものである。
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国試過去問 | 「108F031」「106C030」「108F030」「112C051」「109D056」「106A030」「096F045」「112B048」「111H021」「108G058」「098B017」「100F032」「095F016」「111A012」「106C011」「105I001」「105A012」「094A076」「107H006」「104I039」 |
リンク元 | 「神経性食思不振症」「100Cases 14」「嘔吐」「急性間欠性ポルフィリン症」「シクロホスファミド」 |
B
※国試ナビ4※ [108F030]←[国試_108]→[108G001]
D
※国試ナビ4※ [106C029]←[国試_106]→[106C031]
C
※国試ナビ4※ [108F029]←[国試_108]→[108F031]
E
※国試ナビ4※ [112C050]←[国試_112]→[112C052]
CE
※国試ナビ4※ [109D055]←[国試_109]→[109D057]
E
※国試ナビ4※ [106A029]←[国試_106]→[106A031]
D
※国試ナビ4※ [096F044]←[国試_096]→[096F046]
B
※国試ナビ4※ [112B047]←[国試_112]→[112B049]
C
※国試ナビ4※ [111H020]←[国試_111]→[111H022]
E
※国試ナビ4※ [108G057]←[国試_108]→[108G059]
C
※国試ナビ4※ [098B016]←[国試_098]→[098B018]
D
※国試ナビ4※ [100F031]←[国試_100]→[100F033]
C
※国試ナビ4※ [095F015]←[国試_095]→[095F017]
B
※国試ナビ4※ [111A011]←[国試_111]→[111A013]
C
※国試ナビ4※ [106C010]←[国試_106]→[106C012]
D
※国試ナビ4※ [105H038]←[国試_105]→[105I002]
BD
※国試ナビ4※ [105A011]←[国試_105]→[105A013]
C
※国試ナビ4※ [107H005]←[国試_107]→[107H007]
AC
※国試ナビ4※ [104I038]←[国試_104]→[104I040]
血算 | ヘモグロビン | 減少(貧血) |
白血球 | 減少 | |
リンパ球 | 比較的増加 | |
生化学 | Na | 低Na血症(自己嘔吐・下剤使用例) |
K | 低Ka血症(自己嘔吐・下剤使用例) | |
AST | 上昇 | |
ALT | 上昇 | |
LDH | 上昇 | |
T-Cho | 上昇 | |
血糖 | 低下 | |
血清学 | IgG | 低下(易感染性はない) |
内分泌 | T3 | 低下 |
reverse T3 | 上昇 | |
GH | ↑ | |
LH | ↓ | |
FSH | → or ↑ | |
コルチゾール | → or ↑ |
神経性食思不振症 | 下垂体機能低下症 | ANについて | |||
好発年齢 | 思春期 | 全年齢 | |||
性差 | 女>>男 | なし | |||
体重 | 著明に減少 | 不定 | |||
食欲不振 | 高度 | 希 | |||
食行動の異常 | 高頻度 | なし | |||
精神運動異常 | 活発 | 無欲状 | |||
月経異常 | あり(体重減少に先行) | あり | |||
産毛の増加 | あり | なし? | |||
恥毛・腋毛脱落 | なし | あり | LH, FSHが少しは存在するため。 | ||
乳腺萎縮 | 軽度 やせに比して乳房は保たれる |
著明 | |||
下垂体機能 | GH | 正常~高値 | 低値 | IGF-I低値 | |
ACTH | 正常~高値 | 低値 | |||
LH, FSH | 低値 | 低値 | |||
TSH | 正常 | 低値 | |||
甲状腺機能 | 低T3症候群 | 機能低下 | T4正常、reverse T3上昇 | ||
副腎皮質機能 | 正常 (コルチゾール高値例あり) |
機能低下 (コルチゾール低値) |
|||
頭部CT・MRI | 異常なし | 異常例有り (下垂体腫瘍, empty sellaなど) |
|||
症状 | 背部のうぶ毛の増加、便秘、 低血圧、徐脈、下腿浮腫、 循環障害による皮膚色の変化や 凍瘡、末梢神経麻痺、 カロチン症など |
中枢性刺激 | 化学受容器引金帯刺激 | 薬物 | アポモルヒネ、モルヒネ、ジギタリス、抗菌薬、抗癌薬、降圧薬、アミノフイリン、コルヒチン、アルコール |
毒物 | 重金属、ガス | ||
放射線 | 各種癌治療後 | ||
感染症 | 細菌毒素 | ||
内分泌疾患 | 肝性脳症、糖尿病性ケトアシドーシス/高血糖高浸透圧症候群、尿毒症、妊娠悪阻、妊娠高血圧症候群 | ||
代謝疾患 | 甲状腺クリーゼ、副腎不全、Addison病 | ||
直接刺激 | 脳圧亢進 | 頭部外傷、脳腫瘍、脳出血、くも膜下出血、髄膜炎、脳への放射線療法後 | |
脳循環障害 | ショック、低酸素脳症、脳梗塞、片頭痛、脳炎、髄膜炎 | ||
上位中枢刺激 | 神経性食思不振症、不快感、てんかん、ヒステリー、抑うつ状態、うつ病、過度の嫌悪感、不快感、拘禁反応による恐怖、ストレス、視覚・嗅覚・味覚的刺激 | ||
末梢性刺激 | 消化管疾患 | 舌咽頭疾患 | アデノイド、咽頭炎 |
食道疾患 | 胃食道逆流症、食道裂孔ヘルニア、食道癌 | ||
胃腸疾患 | 急性胃炎、急性胃十二指腸粘膜病変、急性腸炎、急性虫垂炎、消化性潰瘍、食中毒、消化管腫瘍、寄生虫、食中毒、Mallory-Weiss症候群 | ||
消化管通過障害 | 腸閉塞、胃幽門部狭窄、輸入脚症候群 | ||
腹膜疾患 | 腹膜炎 | ||
胆膵疾患 | 急性胆嚢炎、急性胆管炎、急性膵炎、膵癌、胆管癌 | ||
肝疾患 | 急性肝炎 | ||
循環器疾患 | うっ血性心不全、狭心症、急性心筋梗塞 | ||
泌尿器科疾患 | 尿路結石、腎結石、急性腎炎、腎盂腎炎、腎不全 | ||
耳鼻咽喉科疾患 | 中耳炎、Meniere病、乗り物酔い | ||
眼科疾患 | 緑内障 | ||
呼吸器科疾患 | 肺結核、胸膜炎、肺癌、咳嗽発作 | ||
婦人科疾患 | 子宮付属器炎、月経前症候群、更年期障害 | ||
脊髄疾患 | 脊髄癆、多発性硬化症 | ||
膠原病 | 結節性多発動脈炎、強皮症、側頭動脈炎 |
新生児 | 乳児 | 幼児~学童 | |
消化器疾患以外で見・落とさないよう注意する疾患 | 敗血症・髄膜炎・水頭症・脳奇形・尿路感染症 | 髄膜炎・脳炎・脳症・虐待児・尿路感染症・呼吸器感染症・心疾患・薬物中毒・誤嚥 | 脳炎・脳症・脳腫瘍・肺炎・中耳炎・頭部外傷・薬物中毒・心筋炎・不整脈 |
よくある消化器疾患 | 溢乳・空気嚥下・哺乳過誤・初期嘔吐・胃食道逆流現象・胃腸軸捻転・腸管感染症・壊死性腸炎 | 食事過誤・空気嚥下・便秘・腸管感染症・幽門狭窄症・腸重積症・胃食道逆流現象・胃長軸捻転・食事アレルギー | 腸管感染症・急性虫垂炎・肝・腹部外傷・肝炎・胆嚢炎・膵炎・腹部外傷・食事アレルギー・好酸球性胃腸症 |
主な代謝性疾患 | 先天性副腎過形成・ガラク卜ース血症 | 先天性副腎過形成・Reye症候群 | アセトン血性嘔吐症・ケトン性低血糖症・糖尿病性ケトアシドーシス・Reye症候群 |
その他 | 起立性調節障害・神経性食思不振症 | ||
外科的疾患 | 食道閉鎖・狭窄症・胃軸捻転・十二指腸閉鎖・狭窄症・腸回転異常・捻転・小腸閉鎖症・Hirschsprung病・胎便性イレウス・稀に腸重積・肥厚性幽門狭窄・特発性腸管偽性閉鎖症 | 肥厚性幽門狭窄症・腸重積・腸回転異常・捻転・Hirschsprung病・虫垂炎 | 虫垂炎・腸重積・腸回転異常・捻転・上腸間膜動脈症候群・腫瘍・嚢胞 |
incidence | |
腹痛 | 85~95 % |
嘔吐 | 43~88 % |
便秘 | 48~84 % |
脱力 | 42~60 % |
精神症状 | 40~58 % |
四肢、頭部、頚部、胸部の疼痛 | 50~52 % |
高血圧 | 36~54 % |
頻脈 | 28~80 % |
痙攣 | 10~20 % |
感覚麻痺 | 9~38 % |
発熱 | 9~37 % |
呼吸筋麻痺 | 9~14 % |
下痢 | 5~12 % |
種類\頻度 | 5%以上 | 5%未満 | 頻度不明 |
肝臓 | 肝機能異常,黄疸 | コリンエステラーゼ低下 | |
腎臓 | 蛋白尿,浮腫 | 食欲不振,味覚異常,胸やけ,おくび,腹部膨満感 | |
消化器 | 悪心・嘔吐 | 口渇,潰瘍性口内炎,腹痛,便秘,下痢 | |
過敏症 | 発疹 | ||
皮膚 | 脱毛 | 皮膚炎,色素沈着,爪の変形・変色 | |
精神神経系 | 頭痛,眩暈,不眠,運動失調 | 倦怠感 | |
呼吸器 | 肺水腫 | ||
循環器 | 心電図異常,心悸亢進,低血圧 | ||
内分泌系 | 副腎皮質機能不全 | 甲状腺機能亢進 | |
性腺 | 無月経 | 無精子症,卵巣機能不全 | |
その他 | 発熱,注射時熱感,局所痛,CK(CPK)上昇 | 創傷の治癒遅延,高血糖 |
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