アルツハイマー病
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Japanese Journal
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- アルツハイマー病(Alzheimer's disease; AD)は、認知機能低下、人格の変化を主な 症状とする認知症の一種である。日本では、認知症のうちでも脳血管性認知症、レビー 小体病と並んで最も多いタイプである。 アルツハイマー病(AD)には、以下の2つの タイプ ...
- 軽度のアルツハイマー型認知症. 年月日の感覚が不確か《時間の見当識障害》; 夕食の 準備や買い物(必要な材料、支払い)で失敗する. 中等度のアルツハイマー型認知症. 近所以外では迷子になる《場所の見当識障害》; 買い物を一人でできない; 季節に合った ...
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[★]
- 次の文を読み、53~55 の問いに答えよ。
- 78歳の男性。異常な言動を心配した家族に伴われて来院した。
- 現病歴:2年前から、前日の出来事を思い出せなかったり、当日の予定を30分おきに確認するようになった。同時期から夜間に大きな寝言を言ったり、手足をバタバタさせていることに家族が気付くようになった。1年前から、家にいるのに、家に帰らないといけない、亡くなった人が来ているというようになった。このころから動作が遅く、食事や着替えに時間がかかるようになった。数日前からは繰り返し、ものをとられた、隣人が自分の悪口を言っているといって騒ぎ立てるようになったため、困惑した家族に伴われて受診した。
- 既往歴:75歳時に両側の白内障手術。
- 家族歴:父親が脳梗塞。母親が胃癌。
- 生活歴:喫煙は65歳まで10本/日を45年間。13年前から禁煙している。飲酒は機会飲酒。76歳の妻と長女夫婦と同居している。
- 現症:意識は清明。身長 168cm、体重 62kg。体温 36.3℃。脈拍 72/分、整。血圧 148/82mmHg。呼吸数 16/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。改訂長谷川式簡易知能評価スケール12点(30点満点)、Mini-Mental State Examination(MMSE)14点(30点満点)。脳神経に異常を認めない。四肢で左右対称性に軽度の筋強剛を認める。腱反射は正常で、Babinski徴候は陰性。運動麻痺、感覚障害および運動失調を認めない。歩行はやや不安定でつまずきやすい。
- 検査所見:尿所見に異常を認めない。血液所見:赤血球 418万、Hb 13.2g/dL、Ht 42%、白血球 6,300、血小板 23万、PT 78%(基準 80~120)。血液生化学所見:総蛋白 7.2g/dL、アルブミン 4.0g/dL、総ビリルビン 0.8mg/dL、AST 22IU/L、ALT 38IU/L、LD 328IU/L(基準 176~353)、ALP 254IU/L(基準 115~359)、γ-GTP 26IU/L(基準 8~50)、アミラーゼ 95IU/L(基準 37~160)、CK 96IU/L(基準 30~140)、尿素窒素 18mg/dL、クレアチニン 0.8mg/dL、尿酸 6.3mg/dL、血糖 102mg/dL、HbA1c 5.8%(基準 4.6~6.2)、総コレステロール 242mg/dL、トリグリセリド 186mg/dL、Na 136mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 98mEq/L、TSH 3.8μU/mL(基準 0.2~4.0)、FT3 2.6pg/mL(基準 2.5~4.5)、FT4 1.0ng/dL(基準 0.8~2.2)。CRP 0.4mg/dL。脳血流SPECT(別冊No. 10A)とドパミントランスポーターSPECT(別冊No. 10B)とを別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110B053]←[国試_110]→[110B055]
[★]
- 次の文を読み、52~54の問いに答えよ。
- 88歳の女性。食事をとらないことを心配した家族から訪問診療の際に相談を受けた。
- 現病歴:5年前にAlzheimer型認知症と診断された。数年前から下肢筋力が低下していた。数か月前からは長男の妻の介助だけでは車椅子乗車も不可能となり、ほとんど臥床している状態となった。通院が困難なため訪問看護と訪問診療が開始となった。長男の妻によれば「最近、食事をとらないことが多く、義歯をはめると嫌がり、むせることも多い」という。
- 既往歴:高血圧症のため内服加療中。
- 生活歴:夫は5年前に死亡。長男夫婦と同居。主な介護者は長男の妻である。要介護4。1日1回の訪問介護と、週に3回のデイサービスを利用している。排泄にはオムツを使用している。食事は家族の介助で摂取している。入浴はデイサービスを利用している。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:身長145cm、体重30kg(1か月前の体重は32kgであった)。体温35.8℃。脈拍56/分、整。血圧92/70mmHg。呼吸数12/分。SpO2 97%(room air)。皮膚はやや乾燥している。眼瞼結膜に異常を認めない。眼球結膜に黄染を認めない。口腔粘膜に異常を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。心尖部にII/VI度の汎収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢に軽度の浮腫を認める。
- 検査所見:血液所見:赤血球368万、Hb 11.9g/dl、Ht 38%、白血球5,300、血小板12万。血液生化学所見:血糖90mg/dl、総蛋白5.9g/dl、アルブミン2.9g/dl、尿素窒素25mg/dl、クレアチニン0.9mg/dl、総コレステロール186mg/dl、トリグリセリド70mg/dl、総ビリルビン0.7mg/dl、AST 20IU/l、ALT12IU/l、ALP 273IU/l(基準115~359)、γ-GTP 25IU/l(基準8~50)、CK 28IU/l(基準30~140)、Na 131mEq/l、K 3.2mEq/l、Cl 97mEq/l。
- 訪問診療の1週後、同居する長男とその妻に嘔吐と下痢とが出現し急性胃腸炎と診断された。翌日、患者にも嘔吐と下痢とが認められた。
[正答]
※国試ナビ4※ [107B052]←[国試_107]→[107B054]
[★]
- 次の文を読み、52~54の問いに答えよ。
- 88歳の女性。食事をとらないことを心配した家族から訪問診療の際に相談を受けた。
- 現病歴:5年前にAlzheimer型認知症と診断された。数年前から下肢筋力が低下していた。数か月前からは長男の妻の介助だけでは車椅子乗車も不可能となり、ほとんど臥床している状態となった。通院が困難なため訪問看護と訪問診療が開始となった。長男の妻によれば「最近、食事をとらないことが多く、義歯をはめると嫌がり、むせることも多い」という。
- 既往歴:高血圧症のため内服加療中。
- 生活歴:夫は5年前に死亡。長男夫婦と同居。主な介護者は長男の妻である。要介護4。1日1回の訪問介護と、週に3回のデイサービスを利用している。排泄にはオムツを使用している。食事は家族の介助で摂取している。入浴はデイサービスを利用している。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:身長145cm、体重30kg(1か月前の体重は32kgであった)。体温35.8℃。脈拍56/分、整。血圧92/70mmHg。呼吸数12/分。SpO2 97%(room air)。皮膚はやや乾燥している。眼瞼結膜に異常を認めない。眼球結膜に黄染を認めない。口腔粘膜に異常を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。心尖部にII/VI度の汎収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢に軽度の浮腫を認める。
- 検査所見:血液所見:赤血球368万、Hb 11.9g/dl、Ht 38%、白血球5,300、血小板12万。血液生化学所見:血糖90mg/dl、総蛋白5.9g/dl、アルブミン2.9g/dl、尿素窒素25mg/dl、クレアチニン0.9mg/dl、総コレステロール186mg/dl、トリグリセリド70mg/dl、総ビリルビン0.7mg/dl、AST 20IU/l、ALT12IU/l、ALP 273IU/l(基準115~359)、γ-GTP 25IU/l(基準8~50)、CK 28IU/l(基準30~140)、Na 131mEq/l、K 3.2mEq/l、Cl 97mEq/l。
- 患者の下痢は1週間で軽快したものの、下痢を契機に食欲は更に低下していった。認知症の進行のため患者の希望は聴取不可能であったが、家族と相談して自宅療養を続ける方針となった。
[正答]
※国試ナビ4※ [107B053]←[国試_107]→[107B055]
[★]
- 次の文を読み、52~54の問いに答えよ。
- 88歳の女性。食事をとらないことを心配した家族から訪問診療の際に相談を受けた。
- 現病歴:5年前にAlzheimer型認知症と診断された。数年前から下肢筋力が低下していた。数か月前からは長男の妻の介助だけでは車椅子乗車も不可能となり、ほとんど臥床している状態となった。通院が困難なため訪問看護と訪問診療が開始となった。長男の妻によれば「最近、食事をとらないことが多く、義歯をはめると嫌がり、むせることも多い」という。
- 既往歴:高血圧症のため内服加療中。
- 生活歴:夫は5年前に死亡。長男夫婦と同居。主な介護者は長男の妻である。要介護4。1日1回の訪問介護と、週に3回のデイサービスを利用している。排泄にはオムツを使用している。食事は家族の介助で摂取している。入浴はデイサービスを利用している。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:身長145cm、体重30kg(1か月前の体重は32kgであった)。体温35.8℃。脈拍56/分、整。血圧92/70mmHg。呼吸数12/分。SpO2 97%(room air)。皮膚はやや乾燥している。眼瞼結膜に異常を認めない。眼球結膜に黄染を認めない。口腔粘膜に異常を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。心尖部にII/VI度の汎収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢に軽度の浮腫を認める。
- 検査所見:血液所見:赤血球368万、Hb 11.9g/dl、Ht 38%、白血球5,300、血小板12万。血液生化学所見:血糖90mg/dl、総蛋白5.9g/dl、アルブミン2.9g/dl、尿素窒素25mg/dl、クレアチニン0.9mg/dl、総コレステロール186mg/dl、トリグリセリド70mg/dl、総ビリルビン0.7mg/dl、AST 20IU/l、ALT12IU/l、ALP 273IU/l(基準115~359)、γ-GTP 25IU/l(基準8~50)、CK 28IU/l(基準30~140)、Na 131mEq/l、K 3.2mEq/l、Cl 97mEq/l。
[正答]
※国試ナビ4※ [107B051]←[国試_107]→[107B053]
[★]
- 65歳の女性。2年前から物の名前や言葉が思い浮かばず、ろれつも回りづらくなり、会話がたどたどしくなってきた。年前から徐々に右手の動きがぎこちなくなり、ボタン掛けや箸使いが困難になってきた。最近、右手が勝手に動き、自分の意志では制御できなくなってきたため受診した。意識は清明。身長 153cm、体重 43kg。体温 36.1℃。脈拍 72/分、整。血圧 118/68mmHg。改訂長谷川式簡易知能評価スケール 19点(30点満点)、Mini-Mental State Examination(MMSE) 22点(30点満点)。発語は努力性で非流暢であり、発音も明瞭ではないが、言語理解は保たれている。右上肢には衣服をまさぐるような動きが断続的にみられ、制止を指示すると自らの左手で右手を抑制する。右上肢には高度の筋強剛がみられるが、左上下肢の筋緊張は正常である。筋萎縮や振戦は認めない。四肢の腱反射は正常で、Babinski徴候を認めない。歩行では右下肢の振り出しに遅れがみられる。頭部MRIのT1強調冠状断像(別冊No.10)を別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113D031]←[国試_113]→[113D033]
[★]
- 83歳の男性。8年前にAlzheimer型認知症と診断された。5年前までは徘徊も多く家族も苦労したが、2年前からは自宅内で過ごすことが多くなった。1年前から経口摂取量が減少し、むせることが多くなった。1年間で体重は7kg減少した。3か月前からはベッド上での生活となり、経口摂取量もさらに減少した。2週前に肺炎のため、急性期病院に入院した。抗菌薬の投与で回復したが、意識レベルが低下して経管栄養となり、療養病床を持つ病院へ転院となった。入院時の意識レベルはJCS II-30、家族を認識することは困難であった。転院後2か月、意識レベルはJCS III-100まで徐々に低下した。これまで献身的に介護してきた家族は、本人の事前の意志もあり.延命措置を望まないと医師に伝えた。
- 対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104G056]←[国試_104]→[104G058]
[★]
- 72歳の女性。幻視を主訴に長女に伴われて受診した。1週前に「家に来ていた孫が急にいなくなった」と長女に電話した。長女によれば孫が来ているはずはないが「朝起きて居間に行くと、孫が黙って座っている姿が見えた。一生懸命勉強をしているようなので声をかけずにそっとしておいた。孫が家の中を歩いているのを見たが、こちらから呼ぶといなくなっていた」と述べた。数年前から長女の家に泊まった際に、夜中に寝言を言ったり笑ったりするのに気付かれていた。本人は「夢を見ていた」と述べることが多かった。半年ほど前から動作の緩慢が目立つようになっていたという。問診時の感情表出は自然であり礼節は保たれ、時間や場所の見当識に問題はなかった。血液検査と脳波検査とに異常を認めない。頭部MRIでは軽度の脳萎縮を認める以外に異常所見は認めない。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114D046]←[国試_114]→[114D048]
[★]
- 78歳の女性。繰り返す奇妙な動作を心配した夫に付き添われて来院した。4年前から物忘れが目立つようになり、徐々に買い物や炊事に支障をきたすようになった。2年前にAlzheimer型認知症と診断され、ドネペジルの処方を受けていた。2か月前から、食事中や会話中に突然それまでの動作が止まり、口唇を尖らせた後に1分間くらい口をもぐもぐするようになった。この間、家族が声をかけても返答はなく、視線は宙を見据えている。奇妙な動作中の意識があるかどうかを確認するため詳しく問診しても、認知症のため確かな返答は得られない。意識は清明。体温 36.2℃。脈拍 56/分、整。血圧 126/80mmHg。神経診察では局所神経徴候を示す異常所見を認めない。頭部MRIで海馬の萎縮を認めるが、1年前と比較して新たな病変はみられない。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113D021]←[国試_113]→[113D023]
[★]
- 50歳の女性。ぼーっとした様子になったことを心配した家族に連れられて来院した。もともと明るい性格で、家事やパートタイムの仕事を活発にこなしていたが、1か月前に長男が大学受験に失敗した頃から「ゆううつだ、元気が出ない」と訴え始めた。家族によると、2週前に自宅近くの診療所を受診し抗うつ薬と睡眠薬とを処方されたが改善せず、数日前からぼーっとした様子になったという。家事の手際が普段よりはるかに悪く、時間がかかっている。5年前に人間ドックで慢性甲状腺炎を指摘されていた。診察時、抑うつ気分、意欲の低下および注意機能の低下がみられた。頭部MRIで異常を認めない。脳波検査では基礎波として広汎な8~9Hzのα波がみられた。
- この患者にみられる精神障害として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110I068]←[国試_110]→[110I070]
[★]
- 78歳の女性。物忘れを主訴に娘に伴われて来院した。夫と死別後は一人暮らし。2、3年前から娘が訪ねて行くと、物を探していることが多かった。最近「物が盗まれた」と言うことが頻繁になった。意識は清明。身長152cm、体重45kg。体温36.2℃。脈拍72/分、整。血圧136/72mmHg。胸腹部に異常を認めない。神経学的診察では、脳神経、運動系、感覚系、腱反射、および協調運動に異常を認めない。改訂長谷川式簡易知的機能評価スケールは23点(満点30)であった。脳波検査に異常を認めない。血液生化学所見に異常を認めない。頭部単純MRIを以下に示す。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103D021]←[国試_103]→[103D023]
[★]
- 78歳の女性。白内障手術目的で入院中である。 1年前から記銘力低下がみられるようになり、 Alzheimer型認知症と診断されて薬物療法が開始され、介護サービスを受けながら独居生活を続けていた。数年来の視力低下のために日常生活での支障が大きくなり、白内障手術目的で入院となった。入院翌日、ベッドから起き上がらず、朝食も摂らず、まとまりのないことを小声でつぶやくのみで質問に対してほとんど反応がなかった。身体所見に異常はなく、血液生化学所見でも術前検査と比較して有意な変化はなかった。また、頭部 CTでも半年前と比較して新たな病変はみられなかった。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108D035]←[国試_108]→[108D037]
[★]
- 61歳の女性。無表情、無関心で元気がなくなったことを心配した家族に伴われて来院した。半年前から毎日、同じ時間に寝て起き、必ず同じ経路を散歩し、同じ料理しか作らず、他の家事をしなくなってきた。夫が注意しても平気な態度を示す。夫は「些細なことで急に怒り出すこともあって、人が変わってしまったようだ」と言う。診察室に入った途端に、自分では困ったことはないと挨拶もせず帰ろうとする。問題行動についての質問には返答しない。明らかな記銘力の低下を認めない。神経学的所見を含め身体所見に異常を認めない。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109I042]←[国試_109]→[109I044]
[★]
- 62歳の女性。物忘れを主訴に一人で来院した。半年前から大切なことを忘れそうで何かとメモを取るようになった。メモを取っても取り忘れたのではないかと落ち着かなくなる。だんだん記憶力が落ちてきたと思う。楽しみにしていた友人との旅行を、旅先で体調を崩すのが心配になって取りやめてしまった。救急車のサイレンを聞くと、孫が事故にあったのではないかと気もそぞろになる。動悸がしやすく、時々めまいもするが、家事全般はこなしている。身なりは整い、動作は機敏で、面接中はやや緊張しているが、受け答えは適切である。
[正答]
※国試ナビ4※ [103A038]←[国試_103]→[103A040]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105E054]←[国試_105]→[105E056]
[★]
- 65歳の男性。睡眠中の行動異常を主訴に妻に伴われて来院した。5年前からしばしば悪夢を見てはっきりした寝言を言うようになった。次第に睡眠中に大声で叫んだり笑ったりするようになり、上肢を振り回し妻に殴りかかることがあった。寝言や寝ぼけた行動は夢の内容に対応していた。
- 最も考えられる疾患について正しいのはどれか。
- a Alzheimer型認知症に移行する可能性が高い。
- b 徐波睡眠相に一致して行動異常が出現する。
- c 妻に対する無意識の敵意が原因である。
- d 寝室環境の調整が必要である。
- e 過眠を伴うことが多い。
[正答]
※国試ナビ4※ [111I040]←[国試_111]→[111I042]
[★]
- 75歳の男性。コミュニケーションが取れないため家族に連れられて来院した。2年前から会話が指示代名詞ばかりとなり、次第に言葉数が少なくなった。周囲に対して関心を示さず、部屋に閉じこもるようになり、最近は目的もなく毎日決まった時刻に全く同じルートを徘徊し、制止しても言うことをきかないという。神経学的所見に異常を認めない。改訂長谷川式簡易知能検査は協力が得られない。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111A045]←[国試_111]→[111A047]
[★]
- 89歳の女性。大腿骨骨折で入院中である。10年前にAlzheimer型認知症と診断され内服治療中である。2日前に室内で転倒し動けなくなり救急車で搬送された。左大腿骨転子部骨折を認め、昨日、骨接合術を受けた。手術当日の経過は順調で夜間も良眠した。術後1日目の夕方から落ち着かなくなり、夜になって立ち上がろうとして一晩中大声で看護師を呼び続けていた。
- 対応として適切なのはどれか。
- a 強く叱責する。
- b 疼痛管理を見直す。
- c 体幹抑制を終日行う。
- d ナースコールを取り外す。
- e 同様に叫ぶ患者と同室にする。
[正答]
※国試ナビ4※ [109B043]←[国試_109]→[109B045]
[★]
- 81歳の女性。75歳ころから記銘力の低下がみられるようになり、物忘れ外来でAlzheimer型認知症と診断された。薬物療法や記憶回復訓練を受けたものの認知機能低下は進行し、2年前から介護保険施設に入所している。約1か月前から鏡に映った自分に挨拶し困惑した表情を浮かべていることに施設の職員が気付き、定期受診の際に主治医に相談した。
- この患者に1か月前からみられる症状はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107G050]←[国試_107]→[107G052]
[★]
- 60歳の男性。従来は周囲に対する配慮ができていたが、最近は著しく自己中心的な言動が目立つようになったことを心配した家族に伴われて来院した。 1年前から気力がなくなり、ぽーつとたたずんでいることが多くなった。自室内には、数か月前から収集し続けているペットボトルが山積みになっているという。
- 最も考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105D021]←[国試_105]→[105D023]
[★]
- 77歳の男性。1年前から緩徐に進行する歩行困難と尿失禁とを主訴に来院した。軽度の開脚歩行である。その他の身体診察所見に異常を認めない。頭部MRIのT2強調冠状断像(別冊No. 15)を別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106I060]←[国試_106]→[106I062]
[★]
- 英
- Alzheimer disease, Alzheimer's disease
- 同
- (国試)Alzheimer病、(以下、厳密には同義ではない)→アルツハイマー型認知症、アルツハイマー型痴呆 dementia of the Alzheimer type DAT, Alzheimer-type dementia Alzheimer type dementia ATD
- Alzheimer型痴呆、Alzheimer型認知症
- 関
- ドネペジル、認知症
概念
進行性痴呆のなかで脳血管障害による痴呆に次いで多い (EPT.257)
- 大脳皮質のびまん性萎縮が見られる (EPT.257)
- 前脳基底野コリン作動性ニューロンの選択的な変性が見られ、アセチルコリンの産生が低下
- 病理学的には、老人斑とアルツハイマー神経線維変化が見られる (EPT.257)
疫学
- 有病率:65歳以上5-10%。65~69歳:1.5%、85歳~:27.3%。
- 認知症の半数がアルツハイマー病
- アルツハイマー病の5-10%が家族性
アルツハイマーのリスクファクター
- 高コレステロール
- 血圧
- ホモシステイン
- 糖尿病。内臓脂肪(メタボリックシンドローム)
- 喫煙
病理
- 老人斑:細胞外にβアミロイドが沈着。
- 神経原線維変化:細胞内にリン酸化されたタウ蛋白が凝集し、らせん構造をとる
症状
1. 中核症状
- 1. 健忘(記銘力、記憶力)
- 2. 見当識障害
- 3. 思考力障害
- 4. 計算力障害
2. 周辺症状
- 不安、抑うつ、徘徊、不眠、妄想、せん妄、幻覚、暴行、焦燥感
他疾患との比較
未分類
- 空間視の障害:例えば立方体の模写ができない。頭頂葉の障害とされる。
- 着衣失行
検査
./t_image/103/103D003.jpg
国試
[★]
- 英
- dementia
- 同
- 痴呆、痴呆症、器質痴呆 organic dementia
- 関
- amyotrophic lateral sclerosis、ハチンスキー虚血スコア
定義
- いったん正常に発達した知的機能が持続的に低下し、複数の認知障害があるために社会生活に支障をきたすようになった状態。(参考1)
- 1. 知的機能が脳の器質性障害によって低下
- 2. 認知機能が選択的に障害された状態(PSY.312)
- 3. 記憶と判断力の障害を基本とする症候群(PSY.312)
認知症の概念
- 1. 記憶障害
- 2. 記憶以外の認知機能の障害
- 3. それらによる日常生活や職業生活の障害
- 4. 意識障害によらないこと
認知症と区別すべき病態
など
認知症の分類
-
-
- ピック病:行動の障害、人格変化。Pick球やPick細胞が存在
原因疾患
原因
- KPS.369
認知症症状
1. 中核症状
- 記憶障害:初期には記銘力、短期記憶から障害される。早期:エピソード記憶 → 重症:意味記憶
- 判断力低下
- 見当識障害
- 言語障害(失語)
- 失行
- 失認
2. 周辺症状
認知症と老化現象との違い
- 老化現象
- 体験の一部を忘れる ← ヒントを与えられると思い出せる
- 名前や日付などをとっさに思い出せる
- 日常生活に支障はない
- 物忘れに対して自覚がある
- 体験した全てを忘れる。最近の記憶がない ← ヒントを与えられてても思い出せない
- 時間や自分のいる場所が分からない
- 日常生活を営むことが困難
- 物忘れに対して自覚がない
検査
診断
|
アルツハイマー病
|
脳血管性認知症
|
ピック病
|
認知症
|
全般的認知症
|
まだら認知症
|
アルツハイマー病に類似。 早期には人格、注意力が障害され、 次第に記憶力も障害される。
|
人格
|
晩期に人格障害
|
保たれる
|
早期に人格障害
|
病識
|
なし(初期にはあり)
|
あり
|
なし
|
経過
|
進行性
|
動揺性、階段状に進行性
|
進行性
|
基礎疾患
|
特になし
|
高血圧、糖尿病、心疾患
|
特になし
|
画像検査
|
対称性の脳溝開大
|
脳実質内に脳梗塞巣
|
側頭葉と前頭葉の萎縮
|
機能画像検査
|
側頭葉、頭頂葉での代謝低下
|
前頭葉を中心とした多発性の脳代謝低下
|
前頭葉、側頭葉での代謝低下
|
treatable dementia
- 治療可能な認知症を診断しておく。根本的な治療が可能で、認知機能は可逆的である。
- → 治療できる認知症
治療
認知症高齢者を対象とした事業・施設
国試
[★]
- 英
- cognition
- 同
- 認識 recognition
- 関
- 認知症
二次感覚野
↓
判断:感覚連合野
| ↓
| 記憶:辺縁系・扁桃核
| ↓
意志:運動連合野
↓
二次運動野
- 認知症ではこの認知が傷害される
[★]
- 英
- sis, pathy