- 英
- lactulose
- 商
- カロリール、ピアーレDS、ピアーレ、モニラック、ラグノス、リフォロース
- 関
- 他に分類されない代謝性医薬品
効能又は効果/用法及び用量
- モニラック・シロップ65%
- 産婦人科術後の排ガス・排便の促進
- 小児における便秘の改善
薬効薬理
- モニラック・シロップ65%
- 1. ヒト消化管粘膜にはラクツロースを単糖類に分解する酵素がないので、経口投与されたラクツロースの大部分は消化吸収されることなく下部消化管に達し、細菌による分解をうけて有機酸(乳酸、酢酸等)を生成しpHを低下させた。その結果、pH値酸性側で十分生育できるLactobacillusは増加し、Bacteroides、E. coli等は減少した7,8)。
- 2. 下部消化管に達したラクツロースは、その浸透圧作用により緩下作用を発揮するが、さらにウサギ腸管を用いた実験によりラクツロースの分解により生成した有機酸が腸管運動を亢進させることが示された9)。
- 3. ヒト腸管ではpHが高いほどアンモニアの腸管吸収率の高いことが認められているが、ラクツロースの分解によって生成した有機酸により腸管内pHが低下するため、腸管でのアンモニア産生及びアンモニアの腸管吸収が抑制され、血中のアンモニアが低下した10,11)。
- 4. ヒトの高アンモニア血症等の肝障害に対しては、多くの場合食事性蛋白の制限を必要とするがラクツロースの経口投与により蛋白摂取の増量が可能となり、血清アルブミン値の改善が認められた12)。
添付文書
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3999001Q2058_1_02/3999001Q2058_1_02?view=body
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ラクツロース
|
|
IUPAC命名法による物質名 |
4-O-β-D-Galactopyranosyl-β-D-fructofuranose
OR
(2S,3R,4S,5R,6R)-2-((2R,3S,4S,5R)-4,5-dihydroxy-2,5-bis(hydroxymethyl) tetrahydrofuran-3-yloxy)-6-(hydroxymethyl)tetrahydro-2H-pyran-3,4,5-triol |
臨床データ |
商品名 |
Constulose |
AHFS/Drugs.com |
monograph |
MedlinePlus |
a682338 |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
|
投与方法 |
Oral |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
Poorly absorbed |
代謝 |
100% in colon by enteric bacteria |
半減期 |
1.7-2 hours |
排泄 |
Fecal |
識別 |
CAS番号 |
4618-18-2 |
ATCコード |
A06AD11 |
PubChem |
CID 11333 |
DrugBank |
DB00581 |
ChemSpider |
10856 |
UNII |
9U7D5QH5AE |
KEGG |
D00352 |
ChEBI |
CHEBI:6359 |
ChEMBL |
CHEMBL296306 |
化学的データ |
化学式 |
C12H22O11 |
分子量 |
342.296 g/mol |
SMILES
- O[C@H]2[C@H](O[C@@H]1O[C@H](CO)[C@H](O)[C@H](O)[C@H]1O)[C@H](O[C@]2(O)CO)CO
|
InChI
-
InChI=1S/C12H22O11/c13-1-4-6(16)7(17)8(18)11(21-4)22-9-5(2-14)23-12(20,3-15)10(9)19/h4-11,13-20H,1-3H2/t4-,5-,6+,7+,8-,9-,10+,11+,12-/m1/s1
Key:JCQLYHFGKNRPGE-FCVZTGTOSA-N
|
ラクツロース(Lactulose)は、慢性便秘[1]、肝性脳症、肝臓病等の治療に用いられる非消化性の合成糖である。フルクトースとガラクトースから構成される二糖である。ラクツロースは、生の牛乳中には含まれないが、加熱で生じる[2]。加熱すればするほど多く生じ、低温殺菌牛乳では3.5 mg/l、容器内殺菌牛乳では744 mg/lになる[3]。商業的には、ラクトースの異性化により生産される。
浸透圧性瀉下薬に分類され、基礎的な医療制度に必要な薬品を集めたWHO必須医薬品モデル・リストにも掲載されている[4]。
出典
- ^ Voskuijl W, de Lorijn F, Verwijs W, Hogeman P, Heijmans J, Mäkel W, Taminiau J, Benninga M (November 2004). "PEG 3350 (Transipeg) versus lactulose in the treatment of childhood functional constipation: a double blind, randomised, controlled, multicentre trial". Gut 53 (11): 1590–4. doi:10.1136/gut.2004.043620. PMC 1774276. PMID 15479678.
- ^ M. Luzzana, D. Agnellini, P. Cremonesi, G. Caramenti, S. De Vita (September–October 2003). "Milk lactose and lactulose determination by the differential pH technique". Le Lait 83 (5): 409–16. doi:10.1051/lait:2003022.
- ^ E. Marconi, M. C. Messia, A. Amine, D. Moscone, F. Vernazza, F. Stocchi, G. Palleschi (2004). "Heat-treated milk differentiation by a sensitive lactulose assay". Food Chemistry 84: 447–50. doi:10.1016/S0308-8146(03)00268-1.
- ^ “WHO Model List of Essential Medicines”. World Health Organization (2013年10月). 2014年4月22日閲覧。
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- Alimentary Tract IBSにおける小腸内細菌異常増殖--systemic reviewおよびメタ解析
- 三輪 洋人 [訳],Ford Alexamder C.,Spiegel Brennan M. R. [他]
- Review of gastroenterology & clinical gastroenterology and hepatology 5(1), 43-45, 2010-05
- NAID 40017125253
- 犬のリンパ球プラズマ細胞性腸炎における腸粘膜透過性の測定(内科学)
- 小林 作,大野 耕一,上塚 浩司,中島,瀬戸口 明日香,藤野 泰人,辻本 元
- The journal of veterinary medical science 69(7), 745-749, 2007-07-25
- リンパ球プラズマ細胞性腸炎(Lymphocytic-plasmacytic enteritis LPT)は,犬の炎症性腸疾患(Inflammatory bowel disease IBD)の一種であり,腸粘膜防御機構の崩壊がその原因のひとつとして考えられている.今回我々は,犬のLPEにおいて腸粘膜透過性を測定しその有用性を検討した.症状や臨床病理学的検査・病現組織学的検査によりLPEと診断された2 …
- NAID 110006366685
- Chronic portal-systemic shunt encephalopathy (CPSE) による高アンモニア血症のために意識障害を反復した1例
- 上田 美緒,小島 智亜里,杉浦 秀和,大貫 隆子,田中 好子,藤生 亜由子,鈴木 基文,三宮 彰仁,新田 孝作,秋葉 隆
- 日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy 40(5), 445-450, 2007-05-28
- 症例は76歳, 女性. 1997年11月糖尿病性腎症による慢性腎不全にて血液透析導入, 腎癌にて右腎摘出. 2000年胃癌にて胃亜全摘の既往あり. 2005年5月頃より目のかすみ, 振戦, 腰痛などの症状出現. また, 透析後半に一過性の意識障害が出現したが, 頭部CTでは異常所見なくTIA (transient ischemic attacks) を疑われていた. 同年6月2日再び意識障害Jap …
- NAID 10019967053
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
モニラック原末
組成
有効成分・含有量(1g中)
- 結晶性ラクツロース 1000mg
(結晶性ラクツロースは、ラクツロース(C12H22O11)97.0%以上を含有する。)
効能または効果
高アンモニア血症に伴う下記症候の改善
産婦人科術後の排ガス・排便の促進
小児における便秘の改善
- 通常、成人1日量19.5?39.0gを高アンモニア血症の場合3回、産婦人科術後の排ガス・排便の目的には朝夕2回に分けて経口投与する。
年齢、症状により適宜増減する。
小児便秘症の場合、通常1日0.33?1.30g/kgを3回に分けて経口投与する。
投与量は便性状により適宜増減する。
薬効薬理
- ヒト消化管粘膜にはラクツロースを単糖類に分解する酵素がないので、経口投与されたラクツロースの大部分は消化吸収されることなく下部消化管に達し、細菌による分解をうけて有機酸(乳酸、酢酸等)を生成しpHを低下させた。その結果、pH値酸性側で十分生育できるLactobacillusは増加し、Bacteroides、E. coli等は減少した6,7)。
- 下部消化管に達したラクツロースは、その浸透圧作用により緩下作用を発揮するが、さらにウサギ腸管を用いた実験によりラクツロースの分解により生成した有機酸が腸管運動を亢進させることが示された8)。
- ヒト腸管ではpHが高いほどアンモニアの腸管吸収率の高いことが認められているが、ラクツロースの分解によって生成した有機酸により腸管内pHが低下するため、腸管でのアンモニア産生及びアンモニアの腸管吸収が抑制され、血中のアンモニアが低下した9,10)。
- ヒトの高アンモニア血症等の肝障害に対しては、多くの場合食事性蛋白の制限を必要とするがラクツロースの経口投与により蛋白摂取の増量が可能となり、血清アルブミン値の改善が認められた11)。
エネルギー量
- 本剤は1gあたり約2kcalのエネルギーを有するので、1日量19.5?39.0gのエネルギー量は39?78kcalに相当する。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- 4‐O‐β‐D‐Galactopyranosyl‐D‐fructose
分子式
分子量
性 状
- 結晶性ラクツロースは、白色?微黄色の結晶性の粉末で、においはなく、味は甘い。
水及びホルムアミドに溶けやすく、メタノール又はエタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
- 61歳の男性。腹部膨満感と体重増加とを主訴に来院した。2週間前から腹部の膨満感が出現し体重が8kg増加した。これまでに心疾患を指摘されたことはない。意識は清明。身長 160cm、体重 69kg。体温 36.5℃。脈拍 60/分、整。血圧 124/62mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は膨隆し波動を認める。圧痛を認めない。下腿に中等度の浮腫を認める。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 348万、Hb 11.1g/dL、Ht 34%、白血球 3,500、血小板 7.0万、PT-INR 2.0(基準 0.9~1.1)。血液生化学所見:総蛋白 6.2g/dL、アルブミン 2.7g/dL、総ビリルビン 1.3mg/dL、直接ビリルビン 0.6mg/dL、AST 31U/L、ALT 26U/L、γ-GTP 51U/L(基準 8~50)、アンモニア 28μg/dL(基準 18~48)、尿素窒素 18mg/dL、クレアチニン 0.8mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.1mEq/L、Cl 101mEq/L。胸部エックス線写真と心電図とに異常を認めない。
- 適切な治療はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [111D051]←[国試_111]→[111D053]
[★]
- 47歳の男性。健康診断で肝機能異常を指摘され来院した。32歳時に輸血歴があるが明らかな急性肝炎の既往はない。腹部は平坦、軟で、肝・肺を触知しない。血清生化学所見:AST75単位、ALT126単位。免疫学所見:HBs抗原陰性、HCV抗体陽性、HCV-RNA240KIU/ml、HCVセロタイプグループ1、抗核抗体陰性。腹部超音波検査では肝辺縁は鋭、表面平滑で占拠性病変はなく、脾腫を認めない。治療薬として適切なのはどれか。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [099A026]←[国試_099]→[099A028]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096H033]←[国試_096]→[096H035]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096B035]←[国試_096]→[096B037]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107H005]←[国試_107]→[107H007]
[★]
- fulminant
- 英
- fulminant hepatitis
- 同
- 電撃性肝炎、急性肝萎縮症 acute liver atrophy、急性黄色肝萎縮症 acute yellow liver atrophy
- 関
- 肝炎、難病
定義
- 肝炎のうち症状発現後約8週間以内に高度の肝機能障害に基づいて肝性昏睡II度以上の脳症をきたし、プロトロンビン時間40%以下を示すものとする(第12回犬山シンポジウム(1981年8月))
- 肝炎ウイルスや薬物が原因となって、肝細胞の広範な壊死と脱落をきたす重篤な肝障害で、致命率が高い。
- 先行する慢性肝疾患が認められる場合には除外するが、B型肝炎ウイルスの無症候性キャリアの急性増悪は含める。(参考1)
- リンパ球浸潤など肝炎像が見られることは本疾患の要件で、薬物中毒、術後肝障害、急性妊娠脂肪肝など肝炎像の認められないものは除外。(参考1)
- 肝性昏睡II度以上の出現が8-24週のものは遅発性肝不全(late onset hepatic failure, LOHF)に分類される。(参考1)
- 難治性疾患克服研究事業とされている(難病#難治性疾患克服研究事業(調査研究対象:130疾患))
病因
- IMD
- ウイルス性の劇症肝炎ではB型肝炎ウイルスによるものが多く、A型肝炎ウイルスがこれに次ぐ
- 急性型 :B型 約50%、原因不明 約20%、A型 約15%、その他(薬物性、C型、E型)
- 亜急性型:成因不明 約45%、B型 約20%、薬物性 約15%、その他(A型、C型、E型)
- YN.B-34
- YN.B-34 参考1
- ウイルス性:B型肝炎ウイルス(約40%)、その他ウイルス
- 自己免疫性:自己免疫性肝炎(15%)
- 薬剤性:薬剤性肝障害(10%):PAS、ハロタン、サルファ剤
- 代謝性:急性妊娠性脂肪肝、ウイルソン病、ライ症侯群
- 虚血性:出血性ショック、心原性ショック、および敗血症性ショックの後
病型
- 急性 :急性肝炎発症後10日以内に脳症が出現
- 亜急性:急性肝炎発症後11日以降に脳症が出現 予後が悪い
検査
- 画像検査で肝萎縮が認められた場合には予後不良(SSUR.591)
血液検査
- コリンステラーゼ:低下(40%以下)
- アルブミン:低下
- AST・ALT:上昇したのち低下
- ビリルビン:上昇
- 血中アンモニア:上昇。(SSUR.591)
腹部CT
シンチグラフィ
重症度の指標
- YN.B-34
- プロトロンビン時間40%以下
- アルブミン<2.5g/dL
- 腹水、浮腫、肝性脳症
- コリンエステラーゼ:低値
- コレステロールエステル:低値 ← LCATは肝臓で合成される。
- 血中アンモニア:上昇
- ビリルビン上昇(直接ビリルビン/間接ビリルビン<0.5) ← 抱合能低下により間接ビリルビンが増加
- BUN≦6mg/dl
- 血清肝細胞増殖因子(HGF)≧1ng/ml → 肝細胞の増殖を促そうとしている。予後評価に有用
- 肝萎縮(CT, US)
症状
- 初発症状:全身倦怠感、発熱、黄疸、悪心、食欲不振。その後症状が持続。意識障害(急性型では初発することあり。亜急性型では遅発する)。(IMD)
合併症
- 脳浮腫、消化管出血、腎不全、血管内凝固症候群、全身感染症
治療
- a. 輸液管理:アミノ酸を含まないブドウ糖主体の輸液。→ 肝臓の尿素サイクルの著しい障害が見られるため分枝アミノ酸の投与は行わない
- b. 肝性脳症予防:合成二糖類(ラクツロース)、非吸収性抗菌薬PO(カナマイシン、ポリミキシンB)
- c. 合併症の治療:脳浮腫(マンニトール、グリセロール)
- d. その他:感染予防、呼吸器管理、消化管出血(予防にはH2ブロッカーが有効)に対する対応
-
- 抗ウイルス療法 ・・・ B型肝炎ウイルス
- 免疫抑制療法 ・・・・ 自己免疫性肝炎
- 肝細胞の壊死を抑制:抗凝固療法(新鮮凍結血漿、アンチトロンビン製剤、蛋白分解酵素阻害薬、副腎皮質ステロイドパルス療法 ・・・ 有効性はまだ認められていない
劇症肝炎の肝移植適応基準
- 劇症肝炎の肝移植適応基準 (第22回日本急性肝不全研究会,1996年4月) YN.B-35
- I. 脳症発現時に次の5項目のうち2項目を満たす場合は死亡と予測して肝移植の登録を行う
- 1) 年齢:45歳以上
- 2) 初発症状から脳症発現までの日数:11日以上(亜急性型) → 予後不良を示唆
- 3) プロトロンビン時間:10%以下 → 肝機能低下
- 4) 血清総ビリルビン濃度:18mg/dl以上
- 5) 直接/総ビリルビン比:0.67以下 → 抱合能低下
- II. 治療開始(脳症発現)から5日後における予後の再評価
- 下記項目について認められる項目数が2項目の場合生存と予測し肝移植登録を取り消す。0または1項目の場合死亡と予測して肝移植登録を継続する。
- 1) 脳症がI度以内に覚醒、あるいは昏睡度でII度以上の改善
- 2) プロトロンビン時間が50%以上に改善
予後
SUR.591
- 肝性昏睡II度:60%救命
- 肝性昏睡IV度~V度:10-20%救命
参考
- 1. 難治性の肝炎のうち劇症肝炎 - 難病情報センター
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/242
[★]
商品
[★]
- 英
- ammonia
- 同
- NH3
- 関
- オルニチン回路
化学的性質
NH4+(aq) → NH3(aq) + H+
生体内でのアンモニア
- pH 7.4の環境下ではアンモニアはNH4+(aq)として存在しているものが多い。
産生部位
- 腸管:腸内細菌による産生(蛋白質・アミノ酸の分解)、ウレアーゼ産生菌からの産生
- 筋肉:末梢組織で発生したアンモニア + (キャリアーとしての)グルタミン酸 → グルタミン。血行性に腎臓に移動し、アンモニアに戻され、オルニチン回路に入る。
- 腎臓:血行性に運ばれた or 原尿として排泄されたグルタミンを材料としてアンモニアが産生されそのまま尿として排泄
- 肝臓:アミノ酸の分解によるアンモニア産生
産生系路
排泄
- 肝臓ミトコンドリアでアンモニアと重炭酸イオン、さらにATPよりカルバモイルリン酸が産生され、これとオルチニンが反応してシトルリンとなり、オルニチン回路に入る。ここで、尿素が産生され、血行性に腎臓に輸送され、尿として排泄される。
- 近位尿細管に存在する上皮細胞内でグルタミンからアンモニアが生成される。アンモニアは分泌されたH+と結合してNH4+のかたちで尿中に排泄される(SP.812)
血中アンモニア濃度を下げる治療
- ラクツロース、非吸収性抗菌薬(カナマイシン、ネオマイシン)、蛋白摂取制限
臨床検査
基準範囲
- 血漿アンモニアN 12-66ug/dl
- 血漿アンモニア 15-80ug/dl
異常値をきたす疾患
- LAB.509
-
- 重症肝疾患:劇症観念、重症肝硬変、進行肝癌
- 門脈圧亢進症:肝硬変、特発性門脈圧亢進症、肝外門脈閉塞症、原発性胆汁性肝硬変、日本住血吸虫症、バッド・キアリ症候群
- その他:尿毒症、ショック、ライ症侯群
- 薬物:バルプロ酸ナトリウム、鎮静薬など
測定上の注意
- LAB.509,510
- 赤血球と血漿のアンモニア含有比は2.8:1であり、溶血時や血液放置時には正誤差となりうる
- 放置:血液からCO2が失われるにつれて、蛋白や非アンモニアN化合物からアンモニアが生成する。
- → 凝固剤を用いて採血した場合は直ちに氷冷して血漿分離し、30分以内に測定する!
[★]
- 英
- hepatic encephalopathy
- 関
- (部分症)肝性昏睡、門脈大循環性脳症、門脈体循環性脳症
定義
病因
病態
- 種々の原疾患により肝性脳症を来す物質が蓄積、中枢神経に移行して脳症を発症する
原因物質
症状
治療
- 便秘 → ラクツロースを利用した緩下
- 脱水 → 補液
- 消化管出血 → 止血
- 感染症 → 特発性細菌性腹膜炎など
食事療法
内服薬=
国試
[★]
商品名
会社名
成分
薬効分類
薬効
- 慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)の効能・効果を追加とする新効能・新用量・剤形追加に係る医薬品