- 英
- orthostatic dysregulation OD, orthostatic intolerance
- 関
- 起立性低血圧
概念
- 立ちくらみ、めまい、頭痛、朝起きが悪いなどの起立性低血圧症状に、動悸、頭痛、腹痛などを伴った全身性の自律神経反射の不安定な状態。
- 朝起きられず、学校に行きづらいために登校拒否と間違われている例が少なくない(PED.967)
疫学
- 思春期(10歳以降、12-14歳で最多)に多く、性差なし(若干、女児多い) (PED.968)
- 学童の3-10%に認められる (PED.968)
- 4月から7月に症状が悪化。成績が低下しうる。
- 家族、特に母親にも同様の症状をみることが多い。
病因
- 自律神経の失調:起立という動作に対する心臓、血管を主体とする循環器系の反応、調節が十分でないために種々の症状を呈する(PED.967)。
- 心理的ストレスの影響を受ける:小学生では母親からの分離不安や転換性障害。中学生では学業や友人関係のトラブルから生じる適応障害、不安障害、転換性障害など。
病態
- 本来起立時に起こる血管反射の失調 → 下半身への血液の貯留 → 循環血液量減少 → 心拍出量低下 → 脈圧↓(収縮期血圧↓、拡張期血圧↑)、脳血流低下
症状
診断
鑑別診断
診断基準
- PED.967 参考3
- A. 立ちくらみ、あるいはめまいを起こしやすい
- B. 立っていると気持ちが悪くなる、ひどくなると倒れる
- C. 入浴時あるいは嫌なことが目開すると気持ちが悪くなる
- D. 少しでも動くと動悸あるいは息切れがする
- E. 朝なかなか起きられず、午前中調子が悪い
- 顔色が青白い。
- b. 食欲不振。
- c. 臍仙痛をときどき訴える。
- d. 倦怠あるいは疲れやすい。
- e. 頭痛をしばしば訴える。
- f. 乗り物に酔いやすい。
- g. 起立試験で脈圧狭少16mmHg以上。
- h. 起立試験で収縮期血圧低下21mmHg以上。
- i. 起立試験で脈拍数増加1分間21以上。
- j. 起立試験で立位心電図T1, T2 の0.5 mV以上の減高、その他の、変化。 ← I誘導、II誘導のT波のことらしい
判定
- 以上の症状のうち、次のいずれかに当てはまり、かつ器質性疾患を除外して、起立性調節障害と診断する。
- (1)大症状1と小症状3以上
- (2)大症状2と小症状1以上
- (3)大症状3以上
検査
- 1. 脈圧低下が16mmHg以上
- 2. 収縮期血圧低下が21mmHg以上
- 3. 脈拍数増加が1分間に21以上
- 4. ECG上、I,II誘導においてT波が0.2mV以上減高
治療
- 薬物療法:昇圧薬(アメジウム、ミドドリン、ジヒドロエルゴタミンなど)、末梢血管収縮薬、抗不安薬を選択し
- 生活療法:睡眠リズムを正常に戻す生活指導、運動療法、乾布摩擦などの鍛練療法、 → 血管反射を促す
- 心理療法:自律訓練法など
参考
- 企画・監修:田中 英高 (大阪医科大学小児科准教授) 、企画協力:松島 礼子 (済生会吹田病院小児科)
- http://www.inphs-od.com/
- http://www.jisinsin.jp/detail/01-tanaka.htm
- http://www.uraoka.com/sonota/od.html
PrepTutorEJDIC
- [致死量まで]麻薬を飲み過ぎる / 麻薬[など]の飲み過ぎ
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/04/25 11:36:19」(JST)
[Wiki ja表示]
起立性調節障害(きりつせいちょうせつしょうがい)とは、自律神経失調症の一種。中学生の約10%にみられ、特に思春期の女子に多いとされる。
目次
- 1 症状
- 2 診断基準
- 3 参考文献
- 4 関連項目
- 5 外部リンク
症状
身体的な症状としてはめまい・立ちくらみが一番多くみられ、その他にも動悸・息切れ・睡眠障害・食欲不振・腹痛・頭痛・倦怠感など人によりさまざまな症状が現れる。
精神的な症状としては疲労感・過換気症候群・不安障害などがみられる場合もある。
診断基準
下の表の大症状1+小症状3、大2+小1、大3以上が当てはまり、他に身体的疾患が認められない場合を診断基準とする。しかし、実際のところは起立試験で異常が見られないと、病気ではないという診断が下されることが多い。そのため思春期の子供の中には不登校と親に勘違いされていることが多い。
分類 |
no |
症状 |
大症状 |
A |
立ちくらみあるいは目まいを起こしやすい |
大症状 |
B |
立っていると気持ち悪くなる、ひどくなると倒れる |
大症状 |
C |
入浴時、あるいはいやなことを見聞きすると気持ちが悪くなる |
大症状 |
D |
少し動くと動悸、あるいは息切れがする |
大症状 |
E |
朝起きが悪く、午前中調子が悪い |
小症状 |
a |
顔色が青白い |
小症状 |
b |
食欲不振 |
小症状 |
c |
強い腹痛 |
小症状 |
d |
倦怠あるいは疲れやすい |
小症状 |
e |
頭痛 |
小症状 |
f |
乗り物酔い |
小症状 |
g |
起立試験による脈圧の狭小化(16mmHg以上) |
小症状 |
h |
起立試験で、収縮時血圧が安静時より21mmHg以上低下する |
小症状 |
i |
起立試験で脈拍数が1分間あたり21以上増える |
小症状 |
j |
起立試験で典型的な心電図がみられる |
「しばしば」「時々」「たまに」の質問もして、それも考慮して陽性かどうかを判定する。
参考文献
関連項目
外部リンク
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 子どもの頭が痛いとき (子どもの痛みの看護ケア--疼痛緩和に向けての心と身体へのアプローチ) -- (さまざまな器官の痛みのアセスメント)
- 脳脊髄液減少症と起立性調節障害による頭痛 (特集 頭痛のプライマリ・ケア)
- 左腎静脈nutcracker現象の形態診断と今後の展望--不登校を伴う重度の起立性調節障害を中心に
- 朝の起床困難,立ちくらみ(起立性調節障害) (特集 不定愁訴の子どもを診るために) -- (症状に応じたアプローチ)
Related Links
- 脳循環不全の症状が現れやすい疾患の啓蒙サイト。症状の解説、自己チェックツール、 病院検索など。
- 子どものこんな症状は、起立性調節障害. 起立性調節障害 ( OD : Orthostatic ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 4歳の女児。「朝起きたときから、ぼーっとしている」と心配した母親に連れられて来院した。前日は遠足で疲れて夕食を食べずに寝てしまった。今朝母親が何度起こしても、うとうとして起きなかったため受診した。これまでも似たようなエピソードはあったが、食後に元気になったのでそのままにしていた。意識レベルはJCS I-3。身長 100cm、体重 14kg。体温 36.1℃。脈拍 124/分、整。血圧 90/56mmHg。呼吸数 36/分。SpO2 98%(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、ケトン体3+、潜血(-)。血液所見:赤血球 420万、Hb 12.5g/dL、Ht 41%、白血球 11,000、血小板 35万。血液生化学所見:総蛋白 7.5g/dL、AST 26IU/L、ALT 14IU/L、尿素窒素 15mg/dL、クレアチニン 0.3mg/dL、血糖 30mg/dL、Na 140mEq/L、K 5.1mEq/L、Cl 96mEq/L。
- 考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109D046]←[国試_109]→[109D048]
[★]
- 眼振とめまい疾患の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [111B033]←[国試_111]→[111B035]
[★]
- a. 幼児に多い
- b. 症状が最も悪化しやすいのは秋である
- c. 朝起き不良がよく見られる
- d. 立位心電図でTmの陰転は診断上有用である。
- e. 起立時に脈圧の拡大が見られやすい
[★]
- 英
- vomiting, emesis
- ラ
- vomitus
- 関
- 悪心、嘔気 nausea、悪心・嘔吐 nausea and vomiting
概念
- 胃の内容物をはき出す現象。
- 胃または腸内容が食道を経て口腔より吐出される現象。
嘔吐中枢
嘔吐中枢の近傍に存在するもの
- 呼吸中枢、血管運動中枢、消化管運動中枢、唾液分泌中枢、前庭神経核
随伴症状
- 発汗、唾液分泌、顔面蒼白、脈拍微弱、徐脈、頻脈、血圧の動揺、めまいなど
症状の出現形式と原因の所在
噴水状、噴射状嘔吐
- projectile vomiting is where stomach contents 'shoot out' (like a fountain) to a distance sometimes many feet away.
嘔吐に関わる経路
- IMD.351
- 1. 嘔吐中枢(延髄網様体背側神経背側核近傍)への直接刺激(脳圧亢進、循環障害)
- 2. 化学受容体誘発帯(CTZ; 第四脳室底)への刺激(代謝異常や中毒による化学物質の作用) → 1.
- 3. 大脳皮質(中枢神経など高位中枢)からの入力 → 1.
- 4. 求心性迷走神経や交感神経を介する入力 → 1.
原因
小児科で遭遇する嘔吐の原因
[★]
- 英
- orthostatic hypotension
- 同
- 体位性低血圧 postural hypotension、起立性調節障害 orthostatische dysregulation OD
- 関
- 低血圧、失神
定義
- 起立により静脈還流が減少し、心拍出量が減少するために血圧が低下する状態
- 起立して3分以内に収縮期血圧20mmHg以上、拡張期血圧10mmHg以上低下を来す場合 (BAT.916)
分類
病因
- 起立により静脈系が弛緩することにより低血圧になりやすく、頭部への血液供給のためには血圧を上昇させる必要がある。
- 種々の原因により、血圧が維持できない時に起立性低血圧を呈する。
-
- antihypertensives, diuretics, vasodilators(nitrates, hydralazine), alpha-blocking agents, beta-blocking agents, CNS sedatives(barbiturates, opiates), tricyclic antidepressants, phonothiazines
症状
- 参考2
- 脳の低灌流状態、全身脱力、眩暈・ふらつき感、visual blurringや眼前暗黒感、(重症)失神。まれに狭心痛や梗塞もある。
参考
- http://www.mymed.jp/di/c8i.html
- 2. Mechanisms, causes, and evaluation of orthostatic and postprandial hypotension - uptodate [1]
診察
- 10分間臥位で安静にしてもらい、血圧を測定。その後、起立してもらい、3分以内に血圧を測定する。
- 立位3分以内に収縮期血圧が20mmHg以上、または拡張期血圧が10mmHg以上低下する場合
[★]
[★]
起立性調節障害、起立耐性失調、起立不耐性
- 関
- orthostatic dysregulation
[★]
- 英
- orthostatic intolerance
- 関
- 起立耐性失調、起立性調節障害
[★]
- 英
- disorder、impairment、dysfunction、damage、difficulty、(妨げ)barrier、impediment、obstacle、disturbance、foe、(化学)hindrance、disorder、impair、lesion
- 関
- 妨げ、撹乱、関門、機能障害、機能不全、困難、傷害、障壁、損なう、損傷、ダメージ、破壊、破損、バリヤー、病変、不安、妨害、乱れ、無秩序、機能異常症、敵、疾患、バリア、バリアー、機能異常、機能不全症
[★]
harm、hazard、injure
- 関
- 危険、損傷、ハザード、傷害を与える、害する
[★]
- 英
- regulation, (眼科)accommodation(水晶体による)
- 関
- 調和等能系
[★]
- 英
- accommodation disturbance, accommodation disorder
[★]
- 英
- standing
- 関
- 静置、不変