- 英
- thymoma, thymomas
- 関
- 胸腺、縦隔腫瘍
概念
- 上縦隔の前部、前縦隔の前部に発生
- 胸腺固有の上皮細胞が腫瘍化したもの。precursor T cell(thymocytes)も存在することがあるが、悪性ではない。
分類
- begign or encapsulated thymoma
- malignant thymoma
- type I: cytologically benign but biologically aggressive and capable of local invasion and, rarely, distant spread
- type II: also called thymic carcinoma: cytologically malignant with all of the features of cancer and comparable behavior
- HIM. e89
型
|
組織型
|
割合,%
|
予後(10-year disease-free survival), %
|
A
|
medullary thymoma
|
8
|
100
|
AB
|
mixed thymoma
|
17
|
100
|
B1
|
predominantly cortical thymoma
|
27
|
83
|
B2
|
cortical thymoma
|
8
|
83
|
B3
|
well-differentiated thymic carcinoma
|
12
|
36
|
C
|
thymic carcinoma
|
28
|
28
|
病因
- 不明なことが多い。EBウイルスが関わっているかもしれない
疫学
- 胸腺腫は希であって、悪性のものはさらに希
- 全縦隔腫瘍の20-30%を占める。
- どの年齢にも起こりうるが、とりわけ中年に後発する。平均50歳代。
症状
- 30%:無症状。
- 30-40%:CTでとらえられ、咳嗽、胸痛、呼吸困難、上大静脈症候群などの周胸臓器圧迫症状
- 残り:全身病の合併
合併症
症例
- 40歳の女性。夕方になると、ものが二重に見える(複視)ことを主訴に来院した。眼瞼下垂を認める。血液検査では網赤血球の減少を認める。
参考
- 1. 15-year-old boy with noninvasive cystic thymoma
- http://www.ajronline.org/cgi/content-nw/full/186/4/1176/FIG5
- http://telomelysin.com/article/52766550.html
- 3. Imaging of Cystic Masses of the Mediastinum1
- http://radiographics.rsna.org/content/22/suppl_1/S79.full
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/05/08 21:38:39」(JST)
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胸腺腫(きょうせんしゅ、英: thymoma)は、Tリンパ球の成熟に重要な役割を果たす胸腺上皮に由来する腫瘍のうち細胞異型のある胸腺癌(きょうせんがん、英: thymic carcinoma)を除いたものである。分葉状構造、非腫瘍性未熟Tリンパ球の混在、血管周囲腔(perivascular space)、豊富なリンパ球の中に疎なリンパ球の領域が認められる髄質分化(medullary differentiation)等、正常胸腺への分化傾向が見られる[1]。
目次
- 1 疫学
- 2 症状
- 3 関連疾患
- 4 病理診断
- 5 鑑別診断
- 6 治療
- 7 予後
- 8 文献
- 9 外部リンク
- 10 関連項目
|
疫学
症状
関連疾患
病理診断
- 分類:卵円形および紡錘形腫瘍細胞からなるA型胸腺腫と類円形および多角腫瘍細胞からなるB型胸腺腫、それらの混在するAB型胸腺腫に分類され、B型胸腺腫はさらにその腫瘍細胞の形態と随伴する未熟Tリンパ球の多寡により、B1、 B2、 B3型に細分類される。
- 免疫染色。
- 未熟Tリンパ球の同定---CD1a, TdT
- 胸腺上皮細胞---p63, cytokeratin (AE1/AE3, CK5/6), EMA
鑑別診断
- 縦隔に発生する悪性リンパ腫
- ホジキンリンパ腫
- T細胞性リンパ芽球型リンパ腫
- 縦隔原発びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫**
- 節外性粘膜関連濾胞辺縁帯リンパ腫(MALTリンパ腫)
- 縦隔原発の胚細胞腫瘍
- 縦隔に発生する間葉系腫瘍
- 神経芽腫neuroblastoma
- 神経節芽腫ganglioneuroblastoma
- 神経節腫ganglioneuroma
- 神経鞘腫schwannoma
- 悪性末梢神経腫瘍malignant peripheral nerve sheath tumor (MPNST)
- 傍神経節腫paraganglioma
- 脂肪腫lipoma
- 血管腫hemangioma
- グロムス腫瘍glomus tumor
- 類上皮血管内皮腫epithelioid hemangioendothelioma
- 血管肉腫angiosarcoma
- 孤在性線維性腫瘍solitary fibrous tumor (SFT)
- 脂肪肉腫liposarcoma
- 滑膜肉腫synovial sarcoma
- 平滑筋肉腫leiomyosarcoma
- 悪性黒色腫malignant melanoma
治療
予後
文献
- ^ 立山尚 胸腺腫瘍の病理診断-針生検標本を含めて外科病理診断の手引き 外部リンク参照
外部リンク
http://ganjoho.ncc.go.jp/professional/med_info/surgical_pathology/thymic_tumor.html 胸腺腫瘍の病理診断
関連項目
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Japanese Journal
- 嚢胞状形態を呈した胸腺腫(いわゆる cystic thymoma)の1切除例
- 川口 庸,堀 哲雄,北村 将司,寺本 晃治,花岡 淳,手塚 則明
- 日本呼吸器外科学会雑誌 = The journal of the Japanese Association for Chest Surgery 25(1), 79-83, 2011-01-15
- … 断はWHO分類type B1胸腺腫であった.腫瘍全体が嚢胞状形態を来たす胸腺腫の成因は腫瘍内部の出血や壊死と考えられており,そのため内腔は凝血塊や壊死物質で充満している.しかし,同様の嚢胞状形態であっても自験例のように内腔が漿液性の液体で充満している症例は稀で,これらとは成因が異なると考えられた.つまり胸腺嚢胞の嚢胞壁に発生した胸腺腫が,嚢胞壁を置換 …
- NAID 10027421764
- 縦隔炎にて発症し胸腺腫を合併した多房性胸腺嚢胞の1例
- 三澤 賢治,西 智史,三島 修,北野 司久,北澤 勉,吉岡 照晃
- 日本呼吸器外科学会雑誌 = The journal of the Japanese Association for Chest Surgery 25(1), 74-78, 2011-01-15
- … 前縦隔の炎症所見は改善されたが,前縦隔に2つの腫瘤が残存した.FDG-PETおよびMRIにて胸腺腫(正岡III期)とそれに隣接する良性腫瘤の診断にて胸腺全摘術を行った.病理結果では,胸腺腫(正岡II期,WHO Type B2)と周囲に多発嚢胞を伴う黄色粥状の内容物を含んだ嚢胞性病変を認めた.胸腺腫を合併した多房性胸腺嚢胞と診断した.術後1年目の胸部CTにて再発や異常所見を認め …
- NAID 10027421753
- 中年女性に認められ, 胸腺腫との鑑別に苦慮した胸腺過形成の2例
- 山科 明彦,本山 秀樹,中島 大輔,千原 幸司,森木 利昭
- 日本呼吸器外科学会雑誌 = The journal of the Japanese Association for Chest Surgery 25(1), 64-68, 2011-01-15
- … 中年女性に認められた胸腺過形成の2例を報告する.症例1は46歳,女性.CTで胸腺腫を疑い,胸腔鏡下に腫大した胸腺の生検を施行し,迅速組織診では,反応性リンパ節の診断であった.しかし,永久組織標本では胸腺腫を否定出来ず,胸骨正中切開下に胸腺胸腺腫瘍摘出術を施行した.最終的にリンパ濾胞性胸腺過形成と診断した.症例2は48歳,女性.CTおよびMRIで縦隔腫瘤を指 …
- NAID 10027421727
- 胸腺腫と胸腺癌 (特集 胸部外科診療に役立つ疾患別最新データ) -- (呼吸器領域)
Related Links
- 2004年12月2日 ... 胸腺腫は、この退化した胸腺の細胞から発生する腫瘍です。したがって、胸腺腫は自己 免疫疾患と呼ばれる免疫機能の異常と関係することもあります。その代表的なものが、 全身の筋力が低下する重症筋無力症(じゅうしょうきんむりょくしょう) ...
- 胸腺腫、胸腺がんは胸腺の表層に悪性(がん)細胞が生じる病気です。 胸腺腫は筋 無力症や他の自己免疫疾患に関係しています。 胸腺腫、胸腺がんを疑う症状としては、 咳や胸痛があります。 胸腺腫、胸腺がんを発見するために、胸腺の検査が行われます。 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 68歳の男性。動悸と易疲労感とを主訴に来院した。身長 165 cm、体重 63 kg。体温 36.5℃。脈拍 92/分、整。血圧 122/68 mmHg。皮膚は灰褐色で眼瞼結膜は貧血様である。眼球結膜に黄染を認めない。頸部、腋窩および鼠径部の表在リンパ節は触知しない。胸骨左縁第 2肋間に II /VIの収縮期雑音を聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下肢に浮腫や紫斑を認めない。血液所見:赤血球 233万、 Hb7.1 g/dl、Ht 20%、網赤血球 0%、白血球 9,400(桿状核好中球 6%、分葉核好中球54%、単球 3%、リンパ球 37% )、血小板 32万。血液生化学所見:総蛋白 6.8 g/dl、アルブミン 3.4 g/dl、AST 56 IU/l、ALT 71 IU/l、LD 438 IU/l(基準 176~353)、尿素窒素 14 mg/dl、クレアチニン 0.7 mg/dl、血糖 98 mg/dl、Fe 234 μg/dl(基準 59~161)、不飽和鉄結合能〈UIBC〉67μg/dl(基準 163~251)。骨髄は正形成で巨核球を散見する。胸部エックス線写真 (別冊 No.24A)、胸部 CT(別冊 No.24B)及び骨髄血塗抹 May-Giemsa染色標本 (別冊 No.24C)を別に示す。
- 考えられるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [108D051]←[国試_108]→[108D053]
[★]
- 22歳の男性。胸部圧迫感を主訴に来院した。1週前から胸部圧迫感と労作時の息切れとを自覚し、徐々に悪化している。体温37.2℃。脈拍88/分、整。血圧110/72mmHg。呼吸数20/分。SpO2 96%(room air)。身体所見で左呼吸音の減弱を認める。血液所見:赤血球462万、Hb 14.0g/dl、Ht 43%、白血球7,800、血小板35万。血液生化学所見:総ビリルビン0.3mg/dl、AST 23IU/l、ALT 15IU/l、LD 450IU/l(基準176~353)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)24mIU/ml。CRP 4.8mg/dl。ツベルクリン反応陽性。胸部エックス線写真(別冊No.13A)と胸部造影CT(別冊No.13B)とを別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107I051]←[国試_107]→[107I053]
[★]
- 35歳の男性。頭痛と複視とを主訴に家族に伴われて来院した。6か月前から体重減少と倦怠感とを自覚し、1か月前から発熱を繰り返してきた。意識レベルはJCS II-10。身長170cm、体重56kg。体温37.7℃。脈拍88/分、整。口腔内に白苔を認める。項部硬直を認める。血液所見:赤血球 380万、Hb 12.6g/dl、Ht 39%、白血球 3,500(桿状核好中球12%、分葉核好中球66%、好酸球5%、単球9%、リンパ球8%)、血小板 11万。血液生化学所見:穂蛋白 6.5g/dl、アルブミン 3.2g/dl。免疫学所見: CRP 3.4mg/dl、リンパ球サブセットでCD4陽性細胞数が著しく減少している。
- この疾患でみられないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104D045]←[国試_104]→[104D047]
[★]
- 72歳の男性。血痰を主訴に来院した。 2か月前から時々血痰が出ることに気付いていた。既往歴に特記すべきことはない。喫煙歴は20本/日を52年間。身長173cm、体重70kg。体温36.8℃。脈拍60/分、整。血圧128/64mmHg。呼吸数16/分。 SpO2 97%(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。胸部エックス線写真(別冊No. 21 A)、胸部造影CT(別冊No. 21 B)および喀痰細胞診Papanicolaou染色標本(別冊No. 21C)を別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106I073]←[国試_106]→[106I075]
[★]
- 65歳の女性。咳と背部痛とを主訴に来院した。1年前から咳と背部痛とが出現し、近医で内服薬を処方されたが、症状が改善していない。夫は30年にわたり断熱材工場に勤務していた。身長156cm、体重53Kg、体温36.6℃、呼吸数16/分。脈拍92/分、整。血圧118/80mmHg、左下肺野の呼吸音は減弱している。胸部エックス線写真と胸部造影CTとを以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [100A015]←[国試_100]→[100A017]
[★]
- 75歳の女性。人間ドックでの胸部エックス線写真で異常を指摘され来院した。身長154cm、体重52㎏。体温36.1℃、呼吸数12/分。脈拍64/分、整。血圧140/70mmHg。心音と呼吸音とに異常はない。胸部エックス線写真と胸部造影CTを以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [100A016]←[国試_100]→[100A018]
[★]
- 74歳の男性。健康診査で胸部エックス線写真上の異常陰影を指摘された。呼吸数22/分。脈拍88/分、整。血圧136/88mmHg。顔面と頚部とに異常を認めない。胸部の打診と聴診とでは異常を認めない。胸部エックス線写真正面像と側面像とを以下に示す。可能性が低いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099G015]←[国試_099]→[099G017]
[★]
- 45歳の女性。健康診断で胸部異常陰影を指摘され来院した。3か月前から夕方になると物が二重に見えるようになるが翌朝は改善するため放置していた。胸部エックス線写真と胸部造影CTとを以下に示す。
- 診断に必要なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [103I045]←[国試_103]→[103I047]
[★]
- 71歳の男性。呼吸困難を主訴に来院した。20歳から40年間、ビル建設の仕事に従事した。喫煙20本/日を30年間。胸水中のヒアルロン酸は92,300ng/mlと著明な増加を示す。胸部エックス線写真と胸腹部造影CTとを以下に示す。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G015]←[国試_101]→[101G017]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [108A003]←[国試_108]→[108A005]
[★]
- 手の写真(別冊No. 2)を別に示す。この症候を呈するのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111G014]←[国試_111]→[111G016]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [114B003]←[国試_114]→[114B005]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101F028]←[国試_101]→[101F030]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [095B068]←[国試_095]→[095B070]
[★]
- ☆case14 複視
- ■glossary
- diplopia n. 複視
- 筋力低下、筋無力、筋脱力 muscle weakness, muscular weakness
- sunken
- vt. sinkのpp.
- adj.
- 沈没した、沈んだ、水中の
- 沈下した、一段低いところにある
- 落ち込んだ、くぼんだ
- 3,4-ジアミノピリジン 3,4-diaminopyridine 3,4-DAP K+チャネル阻害薬;ランバート・イートン筋無力症治療
- ■症例
- 43-year-old woman
- cheif complaint: diplopia
- present history: diplopia and holding her head up ; more marked in the evenings, for the last 3 months. difficulty of chewing. voice has become quieter. weight loss (3kg / 6months). non-smoker. drinks about 15 units/week. no regular medication.
- past history: no significant previous medical illnesses.
- family history: lives with her husband and three children.
- ・診察 examination
- looks well.
- organ systems: normal; cardiovascular, respiratory, and abdominal systems.
- muscle power; grossly normal. decrease after testing a movement repetitively.
- motor function: normal; tone, coordination, reflexes and sensation.
- bilateral ptosis. exacerbated by prolonged upward gaze
- eye: normal; pupillary reflexes, eye movements, and funduscopy
- ■答え
- diagnosis: myathenia gravis
- differential diagnoses:
- CASES
- 上位and/or下位運動ニューロン motor neurone disease 運動ニューロン疾患:線維束性攣縮。進行例では筋力低下
- 筋 muscular dystrophy 筋ジストロフィー:ある種の筋肉が選択的に筋力低下する。家族歴がある。
- 筋 dystrophia myotonica 強直性筋ジストロフィー:咬筋、側頭筋、胸鎖乳突筋の筋萎縮、四肢遠位端の筋萎縮。顔貌が特徴的(前頭部脱毛、無表情、窪んだ頬)。家族歴ある。筋電図が診断に有用(急降下爆撃音)。
- 筋 polymyositis 多発筋炎:普通は皮疹と関節痛が出現。CKが上昇。筋生検が診断に有用
- 筋 myopathy ミオパチー:甲状腺中毒性ミオパチー、甲状腺機能低下症によるミオパチー、クッシング症候群によるミオパチー、アルコール性のミオパチー
- 神経筋接合部? non-metastatic associations of malignancy (paraneoplastic syndrome(傍腫瘍性症候群 = 腫瘍随伴症候群)のこと):胸腺腫の症例の10%に重症筋無力症がみられる。ランバート・イートン筋無力症症候群は小細胞癌と関連がある。
- HIM.2674
- Treatment with penicillamine (used for scleroderma or rheumatoid arthritis) may result in true autoimmune MG, but the weakness is usually mild, and recovery occurs within weeks or months after discontinuing its use.
- 重症筋無力症の誘発:ペニシラミン(強皮症や関節リウマチの治療に用いられる)。
- mildだし、薬剤の中断で改善する。
- Aminoglycoside antibiotics or procainamide can cause exacerbation of weakness in myasthenic patients; very large doses can cause neuromuscular weakness in normal individuals.
- 重症筋無力症の悪化:アミドグリコシド系抗菌薬、プロカインアミド
- MGの患者の筋脱力が悪化する。
- ■参考文献
- HIM = Harrison's Principles of Internal Medicine 17th Edition
- CASES = 100 Cases in Clinical Medicine Second edition
- IMD = 内科診断学第2版
[★]
- erratic adj. adj. 軌道の定まらない。一貫性のない、不安定な、不規則な
- bowel motion 腸運動、排便
- fit adj. adj. 体調がよい、健康で
- emaciated adj.
- glisten vi. ぴかぴか光る
- dislodge
- palliative
- erythema multiforme 多形紅斑
- dermatitis herpetiformis 疱疹状皮膚炎
- itch 痒み
- itching
- celiac disease セリアック病
- herpes gestationis 妊娠性疱疹
- 皮膚の水疱
- 83歳 男性
- 主訴:皮膚と口内における多数の水疱
- 現病歴:水疱は2日前より出現。水疱は破れやすく、赤色の有痛性病変が残る。3ヶ月前から5kg体重が減少しており、食欲が減退している。患者は体調の不調を自覚してた。排便習慣が不規則になり、排便にいくらか血液を認めた。
- 既往歴:生来、健康であり、既往なし。
- 生活歴:一人住まい
- 嗜好歴:喫煙・飲酒無し
- 服薬歴:処方薬なし。マルチビタミンタブレットは体調の不調を感じてから薬局で購入している。これ以外て薬を購入していない。
- 身体所見 examination
- 全身:emaciateで調子悪そうである
- 皮膚:全身の皮膚に水疱
- 口内:びらん(sore)あり sore→有痛性のびらん・潰瘍
- 脈拍:102/min、irregularly irregular → 不規則な不整脈 → ( )
- 血圧:160/78 mmHg
- 上記以外、心臓、呼吸器系に異常を認めない。
- 腹部触診:6cmの硬い結節を肝の辺縁に触知。可動性のある硬性の腫瘤を左腸骨窩に触知。
- 直腸診:鮮血色の血液と糞便の混合物が認められる
- 検査 examination
- 低値:Hb, MCV,Alb
- 高値:AlP
- Q1. まず皮膚病変の診断をつけろ。
- Q2. 次に皮膚病変と患者の病態を関連づけてみろ。
- A. 尋常性天疱瘡
- 特徴:表皮内水疱、弛緩性水疱、ニコルスキー現象、口内びらん、
- ・病因:癌腫、リンパ腫、胸腺腫、全身性エリテマトーデス、特定の薬物(ペニシラミン、カプトプリル)などによる
- 治療:ステロイド、免疫抑制薬
- 鑑別疾患
- ・水疱性類天疱瘡:緊満性水疱、水疱は尋常性天疱瘡に比べて破れにくく大型になりやすい。
- ・多形性紅斑:中心に水疱を伴った的形病変(target-shaped lesion with central blisters)。よく全身紅皮症と粘膜潰瘍と伴う(スティーブン・ジョンソン症候群)。病因は単純ヘルペスウイルス、薬剤(スルフォナミド)、悪性腫瘍。
- ・疱疹状皮膚炎:肘、膝、顔面に小水疱病変(vesicular lesion)が形成される。vesicleはblister(<0.5cm)より小さく、ひっかくことで破裂する。非常にかゆい。セリアック病に合併することがある
- ・その他の疾患
- ・糖尿病
- ・妊娠性疱疹
- ・家族性水疱疾患
- まとめ
- ・悪性腫瘍に合併しうる(→腫瘍の存在下で皮膚病変が出現したのであれば腫瘍随伴性天疱瘡と診断されるべき)、
- ・天疱瘡は気づかないうちに体液を喪失し、あるいは水疱からの感染の結果としての敗血症が生命を脅かす。
[★]
- 英
- paraneoplastic pemphigus
- 関
- 天疱瘡
概念
病因
症状
- 重度の皮膚粘膜病変:眼病変(偽膜性角結膜炎)や口腔内水疱を伴う。
- 皮膚病変は多型性紅斑、水疱性類天疱瘡、扁平苔癬に似ている
診断
- (腫瘍が見つかっていない場合)重症の口腔内水疱病変と非典型的な皮膚所見から疑い、腫瘍の検索を行う。
治療
予後
- 進行性であり、悪性腫瘍合併しているときは二年間以内に致命的な結末をもたらす。悪性新生物に合併しているときは原疾患の治療を改善しないが、良性新生物の場合は原疾患の治療により皮膚病変が治癒する。
参考
- Beth G Goldstein MD et al.; Pemphigus; UpToDate; review version 18.2
[★]
- 英
- mediastinal tumor, tumor of the mediastinum
- 関
- 縦隔
疫学
- 胸腺腫40%、先天性嚢胞15%、神経原性腫瘍15%、奇形腫5%、胸腺癌・悪性リンパ腫・悪性胚細胞腫数% (医学事典 SSUR.436)
前縦隔腫瘍の4つのT
疾患別の好発部位
- SRA.292-改変
頻度
- 前縦隔腫瘍:50%
- 中縦隔腫瘍:25%
- 後縦隔腫瘍:25%
参考
- http://www.radpod.org/2007/07/11/anterior-mediastinal-lymphoma-mass/
- http://www.jrs.or.jp/home/modules/citizen/index.php?content_id=28
[★]
- 英
- thymic carcinoma
- 関
- 胸腺腫
[★]
- 英
- thymic tumor、thymus neoplasm、thymus tumor
- 関
- 胸腺新生物
[★]
- 英
- thymus (M)
機能
-
- 正の選択:自己のMHC+自己ペプチドに結合できるT細胞のみ生存
- 負の選択:自己のMHC+自己ペプチドに強く結合するT細胞は死滅
解剖
- 頚の下部と上縦隔の上方に位置する (M.97)
- 胸骨柄の後方にあり、前縦隔の中で心膜の前方に伸びる (M.97)
血管の分布
リンパの分布
発生 L.337
組織学
特徴
細胞
-
-
[★]
- 関
- がん、腫瘍、腫瘤、良性新生物
[★]
- 英
- adenoma
- 同
- アデノーマ
- 関
- 腫瘍、癌腫 carcinoma