出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/08/31 06:31:41」(JST)
甲状腺機能低下症 | |
---|---|
分類及び外部参照情報 | |
ICD-10 | E03.9 |
ICD-9 | 244.9 |
DiseasesDB | 6558 |
eMedicine | med/1145 |
MeSH | D007037 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 | |
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甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)は甲状腺ホルモンの分泌量(活性)が不十分となる疾患である。代謝内分泌疾患の一つ。先天性、あるいは幼少時発症のものは発達上の障害が大きな問題となるため特にクレチン症という。
甲状腺ホルモンは全身のエネルギー利用を促すホルモンである。エネルギー需要に応じて甲状腺から分泌されるが、本症ではこれが不足するので全身でエネルギーを利用できず、神経系、心臓、代謝など各器官の働きが低下する。
甲状腺ホルモンの不足する状況としては、分泌調節の段階から次のように分類できる。
次性を°、甲状腺ホルモンをT、上昇を↑、低下を↓、因果関係を(原因)→(結果)、と略記すると、以上の分類は以下のように略記できる。
自己免疫障害によって甲状腺が攻撃される橋本病では、甲状腺が慢性炎症を起こして機能が低下する。これは原発性に分類される。発展途上国では甲状腺ホルモンの材料であるヨウ素の摂取不足により甲状腺ホルモン自体を合成できないことも原因になる。このほか、手術により甲状腺を摘出したり、放射線療法により甲状腺機能を廃絶させた場合に医源性の甲状腺機能低下症となる。
もっとも多いのが橋本病である。二次性、三次性のものは脳腫瘍が原因となることが多い。
全身がエネルギーを利用できなくなるため、症状は非常に多彩である。 主な症状は無力感、皮膚の乾燥、発汗減少、便秘、体重増加などである。 全身の活動が低下して無力感を持ったり低体温になる。皮膚も活動が低下して、低体温とあわせて発汗が減少し乾燥する。代謝が低下して皮下に粘液状の物質が沈着して浮腫む。この浮腫みは粘液状物質でできているので粘液水腫と言う。この場合見られる浮腫みは、指で押しても全く圧根を残さない。この浮腫(ふしゅ)はnon-pitting edemaのひとつである。腸管も活動が低下して便秘になる。活力の低下により精神活動も緩慢となり、偽痴呆を呈することがある。心臓も活動が低下して徐脈になる。心臓への粘液状物質の沈着も見られ、不整脈の原因となる。
本症で問題となる症状は早老による動脈硬化などである。 また子供のクレチン症の場合は生育に必要な甲状腺ホルモンが欠如するので、発育障害や知的障害にいたる場合がある。
甲状腺機能低下症の症状としては、うつ症状、鼻閉、便秘/腸閉塞、多関節炎が非定型的で見逃されやすく、注意を要する。[1]
本症は血液検査で血中の甲状腺ホルモンを測定することで診断できる。
TSH、TRHの反応から二次性、三次性が鑑別できる。
治療は甲状腺ホルモンの投与を行うが、軽度であれば経過観察のみとすることもある。レボチロキシンの投与は、現在は朝一回投与で多くは処方されているが、就寝前投与がより有効であるとの報告がある[2]。
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分類 | # | 疾 患 名 | 遺伝性 | 頻 度 |
アミノ酸代謝異常症 | 1 | フェニルケトン尿症 | AR | 1/8 万 |
2 | メープルシロップ尿症 | AR | 1/60 万 | |
3 | ホモシスチン尿症 | AR | 1/100 万 | |
4 | シトルリン血症 | AR | 1/50 万 | |
5 | アルギニノコハク酸尿症 | AR | 1/8 万(軽症例を含む) | |
有機酸代謝異常症 | 6 | メチルマロン酸血症 | AR | 1/3 万(軽症型) |
7 | プロピオン酸血症 | AR | 1/40 万(重症型) | |
8 | イソ吉草酸血症 | AR | 1/100 万 | |
9 | メチルクロトニルグリシン血症 | AR(AD) | AD は1家系 | |
10 | ヒドロキシメチルグルタル酸血症 | AR | ||
11 | 複合カルボキシラーゼ欠損症 | AR | 1/20 万 | |
12 | グルタル酸血症1型 | AR | 1/10 万 | |
脂肪酸代謝異常症 | 13 | 中鎖アシルCoA 脱水素酵素欠損症 | AR | 1/10 万 |
14 | 極長鎖アシルCoA 脱水素酵素欠損症 | AR | 1/15 万 | |
15 | 三頭酵素欠損症(TFP欠損症) | AR | 日本では稀 | |
長鎖3-ヒドロキシアシル脱水素酵素欠損症(LCHAD欠損症) | ||||
16 | カルニチンバルミトイルトランスフェラーゼ-1欠損症(CPT1欠損症) | AR | 1/20 万 | |
糖質代謝異常症 | 17 | ガラクトース血症(I~III型) | AR | 1/42000 |
内分泌疾患 | 18 | クレチン症(先天性甲状腺機能低下症) | AR(AD) | 1/3000~4000( このうち15~20%が遺伝) |
19 | 先天性副腎過形成症 | AR | 1/15000 |
多い順 | 疾患名 | 検査法 | 測定物質 | 発見率 | 症状 | 治療法 | |
4 | フェニルケトン尿症 | Guthrie法 | フェニルアラニン | 1/80,000 | 知能障害、痙攣、メラニン欠乏 | 低フェニルアラニン食 | |
6 | メープルシロップ尿症 | ロイシン | 1/450,000 | 痙攣、意識障害、昏睡、知能障害 | 急性期治療、食事療法(分枝鎖アミノ酸制限) | ||
5 | ホモシスチン尿症 | メチオニン | 1/180,000 | 高身長、水晶体偏位、血栓症、知能障害 | ビタミンB6、低メチオニン高システイン食療法 | ||
3 | ガラクトース血症 | Beutler法./ Paigen法 |
gal-4-P トランスフェラーゼ/ ガラクトース |
1/40,000 | I型 | 肝障害、発育障害、白内障、知能障害 | |
II型 | 白内障 | 乳糖除去ミルク・除去食 | |||||
III型 | 大部分は末梢型で無症状 | ||||||
2 | 先天性副腎過形成症 | RIA法 ELISA |
17-OHプロゲステロン | 1/13,000 | 塩喪失症候群(ショック、脱水)、男性化徴候、色素沈着 | コルチゾール、フロリネフ | |
1 | 先天性甲状腺機能低下症 (クレチン症) |
TSH | 1/4,800 | 精神発達遅滞、発育遅延、巨舌、黄疸の遷延、臍ヘルニア | 甲状腺ホルモン補充療法 |
フロッピーインファント : 約 5,610 件 ぐにゃぐにゃ乳児 : 約 255 件 筋緊張低下児 : 約 65 件
筋緊張低下 | + | + |
筋力低下 | + | - |
脊髄性筋萎縮症1型 (ウェルドニッヒ・ホフマン病) |
ダウン症候群 | |
先天性ミオパチー | 脳性麻痺 | |
糖原病 | プラダー・ウィリ症候群 | |
進行性筋ジストロフィー | エーラス・ダンロス症候群 | |
筋強直性ジストロフィー | マルファン症候群 | |
重症筋無力症 | クレチン症 (先天性甲状腺機能低下症) | |
周期性四肢麻痺 |
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