性器出血
妊娠初期に見られる性器出血
妊娠後期に見られる性器出血
- 前置胎盤:下腹部痛なし
頚管無力症← 妊娠の中期以降に性器出血や腹痛を伴わずに頚管が短縮・開大し、胎児が娩出される(NGY.402)。なので性器出血の鑑別に入らないのでは?- 切迫早産:下腹部痛(+)(←陣痛)、子宮口やや開大
- 常位胎盤早期剥離:下腹部痛(++)。板状硬
分娩後に見られる性器出血
- 弛緩出血
- 子宮破裂:病的収縮輪を認め、激痛を訴える。胎児ジストレス~胎児心拍の消失。母体の突然のショック。
- 子宮内反症:臍帯の用手的牽引による。激痛と出血によるショックに陥ることがある。
- 癒着胎盤
- 産道裂傷(頚管裂傷):
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- 1. 女性における生殖器出血の鑑別診断 differential diagnosis of genital tract bleeding in women
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- 4. 産後出血の概要 overview of postpartum hemorrhage
- 5. 救急外来における膣出血へのアプローチ approach to vaginal bleeding in the emergency department
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- どんとこい救急! 緊急度・重症度・頻度で学ぶ救急疾患(第12回・最終回)下血・血便・性器出血・血尿
- 有吉 孝一,木村 友一,實松 麻衣
- エマージェンシー・ケア 24(4), 302-306, 2011-04
- NAID 40018788533
- 不正性器出血 閉経前後 (産婦人科 救急マニュアル) -- (婦人科領域)
- 高松 潔,仲村 勝
- 産科と婦人科 78(-) (935), 168-175, 2011
- NAID 40018757760
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- 奈良県・奈良市の産婦人科クリニックです 〒631-0001 奈良市北登美ヶ丘5-2-1 ご予約・お問い合せ TEL:0742-51-0101 ... Q:不正性器出血とは? A:生理が終わって一週間も経たないうちに出血があったり、だらだらと少量の出血が続くなど ...
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国試過去問 | 「104B052」「101D037」「101D038」「099C037」「104F031」「100A003」「104F030」「100A043」「113D064」「109A044」「109E044」「104I042」「114E028」「104I055」「108F023」「109H026」「097I041」「106A059」「105E059」「103F022」 |
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「104B052」
- 次の文を読み、50-52の問いに答えよ。
- 34歳の1回経産婦。妊娠31週5日に周産期管理目的で紹介され来院した。
- 現病歴: 半年前に無月経を主訴として自宅近くの診療所を受診し、妊娠7週と診断された。診療所で健診を受けていたが、妊娠10週時に胎児頭殿長 CRLから分娩予定日が補正された。補正後の妊娠16週ころから[[[尿糖]]陽性が時々認められていたが、27週時から尿糖強陽性(定性試験で3+)が出現したため29週時に75g経口ブドウ糖負荷試験 OGTTが施行された。負荷前値: 110mg/dl、1時間値: 204mg/dl、2時間値 168mg/dlであった。
- 既往歴: 特記すべきことはない。耐糖能低下を指摘されたことはない。
- 月経歴: 初経11歳。月経周期28日、整。持続5-6日。月経障害なし。
- 妊娠・分娩歴: 25歳時に正常経腟分娩(妊娠39週、3,790g)。
- 家族歴: 母が糖尿病。
- 現 症: 意識は清明。身長156cm、体重76kg(妊娠前体重62.5kg、BMI 25.7)。体温37℃。脈拍88/分、整。血圧136/86mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。下腿浮腫を認めない。内診で胎児先進部は児頭で子宮口は閉鎖。超音波検査で子宮頚管長は4.2cmで胎児推定体重は2,200g(+1.8SD)、明らかな奇形は認めない。Biophysical profile scoreは10点である。
- 検査所見 尿所見:蛋白(-)、糖2+、ケトン体(-)。血液所見:赤血球 305万、Hb 10.2 g/dl、Ht 31%、白血球 6,900、血小板 11万。血液生化学所見:血糖 148mg/dl、HbA1c 6.8%、総蛋白 7.0g/dl、アルブミン 4.2g/dl、尿素窒素 16mg/dl、クレアチニン 0.6mg/dl、尿酸 7.8mg/dl、総コレステロール 240mg/dl、トリグリセリド 130mg/dl、総ビリルビン 0.8mg/dl、直接ビリルビン 0.5 mg/dl、AST 40IU/l、ALT 48IU/l、LD 320IU/l(基準176-353)、ALP 270IU/l(基準115-359)。
- その後の経過 入院後1週間加療を行った時点で治療継続を拒否し、退院した。退院後は受診していなかったが、妊娠35週4日に少量の性器出血と右季肋部痛とを主訴に来院した。再入院時の脈拍104/分、整。血圧160/104mmHg。尿蛋白100mg/dl。血液所見:赤血球 270万、Hb 9.0g/dl、Ht 28 %、白血球 9,200、血小板 9.0万。血液生化学所見: AST 480IU/l、ALT 460IU/l、LD 700IU/l(基準176-353)。緊急帝王切開を行うこととした。
- 注意すべき母児の合併症はどれか。3つ選べ。
- a 子癇発作
- b 播種性血管内凝固(DIC)
- c 胎児肺低形成
- d 新生児高カルシウム血症
- e 新生児呼吸窮迫症候群 RDS
※国試ナビ4※ [104B051]←[国試_104]→[104B053]
「101D037」
- 次の文を読み、37、38の問いに答えよ。
- 31歳の妊婦。性器出血を主訴に来院した。
- 現病歴:妊娠28週時に無痛性の少量性器出血を認めたが、自然に止血したため放置していた。妊娠29週6日、早朝排尿後に凝血塊を混じた中等量の性器出血があり入院となった。妊娠初期の血液検査と子宮頸部細胞診とで異常を認めなかった。腹痛はない。
- 既往歴:4回経妊、2回経産、2回自然流産。27歳時に第2子を回旋異常のため緊急帝王切開で分娩した。
- 現症:意識は清明。顔貌は正常。身長160cm、体重67kg。体温36.4℃。呼吸数18/分。脈拍84/分、整。血圧118/72mmHg。胸部に異常はない。両下腿の脛骨稜に浮腫はない。子宮底長28cm。胎児は第2頭位。膣鏡診で子宮膣部は紫藍色を呈し、外子宮口から少量の出血がみられる。子宮頸部は軟で、子宮口の開大は認めない。内診では児頭を明確に触れず、膣円蓋部と児頭との間に柔軟・弾力性の海綿様組織を触れる。来院時の胎児心拍数陣痛図で心拍数は130~140/分で、胎動に伴う一過性頻脈がある。子宮収縮を認めない。
- 検査所見:尿所見:蛋白1+、糖(-)、潜血1+。
- 血液所見:赤血球342万、Hb9.8g/dl、Ht27%、白血球11,600、血小板28万。CRP0.1mg/dl。
- 診断に最も有用なのはどれか。
- a. 腹部エックス線単純撮影
- b. 腹部単純CT
- c. 経膣超音波検査
- d. コルポスコピィ
- e. 腹部MRI
※国試ナビ4※ [101D036]←[国試_101]→[101D038]
「101D038」
- 次の文を読み、37、38の問いに答えよ。
- 31歳の妊婦。性器出血を主訴に来院した。
- 現病歴:妊娠28週時に無痛性の少量性器出血を認めたが、自然に止血したため放置していた。妊娠29週6日、早朝排尿後に凝血塊を混じた中等量の性器出血があり入院となった。妊娠初期の血液検査と子宮頸部細胞診とで異常を認めなかった。腹痛はない。
- 既往歴:4回経妊、2回経産、2回自然流産。27歳時に第2子を回旋異常のため緊急帝王切開で分娩した。
- 現症:意識は清明。顔貌は正常。身長160cm、体重67kg。体温36.4℃。呼吸数18/分。脈拍84/分、整。血圧118/72mmHg。胸部に異常はない。両下腿の脛骨稜に浮腫はない。子宮底長28cm。胎児は第2頭位。膣鏡診で子宮膣部は紫藍色を呈し、外子宮口から少量の出血がみられる。子宮頸部は軟で、子宮口の開大は認めない。内診では児頭を明確に触れず、膣円蓋部と児頭との間に柔軟・弾力性の海綿様組織を触れる。来院時の胎児心拍数陣痛図で心拍数は130~140/分で、胎動に伴う一過性頻脈がある。子宮収縮を認めない。
- 検査所見:尿所見:蛋白1+、糖(-)、潜血1+。
- 血液所見:赤血球342万、Hb9.8g/dl、Ht27%、白血球11,600、血小板28万。CRP0.1mg/dl。
- 対応として適切なのはどれか。
※国試ナビ4※ [101D037]←[国試_101]→[101D039]
「099C037」
- 次の文を読み、37、38の問いに答えよ。
- 24歳の女性。月経の遅れを主訴に来院した。
- 現病歴 : 最終月経は平成16年12月10日から7日間。通常の月経周期は28~30日。平成17年1月中旬ころから全身倦怠感があり、悪心も次第に強くなり、嘔吐も数回経験した。尿回数も最近増加しているが、排尿痛はない。昨日(2月18日)から褐色の帯下を少量認めている。
- 既往歴 : 初経12歳、0経妊0経産。他に特記すべきことはない。
- 家族歴 : 特記すべきことはない。
- 現症 : 身長164cm、体重55kg、体温37.3℃。呼吸数20/分。脈拍76/分、整。血圧110/70mmHg。子宮は前傾前屈、手拳大、軟。膣分泌物は褐色、少量。経膣超音波検査で子宮腔内に胎嚢を認め、胎児頭殿長30mmで胎児心拍動を確認できる。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)。
- 血液所見:赤血球396万、Hb12.0g/dl、Ht36%、白血球8,800、血小板33万。
- この患者で異常な症候はどれか。
※国試ナビ4※ [099C036]←[国試_099]→[099C038]
「104F031」
- 次の文を読み、30、31の問いに答えよ。
- 34歳の経産婦。反復する下腹部痛と少量の性器出血とを主訴に来院した。
- 現病歴: 妊娠12週まで近くの診療所で健診を受けていたが、経済的理由でその後は受診していなかった。本日朝から下腹部痛と性器出血とを自覚した。妊娠37週1日に相当していた。
- 既往歴・生活歴・家族歴: 特記すべきことはない。
- 現 症: 意識は清明。身長153cm、体重72kg。体温37.1℃。脈拍84/分、整。血圧142/86mmHg。子宮底長 28cm、腹囲 95cm。3~5分間欠で疼痛を伴う子宮収縮を認める。
- 検査所見: 尿所見: 蛋白1+、糖(-)。血液所見: 赤血球 320万、Hb 9.5g/dl、Ht 28%、白血球 9,000、血小板 11万。血液生化学所見: 総蛋白 6.5g/dl、アルブミン 3.6g/dl、尿素窒素 16mg/dl、クレアチニン 0.6mg/dl。CRP 0.4mg/dl。
※国試ナビ4※ [104F030]←[国試_104]→[104G001]
「100A003」
- 33歳の2回経産婦。妊娠30週に少量の性器出血と子宮収縮とを認めたため紹介状を持って来院した。前医で妊婦健康診査を受け、高血圧のため塩酸ヒドララジン20mg/日を服用していた。血圧164/96mmHg。浮腫は脛骨稜に軽度認めるが、全身には及んでいなかった。内診で子宮口は2cm開大、経膣超音波検査による頸管長は15mm、膣内容は白色透明であった。尿所見:蛋白1+、糖(-)。直ちに入院安静とし、塩酸ヒドララジンを40mg/日に増量しメチルドパも併用した。15分周期の子宮収縮を認めたため、塩酸リトドリンを100μg/分で持続点滴投与した。
- 2週後、腹部緊満感はやや軽減したが、血圧は160/100mmHg前後で推移し最近上昇傾向にある。胎位は第2頭位。羊水穿刺によるマイクロバブルテストの結果は陽性である。胎児推定体重の推移を以下に示す。
- 対応として適切なのはどれか。
※国試ナビ4※ [100A002]←[国試_100]→[100A004]
「104F030」
- 次の文を読み、30、31の問いに答えよ。
- 34歳の経産婦。反復する下腹部痛と少量の性器出血とを主訴に来院した。
- 現病歴: 妊娠12週まで近くの診療所で健診を受けていたが、経済的理由でその後は受診していなかった。本日朝から下腹部痛と性器出血とを自覚した。妊娠37週1日に相当していた。
- 既往歴・生活歴・家族歴: 特記すべきことはない。
- 現 症: 意識は清明。身長153cm、体重72kg。体温37.1℃。脈拍84/分、整。血圧142/86mmHg。子宮底長 28cm、腹囲 95cm。3~5分間欠で疼痛を伴う子宮収縮を認める。
- 検査所見: 尿所見: 蛋白1+、糖(-)。血液所見: 赤血球 320万、Hb 9.5g/dl、Ht 28%、白血球 9,000、血小板 11万。血液生化学所見: 総蛋白 6.5g/dl、アルブミン 3.6g/dl、尿素窒素 16mg/dl、クレアチニン 0.6mg/dl。CRP 0.4mg/dl。
- まず行う検査はどれか。
※国試ナビ4※ [104F029]←[国試_104]→[104F031]
「100A043」
- 61歳の女性。3か月前から乳房緊満感を認め、1か月前から少量の性器出血が持続するため来院した。閉経51歳。膣分泌物は白色、中等量で、子宮膣部に異常を認めない。子宮はやや大きく、左付属器部に手拳大の軟らかい腫瘤を触知する。
- 子宮頸部細胞診クラスI、子宮内膜細胞診陰性。血液所見に異常を認めない。血清生化学所見:FSH15mIU/ml(基準 閉経後30以上)、エストラジオール84pg/ml(基準閉経後20以下)。免疫学所見:CEA1.5ng/ml(基準5以下)、CA19-9 14U/ml(基準37以下)、CA125 38U/ml(基準35以下)。
- 経膣超音波検査で左付属器腫瘤は大部分充実性で内部に大小の嚢胞を多数認める。骨盤部単純MRIのT1強調像とT2強調像とを以下に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
- a. 卵巣漿液性腺癌
- b. 卵巣顆粒膜細胞腫
- c. 卵巣未分化胚細胞腫
- d. 子宮体癌の卵巣転移
- e. Krukenberg腫瘍
※国試ナビ4※ [100A042]←[国試_100]→[100A044]
「113D064」
- 34歳の初妊婦(1妊0産)。妊娠32週0日。下腹部痛と性器出血を主訴に来院した。数日前から軽度の下腹部痛があり様子をみていたが、本日朝に少量の性器出血があったため受診した。妊娠30週5日に行われた前回の妊婦健康診査までは、特に異常を指摘されていなかった。来院時の腟鏡診で淡血性の帯下を少量認めた。内診で子宮口は閉鎖していた。腹部超音波検査では胎児は頭位で形態異常はなく、推定体重は1,850g、胎盤は子宮底部に付着し、羊水指数(AFI)は18.0cmであった。胎児心拍数陣痛図(別冊No.29A)及び経腟超音波像(別冊No.29B)を別に示す。
- まず行うべき処置として適切なのはどれか。2つ選べ。
※国試ナビ4※ [113D063]←[国試_113]→[113D065]
「109A044」
- 53歳の女性。2回経妊2回経産婦。不正性器出血を主訴に来院した。50歳で閉経。3か月前から少量の性器出血が出現したため受診した。内診で子宮は鶏卵大で、右付属器が手拳大に腫大していた。血液生化学所見:LH 4.8mIU/mL、FSH 0.1mIU/mL未満(基準閉経後 30以上)、プロラクチン 4.8ng/mL(基準 15以下)、エストラジオール 270pg/mL(基準閉経後 20以下)、プロゲステロン 0.3ng/mL、CEA 0.9ng/mL(基準 5以下)、CA19-9 40U/mL(基準 37以下)、CA125 11U/mL(基準 35以下)。経腟超音波検査で子宮内膜の肥厚を認め、子宮内膜生検で子宮内膜増殖症を認める。摘出した右卵巣腫瘍のH-E染色標本(別冊No. 21)を別に示す。
- 診断はどれか。
- a 未熟奇形腫
- b 粘液性腺癌
- c 顆粒膜細胞腫
- d Krukenberg腫瘍
- e ディスジャーミノーマ
※国試ナビ4※ [109A043]←[国試_109]→[109A045]
「109E044」
- 34歳の女性。1回経妊1回経産婦。妊娠 39週に陣痛発来し入院した。妊娠中の異常は指摘されていない。陣痛開始7時間後に児を娩出するまでの経過に異常はなかった。児娩出30分後に胎盤が娩出したが、直後から強い下腹部痛と大量の性器出血とがみられた。呼吸困難はない。意識は清明。脈拍 104/分、整。血圧 104/62mmHg。呼吸数 18/分。腹部の触診で子宮底を触れない。内診で腟内に手拳大の充実性腫瘤を触れる。腹部超音波検査で腹腔内に液体貯留を認めない。この時点までの外出血量は1,400mLで、性器出血は次第に減少してきているが下腹部痛は持続している。輸液を開始するとともに、輸血の準備を開始した。
- 次に行う対応として適切なのはどれか。
- a 子宮整復
- b 腟血腫除去術
- c 子宮動脈塞栓術
- d 単純子宮全摘術
- e 子宮底輪状マッサージ
※国試ナビ4※ [109E043]←[国試_109]→[109E045]
「104I042」
- 37歳の5回経産婦。分娩後の大量出血のため搬入された。妊娠37週時に自然破水後陣痛が発来し、自宅近くの診療所で1時間後に体重3,200gの男児を娩出した Apgarスコア 8点(1分)、9点(5分)であった。児娩出直後から中等量の性器出血が始まり、胎盤娩出後プロスタグランディンF2αとオキシトシンとが投与されたが出血が持続し外出血の総量が1,500gとなったため、救急車が要請された。脈拍112/分、整。血圧90/46mmHg。血液所見: 赤血球 180万、Hb 5.6g/dl、Ht 17%、白血球 6,000、血小板 6.2万。経腟超音波検査で子宮の形状は正常で内腔に異常を認めないが、Douglas窩に大量の液体貯留像を認める。
- 対応として適切なのはどれか。3つ選べ。
※国試ナビ4※ [104I041]←[国試_104]→[104I043]
「114E028」
- 38歳の初妊婦(1妊0産)。妊娠34週に激しい腹痛と性器出血のため救急車で搬入された。これまでの妊娠経過は順調であったが、妊娠33週の妊婦健康診査で両下腿の浮腫と尿蛋白、軽度の血圧上昇を指摘されていた。喫煙は、妊娠前は20本/日であったが、妊娠後は5本/日に減らしている。体温 36.9℃。心拍数 72/分、整。血圧 170/90mmHg。腹痛のため表情は苦悶様で、腹部は膨隆しており板状に硬く、圧痛を認める。腟鏡診で少量の性器出血を認め、内診で子宮口は閉鎖している。尿蛋白2+。超音波検査で子宮底部に存在する胎盤の著明な肥厚を認める。胎児心拍数陣痛図で基線細変動の減少と遅発一過性徐脈を認める。
- 最も考えられるのはどれか。
※国試ナビ4※ [114E027]←[国試_114]→[114E029]
「104I055」
- 60歳の女性。未経妊。51歳で閉経。子宮がん検診を定期的に受けている。半年前の検診では異常がなかったが、最近3か月間断続的に性器出血を認める。2年前から糖尿病で治療を受けている。身長 155cm、体重 75kg。経腟超音波検査で子宮内膜厚は35mm。子宮内膜組織のH-E染色標本(別冊No.13)を別に示す。
- 患者に対する説明で適切なの柱どれか。2つ選べ。
※国試ナビ4※ [104I054]←[国試_104]→[104I056]
「108F023」
- 33歳の 1回経妊 1回経産婦。妊娠 28週。本日朝からの軽度の下腹部痛と少量の性器出血とを主訴に来院した。妊娠 27週の妊婦健康診査までは特に異常を指摘されていなかった。腟鏡診で淡血性の帯下を少量認める。内診で子宮口は閉鎖している。胎児心拍数陣痛図で 10分周期の子宮収縮を認める。経腟超音波検査で頸管長 15 mm、内子宮口の楔状の開大を認める。腹部超音波検査で胎児推定体重は 1,200 g、羊水量は正常、胎盤は子宮底部にあり異常所見を認めない。 BPS〈biophysical profile score〉は 10点である。
- 治療薬として適切なのはどれか。
※国試ナビ4※ [108F022]←[国試_108]→[108F024]
「109H026」
- 23歳の女性。0回経妊0回経産婦。腹痛を主訴に来院した。1週前から悪心を自覚していた。昨日の夜から右下腹部に痛みが出現し、一度嘔吐した。朝まで痛みが持続するため受診した。月経周期は30~60日型、不整。持続は6日間。最終月経は50日前で、5日前から少量の性器出血が持続している。体温 37.2℃。脈拍 96/分、整。血圧 100/68mmHg。内診で子宮は前傾前屈、やや腫大。右付属器領域に軽度の圧痛を認める。経腟超音波検査で子宮内膜の肥厚を認めるが、子宮内腔に胎嚢を認めない。両側付属器に異常を認めない。
- 次に行う検査はどれか。
※国試ナビ4※ [109H025]←[国試_109]→[109H027]
「097I041」
- 24歳の未産婦。性器出血と下腹部痛とを訴えて来院した。月経周期は順調であったが、今回3週間の月経遅延があった。内診所見では子宮は鶏卵大、軟で、右付属語領域に超鳩卵大の腫瘤を触れ圧痛を伴った。血液所見:赤血球250万、Hb7.5g/dl、Ht22%、白血球8.500、血小板12万。経膣超音波検査では子宮内に胎嚢を認めず、腹腔内に多量の出血を疑ったため開腹手術を行なった。開腹時、腹腔内に600mlの出血を認め、右卵管膨隆部が破裂し出血が持続していた。左側卵巣と卵管とに異常を認めない。
- 適切な処置はどれか。
- a. 両側卵管切除術
- b. 右側付属器摘出術
- c. 右側卵管切除術
- d. 右側卵管結紮術
- e. 右側卵巣提索結紮術
※国試ナビ4※ [097I040]←[国試_097]→[097I042]
「106A059」
- 32歳の6回経妊4回経産婦。妊娠40週1日で、 4,100gの男児を経腟分娩した。分娩時間は28時間で、分娩時出血量は400mgであった。分娩4時間後に、凝血塊を含む700mgの性器出血を認めた。
- 意識は清明。体温36.5℃。脈拍96/分、整。血圧96/48mmHg。呼吸数18/分。腟鏡診で分泌物は血性中等量で、頚管と腟壁とに裂傷を認めない。内診で子宮口は2cm開大し、子宮底は臍高で軟らかく触知する。血液所見:赤血球360万、 Hb9.8g/dl、 Ht37%、白血球5,600、血小板30万。 CRP0.2mg/dl。
- 分娩4時間後の出血の誘因として考えられるのはどれか。 3つ選べ。
- a 母体年齢
- b 分娩回数
- c 分娩週数
- d 児体重
- e 分娩時間
※国試ナビ4※ [106A058]←[国試_106]→[106A060]
「105E059」
- 48歳の女性。性器出血を主訴に来院した.5年前から性交時に性器出血を認め、1年前から下腹部痛と腰痛とを自覚している。子宮頚部に径7cmで易出血性の腫瘍を認めた。子宮頚癌IIIb期と診断され、手術療法は適応外と判断された。体温37.2℃。血液所見:赤血球 285万、Hb 7.0g/dl、Ht 23%、網赤血球 1.0%、白血球 9,500、血小板 25万。血液生化学所見:総蛋白 6.8g/dl、アルブミン 3.5g/dl、尿素窒素 28mg/dl、クレアチニン 0.7mg/dl、AST 30IU/l、ALT 22IU/l。CRP 2.4mg/dl。
- 治療として適切なのはどれか。3つ選べ。
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「103F022」
- 26歳の女性。未経妊。性器出血を主訴に来院した。最近不正出血が続き、癌ではないかと心配している。月経は17歳から不順であるが、治療は受けていない。子宮頸癌検診は22歳から毎年受けているが、異常は指摘されていない。内診で子宮は正常大で可動性良好。経腟超音波検査で子宮内膜厚は16mm、両側卵巣は多ハV胞性である。
- 説明で適切なのはどれか。
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「新生児」
定義
- 出生後28日未満の乳児
- 早期新生児期:出生後1週未満
- 後期新生児期:7日から28日未満
出生後にみとめられるもの
- 吸啜反射:出生時より
- 胎便:出生直後-3日頃
- 生理的黄疸:出生後2-3日に出現。出生後4-6日にピーク ← 出生時~出生後24時間内の黄疸は病的
- 生理的体重減少:出生後3-4日で最大。
- 臍帯の脱落:出生後5-7日
解剖
生理
腎機能
- 尿量:1-2ml/kg/hr-
免疫
- 細胞性免疫>液性免疫
- 在胎26-33週に移行した母体のIgGによる受動免疫で感染から防御している。
- 出生後5ヶ月で消失
血液
- Ht:50-55%:生後細胞外液の喪失に伴い上昇、8日で生後の値にもどり、3ヶ月に最も低くなる。
- Hb:17-19g/dL
- 白血球:9,000-30,000/mm3
- 血小板:10-28万/mm3 (SPE.74)
身体所見
身体の大きさ
- QB.P-329
- 前後径、肩幅:11cm
- 大横径、小斜径、殿幅:9cm
- 体重:3300g
- 頭囲:33cm
- 胸囲:33cm
正常なバイタルサインなど
呼吸器
- SPE.78
- 腹式呼吸
- 呼吸数:40-50/分 (早産児ではこれより早く、5-10秒の呼吸停止を挟む呼吸)
- 聴診:呼吸音は胸壁が薄いためよく聴取され、高調である。
経過観察できる所見
- QB.O-76改変
- 新生児中毒性紅斑
- 蒙古斑
- 産瘤、頭血腫
- 眼球結膜出血
- 上皮真珠腫
- 乳房肥大
- 臍ヘルニア
- 生理的範囲内の心雑音
- 処女膜ポリープ、性器出血(新生児月経)
- 陰嚢水腫
- サーモンパッチ
- 啼泣時の口唇チアノーゼ ← 生後3日後に見られるようでは異常と考える
- 出生直後の頻呼吸(60/分)、軽度アシデミア(pH7.23は許容できる(089D030)
診察箇所と疑われる疾患
- SPE.77
出生体重による分類
- 高出生体重児 high birth weight infant
- 正出生体重児 normal birth weight infant :2500g以上、4000g未満
- 低出生体重児 low birth weight infant : 2500g未満
身長、体重による区分
- SPE.48
- 日本での定義/体重のみで評価
- light for gestational age infant / light for dates infant : 体重が10パーセンタイル未満の児
- apropriate for gestational age infant AGA infant : 体重が10パーセンタイル以上の児 かつ 体重が90パーセンタイル未満の児
- heavy for gestational age infant :体重が90パーセンタイル以上の児
- 参考1
- 体重による評価
- light for date LFD
- appropriate for date AFD
- hearve for date
- 参考1
- 身長と体重による評価
- small for date SFD / small for gestational age SGA
- large for date? LFD? / large for gestational age? LGA?
成熟新生児の身体所見
- 参考2 G10.M235 SPE.78 など
- 頭部
- 体幹
- うぶ毛は背中、肩甲部に限局 ← 未成熟の場合、うぶ毛は多い
- 皮膚は厚く、血管は透けない
- 四肢
- 足底にしわを認める ← 未成熟の場合、しわは少ない
- 四肢に浮腫を認めない
- 関節屈曲部に胎脂が残る
- 姿勢
- 上下肢は屈曲位をとる
- ホルモンの影響
- 乳房組織を触れる
- 大陰唇の発達
新生児と疾患
在胎週数と疾患
- 早産時に多い
- 正産児~過期産児
参考
- 1. C.産婦人科検査法 14.胎児発育・児体重推定 - 日産婦誌59巻6号
- 2.
国試
「子宮内膜症」
- endo metr
- 英
- endometriosis
- 同
- 異所性子宮内膜症, heterotopic endometriosis, endometriosis heteropica、骨盤内子宮内膜症, pelvic endometriosis、エンドメトリオーシス
- 関
- 子宮腺筋症
概念
- 子宮内膜組織(子宮内膜様組織)が異所性に存在するもの。
病型
- 1. 内性子宮内膜症 endometriosis interna = 子宮腺筋症:子宮筋層内に存在
- 2. 外性子宮内膜症 endometriosis externa
疫学
- 婦人科で、新規外来患者の5%、開腹手術の5-15%程度、。腹腔鏡施行令では、不妊症の30%、原因不明の不妊症の50%、月経困難症の50%、腹痛・腰痛などの15%。 (NGY.195)
- 好発年齢
- 子宮腺筋症:30代後半-40代
- 骨盤子宮内膜症:20代後半-30代
病態
症状
- 骨盤子宮内膜症:疼痛、不妊
-
- 性交時痛、排便時痛:Douglas窩周辺の病変がひどくなると癒着してDouglas窩が閉鎖するため、月経痛以外にも性交痛や排便痛を生じる。
- 症状の特徴は、以前より明らかに強くなっている痛みと不妊である。
診断
臨床的子宮内膜症
確定診断
- 直接観察:腹腔鏡検査・手術 → 組織診断
治療
内科的治療
外科的治療
- 保存的手術:嚢胞開放切開・嚢胞壁焼灼、嚢胞摘出・病巣摘出、癒着剥離
- 根治手術:子宮摘出、両側卵巣摘出
症例
- 33歳女性。不妊と昨年よりも増強する月経痛のため来院した。最近では夫婦生活の時に痛みを感じるようになった。内診では、子宮は鶏卵大だが可動性はやや不良で、Douglas窩に圧痛を認めた。血中CA125は上昇していた。
「子宮腺筋症」
- 英
- adenomyosis, adenomyosis of uterus
- ラ
- adenomyosis uteri
- 同
- 腺筋症 adenomyosis、内性子宮内膜症 endometriosis interna
- 関
- 腺筋症、子宮内膜症
概念
- 子宮筋層に子宮内膜症病変が認められるもの
疫学
症状 NGY.195
検査
画像診断
超音波エコー(経膣超音波)
- 辺縁不明瞭な腫瘤を認める ⇔ 子宮筋腫:辺縁明瞭な低エコー像
MRI
- T2強調画像
- 境界不明瞭な低信号領域 ⇔ 子宮筋腫:明瞭
- 点状高信号域が認められる(出血)
比較
子宮筋腫 | 30歳代の女性で過多月経をきたし、内診で硬く腫大した子宮を触れ、超音波で子宮体部に充実性の腫瘤を認める。MRI T2では境界明瞭な低信号を認め、JZは保たれる。 |
子宮腺筋症 | 過多月経をきたし、内診ではびまん性に腫大した弾性の子宮を触知。エコーでは子宮筋層の肥厚。MRI T2では境界不明瞭な低信号域(筋層)の中に半流動性の出血を反映する点状の高信号を認め、JZは不明瞭化する。 |
子宮体癌 | 中年~高齢女性。子宮内膜(高信号)の増殖、肥厚が見られる。境界明瞭な腫瘤ではない。MRI T2ではJZが断裂している。 |
子宮頚癌 | 子宮体部は腫大しない。 |
腫瘍マーカー
- CA125陽性
子宮筋腫 | 子宮腺筋症 | |
T2強調画像 | 低信号 | |
境界 | 明瞭 | 不明瞭 |
変性 | さまざまな高信号 | - |
異所性内膜 | - | 点状高信号 |
flow void sign | + | - |
治療
- 症状がない場合、また軽症の場合や妊娠希望の場合は治療の必要は無し、あるいは対象治療
薬物療法
- ダナゾール
- GnRHアゴニスト
- 低用量ピル
- 避妊以外の副効用として月経痛改善がある
手術療法
- 腺筋症核出術
- 妊娠希望の場合に行う
- 再発のリスクがある
- 腫瘤形成型が対象となる ← びまん性の場合、取りきれない
- 子宮全摘術
- 根治的
国試
「不正性器出血」
定義
- 生理的な出血(月経、分娩、産褥)以外の性器出血
時期別鑑別疾患
非妊娠時
妊娠期間中
- 1. 妊娠初期の出血
- 2. 妊娠中期・妊娠後期の出血
閉経後
- 老人性膣炎、子宮頚癌、子宮体癌
「新生女児性器出血」
「無痛性性器出血」
「血」
「出血」
- 英
- hemorrhage, bleeding
- 関
- 出血量