腸重積
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- the condition of being folded inward or sheathed (同)introversion
- the folding in of an outer layer so as to form a pocket in the surface; "the invagination of the blastula" (同)introversion, intussusception, infolding
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/02/08 20:42:28」(JST)
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腸重積症(ちょうじゅうせきしょう、英: intussusception)とは、小腸が大腸の中に入り込んで(逆蠕動)して腸閉塞を発症する病気。主に0~2歳ぐらいの乳幼児に見られる。風邪ウイルスが小腸内リンパ節を肥大させて発症する。
目次
- 1 症状
- 1.1 病態
- 1.2 症状
- 1.3 身体所見
- 1.4 検査所見
- 2 治療
症状
病態
回盲部と呼ばれる小腸と大腸の接合部(虫垂の近く)が大腸側に入り込むことが多い。その場合は大腸が巻き込みながら重積部は上に移動してゆき、肝臓の下あたり(右上腹部、右季肋下部)に腫瘤が止まる事が多い。この時に重積した腸管が触れることもある。
重積した腸管は血行不順に陥り、発症24-72時間ほどで不可逆的な壊死を起こし、手術にて壊死した腸管の摘除が必要となる場合もある。
症状
嘔吐から始まり、ポートワインカラーの粘血便が出る。腸管は5分から30分置きに蠕動を繰り返す。重積部分が逆蠕動を起こし、間欠的な強い腹痛が起こる。小児では間欠的に泣く為、間欠啼泣と呼ばれる。重症の場合は腹膜炎を起こして死亡する。
身体所見
右上腹部(右季肋下部)の腫瘤性病変は触診では困難なので、超音波でターゲット(弓矢の的)サインを探すのが重要である。
検査所見
- 腹部超音波検査
重複した腸管が二重丸の的のように見える(ターゲットサイン)。
治療
超音波監視下高圧注腸
嘔吐から24時間以内に施行するのが原則である。無麻酔で、しっかり仰臥位で固定しておこなう。30フレンチのフォーレを肛門から直腸に10 cm 挿入して、40 ml の空気を注射器で注入しフォーレのバルーンをゆっくり膨らませた後、ゆっくりフォーレを引いてしっかり直腸肛門移行部に固定してから、あらかじめにカンシでクランプした生理食塩水1000 ml を、120 cm ないし110 cm の高さに固定し、クランプを開放して、超音波監視下で一気に注腸するが、整復中は、決して生理食塩水の高さを下げたり上げたりしてはならないし、決して腹部を手で圧迫してはならない。超音波のプローブの位置は回盲部(右下腹部)に固定して内筒腸管が押し戻される様子をしっかり視る。回盲部腫瘤の内筒腸管が完全に押し出されたら、臍部にプローブを移動して小腸がハニカム(蜂の巣)状になったのを確認して、フォーレをクランプして注腸を停止する(1分ないし2分で整復できる)。その後、生理食塩水の入った容器をベッド下まで下げてクランプを解除して注腸した生理食塩水を出来るだけ回収してバルーンの空気を抜いてフォーレを抜去する。
開腹手術
嘔吐から24時間以上の場合は原則として開腹手術する。又は、高圧注腸で整復出来なければ開腹手術にて治療する。手術法は、損傷部が断裂するのを防ぐため、引っ張るのではなく肛門側の腸管を両手で握って、内筒腸管を押し出す(ミルキング)。
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Japanese Journal
- 8.先進部が重複腸管であった腸重積症の1例(一般演題,第40回日本小児外科学会北陸地方会)
- 43.若年性ポリープによる結腸結腸型腸重積症の1例(一般演題,第46回日本小児外科学会近畿地方会)
- 田中 智子,坂井 宏平,古川 泰三,津田 知樹,小野 滋,木村 修,岩井 直躬
- 日本小児外科学会雑誌 47(1), 137, 2011-02-20
- NAID 110008506507
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★リンクテーブル★
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- 67歳の男性。腹部全体の持続する強い痛みを主訴に来院した。 3年前から虚血性心疾患と心房細動とで通院中である。 10時間前に腹痛が突然出現し、徐々に増強した。体温 36.7℃。脈拍 88/分、不整。血圧 124/78 mmHg。呼吸数 16/分。 SpO2 97%(room air)。腹部は全体に膨隆し、腸雑音を聴取しない。腹部全体に圧痛と Blumberg徴候とを認める。血液所見:赤血球 512万、 Hb 16.2 g/dl、Ht 48%、白血球 12,800(桿状核好中球 28%、分葉核好中球 46%、好酸球 2%、好塩基球 1%、単球 6%、リンパ球 17% )、血小板 18万。血液生化学所見:総蛋白 7.6 g/dl、アルブミン 4.6g/dl、総ビリルビン 0.6 mg/dl、AST 112 IU/l、ALT 35 IU/l、LD 482 IU/l(基準 176~353)、アミラーゼ 124 IU/l(基準 37~160)、 CK 186 IU/l(基準 30~140)。腹部造影 CT(別冊 No. 8、頭側から順にA、B、C)を別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108D023]←[国試_108]→[108D025]
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- 2か月の乳児。意識障害のため救急車で搬入された。在胎 40週、3,100gにて出生した。出生後からこれまで哺乳力は良好であった。30分前にけいれんが起こり、その後ぐったりしたため母親が救急車を要請した。来院時、自発運動は乏しいが痛み刺激には反応する。身長 60cm、体重 5.0kg。体温 37.0℃。脈拍 128/分、整。呼吸数 36/分。SpO2 98%(マスク5L/分 酸素投与下)。眼球結膜と皮膚とに黄染を認める。血液所見:赤血球 435 万、白血球 11,200、血小板 21万、PT 65%(基準 80~120)、APTT 60秒(基準 32.2)、ヘパプラスチンテスト低下。血液生化学所見:総ビリルビン 8.5mg/dL、直接ビリルビン 3.5mg/dL、AST 58IU/L、ALT 34IU/L。頭部CTで多発性の脳出血を認めた。
- 考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110D029]←[国試_110]→[110D031]
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- 次の文を読み、47、48の問いに答えよ。
- 8か月の乳児。急に激しく泣き、嘔吐したため来院した。
- 現病歴 : 2時間前から突然激しく泣き始めた。その後泣き止み、ぐったりしていたが、再び泣き始め、このような発作を繰り返している。30分前に1回嘔吐がみられた。排便は6時間前にあり、普段と変わらない固形便であった。
- 既往歴 : 特記すべきことはない。予防接種はDPT2回とBCGとを受けている。
- 現症 : 体温37.2℃。呼吸数40/分。心拍数140/分、整。顔色不良で、顔貌は無欲様である。聴診で心雑音はなく、呼吸音も正常である。腹部は軽度膨隆し、右季肋部に鶏卵大の腫瘤を触れる
[正答]
※国試ナビ4※ [100D046]←[国試_100]→[100D048]
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- 67歳の男性。持続性の強い腹痛を主訴に来院した。3年前から虚血性心疾患と心房細動とで通院中である。10時間前に腹痛が突然出現し、徐々に増強した。腹部は全体に膨隆し、腸雑音を聴取しない。打診で鼓音を呈し、腹部全体に圧痛とBlumberg徴候とを認める。
- 血液所見:赤血球512万、Hb16.2g/dl、白血球12,800、血小板18万。
- 血清生化学所見:総蛋白7.6g/dl、アルブミン5.1g/dl、総ビリルビン0.6mg/dl、AST112単位、ALT35単位、LDH482単位(基準176~353)、アミラーゼ124単位(基準37~160)、CK186単位(基準10~40)。腹部造影CTを以下に示す。
- 診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100F030]←[国試_100]→[100F032]
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- 1歳の女児。発熱と血便とを主訴に入院した。2日前から発熱と頻回の下痢便とがあり、本日、血便がみられた。顔面は蒼白で、皮膚に軽度の黄疸と点状出血とを認める。眼瞼と四肢とに浮腫を認める。尿所見:蛋白3+、潜血3+。血液所見:赤血球270万、Hb 7.0g/dl、白血球12,300、血小板2.2万。血液生化学所見:尿素窒素30mg/dl、クレアチニン1.3mg/dl、総ビリルビン2.5mg/dl、AST 40IU/l、ALT 32IU/l、LD <LDH> 2,860IU/l(基準260~530)。末梢血塗抹May-Giemsa染色標本を以下に示す。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103A030]←[国試_103]→[103A032]
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- 60歳の女性。昼食後に下腹部痛があり来院した。意識は清明。体温36.7℃。脈拍68/分、整。血圧120/64mmHg。顔貌は苦悶様。腹部は平坦で、腸雑音はやや亢進している。右下腹部に圧痛があるが腹膜刺激症状はない。血液所見:赤血球/105万、Hb13.8g/dl、Ht35%、白血球10,00、血小板17万。血清生化学所見:総蛋白6.3g/dl、アルブミン3.2g/dl、AST32単位、ALT27単位、LDH430単位(基準176~353)、アルカリホスファターゼ240単位(基準260以下)。CRP3.5mg/dl。腹部造影CTを以下に示す。最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099A030]←[国試_099]→[099A032]
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- 2歳の男児。腹痛のため母親に連れられて来院した。今朝から間欠的に腹痛を訴えている。排便はあったが、血便ではなかったという。診察時はおとなしくしている。身長 86cm、体重 11.5kg。意識は清明。体温 36.8℃。脈拍 100/分、整。血圧 96/60mmHg。呼吸数 24/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部はやや膨満しているが軟らかい。臍上部の圧痛を認める。腸雑音はやや亢進している。腹部超音波像(別冊No. 6)を別に示す。
- 考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114D022]←[国試_114]→[114D024]
[★]
- 生後7日の新生児。嘔吐を主訴に来院した。在胎40週、3,800gで出生。胎便排泄は順調で母乳の飲みも良好であった。8時間前からミルクを嘔吐するようになり、吐物に胆汁が混じるようになった。2時間前から次第に腹部が膨満し、30分前からあえぐような呼吸になっている。体温37.2℃。呼吸数50/分。心拍数132/分、整。顔色は不良。腹部は膨満し、上腹部を触れると嫌がって顔をしかめる。最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099A024]←[国試_099]→[099A026]
[★]
- 82歳の女性。今朝、腹痛と腹部膨満感とが出現し来院した。大腸癌の手術のため自宅待機中であった。意識は清明。体温36.8℃。呼吸数14/分。脈拍96/分、整。血圧142/82mmHg。腹部は全体に膨隆し広範に軽度の圧痛を認める。腹部超音波写真と注腸造影写真とを以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [097D023]←[国試_097]→[097D025]
[★]
- 55歳の男性。腹部不快感を主訴に来院した。 2か月前から右下腹部の不快感を間欠的に自覚していた。腹部の視診と聴診とに異常を認めない。右下腹部に、腹筋の緊張時には触知しないが.弛緩時には5×4cm大の腫瘤を触知する。腫瘤は弾性硬で圧痛はなく、拍動を認めない。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105A021]←[国試_105]→[105A023]
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- 68歳の女性。腹部膨満と軽度の腹痛とを主訴に来院した。
- 2日前から排便がなく、排ガスもほとんどない。20歳代に胃切除を受けているが、詳細は不明である。
- 腹部造影CTを以下に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098D030]←[国試_098]→[098D032]
[★]
- 嘔吐を繰り返す4歳児で左に示す所見があるとき、まず考えるべき疾患は?あっている組み合わせ?
[正答]
B
- 化膿性腹膜炎により、筋性防御が出現しており、腹壁反射が見られなくなると考えられる。
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099E029]←[国試_099]→[099E031]
[★]
- 急性腹症における開腹所見(別冊No. 7)を別に示す。最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110I030]←[国試_110]→[110I032]
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[正答]
※国試ナビ4※ [100B035]←[国試_100]→[100B037]
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[正答]
※国試ナビ4※ [098G114]←[国試_098]→[098G116]
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- 7か月の乳児の下血の原因として考えられるのはどれか。 2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [105B027]←[国試_105]→[105B029]
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- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100E035]←[国試_100]→[100E037]
[★]
[★]
- 英
- vomiting, emesis
- ラ
- vomitus
- 関
- 悪心、嘔気 nausea、悪心・嘔吐 nausea and vomiting
概念
- 胃の内容物をはき出す現象。
- 胃または腸内容が食道を経て口腔より吐出される現象。
嘔吐中枢
嘔吐中枢の近傍に存在するもの
- 呼吸中枢、血管運動中枢、消化管運動中枢、唾液分泌中枢、前庭神経核
随伴症状
- 発汗、唾液分泌、顔面蒼白、脈拍微弱、徐脈、頻脈、血圧の動揺、めまいなど
症状の出現形式と原因の所在
噴水状、噴射状嘔吐
- projectile vomiting is where stomach contents 'shoot out' (like a fountain) to a distance sometimes many feet away.
嘔吐に関わる経路
- IMD.351
- 1. 嘔吐中枢(延髄網様体背側神経背側核近傍)への直接刺激(脳圧亢進、循環障害)
- 2. 化学受容体誘発帯(CTZ; 第四脳室底)への刺激(代謝異常や中毒による化学物質の作用) → 1.
- 3. 大脳皮質(中枢神経など高位中枢)からの入力 → 1.
- 4. 求心性迷走神経や交感神経を介する入力 → 1.
原因
小児科で遭遇する嘔吐の原因
[★]
発症時期
[★]
- 英
- invagination、impaction、intrusion、impact、invaginate
- 関
- 影響、陥入、衝撃、侵入、腸重積症、腸重積、陥入部、インパクト
[★]
- 関
- impact、impaction、intrusion、intussusception、invaginate、invaginated
[★]
- 英
- invagination
- 関
- 陥入、嵌入、腸重積症、腸重積
[★]
- 英
- ileocecal intussusception
- 同
- 回盲腸重積嵌頓
[★]
- 英
- intussusception, invagination, telescoped bowel
- ラ
- invaginatio, intussusceptis
- 同
- 腸重積症、腸重畳症、腸重鞘症
- ICD-10
- K56.1
- 関
- 絞扼性イレウス
[show details]
腸重積症 : 約 72,300 件
腸重積 : 約 237,000 件
概念
- 口側腸管が肛門側腸管内に嵌入。絞扼性イレウスの一種 ← 腸間膜が陥入部位で絞扼され腸管の血行障害をきたす
- 回腸が結腸に嵌入するものが最も多い
- 腹痛、嘔吐、血便が特徴的。
疫学
- 男女比2:1で男児に多い (小児科学第2版 p.1035)
- 2歳以下の乳幼児に認められ、特に4-9ヶ月の乳児に好発 (小児科学第2版 p.1035)
- 6か月-2歳児までに多い。男児に多い。
- それ以降では基礎疾患の存在が疑われる:polyp、Meckel憩室、悪性リンパ腫など
好発部位
- 回盲部が大腸に引き込まれる
- 回盲部腸重積は10歳以下、特に1歳以下の乳幼児に多く見られる(SSUR.555)
病因
- 何らかの誘因(ポリープ等)により、肛門側の腸の蠕動運動より口側の腸管がはまりこんでしまうことが原因
- 特に成人の場合は腸管の腫瘍が原因となることが少なくない。潰瘍、継室でも起こりうる。(SSUR.555)
病態
症候
- Dance徴候(回盲部が陥凹。右下腹部に空虚な部分が出現。右下腹部にある回盲部が上行結腸に引き込まれるため、本来あるはずの回盲部が右下腹部からなくなり、基本的身体検査で空虚に感じられる)
- 間欠的啼泣:啼泣は間欠的で、その後ぐったりとしている:肛門側腸が2-3時間おきに蠕動するため。
診断
- 口側腸管の嵌入先進部:蟹爪状/カニ爪様陰影、杯状、手風琴様陰影欠損
治療
- 非観血的整復:バリウムや空気にて整復。
- 手術:24時間以上経過例、小腸-小腸型、あるいは腸管の穿孔のおそれがあるときに適応
参考
- http://healthforworld.blogspot.com/2008/11/intussusception.html
国試
[★]
- 英
- sis, pathy