- 英
- menstrual abnormality
- 関
- 異常月経
-
- 過短月経:過少月経と合併することがあり、月経2日以内
- 過長月経:過多月経と合併することがあり、月経8日以上
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/01/21 17:54:44」(JST)
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月経(げっけい、英: menstruation)とは、成熟した人間の女性および高等霊長類のメスの子宮から周期的に起こる、生理的出血である[1]。
正式な医学用語は「月経」であるが、生理(せいり)と婉曲表現されることが多い。
また俗に「メンス」(英:menstruation、menses のカタカナ表記の省略形)、「アンネ」(生理用品のメーカー名より)、「お弁当箱」(ナプキンが梱包されている形から)、「お客さん」(ナプキンを座布団に見立てて)、「つきのもの」「つきやく」「お月様」{月経の周期が月の満ち欠け周期(29.5日)に近いことから}、「アレ」「めぐり」「女の子の日」「女盛りの日」「アノ日」等といった隠語で言われることも多い。
目次
- 1 概要
- 2 月経前症候群
- 3 初潮
- 4 閉経
- 5 処置
- 6 月経異常
- 7 月経中の性行為
- 8 社会的捉え方
- 9 脚注
- 10 参考文献
- 11 関連書
- 12 関連項目
- 13 外部リンク
概要
子宮壁の最内層は、子宮内膜と呼ばれる特徴的な粘膜層で、卵巣が分泌するホルモンの影響を特に強く受ける部位である。ヒトの女性では月経周期に伴って(哺乳類一般ではメスの性周期に伴って)周期的な変化をすることが知られる。この月経周期とは、月経開始日を1日目として、次の月経が開始する前日までの日数をいう。月経は、思春期に始まり(初潮)、個人差はあるが、閉経時期までの間におよそ28日周期で起こり、通常3〜7日間続く(正常月経周期:25〜38日)[1]。
月経周期には卵胞期と黄体期があり、卵胞期には卵巣内で垂体前葉が分泌する卵胞刺激ホルモン (FSH) の影響で卵胞が成長し、子宮内膜が厚くなる。同時に分泌を促されたエストロゲンの血中濃度が高まると下垂体前葉から黄体刺激ホルモンが分泌され、排卵が起こり黄体が形成される[1]。
この黄体が形成される時期からは黄体期と呼ばれる。黄体は平均14日間活動を維持する。しかし排卵した卵子が受精しなかった場合、やがてエストロゲンなどの分泌が低下し、子宮内膜が脱落する[1]。そして血液とともに子宮口、膣を経由して体外に排出されるのが月経である。そのため妊娠すると、出産の数か月後まで月経は停止する。
一般的に、月経と同時かその数日前から不快な症状を感じる女性が多い(月経前緊張症候群、生理痛)。
月経前症候群
- 症状
- 月経前症候群(PMS)とは月経の3〜10日前に身体、精神症状が出現し、月経開始とともにその症状が減退、消失するものである。身体症状としては乳房痛、乳房緊満感、腹部膨満感、頭痛(特に片頭痛)、四肢の浮腫、腹痛などが知られている。精神症状としては、イライラや抑うつ状態、不安感、易興奮性などが知られている。
- 治療
- 治療としては、適度な運動、水分塩分の制限などがあげられる。これらで改善がなければ、抑うつに対してはパキシル、ルボックスといったSSRI、不安が強い場合はコンスタンなどの抗不安薬、浮腫が強い場合はフルイトランやアルダクトンAといった利尿薬を用いる。
- 月経困難症も伴う場合は痛みに対してNSAIDsを用いるほか、低用量ピルなども用いる(器質性月経困難症ならば原疾患の治療)。比較的軽症な場合は漢方薬も用いられる。
初潮
- 概要
- 生まれて初めての月経を初潮(しょちょう menarche)、または初経(しょけい)と言う。古くは「初花(はつはな)」とも言われた。
- 年齢
- 初潮の数ヶ月前から透明又は白色の帯下の増加が見られるようになった後、初潮が発生する。初潮の平均年齢は12.24±0.93歳[2]で、大部分は年齢で10歳から15歳の間、陰毛が発育し始めてから一定後(Tannerの分類で2-3度)、身長の伸びが低くなり始めた頃に発生することが多い[3]。
- 9歳未満は思春期早発症[3]。10歳未満は早発月経と言われ、低身長の原因になる恐れがあり、医師による診断を受けたほうが良いという。16歳以上は遅発月経と言われ、いつまでも発来がないままだと無月経症になる恐れがあり、これも医師による診断を受けたほうが良いという[4]。
- 妊娠
- 「初潮=子供が産める体」になったという風に受け取られがちだが、始まっても1-2年間は周期は不規則で排卵が無い(無排卵性月経)場合が多く[3]、妊娠の可能性が低い。排卵すると、10歳以下でも妊娠するケースもあり、最年少出産記録で知られるリナ・メディナは5歳7ヶ月21日で出産した(詳細は本人の項を参照)。
- 成長
- 思春期開始から初経の1年以上前は大人の体型へ変化し始めでまだ子供の体型に近いが、初経を挟む前後1年間は乳房全体が膨らみ始め、骨盤が前傾傾向から直立傾向に転換し始めることから腹がまっすぐになり、ヒップが大きくなり始めるなど急激に体型が変化し[5][6]、初経の1年後以降になると大人の体型に近くなる。乳房は途中で初経を挟む約4年間で発達する[7]。膣径は白人の場合思春期前は8cm以下であるが、初経発来時には11cmに拡大する[3]。
閉経
閉経時期(更年期)を迎えると、女性の体はホルモン分泌が変わり、月経は不規則になり、やがて停止する。多くの場合、50歳前後で閉経する(日本人女性の平均閉経年齢は約50歳である)。それより早く45歳以前に閉経する場合を早発閉経、55歳以上の場合を晩発閉経と呼ぶ。動詞で「上がる」とも称する。
閉経をはさむ前後5年ほどの時期を「更年期」と呼ぶ。月経停止以外に、色々な自覚症状をおぼえる女性もいる(更年期症状)。
長期間にわたり喫煙を続けると閉経が早くなるという報告がある。
処置
月経期間中は、子宮から膣を経て体外に経血が排出される。女性はこの出血を自分でコントロールできないため、なんの処置もしないでいると、下着や衣服を汚してしまい支障がでる。そのため、排出される経血を吸収するために、ナプキンやタンポンのような生理用品を使用する。ナプキンなどをより快適に使用するために生理用ショーツを着用したりもする。月経の処置、ナプキンの使用方法などは小学校の性教育の中でも触れられる(保健体育の授業のみ男女別学となるのもこの頃から)。
ナプキンは綿を吸収体とした厚型のものがかつては主流であったが、現在は薄型で吸収力の高いポリマーを使用したものが利便性から普及している。使用済みの生理用品は、トイレでは便器には流さず備え付けのサニタリーボックスに廃棄する(流すと下水配管を支障する)。
繰り返し使えるものとしては布ナプキンがあり、ナプキンが普及する前は、ぬか袋なども使用されていた。その他、海外では月経カップも古くから市販されているようだが、日本国内においては現在(2011年10月)インターネット上でしか見かけない。
タンポンについては1970年代、毒素性ショック症候群(トキシックショック症候群)によりアメリカで死亡事故が相次いだ。これは十分に消毒されなかったタンポンを長時間挿入していたことにより膣内で黄色ブドウ球菌が繁殖したものによる。現在でもタンポンの使用説明書に長時間の使用をしないように記述がある。
月経異常
- 月経不順(=月経周期 menstrual cycle の異常)
- 月経が始まった頃は、月経周期は安定せず、数か月起こらなかったりすることもよくある。
- 月経周期の異常
- 頻発月経/経早/月経先期:月経周期が異常に短縮する(24日以下)
- 稀発月経/経遅/月経後期:月経周期が異常に長くなる(39日以上)
- 不正周期月経/経乱:月経周期が不定期なもの(毎回の変動が7日以上)
- 月経持続期間の異常
- 過短月経(too short menstruation):出血期間が異常に短縮する(2日以下)
- 過長月経(too long menstruation):出血期間が異常に長くなる(8日以上)
- 月経量の異常
- 過少月経(hypomenorrhea):20ml未満
- 過多月経(hypermenorrhea/menorrhagia):140ml以上
- 無排卵月経
- 一見すると定期反復的な出血が見られるが、周期内に排卵を伴わないもの。基礎体温を測ると一相性になる。厳密な意味での月経とはいえず、特に短期間に繰り返す頻発月経だったり不正周期のランダムな出血だったり、あるいは月経とも呼べない程の過少月経だったりする場合は、不正出血の一種として扱うことも多い。
- 無月経(amenorrhoea)
- 原発性無月経
- 18歳の誕生日までに初潮を見ないこと。染色体異常や性分化疾患、内分泌器系の異常などで起因することが多い。16歳を過ぎても初潮を見ない場合、婦人科を受診することが望ましい。
- 二次性無月経または続発性無月経
- 初潮後ある程度月経を経験した女性の月経が3か月以上なくなること。妊娠した場合には当然ながら続発性無月経となる。また無理なダイエットや拒食症、過度のスポーツなどでやせすぎた場合にしばしば起こりうる。
- 月経発来異常
- 早発月経(premature mensuruation):10歳の誕生日より前に初経を迎える
- 遅発月経(delayed menstruation):16歳の誕生日より後に初経を迎える
- 月経困難症(生理痛 dysmenorrhea)
- 月経期間中、痙攣のような腹痛を感じたり、腰が砕けそうな痛みを感じたり、足が痺れたり、身体が麻痺したり、下痢・悪心があったり、日常生活に支障をきたすような不調が起こること。若い女性に多い。妊娠経験後、痙攣性の腹痛を感じなくなる場合も少なくない。
- 月経前症候群・PMS(premenstrual syndrome)
- 多くの女性は月経前数日、様々な不快を感じる(個人差はある)。腰痛・腹痛・頭痛・むくみ・悪心・食欲不振・乳房の緊張など。また精神的に不安定になって、落ち込んだり怒りっぽくなったりすることも多い。黄体ホルモンの影響によると考えられる。
月経中の性行為
月経中の性行為はタブー視されていることが多いが、血液の流出に対処できるのであれば行為自体に問題はない[8]。しかし、月経中の性行為では妊娠しない、というのは俗説であるため、妊娠を避ける場合は通常通り避妊が必要となる。また、子宮頸部が広がっているため、子宮内に細菌が入ったり、性行為感染症に罹患しないように清潔にすることを心掛ける必要がある[9]。上記のリスク以外には、オーガズム時の筋収縮によって月経の終わりが早まる、行為時に出されるホルモン(オキシトシンなど)が月経時の苦しみを和らげるなどのメリットがあるとも言われている[9][10]。
社会的捉え方
- 生理休暇
- 日本の労働基準法では、「生理日の就業がいちじるしく困難な女子は生理休暇が取得できる」と定められている。しかし、「勤務が困難かどうか」については医師による診断書の提出のような厳格な証明は不要とされている(1948年5月5日 基発682号)。また、休暇の間の賃金の有無等については規定されておらず、使用者と労働者の間の契約(就業規則など)に委ねられている。
- なお、近代以降において、生理休暇を法制化したのは日本が最初である[11]。これに対し、「女性に対する過保護であり、男女平等に反する」という批判を受けている。そのため、「男性差別である」として、あるいは「労働効率を低下させる」として廃止が主張されている[要出典]。
- タブー
- 近代以前の世界では、月経は穢れであるとして忌避されていた国や地域が多い。日本でもインドや中国の文化的影響により、かつては月経中の女性は宮参りなどの神事に参加することができなかった(たとえば『落窪物語』巻二、『堤中納言物語』「花桜折る中将」)。現在もごく少数の社寺で女性の神事の参加を禁止している所がある。大相撲の土俵が女人禁制であるのも、相撲が元は神前で行うものだった名残である。→女人禁制を参照のこと。
- 祝い事
- かつての日本では、初潮を迎えた女性に対して赤飯を炊いて祝う家庭もあったが、現在ではそのようなことをする家庭は少なくなって来ている。
- 広告
- 生理用品のCMでは、経血は青色や緑色の着色水で表現される。透明では分かりにくいのはもちろん、赤だと生々しいからである。またテレビCMについても夕飯時といったゴールデンタイムには放映が禁止されるといった規制もある。
脚注
- ^ a b c d 生化学辞典第2版、p.427 【月経周期】
- ^ たなか成長クリニック・思春期
- ^ a b c d 思春期の発現・大山建司
- ^ 三宅婦人科内科医院“思春期”
- ^ バストと初経のヒミツの関係
- ^ 『初経』をキーにした現代ティーンの成長と体型変化について
- ^ ワコール探検隊|「少女」から「おとな」へ約4年間で変化する成長期のバスト
- ^ 河野美代子、永田由紀子. “心と体の交差点”. 2014年8月12日閲覧。
- ^ a b UCSB SexInfo. “Sex on Your Period”. 2014年8月12日閲覧。
- ^ “How to Have Sex During Your Period”. 2014年8月12日閲覧。
- ^ 古代律令制の休暇には女官のために淋假が設けられていたので、近代以前には生理休暇は存在していた。生理休暇の導入経緯については、田口亜紗『生理休暇の誕生』(青弓社)を参照。
参考文献
- 『生化学辞典第2版』 東京化学同人、1995年、第2版第6刷。ISBN 4-8079-0340-3。
関連書
- 田中ひかる 『月経と犯罪』女性犯罪論の真偽を問う 批評社 ISBN 4826504381
- おんなのこ物語―初潮のほん 小学館 ISBN 978-4091043115
関連項目
外部リンク
- はじめてからだナビ(ユニ・チャーム)
- 月経周期 (メルクマニュアル、家庭版)
- おしえて生理痛(日本新薬)
- 生理痛情報ナビ(富士製薬工業)
- ようこそ、生理痛外来へ(ノーベルファーマ、富士製薬、日本新薬)
- 月経異常[1]
- 更年期[2]
- 日本における月経観の歴史 - 『日本人の魂のゆくえ: 古代日本と琉球の死生観』(谷川建一、冨山房インターナショナル, 2012)
性 |
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性別 |
男性 - 女性 / オス - メス / 半陰陽
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学問 |
婦人科学 - 泌尿器科学 - 性科学 - 生理学 - 生物学 - ジェンダー
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行為と 人間/動物 |
性行為 - 人間の性 - 動物の性行動
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性的指向と性同一性 |
異性愛 - 同性愛 - 両性愛 - 全性愛 - 無性愛 / LGBT - レズビアン - ゲイ - バイセクシャル - トランスジェンダー - 性同一性障害 - 異性装 - オートガイネフィリア
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生理的事象 |
月経 - 性的興奮 - オーガズム(潮吹き) - 妊娠 - 勃起 - 射精 - 勃起不全 - 異常性欲 - 膣内射精 - 更年期障害 - 膣内射精障害
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健康と教育 |
性教育 - 避妊 - 性行為感染症 - コンドーム - セーファーセックス - 経口避妊薬
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性的行動 |
性交(前戯 - 後戯) - 性交体位 - オーラルセックス - 口内射精 - シックスナイン - オナニー - ペッティング - 手マン - 手淫 - 素股 - アニリングス - アナルセックス - BDSM - 膣内射精 - 顔射 - フィストファック - グループセックス - 輪姦 - サイバーセックス - 露出狂 - 強姦 - 屍姦
性交体位 |
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正常位 - 伸長位 - 騎乗位 - 座位 - 後背位(バック) - 側位 - 立位 - 屈曲位 - 交差位 - 松葉崩し - まんぐり返し
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関連項目:四十八手 - アナルセックス - ペッティング - 素股 - 顔面騎乗 - 圧迫系プレイ |
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歴史 |
en:Feminist Sex Wars - 性の革命
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法律 |
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 - 売春防止法 - 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律 - 児童福祉法34条1項6号 - 青少年保護育成条例 - 淫行条例 - 性的同意年齢 - 性犯罪 - 近親相姦 - わいせつ - 公然猥褻 - 強姦罪 - 性的虐待 - 性的暴行 - セクシャルハラスメント - 性的暴力
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性的関係と社会 |
性道徳 - アナキズムと性 - カップル - 結婚 - 家族計画 - ホモフォビア - 性的倒錯 - ポリアモリー - クィア理論 - ロマンス - 純潔運動 - 色気 - 配偶システム
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性産業 |
売春 - 娼婦 - 男娼 - 性風俗関連特殊営業(現代日本での法的位置づけ)- ソープランド - デリバリーヘルス -ピンクサロン - マッサージパーラー - イメージクラブ - ファッションヘルス - 性風俗産業に対する差別 - SM (性風俗) - ゴーゴーバー - 春画 - アダルトビデオ - アダルトアニメ - アダルトゲーム - エロティカ - ポルノグラフィ - 買春ツアー - アダルトグッズショップ - 性具(ダッチワイフ、張形、ディルド、ペニスバンド、オナホール、貞操帯) - 日本のポルノ
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その他、関連項目 |
性的少数者 / キリスト教と同性愛 - 同性愛とカトリック / イスラーム教徒による性的マイノリティー迫害 - イランにおける同性愛者迫害
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- 48歳の女性。全身倦怠感と発熱とのため来院した。
- 現病歴 : 3か月前から全身倦怠感を自覚し、1か月前から発熱と体重減少とが出現した。
- 既往歴 : 特記すべきことはない。
- 現 症 : 意識は清明。身長154cm、体重54kg。体温38.4℃。呼吸数20/分。脈拍96/分、整。血圧112/72mmHg。眼瞼結膜に貧血はなく、眼球結膜に黄疸はない。両側の頭部と誼喬とに大豆大のリンパ節を数個触知する。胸部所見に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、脾を左肋骨弓下に2cm触知する。下肢に浮腫を認めない。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)。
- 血液所見:赤血球380万、Hb11.5g/dl、Ht35%、白血球6,200、血小板27万。
- 血清生化学所見:総蛋白7.0g/dl、アルブミン4.0g/dl、クレアチニン0.7mg/dl、AST22単位、ALT12単位、LDH560単位(基準176~353)、CK35単位(基準10~40)。CRP3.2mg/dl。
- この患者から聴取する情報のうち診断に最も有用なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099C034]←[国試_099]→[099C036]
[★]
- 次の文を読み、48、49の問いに答えよ。
- 20歳の女性。体重減少を主訴に来院した。
- 現病歴:生来健康であった。2か月前の健康診断では47kgであった体重が40kgになった。食事量は以前と変わらず、過食や嘔吐はない。倦怠感が強く、暑がりになり、夜は眠れなくなった。
- 既往歴:12歳時に急性虫垂炎で手術。輸血歴はない。
- 生活歴:大学生。喫煙歴と飲酒歴はない。
- 家族歴:父親が高血圧症。
- 現症:意識は清明。身長 153cm、体重 40kg。体温 37.5℃。脈拍 104/分、不整。血圧 142/52mmHg。呼吸数 16/分。前頸部の腫脹と手指振戦とを認める。腱反射は全体的に亢進している。
- 検査所見:血液所見:赤血球 462万、Hb 13.2g/dL、Ht 40%、白血球 4,600、血小板 28万。血液生化学所見:AST 35U/L、ALT 40U/L、血糖 85mg/dL、HbA1c 5.2%(基準 4.6~6.2)、Na 142mEq/L、K 3.8mEq/L、Cl 104mEq/L。
- この患者でみられる可能性が高いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112B047]←[国試_112]→[112B049]
[★]
- 28歳の女性。月経異常と不妊とを主訴に来院した。初経は12歳で、月経周期は45~60日と不順であった。身長158cm、体重68kg。両側下肢に多毛を認める。内診で子宮は正常大。経腹超音波検査で両側の卵巣に直径10mm前後の小卵胞を多数認める。基礎体温は低温一相性。クロミフェンで排卵が認められない。血液生化学所見:LH15.8mIU/ml(基準1.8~7.6)、FSH6.8mIU/ml(基準5.2~14.4)、プロラクチン12.2ng/ml(基準15以下)、FT32.8pg/ml(基準2.5~4.5)、FT4 1.3ng/dl(基準0.8~2.2)、エストラジオール70pg/ml(基準25~75)、テストステロン52ng/dl(基準10~60)。子宮卵管造影と夫の精液検査とに異常を認めない。
- 治療薬はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102I041]←[国試_102]→[102I043]
[★]
- 30歳の女性。頭痛、乳汁漏出および月経異常を主訴に来院した。半年前から月経不順となった。最近、乳白色の乳汁の分泌に気付き、頭痛や目の奥の痛みを頻繁に自覚するようになった。身長 153cm、体重 43kg。体温 36.5℃。脈拍 72/分、整。血圧 110/60mmHg。初診時の血清プロラクチン 320ng/mL(基準 15以下)。
- 診断に有用でないのはどれか。
- a 脳脊髄液検査
- b 下垂体造影MRI
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- e 血清プロラクチン値の再測定
[正答]
※国試ナビ4※ [113D026]←[国試_113]→[113D028]
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[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [095E040]←[国試_095]→[095E042]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
- ラ
- anorexia nervosa, AN
- 同
- 神経性食欲不振症、神経性無食欲症
- also see KPS. 798
概念
- 器質的・特定の精神的疾患がないのに、拒食や過食などの食行動の異常、極端なやせ、無月経など種々の身体・精神症状をきたす病態。
- 身体像(ボディイメージ)の障害、やせ願望や肥満恐怖などによる。
病型
- 制限型:少食でやせを維持
- むちゃ食い/排出型:過食しながら自己嘔吐や下剤・利尿薬の乱用でやせを維持
病因
- 1. 遺伝的要因
- 2. 環境要因(人格的脆弱性、生活環境、社会文化的要因)など → ストレスを適切に処理できないために発症
- 性格:内向的、自己中心的、小心、完全癖、潔癖症など
- 生活環境:家庭内の葛藤、学業や人間関係の悩み
- 病態的には、心理的ストレスが大脳皮質を介して視床下部摂食中枢のコルチコトロピン放出ホルモン系を活性化することなどにより、食欲抑制や性機能障害をきたす。
疫学
- 1980年代より増加傾向。日本の有病率は0.4-1.0%(摂食異常調査表による調査)(IMD.922)
- 12-25歳に好発(YN.D-166)。10代後半-20代前半、15歳以下の発症例も増加傾向(IMD.922)。
- 99%が女性(YN.D-166)。男性例は5%以下(IMD.922)
症状
- やせ、無月経
- 病識なし、活動性亢進、むちゃ食い/排出型の場合は自己嘔吐や下剤・利尿薬乱用の習慣化
- 飢餓症候群
- 生活すべてが食とやせの維持に振り回され、ついには飢餓に伴う精神症状が出現
- 集中力・判断力の低下、抑うつ、不安、過敏性、不眠、自傷行為など
身体所見(IMD.922, YN.D-166)
- 低栄養だが、性ホルモンは比較的維持。
- 低血圧、低体温、便秘、徐脈 ← 自律神経失調
- (背中)うぶ毛密生、貧血、浮腫、肝機能障害、
- カロチン症
- 循環障害による皮膚色の変化や凍瘡、末梢神経麻痺
- やせに比して乳房は比較的保たれ、腋毛・恥毛は脱落しないことが多い。
検査
- 白血球数減少、貧血、血小板減少
- 肝機能障害、低血糖、低蛋白血症
- (むちゃ食い/排出型)低Na・低K血症、代謝性アルカローシスや高アミラーゼ血症 ← 低K血症(循環血漿量減少 → RAA系の亢進 → アルドステロンによるKの排出)
- 血清コレステロール値:(軽症)上昇、(重症)低下
- 骨密度の低下
- 甲状腺:T4:→/↑、T3:↓、reverse T3:↑(低T3症候群)。
- 成長ホルモン:↑、インスリン様成長因子-I(IGF-I):↓ ← 末梢でIGF-Iの産生が低下、負のフィードバックにより成長ホルモンが増加
- ACTH、コルチゾール:↑
- 卵胞刺激ホルモン(FSH):→/↑
- 黄体ホルモン(LH):↓
診断
診断基準(厚生省特定疾患・神経性食欲不振症調査研究班, 1990年)
- (2) 標準体重の -20%以上のやせ
- (3) 食行動の異常(不食、大食、隠れ食いなど)
- (4) 体重や体型についての歪んだ認識(体重増加に対する極端な恐怖など)
- (1) 発症年齢:30歳以下
- (5) (女性ならば)無月経
- (6) やせの原因と考えられる器質性疾患がない
- やせや無月経をきたす器質性疾患:視床下部腫瘍、下垂体機能低下症、糖尿病、慢性膵炎、甲状腺機能亢進症、炎症性腸疾患、結核などの感染症、悪性腫瘍
鑑別診断
食思不振症とか錐体機能低下症の比較 IMD.923改変
- 神経性食思不振症では成長ホルモンと糖質コルチコイドの上昇、末梢の甲状腺ホルモンの異常(reverse T3↑のこと?)、インスリン分泌の異常が認められることがある。(参考6) ← 甲状腺、副腎機能は正常と言い切っている書物もあるが、、、
治療
- 医師と患者の信頼関係が重要。体重増加を受け入れてもらう
- 栄養療法:少量・低エネルギー食より開始。栄養不良が著しい場合には静脈栄養/経腸栄養
- 心理社会的療法(認知行動療法)
予後
- 改善50%、不変25%、悪化25%、死亡率5-8%(YN.D-167) ← 過食性食思不振症に比して予後が悪い
参考
- http://www.aiiku.or.jp/aiiku/jigyo/contents/kaisetsu/ks0712/ks0712_4.pdf
- 5. [charged] Patient information: Anorexia nervosa (TheBasics) - uptodate [1]
- 6. [charged] 成人における神経性食思不振症:診断、随伴する臨床的特徴、および評価 - uptodate [2]
- 7. [charged] 成人における神経性食思不振症:合併症の評価およびこれらの合併症管理のための入院基準 - uptodate [3]
- 8. [charged] 成人における神経性食思不振症:薬物療法 - uptodate [4]
- 9. [charged] 成人および思春期における神経性食思不振症:再栄養症候群 - uptodate [5]
- 10. [charged] 成人および思春期における神経性食思不振症:内科的合併症およびその管理 - uptodate [6]
- 11. [charged] 摂食障害:疫学、病因、および臨床的特徴の概要 - uptodate [7]
- 12. [charged] 摂食障害:治療および転帰 - uptodate [8]
[★]
- 英
- polycystic ovary syndrome, polycystic ovarian syndrome, PCOS
- 同
- スタイン・レーヴェンタール症候群 スタイン・レーベンタール症候群 スタイン-リヴェンサール症候群 Stein-Leventhal症候群 Stein-Leventhal syndrome
- 関
- 多嚢胞性卵巣症候群、スタイン・レヴェンタール症候群
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概念
- 両側の多嚢胞卵巣、排卵障害、月経異常(無月経)、不妊、不育、肥満、多毛、男性化症状などを呈する病態
病因
- インスリン抵抗性 → 高インスリン血症 → 莢膜細胞肥厚 → アンドロゲン産生促進
病態生理
- 過剰産生されたアンドロステンジオンは末梢の脂肪組織でエストロゲンに変換される。
- 卵巣の白膜が肥厚、卵胞の発育抑制 ← アンドロゲン過剰による
-
- 過剰のテストステロン・アンドロゲン → にきび、声の低音化、多毛、男性化症状
- 卵巣の顆粒細胞層は萎縮し、アロマターゼ活性低下 → エストラジオール産生は増加しない。
症状
- 日本では月経異常(92%)、不妊(99%)の訴えが多い。多毛(23%)、肥満(20%)は少ない
合併症
- 耐糖能異常、脂質代謝異常、2型糖尿病、高血圧、心血管病、閉塞性睡眠時無呼吸症候群
- 子宮体癌
- 参考1
- メタボリックシンドロームの臨床像である耐糖能異常、脂質代謝異常、2型糖尿病、高血圧、心血管病、閉塞性睡眠時無呼吸症候群を罹患する、あるいは将来罹患すると考えられている。排卵障害に起因するエストロゲンへの恒常的曝露により、子宮体癌に進展するリスクが高い。
- 参考2
- 過剰に産生されたアンドロステンジオンは脂肪組織でエストロゲンに変換され、子宮内膜がエストロゲンに暴露され、無排卵周期であるためにプロゲステロンが分泌されず暴露は継続的となる(子宮体癌との関連は限定的という研究もあるが)。しかし、PCOSでは高インスリン血症、IGF-1高値、抗アンドロゲン血症、肥満が見られ、これは子宮体癌のリスクファクターとなっている。
- 参考3
- PCOSでは排卵の頻度が少ないかあるいは無敗卵となるために正常量のプロゲステロンが分泌されない。高レベルのエストロゲンを拮抗できないために子宮内膜過形成と過多月経のリスクを上げる。
検査
ホルモン検査
- (also see 参考3)
- アンドロゲン:高値
- LH/FSH≧1 LH:高値 。FSH正常~低値
- LHRL負荷試験:LH:過剰反応。FSH:正常範囲
経腟超音波検査
診断
- 続発性無月経、不妊を主訴 → 視診(多毛、陰核肥大、肥満など) → 内診(両側卵巣腫大) → 経膣超音波検査(多数の卵胞が卵巣表面に並んで見える) → 血液生化学(LH高値、アンドロゲン高値、LH-RH負荷テストでLHの過剰反応) → (治療的検査?)腹腔鏡検査
治療
排卵障害・月経異常
- 参考1
- 1) クロミフェン療法:第1度無月経を呈するPCOSに対してクロミフェンを投与。50%の排卵率と10-20%の妊娠率が得られる
- 2) ゴナドトロピン療法(hMG-hCG療法):クロミフェン療法が無効の場合に適応となる。多胎と卵巣過剰刺激症候群が起こりやすいので注意する。
- 3) 腹腔鏡下卵巣多孔術:クロミフェン療法が無効の場合に適応となる。電気メスやレーザーにより、卵巣表面に多数の穴を開ける腹腔下手術である。メリット:効果はゴナドトロピン療法に匹敵、OHSSや多胎のリスクが少ない、受診回数が少なくて済むなど。デメリット:排卵誘発剤の補助的併用が必要になる場合がある、効果の持続は1-2年以内と比較的短い、手術のリスク。
- 4) 生殖補助技術:1)-3)で不成功に終わった場合適応。
参考
- 1. E.婦人科疾患の診断・治療・管理 3.内分泌疾患 - 日産婦誌60巻11号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/60/6011-477.pdf
- 2. [charged]Clinical manifestations of polycystic ovary syndrome in adults - uptodate [9]
- 3. [charged] Steroid hormone metabolism in polycystic ovary syndrome - uptodate [10]
国試
[★]
- 英
- amenorrhea
- 関
- 月経 menorrhea、月経異常
発症時期による分類
原因による分類
検査
-
[★]
- 英
- hypermenorrhea
- 同
- 月経過多症、月経過多 menorrhagia
- 関
- 月経異常、過少月経、月経
病因
[★]
- 英
- hypomenorrhea ← これには過短月経の意味もあるらしく・・・
- 関
- 月経異常
病因 NGY.152
[★]
- aberrance, aberration, abnormity, anomalia, anomalo, anomaly, bad condition, defect, glitch, malfunction, trouble, uniqueness, vitium
[★]
- 英
- menstruation, menses
- 関
- 月経周期