- 英
- 5-aminolevulinate 5-aminolevulinic acid , δ-aminolevulinate δ-aminolevulinic acid δ-ALA, aminolevulinate aminolevulinic acid ALA
- 同
- δ-アミノレブリン酸
- 関
- ALA synthase、レブリン酸
構造式:H2NCH2COCH2CH2COOH
レブリン酸のδ酸素にアミノ基がついた形
概念
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2017/04/13 07:53:59」(JST)
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アミノレブリン酸
|
IUPAC命名法による物質名 |
|
識別 |
CAS番号
(MeSH) |
106-60-5 |
ATCコード |
L01XD04 (WHO) |
PubChem |
CID: 137 |
DrugBank |
APRD00793 |
化学的データ |
化学式 |
C5H9NO3 |
分子量 |
131.13 g/mol |
5-アミノレブリン酸(5-aminolevulinic acid、5-ALA)またはδ-アミノレブリン酸(dALA, δALA)は、ポルフィリン合成経路の最初の生成物である。
目次
- 1 生物種によって異なる合成経路
- 2 動物における合成経路
- 3 合成阻害
- 4 用途
- 5 脚注
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
生物種によって異なる合成経路
ポルフィリン合成経路の出発物質であるアミノレブリン酸の合成経路には2種類があり、生物の系統によってどちらを用いているかは異なる。
- Shemin経路
- グリシンとスクシニルCoAを縮合させて合成する。αプロテオバクテリアと、真核生物のミトコンドリアで利用されている。
- C5経路
- tRNAにチャージされているグルタミン酸を還元的に切り離し、アミノ基転移を経て合成する。大部分の原核生物と、真核生物の色素体で利用されている。
2種類の経路を両方もつ生物は稀である。色素体を持つ真核生物はミトコンドリアも持っているが、通常どちらか一方のみが用いられる。例えば緑色植物・紅藻・珪藻では色素体のC5経路のみが利用されShemin経路はそもそも存在しない。両方の経路を利用している生物としてはミドリムシが挙げられる。
動物における合成経路
動物においてはグリシンおよびスクシニルCoAからアミノレブリン酸合成酵素(EC 2.3.1.37)の作用で合成される。
5-アミノレブリン酸は、動物においてはポルフォビリノーゲンシンターゼによってポルフォビリノーゲン(EC 4.2.1.24)に代謝され、さらにヒドロキシメチルビラン→ウロポルフィリノーゲンIII→コプロポルフィリノーゲンIII→プロトポルフィリノーゲンIX→プロトポルフィリンIXとなる。プロトポルフィリンは鉄イオンを配位することで、血液中のヘモグロビンや薬物代謝酵素であるP450を構成するヘムとなる。
δ-アミノレブリン酸からプロトポルフィリンIXまでの生合成経路
合成阻害
無機鉛は、SH基と結合することにより、5-アミノレブリン酸脱水酵素と、ヘム合成酵素を阻害するため、尿中には5-アミノレブリン酸とコプロポルフィリンが排泄される。これらの異常値は症状が無くても認められるため、鉛曝露の指標として有用である。さらに、鉛のヘムの分解の促進と合成の阻害により、ヘムの量は著しく減少し、ヘモグロビンだけでなく、ヘム蛋白質であるP450も減少する。症状としては、貧血と鉛仙痛が挙げられる。
用途
医療分野においては光増感剤として、光線性角化症やニキビの治療薬(光線力学的療法、PDT)に用いられており、近年ではレーザー照射と組み合わせて脳腫瘍の術中診断(光線力学的診断法、PDD)に用いられる。また、皮膚癌等の癌の治療も試みられている[1]。
光増感剤の作用による除草剤として考えられていたが大量に使わないと効果がなく、逆に成長を促進する現象が見られて断念、肥料として使用する研究がされた。低濃度のアミノレブリン酸と微量のミネラルを配合した水溶液を植物に散布すると、葉緑素が増えて成長を促進させることが発見され、これを添加した液体肥料が販売されるなど、農業分野においても応用されている。
現在、コスモ石油において光合成細菌による大量生産法が確立されている。
脚注
- ^ http://www.cancerit.jp/xoops/modules/words_nci/entry.php?entryID=205
関連項目
外部リンク
- ALA(5-アミノレブリン酸)とは? - コスモ石油
- ALAとは? - SBIアラプロモ株式会社
- 5-アミノレブリン酸とは? - コスモ誠和アグリカルチャ株式会社
- 栄養・生化学辞典『アミノレブリン酸』 - コトバンク
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Japanese Journal
- 72. 5-アミノレブリン酸(ALA)含有肥料の茎葉処理に用いる至適展着剤および処理時間帯の検討(口頭発表,植物化学調節学会第46回大会)
- 舩田 茂行,李 潤,遠藤 史弥,竹内 安智
- 植物化学調節学会研究発表記録集 (46), 88, 2011-10-03
- … When barley plants were sprayed by PKS diluted at 5,000, 3,000 and 1,000-fold in the morning, noon, or evening in the incubator, all plants tended to increase regardless of application time of the day. …
- NAID 110008902481
- 71. ホウレンソウ夏期栽培における5-アミノレブリン酸(ALA)含有肥料の抽苔抑制効果(口頭発表,植物化学調節学会第46回大会)
- 李 潤,舩田 茂行,遠藤 史弥,竹内 安智
- 植物化学調節学会研究発表記録集 (46), 87, 2011-10-03
- … Experiment 1: Test on the suppression of the bolting of spinach grown under low light condition The seedlings at 4-leaf stage were transplanted in the pot (playmobil, Lechuza) with the provided medium and gravel, constantly supplied with the nutrient solution (N:P:K=5:10:5), and grown under fluorescent light (about 10,000 lx) at 25℃ for 39 days. …
- NAID 110008902480
- 膀胱癌に対する光力学診断における課題 : 偽陽性所見の病理学的検討
- 福原 秀雄,井上 啓史,深田 聡,辛島 尚,鎌田 雅行,執印 太郎,久野 貴平,笠原 高太郎,渡邊 裕修,濱口 卓也,片岡 真一,谷村 正信,倉林 睦,降幡 睦夫,飯山 達雄
- 西日本泌尿器科 73(9), 460-469, 2011-09-20
- NAID 10029758558
Related Links
- ヒトや動物、植物といったあらゆる生命体で、細胞のミトコンドリアに存在し、 エネルギーを生み出す5-アミノレブリン酸(ALA)は、『生命の根源物質』と呼ばれています。
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- 5-A mino L evulinic A cid(ALA)(5-アミノレブリン酸)の略称。*1 5-アミノレブリン酸とは、動植物の生体内に含まれる天然アミノ酸のこと。 血液中のヘモグロビンや葉緑素(クロロフィル)の原料となる、生物にとって非常に重要なアミノ酸 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- acute intermittent porphyria, AIP
- 同
- スウェーデン型ポルフィリン症 Swedish type porphyria
- 関
- ポルフィリン症、肝性ポルフィリン症
概念
- バルビツール酸系の薬剤はALA synthetaseを誘導するので、AIPの情動不安、せん妄のコントロールには禁忌
遺伝
病因
- この蛋白の機能異常に加えて誘発因子が存在したときに急性発作をきたす
発作の誘発因子
- 環境因子:薬物(様々、例えば抗てんかん薬)、食物(低カロリー食、低炭酸化物食)、アルコールの摂取、感染、手術
- 薬物の例:バルビタール、抗てんかん薬、経口避妊薬、サルファ剤、鎮静剤(QB.D-321) ← 禁忌
- ホルモン:内的ホルモン・外的ホルモン(経口避妊薬)
- 女性の方が症状が重いが、これは内的なエストロゲンやプロゲステロンの影響に寄ることを示唆している。
病態
- HIM.2438
- ホルホビリノゲン(PBG)デアミナーゼ/ヒドロキシメチルビラン(HMB)合成酵素の欠損をヘテロ接合で有することで活性が半分となっており、ある誘発因子により基質であるホルホビリノゲン(PBG)やアミノレブリン酸(ALA)が組織に蓄積するのが本疾患の本態。ホモ接合の場合は生後より発症する。以下、ヘテロ接合のみについて記載する。思春期に前に症状を呈さない人がほとんどであり、これはAIPの誘発因子と考えられる体内のホルモンと関係している。誘発因子の存在により肝臓でのヘム合成が亢進し、ホルホビリノゲン、アミノレブリン酸およびその他のヘム中間代謝産物が蓄積する。
症状
- 腹痛、嘔吐、便秘。弛緩性?麻痺(下肢優位)、高血圧、頻脈、SIADH
- uptodate
|
incidence
|
腹痛
|
85~95 %
|
嘔吐
|
43~88 %
|
便秘
|
48~84 %
|
脱力
|
42~60 %
|
精神症状
|
40~58 %
|
四肢、頭部、頚部、胸部の疼痛
|
50~52 %
|
高血圧
|
36~54 %
|
頻脈
|
28~80 %
|
痙攣
|
10~20 %
|
感覚麻痺
|
9~38 %
|
発熱
|
9~37 %
|
呼吸筋麻痺
|
9~14 %
|
下痢
|
5~12 %
|
- HIM.2440
- 思春期前の場合は、neurovisceral symptomsがまれに起こり、またしばしば非特異的なので、診断には疑ってかかる必要がある。
- この疾患は(発症すると)何もできないような状態になるが、死に至ることはまれである。
臓器症状、全身症状
- 腹痛は最も良くある症状であり、持続的で局在性がないが、疝痛であることはない。
- イレウス、腹部膨満、腸蠕動音減弱も良くある症状であるが、下痢や腸蠕動音亢進もありうる。
- 腹部圧痛や発熱、好中球増加は通常みられず、またあっても軽度である。これは、症状が炎症ではなく、神経学的な要因によるからである。
- 悪心・嘔吐、便秘、頻拍、高血圧、精神症状、四肢・頭部・頸部・胸部の疼痛、筋力低下、感覚減弱、排尿困難、が特徴的である。
- 頻拍、高血圧、焦燥感、振戦、および発汗過多は交感神経活動性亢進のためである。
神経障害に基づく神経症状
- 末梢ニューロパチーは軸索変性によるものであり、主に運動ニューロンを冒す。
- 著明な神経症状がいつも急性発作に起こるわけではない。そういうときには腹部症状が著明である。
- 運動神経のニューロパチーは、最初に近位の筋(肩や腕)を冒す。
- 障害の程度、経過は様々であり、特に神経局所症状を呈したり、脳神経も侵される。
- 深部腱反射は最初は正常~亢進しているが、ニューロパチーの進展と共に減弱~消失してくる。
- 錯感覚(paresthesia)や感覚消失はあまりみられない(less prominent)。
- 呼吸麻痺、球麻痺及び死亡は診断と治療が遅れたときに特に起こる。
- 突然死は交感神経の過剰興奮と不整脈から起こるかもしれない。
精神症状
- 急性発作の時に不安、傾眠、うつ、見当識喪失、原資、および妄想が起こりうる。
- てんかん発作は神経学的機序、あるいは低ナトリウム血症で起こりうる。(治療は困難である。抗てんかん薬(フェニトイン、バルビツール酸にくらべてクロナゼパムは安全かもしれない)はAIPを悪化させるためである)。低ナトリウム血症は神経学的障害が視床下部に及びSIADHをきたすこと、あるいは嘔吐、下痢、食物摂取不足、あるいは腎臓からの塩類の喪失による電解質の喪失から生じる。
- 持続的な低血圧や腎機能不全が起こりうる。
- 発作が治まれば、腹痛は数時間で消失することがあり、麻痺は数日間で改善し始め、数年の経過で数年の経過で回復していくことがある。
検査
[★]
- 英
- heme
- 同
- プロトヘム protoheme、フェロプロトポルフィリンIX ferroprotoporphyrin IX
- 関
- ヘマチン hematin
生合成
生合成の場所
[★]
- 英
- vitamin B6
- 同
- 塩酸ピリドキシン pyridoxine hydrochloride、ピリドキシン pyridoxine
- 商
- アリチア配合
- 関
- ビタミン
- ピリドキサールリン酸, pyridoxal phosphate
概念
機能
- セロトニンの生合成 ← 5-hydroxytraptophanの脱炭酸
主要な反応・機能
- FB.289 HBC.498
- 転移反応、脱炭酸反応、離脱反応、ラセミ化 に関与。補酵素として活性を持つのは「ピリドキサル5'-リン酸 PLP」
- ヒスチジン---(ヒスチジンデカルボキシラーゼ + PLP)--→ヒスタミン +
- グルタミン酸---()--→GABA
- 5-ヒドロキシトリプトファン---(芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ + PLP)--→セロトニン + CO2
- ドーパ---(dopa decarboxylase + PLP)--→ドパミン + CO2
- (グリコーゲン)n + Pi ---(グリコーゲンホスホリラーゼ + PLP)--→ (グリコーゲン)n-1 + グルコース1-リン酸(G1P)
- スクシニルCoA + グリシン ---(5-アミノレブリン酸シンターゼ + PLP)--→ 5-アミノレブリン酸(ALA) + CoA + CO2
- ステロイドホルモン・ホルモン受容体複合体をDNAより解離させ、ホルモンの働きを抑制する作用がある。このため、ビタミンB6欠乏ではエストロゲン、アンドロゲン、コルチゾール、ビタミンDの作用が増強される。ホルモン依存性の悪性腫瘍が存在する場合にビタミンB6欠乏の程度と予後が相関する(HBC.499)
臨床関連
[★]
- 英
- aminolevulinic acid dehydratase
- 同
- アミノレブリン酸脱水酵素、δ-アミノレブリン酸脱水酵素、ポルフォビリノゲンシンターゼ porphobilinogen synthase
- 関
- ポルホビリノーゲン、ヘム、ポルフィリン
[show details]
概念
[★]
- 英
- porphobilinogen, PBG
- 同
- ポルホビリノーゲン、ポルフォビリノーゲン、ポルホビリノゲン、ポルフォビリノゲン、2-アミノメチルピロール-3-酢酸-4-プロピオン酸
- 関
- アミノレブリン酸、ヘム、ポルフィリン
[show details]
概念
[★]
- 英
- 5-aminolevulinate synthetase
- 関
- 5-アミノレブリン酸シンテターゼ
[★]
- 英
- 5-aminolevulinate synthetase
- 関
- 5-アミノレブリン酸合成酵素
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3
[★]
- 英
- aminolevulinic acid
- 同
- 5-アミノレブリン酸
- 商
- アラベル、アラグリオ
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義