- 英
- chemotherapy
- 関
- 癌化学療法
WordNet
- the use of chemical agents to treat or control disease (or mental illness)
PrepTutorEJDIC
- 化学療法
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/07/16 00:54:10」(JST)
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この項目では、化学療法の一般的な内容について説明しています。
- 抗がん剤や分子標的薬による悪性腫瘍治療としての化学療法については「化学療法 (悪性腫瘍)」をご覧ください。
- 抗生物質(主に抗菌剤)による感染症治療としての化学療法については「化学療法 (細菌)」をご覧ください。
- ウイルス感染治療としての化学療法については「抗ウイルス治療#(ウイルス)化学療法」をご覧ください。
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化学療法(かがくりょうほう、英: chemotherapy)は、ある種の化学物質の選択毒性を利用して疾患の原因となっている微生物や癌細胞の増殖を阻害し、さらには体内から駆逐することを目的とする医学的な治療法の一種である。
今日、単に化学療法といった場合は、抗がん剤治療、つまりがん化学療法を指さす場合が多い。他の治療法、例えば外科手術、放射線療法と対比する場合に使われる。
パウル・エールリッヒの造語で、元来は、感染症の化学薬品による治療を意味していた。それが、微生物由来の抗生物質が発見され、化学薬品ではない薬物治療も化学療法と呼ばれるようになった。「感染症の化学療法 (antibacterial chemotherapy)」は抗生物質の項に詳しい。結核の治療、自己免疫疾患の治療にも化学療法の語が使用される。
目次
- 1 化学療法の原理
- 2 細菌に対する化学療法
- 3 ウイルスに対する化学療法
- 4 真菌に対する化学療法
- 5 寄生虫に対する化学療法
- 6 悪性腫瘍に対する化学療法
- 7 自己免疫疾患に対する化学療法
化学療法の原理
上記のように感染症、悪性腫瘍、自己免疫疾患の治療に化学療法という言葉は使われる。根本的な病因は異なるが、薬理学的な見地からは一般的な治療の原則は極めて類似している。どちらも選択毒性というところにターゲットを置いている。
- 選択毒性の原理
- 宿主には存在せず、病原体や癌細胞にのみある特異的な標的物質を攻撃する。
- 宿主に似た物質であるが同一ではない病原体、癌細胞の標的物質を攻撃する。
- 宿主と病原体、癌細胞に共通するがその重要性が異なる標的物質を攻撃する。
これら3つに集約することができる。もし標的細胞や病原体が該当薬物に対して感受性があり、耐性が生じるのがまれで、かつ治療指数が高い(滅多に中毒量に達しない)のなら、単剤療法の方が多剤併用療法よりも望ましくない副作用を最小限に食い止めることができる。多くの感染症の場合は、これらの条件を満たすため、原則一剤投与となる。感染症治療で多剤併用療法となるのは、結核、ハンセン病、HIV、免疫不全時の感染症などがあげられる。結核菌やHIVは薬剤耐性を生じやすいため、3剤併用療法を行う必要がある。
悪性腫瘍の場合は腫瘍細胞はいくつかの種類のものが混在しており、更に耐性を得やすく、毒性のため投与量に制限があることが多く単剤投与は失敗に終わることが多いため多剤併用療法となる。多剤併用療法も複数もやみくもに組み合わせればよいというものではなく、いくつかの重要な経験則がある。標的とする分子が異なる薬物、有効とされる細胞周期の時期が異なる物質、用量規定毒性が異なる薬物を併用するのが一般的である。さらにできるだけシナジーを得られる投薬を工夫する。このようにすることで、結果として最小の毒性で最大の結果が得られると考えられている。その結果、がんが耐性化を獲得する機会が最小になる。
自己免疫性疾患に対する化学療法において、優れた選択性をもつものはまだ存在しない。そのため、全般的な免疫抑制を起こす免疫抑制剤が使用される。
細菌に対する化学療法
詳細は「化学療法 (細菌)」を参照
ウイルスに対する化学療法
詳細は「抗ウイルス治療」を参照
真菌に対する化学療法
寄生虫に対する化学療法
悪性腫瘍に対する化学療法
詳細は「化学療法 (悪性腫瘍)」を参照
自己免疫疾患に対する化学療法
自己免疫疾患においては、傷害する細胞は患者自身の免疫担当細胞である。しかし傷害しすぎると免疫不全となり日和見感染などにより生命の危機に至る。疾患のコントロールができる程度の量を投与することとなる。
主たる化学療法剤は
- アルキル化薬: シクロフォスファミド
- 葉酸代謝拮抗薬: メトトレキサート
- プリン体代謝阻害薬: アザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチル
などで、いずれも核酸合成を阻害する。
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Japanese Journal
- 32年間失っていた声を取り戻して : ハンセン病療養所「星塚敬愛園」聞き取り
- 福岡 安則,黒坂 愛衣
- 日本アジア研究 : 埼玉大学大学院文化科学研究科博士後期課程紀要 9, 119-133, 2012-3
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- NAID 120003913468
- 外来化学療法を受けているがん患者の気がかりとそのサポート
- 楠葉 洋子,橋爪 可織,中根 佳純,宮原 千穂,土屋 暁美,芦澤 和人,福島 卓也,澤井 照光,浦田 秀子
- 保健学研究 24(1), 19-25, 2012-03
- … Concerns Rating Scale(CCRS)を用いて 外来化学療法を受けているがん患者62名の気がかりとそれをどの程度他者に話しているかについて調査した.気がかりがある人の割合は『病気の進行』に関する項目が最も高く,次いで『社会・経済の見通し』『自己存在』『日常生活の再構成』の順であった.気がかりを話す相手は家族や友人が多かった.「化学療法を継続していく中で自分の役割を案じてい …
- NAID 120003874161
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次の文を読み、 30、 31の問いに答えよ。
- 62歳の女性。持続性の腹痛を主訴に来院した。
- 現病歴: 6か月前に食欲不振と全身倦怠感とを主訴に受診し、精査の結果、肺癌とその肝転移であると診断された。抗癌化学療法などの積極的な治療を希望せず、外来通院することとなった。 2週前から右上腹部に持続性の疼痛が出現し、次第に増強した。疼痛は体動によって増悪した。外来で非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が投与され、一時的に疼痛は軽減したが、 1週前から再び増悪したため来院した。
- 2週前までは日中は車椅子で生活できていたが、最近は疼痛のために室内の移動も困難となり、 1日中ベッドに横になっていることが多かったという。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 生活歴:娘夫婦と同居。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:父親が大腸癌のため72歳で死亡。
- 現 症:意識は清明。身長152cm、体重42kg。体温36.2℃。脈拍76/分、整。血圧118/76mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝を鎖骨中線上で6cm触知する。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈渣に異常を認めない。
- 血液所見:赤血球382万、 Hb10.6g/dl、 Ht36%、白血球5,300、血小板17万。
- 血液生化学所見:血糖98mg/dl、総蛋白6.1g/dl、アルブミン2.9g/dl、尿素窒素32mg/dl、クレアチニン0.8mg/dl、総ビリルビン1.2mg/dl、 AST78IU/l、 ALT66IU/l、 LD 477IU/l(基準176-353)、 ALP483IU/l(基準115-359)、 γ-GTP 132IU/l(基準8-50)、 Na139mEq/l、 K4.4mEq/l、 Cl97mEq/l。
- 入院後2週が経過し、疼痛コントロールが安定した。患者は退院して自宅で生活することを希望している。
- 在宅ケアを導入するにあたり、医師が病状観察と服薬管理とを依頼する職種として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106C030]←[国試_106]→[106D001]
[★]
- 次の文を読み、 30、 31の問いに答えよ。
- 62歳の女性。持続性の腹痛を主訴に来院した。
- 現病歴: 6か月前に食欲不振と全身倦怠感とを主訴に受診し、精査の結果、肺癌とその肝転移であると診断された。抗癌化学療法などの積極的な治療を希望せず、外来通院することとなった。 2週前から右上腹部に持続性の疼痛が出現し、次第に増強した。疼痛は体動によって増悪した。外来で非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が投与され、一時的に疼痛は軽減したが、 1週前から再び増悪したため来院した。
- 2週前までは日中は車椅子で生活できていたが、最近は疼痛のために室内の移動も困難となり、 1日中ベッドに横になっていることが多かったという。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 生活歴:娘夫婦と同居。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:父親が大腸癌のため72歳で死亡。
- 現 症:意識は清明。身長152cm、体重42kg。体温36.2℃。脈拍76/分、整。血圧118/76mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝を鎖骨中線上で6cm触知する。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈渣に異常を認めない。
- 血液所見:赤血球382万、 Hb10.6g/dl、 Ht36%、白血球5,300、血小板17万。
- 血液生化学所見:血糖98mg/dl、総蛋白6.1g/dl、アルブミン2.9g/dl、尿素窒素32mg/dl、クレアチニン0.8mg/dl、総ビリルビン1.2mg/dl、 AST78IU/l、 ALT66IU/l、 LD 477IU/l(基準176-353)、 ALP483IU/l(基準115-359)、 γ-GTP 132IU/l(基準8-50)、 Na139mEq/l、 K4.4mEq/l、 Cl97mEq/l。
- a 直ちに非経口薬を用いる。
- b NSAIDsの投与を中止する。
- c 疹痛時の追加投与は行わない。
- d 投与開始から制吐薬を併用する。
- e 便秘が出現した場合は中止する。
[正答]
※国試ナビ4※ [106C029]←[国試_106]→[106C031]
[★]
- 次の文を読み、28~30の問いに答えよ。
- 28歳の男性。左陰嚢の無痛性腫大を主訴に来院した。
- 現病歴 :6か月前に左陰嚢の腫れに気付き、その後徐々に増大してきた。疼痛はなかった。
- 既往歴・家族歴 : 特記すべきことはない。
- 現症 : 意識は清明。身長176cm、体重68kg。体温36.1℃。脈拍68/分、整。血圧110/72mmHg。身体所見で胸腹部に異常を認めない。陰嚢皮膚と右陰嚢内容とに異常はない。左陰嚢内容は鶏卵大で一塊として硬く触知するが、圧痛と透光性とは認めない。
- 検査所見:尿所見:異常を認めない。
- 血液所見:赤血球456万、Hb15.1g/dl、白血球8,300、血小板26万。
- 血清生化学所見:総蛋白6.8g/dl、アルブミン3.9g/dl、クレアチニン0.9mg/dl、AST40単位、ALT38単位、LDH 410単位(基準176~353)。胸腹部CTで両肺に多発性結節影と傍大動脈リンパ節の腫脹とを認める。
- 入院後経過 : 精巣腫瘍と診断し、高位精巣摘除術を施行した。
[正答]
※国試ナビ4※ [099I029]←[国試_099]→[100A001]
[★]
- 48歳の女性。 1か月前からの全身倦怠感を主訴に来院した。 42歳時に右乳癌の治療を受けている。乳癌はエストロゲン受容体陰性、 HER2陰性であった。
- 身長158cm、体重54kg。体温36.4℃。脈拍72/分、整。血圧120/60mmHg。眼球結膜に黄染を認めない。腹部は平坦、軟で、右肋骨弓下に肝の辺縁を触知する。
- 血液所見:赤血球324万、 Hb9.6g/dl、 Ht34%、白血球6,700、血小板36万。血液生化学所見:総蛋白6.8g/dl、アルブミン4.0g/dl、尿素窒素16mg/dl、クレアチニン0.7mg/dl、総ビリルビン0.6mg/dl、 AST68IU/l、 ALT80IU/l。 CA15-3 150U/ml(基準30以下)。腹部造影CT(別冊No. 13)を別に示す。治療として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106A035]←[国試_106]→[106A037]
[★]
- 61歳の女性。息苦しさを主訴に来院した。 3年前に乳癌に対し右乳房温存乳腺部分切除術を受けて以来、抗癌化学療法とホルモン療法とを続けている。 1週前から息苦しさを自覚し、徐々に増悪してきたため受診した。体温36.8℃。脈拍108/分、整。血圧120/80mmHg。呼吸数24/分。 SpO2 90%(room air)。右胸部で呼吸音が減弱している。下腿に浮腫を認めない。血液所見:赤血球 410万、 Hb 11.8g/dL、 Ht 38%、白血球 7,200、血小板 21万。免疫学所見: CRP 0.3mg/dL。CEA 9.2ng/mL(基準5以下)。マスクで酸素投与を開始したところ、 SpO2は95%になった。胸部エックス線写真(別冊No. 3)を別に示す。
- 現時点の対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106H028]←[国試_106]→[106H030]
[★]
- 71歳の男性。感冒症状のため近医を受診した際に赤沈の亢進を指摘され、精査のため来院した。3年前に大腸ポリープの内視鏡切除術を受けた。自覚症状はなく、全身状態も良好である。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤沈45mm/1時間、赤血球435万、Hb14.7g/dl、Ht43%、白血球7,100、血小板19万。血清生化学所見:総蛋白8.2g/dl、アルブミン4.3g/dl、IgG2,235mg/dl(基準960~1,960)、lgA356mg/dl(基準110~410)、IgM150mg/dl(基準65~350)、尿素窒素12mg/dl、クレアチニン1.0mg/dl、総ビリルビン0.9mg/dl、AST20単位、ALT18単位、LDH243単位(基準176~353)。CRP0.1mg/dl。血清免疫電気泳動写真を以下に示す。対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099A033]←[国試_099]→[099A035]
[★]
- 22歳の女性。未経産。胞状奇胎摘出後の管理目的で来院した。
- 8週前に胞状奇胎(妊娠9週)と診断され、子宮内容除去術を受けた。膣分泌物は血性、少量。
- 子宮体部は軽度腫大し、付属器は触知しない。
- 基礎体温は1相性。尿中hCG値1,600mIU/ml。経膣超音波写真を以下に示す。
- 胸部エックス線写真で右下肺野に径15mmの結節陰影を1個認める。頭部CTと腹部CTとに異常を認めない。奇胎娩出から8週間の尿中hCG値の推移を以下に示す。
- 画像:99A40B.jpg 300px
- 治療として最も適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099A039]←[国試_099]→[099A041]
[★]
- 68歳の男性。1年6か月前に、直腸癌に対して直腸切断術を受けた。1週前の胸部エックス線写真で異常陰影が認められた。現在自覚症状はなく、全身状態は良好である。血清CEA値は19.8ng/ml(基準5以下)で、胸腹部CTで右肺下葉に径2cmの結節性病変を1個認めた。それ以外に異常はない。
[正答]
※国試ナビ4※ [099F016]←[国試_099]→[099F018]
[★]
- 身体所見では、顔面、頚部および右上肢に腫脹が認められる。
- 胸部エックス線写真と喀痰細胞診Papanicolaou染色標本とを以下に示す。
- 適切な治療はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [099F045]←[国試_099]→[099F047]
[★]
- 62歳の男性。会社の健康診断の腹部超音波写真で右腎に異常を指摘されて来院した。超音波写真、腹部単純CTおよび造影CTを以下に示す。適応となる処置はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095D037]←[国試_095]→[095D039]
[★]
- a. 抗HIV抗体陽性である。
- b. 液性免疫能が低下する。
- c. T細胞受容体遺伝子の再構成を認める。
- d. 臨床経過は慢性から急性まで多様である。
- e. 化学療法への反応は良好である
[正答]
※国試ナビ4※ [103I006]←[国試_103]→[103I008]
[★]
- 英
- uterine corpus cancer, carcinoma of uterine corpus, cancer of the uterine body
- ラ
- carcinoma corporis uteri
- 同
- 子宮内膜癌 endometrial carcinoma endometrial cancer
- 関
- 子宮、腫瘍、産婦人科学、子宮内膜増殖症(前癌病変)
定義
疫学
- 発生頻度は欧米に多く、日本では少ない(女性人口10万当たり4)→高齢化、生活習慣との関連
- 発症年齢は50歳代が最も多く、閉経後が7割を占める。40歳以下の婦人は5%程度。
- 妊娠中および分娩後5年以内に体癌が発見されることはほとんどない。
- 日本では近年増加傾向。子宮癌全体の30%を占める(みえる9.150)
リスクファクター
- プロゲステロンに拮抗されずに、エストロゲンに長期暴露されることによる
- 典型像:60歳くらいの太った未産の女性
- 未婚、不妊、閉経後、高い初婚・初妊年齢、少ない妊娠・出産回数、卵胞ホルモン服用歴、肥満
- 卵巣機能異常(無排卵周期症、PCOSなどの既往) → 正常量のエストロゲンが存在するものの、これに拮抗するプロゲステロンが欠乏する
- 出典不明
症状
- ほとんどの場合に症状がある。
- 9割で不正性器出血がみられる。そのほか過多月経、異常帯下、下腹部痛など。
子宮体癌の組織的分類
- ()内の頻度はG9M.155
-
G9M.155
- 類内膜癌(80-90%) → 類内膜腺癌(60-70%)、扁平上皮への分化を伴う類内膜腺癌(20-30%)
- 細胞異型が強い場合にはGradeを上げる。
- Grade1(高分化型)充実増殖の占める割合が腺癌成分の5%以下。プロゲステロン受容体陽性率高。予後良好
- Grade2(中分化型)充実増殖の占める割合が腺癌成分の6-50%。プロゲステロン受容体陽性率中。予後中等度
- Grade3(低分化型)充実増殖の占める割合が腺癌成分の50%超。プロゲステロン受容体陽性率低。予後不良
発生機序による分類
- type I:エストロゲン依存性。発症は遺伝子変異とエストロゲンの長期持続刺激による子宮内膜細胞の異常増殖
- type II:エストロゲン非依存性。子宮内膜異型増殖症を介さないで癌化する
検査
超音波エコー(経膣超音波)
腫瘍マーカー
MRI
- T2画像が有用。
- junctional zoneの菲薄化・欠損
- 子宮内膜>腫瘍>筋層>junctional zone
診断
- 子宮腔内の吸引あるいは擦過細胞診による検出率:90%以上
- 子宮頚・腟部からの細胞採取による検出率:50%以下
手術進行期分類 (日産婦 1995,FIGO1998)
- 原則として手術進行期分類を用い、手術を行っていない例では臨床進行期分類を用いる
体 → 頚 → 骨盤内 → 骨盤外
- 0期: 子宮内膜異型増殖症
- I期: 子宮体部に限局
- Ia期: 子宮内膜に限局
- Ib期: 浸潤が子宮筋層1/2以内
- Ic期: 浸潤が子宮筋層1/2を越える
- II期: 子宮頸部に及ぶ
- IIa期: 頸管腺のみ
- IIb期: 頸部間質浸潤
- III期: 子宮外に広がるが小骨盤腔を越えない、または所属リンパ節転移
- IIIa期: 漿膜浸潤、付属器浸潤、腹膜細胞診陽性
- IIIb期: 膣転移
- IIIc期: 所属リンパ節転移(骨盤リンパ節、傍大動脈リンパ節)
- IV期: 小骨盤腔を越える、または明らかな膀胱または腸粘膜を侵す
- IVa期: 膀胱、腸粘膜へ浸潤
- IVb期: 遠隔転移(腹腔内リンパ節、鼠径リンパ節転移を含む)
転移
症状
治療
- 手術療法、放射線療法、薬物療法(抗ガン剤、ホルモン療法)
- 治療法の基本は手術療法(単純子宮全摘術、準広汎子宮全摘術、広汎子宮全摘術)。
- 補助的に摘出術を追加することがある:両側付属器切除術、リンパ節郭清、部分大網切除術
- 薬物療法・放射線療法:手術不能例、再発例、術後の補助療法
薬物療法
抗悪性腫瘍薬
- シスプラチン、アドリアマイシン、タキサン系の多剤併用療法
化学療法のレジメン
- 参考:http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/nmk/cr/report/200702/502818.htm
ガイドライン的には「アンスラサイクリン系とプラチナ製剤を含む薬剤の選択が薦められている(グレードB)。タキサン系製剤も併用さているが、その十分な根拠は得られていない(グレードC)。(子宮体癌の治療ガイドライン2006年)
一般的な抗腫瘍薬による副作用
ホルモン療法
- ホルモン療法単体:挙児希望のGrade1のIa期:高用量MPA
- 術後補助療法:再発リスクの低い場合、高用量黄体ホルモン療法は非推奨(グレードD)(参考2)
手術療法
-
- MRIや肉眼で明らかな頸部間質浸潤が認められるとき。
- 骨盤リンパ節郭清:基本的に施行。省略するのは、類内膜癌Grade1で、画像診断で病変が子宮内膜に限局すると推定される場合のみ。
- 傍大動脈リンパ節郭清
- 鼠径リンパ節郭清
傍大動脈リンパ節郭清術と部分大網切除術の適応
- 転移リスクが高いため
- 1. 骨盤リンパ節転移例
- 2. 付属器転移例
- 3. 筋層浸潤が1/2を超す例
- 4. 予後不良例(組織型が類内膜癌Grade3、漿液性腺癌、明細胞腺癌、癌肉腫など)。太字の物は特に大網転移率が高い。
放射線療法
- 子宮頚癌(扁平上皮癌)より放射線は有効ではない。 → 放射線療法は腺癌に奏効しづらい!!!
子宮温存を希望する若年性子宮体癌
- 根治治療ではなく、いずれは子宮全摘が必要。
- 再発例では子宮全摘
適応
治療
予後
予後規定因子
- 筋層浸潤の深さ、頚部浸潤、子宮外進展、リンパ節転移、病理組織型、組織学的分化度、血管・リンパ管侵襲
5年生存率
臨床進行期
|
5年生存率(%)
|
出典不明(相対)
|
NGY.229
|
I
|
86
|
79
|
II
|
68
|
66.8
|
III
|
42
|
37.5
|
IV
|
16
|
8.5
|
国試
症例
- 55歳の女性。不正性器出血を主訴に来院した。未経妊、閉経51歳。不妊治療をした経験がある。子宮は鶏卵大で卵巣は両側とも触知しない。経膣超音波で子宮内膜の肥厚が見られる。
子宮体癌治療ガイドライン(2006年)
- 1)進行期決定のために手術術式の選択が必要である。
- 2)子宮体癌は放射線感受性が低く、抗ガン剤の標準治療の確立が遅れている。
- このことから子宮体癌では手術療法が第一選択。高齢や内科的合併症などの理由で、放射線療法が選択される場合もある。
参考
- http://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/2006/10/post_d2b6.html
- 2. 子宮体がん治療ガイドライン2009年版:(金原出版)
- http://www.jsgo.gr.jp/guideline/taigan.html
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0050/1/0050_G0000135_GL.html
[★]
- 英
- drug therapy、pharmacotherapeutics、medicate、pharmacotherapeutic
- 関
- 化学療法、投薬、薬物療法、薬物療法学、薬物適用
[★]
- 英
- chemotherapeutic agent、chemotherapeutic drug、chemotherapeutic
- 関
- 化学療法、化学療法学、化学療法的、化学療法薬
[★]
- 英
- chemotherapeutic、chemotherapeutically
- 関
- 化学療法、化学療法剤、化学療法薬
[★]
- 英
- chemotherapeutics
- 関
- 化学療法、化学療法剤、化学療法薬
[★]
- 英
- high dose chemotherapy
- 同
- 大量化学療法
[★]
- 英
- adjuvant chemotherapy
- 同
- 補助的化学療法、術後化学療法 postoperative chemotherapy
[★]
- 英
- chemotherapeutic, chemotherapeutics
- 関
- 抗菌性化学療法薬
[★]
- 英
- induced hypertension chemotherapy
- 関
- 昇圧化学療法
[★]
- 英
- induction chemotherapy
- 関
- 術前化学療法
[★]
- 英
- chemistry、chemical、chemo、chem
- 関
- 化学製品、化学的、化学薬品、ケミカル、ケミストリー
[★]
- 英
- method、law
- 関
- 測定法、測定方法、訴訟、方法、法律学、手法、方式、法律
[★]
- 英
- therapy、regimen、cure、remedy、therapeutic