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この項目では、化学における濃度について記述しています。数学における濃度については「濃度 (数学)」をご覧ください。 |
濃度(のうど)は、従来、「溶液中の溶質の割合を濃度という、いろいろな表し方がある。質量パーセント濃度、モル濃度等」(日本化学会編 第2版標準化学用語辞典[1])と定義されている。然し、濃度をより狭く「特に混合物中の物質を対象に、量を全体積で除した商を示すための量の名称に追加する用語」(日本工業規格(JIS))[2]と定義している場合がある。
後者に従えば「質量モル濃度」と訳されているMolalityは「濃度」ではない[3][4]。然し、Molalityに「質量モル濃度」「重量モル濃度」等「~濃度」以外の訳語は見られない[5]。
目次
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国際純正応用化学連合(IUPAC)は明らかに先のJISの立場であり IUPACが発行しているGold Book[6]では次の四つの量、質量濃度(mass concentration), 量濃度(amount concentration), 体積濃度(volume concentration)、数濃度(number concentration)のグループのことであり、これは混合物の組成の特徴を表す量であると定義している。また、concentration は、amount (of substance) concentrationの略としても使われるとしている[7] この立場では、Molalityは日本では「質量モル濃度」と訳されているが"concentration"ではない。
詳細は「質量濃度」を参照
質量濃度 は成分の 質量 を混合物の体積で除することによって得られる:
SI単位 は、である。
SI単位 は、である。
詳細は「体積濃度」を参照
体積濃度 (体積分率とも呼ばれる)は、混合物の各成分の体積を混合する前に合計したもの で成分の体積を除することによって得られる[8]
SI単位 は、m3/m3=1である。[9]
Quantity in numerator (分数の)分子の量 |
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Amount of substance 物質量* Symbol 記号: |
Volume 体積* Symbol 記号: |
Mass 質量* Symbol 記号: |
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Quantity in denominator 分母の量 |
Amount of substance 物質量* Symbol 記号: |
amount-of-substance fraction 物質量分率*
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molar volume モル体積*
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molar mass モル質量*
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Volume 体積 Symbol 記号: |
amount-of-substance concentration 物質量濃度*
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volume fraction 体積分率*
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mass density 質量密度*
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Mass 質量 Symbol 記号: |
molality 質量モル濃度*
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specific volume 比体積*
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mass fraction 質量分率*
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* 日本語訳は「IUPAC 物理化学で用いられる量・単位・記号] 第3版 日本化学会監修 産業技術総合研究所計量標準総合センター訳[11] から採用した。
濃度はいかなる混合物にも適用できるが、最もよく使われるのが溶液に対してであり、この場合、濃度はある溶質 (solute) が溶媒 (solvent) に対してどの程度溶けているかを示す。
成分量および全体量を計量する値の種別により濃度は次のように呼称される。
が使用される。つまり、重量濃度といった場合は全体量の計測は重量で行い、体積濃度といった場合は全体量を体積で計測する。
体積(容量)パーセント濃度を示す記号として[vol%]等と濃度の単位を表す項にvolumeを略したvolの語を付けるのが一般である。
特に断らない限りは、混合物の成分を計量する対象と混合物全体を計量する値と種類は同一であるが、利用目的に応じて異なる種類の計量値の比をもって濃度とする場合も多い。一般には[w/w]や[w/v]などと記号で表記される場合が多い。この符号はweight, volumeの頭文字で、分子が成分の計量方法、分母が全体の計量方法を示している。
質量濃度(重量濃度)(英語: mass concentation)は、成分の重量を全体の体積で除した値である。次元は[ML-3]である[12]。たとえば空気中の粉塵の量を表すのに用いられる[13]。
このような、質量[g]/質量[g]の濃度では、質量パーセント濃度(重量パーセント濃度)[wt%]が利用されることが多い。質量パーセント濃度とは、質量濃度の単位[w/w]の代わりに100分率記号にweightを略したwtをつけ、[wt%]を用いて表す単位を使う。単に%を使うことがあるが、容量パーセント濃度と混同されかねないため、正式ではない。質量パーセント濃度は、その指数を使って簡単に混合物の量を計算できるほか、濃度の大きさを直感的に扱うことができるため、大まかな濃度を示したいときなど、多くの場面で見られる。
%とは直訳すると「100あたり」となり、全体を100とした場合どのくらい混合物が含まれるかを表す。質量パーセント濃度の場合その数字の基準となる単位が質量単位ということである。
例の水溶液の濃度、0.32 g/gで説明する。今、この濃度は1 gあたりに含まれるメタノール(混合物)の濃度を示している。
これをパーセント濃度(100あたり)に変換するため100倍にする。すると32 g/100 gとなる。これは100 gあたりに32 gの混合物が含まれていることを示す。つまり、100 gあたり32 g含まれるということである。ここで、濃度を示す単位を[g/100g](100 gあたりx[g])から質量パーセント(%つまり、質量100 gあたりx[g])に置き換えると32 wt%と質量パーセント濃度が求められる。
また、質量パーセント濃度は次の式から直接導くこともできる。
質量パーセント濃度={溶質(例ではメタノールの質量)[g]/全体量(例では水溶液)[g]}×100 wt%
また、きわめて希薄な溶液に対しては百万分率や十億分率の単位が用いられる。
次に例示する分量を示す接頭辞と組み合わせた補助単位で希薄度にあわせて濃度が表される。
これらと同じように、含まれる混合物(例ではメタノール)の単位として物質量を用いたものが使われる。
例の文章より100gの液体には、32gのメタノールが含まれていることがわかるが、メタノールの分子量から算出される物質量(モル)は、C=12.0 - , H=1.00 - , O=16.0 -とすると、メタノールの分子量はCH3OH=12.0 - + 4×1.00 - +16.0 -=32.0 -となり、物質量は32 g/32.0 g/mol=1.0 molとなる。
※「-」とは、単位がないことを表す無次元といい、書かなくてもよい。分子量に[g/mol]という単位をつけるだけで、モル質量となる。
上記と同じく、濃度とは全体に対する混合物の比率であり、1.0 molのメタノールが100 gの液体の中に存在すると考えれば、1.0 mol/ 100g=10 mol/kgとなる。
上項と同じ単位を用いながら、その内容の示す所は異なる。沸点上昇や凝固点降下の計算に用いられる。単位は溶質の物質量[mol]÷溶媒の質量[kg]つまり、[mol/kg]を用いる。
定義は単位溶媒質量あたりの溶質の物質量。溶液全体に占める物質量でないことに注意されたい。この記事の例では、32 gのメタノールが1.0 molであり、考える溶媒は100-32=68gとなるから、14.7 mol/kgとなる。
体積濃度(溶液濃度)とは、全体量を体積単位で計測し、算出する濃度で、基本単位がL(リットル)の場合と立方メートルの場合がある。混合されている試料を計測する単位は、質量や物質量であることが多い。化学の場面において、ある濃度の水溶液を調整する場合、試料を正確な量測り取り、メスフラスコなどの器具を用いて正確な体積に希釈し調整することが多く、主な化学薬品なども体積モル濃度で示されるのが普通である。実験操作では主に溶液の体積測定が問題となるため、溶液の体積を基にした濃度方式は便利であり、最もよく使われる濃度単位である。
そのため、体積モル濃度[mol/L]を、[Mol] (あるいは[M]) と表記し、「モーラー」(またはモル)と発音する場合がある。また、実験室レベルのごく少量の溶液を用いる場合は接頭辞のミリをあわせ[mmol](ミリモル)単位を用いることが慣習となっている。[Mol]という濃度単位は国際単位系 (SI) では認められておらず、将来的には[mol/L]に統一されるべきである。ただ、[M]という表記は現在でも多くの学術誌で暫定的に使用が容認されており、現状では併用されている。また、計量法では従来使用が認められていた規定度から体積モル濃度に置き換える様に勧告している。
ここでも簡単のため、次の例を用いる。
例、メタノール32.0 gを水で希釈し、100 Lとした水溶液(基本単位はリットルを用いる)。
CH3OH=32.0 -とすると、(32.0 g/32.0 g/mol)/100 L=1.00×10-2 mol/L
例より、100Lの溶液には32gの試料(メタノール)が混合していることが読み取れる。
上の節と同じように、一般的には単位体積あたりの濃度を示すのが普通である。つまり、基本単位であるLあたりの濃度を示すことである。
全体量を1Lと調整すると、0.32g/Lとなる。
尚、質量/体積濃度では、パーセント濃度が使われることは少ない。
規定度は、主に定量分析に用いられる単位体積 (1L) に含まれるグラム当量数を表す。グラム当量数は反応物質の反応に要する物質量、酸塩基反応などの化学反応を1mol分の反応を完結させるために必要な物質の質量である。詳しくは化学当量を参照されたい。
質量/体積濃度に類似するが、それぞれの試料の種類によって、グラム当量が異なるため同質量でも、化学種によって規定濃度は異なる。
式では、規定度=グラム当量/体積 と表される。
体積モル濃度は上記の通り、最もよく使われる濃度であり、単にモル濃度といえば、この体積モル濃度を指す。
例において、体積モル濃度の求め方を示す。
例では、100Lの試料溶液には32gのメタノールが混合している。32gのメタノールの物質量は分子量から約1molと算出できる。
つまり、100Lの溶液には1molのメタノールが混合しており、1mol/100Lと濃度を示すことができる。
これを単位体積あたりの濃度に調節すると、0.01mol/Lとなり、体積モル濃度が求められる。
式で表すと、M=n/V(M=体積モル濃度、n=物質量、V=体積)である。
このように体積モル濃度は物質量を全体量の体積で除したものである。物質量は溶質の質量から分子量を使って求められるため、質量パーセント濃度などの一般的な濃度単位から体積モル濃度へ変換する場合、密度などから溶質の質量を算出した後、物質量を決定し、体積で割ることで変換できる。
仮に、密度1000g/Lである32%のメタノール水溶液が与えられた場合、1Lの水溶液に含まれるメタノールの質量は密度と質量パーセント濃度から320gと求められる。このときの物質量は分子量から10molと算出でき、それより体積モル濃度を10mol/Lと決定することができる。
式量濃度は体積濃度の一つで、単位体積中に含まれる混合物のグラム式量数で定義され分析濃度や全濃度と呼ばれることもある。体積モル濃度に似るが、酸や等の解離性の化学種や錯体形成反応等、溶液中で物質量が変化する場合ではこのような濃度が用いられる。
式量濃度は含まれる化学種すべての濃度の総和であり、化学種の平衡濃度(溶液中で化学反応が見かけ上起こらなくなった状態の濃度)を解離定数や溶解度定数等の平衡定数から簡単に求めることができる。詳しくは規定度なども参照されたい。
ここでは例として、解離性の化学種(A)32gを水で希釈し、100Lとした水溶液を用いる。尚、この化学種(A)の分子量は32であり、水溶液中で40%解離し、化学種(B)を生じるとする。
この化学種(A)の物質量は1molであり、式量濃度は体積モル濃度と同じように0.01mol/Lと算出できる。 ここで、水溶液中の体積モル濃度を式量濃度から求めることができる。
水中で化学種(A)は40%解離し化学種(B)を生じている。つまり、式量濃度(全濃度)0.01mol/Lの40%が化学種(B)の体積モル濃度である。つまり0.01×0.4=0.004mol/Lと簡単に計算できる。また同じように化学種(A)は60%存在するため、0.006mol/Lと求めることができる。
このように系の中に含まれる物質の式量濃度(全濃度)を求めることは、さらに複雑な解離、錯形成反応を起こす化学種のモル濃度を求める際にも非常に有用である。
モル分率は、全体量と混合試料ともに物質量を基準とし、算出する単位である。体積などのように温度に依存することがないため、物性の異なる多成分を含んだ系に使われることが多い。混合物の物質量/全体の物質量で表される。このため含まれるすべての物質のモル分率の総和や純物質のモル分率は1である。
ここでは次の例を用いる。
例、メタノール32gを水で希釈し、100gとした水溶液。
この溶液にはメタノールが32g(1mol)含まれる、全体量からの差から求めると、このとき水は68g含まれている。68gの水は分子量から求めると3.8molと算出できる。
つまり、このときこの溶液にはメタノール1.0 molと水3.8 mol、あわせて4.8 molが含まれている。モル分率は混合物の物質量/全体の物質量であるから、メタノールを混合物とすると1.0 mol/4.8 mol=0.21 -と算出できる。同じように、水のモル分率は約0.79 -となる。
溶液の濃度を表す単位として、力価というものが用いられることとなる。これは化学において主に[mmol/L]の単位が主に慣習として用いられることから使用される単位である。
力価の単位は、それらと同じように単位体積あたりの質量であるが、基準となる試薬ととちょうど反応しあうだけの試薬の重量を示す。
簡単のため、次の例を用いる。
例、基準として5mgの水酸化ナトリウム試薬がある。これを塩酸溶液1mlで中和したとする。
このとき、塩酸水溶液1mlには5mgの水酸化ナトリウムを中和する力があると考えることができる。このことから、力価は基準となる水酸化ナトリウム試薬5mgを1mlで中和する塩酸の濃度と考えることができ、塩酸の濃度は水酸化ナトリウム力価5mg/mlと表すことができる。
力価はグラム当量に関係するため、規定度に容易に換算することができる。 二つを表す式を比較すると、力価=mg/ml 規定度=mg/ml×グラム当量 であり、すなわち 力価=規定度×グラム当量 である。
定量分析などにおいては、力価を正確に測定するため、いくつかの基準試薬(シュウ酸など)から何回かの滴定を行い決定する。
濃度のうち、体積は溶液の密度が混合比により変化したり、溶液の熱膨張により密度が変化する為、体積は正確な計量には使いにくい指標である。
物体の重さを量る場合、重力を計測した重量を用いる場合が多いので、正確には重量濃度であることが多い。しかし、同じ重力加速度の地点で成分の重量と混合物の重量とを計測するのが通常であるから、重量比と質量比は一致するはずであり、質量濃度(w/w)と重量濃度(w/w)とは等価であるとみなして良い。
一方、定量分析の滴定では試薬量を体積で測る場合が多い為に、全体量は体積とするが成分量は物質量で計った体積モル濃度(mol/L)や試薬のモル当量で計った規定濃度が利用される。前述の様に体積が持つ不確かさを相殺する為に、各測定実験毎に逆滴定で濃度のファクター(補正係数)を決定する必要がある。
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ソリタ−T4号輸液 (200mL)
なお、年齢、症状、体重により適宜増減する。
[水・電解質異常を起こす、又は増悪するおそれがある。]
[乳酸血症を増悪するおそれがある。]
[水及びナトリウムの負荷により心不全が増悪するおそれがある。]
[水・電解質異常、血中乳酸値の上昇を起こす、又は増悪するおそれがある。]
[水・電解質異常を起こす、又は増悪するおそれがある。]
[血糖値の上昇、水・電解質異常を起こす、又は増悪するおそれがある。]
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テンプレート:Otheruses テンプレート:小文字 ppm(パーツ・パー・ミリオン)は、100万分のいくらであるかという割合を示す単位。主に濃度を表すために用いられるが、不良品発生率などの確率を表すこともある。「parts per million」の頭文字をとったもので、100万分の1の意。百万分率とも。
同様の単位に、ppc(パーセント、parts per cent、100分の1、百分率)、ppb(パーツ・パー・ビリオン、parts per billion、10億分の1、十億分率)、ppt(パーツ・パー・トリリオン、parts per trillion、1兆分の1、一兆分率)などがある。
二酸化窒素などの大気汚染物質をはじめとする公害分野や、食品添加物などの濃度、岩石中の微量元素の組成、半導体中の不純物量を示す目的などで良く用いられる。
気体中の気体については体積比を用い、液体・固体中の液体・固体では重量比を用いるのが一般的である。体積比か重量比かあいまいになる場合は使用しない方がよい。なお、水溶液中の濃度について、「1kg = 1l」と近似し、「mg/l = ppm」として、水質汚濁物質濃度等の単位で用いられることがあるが、公的基準値などでは使用されない。
長さを表す例として、線膨張係数の表記にも使用される。 (例)線膨張係数が8.8ppm/℃と表記されている場合、これは、8.8μm/℃/m(メートル)のことである。
ちなみに、一般の水の遊離残留塩素濃度は約0.4ppm、浄水器を使った場合は約0.1ppmである。
また、原子(分子)の数量の比率か重量の比率かを区別するためにppma(parts per million atomic)もしくはppmw(parts per million weight)の表記が用いられることもある<ref name="NREL_mgSi">シリコン原料の精製に関する論文の例(NREL/SR-520-30716)</ref>。
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