- 英
- pericarditis
- 同
- 心嚢炎、心包炎、心外膜炎 ← おそらく心内膜炎に対応する言葉として
- 関
- 心膜
分類
病因
症状
- 初発症状は、発熱、胸痛(持続性、咳・呼吸による増強)、呼吸困難
検査
心電図
- 90%の患者に異常が見られる(PHD.338)
- aVR, V1を除いたST上昇(PHD.338)
- いくつかの電極でPR部の低下(PR segment depression) → 心房の心外膜の炎症に関連した心房の異常な再分極を示唆(PHD.338)
合併症
参考
- 1. [charged] Epidemiology of and risk factors for atrial fibrillation - uptodate [1]
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/01/21 17:16:11」(JST)
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心膜炎 |
分類及び外部参照情報 |
心膜炎における12誘導心電図。ほぼ全ての誘導でST上昇がみられるが、aVRでのみ低下している。
|
ICD-10 |
I01.0、 I09.2、 I30-I32 |
ICD-9 |
420.90 |
DiseasesDB |
9820 |
MedlinePlus |
000182 |
eMedicine |
med/1781 emerg/412 |
MeSH |
D010493 |
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心膜炎(英語: pericarditis、心包炎とも)は、種々の原因によって生じる心膜の炎症である。臨床的には急性心膜炎と慢性収縮性心膜炎の2つに大別される。
目次
- 1 概念
- 2 急性心膜炎
- 2.1 症状
- 2.2 診断
- 2.2.1 鑑別診断
- 2.2.2 身体所見
- 2.2.3 検査所見
- 2.3 治療
- 3 慢性収縮性心膜炎
- 4 参考文献
概念
剖検においては2〜6パーセントの頻度で見られるが、臨床では入院例の0.1パーセントに認められるに過ぎないことから、不顕性のものが多いと考えられている。
病理組織学的には心膜の反応により線維素性、漿液線維素性、血性、膿性などに分類され、頻度上では前二者が圧倒的に多い。
以前は心膜炎の原因としてリウマチ性か結核性が考えられていたが、現在は特発性が最も多い。
- 特発性心膜炎
- 感染性心膜炎
- 結核性
- 細菌性(ブドウ球菌、連鎖状球菌、肺炎双球菌、その他)
- ウイルス性(コクサッキーB型、エコー、アデノその他)
- 真菌性(アスペルギルス、ヒストプラズマ、その他)
- その他(寄生虫など)
- リウマチ性心膜炎
- 心筋梗塞後症候群
- 心臓手術後症候群
- 膠原病に伴う心膜炎(結節性動脈周囲炎、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ)
- 尿毒症性心膜炎
- その他(腫瘍性、薬物性、X線照射後)
急性心膜炎のなかでは原因不明(ウイルスによる可能性が最も高いが、現在のところ確定されていない)のいわゆる特発性心膜炎が最も多く、そのほか心筋梗塞後、心臓手術後症候群などの頻度が増えつつある。慢性収縮性心膜炎の原因も半数以上が不明であるが、原因のはっきりしたものの中では結核性が最も多い。
急性心膜炎
急性心膜炎 |
分類及び外部参照情報 |
ICD-10 |
I30 |
ICD-9 |
420 |
MedlinePlus |
000182 |
eMedicine |
med/1781 |
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急性心膜炎(英: acute pericarditis)とは、心膜に急性炎症を生じたもの。病理学的には、線維素性、漿液性、化膿性、出血性、肉芽腫性などに分けられる。また、滲出液の有無によって、滲出性(effusive)と非滲出性(noneffusive)に分けられる。滲出液が多量となると心タンポナーデを来たしうるため、注意が必要である。
症状
- 胸痛
- 自覚症状のうちで、最も高頻度かつ重要なものである。通常、前胸部あるいは胸骨後部に鋭利痛ないし鈍痛を認める。この疼痛の特徴は呼吸、咳嗽、側臥位で増強し、頸部や肩に放散することである。このため、時に虚血性心疾患における疼痛や胸膜痛との鑑別が困難となる。吸気や仰臥位で増強し、座位や前屈位にて軽減することが多く、このため浅い呼吸となり呼吸困難を自覚する。
- 呼吸困難
- 比較的初期から認められる。呼吸は速く浅くなることが多い。心膜腔貯留液による気管、肺への機械的圧迫、呼吸による胸痛の増強などが要因と考えられる。坐位前傾姿勢により呼吸困難が軽快することもある。
- その他
- 全身的には発熱、全身倦怠感を認めるほか、胸痛や呼吸困難に基づく不安感なども出現しやすい。
診断
鑑別診断
- 胸痛を呈する疾患
- 心陰影拡大をきたす疾患
- 呼吸困難を呈する疾患
身体所見
- 心膜摩擦音
- 最も特徴的であり、診断にあたって最重要の身体所見である。ただし病期によっては収縮期/拡張期のいずれか一方でしか聞こえないこともあり、また一過性で消失してしまうことも多いため、しばしば見逃される。
- 位置は胸骨左縁下部と心尖部、体位は立位・前屈位・深吸気時においてよく聴かれる。音の性状はこするような音からひっかくような粗い音まで、音量もLevineの6段階分類法においてIからV度と幅がある。典型的には、前収縮期、収縮期、拡張期の3成分より成り、蒸気機関車様(locomotive)を呈する。
- エワルト徴候(Ewart sign)
- ピンス徴候とも称する。滲出性心膜炎の際に認められるもので、
- 心濁音界の拡大
- 心音減弱、特にI音の減弱
- 左肩甲骨下部の濁音
- 気管支音の聴取
- が認められる。これらは、貯留した心膜液が左肺の基部を圧迫するために生じる。
検査所見
- 心臓超音波検査
- 滲出性心膜炎の場合、臓側心膜と壁側心膜の間にecho free spaceが認められる。心膜液少量の場合、echo free spaceは左室後壁と壁側心膜の間に限局するが、多量になると右室前面にも認められるようになる。
- 胸部X線写真
- 基本的には心陰影は正常である。ただし滲出性心膜炎の場合は、左右対称性の心陰影拡大像が認められる。
- 心電図
- 広範な誘導で上方へ凹形のST上昇が認められる。ただしこれはaVR(一部ではV1も)を除き、またaVRにおいては対側性変化が見られることが多い。また、心房表面にも炎症が及ぶため、PRはaVRで上昇、II、aVF、V5、V6で低下がみられる。これらの変化は、通常、4期に分けて見られる。
- 貯留液が多量の場合、心タンポナーデと同様に低電位を示す。
- 血液検査
- 炎症所見としてCRPや白血球数、また原因検索のために各種ウイルス抗体検査、免疫学的検査、生化学検査、腫瘍マーカーなどが行われる。
治療
原疾患の治療が原則である。例えば化膿性心膜炎の場合、ドレナージを行なうとともに、起因菌に対し有効な抗菌剤を投与する。疼痛に対しては場合は非ステロイド系消炎鎮痛薬を投与する。また、症状が強ければステロイド剤投与が検討されるが、感染性のものを否定することが必要であり、また短期間の使用にとどめることが望ましい。
また、 貯留液が多量の場合、対症療法として、利尿薬などの投与による治療を試みる。効果を得られない場合、あるいは症状が急速に進行している場合は、心膜腔穿刺により排液を行う。15パーセントで心タンポナーデを併発するため、注意が必要である。
特発性の場合、予後は良好で、2週〜2か月で治癒することが多い。ただし20〜30パーセントで再発し、また収縮性心膜炎を続発する場合があることに注意が必要である。
慢性収縮性心膜炎
慢性収縮性心膜炎 |
分類及び外部参照情報 |
ICD-10 |
I31.1 |
ICD-9 |
423.2 |
MeSH |
D010494 |
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慢性収縮性心膜炎(英: chronic constrictive pericarditis)とは、心膜が慢性炎症によって線維化・肥厚・癒着を生じ、これによって心膜腔が閉塞して心臓の拡張障害に至ったものである。基本的に、急性心膜炎はすべて慢性収縮性心膜炎に至る危険性を有しているが、特に特発性と結核性が高頻度に慢性移行する。
症状
本症の本態は心拡張障害であり、静脈うっ血による症状が出現する。もっとも顕著な症状は腹水貯留による腹部膨満と肝腫大で、このほか、浮腫や表在静脈怒張、肝腫大、胸水が認められる。労作時呼吸困難なども認めるが、急性肺水腫は極めて稀である。
診断
身体所見
- 心膜叩打音(pericardial knock sound)
- 拡張早期、II音に続いてIII音より少し早く出現するもので、位置は胸骨左縁、III音よりやや高調である。心膜硬化によって、心室の急速充満期における弛緩拡張が障害されて生じると考えられている。
- なお、急性心膜炎で聴取された心膜摩擦音は、慢性収縮性心膜炎では消失する。
- 心尖拍動
- 心尖拍動は微弱で、収縮期に陥凹することがある。
- 頸静脈波
検査所見
- 心臓超音波検査
- Mモードにおいて、心膜の多層エコー、拡張早期の心室中隔異常運動や、房室弁口および静脈血流速波形の拡張早期波の尖鋭化が認められる。
- 胸部X線写真・縦隔X線CT
- 心膜の肥厚、大静脈径の拡大、右室の変形などが認められる。とくにX線CTでは石灰化の分布を確認できることが多い(右心側に多い)。心胸郭比(CTR)の増大は見られないことが多い。ただし、胸水貯留がある場合は、左房の拡大が認められることがある。
- 心臓カテーテル検査
- 右室圧曲線におけるdip and plateau型波形が有名である。これは、拡張早期に深い谷を形成したのち、これに続いてやや上昇したのち平坦な波形を示すものである。また心房圧曲線はM型あるいはW型波形を示すことが多い。
- 心電図
- 特異的ではないが、T波の陰転・平坦化がみられることがある。これは心膜傷害によるものである。またQRS波の低電位が見られることもある。
治療
軽症例で内科的治療を行ないながらの経過観察もありうるが、進行性病変であることから、外科的な心膜切除術が行なわれることが多い。心膜切除術の手術死亡率は5〜20パーセントであるが、成功例では90パーセントで症状改善が認められる、有効な術式であることから、積極的に手術が検討される。
参考文献
- 吉本信雄 「1.急性心膜炎」『新臨床内科学 第8版』 医学書院、2002年。ISBN 978-4-260-10251-3。
- 吉本信雄 「3.慢性収縮性心膜炎」『新臨床内科学 第8版』 医学書院、2002年。ISBN 978-4-260-10251-3。
- 小濱啓次 『救急マニュアル 第3版』 医学書院、2005年。ISBN 978-4-260-00040-6。
心血管疾患 |
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疾患 |
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心疾患
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不整脈
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徐脈性
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洞不全症候群 | 房室ブロック | 脚ブロック(右脚ブロック · 完全右脚ブロック · 左脚ブロック)
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頻脈性
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上室性
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洞性頻脈(en) | 心房細動 | 心房粗動(en) | ブルガダ症候群 | 早期再分極症候群 | QT延長症候群 | WPW症候群
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心室性
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心室細動 | 心室頻拍
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虚血性疾患
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狭心症 | 心筋梗塞 | 急性冠症候群 | 冠動脈血栓症 | 心室瘤 | 心破裂 | 乳頭筋断裂(en)
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弁膜症
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僧帽弁狭窄症 | 僧帽弁閉鎖不全症 | 三尖弁狭窄症(en) | 三尖弁閉鎖不全症(en) | 大動脈弁狭窄症 | 大動脈弁閉鎖不全症(en)
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先天性心疾患
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心房中隔欠損 | 心室中隔欠損 | 心内膜床欠損症 | 動脈管開存症 | ファロー四徴症(極型ファロー四徴症) | 大血管転位(左旋性 · 右旋性) | 総肺静脈還流異常症 | 大動脈縮窄 | 左心低形成症候群 | 両大血管右室起始症 | 三尖弁閉鎖(en) | 単心室
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心内膜・心筋
・心膜疾患
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心内膜疾患
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感染性心内膜炎
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心膜疾患
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心膜炎(急性心膜炎(en) · 慢性収縮性心膜炎) | 心タンポナーデ
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心筋疾患
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心筋症(虚血性心筋症・拡張型心筋症(en) · 肥大型心筋症(en) · 拘束型心筋症(en) · 特発性心筋症) | 心筋炎
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心臓腫瘍(en) | 心臓性喘息 | 肺性心
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血管疾患
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大血管
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大動脈瘤(胸部・腹部(en)・胸腹部) | 大動脈解離 | 大動脈炎症候群
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動脈
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閉塞性動脈硬化症 | 閉塞性血栓性血管炎 | 動静脈瘻 | 動脈硬化 | レイノー病
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静脈
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静脈瘤 | 血栓性静脈炎 | 静脈血栓塞栓症 | 脂肪塞栓症
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病態・症候 |
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心不全
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左心不全 | 右心不全 | 両心不全(en)
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血圧異常
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高血圧
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本態性高血圧症(en) | 二次性高血圧(en) | 高血圧性緊急症(en)
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低血圧
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心臓発作 | 心臓肥大 | 心停止 | 心肺停止
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所見・検査 |
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血圧計 | 聴診 | 心雑音 | 心電図 | 心電図モニタ | 心臓超音波検査 | 胸部X線写真 | 胸部X線CT | 心臓MRI | 心臓カテーテル検査(肺動脈カテーテル) | 心臓核医学検査 | 脈波伝播速度検査
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治療 |
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外科的治療
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冠動脈バイパス術(CABG)
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CABG | off-pump CAB(OPCAB) | MIDCAB(en) | TECAB(en)
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弁膜症手術
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弁置換術(en) | 弁形成術(en) | 弁輪形成術 | 交連切開術(en)
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小児心臓外科
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動脈管結紮術 | BTシャント | 肺動脈絞扼術(en) | ノーウッド手術 | グレン手術 | フォンタン手術 | ジャテン手術 | ラステリ手術 | ロス手術
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心不全外科
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心移植術 | 補助人工心臓装着術 | 左室形成術(Dor・SAVE・Overlapping)
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不整脈外科
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メイズ手術(en) | ペースメーカー | 植え込み型除細動器
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大動脈手術
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大動脈人工血管置換術 | 大動脈基部置換術 (Bentall, David) | ステントグラフト内挿術(en)
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末梢血管手術
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末梢動脈血行再建術 | 末梢静脈血行再建術 | 静脈抜去術(en) | 静脈血栓摘除術(en) | 内シャント作成術 | 肢切断
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内科的治療
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循環作動薬
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抗不整脈薬
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Ia群: プロカインアミド, キニジン
Ib群: リドカイン, フェニトイン
Ic群: フレカイニド(en), プロパフェノン(en)
II群: 交感神経β受容体遮断薬(プロプラノロールなど)
III群: アミオダロン, ソタロール(en)
IV群: カルシウム拮抗剤(ベラパミル, ジルチアゼムなど)
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心不全治療薬(en)
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利尿薬 | 血管拡張薬 | 強心配糖体 | 強心剤 | PDEⅢ阻害薬
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狭心症治療薬
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交感神経β受容体遮断薬 | 硝酸薬
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高血圧治療薬
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利尿薬 | 交感神経β受容体遮断薬 | レニン-アンジオテンシン系 (ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬(en)) | カルシウム拮抗剤 | アドレナリン作動薬 | 脂質降下薬
|
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血管内治療
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経皮的冠動脈形成術
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循環器系の正常構造・生理 |
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UpToDate Contents
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- 1. 急性心膜炎の臨床症状および診断的評価 clinical presentation and diagnostic evaluation of acute pericarditis
- 2. 急性心膜炎の治療 treatment of acute pericarditis
- 3. 心膜疾患の病因 etiology of pericardial disease
- 4. 再発性心膜炎 recurrent pericarditis
- 5. 収縮性心膜炎 constrictive pericarditis
Japanese Journal
- 症例報告 大動脈弁置換術後8年で発症し,診断に苦慮したが,手術により劇的に症状が改善した慢性収縮性心膜炎の1例
- 村岡 新,恵木 康壮,針谷 明房,高澤 賢次,三澤 吉雄
- 日本臨床外科学会雑誌 = The journal of the Japan Surgical Association 71(8), 1976-1979, 2010-08-25
- NAID 10026668261
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- 次の文を読み、10~12の問いに答えよ。
- 68歳の女性。前胸部痛と呼吸困難とを主訴に来院した。
- 現病歴 : 3週前から咳嗽と労作時息切れとが出現し、昨日から吸気時に増強する前胸部痛と安静時の呼吸困難とを自覚するようになった。
- 既往歴 : 2年前に肺癌の手術と化学療法とを受けた。
- 現症 : 苦悶様顔貌。身長158cm、体重48kg。体温36.6℃。呼吸数24/分。脈拍116/分、整。血圧74/52mmHg。頚静脈の怒張を認める。胸部にラ音を聴取しない。腹部では肝を右肋骨弓下に3cm触知する。両下腿に浮腫を認める。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)。
- 血液所見:赤血球320万、Hb9.7g/dl、Ht31%、白血球9,600、血小板18万。
- 血清生化学所見:総蛋白6.2g/dl、アルブミン3.2g/dl、クレアチニン0.8 mg/dl、AST50単位、ALT35単位、LDH380単位(基準176~353)、CK36単位(基準10~40)。CRP2.6 mg/dl。心電図と心エコー図とを以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [099I010]←[国試_099]→[099I012]
[★]
- 51歳の男性。労作時の息苦しさを主訴に来院した。半年前に全身倦怠感と微熱とが出現したため自宅近くの診療所を受診した。外来検査で赤沈亢進、白血球増加および高γ-グロブリン血症を認め、抗菌薬の投与を受けたが改善しなかった。2か月前から労作時に息苦しさを感じるようになり、増強してきたため紹介され受診した。脈拍92/分、整。血圧120/80mmHg。呼吸音に異常を認めない。座位と仰臥位とで心音に異常を認めないが、左側臥位で心尖部に第Ⅱ音の直後に過剰音を聴取する。胸部エックス線写真と心電図とに異常を認めない。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107I055]←[国試_107]→[107I057]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [102D005]←[国試_102]→[102D007]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100B027]←[国試_100]→[100B029]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099E027]←[国試_099]→[099E029]
[★]
[★]
- ラ
- polyarteritis nodosa PAN PN
- 関
- 特定疾患、血管炎
[show details]
疾患概念
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症状
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検査
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病理
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治療
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結節性多発動脈炎
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polyarteritis nodosa,PN
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細動脈に壊死性血管炎を引き起こす。糸球体腎炎なし。
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① 全身症状あり ② 他臓器の虚血障害〈脳出血、肺出血、虚血性心疾患(心臓の冠動脈が虚血)〉 ③ 進行性腎機能低下、腎血管性高血圧(炎症動脈狭窄→レニン分泌)
|
尿所見に乏しい進行性腎機能低下、腰痛
|
・ 腎臓を含む多臓器の動脈に炎症が生じる。 ・ 腎動脈造影で弓状動脈に生じた結節様病変、糸球体病変は軽度。
|
ステロイド&免疫抑制剤(シクロホスファミド)
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顕微鏡的多発動脈炎
|
microscopic polyangitis,MPA
|
小血管の炎症。糸球体腎炎あり。
|
①全身症状:発熱、体重減少、多発関節炎、筋肉痛 ②多臓器の虚血障害:肺出血(血痰) ③進行性腎機能低下(急性進行性糸球体腎炎)(高齢者のRPGNにMPAが多い)
|
①RPGN症状が(血尿、蛋白尿、円柱、週単位での腎機能低下) ②MPO-ANCA陽性が85%を占める。
|
腎の微小血管と糸球体及び、肺の微小血管に炎症が生じる。 ① 半月体形成:糸球体係蹄壁の外側に増殖した細胞が半月状の形態をとる。 ② 免疫グロブリンや補体の沈着はなし。(p-ANCAがELIZA法で検出される。)
|
|
症候スペクトル
- HIM.2125より
定義
- 中程度の筋性血管を冒す全身性の壊死性血管炎。抗好中球抗体とは無関係。(参考1)
- 多発動脈炎は1866年にKussmaulとMaierによって記載された。結節性多発動脈炎は複数の臓器に分布する小~中程度の筋性動脈に壊死性血管炎を起こす。典型的には腎臓や内臓の血管が冒される。結節性多発動脈炎では肺動脈は冒されないが、気管支の血管は冒されることがある。肉芽腫、著明な好酸球増多、あるいはアレルギー素因は見られない。
罹患率(incidence)と有病率(prevalence)
- 米国でのしっかりした統計はない。非常にまれな病気に感じられる。
- (日本では特定疾患に指定されており、登録患者数は5,753名(2007年時点)。10万人あたり患者が4~5名とまれな病気である)
病理と病因
- 結節性多発動脈炎の血管病変は中小の筋性動脈における壊死性血管炎である。病変は節性で(とびとびに存在する。つまり連続性ではない)、血管の分岐部や分岐した枝を冒す傾向がある。病変は動脈周囲に広がり近くの静脈も冒すかもしれないが、細静脈は冒さない。もし冒されていれば、顕微鏡的多発血管炎(MPA)である。病期の初期では多核白血球が血管壁の全層と血管周囲領域に浸潤する。これにより血管内膜の増殖と血管壁の変性が起こる。病変が亜急性から慢性に進むと、単核球はその病変部位に浸潤してくる。血管のフィブリノイド壊死は血管腔を傷つけ、血栓を形成し、血液を供給している臓器に梗塞を起こし、症例によっては出血をきたす。病変が治癒すると、コラーゲンが蓄積する。これはさらに血管腔を閉塞させるかもしれない。血管の病変部位に沿って1cm程度までの血管瘤の拡大が結節性多発動脈炎の特徴である。肉芽腫や好酸球の組織浸潤を伴う顕著な好酸球増多は特徴的ではなく、この場合はチャーグ-ストラウス症候群を疑う。
- 複数の臓器が影響を受け、臨床病理所見は血管病変の程度や部位、あるいは結果としての虚血性変化を反映する。前述したように肺の血管は影響を受けないし、気管支動脈の損傷はよく見られるわけではない。古典的結節性多発動脈炎の病理は糸球体腎炎を伴わない腎臓の血管炎である。著明納高血圧をともなう患者では糸球体硬化の典型的な病理像が見られる。加えて高血圧の続発としての病理像が体のどこかで見られるかもしれない。
- 循環血液中に、B型肝炎の抗原と面隙グロブリンの免疫複合体が単離され、また血管壁におけるB型肝炎抗原、IgM、補体の免疫蛍光により証明される事にくわえ、全身性の血管炎、特に結節性多発動脈炎タイプの血管炎を有する患者の10-30%にB型肝炎の抗原血症が見られとこれは結節性多発動脈炎の疾患の原因として免疫現象が関わっていることを示唆している。発病のメカニズムは不明だが、ヘアリー細胞白血病も結節性多発動脈炎と関係している。
臨床症状と検査所見
- 非特異的な徴候が結節性多発動脈炎の特徴である(つまり、診断しづらい)。半分以上の症例で発熱、体重減少、倦怠感がある。患者は普通脱力、倦怠感、頭痛、腹痛、および筋痛のような漠然とした症状を訴えて受診する。このような症状は急激に劇症の病態に進展することがある。特定の臓器系に関わる血管と関連した特異的な主訴もまた結節性多発動脈炎の全経過と同様来院時の病像を左右する。結節性多発動脈炎では、一般的に腎病変は高潔悦、腎不全あるいは微小血管瘤による出血として現れる。
- 結節性多発動脈炎の診断を付けることができる血清学的な検査はない。75%以上の患者で好中球優位の白血球増多が見られる。好酸球増多は希であり、もし高レベルに増加していればチャーグ-ストラウス症候群を示唆する。慢性の経過では貧血が見られるかもしれない、またESRの上昇は常に見られる。他の主要な検査所見は特定の臓器の関与を反映している。高ガンマグロブリン血症が見られることがあり、また30%までの患者はHBs抗原陽性である。MPO-ANCAやPR3-ANCAは結節性多発動脈炎で陽性になることは希である。
診断
- 結節性多発動脈炎の診断は病変部位の臓器を生検し、そこに特徴的な血管炎を証明することが基となる(つまり、一番大切な所見である)。生検で簡単に到達できる組織が無いときは、病変部位の血管を動脈造影して病変をとらえる。特に、人道、肝臓、あるいは内臓の中小動脈における動脈瘤を証明することは診断するのに十分である。動脈瘤は結節性多発動脈炎に特徴的なものではない。さらに、動脈瘤はいつも存在するわけでないし、血管造影所見は血管の狭窄や閉塞に限られるかもしれない。結節性の皮膚病変、有痛性の精巣、あるいは神経/筋のような症状が出ている臓器は最も診断的な結果を与えてくれる。
治療
- 未治療の結節性多発動脈炎の予後はきわめて悪く、5年生存率は10-20%である。死亡する場合、大抵胃腸合併症、特に腸梗塞、腸穿孔、そして心血管原性のもの原因となる。難治性の高血圧は肝臓、心臓、あるいは中枢神経系のような他の臓器における機能不全を複合しており、晩期における罹患率と死亡率に相加的に作用する。治療の導入によって生存率は著しく向上する。結節性多発動脈炎の良好な治療結果はプレドニゾンとシクロホスファミドの組み合わせで報告されている。比較的重症でない症例では、グルココルチコイド単剤で寛解に至っている。B型肝炎が関係する結節性多発動脈炎の治療ではグルココルチコイド、血漿交換に抗ウイルス薬を組み合わせて良好な治療結果が得られている。高血圧に対して慎重に治療することで、腎臓、心臓、中枢神経に関連した急性期と晩期の有病率と死亡率を低減させることができる。良好な治療の継続で、結節性多発動脈炎の再発は10%の患者でのみ起こると見積もられている。
古典的結節性多発動脈炎にともなう臓器病変とその症候
- HIM. Table 319-5より
参考
- 1. [charged]Clinical manifestations and diagnosis of polyarteritis nodosa - uptodate [2]
-PN
[★]
- ☆case33 頭痛と混乱
- ■glossary
- accompany
- vt.
- (人)と同行する、(人)に随行する。(もの)に付随する。~と同時に起こる。~に加える(添える、同封する)(with)
- slurred n. 不明瞭
- 強直間代痙攣 tonic-clonic convulsion
- 意識消失とともに全身の随意筋に強直痙攣が生じ(強直痙攣期tonic convulsion)、次いで全身の筋の強直と弛緩とが律動的に繰り返される時期(間代痙攣期clonic convulsion)を経て、発作後もうろう状態を呈する一連の発作。
- ■症例
- 28歳、女性 黒人 南アフリカ 手術室看護師 ロンドン住在
- 主訴:頭痛と混乱
- 現病歴:過去3週間で頭痛が続いており、ひどくなってきた。現在も頭痛が持続しており、頭全体が痛い。友人曰く「過去六ヶ月で体重が10kg減っていて、最近、混乱してきたようだ」。発話は不明瞭。救急室にいる間に強直間代痙攣を起こした。
- ・診察 examination
- やせている。55kg。38.5℃。口腔カンジダ症(oral candidiasis)。リンパ節腫脹無し。心血管、呼吸器系、消化器系正常。痙攣前における神経検査では時間、場所、人の見当識無し。神経局所症状無し(no focal neurological sign)。眼底両側に乳頭浮腫有り。
- ・検査 investigation
- 血算:白血球増多
- 血液生化学:ナトリウム低下
- CT:供覧
- ■キーワード&着目するポイント
- ・口腔カンジダ症(oral candidiasis)
- ・頭痛、精神症状、強直間代痙攣
- ・眼底両側に乳頭浮腫
- ・CT所見
- ・低ナトリウム血症は二次的なもの
- ■アプローチ
- ・口腔カンジダ症(oral candidiasis) → 細胞免疫低下状態(DM、免疫抑制、AIDSなど) or 常在細菌叢の攪乱(長期の抗菌薬の使用)
- ・The occurrence of thrush in a young, otherwise healthy-appearing person should prompt an investigation for underlying HIV infection.(HIM.1254)
- ・More commonly, thrush is seen as a nonspecific manifestation of severe debilitating illness.(HIM.1254)
- ・精神症状、強直間代痙攣 → 一次的、あるいは二次的な脳の疾患がありそう
- ・頭痛 → 漠然としていて絞れないが、他の症状からして機能性頭痛ではなく症候性頭痛っぽい。
- ・眼底両側に乳頭浮腫 → 脳圧亢進の徴候 → 原因は・・・脳腫瘍、ことにテント下腫瘍と側頭葉の腫瘍、クモ膜下出血、脳水腫など、そのほか、眼窩内病変、低眼圧などの局所的要因、悪性高血圧、血液疾患、大量出血、肺気腫などの全身的要因 (vindicate本のp342も参考になる)
- ・頭痛と脳圧亢進 → 頭蓋内圧占拠性病変、脳炎(IMD.274)
- ・CT所見 → ringformの病変、脳浮腫、脳圧亢進
- ・低ナトリウム血症 → 脳ヘルニアに続発して起こることがあるらしい。実際には下垂体にトキソプラズマによる病変が形成されることにより起こりうる。
- ・そのほか出身地、体重減少もHIVを疑わせる点
- パターン認識でHIV + 精神症状 + てんかん発作(強直間代痙攣) + 脳圧亢進 + CT所見 = 一番ありそうなのはToxoplasma gondiiによるトキソプラズマ脳症 cerebral toxoplasosis (トキソプラズマ脳炎 toxoplasmic encephalitis)
- ■Toxoplasma gondii
- 原虫 胞子原虫類
- (感染予防学 080521のプリント、CASES p,92、HIM p.1305-)
- ・疫学:西洋では30-80%の成人がトキソプラズマの感染の既往がある・・・うぇ(CASES)。日本では10%前後(Wikipedia)。
- ・生活環
- ・終宿主:ネコ:ネコの小腸上皮細胞で有性・無性生殖 糞便にオーシストの排泄
- ・中間宿主:ヒト.ブタを含むほ乳類と鳥類:無性生殖で増殖、シストの形成
- 急性期の増殖盛んな急増虫体tachyzoiteとシスト内の緩増虫体bradyzoite
- ・病原、病因 phathogenesis
- ・緩増虫体(bradyzoite)、接合子嚢(oocyst)
- ・感染経路
- 1. オーシストの経口摂取
- 2. 中間宿主の生肉中のシストの経口摂取
- 3. 初感染妊婦からの経胎盤感染。既感染なら胎盤感染しないらしい(HIM.1306)
- (4)移植臓器、輸血。確率は低い(at low rate)(HIM.1306)
- ・病態
- 1. 先天性トキソプラズマ症 congenital toxoplasmosis
- ①網脈絡膜炎、 ②水頭症、 ③脳内石灰化、 ④精神・運動障害
- 2. 後天性トキソプラズマ症 acquired toxoplasmosis
- (1) 健常者
- ・多くは不顕性感染。発熱、リンパ節腫脹、皮疹(rash)
- ・(少数例)筋肉痛、暈疼痛、腹痛、斑状丘疹状皮疹(maculopapular rash)、脳脊髄炎、混乱(HIM.1308)
- ・(まれ)肺炎、心筋炎、脳症、心膜炎、多発筋炎
- ・網膜、脈絡叢に瘢痕や、脳に小さい炎症性の病変を残すことあり(CASES)。
- ・急性感染の症状は数週間で消失 筋肉や中枢神経系に緩増虫体が残存
- (2)HIV感染者、臓器移植例、がん化学療法例
- シスト内緩増虫体→急増虫体→播種性の多臓器感染
- AIDSでは、トキソプラズマ性脳炎が指標疾患 AIDS-defineing illness(CASES)
- ・治療
- (日本)アセチルスピラマイシン、ファンシダール(感染予防学 080521)
- ■トキソプラズマ脳炎 toxoplasmic encephalitis、トキソプラズマ脳症 cerebral toxoplasosis
- ・症状
- 発熱、頭痛、混乱m、痙攣、認知の障害、局所神経徴候(不全片麻痺、歯垢、脳神経損傷、視野欠損、感覚喪失)(CASES)
- ・画像検査
- (CT,MRI)多発性、両側性、ring-enhancing lesion、特に灰白質-白質境界、大脳基底核、脳幹、小脳が冒されやすい(CASES)
- ・鑑別診断(臨床症状・画像診断の所見で)
- リンパ腫、結核、転移性脳腫瘍(CASES)
- ・病歴と画像所見からの鑑別診断
- リンパ腫、結核、転移性腫瘍
- ?
- このCTがcerebral toxoplasmosisに特徴的かは不明
- □最後に残る疑問
- AIDSでWBC(leukocyte)の数はどうなるんだろう???AIDSの初診患者ではWBCが低い人が多いらしいし()、HIVはCD4+ T cellとmacrophageに感染して殺すから、これによってB cellは減るだろうし、CD8+ T cellも若干減少するだろうからWBCは減るんじゃないか?!好中球はAIDSとは関係ない?好中球は他の感染症に反応性に増加している?ちなみに、好酸球は寄生虫(原虫)の感染のために増える傾向にあるらしい(HIMのどこか)。
- スルファジアジン
- sulfadiazine
- ピリメタミン
- pyrimethamine
- 葉酸拮抗剤である。
- サルファ剤と併用され、抗トキソプラズマ薬、抗ニューモシチス・カリニ薬として相乗的に働く。
- ST合剤
- SMX-TMP
- スルファメトキサゾール・トリメトプリム合剤 sulfamethoxazole and trimethoprim mixture
- □AIDSの定義(http://en.wikipedia.org/wiki/CDC_Classification_System_for_HIV_Infection_in_Adults_and_Adolescents)
- A CD4+ T-cell count below 200 cells/μl (or a CD4+ T-cell percentage of total lymphocytes of less than 14%).
- or he/she has one of the following defining illnesses:
-
- 01. Candidiasis of bronchi, trachea, or lungs
- 02. Candidiasis esophageal
- 03. Cervical cancer (invasive)
- 04. Coccidioidomycosis, disseminated or extrapulmonary
- 05. Cryptococcosis, extrapulmonary
- 06. Cryptosporidiosis, chronic intestinal for longer than 1 month
- 07. Cytomegalovirus disease (other than liver, spleen or lymph nodes)
- 08. Encephalopathy (HIV-related)
- 09. Herpes simplex: chronic ulcer(s) (for more than 1 month); or bronchitis, pneumonitis, or esophagitis
- 10. Histoplasmosis, disseminated or extrapulmonary
- 11. Isosporiasis, chronic intestinal (for more than 1 month)
- 12. Kaposi's sarcoma
- 13. Lymphoma Burkitt's, immunoblastic or primary brain
- 14. Mycobacterium avium complex
- 15. Mycobacterium, other species, disseminated or extrapulmonary
- 16. Pneumocystis carinii pneumonia
- 17. Pneumonia (recurrent)
- 18. Progressive multifocal leukoencephalopathy
- 19. Salmonella septicemia (recurrent)
- 20. Toxoplasmosis of the brain
- 21. Tuberculosis
- 22. Wasting syndrome due to HIV
- People who are not infected with HIV may also develop these conditions; this does not mean they have AIDS. However, when an individual presents laboratory evidence against HIV infection, a diagnosis of AIDS is ruled out unless the patient has not:
-
- AND
- □AIDSのステージング
- ■参考文献
- HIM = Harrison's Principles of Internal Medicine 17th Edition
- CASES = 100 Cases in Clinical Medicine Second edition
- IMD = 内科診断学第2版
[★]
- 英
- rheumatoid arthritis, RA
- 同
- リウマチ様関節炎、萎縮性関節炎 atrophic arthritis
- 関
- カプラン症候群、膠原病
概要
- 原因不明のchronic multisystem disease
- 炎症性の関節炎が、特に末梢の関節で全身性に起こる。
- 経過は多様
症候
- 朝のこわばり、疼痛、腫脹、関節の動揺、関節可動域制限、変形(手指、足趾、膝関節)。(SOR.211)
- 手指の近位指節間関節(PIP関節)、中手指節関節(MP関節)。遠位指節間関節(DIP関節)に初発することは稀。(SOR.211)
- 左右対称性に生じることが多い。手関節、足趾、膝関節に初発する。(SOR.211)
- 朝のこわばりは1時間以上持続する(⇔変形性関節症では30分以内におさまる。関節を使わないと痛みがひどくなる)
関節外症状
- 100CASE p.76
- SOR.213改変
症候スペクトル
合併症
- YN. F-43
検査
単純X線
- 軟部組織の腫脹によるX線透過性の低下、関節周囲の骨萎縮(傍関節性骨骨粗鬆症)、関節辺縁のびらん、骨洞、関節裂隙狭小化、関節面の破壊、関節亜脱臼・脱臼(SOR.216)(下線の症状は変形性関節症では認めない)
血液
- 赤血球:小球性低色素性貧血
- 白血球:正常あるいは軽度増加。ただし 脾腫 + 白血球減少 + RA = フェルティー症候群
- 血小板:増加
- 補体:高値?。(SOR.217)SLEと違って低下しない。経過中に低下してきたのなら悪性関節リウマチを考慮
- リウマチ因子:陽性(70-80%の症例)
- 炎症所見:赤沈・CRP・免疫グロブリン高値
関節液
- 淡黄緑色、混濁、滑膜細胞の細片の浮遊を認める。粘稠度低下(SOR.218)
関節内視鏡
身体所見 (SOR.213,417)
手
手関節
- 手関節と遠位橈尺関節の滑膜炎→腫脹、運動痛、手関節の掌背屈及び前腕の回旋制限
- 尺骨頭の背側亜脱臼:ピアノキーサイン
- 手根骨の尺側移動、掌側移動
- 手関節強直:手関節が破壊されて癒合すると線維性強直、骨性強直が起きて関節の変形が固定される。
指
MP関節(MCP関節)
- 掌側脱臼、尺側偏位、伸筋腱の尺側脱臼
PIP関節
趾
MP関節(MTP関節)
- 外反母趾:第1中足骨が内反し、第1中足趾節関節で母指基節骨が外反し、中足骨骨頭が内側に膨隆し「く」の字型の変形を起こしたもの。
診断基準
|
7項目中、4項目以上を満たすとき、関節リウマチと診断される
|
備考
|
1
|
1時間以上持続する朝のこわばりが、6週間以上あること
|
|
2
|
3領域以上の関節の腫れが、6週間以上あること
|
領域は、PIP関節・MP関節・手・肘・膝・足・MTP関節の14領域に分けられる
|
3
|
手関節またはMP関節またはPIP関節の腫れが、6週間以上あること
|
少なくとも1ヵ所での軟部組織腫脹
|
4
|
対称性関節腫脹
|
PIP、MCP、MTP関節は完全に対象である必要はない
|
5
|
リウマトイド結節
|
骨突起部、伸側表面/関節近傍の皮下結節
|
6
|
リウマトイド因子が陽性
|
正常人コントロールで5%以下の陽性率を示す測定法を用いること
|
7
|
X線、関節リウマチに特有の骨びらんが見られる
|
手・指を中心に見る、びらん以上の破壊も含む
|
診断
治療
- 以前は、病状の進行に合わせて作用の弱い薬剤から強い薬剤を用いていたが、最近では初期に強力に炎症を抑制して関節破壊を防ぐ治療方針に変わってきている。
TNF阻害薬の適応
- 1. 既存の抗リウマチ薬(DMARD)通常量を3ヶ月以上継続して使用してもコントロール不良のRA患者。コントロール不良の目安として以下の3項目を満たす者。
- 1) 圧痛関節数6関節以上
- 2) 腫脹関節数6関節以上
- 3) CRP 2.0mg/dl以上あるいはESR 28mm/hr以上
- a) 画像検査における進行性の骨びらんを認める
- b) DAS28-ESRが3.2(moderate activity)以上
- のいずれかを認める場合も使用を考慮する。
- 2. さらに日和見感染症の危険性が低い患者として以下の3項目も満たすことが望ましい。
- 1) 末梢血白血球数 4000/mm3以上
- 2) 末梢血リンパ球数 1000/mm3以上
- 3) 血中β-D-グルカン陰性
参考
- 2. 株式会社医学生物学研究所 MESACUP CCPテスト
- 3. 関節リウマチの診療マニュアル(改訂版) 診断のマニュアルとEBMに基づく治療ガイドライン
- http://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/rm400/library/guideline.html
[★]
- 英
- acute myocardial infarction, AMI
- 関
- 心筋梗塞
症状
- 胸痛:デルマトームC7-T1への放散痛(PHD.179)。デルマトームT1-T4への放散痛(IMD.418)→胸骨裏側、左上肢の尺側側、頚部、下顎部
- 痛みは虚血により生じた代謝産物(アデノシン、乳酸)が局所の神経終末を刺激することで生じる
PDH.179
特徴的な疼痛
|
持続性で、ひどい痛み、典型的には胸骨下痛
|
交感神経による作用
|
発汗
|
皮膚が湿って冷たく感じられる
|
副交感神経による作用
|
悪心・嘔吐
|
倦怠感
|
炎症反応
|
中程度の発熱
|
心臓の所見
|
IV音ギャロップ(うっ血性心不全があればIII音も)
|
その他
|
運動異常を伴う膨隆(前壁梗塞なら)
|
心膜摩擦音(心膜炎があれば)
|
収縮期雑音(僧帽弁閉鎖不全症や心室中隔欠損があれば)
|
肺のラ音(うっ血性心不全があれば)
|
頚動脈の拡大(右室梗塞)
|
身体所見(ST-segment elecation MI HIM.1533)
- 不安、不穏、ベットの上で場所を変えたり身体を曲げたりして痛みを和らげようとしている。
- 蒼白
- 四肢の冷感
- 30分以上持続する後胸骨痛 + 発汗 → ST上昇心筋梗塞を示唆
- 多くの患者は最初の1時間は脈拍、血圧、正常
- 前壁梗塞の患者の1/4は交感神経が興奮 → 頻脈、高血圧
- about one-fourth of patients with anterior infarction have manifestations of sympathetic nervous system hyperactivity (tachycardia and/or hypertension)
- 下壁梗塞の1/2は副交感神経興奮 → 徐脈±低血圧
- up to one-half with inferior infarction show evidence of parasympathetic hyperactivity (bradycardia and/or hypotension)
検査
血液生化学検査: マーカー
時系列
→→→→→→→→→→→→→→→→→→
|
myo
|
W
|
TnT
|
myo
|
AST
|
LDH
|
CRP
|
H
|
CK
|
2-3時間 ~~~~~~半日~ 1日
|
|
心電図
- PECG.168
- (超急性期:発症直後~数時間)T波先鋭化、非特異的ST上昇
- (急性期 :数時間~12時間)特異的ST上昇(上に凸)、R波減高、異常Q波出現
- (亜急性期:24時間~1週間)ST上昇は減高、T波が陰転化(冠性T波:左右対称な陰性T波)。しばしばQT延長を伴う。
- 全層虚血でのST上昇は対側誘導でST低下が見られる。
- 異常Q波 + ST上昇 が数週間持続 → 高度の壁運動の異常 → 心室瘤の形成を示唆
診断
- 心筋梗塞を疑ったら診察は、病歴、心電図変化、心筋マーカーの上昇で行う。心エコーで心筋壁の障害が認められ、CAGで冠動脈の閉塞または狭窄所見が見られたら確実(YN.C81)
治療
初期治療
- PHD.187 ガイドライン1
- アスピリン:治療開始から退院後も継続的に服用。
- 未分画ヘパリン:冠動脈の開存性を保つ。
- βブロッカー:酸素需要減少。拡張期の延長による障害心筋への灌流を改善。静脈投与→経口投与。
- 禁忌:喘息、低血圧、著しい徐脈。
- 硝酸薬:前負荷・後負荷軽減による心筋酸素需要量低減、冠攣縮の解除・予防、側副路の血流増加。
- 使用不可:収縮期血圧<90mmHg or 通常血圧より30mmHg以上血圧低下、高度徐脈(<50bpm)、頻脈(>100bpm)、下壁梗塞・右室梗塞合併疑い例
- 禁忌:勃起不全治療薬服用後24時間以内。
- 未分画ヘパリン:PCIが施行される場合にはヘパリンをactivated clotting timeが250を越えるように使用。tPAを使用した血栓溶解を行った後にはヘパリン48時間投与し、APTTを50-70秒に保つ。
- 鎮痛薬:塩酸モルヒネ:硝酸薬使用後も疼痛が持続する場合。
再灌流療法
- 適応:発症後12時間以内 (救急医療パーフェクトマニュアル p.43)
二次予防
- 患者教育
- 禁煙指導
- 食事療法:血圧管理、脂質管理、体重管理、糖尿病管理
- 運動療法
- 抗血小板薬
- 脂質異常症治療薬
- RAA系阻害薬
- βブロッカー
- カルシウム拮抗薬:血圧管理や狭心症が他の薬剤でコントロールできない場合に限る(心筋梗塞発症早期での短時間作用型カルシウム拮抗薬投与による総死亡低下に対する有効性が確認されなかったため)。,STEMI患者への短時間作用型ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬投与は通常禁忌。(ガイドライン1)
- ニコランジル
- ワルファリン
合併症
機械的合併症
- NSU.424 SSUR.397
- 心筋梗塞の破裂は全心筋梗塞例の2-4%でみられ、3/4の例で左室自由壁破裂、1/4の例で心室中隔穿孔、僧帽弁乳頭筋断裂はごく稀(SSUR.397)。
-
- 心室中隔を栄養する血流の途絶により中隔の壊死を来たす。左右シャントを生じ、原疾患である心筋梗塞による心不全を増悪させ、前方不全、すなわち低心拍出量症候群をきたす。増悪すれば、心原性ショックに陥る。右室は容量負荷をうけ右心不全をきたすことがある。症状は苦悶、血液低下、尿量減少を来たし、半数例においては心原性ショックが見られる。治療は循環が悪化している場合にはドパミン、ドブタミン、ニトログリセリンが用いられるが一時的であり、大動脈内バルーンパンピングによって循環動態を安定させる。その後、速やかに手術を施行する。循環動態が安定している例では2-3週間後に手術を行う(NSU.424)。手術は心停止下に左室梗塞部を切開して中隔穿孔部をダクロンパッチで閉鎖する。
- 2. 虚血性僧帽弁不全症(急性:乳頭筋断裂、慢性:乳頭筋機能不全)
- 乳頭筋断裂の75%は下壁梗塞に合併して後乳頭筋に発生し、残りは前乳頭筋に生ずる。僧帽弁尖の逸脱が起こり急性僧帽弁閉鎖不全症の病態を呈する。原疾患の心筋梗塞による心不全に加え、急性僧帽弁閉鎖不全症により心原性ショックに陥る。治療はIABPを挿入して循環動態を安定化後、僧帽弁置換術を行う。
-
- 自由壁破裂は左室に多く、健常部と梗塞部位の境界に多い。病型は急激に大出血するblow-out型とじわじわ出血するoozing型がある。いずれの場合でも出血による心タンポナーデを来たし、低心拍出量の低下、さらに心原性ショックに陥る。症状は血圧低下、意識消失、呼吸停止、徐脈、心停止に至る。治療は直ちにPCPSにより循環の維持を図り(oozing型の場合は心嚢穿刺によるタンポナーデの解除を行う)、開胸手術により出血部のフェルトを用いた縫合閉鎖を行う。
ガイドライン
- 1. 急性心筋梗塞(ST上昇型)の診療に関するガイドライン
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2008_takano_h.pdf
国試
[★]
- 英
- electrocardiogram ECG, electrocardiography
- 同
- elektrokardiogramm EKG
- 図:PT.268,279(心臓の構造と興奮伝導系)
- 心電図の読み方:PHD.108
概念
- 心臓全体の電気的活動を体表面から経時的に記録したもの。
- 特殊心筋の活動電位は記録されない。固有心筋の活動電位のみ
医学大事典より
- 心臓は拍動のたびに電気を発生し、これを心起電力(cardiac electromotive force)と呼ぶ。
- 心起電力により体表面に電流が流れると四肢や胸壁など、体表面の異なった部位間に電位差が生じる。
- この電位差を導出するための装置を心電計と呼び、心電計により時間軸に沿って記録された電位の変化を心電図という。
意義
- 心電図は心臓の電気的興奮の伝達を記録したものである。P波は心房の脱分極を、QRS波は心室の心筋細胞の脱分極を表す。T波は心室の再分極を表す。つまり心筋の異常がある場合何かしらの変化が心電図上に表れるということである。心電図は身体に侵襲的な影響を及ぼさない検査である。このことはこの検査を心臓の疾患を疑ったら即行ってよいということである。
- 心電図は、不整脈、心筋梗塞、心筋虚血、心膜炎、心房負荷、心室肥大・心室拡大、電解質異常などの判断に有用である。
施行する目的
- 心臓疾患疑い(狭心症・心筋梗塞・不整脈など)
- スクリーニング(学校検診、職場検診など)
心電図の種類
電極の部位による分類
表現形式による分類
- ベクトル心電図:心起電力をベクトル環として三次元的に描く
- スカラー心電図:時間軸に沿った電位の記録
心電図の記録サイズ
- 縦軸:10mm = 1mV
- 横軸: 5mm = 0.2s
標準12誘導心電図
- 標準肢誘導(I,II,III) + 単極肢誘導(aVR, aVF, aVL) + 胸部誘導(V1, V2, V3, V4, V5, V6) = 12誘導
電極の取り付け位置・電極の色
単極肢誘導
- EAB.5改変
V1
|
右第4肋間
|
赤
|
V2
|
左第4肋間
|
黄
|
V3
|
V2とV4の中点
|
緑
|
V4
|
左第5肋間かつ鎖骨中線
|
茶
|
V5
|
V4と同じ高さで前腋窩線との交点
|
黒
|
V6
|
V4と同じ高さで中腋窩線との交点
|
紫
|
心電図の波
- 6つの棘波よりなる
- P波:心房の電気的興奮。:0.12-0.20s (3-5mm)
- QRS複合:心室の電気的興奮:0.06-0.15s :正常; 0.06-0.08s (1.5-2mm), 不完全脚ブロック; 0.08-0.12s (2-3mm), 完全脚ブロック ≧0.12s (≧3mm)
- T波:心室の再分極(心室筋興奮の回復過程):
- U波
心電図の波の間隔
- PQ時間:房室間伝導遅延:0.12-0.20s
- QT時間:電気的心室収縮時間:心拍数と相関関係がある
- QTc=QT/sqrt(RR)
- 心拍数によらずほぼ一定の値を示す
正常心電図における波
心電図による得られる情報 (SP.536)
- 1. 心臓内の興奮伝導の障害
- ex. 房室ブロック
- 2. 不整脈:脈拍のリズムと心拍数の異常
- ex. 心房粗動、心室細動
- 3. 冠循環の異常
- ex. 心筋梗塞
- 4. 心室肥大
- 5. 血漿中の電解質濃度の異常
各誘導で取りやすい所見
特徴的な所見
新生児・幼小児の心電図
- SPE.428-
- 電気軸:右軸偏位 → 左軸偏位 胎児循環では右心系が主に体循環に関わっていたが、成人で見られる循環では左心系が関わる。生後一ヶ月らいまでは+120~130°程度の右軸偏位
- 呼吸性不整脈:小児では顕著。吸気時に心拍数増加、呼気時に心拍数減少
- 右室肥大:新生児~乳児では肺血管抵抗がまだ高いために右室肥大が持続。
心電図と心疾患
- 心臓を栄養している血管が急激に閉塞するため、全く血液が供給されない状態。
- 急性期と慢性期では異なった心電図をとる。
- 異常Q、ST上昇、冠性T
- 心臓に器質的疾患を持たないにもかかわらず、心電図上でQT時間の延長(QT時間が0.46秒以上)を認める病態。
疾患と心電図
- 心膜炎 心外膜炎:90%の患者に異常が見られる。aVR, V1を除いたST上昇。いくつかの電極でPR部の低下(PR segment depression)
- 肺性心(肺気腫):肺性P、不完全右脚ブロック、右軸偏位、V1-V3のT波陰転・平坦化、II,III,aVFでST低下。肺高血圧、最初の3つは右室負荷を反映
- 肥大型心筋症:ST-T変化(ストレイン型の陰性T波は、上に凸のST低下を伴い、非対称性陰性T波)。Sv1, Rv5の増大。QRS時間の延長。
- 心房中隔欠損症:PR延長、不完全右脚ブロック、右軸偏位。右心系の容量負荷による遠心性心肥大。
- 心室中隔欠損症:
- ブルガダ症候群:右側胸部誘導(V1-V2(V3))のST上昇(coved型あるいはsaddle back型) 。完全あるいは不完全右脚ブロック様QRS波形(つまり、V1-V3でJ波が見られる)。
- 脚ブロック
- WPW症候群:Δ波。PQ短縮、QRS延長。V1に特徴的変化「A型: 高いR波。左室自由壁」「B型: rS型。右側」「C型: Qr/QS。中隔」
- 肺血栓塞栓症:右側胸部誘導の陰性T波、洞性頻脈、SⅠQⅢTⅢ、右脚ブロック、ST低下、肺性P、時計方向回転
- 肺気腫:V1,V2でrS/QSパターン
注意点
- 胸をさらすことになるので、女性の患者では特に配慮する。誘導の電極が正しい位置に貼られていないと記録される結果が異なってくるので、正確な位置に貼る。また、心電図は筋肉の活動も拾ってしまうので、筋緊張を和らげるため患者にはリラックスしてもらい、リラックスできる状況を作ることを心がける。
参考
- http://www.cardiac.jp/