シメチジン。Tagamet
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/08/09 20:34:43」(JST)
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シメチジン |
|
分子式 |
C10H16N6S |
分子量 |
252.34 |
CAS登録番号 |
[51481-61-9] |
シメチジン(英: cimetidine)は、ヒスタミンH2受容体拮抗薬のひとつ。H2受容体と拮抗することにより胃酸分泌を抑制することから胃酸抑制薬として使用される。H2受容体を拮抗する薬物としては他にファモチジンなどが存在する。イヌやネコの胃炎や消化管潰瘍に使用される。
他のH2ブロッカーにない作用
- 未確認の薬効として、血管内皮細胞の管腔形成を阻害するため、腫瘍血管の新生を阻害し、がん組織の増殖を抑える可能性があり、転移の予防を示唆する、との臨床的な見地がある。
- 偽痛風の予防として有効とされる。透析時の異所性石灰化に有効だったという報告があり、ピロリン酸カルシウム沈着症などの偽痛風に応用され、有効性が確認されている。偽痛風による沈着した石灰化病変が溶け出して薄くなることもある。(しかしながら近年、同じH2ブロッカーであるファモチジンにも同様の作用があるとの報告がなされている。)
関連項目
- ヒスタミン
- ジフェンヒドラミン
- プロメタジン
- クロルフェニラミン
参考文献
- 吐山豊秋著 『新編家畜薬理学 改訂版』 養賢堂 1994年 ISBN 4842594047
- 伊藤勝昭ほか編集 『新獣医薬理学 第二版』 近代出版 2004年 ISBN 4874021018
- Cimetidine inhibits angiogenesis and suppresses tumor growth.(シメチジンは血管新生を阻害して腫瘍の増殖を抑える?)Biomed Pharmacother. 59(1-2):56-60. 2005 東京大学
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Japanese Journal
- 内科医が使う薬の副作用・相互作用 ; 消化器薬. H2受容体拮抗薬 (タガメット, ザンタック, ガスター, アルタット, アシノン, プロテカジン)
- ソロン(SU-88)とタガメットとの併用による胃潰瘍の治療および再発に対する臨床評価ータガメット単独療法との比較検討ー
Related Links
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- 大日本住友製薬株式会社のタガメット錠200mg(消化器官用薬)、一般名シメチジン(Cimetidine) の効果と副作用、写真、保管方法等を掲載。 ... 以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。妊娠または授乳 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
タガメット注射液200mg
組成
有効成分1アンプル(2mL)中
添加物
禁忌
効能または効果
- ○上部消化管出血(消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、出血性胃炎による)、侵襲ストレス(手術後に集中管理を必要とする大手術、集中治療を必要とする脳血管障害・頭部外傷・多臓器不全・重症熱傷等)による上部消化管出血の抑制
- 通常成人にはシメチジンとして1回200mgを日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液にて20mLに希釈し、1日4回(6時間間隔)緩徐に静脈内注射する。又は輸液に混合して点滴静注する。なお、年齢、症状により適宜増減する。一般的に上部消化管出血では1週間以内に効果の発現をみるが、内服可能となった後は経口投与に切りかえる。侵襲ストレス(手術後に集中管理を必要とする大手術、集中治療を必要とする脳血管障害・頭部外傷・多臓器不全・重症熱傷等)による上部消化管出血の抑制では、術後集中管理又は集中治療を必要とする期間(手術侵襲ストレスは3日間程度、その他の侵襲ストレスは7日間程度)の投与とする。
- ○麻酔前投薬
- 通常成人にはシメチジンとして1回200mgを麻酔導入1時間前に筋肉内注射する。
- 腎障害のある患者では、血中濃度が持続するので、下記を参考にして投与量を減ずるか投与間隔をあけて使用すること。(「薬物動態」の項参照)
クレアチニンクリアランス(mL/min)に対するタガメット投与量
- 0〜4mL/min:1回200mg1日1回(24時間間隔)
5〜29mL/min:1回200mg1日2回(12時間間隔)
30〜49mL/min:1回200mg1日3回(8時間間隔)
50mL/min以上:1回200mg1日4回(6時間間隔)
- シメチジンは血液透析により除去されるため、血液透析を受けている患者に投与する場合は、透析後に投与すること。なお、腹膜透析においては、シメチジンの除去率はわずか(投与量の約5%以下)である。(「薬物動態」の項参照)
慎重投与
- 腎障害のある患者(「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「薬物動態」の項参照)
- 肝障害のある患者
- 薬物過敏症の既往歴のある患者
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー様症状
- ショック、アナフィラキシー様症状(全身発赤、呼吸困難等)(各0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少
- 再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少(各0.1%未満)があらわれることがあるので、初期症状として全身倦怠、脱力、皮下・粘膜下出血、発熱等がみられたら、その時点で血液検査を実施し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
間質性腎炎、急性腎不全
- 間質性腎炎、急性腎不全(各0.1%未満)があらわれることがあるので、初期症状として発熱、腎機能検査値異常(BUN、クレアチニン上昇等)等が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群、0.1%未満)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群、0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝障害
- 黄疸(0.1%未満)、また、AST(GOT、0.97%)、ALT(GPT、1.04%)の上昇等があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止すること。
房室ブロック等の心ブロック
- 房室ブロック等の心ブロック(0.1%未満)があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
意識障害、痙攣
- 意識障害、痙攣(各頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。特に腎機能障害を有する患者においてあらわれやすいので、注意すること。
薬効薬理
胃酸分泌抑制作用
基礎分泌
- 200mg経口投与により投与後1〜3時間の2時間分泌量は91.2%抑制される。16)
テトラガストリン、ベタゾール及びインスリン刺激分泌
- 200mg経口投与により、テトラガストリン4μg/kg、ベタゾール1mg/kg、インスリン0.1U/kg筋注投与による刺激分泌は投与後1〜3時間の2時間分泌量でそれぞれ79.1%、67.8%、79.5%抑制される。17)また、同様の試験において400mg経口投与は200mg経口投与より強くテトラガストリン刺激分泌を抑制する。18)
食餌刺激分泌
- 流動蛋白食刺激による刺激分泌は200mg経口投与により最初の1時間で分泌量が85.7%、次の1時間で64.3%抑制される。同じ試験条件でアトロピン硫酸塩水和物0.5mg筋注による抑制率は、それぞれ48.8%及び27.1%である。19)400mg経口投与は朝食及び昼食に相当する2回のブイヨン刺激に対して、いずれも明らかに抑制し、その効果持続は少なくとも8時間であった(健常人)。20)
夜間分泌
- 午後11時〜午前6時までの夜間分泌量は200mg経口投与で71.7%、300mg経口投与で94.0%抑制され、酸分泌抑制作用の持続時間は200mgで4〜5時間、300mgで6〜7時間である。21)
24時間分泌
- 24時間の胃液の平均水素イオン濃度は、800mg(200mg×4回)経口投与で55%抑制され、22)また、800mg(400mg×2回)の経口投与でも、同様に24時間分泌は良好にコントロールされる。23)いずれの用法においても昼間より夜間の効果が顕著である。
ペプシン分泌抑制作用
- テトラガストリン、ベタゾール、インスリン及び食餌刺激分泌においてペプシン分泌は200mg経口投与により約55〜67%抑制される。17),24)夜間分泌における抑制率は200mg経口投与で53.5%、300mg経口投与で81.4%である。21)
長期投与に伴う酸分泌機能の変動
- 酸分泌機能は、800〜1,600mg/日、約1〜8.5ヵ月の経口投与で、投与前後において有意な変化は認められていない。25)また、シメチジン投与中止に伴うacid reboundは認められていない。26)
血中ガストリンに及ぼす影響
- 空腹時血中ガストリン値は800〜1,000mg/日1〜4ヵ月の経口投与で投与前後において有意な変化は認められていない。26)〜28)
- 食餌刺激後の血中ガストリンに及ぼす影響については一定の見解は得られていない。29)〜31)
ガストリン細胞数の変化
- 1,000mg/日を4週間、更に400mg/日を20週間経口投与で、投与前、投与開始後4週間、12週間及び24週間の幽門部ガストリン細胞数には有意な変化は認められていない。31)
胃内容排出に対する影響
- 300mg経口投与後1時間及び3時間の胃内容排出には、いずれも有意な変化は認められていない。32)
膵外分泌機能に対する影響
- 800mg/日19〜24日間の経口投与で投与前後の膵外分泌機能には有意な差は認められていない。33)
胃粘膜電位差に対する作用
- アスピリンによる胃粘膜電位差の低下を抑制することにより、胃粘膜関門の破綻を防ぎ粘膜障害を阻止する。34)
胃粘膜PGE2生合成能に対する影響
- 1,000mg/日を4週間の経口投与で、胃粘膜のPGE2生合成量は投与前に比し増加する。35)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- 2-Cyano-1-methyl-3-{2-[(5-methyl-1H-imidazol-4-yl)methylsulfanyl]ethyl}guanidine
分子式
分配係数(水/1-オクタノール系)
- pH3.5 0.0
pH5.0 0.1
pH7.0 1.5
pH9.5 2.7
pH11.0 2.6
性状
- 白色の結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。メタノール又は酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、水に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
希塩酸に溶ける。
光によって徐々に着色する。
融点
★リンクテーブル★
[★]
商品
[★]
- 英
- cimetidine
- 商
- アルキオーネ、イクロール、エスメラルダ、カイロック、シメチパール、シメチラン、シルカーゼット、ストマチジン、タカミジン、タガメット Tagamet、ダンスール、チーカプト、チスタメット、ファルジン
- 関
- ヒスタミン受容体
-
- H2ブロッカー = ヒスタミンH2受容体選択的阻害薬
薬効薬理
- シメチジン錠200mg「タナベ」/**シメチジン錠400mg「タナベ」/**シメチジン細粒20%「タナベ」
シメチジンは胃酸分泌抑制作用を示す.その作用機序は,胃粘膜細胞のヒスタミンのH2受容体に対する競合的拮抗作用による.ガストリン刺激,インスリン刺激及び食事刺激による胃酸分泌も抑制する.また,ペプシン分泌抑制作用も示す3).
効能又は効果
- シメチジン錠200mg「タナベ」/**シメチジン錠400mg「タナベ」/**シメチジン細粒20%「タナベ」
- 胃潰瘍,十二指腸潰瘍,吻合部潰瘍,Zollinger-Ellison症候群,逆流性食道炎,上部消化管出血(消化性潰瘍,急性ストレス潰瘍,出血性胃炎による)
- 下記疾患の胃粘膜病変(びらん,出血,発赤,浮腫)の改善
- 急性胃炎,慢性胃炎の急性増悪期
禁忌
- シメチジン錠200mg「タナベ」/**シメチジン錠400mg「タナベ」/**シメチジン細粒20%「タナベ」
副作用
- CYP2D6, CYP3A4阻害作用。これらはシメチジンとの相互作用が強い。多くの薬物代謝が影響を受ける。すなわち、副作用につながる
- 肝障害
- 抗アンドロゲン作用(女性化乳房、乳汁分泌)
相互作用
添付文書
- シメチジン錠200mg「タナベ」/**シメチジン錠400mg「タナベ」/**シメチジン細粒20%「タナベ」
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2325001C1126_1_01/2325001C1126_1_01?view=body
[★]
- 英
- drug-induced hypoglycemia
- 同
- 薬剤性低血糖症
- 関
- 低血糖
低血糖を引きおこす薬剤
- DMR.295
[★]
タガメット
- 関
- cimetidine