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- thrombolyticagent
-thrombolytics
WordNet
- a kind of pharmaceutical that can break up clots blocking the flow of blood to the heart muscle (同)thrombolytic_agent, clot buster
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/05/29 10:59:49」(JST)
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血栓溶解薬とはプラスミノーゲンを蛋白分解的に活性化させプラスミンを形成する結果、すでに形成された血栓を溶解する薬物である。プラスミンはフィブリンをフィブリン分解生成物へ変える比較的特異度の低いプロテアーゼである。血栓溶解薬は病理学的血栓だけではなく、血管外傷に応じて生じた生理学的フィブリン凝塊も溶かすため重症の出血を起こす可能性があり、適応は限られている。
種類 [編集]
栓溶解薬はウロキナーゼ型プラスミノゲン・アクチベーター(u-PA)と組織型プラスミノゲン・アクチベーター(t-PA)がよく知られている。t-PAによるプラスミノーゲンの活性化速度はフィブリンが存在すると数百倍に亢進する。t-PAではフィブリン分子に結合することによりフィブリン血栓上でプラスミノゲンを活性化させ、生じたプラスミンにより効率良くフィブリン分解が起こる。u-PAではフィブリンへの親和性が弱いので、主に血中のプラスミノーゲンをプラスミンに活性化することで血栓の溶解が起こる。u-PAはフィブリン特異性が低いため、治療薬としてのu-PAの関心は限定されている。
現在のところ日本で臨床的に用いられているt-PA製剤は全て、遺伝子組み換え組織型プラスミノゲン・アクチベーター(rt-PA)である。アルテプラーゼ、モンテプラーゼ、パミテプラーゼの3種類がある。アルテプラーゼは天然型t-PA(血管内皮細胞が産出するt-PA)と同じアミノ酸配列であるが、それ以外は半減期延長のためにアミノ酸置換している。全てのt-PA製剤は急性心筋梗塞に適応があり、アルテプラーゼは虚血性脳血管障害、モンテプラーゼが急性肺塞栓症に適応がある。
治療の実際 [編集]
- 急性肺塞栓症の血栓溶解療法
モンテプラーゼを用いる。ショック、右心不全合併例では用いられる。早期の血栓溶解作用や血行動態の改善効果は優れるが予後改善効果はヘパリンと比較して有意差はない。
- 急性冠症候群の血栓溶解療法
アルテプラーゼ、モンテプラーゼ、パミテプラーゼが使用可能である。ST上昇型急性冠症候群でPCIによる再灌流療法が行えない場合は発症12時間以内が血栓溶解療法が考慮される。日本ではPCIが普及しているためあまり行われない。日本人ならばアルテプラーゼで0.5~0.75mg/Kgで使用される。
- 脳梗塞の血栓溶解療法
アルテプラーゼが用いられる。脳梗塞という病気自体が脳出血のリスクが高いため、その他の疾患よりも適応が厳しい。日本人ならばアルテプラーゼで0.6mg/Kgで使用される。
参考文献 [編集]
- 病態生理に基づく臨床薬理学 ISBN 4895924610
薬理学:医薬品の分類 |
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消化器/代謝(A) |
胃酸中和剤(制酸薬、H2ブロッカー、プロトンポンプ阻害薬) • 制吐薬 • 瀉下薬 • 止瀉薬/止痢薬 • 抗肥満薬 • 経口血糖降下薬 • ビタミン • ミネラル
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血液、血液生成器官(B) |
抗血栓薬(抗血小板剤、抗凝固薬、血栓溶解薬) • 抗出血(血小板、凝固・線溶系、抗線維素溶解性)
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循環器系(C) |
心臓療法/狭心症治療薬(強心配糖体、抗不整脈薬、強心剤) • 高血圧治療薬 • 利尿薬 • 血管拡張薬 • 交感神経β受容体遮断薬 • カルシウム拮抗剤 • レニン-アンジオテンシン系(ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬) • 脂質降下薬(スタチン、フィブラート、胆汁酸捕捉因子)
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皮膚(D) |
皮膚軟化薬 • 瘢痕形成剤 • 鎮痒薬 • 乾癬治療薬 • 他の皮膚薬
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泌尿生殖器系(G) |
ホルモン避妊薬 • 排卵誘発治療 • SERM • 性ホルモン
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内分泌器(H) |
視床下部脳下垂体ホルモン • 副腎皮質ホルモン(糖質コルチコイド、ミネラルコルチコイド) • 性ホルモン • 甲状腺ホルモン/抗甲状腺薬
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感染(J、P、QI) |
抗菌薬 (抗生物質) • 抗真菌薬 • 抗ウイルス薬 • 抗寄生虫薬(抗原虫薬、駆虫薬) • 外部寄生虫駆除剤 • 静注用免疫グロブリン • ワクチン
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悪性腫瘍(L01-L02) |
抗がん剤(代謝拮抗薬、抗腫瘍性アルキル化薬、紡錘体毒、抗悪性腫瘍薬、トポイソメラーゼ阻害薬)
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免疫系(L03-L04) |
免疫調節薬(免疫賦活薬、免疫抑制剤)
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筋肉、骨、関節(M) |
アナボリックステロイド • 抗炎症薬(NSAIDs) • 抗リウマチ • 副腎皮質ホルモン • 筋弛緩剤 • ビスホスホネート
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脳、神経(N) |
鎮痛剤 • 麻酔剤(一般、局所・静脈) • 食欲低下薬 • ADHD治療 • 中毒医学 • 抗てんかん薬 • アルツハイマー治療 • 抗うつ薬 • 片頭痛治療 • パーキンソン病治療 • 抗精神病薬 • 抗不安薬 • 抑制剤 • エンタクトゲン • エンセオジェン • 陶酔薬 • 幻覚剤(精神展開薬、解離性麻酔薬、デリリアント) • 睡眠導入剤/鎮静薬 • 気分安定薬 • 神経保護 • スマートドラッグ • 神経毒 • 食欲促進 • セレニック • 覚醒剤 • 覚醒促進物質
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呼吸器(R) |
鬱血除去薬 • 気管支拡張薬 • 鎮咳去痰薬 • 抗ヒスタミン薬
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感覚器(S) |
眼科学 • 耳科学
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その他ATC(V) |
解毒剤 • 造影剤 • 放射性薬理学 • 湿潤療法
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- 次の文を読み、30、31の問いに答えよ。
- 74歳の男性。胃癌の治療で入院中に胸痛の訴えがあったため当直医が呼ばれた。
- 現病歴:3日前から消化器外科に入院し、昨日の午後に胃癌に対して幽門側胃切除術を受けていた。本日の夕方に胸痛を自覚したため訪室した看護師に申し出た。
- 既往歴:50歳時に糖尿病を指摘され内服治療中である。2年前に狭心症で経皮的冠動脈形成術(ステント留置術)を受けており、抗血小板薬を服用中である。
- 生活歴:喫煙は66歳まで20本/日を35年間。飲酒はビール350mL/日を40年間。
- 家族歴:父親が糖尿病で脳梗塞のため死亡。
- 現症:意識は清明。身長 169cm、体重 65kg。体温 36.2℃。脈拍 80/分、整。血圧 136/72mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 94%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈の怒張を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。四肢に軽度の冷汗を認める。
- 検査所見(発症前):血液所見:赤血球 418万、Hb 13.3g/dL、Ht 38%、白血球 9,300、血小板 21万、PT-INR 1.1(基準 0.9~1.1)。血液生化学所見:総蛋白 6.9g/dL、アルブミン 3.8g/dL、総ビリルビン 0.9mg/dL、AST 29U/L、ALT 19U/L、LD 267U/L(基準 176~353)、ALP 283U/L(基準 115~359)、γ-GTP 51U/L(基準 8~50)、アミラーゼ 75U/L(基準37~160)、尿素窒素 12mg/dL、クレアチニン0.7mg/dL、尿酸 6.9mg/dL、血糖 98mg/dL、HbA1c 6.5%(基準 4.6~6.2)、Na 138mEq/L、K 4.3mEq/L、Cl 100mEq/L。CRP 1.1mg/dL。
- 心電図でST-T変化を認め、虚血性心疾患を疑った。
- 検査の結果、急性冠症候群と診断した。今後の対応として適切でないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111C030]←[国試_111]→[111D001]
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- 80歳の女性。今朝、自室で倒れているのを家人に発見され、救急車で搬入された。1週前から38℃の発熱、鼻汁および咽頭痛を訴えていたが、食事も摂れていたので医療機関は受診せずに様子をみていた。昨日の夕食も通常通りに摂取して就寝したが、朝食時に起きてこないので家人が様子を見に行ったところ自室で倒れていたという。30年前から2型糖尿病に対して経口糖尿病薬を内服している。意識レベルはJCSⅢ-100。身長 152cm、体重 42kg。体温 37.8℃。心拍数 104/分、整。血圧 88/46mmHg。呼吸数 18/分。左上下肢の不全麻痺と右下肢のけいれんを認める。皮膚、口腔粘膜は著明な乾燥を認める。尿所見:蛋白(±)、糖4+、ケトン体(-)。血液生化学所見:尿素窒素 60mg/dL、クレアチニン 2.4mg/dL、血糖 1,160mg/dL、HbA1c 6.6%(基準 4.6~6.2)、Na 156mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 116mEq/L。
- 直ちに静注すべきなのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [114D070]←[国試_114]→[114D072]
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- 2歳3か月の男児。発熱と発疹とを主訴に来院した。6日前から38~39℃の発熱が持続し、3日前から左頚部の腫脹と疼痛とを訴え、昨日、紅色皮疹に気付いた。全身に麻疹様発疹を認め、手足の背側が浮腫状で痛みがある。両側眼球結膜は充血し、口唇は潮紅して亀裂を認める。胸腹部に異常所見を認めない。断層心エコー法で冠動脈左前下行枝に内径6mmの動脈瘤を認める。血液所見:赤沈80mm/1時間、赤血球340万、Hb10.2g/dl、白血球16,000(桿状核好中球20%、分葉核好中球44%、好酸球2%、単球4%、リンパ球30%)、血小板56万。CRP15.5mg/dl(基準0.3以下)。第一選択薬はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [097A054]←[国試_097]→[097A056]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103A006]←[国試_103]→[103A008]
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- 英
- antithrombotic drug
-
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- 関
- antithrombotic agent、fibrinolytic drug、thrombolytic、thrombolytic agent、thrombolytic drug、thrombolytics
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- 関
- fibrinolytic agent、thrombolysis、thrombolytic agent、thrombolytic drug、thrombolytics
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- 関
- antithrombotic agent、fibrinolytic agent、fibrinolytic drug、thrombolytic、thrombolytic agent、thrombolytics
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- 英
- thrombolytic、thrombolytic agent、thrombolytic drug
- 関
- 血小板溶解薬、血栓溶解、血栓溶解薬
[★]
- 英
- thrombus, thrombi TH
- 関
- 血栓症
分類
心筋梗塞における血栓
- ST上昇型急性冠症候群の症例ではフィブリンと赤血球主体の赤色血栓が認められ、非ST上昇型急性冠症候群で心筋トロポニンが上昇した症例では血小板主体の白色血栓が存在していることが明らかとなった。
参考文献
- 岡松健太郎1 清野精彦1 水野杏一2, 血管内視鏡を用いた急性冠症候群の洞察(II),日医大医会誌2009; 5(1)
- 1日本医科大学千葉北総病院循環器内科
- 2日本医科大学大学院医学研究科器官機能病態内科学
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- 英
- drug, agent
- 同
- 薬物
- 関
- 作用薬、剤、ドラッグ、媒介物、病原体、麻薬、薬剤、薬物、代理人、薬品
[★]
- 英
- (細胞)lysis、(物質)dissolution、lyse、dissolve
- 関
- 溶ける、溶かす、解消
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- 英
- thrombolysis
- 関
- 血栓溶解剤、血栓溶解薬
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- 英
- lytic
- 関
- 溶解性、溶菌性