- 英
- diphenhydramine
- 化
- タンニン酸ジフェンヒドラミン diphenhydramine tannate、塩酸ジフェンヒドラミン diphenhydramine hydrochloride、ラウリル硫酸ジフェンヒドラミン diphenhydramine laurylsulfate
- 商
- アレルミン、アストフィリン、レスミン、エアーサロンパス、カフコデN、セキール、デスパコーワ、トラベルミン、トラベルミン配合、ハイシップ、パステル、ベナスミン、ベナパスタ、ベナ、レスカルミン、レスタミン、レスタミンコーチゾン、Benadryl
- 関
- 抗ヒスタミン薬
- 抗ヒスタミン剤
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/03/23 14:57:19」(JST)
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ジフェンヒドラミン |
|
IUPAC名
2-ベンズヒドリルオキシ-N,N-ジメチルエタンアミン
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
58-73-1 |
KEGG |
D00300 |
特性 |
化学式 |
C17H21NO |
モル質量 |
255.355 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ジフェンヒドラミン(英: diphenhydramine、IUPAC名:2-benzhydryloxy-N,N-dimethyl-ethanamine)は、H1受容体拮抗薬の一種で古典的(第一世代)H1拮抗薬である。
末梢及び中枢のヒスタミンと競合的に拮抗することにより炎症、気道分泌の抑制、鎮静作用がある。また、イヌやネコでは乗り物酔いの予防薬として使用される[1]。ジフェンヒドラミン塩酸塩(塩酸ジフェンヒドラミン、diphenhydramine HCl)は主に風邪薬や鼻炎薬など、抗ヒスタミン剤として用いられるが、顕著な催眠の副作用が問題視されていた。
一方、その副作用を逆に利用したのがドリエルなどの睡眠改善薬(睡眠薬ではない)である。ジフェンヒドラミンの鎮静作用に対する耐性は、非常に早く形成され、3日後にはもはや偽薬と同等の効果である[2]。不適切に用いられた場合、小さな精神依存につながることがある[3]。睡眠のステージ3や4あるいはREM睡眠を変化させることはない[4]。
1960年代にジフェンヒドラミンが神経伝達物質のセロトニンの再取り込みを阻害することが発見され、この発見をきっかけに類似の構造を持ちながら副作用が少ない抗うつ薬の探索が行われた結果、現在米国で広く用いられている選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)であるフルオキセチン(プロザック®)の発見につながった。
副作用
ジフェンヒドラミンは、強い抗コリン薬である。この作用は副作用につながり、口渇、心拍の増加、瞳孔拡大、尿閉、便秘、高用量では幻覚、せん妄を起こすことがある。他の副作用として、運動失調、肌の紅潮、かすみ目、鎮静、集中困難、短期的な記憶喪失、視覚障害、呼吸不正、めまい、易刺激性、かゆみ、混乱、体温の上昇(通常、手や足)、一時的な勃起障害、興奮性、また高用量では嘔吐である。[5]
急性毒性は致命的となることがあり、心血管虚脱や2~18時間で死につながり、一般的に対症的な手法で治療される[6]。
強い抗コリン作用のため、高齢者に避けたほうがいい医薬品リストのBeers listに掲載されている[7]。
薬物動態
医薬品の添付文書においては、中枢神経抑制作用のため他の抑制剤との併用注意などがある[8]。
脚注
- ^ 伊藤勝昭ほか編集『新獣医薬理学 第二版』 近代出版 2004年 ISBN 4874021018
- ^ Richardson GS, Roehrs TA, Rosenthal L, Koshorek G, Roth T (October 2002). “Tolerance to daytime sedative effects of H1 antihistamines”. J. Clin. Psychopharmacol. 22 (5): 511–5. doi:10.1097/00004714-200210000-00012. PMID 12352276.
- ^ “Benadryl Addiction”. eMedTV (2013年9月8日). 2014年3月19日閲覧。
- ^ Morin CM, Koetter U, Bastien C, Ware JC, Wooten V (November 2005). “Valerian-hops combination and diphenhydramine for treating insomnia: a randomized placebo-controlled clinical trial”. Sleep 28 (11): 1465-71. PMID 16335333.
- ^ “Diphenhydramine Side Effects”. Drugs.com. 2009年4月6日閲覧。
- ^ Brunton L, Chabner B, Knollmann B (2011). “Chapter 32. Histamine, Bradykinin, and Their Antagonists”. In Brunton L. Goodman & Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics (12e ed.). McGraw Hill. pp. 242–245. ISBN 978-0-07-162442-8.
- ^ “High risk medications as specified by NCQA’s HEDIS Measure: Use of High Risk Medications in the Elderly (pdf)”. National Committee for Quality Assurance (NCQA). 2014年3月19日閲覧。
- ^ 興和創薬 (2011-10). レスタミンコーワ錠10mg 医薬品添付文書 (Report). 日本医薬情報センター. http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00056340.pdf 2014年3月17日閲覧。.
関連項目
- ヒスタミン受容体
- プロメタジン
- クロルフェニラミン
- ドリエル
- 抗コリン薬
抗ヒスタミン薬 |
|
エタノールアミン系 |
- ブロマジン (bromodiphenhydramine)
- クレマスチン
- クロルフェノキサミン
- ジフェニルピラリン
- ジフェンヒドラミン
- ドキシラミン
- オルフェナドリン
- フェニルトロキサミン
|
|
プロピルアミン系 |
|
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エチレンジアミン系 |
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|
フェノチアジン 系 |
- アリメマジン
- ヒドロキシエチルプロメタジン
- イソチペンジル
- メキタジン
- オキソメマジン
- プロメタジン
|
|
ピペラジン 系 |
- ブクリジン
- セチリジン
- クロルシクリジン
- シクリジン
- ヒドロキシジン
- レボセチリジン
- メクリジン
- オキサトミド
|
|
その他 |
- アンタゾリン
- アザタジン
- バミピン
- シプロヘプタジン
- デプトロピン
- エバスチン
- エメダスチン
- エピナスチン
- ケトチフェン
- メブヒドロリン
- ミゾラスチン
- オロパタジン
- ピメチキセン
- ピロブタミン
- キフェナジン
- ルパタジン
- トリプロリジン
- アクリバスチン
- アステミゾール
- アゼラスチン
- ビラスチン
- デスロラタジン
- フェキソフェナジン
- ロラタジン
- テルフェナジン
|
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Japanese Journal
- 11.市販薬塩酸ジフェンヒドラミン(ドリエル)の大量服薬によりせん妄を生じた1例(一般演題,第68回日本心身医学会東北地方会演題抄録)
- 丸山 史,寺門 靖太朗,菅原 純哉,向井 長弘,蓬田 博,神林 崇,清水 徹男
- 心身医学 51(11), 1047, 2011-11-01
- NAID 110008750168
- P-0698 市販睡眠改善薬の大量服用で急性ジフェンヒドラミン中毒に至った症例の血中濃度推移および胃洗浄液中濃度(一般演題 ポスター発表,有害事象・副作用,Enjoy Pharmacists' Lifestyles)
- 徳本 和哉,青木 志保,梶谷 真也,要田 芳代,川上 恵子,只佐 宣子,竹増 まゆみ,堀川 俊二,福原 和秀,池田 佳代,猪川 和朗,森川 則文
- 日本医療薬学会年会講演要旨集 21, 298, 2011-09-09
- NAID 110008910164
Related Links
- レスタミンとは?ジフェンヒドラミンの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版) ... 概説 アレルギーの症状をおさえるお薬です。 作用 【働き】 アレルギーの発症には、ヒスタミンという ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
レスカルミン注
組成
- レスカルミン注は、1管5mL中に日本薬局方ジフェンヒドラミン塩酸塩(別名 塩酸ジフェンヒドラミン
)20mg、臭化カルシウム175mg及びpH調整剤を含有する。
禁忌
- 緑内障の患者[抗コリン作用により房水通路が狭くなり眼圧が上昇し、緑内障を悪化させるおそれがある。]
- 前立腺肥大等下部尿路に閉塞性疾患のある患者[抗コリン作用による膀胱平滑筋の弛緩、膀胱括約筋の緊張により、症状を悪化させるおそれがある。]
- 本剤又は臭素化合物に対し過敏症の患者
- 腎機能障害のある患者、脱水症の患者、全身に衰弱がみられる患者、低塩性食事を摂取している患者[ブロム中毒に陥りやすい。]
- 器質的脳障害のある患者、うつ病の患者[症状が悪化するおそれがある。]
- ジギタリス製剤を使用している患者[ジギタリス中毒を起こしやすい。]
効能または効果
- アレルギー性鼻炎
- 通常成人1日1回5mLを静脈内注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
慎重投与
重大な副作用
- アナフィラキシー様症状(頻度不明):呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫(顔面浮腫、喉頭浮腫等)、蕁麻疹等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
有効成分に関する理化学的知見
ジフェンヒドラミン塩酸塩(Diphenhydramine Hydrochloride)
化学名
- 2-(Diphenylmethoxy)-N,N-dimethylethylamine monohydrochloride
分子式
分子量
性 状
- 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味は苦く、舌を麻ひする。メタノール又は酢酸(100)に極めて溶けやすく、水又はエタノール(95)に溶けやすく、無水酢酸にやや溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
本品は光によって徐々に変化する。
pH
- 本品1.0gを水10mLに溶かした液のpHは4.0?5.0である。
融 点
臭化カルシウム(Calcium Bromide)
分子式
分子量
性 状
- 本品は白色の塊又は粒状の結晶で、においはなく、味はわずかに苦い。水又はメタノールに極めて溶けやすく、エタノール(95)に溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
本品は極めて吸湿性である。
pH
- 本品1.0gに水10mLを加えて溶かした液のpHは7.0?9.0である。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- antihistamine antihistamines, histamine antagonist
- 同
- ヒスタミン拮抗薬 histamine antagonists、ヒスタミン遮断薬 histamine blocking agents
- 関
- ヒスタミン受容体。薬理学
- ヒスタミンH1受容体拮抗薬 histamine H1 receptor antagonist、H1拮抗薬 H1 blocker、H2遮断薬
- ヒスタミンH2受容体拮抗薬 histamine H2 receptor antagonist、H2拮抗薬 H2 blocker、H2遮断薬
-
- 中枢作用↓、鎮静作用↓、抗コリン作用↓
-
- ケミカルメディエーター放出を抑制
- 中枢作用:有。鎮静作用:有
鎮静性からの分類
構造からの分類
薬理学的作用の比較
- https://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0024/G0000065/0023 をより改変して引用
抗ヒスタミン薬の抗ヒスタミン受容体占拠率
- https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/112/3/112_3_99/_pdf
[★]
商品
</rad>
[★]
- 英
- drug-induced hypoglycemia
- 同
- 薬剤性低血糖症
- 関
- 低血糖
低血糖を引きおこす薬剤
- DMR.295
[★]
- 英
- acetaminophen APAP
- 同
- パラセタモール paracetamol
- 商
- Tempra、カロナール、ピリナジン、アトミフェン、アニルーメ、アフロギス、ピレチノール、パラセタ、ナパ、コカール、サールツー、カルジール、(小児坐薬)アンヒバ、(小児坐薬)アルピニー。(サリチルアミド、アセトアミノフェン、カフェイン、クロルフェニラミン)ペレックス、ネオアムノール配合、LL配合。(サリチルアミド、アセトアミノフェン、カフェイン、プロメタジン)PL配合顆粒、マリキナ配合顆粒、ホグス配合顆粒、ピーエイ配合、セラピナ配合、トーワチーム配合、サラザック配合顆粒。(ジプロフィリン、ジヒドロコデイン、dl-メチルエフェドリン、ジフェンヒドラミン、アセトアミノフェン、ブロモバレリル尿素)カフコデN配合。(トラマドール、アセトアミノフェン)トラムセット配合。(イソプロピルアンチピリン、アセトアミノフェン、アリルイソプロピルアセチル尿素、カフェイン)SG配合顆粒
- (第2類医薬品)タイレノール Tylenol
- 関
- アセトアミノフェン中毒
-
-
動態
副作用
[★]
- 英
- anaphylactic shock
- 関
- アナフィラキシー
症状出現までの時間
- 研修医当直御法度 第5版 p.73
- 症状発現までの時間に影響を及ぼすファクターとして、アレルゲンの暴露経路(経口か?非経口か?)、アレルゲンの量、個体の感作状態によって異なる。(参考1)
- 例えば、経口の場合、消化されてアレルゲンとなる物は30分以上かかる。
- 注射の場合は30秒から10分以内に始まる。症状の発現まで30分以上かかることはまれである。(参考1)
症状と治療
- 研修医当直御法度 第5版 p.73
治療
- アドレナリン皮下注射
- アミノフィリン静注
- 副腎皮質ステロイド静注 遅発性のアナフィラキシー予防
- グルカゴン ← β遮断薬の長期投与患者に適す。cAMPの増加による陽性変力作用・陽性変時作用を有する。
参考
- http://health.goo.ne.jp/medical/search/10S11500.html
国試
[★]
- 英
- diphenhydramine citrate
- 関
- ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン
[★]
ジフェンヒドラミン
[★]
ジフェンヒドラミン
[★]
ジフェンヒドラミン
[★]
ジフェンヒドラミン
[★]
- 英
- hydra、Hydra
- 関
- ヒドラ属、Hydra属、(薬剤成分)イソニアジド
[★]
- 英
- lamin
- 関
- 核ラミン