- 英
- propranolol
- ラ
- propranololum
- 化
- 塩酸プロプラノロール propranolol hydrochloride
- 商
- アイデイトロール、インデラル Inderal、サワタール、ソラシロール、ノルモテンス、ヘルツベース、メントリース
- 関
- 血圧降下剤
- 非選択的β受容体遮断薬 (β1受容体=β2受容体)
- 競合的
- 内因性交感神経刺激作用:無
- 膜安定化作用:有
- 脳血管関門:通過
- レニン分泌抑制作用:有
- 降圧作用を示す
- 作用
- 抗狭心作用
- 抗不整脈作用
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/06/09 22:15:49」(JST)
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プロプラノロール
|
|
臨床データ |
ライセンス |
US FDA:link |
胎児危険度分類 |
C(AU) C(US) |
法的規制 |
Prescription Only (S4) (AU) POM (UK) ℞-only (US) |
識別 |
ATCコード |
C07AA05 |
KEGG |
D08443 |
化学的データ |
化学式 |
C16H21NO2 |
プロプラノロール(英: propranolol)は、アドレナリン作動性効果遮断薬の1つ。β1受容体とβ2受容体を遮断する。経口投与ではほぼ全量が吸収されるが、肝臓で大部分が分解される。体内分布性がよく、脳脊髄にも分布する。プロプラノロールはキニジン様作用も有する。不整脈、高血圧、心筋梗塞、緑内障、片頭痛の治療に使用される。副作用として喘息を悪化させたり,頭痛,倦怠,めまい,徐脈などが発生することがあげられる。日本での代表的な商品名は「インデラル」(アストラ・ゼネカ販売)。
目次
- 1 効能・効果
- 2 関連項目
- 3 研究報告
- 4 脚注
- 5 参考文献
効能・効果
- 本態性高血圧症
- 狭心症
- 頻拍を伴う不整脈・心房細動
- 片頭痛発作の発症抑制 (2013年2月28日承認)
- 日本の慢性頭痛治療ガイドラインで推奨グレードA(強く行うように勧められる)とされている。
関連項目
研究報告
カナダのマギル大学の研究者たちの報告によると、トラウマ的な出来事を思い出した直後にプロプラノロールを投与すると記憶の辛さが緩和されるという研究報告がなされている[1]。
脚注
- ^ Scientists find drug to banish bad memories
参考文献
- 伊藤勝昭ほか編集 『新獣医薬理学 第二版』 近代出版 2004年 ISBN 4874021018
心血管疾患 |
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疾患 |
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心疾患
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不整脈
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徐脈性
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洞不全症候群 | 房室ブロック | 脚ブロック(右脚ブロック · 完全右脚ブロック · 左脚ブロック)
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頻脈性
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上室性
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洞性頻脈(en) | 心房細動 | 心房粗動(en) | ブルガダ症候群 | QT延長症候群 | WPW症候群
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心室性
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心室細動 | 心室頻拍
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虚血性疾患
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狭心症 | 心筋梗塞 | 急性冠症候群 | 冠動脈血栓症 | 心室瘤 | 心破裂 | 乳頭筋断裂(en)
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心内膜・心筋
・心膜疾患
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心内膜疾患
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感染性心内膜炎
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心筋症(虚血性心筋症・特発性拡張型心筋症 · 肥大型心筋症 · 拘束型心筋症 · 特発性心筋症) | 心筋炎
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心臓腫瘍(en) | 心臓性喘息 | 肺性心
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血管疾患
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大血管
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大動脈瘤(胸部・腹部・胸腹部) | 大動脈解離 | 大動脈炎症候群
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動脈
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閉塞性動脈硬化症 | 閉塞性血栓性血管炎 | 動静脈瘻 | 動脈硬化 | レイノー病
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静脈瘤 | 血栓性静脈炎 | 静脈血栓塞栓症 | 脂肪塞栓症
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病態・症候 |
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心不全
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左心不全 | 右心不全 | 両心不全
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血圧異常
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高血圧
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本態性高血圧症(en) | 二次性高血圧(en) | 高血圧性緊急症(en)
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低血圧
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心臓発作 | 心臓肥大 | 心停止 | 心肺停止
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所見・検査 |
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血圧計 | 聴診 | 心雑音 | 心電図 | 心電図モニタ | 心臓超音波検査 | 胸部X線写真 | 胸部X線CT | 心臓MRI | 心臓カテーテル検査(肺動脈カテーテル) | 心臓核医学検査 | 脈波伝播速度検査
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治療 |
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外科的治療
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冠動脈バイパス術(CABG)
|
CABG | off-pump CAB(en) | MIDCAB(en) | TECAB(en)
|
|
弁膜症手術
|
弁置換術(en) | 弁形成術(en) | 弁輪形成術 | 交連切開術(en)
|
|
大動脈手術
|
大動脈人工血管置換術 | 大動脈基部置換術 (Bentall, David) | ステントグラフト内挿術(en)
|
|
小児心臓外科
|
動脈管結紮術 | BTシャント | 肺動脈絞扼術 | ノーウッド手術 | グレン手術 | フォンタン手術 | ロス手術
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心不全外科
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心移植術 | 補助人工心臓装着術
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不整脈外科
|
メイズ手術(en) | ペースメーカー | 植え込み型除細動器
|
|
末梢血管手術
|
末梢動脈血行再建術 | 末梢静脈血行再建術 | 静脈抜去術(en) | 静脈血栓摘除術(en) | 内シャント作成術 | 肢切断
|
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内科的治療
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循環作動薬
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抗不整脈薬
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Ia群: プロカインアミド, キニジン
Ib群: リドカイン, フェニトイン
Ic群: フレカイニド(en), プロパフェノン(en)
II群: 交感神経β受容体遮断薬(プロプラノロールなど)
III群: アミオダロン, ソタロール(en)
IV群: カルシウム拮抗剤(ベラパミル, ジルチアゼムなど)
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心不全治療薬(en)
|
利尿薬 | 血管拡張薬 | 強心配糖体 | 強心剤 | PDEⅢ阻害薬
|
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狭心症治療薬
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交感神経β受容体遮断薬 | 硝酸薬
|
|
高血圧治療薬
|
利尿薬 | 交感神経β受容体遮断薬 | レニン-アンジオテンシン系 (ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬(en)) | カルシウム拮抗剤 | アドレナリン作動薬 | 脂質降下薬
|
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血管内治療
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経皮的冠動脈形成術
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循環器系の正常構造・生理 |
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 経験 血管腫に対するプロプラノロール(β-ブロッカー)内服療法について
- 冠動脈MDCT撮影におけるプロプラノロール静注の有用性と安全性
- 関根 貴子,児玉 隆秀,近藤 武,藤本 進一郎,松谷 英幸,新井 雄大,森田 ひとみ,佐野 始也,斉藤 祐二,高瀬 真一
- 日本放射線技術學會雜誌 66(12), 1539-1547, 2010-12-20
- Background: A low heart rate (HR), associated with a prolonged slow filling phase (SF), is necessary to obtain a high quality coronary CT at a low radiation dose with conventional 64 multidetector-row …
- NAID 10027125380
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
インデラル錠10mg
組成
成分・含量(1錠中)
添加物
- D-マンニトール、ゼラチン、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 気管支喘息、気管支痙攣のおそれのある患者[気管支を収縮し、喘息症状が誘発又は悪化するおそれがある。]
- 糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者[アシドーシスによる心筋収縮力の抑制を増強するおそれがある。]
- 高度又は症状を呈する徐脈、房室ブロック(II、III度)、洞房ブロック、洞不全症候群のある患者[これらの症状が悪化するおそれがある。]
- 心原性ショックの患者[心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。]
- 肺高血圧による右心不全のある患者[心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。]
- うっ血性心不全のある患者[心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。]
- 低血圧症の患者[心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。]
- 長期間絶食状態の患者[低血糖症状を起こしやすく、かつその症状をマスクし、発見を遅らせる危険性がある。]
- 重度の末梢循環障害のある患者(壊疽等)[症状が悪化するおそれがある。]
- 未治療の褐色細胞腫の患者(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)
- 異型狭心症の患者[症状が悪化するおそれがある。]
- チオリダジンを投与中の患者(「相互作用」の項参照)
- 安息香酸リザトリプタンを投与中の患者(「相互作用」の項参照)
効能または効果
- 本態性高血圧症(軽症〜中等症)
- 狭心症
- 期外収縮(上室性、心室性)、発作性頻拍の予防、頻拍性心房細動(徐脈効果)、洞性頻脈、新鮮心房細動、発作性心房細動の予防
- 褐色細胞腫手術時
- 小児等に、期外収縮(上室性、心室性)、発作性頻拍の予防、頻拍性心房細動(徐脈効果)、洞性頻脈、新鮮心房細動、発作性心房細動の予防を目的に本剤を使用する場合、小児等の不整脈治療に熟練した医師が監督すること。基礎心疾患のある場合は、有益性がリスクを上回ると判断される場合にのみ投与すること。
本態性高血圧症(軽症〜中等症)に使用する場合
- 通常、成人にはプロプラノロール塩酸塩として1日30〜60mgより投与をはじめ、効果不十分な場合は120mgまで漸増し、1日3回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
狭心症、褐色細胞腫手術時に使用する場合通常、成人にはプロプラノロール塩酸塩として1日30mgより投与をはじめ、効果が不十分な場合は60mg、90mgと漸増し、1日3回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
期外収縮(上室性、心室性)、発作性頻拍の予防、頻拍性心房細動(徐脈効果)、洞性頻脈、新鮮心房細動、発作性心房細動の予防に使用する場合成人通常、成人にはプロプラノロール塩酸塩として1日30mgより投与をはじめ、効果が不十分な場合は60mg、90mgと漸増し、1日3回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。小児通常、小児にはプロプラノロール塩酸塩として1日0.5〜2mg/kgを、低用量から開始し、1日3〜4回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。効果不十分な場合には1日4mg/kgまで増量することができるが、1日投与量として90mgを超えないこと。
- 褐色細胞腫の患者では、本剤投与により急激に血圧が上昇することがあるので本剤を単独で投与しないこと。褐色細胞腫の患者に投与する場合には、α遮断剤で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα遮断剤を併用すること。
慎重投与
- うっ血性心不全のおそれのある患者[心機能を抑制し、うっ血性心不全が発現するおそれがあるので、観察を十分に行い、ジギタリス剤を併用するなど、慎重に投与すること。]
- 甲状腺中毒症の患者[中毒症状をマスクするおそれがある。]
- 特発性低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、絶食状態(手術前後等)の患者[低血糖症状を起こしやすく、かつその症状をマスクしやすいので血糖値に注意すること。]
- 重篤な肝、腎機能障害のある患者[薬物の代謝・排泄が影響をうける可能性がある。]
- 重度でない末梢循環障害のある患者(レイノー症候群、間欠性跛行症等)[症状が悪化するおそれがある。]
- 徐脈のある患者(「禁忌」の項参照)[徐脈が悪化するおそれがある。]
- 房室ブロック(I度)のある患者[房室伝導時間が延長し、症状が悪化するおそれがある。]
- 高齢者(「重要な基本的注意」及び「高齢者への投与」の項参照)
- 小児等 [痙攣や昏睡を伴う重度の低血糖を起こすことがある。]
重大な副作用
- うっ血性心不全(又はその悪化)、徐脈、末梢性虚血(レイノー様症状等)、房室ブロック(0.1〜5%未満);失神を伴う起立性低血圧(0.1%未満):このような症状があらわれた場合には、減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。
- 無顆粒球症、血小板減少症、紫斑病(0.1%未満):このような症状があらわれた場合には、減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。
- 気管支痙攣(0.1〜5%未満);呼吸困難、喘鳴(0.1%未満):このような症状があらわれた場合には、減量又は中止し、必要に応じてβ2作動薬を用いるなど適切な処置を行うこと。
薬効薬理
交感神経β受容体遮断作用
- 健康成人男子9),10)及び健康成人女子9)にプロプラノロール塩酸塩を経口投与した場合、イソプレナリン負荷9)及び運動負荷10)による心拍数の増加を抑制し、心仕事量を減少させ、交感神経β受容体遮断作用を示した。
降圧作用
- プロプラノロール塩酸塩は本態性高血圧症患者に対し連続経口投与により降圧作用を示すが、その作用機序については、心拍出量に対する作用11)、レニン分泌抑制作用12)、末梢血管抵抗減少作用13)が高血圧症患者において認められているほか、ネコを用いた実験で中枢作用14)、モルモット心房標本を用いたin vitroの実験で交感神経末梢からのノルアドレナリン遊離減少作用15)等が示されている。
膜安定化作用16)
- プロプラノロール塩酸塩はウサギ心房筋標本を用いた電気生理学的実験において膜安定化作用を示した。
内因性交感神経刺激作用17)
- プロプラノロール塩酸塩はラットを用いた実験で内因性交感神経刺激作用を示さなかった。
有効成分に関する理化学的知見
- 一般名:プロプラノロール塩酸塩(Propranolol Hydrochloride)(JAN)(日局)
- 化学名:(2RS)-1-(1-Methylethyl)amino-3-(naphthalen-1-yloxy)propan-2-ol monohydrochloride
- 構造式:
- 分子式:C16H21NO2・HCl
- 分子量:295.80
- 融点 :163〜166℃
- 性状 :白色の結晶性の粉末である。メタノールに溶けやすく、水又は酢酸(100)にやや溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくい。メタノール溶液(1→40)は旋光性を示さない。光によって徐々に帯黄白色〜淡褐色になる。
★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、25~27の問いに答えよ。
- 55歳の男性。激しい胸痛のため救急車で搬入された。
- 現病歴:1週前から階段を昇るときに前胸部痛を自覚したが安静にて消失するため放置していた。今朝から激しい前胸部痛が出現し持続している。
- 既往歴:48歳から高脂血症で加療中である。
- 現症:意識は清明。顔面は苦悶様である。体温36.6℃。呼吸数25/分。脈拍64/分、整。血圧144/96mmHg。貧血と黄疸とを認めない。皮膚は冷汗をかき湿潤である。心雑音はない。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦。下腿に浮腫を認めない。
- 検査所見:尿所見:比重1.018、蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈渣に異常を認めない。血液所見:赤血球520万、Hb16.7g/dl、Ht50%、白血球10,400、血小板26万。血清生化学所見:尿素窒素28mg/dl、クレアチニン1.1mg/dl、AST55単位、ALT20単位、LDH350単位(基準176~353)、CK680単位(基準10~40)、Na144mEq/l、K4.2mEq/l、Cl106mEq/l。心電図を以下に示す。
- 心エコー検査中に意識が低下した。そのときの心電図を以下別に示す。行う処置はどれか
[正答]
※国試ナビ4※ [100C025]←[国試_100]→[100C027]
[★]
- 次の文を読み、61~63の問いに答えよ。
- 20歳の男性。目が開きにくいことを主訴に来院した。
- 現病歴:山菜採りに行き、右前腕を虫に刺され痛みを感じたが、そのままにして昼食をとった。食後、約30分してから両眼瞼が開きにくくなり、息苦しさを自覚するようになったため、友人に連れられて来院した。
- 既往歴:5歳で気管支喘息。
- 生活歴:山菜採りが趣味で、虫に刺されることが多い。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:意識レベルはJCSII-10。体温37.5℃。脈拍100/分、整。血圧80/50mmHg。呼吸数20/分。SpO2 85%(room air)。呼びかけると息苦しさを訴えせき込む。心音に異常を認めない。頸部と胸部とにwheezesを聴取する。頸静脈の怒張を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。体幹に膨疹を多数認める。顔面の写真(別冊No.9)を別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [107E061]←[国試_107]→[107E063]
[★]
- 生後3日の新生児。チアノーゼのため搬入された。38週3日、体重2,869gで出生した。生後2日からチアノーゼを認めていたが、徐々に増強し、体動も不活発となった。身長49.3cm、体重2,812g。体温37.2℃。心拍数144/分、整。血圧88/56mmHg。心音はII音が単一で、胸骨左縁第2肋間にわずかに連続性雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。右肋骨弓下に肝を2cm触知する。右心室造影写真(別冊No.13A. B)を別に示す。
- この患児に使用すべき治療薬はどれか。
[正答]
E
プロスタグランディンE1 : 約 28,900 件
プロスタグランジンE1 : 約 194,000 件
- よって後者に書き換え
※国試ナビ4※ [105D038]←[国試_105]→[105D040]
[★]
- 5歳の男児。呼吸困難を主訴に来院した。3歳から風邪を引いたときに咳嗽が長引いたり、ゼーゼーしたりすることが時々あった。昨日から透明な鼻汁と軽度の咳嗽とを認めていた。夕方から「息が苦しい」と言いだし、呼吸に伴ってヒューヒューという音が聞こえるようになった。意識は清明。身長105cm、体重16.5kg。体温36.8℃。呼吸数36/分。脈拍124/分、整。チアノーゼはない。咽頭に発赤を認めない。心音に異常を認めない。全肺野で気管支肺胞音は軽度に減弱し、呼気性のwheezesを聴取する。胸部エックス線写真を以下に示す。
- まず行うのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102I062]←[国試_102]→[102I064]
[★]
- 38歳の女性。歩行中乗用車にはねられ救急車で来院した。意識は清明であったが顔面蒼白で低血圧と頻脈とを呈した。肺破裂による腹腔内出血があり、直ちに全身麻酔下に緊急手術が開始された。術中大量輸液と輸血とにより血圧は90/68mmHgに回復したが、気管内に多量のピンク色泡沫状の分泌物を生じた。頚静脈怒張を認め、胸部にギャロップとcoarse crackles(湿性ラ音)とを聴取する。脈拍112/分、整。血液所見:赤血球450万、Hb13.6g/dl、白血球5,800。動脈血ガス分析(人工呼吸、FiO2 0.6):pH7.36、PaO2 92Torr、PaCO2 42Torr、BE -1mEq/l。中心静脈圧17cmH2O。適切な治療薬はどれか。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096A017]←[国試_096]→[096A019]
[★]
- 75歳の女性。交通外傷による肝損傷の緊急手術後で2日前からICUに入院中である。術前、術中に一時的に大量の輸液と輸血が行われた。術後はICUに入室して人工呼吸管理を受けていたが、気管からピンク色泡沫状の分泌物が吸引されるようになった。心拍数 110/分、整。血圧 112/64mmHg。中心静脈圧 16mmHg。頸静脈の怒張を認め、両側の胸部にcoarse cracklesを聴取する。動脈血ガス分析(FⅠO2 0.6):pH 7.35、PaCO2 40Torr、PaO2 70Torr、HCO3- 23mEq/L。胸部エックス線写真で心胸郭比 75%、両肺野に浸潤影を認める。心エコーで左室駆出率 35%。
- この時点で考えるべき治療薬はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [111G057]←[国試_111]→[111G059]
[★]
- 60歳の女性。右大腿骨頚部骨折のため入院して手術を受けた。
- 手術前は血圧122/78mmHg で、心電図と胸部エックス線写真とに異常はなかった。術後7日間臥床していたが、リハビリテーションのために歩行訓練を始めたところ、訓練の途中で、突然息苦しくなり、気分が悪くなってうずくまった。呼吸数36/分。脈拍128/分、整。血圧80/42mmHg。顔色は不良で発汗がある。胸部にII音の亢進を認めるがラ音は聴取しない。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):PaO2 48Torr、PaCO2 26Torr。マスクによる酸素吸入を行い、静脈路を確保した。まず投与するのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099C014]←[国試_099]→[099C016]
[★]
- 62歳の男性。背部痛が出現し冷汗も認めたため来院した。喫煙30本/日を35年間。42歳時に椎間板ヘルニア、59歳時に急性心筋梗塞の既往がある。意識は清明であるが、発語は少ない。身長165cm、体重76㎏。脈拍84/分、整。血圧160/80mmHg。胸部の聴診で異常を認めない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球427万、Hb13.4g/dl、Ht39%、白血球10,300、血小板14万。血清生化学所見:総蛋白6.4g/dl、AST46単位、ALT57単位、CK144単位(基準10~40)、LDH189単位(基準176~353)。胸部造影CTを以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [100A019]←[国試_100]→[100A021]
[★]
- 42歳の男性。呼吸困難のため搬入された。庭で木の伐採をしていたところ、蜂に刺された。大丈夫と思い様子をみていたが、数分後に呼吸困難が出現し、救急車で搬送された。意識レベルは JCSI-2。脈拍 84/分、整。血圧 80/58 mmHg。呼吸数32/分。 SpO2 93% (リザーバー付マスク 10 l/分酸素投与下 )。顔面は蒼白で口唇に浮腫を認める。頸静脈の怒張を認めない。心音に異常を認めない。吸気時に喘鳴を聴取する。胸腹部、背部および四肢の皮膚に膨疹が多発している。
- 急速輸液とともにまず投与すべきなのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108E056]←[国試_108]→[108E058]
[★]
- 55歳の男性。夜間、突然の呼吸困難のため搬入された。5年前に拡張型心筋症の診断を受けている。喘鳴が著明でピンク色の泡沫状喀痰排出があった。マスクで酸素投与(6l/分)を開始した。呼吸数24/分。脈拍124/分、整。血圧98/78mmHg。動脈血ガス分析(自発呼吸):pH 7.28、Pa O2 68 Torr、Pa CO2 52 Torr。胸部エックス線写真は両側肺門部を中心に蝶形陰影を呈する。
[正答]
※国試ナビ4※ [103C024]←[国試_103]→[103C026]
[★]
- 72歳の男性。動悸を主訴に来院した。 10年前から高血圧を指摘されていたが、自覚症状がないため受診しなかった。 2日前から感冒症状があった。 6時間前から動悸を自覚し、改善しないため受診した。呼吸困難やめまいはないという。脈拍144/分、整。血圧120/76mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。心電図(別冊No. 29)を別に示す。
- 治療薬として適切なのはどれか。 2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [106A057]←[国試_106]→[106A059]
[★]
- 55歳の男性。夜間、突然の呼吸困難を訴え救急車で来院した。5年前に拡張型心筋症の診断を受けている。喘鳴が著明で泡沫状ピンク色の喀痰排出があった。マスクで酸素投与(6L/分)を開始した。呼吸数23/分。脈拍124/分、整。血圧98/78mmHg。動脈血ガス分析pH 7.28、PO2 68Torr、PCO2 52 Torr。胸部エックス線写真は両側肺門部を中心に蝶形陰影を呈する。まず投与すべき薬剤はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095F010]←[国試_095]→[095F012]
[★]
- 24歳の男性。呼吸困難と意識障害のため搬入された。本日、咽頭痛と高熱とを主訴に自宅近くの診療所を受診し、抗菌薬と解熱薬とを処方された。家に帰り処方薬を内服したところ、15分後に顔面の紅潮と呼吸困難とが出現し意識を失った。呼吸数24/分。脈拍120/分、整。血圧76/40mmHg。吸気時に喘鳴を聴取する。
- 直ちに投与するのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105H023]←[国試_105]→[105H025]
[★]
- 55歳の男性。夜間、突然の呼吸困難のため搬入された。5年前に拡張型心筋症の診断を受けている。喘鳴が著明で泡沫状でピンク色の喀痰排出があった。マスクで酸素投与(6l/分)を開始した。呼吸数23/分。脈拍124/分、整。血圧98/78mmHg。動脈血ガス分析:pH7.28、PaO2 68Torr、PaCO2 52Torr。胸部エックス線写真は両側肺門部を中心に蝶形陰影を呈する。投与するのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102C020]←[国試_102]→[102C022]
[★]
- 38歳の男性。頭痛と心悸亢進とを訴え来院した。数年前から多汗がある。1年間で体重が3kg減少した。体温37.2℃。脈拍90/分、整。血圧170/98mg/Hg。赤血球468万、Hb 14.0 g/dl、白血球7,200、血小板22万。血清生化学所見:空腹時血糖 130mg/dl、Na 144mEq/l, K 4.1mEq/l, Cl 102 mEq/l。T3 160 ng/dl(正常80-220)、T4 10ug/dl(正常5-12)。尿中VMA 35mg/24hr(正常2-7)。この患者に対して手術を行うことになった。
- 術中・術後の全身管理のために手元に用意しておく物はなに
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
- 50歳の男性。右下腹部痛を主訴に来院し、急性虫垂炎の診断で入院となった。末梢静脈路を確保し、抗菌薬の点滴静注を開始したところ、気分不良を訴え意識を失った。直ちに応援の医師と看護師とを呼んだ。
- 応援が来るまでに、まず行うべき対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106C024]←[国試_106]→[106C026]
[★]
- 76歳の男性。失神を主訴に来院した。最近1か月の間に2度失神し、その際前額部を打撲している。Holter心電図を以下に示す。対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102A058]←[国試_102]→[102A060]
[★]
- 46歳の男性。近医で右肺尖部の異常陰影を指摘され来院した。胸部造影CTを撮影した直後に呼吸困難を訴え始めた。意識は清明。呼吸数36/分。脈拍140/分、整。血圧 78/44mmHg。全身の皮膚に発赤を認め、呼気時に喘鳴を聴取する。
[正答]
※国試ナビ4※ [103F022]←[国試_103]→[103F024]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107E053]←[国試_107]→[107E055]
[★]
- 62歳の男性。労作性狭心症がある。冠動脈造影について担当医から説明を受けている最中に緊張の余り気持ちが悪くなった。顔面は蒼白となって意識を失い、椅子から床へ崩れ落ちた。心拍数28/分、整。血圧96/50mmHg。下肢挙上では心拍数は増加しない。心電図所見は洞性徐脈である。
- 適切な治療薬はどれか。
[★]
- 英
- adrenergic receptor
- 同
- アドレナリン作動性受容体 adrenoreceptor
- 関
- アセチルコリン受容体、交感神経作動薬一覧、交感神経拮抗薬一覧
- α受容体、β受容体、受容体
平滑筋臓器における傾向
受容体
|
反応
|
例外
|
α受容体
|
興奮
|
小腸運動:抑制
|
β受容体
|
抑制
|
心臓 :興奮
|
アドレナリン受容体
- SP.412改変
- 体のどの部位にどんな受容体があるかはGOO.143-144を参照せよ
- epinehrine relaxes the detrusor muscle of the bladder as a result of activation of β receptors and contracts the trigone and shincter muscles owing to its α agonist activity. This can result in hesitancy in trination and may contribute to retention of urine in the bladder. Activation of smooth muscle contractino in the prostate promotes urinary retention.(GOO.246)
- 排尿筋弛緩→β受容体。括約筋弛緩→α受容体
- 膀胱頚部から尿道にはα受容体が分布しており、尿道平滑筋の収縮に関与 (SP.818) (cf.プラゾシン)
シグナル伝達の経路 (GOO.238)
- α1:Gq:Gq-PCL-IP3
- α2:多様(アデニル酸シクラーゼの抑制、K+チャネルとの開口、Ca2+チャネルの閉鎖)
- β1, β2, β3:Gs
[★]
- 英
- esophageal varix, esophageal varices
- 関
- 胃静脈瘤、variceal bleeding、門脈圧
病態
- 門脈圧亢進を背景として粘膜下層~粘膜固有層の静脈叢に静脈瘤が形成される。
- 好発部位:下部食道
- 静脈瘤の形成には左胃静脈、短胃静脈、後胃静脈が関与している。
検査
上部消化管内視鏡検査
- 日本では形態(form, F)F2以上や発赤所見(red color sign, RC)RC2以上が危険な静脈瘤として予防的治療の適応となっている(SSUR.645)
- 青色静脈瘤、連珠状静脈瘤(F2)以上、red color sign陽性は治療対象(QB.A-341)
内視鏡所見の分類
- 参考3
F:form 形態
|
F0 静脈瘤として認められないもの F1 直線的な細いもの F2 連珠状、中等度 F3 結節状、腫瘤状
|
C: color 色調
|
Cw (白色静脈) Cb (青色静脈)
|
RC:red color sign 発赤所見
|
Red color sign(RC) ミミズ腫れ所見 red wale marking (RWM) サクランボ様発赤 cherry red spot様所見 (CRS) 血マメ所見 hematocystic spot (HCS)
|
- F3, red color sign [show details]
治療
- SSUR.649-
- (緊急出血)バソプレシン・ソマトスタチン:門脈の流入血流を減少させ、門脈圧を減少させる。肝機能悪化リスクあり。
- (予防)プロプラノロール・ナドロール:非選択的βブロッカーを使うことで、β2受容体を介した血管拡張がblockされα1受容体を介した血管収縮が優位となり、腸管の細動脈の収縮により門脈の血流が減少、門脈圧が低下する。さらに多く用いれば、β1受容体を介した心拍出量の低下により脾動脈血流量が減少し、門脈圧がより低下する。(参考2)
- interventional radiology, IVR
- 適応:内視鏡的硬化薬注入量法(EIS)、内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)で止血不可能な例、再発・出血を繰り返す例
予後
- 血小板減少:止血が困難となるため
- 肝硬変:総ビリルビン4mg/dl以上では硬化療法が選択できないため
参考
- フリーPDF有り
- 1. 食道静脈瘤内視鏡所見記載基準 (日本門脈圧亢進症研究会)
- 2. [charged] Primary prophylaxis against variceal hemorrhage in patients with cirrhosis - uptodate [1]
- 3. 消化器基本画像集
- 大変勉強になる資料です!!
- http://www.pariet.jp/alimentary/picture.html
[★]
- 英
- restless legs syndrome, RLS
- 同
- 下肢静止不能症候群、ムズムズ脚症候群、レストレスレッグ症候群
- 関
- 下肢静止不能、エクボム症候群。睡眠障害
概念
- 入眠前の不快な足の感覚によって特徴づけられ、足を動かさずにはいられなくなるような衝動を生じる
疫学
- 40-50歳で急激に上昇する
- 20歳(10%)-90歳(30%)まで漸増する
病型
- 鉄欠乏性貧血
- 終末期腎疾患
- 妊娠
- 末梢神経障害
- パーキンソン病
- その他
診断
診断基準
- 2003 NIH International RLS Study Group(IRLSSG)による
- 1.脚を動かしたいという強い欲求が存在し、また通常その欲求が、不快な下肢の異常感覚に伴って生じる
- 2.静かに横になったり座ったりしている状態で出現、増悪する
- 3.歩いたり下肢を伸ばすなどの運動によって改善する
- 4.日中より夕方・夜間に増強する
診断を補助する特徴
- 1.家族歴
- 2.ドパミン作動薬による効果
- 3.睡眠時のperiodic leg movementsが睡眠ポリグラフ検査上有意に多く出現
鑑別診断
- 鉄欠乏、パーキンソン病、人工透析患者、妊娠、リウマチ性疾患、糖尿病、多発ニューロパチー
- 抗精神病薬に伴うアカシジア:落ちつきのなさが特徴であり、じっとしていることができないが、不快な異常感覚を伴わず、概日リズムもなく、運動も全身性であることなどから鑑別
- 夜間の有痛性筋痙攣
- painful legs and moving toes syndrome 痛む脚と動く趾症候群:足趾に出現し、痛みに伴いゆっくりとした指の動きを不随意に呈し、概日リズムもなく、動かしたい衝動ではないことから鑑別
治療
- 確立された治療法はない
非薬物療法
薬物療法
- 日本神経治療学会 - 標準的神経治療より
-
- ベンゾジアゼピン系薬物:クロナゼパム
- 抗けいれん薬:ガバペンチン
- オピオイド
- 鉄剤
- KPS.835
- ベンゾジアゼピン系薬、レボドパ、あへん類、プロプラノロール、バルプロ酸、カルバマゼピン
参考
- https://www.jsnt.gr.jp/guideline/img/restless.pdf
国試
[★]
- 英
- β-blocker, beta-blocker, beta-antagonist, β-adrenoceptor blocking agent, β-adrenergic blocking agent, beta-adrenergic blocking agent, beta-adrenergic blocker, beta-adrenergic antagonist, beta-adrenergic receptor antagonist, β adrenergic receptor blocker, β adrenergic receptor antagonists
- 同
- β遮断薬、β阻害薬、βアドレナリン遮断薬、βアドレナリン拮抗薬、アドレナリンβ受容体拮抗薬、βブロッカー、βアドレナリン受容体遮断薬
- 関
- アドレナリン受容体
β受容体遮断薬
適応
禁忌および慎重投与
YN.C-57
- 平滑筋拡張が求められる病態、酸素供給を減らせない病態では使ってはいけないということ?
注意
- 突然休薬すると離脱症候群として、狭心症や高血圧発作が生じることがある(高血圧治療ガイドライン2009)。
- β2受容体遮断作用のある薬剤では、β2受容体を介した膵臓のインスリン分泌促進作用がブロックされる(アドレナリン受容体#アドレナリン受容体)ので、糖尿病患者に投与する場合には注意が必要、らしい。
各論
慢性心不全
[★]
- 英
- drug-induced hypoglycemia
- 同
- 薬剤性低血糖症
- 関
- 低血糖
低血糖を引きおこす薬剤
- DMR.295
[★]
プロプラノロール・インスリン試験
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プロプラノロール・インスリン試験
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プロプラノロール・グルカゴン試験
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プロプラノロール・インスリン試験
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プロプラノロール・グルカゴン試験
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- 英
- pro