フェニトイン
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フェニトイン
|
IUPAC命名法による物質名 |
5,5-diphenylimidazolidine-2,4-dione |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
D |
法的規制 |
℞ Prescription only |
識別 |
CAS登録番号 |
57-41-0 |
ATCコード |
N03AB02 , N03AB04
, N03AB05
|
KEGG |
D00512 |
化学的データ |
化学式 |
C15H12N2O2 |
フェニトイン (phenytoin, PHT) は、ヒダントイン系の抗てんかん薬の一種。1908年にドイツ人化学者のHeinrich Biltzにより初合成された。CAS登録番号は [57-41-0]。IUPAC名は5,5-diphenylimidazolidine-2,4-dione。 日本国内では、アレビアチン、ヒダントールという商品名で発売されている。米国ではダイランチン®等。
目次
- 1 適用
- 2 副作用
- 3 血中濃度
- 4 関連項目
- 5 外部リンク
|
適用
- 脳の神経に作用し、てんかん発作を抑制する。
- てんかん発作に効果はあるが、効果があるのは強直間代発作や部分発作のみであり、欠神発作、脱力発作、West症候群に対してはまったく効果がない。
副作用
副作用として歯肉増殖、多毛症、注意力・集中力・反射運動能力の低下、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、SLE様症状、無顆粒球症・血小板減少・巨赤芽球性貧血などの血液障害、催奇形性(胎児フェニトイン症候群:口蓋裂、口唇裂、心奇形)などがある。 また、長期間または大量服用などによって、小脳の機能障害・小脳萎縮を起こすこともあり、自立歩行が困難または不能になる場合もあるため、服用中はMRIなどによる画像診断を受け注意を払う必要がある。
血中濃度
- 血中濃度のコントロールが非常に難しくちょっとした生活習慣の変化でも血中濃度が上下するため慎重な投与が必要となる。またセントジョーンズワートを使用した健康食品を一緒に投与すると効果が落ちる恐れがあるため、セントジョーンズワートを使用した健康食品を服用している人は医師や薬剤師と相談の上で決めること。
- 血中濃度が20μg/mlを超えると急激に血中濃度が上昇し異常をきたす恐れがあるので注意すること。
関連項目
外部リンク
- 大日本住友製薬株式会社 アレビアチン錠®
- 大日本住友製薬株式会社 アレビアチン錠® インタビューフォーム
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Ib群: リドカイン, フェニトイン
Ic群: フレカイニド, プロパフェノン
II群: 交感神経β受容体遮断薬(プロプラノロールなど)
III群: アミオダロン, ソタロール
IV群: カルシウム拮抗剤(ベラパミル, ジルチアゼムなど)
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利尿薬 | 交感神経β受容体遮断薬 | レニン-アンジオテンシン系 (ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬) | カルシウム拮抗剤 | アドレナリン作動薬 | 脂質降下薬
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 症例報告 皮疹出現後脳出血をきたした薬剤過敏性症候群の1例
- 注射薬配合変化を考慮した側管投与におけるフラッシング条件の検討(第3報) : アレビアチン^[○!R]注を用いたフラッシング条件の検討
- 湯本 哲郎,宮地 正和,笹津 備尚,佐藤 麻紀,水上 義明,町田 良治
- 医療薬学 34(7), 711-717, 2008-07-10
- Flushing is performed mainly to avoid compositional changes in the flow passage when drugs are administered by the I. V. push or piggyback infusion methods. This is done by injecting rinsing solutions …
- NAID 110006821425
- 29-P2-37 注射薬配合変化を考慮した側管投与におけるフラッシング条件の検討(第3報) : アレビアチン注射液のフラッシング条件の検討(医薬品適正使用,社会の期待に応える医療薬学を)
- 宮地 正和,佐藤 麻紀,笹津 備尚,湯本 哲郎,水上 義明,町田 良治
- 日本医療薬学会年会講演要旨集 17, 254, 2007-09-01
- NAID 110006962933
Related Links
- [フェニトイン][複合アレビアチン][ヒダントールD] [ヒダントールE][フダントールF]. 作用機序 , ◎脳の中枢に作用して、ケイレンを抑制します。 ◎高位中枢のシナプスにおける反復 刺激後の伝達増強作用を抑制する。 ◎膜安定化作用(ニューロンのNa+電流抑制作用 ...
- アレビアチン,ヒダントールとは?フェニトインの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価 も調べられる(おくすり110番:薬事典版)
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
アレビアチン錠25mg
組成
成分・含量
添加物
- 乳糖水和物,トウモロコシデンプン,結晶セルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,低置換度ヒドロキシプロピルセルロース,ステアリン酸マグネシウム,軽質無水ケイ酸
禁忌
- 本剤の成分またはヒダントイン系化合物に対し過敏症の患者
- タダラフィル(アドシルカ)を投与中の患者〔「相互作用」の項参照〕
効能または効果
- てんかんのけいれん発作
強直間代発作(全般けいれん発作,大発作)
焦点発作(ジャクソン型発作を含む)
自律神経発作
精神運動発作
- フェニトインとして,通常成人1日200〜300mg,小児には下記用量を毎食後3回に分割経口投与する.
症状,耐薬性に応じて適宜増減する.
学童 100〜300mg
幼児 50〜200mg
乳児 20〜100mg
- 眼振,構音障害,運動失調,眼筋麻痺等の症状は過量投与の徴候であることが多いので,このような症状があらわれた場合には,至適有効量まで徐々に減量すること.用量調整をより適切に行うためには,本剤の血中濃度測定を行うことが望ましい.〔「薬物動態」の項参照〕
慎重投与
- 肝障害のある患者〔肝障害の悪化,また,血中濃度上昇のおそれがある.〕
- 血液障害のある患者〔血液障害が悪化するおそれがある.〕
- 薬物過敏症の患者
- 甲状腺機能低下症の患者〔甲状腺機能の異常をきたすおそれがある.〕
- 糖尿病の患者〔インスリン非依存型糖尿病の患者で,高血糖を起こしたとの報告がある.〕
重大な副作用
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)
- 観察を十分に行い,発熱,紅斑,水疱・びらん,そう痒感,咽頭痛,眼充血,口内炎等の異常が認められた場合には,投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと.
過敏症症候群
- 初期症状として発疹,発熱がみられ,さらにリンパ節腫脹,肝機能障害等の臓器障害,白血球増加,好酸球増多,異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと.なお,ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く,発疹,発熱,肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること.
SLE様症状
- SLE様症状(発熱,紅斑,関節痛,肺炎,白血球減少,血小板減少,抗核抗体陽性等)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと.
再生不良性貧血,汎血球減少,無顆粒球症,単球性白血病,血小板減少,溶血性貧血,赤芽球癆
- 観察を十分に行い,異常が認められた場合には,減量または投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
劇症肝炎,肝機能障害,黄疸
- 劇症肝炎,著しいAST(GOT),ALT(GPT),γ-GTPの上昇等を伴う重篤な肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
間質性肺炎
- 発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部X線異常,好酸球増多等を伴う間質性肺炎(肺臓炎)があらわれることがあるので,このような症状があらわれた場合には,投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと.
悪性リンパ腫,リンパ節腫脹
- 観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には,減量するなど適切な処置を行うこと.
小脳萎縮
- 長期投与例で,小脳萎縮があらわれることがあり,持続した本剤の血中濃度上昇との関連が示唆されているので,小脳症状(眼振,構音障害,運動失調等)に注意し,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には,直ちに減量または投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
横紋筋融解症
- 横紋筋融解症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中および尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと.また,横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること.
急性腎不全,間質性腎炎
- 急性腎不全,間質性腎炎があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと.
悪性症候群
- 悪性症候群があらわれることがあるので,観察を十分に行い,発熱,意識障害,筋強剛,不随意運動,発汗,頻脈等があらわれた場合には,本剤の投与中止,体冷却,水分補給,呼吸管理等の適切な処置を行うこと.本症発症時には,白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く,また,ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある.
薬効薬理
- フェニトインはマウス,ラット等の最小電撃けいれん閾値やペンテトラゾールけいれん閾値に対してほとんど作用を及ぼさないが,最大電撃けいれんに対してそのパターンを変える作用があり,最大電撃けいれんの強直相を強く抑制する12〜15).
また,本剤は神経膜を安定化し16),シナプスにおけるpost-tetanic potentiation(PTP)を抑制する17).
これらのことから,本剤の抗てんかん作用は,けいれん閾値を上昇させることによってもたらされるのではなく,発作焦点からのてんかん発射のひろがりを阻止することによるものと考えられている15,18).
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- 5, 5-Diphenylimidazolidine-2, 4-dione
分子式
分子量
融点
性状
- 白色の結晶性の粉末または粒で,においおよび味はない.エタノール(95)またはアセトンにやや溶けにくく,ジエチルエーテルに溶けにくく,水にほとんど溶けない.水酸化ナトリウム試液に溶ける.
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- drug-induced hypoglycemia
- 同
- 薬剤性低血糖症
- 関
- 低血糖
低血糖を引きおこす薬剤
- DMR.295
[★]
- 英
- phenytoin PHT
- ラ
- phenytoinum
- 同
- ジフェニルヒダントイン diphenylhydantoin DPH
- 商
- アレビアチン、フェニトインN、ヒダントール、ホストイン、Dilantin、複合アレビアチン配合
- 関
- 抗痙攣薬、不整脈治療薬
構造
作用機序
- 不活性化状態のNaチャネルに結合 (SPC.186)
薬理作用
抗てんかん薬
- てんかん発作波の出現は抑制しない(けいれん閾値は変化しない)
- 異常発射の焦点から周辺への伝播を押さえる
抗不整脈薬
- 作用はリドカインに似るが、作用は弱い。
動態
適応
- 欠神発作では増悪
注意
- 血中濃度を幻覚にコントロールすべき薬物:テオフィリン、フェニトイン、ジゴキシン
禁忌
副作用
- 歯肉増殖症、緩急振戦、運動失調、複視、多毛症、皮疹、大球性貧血
相互作用
[★]
- 英
- antiepileptic drug
- 関
- 抗てんかん薬
商品
[★]
- 英
- coinjection、co-injection、coinfusion、coinject、coinfuse
- 関
- 同時注入
[★]
フェニトイン、フェノバルビタール
- 関
- 抗てんかん剤