β受容体遮断薬
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/10/29 08:46:19」(JST)
[Wiki ja表示]
交感神経β受容体遮断薬(こうかんしんけいベータじゅようたいしゃだんやく、英 beta-adrenergic blocking agent; beta blocker)とは交感神経のアドレナリン受容体のうち、β受容体のみに遮断作用を示す薬剤のこと。β遮断薬(ベータしゃだんやく)、βブロッカーなどとも呼ばれる。臨床的には降圧薬や労作性狭心症患者の狭心症状予防、不整脈(心房細動、洞性頻脈、期外収縮時の心拍数低下)、心不全患者の心機能改善や突然死亡、心筋梗塞の心保護(予後改善)などの循環器疾患に対して用いられる。
目次
- 1 β受容体遮断薬の特性
- 2 β受容体遮断薬
- 3 臨床適応
- 4 副作用
- 5 その他
- 6 参考文献
- 7 脚注
- 8 関連項目
β受容体遮断薬の特性[編集]
β受容体遮断薬を分類するパラメータは多いが、特に重要なパラメータとしてはβ1選択性、内因性交感神経刺激作用(Intrinsic Sympathomimetic Activity,ISA)、α遮断作用の有無、効果の持続時間、脂溶性、水溶性の差などである。β2受容体選択的遮断薬は臨床で用いられていない。
- 内因性交感神経刺激作用(ISA)
- β遮断薬の中には単に受容体を遮断するのみではなく、β受容体を刺激する作用も有するものが存在する。これらの作用は矛盾するようであるが、ISA(+)の薬物がβ受容体を刺激するか遮断するかは状況により異なる。つまり、内因性カテコールアミンやアドレナリンβ刺激薬の存在下においてこれらの薬物はβ遮断薬として働くが、非存在下においてはむしろ受容体を刺激する。部分作動薬と考えると非常にわかりやすい。
- 高齢者などにはISA活性を持つ薬物の方が負担が少なく好ましいとされているが、狭心症の患者においてはISA(+)の薬物はむしろ心臓に対する負荷を大きくするため予後改善効果が弱く望ましくない。
また、心筋梗塞患者の再発防止効果(二次予防)が乏しくガイドラインなどでは推奨されていない。 ISAの選択の意義としてはβ受容体遮断薬の副作用の軽減であるが、近年はISAを持つ薬物を避ける傾向がある。
- β1選択性
- 非選択的にβ受容体を遮断するとβ2遮断の結果、血管拡張が抑制され後負荷が増加し、また気管支喘息を誘発したり糖・脂質代謝に悪影響を及ぼす可能性がある。β1選択性のある遮断薬でもわずかにβ2遮断効果があるため、どちらにせよ気管支喘息の患者には慎重投与となるが、気道抵抗の上昇した高齢者やCOPD患者などではβ1選択性はリスクを軽減すると考えられている。
- α遮断作用
- β遮断薬は相対的なα刺激の亢進で末梢血管抵抗を上昇させることがある、αβ遮断薬ならばそれを防ぐことができると考えられている。すなわち糖尿病などの脂質プロファイルや、末梢循環の改善には有用とのデータや考え方がある。
ただし、起立性低血圧(立ち上がった時の脳血流低下による「めまい」)が発生することがあり注意する。
- 効果の持続時間
- 高血圧、狭心症、不整脈や心不全患者では長時間作用型の薬物が投与回数が少なく望ましい。抗不整脈薬としては頓用で用いるには作用発現が早く、短期作用型のプロプラノール(インデラル)が扱いやすい。
- 脂溶性と水溶性
- 脂溶性のβ遮断薬は脳に移行し中枢性の副作用(悪夢、インポテンツ、うつ病など)を起こすリスクが高いため注意が必要である。
- ただし、近年の研究では、β遮断薬の心保護効果(死亡抑制、心血管イベント防止)は脂溶性のβ遮断薬でないと得られないとの報告があり、欧州の心不全や心筋梗塞ガイドラインや、本邦でも最新(2011年)の心筋梗塞二次予防ガイドラインでも脂溶性β遮断薬が推奨されている。
- 膜安定化作用
- 膜安定化作用(Membrane Stabilizing Activity,MSA)とは細胞内へのNa+の流入を阻害する作用のことである。キニジン様作用及び局所麻酔作用とも呼ばれる。膜安定化作用はβ遮断薬の抗不整脈作用に重要と考えられていたが、β遮断薬の抗不整脈作用は膜安定化作用によるものではなく、また臨床用量では膜安定化作用が期待できないことから臨床上は意味のない分類と考えられている。
β受容体遮断薬[編集]
コンセンサスを得られているβ遮断薬の使い分けは殆ど存在せず、上記特性を踏まえて個々の症例に合わせて処方されていく。 高血圧の第二選択薬、労作性狭心症、頻脈性不整脈にはテノーミンやメインテートなど1日1回で良いことからよく用いられる。 心不全や心筋梗塞患者後には、アーチストは1日2回やメインテートを1日1回投与で少量(通常量の1/8量)から使用される。 アーチストやメインテートは、基礎・動物実験で抗酸化作用も報告されているが、臨床での抗酸化作用のデータは両剤とも乏しい。 動悸に対する頓用としてはインデラルが、また1日2回投与を行う場合はセロケン、高血圧や心房細動患者の心拍数コントロール薬としてはメインテート、心不全患者にはアーチストが用いられることが多いが、これらは地域、施設によって傾向が大きく異なる。
分類 |
一般名 |
商品名 |
一日投与量 |
脂溶性/水溶性 |
β1非選択性、ISA(+) |
ボピンドロール(Bopindolol) |
サンドノーム |
1~2mg分1 |
脂溶性 |
ピンドロール(Pindolol) |
カルビスケンR |
20mg分1 |
チモロール(Timolol) |
|
|
|
ジクロロイソプレナリン(Dicholoroisoprenaline) |
|
|
|
アルプレノロール(Alprenolol) |
|
|
|
カルテオロール(Carteolol) |
ミケラン |
10~20mg分2 |
水溶性 |
インデノロール(Indenolol) |
|
|
|
ブニトロロール(Bunitrolol) |
|
|
|
ペンブトロール(Penbutolol) |
ベータプレシン |
|
|
β1非選択性、ISA(-) |
プロプラノロール(Propranolol) |
インデラル |
30~60mg分3 |
脂溶性 |
ナドロール(Nadolol) |
ナディック |
30~60mg分1 |
水溶性 |
ニプラジロール(Nipradilol) |
ハイパジール |
6~12mg分1 |
チリソロール(Tilisolol) |
セレカル |
|
|
β1選択性、ISA(+) |
アセブトロール(Acebutolol) |
アセタノール |
200~400mg分2 |
脂溶性 |
セリプロロール(Celiprolol)) |
セレクトール |
100~400mg分1 |
|
β1選択性、ISA(-) |
メトプロロール(Metoprolol) |
セロケン |
40~80mg分2 |
脂溶性 |
ロプレソール |
アテノロール(Atenolol) |
テノーミン |
25~50mg分1(最大100mg) |
水溶性 |
ビソプロロール(Bisoprolol) |
メインテート |
5mg分1,AF2.5mg,HF0.625~5㎎ |
脂溶性 |
ベタキソロール(Betaxolol) |
ケルロング |
5~10mg分1 |
プラクトロール(Practolol) |
|
|
|
ベバントロール(Bevantolol) |
|
|
|
β2受容体選択的遮断薬 |
ブトキサミン(Butoxamine) |
市販薬なし |
|
|
αβ非選択性遮断薬ISA(-) |
カルベジロール(Carvedilol) |
アーチスト |
10~20mg分1、HF2.5~20㎎分2 |
脂溶性 |
アモスラロール(Amosulalol) |
ローガン |
20~40mg分2 |
水溶性 |
アロチノロール(Arotinolol) |
アルマール |
10~20mg分2 |
ラベタロール(Labetalol) |
トランデート |
150mg分3 |
|
臨床適応[編集]
選択的及び非選択的なβ1受容体遮断薬の適応について下記に示した。なお、β2受容体選択的遮断薬は臨床で用いられていない。
- 本態性高血圧
- 上室性期外収縮
- 心室性期外収縮
- 頻拍性心房細動:メインテート(2013年6月適応追加)
- 慢性心不全(肺うっ血の無い患者):カルベジロール(2002年10月適応追加)、メインテート(2011年5月適応追加)
副作用[編集]
- 全てのβ遮断薬に共通して起こるもの
- 心機能低下、低血圧、洞機能不全、房室ブロック、消化器症状、離脱症状、離脱症候群などは起こるリスクが高い。
- また冠痙縮の悪化に関しては明らかなエビデンスが存在しないため、どのβ遮断薬を用いても起こると考えた方が無難である。冠スパズムの可能性があればCa拮抗薬を併用することが多い。離脱症候群はβ遮断薬の長期投与によって受容体のアップレギュレーションが認められ急に中止した際に著明な血圧の上昇や虚血症状、不整脈が増悪することである。
- 非β1選択性の場合
- β2遮断効果による副作用である。気管支喘息の悪化、低血糖、閉塞性動脈硬化の増悪、末梢循環障害、トリグリセリドの上昇、HDL-Cの低下などが知られている。気管支喘息は診断基準が存在しないために悩ましいことがある。呼吸機能検査で改善率を調べることで気道過敏性を調べるといったことも参考になる。高齢者は老化現象でスパイロメトリーが閉塞性パターンとなるため、喘息の診断は難しくなる。
- 脂溶性β遮断薬の場合
- 悪夢、インポテンツ、うつ病など精神症状が認められることがある。ただし、水溶性β遮断薬(テノーミン)でも発生するので注意が必要である。
その他[編集]
- 精神科の領域で、うつ病や双極性障害などの治療に際し、脳神経の薬にありがちな副作用である手の震えが認められる場合、副作用止めの目的で処方されることがある。
- クラシック音楽の奏者が演奏前に緊張からくる手の震えを抑えるために服用する事がある。[1]
参考文献[編集]
- 循環器内科ゴールデンハンドブック ISBN 9784524243860
- 循環器治療薬ファイル ISBN 4895922952
- 心筋梗塞二次予防に関するガイドライン(2011年改訂版)http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2011_ogawah_h.pdf
- 高血圧治療ガイドライン(2009年改訂版) http://www.jpnsh.org/manuscript080920.html
- 高血圧患者に対するatenolol投与: 賢い選択か? http://minds.jcqhc.or.jp/n/med/6/med0019/S0023225 (Minds医療情報サービス)
- 慢性心不全治療ガイドライン(2010年改訂版) http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010_matsuzaki_d.pdf
脚注[編集]
- ^ Better Playing Through ChemistryNY Times
関連項目[編集]
薬理学:医薬品の分類 |
|
消化器/代謝(A) |
胃酸中和剤(制酸薬、H2ブロッカー、プロトンポンプ阻害薬) • 制吐薬 • 瀉下薬 • 止瀉薬/止痢薬 • 抗肥満薬 • 経口血糖降下薬 • ビタミン • ミネラル
|
|
血液、血液生成器官(B) |
抗血栓薬(抗血小板剤、抗凝固薬、血栓溶解薬) • 抗出血(血小板、凝固・線溶系、抗線維素溶解性)
|
|
循環器系(C) |
心臓療法/狭心症治療薬(強心配糖体、抗不整脈薬、強心剤) • 高血圧治療薬 • 利尿薬 • 血管拡張薬 • 交感神経β受容体遮断薬 • カルシウム拮抗剤 • レニン-アンジオテンシン系(ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬) • 脂質降下薬(スタチン、フィブラート、胆汁酸捕捉因子)
|
|
皮膚(D) |
皮膚軟化薬 • 瘢痕形成剤 • 鎮痒薬 • 乾癬治療薬 • 他の皮膚薬
|
|
泌尿生殖器系(G) |
ホルモン避妊薬 • 排卵誘発治療 • SERM • 性ホルモン
|
|
内分泌器(H) |
視床下部脳下垂体ホルモン • 副腎皮質ホルモン(糖質コルチコイド、ミネラルコルチコイド) • 性ホルモン • 甲状腺ホルモン/抗甲状腺薬
|
|
感染(J、P、QI) |
抗菌薬 (抗生物質) • 抗真菌薬 • 抗ウイルス薬 • 抗寄生虫薬(抗原虫薬、駆虫薬) • 外部寄生虫駆除剤 • 静注用免疫グロブリン • ワクチン
|
|
悪性腫瘍(L01-L02) |
抗がん剤(代謝拮抗薬、抗腫瘍性アルキル化薬、紡錘体毒、抗悪性腫瘍薬、トポイソメラーゼ阻害薬)
|
|
免疫系(L03-L04) |
免疫調節薬(免疫賦活薬、免疫抑制剤)
|
|
筋肉、骨、関節(M) |
アナボリックステロイド • 抗炎症薬(NSAIDs) • 抗リウマチ • 副腎皮質ホルモン • 筋弛緩剤 • ビスホスホネート
|
|
脳、神経(N) |
鎮痛剤 • 麻酔剤(一般、局所・静脈) • 食欲低下薬 • ADHD治療 • 中毒医学 • 抗てんかん薬 • アルツハイマー治療 • 抗うつ薬 • 片頭痛治療 • 抗パーキンソン病薬 • 抗精神病薬 • 抗不安薬 • 抑制剤 • エンタクトゲン • エンセオジェン • 陶酔薬 • 幻覚剤(精神展開薬、解離性麻酔薬、デリリアント) • 睡眠導入剤/鎮静薬 • 気分安定薬 • 神経保護 • スマートドラッグ • 神経毒 • 食欲促進 • セレニック • 覚醒剤 • 覚醒促進物質
|
|
呼吸器(R) |
鬱血除去薬 • 気管支拡張薬 • 鎮咳去痰薬 • 抗ヒスタミン薬
|
|
感覚器(S) |
眼科学 • 耳科学
|
|
その他ATC(V) |
解毒剤 • 造影剤 • 放射性薬理学 • 湿潤療法
|
|
心血管疾患 |
|
疾患 |
|
心疾患
|
不整脈
|
徐脈性
|
洞不全症候群 | 房室ブロック | 脚ブロック(右脚ブロック · 完全右脚ブロック · 左脚ブロック)
|
|
頻脈性
|
上室性
|
洞性頻脈 | 心房細動 | 心房粗動 | ブルガダ症候群 | QT延長症候群 | WPW症候群
|
|
心室性
|
心室細動 | 心室頻拍
|
|
|
|
虚血性心疾患
|
狭心症 | 急性冠症候群 | 心筋梗塞 | 冠動脈血栓症
|
|
弁膜性心疾患
|
僧帽弁狭窄症 | 僧帽弁閉鎖不全症 | 三尖弁狭窄症 | 三尖弁閉鎖不全症 | 大動脈弁狭窄症 | 大動脈弁閉鎖不全症
|
|
先天性心疾患
|
心房中隔欠損 | 心室中隔欠損 | 心内膜床欠損症 | 動脈管開存症 | ファロー四徴症(極型ファロー四徴症) | 大血管転位(左旋性 · 右旋性) | 総肺静脈還流異常症 | 大動脈縮窄 | 左心低形成症候群 | 両大血管右室起始症 | 三尖弁閉鎖
|
|
心内膜・心筋
・心膜疾患
|
心内膜疾患
|
感染性心内膜炎
|
|
心膜疾患
|
心膜炎(急性心膜炎 · 慢性収縮性心膜炎) | 心タンポナーデ
|
|
心筋疾患
|
心筋症(特発性拡張型心筋症 · 肥大型心筋症 · 拘束型心筋症 · 特発性心筋症) | 心筋炎
|
|
|
心臓腫瘍 | 心臓神経症 | 心臓性喘息 | 肺性心
|
|
|
血管疾患
|
動脈
|
動脈硬化 | 大動脈瘤 | 大動脈解離 | 大動脈炎症候群 | 動静脈瘻 | 閉塞性動脈硬化症 | 閉塞性血栓性血管炎 | レイノー病
|
|
静脈
|
静脈瘤 | 血栓性静脈炎 | 静脈血栓塞栓症 | 脂肪塞栓症
|
|
|
|
|
病態・症候 |
|
心不全
|
左心不全 | 右心不全
|
|
血圧異常
|
高血圧
|
本態性高血圧症 | 二次性高血圧 | 悪性高血圧症
|
|
低血圧
|
|
|
心臓発作 | 心臓肥大 | 心停止 | 心肺停止
|
|
|
|
所見・検査 |
|
血圧計 | 聴診 | 心雑音 | 心電図 | 心電図モニタ | 心臓超音波検査 | 胸部X線写真 | 胸部X線CT | 心臓カテーテル検査(肺動脈カテーテル) | 心臓核医学検査
|
|
|
治療 |
|
外科的治療
|
冠動脈大動脈バイパス移植術 | 経皮的冠動脈形成術 | 植え込み型除細動器 | バチスタ手術 | 人工心臓 | 心臓ペースメーカー
|
|
内科的治療
|
心臓作動薬
|
抗不整脈薬
|
Ia群: プロカインアミド, キニジン
Ib群: リドカイン, フェニトイン
Ic群: フレカイニド, プロパフェノン
II群: 交感神経β受容体遮断薬(プロプラノロールなど)
III群: アミオダロン, ソタロール
IV群: カルシウム拮抗剤(ベラパミル, ジルチアゼムなど)
|
|
心不全治療薬
|
利尿薬 | 血管拡張薬 | 強心配糖体 | 強心剤
|
|
狭心症治療薬
|
交感神経β受容体遮断薬 | 硝酸薬
|
|
|
血管作動薬
|
高血圧治療薬
|
利尿薬 | 交感神経β受容体遮断薬 | レニン-アンジオテンシン系 (ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬) | カルシウム拮抗剤 | アドレナリン作動薬 | 脂質降下薬
|
|
|
|
|
|
循環器系の正常構造・生理 |
|
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 第6回東京女子医科大学メンタルヘルス研究会(平成23年6月23日)
- 東京女子医科大学雑誌 81(5), 381-382, 2011-10-25
- … 近医にて利尿剤、β遮断薬、,ARB阻害薬アミオダロン導入された。 …
- NAID 110008672492
- 原発性肺癌手術患者の術後頻脈性不整脈に対する塩酸ランジオロールの抑制効果の検討
- 根津 賢司,小川 史洋,松井 啓夫,天野 英樹,原 英則,久朗津 尚美,伊豫田 明,佐藤 之俊
- 日本呼吸器外科学会雑誌 = The journal of the Japanese Association for Chest Surgery 25(5), 472-478, 2011-07-15
- … 条件(70歳以上の高齢者,心疾患合併,2葉以上の肺切除,気管支または血管形成を伴う肺切除,周囲臓器合併切除を伴う肺切除のいずれか)を満たす原発性肺癌手術患者(n=33)に対して本邦で開発されたβ遮断薬である塩酸ランジオロールを肺切除術直後から低用量(0.005mg/kg/min)にて3日間持続静注し,術後頻脈性不整脈発生に対する本剤の抑制効果について非投与群(n=65)と比較検討した.塩酸ランジオロール投 …
- NAID 10029125635
- 高血圧患者におけるβ遮断薬セリプロロールの尿酸代謝に及ぼす影響
- 水田 栄之助,三島 睦夫,山田 健作,浜田 紀宏,太田原 顕,加藤 雅彦,荻野 和秀,久留 一郎,重政 千秋
- 痛風と核酸代謝 = Gout and nucleic acid metabolism 35(1), 82, 2011-07-01
- NAID 10029326023
Related Links
- 交感神経β受容体遮断薬(こうかんしんけいベータじゅようたいしゃだんやく、英 beta- adrenergic blocking agent; beta blocker)とは交感神経のアドレナリン受容体のうち、 β受容体のみに遮断作用を示す薬剤のこと。β遮断薬(ベータしゃだんやく)、βブロッカー ...
- 不整脈、心筋梗塞、高血圧などの治療に用いられる、β遮断薬という薬物があります。 身体の器官にあるβ受容体に作用します。そして神経伝達物資として分泌される、 ノルアドレナリンの動きを封じ込めてしまうのです。 ノルアドレナリンは、あがり症の原因 として ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 70歳の男性。労作時の息切れを主訴に来院した。
- 現病歴:4年前に縦隔腫瘍に対し摘出手術が施行され、病理検査で軟部肉腫と診断された。2年前に肺転移に対して2か月間アドリアマイシンが投与され、その後病変の増大はない。1か月前から倦怠感があり、数日前から労作時の息切れを自覚するようになった。ここ3か月で3kgの体重増加がある。
- 既往歴:45歳から高血圧症で内服加療。
- 生活歴:喫煙は20歳から33歳まで20本/日。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:母親は肺癌で死亡。
- 現症:意識は清明。身長 172cm、体重 63kg。体温 36.5℃。脈拍 80/分、整。血圧 164/78mmHg。呼吸数 18/分。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈の怒脹を認めない。胸骨正中切開の手術瘢痕を認める。Ⅲ音を聴取し、心雑音を認めない。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢末梢に冷感を認めない。両側下腿に浮腫を認める。
- 検査所見:血液所見:赤血球 399万、Hb 11.6g/dL、Ht 38%、白血球 4,000、血小板 16万。血液生化学所見:総蛋白 6.2g/dL、アルブミン 3.6g/dL、AST 62U/L、ALT 81U/L、LD 251U/L(基準 176~353)、尿素窒素 14mg/dL、クレアチニン 0.6mg/dL、血糖 97mg/dL、Na 142mEq/L、K 4.4mEq/L、Cl 108mEq/L、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP) 696pg/mL(基準 18.4以下)、心筋トロポニンT 0.14(基準 0.01以下)、CK-MB 5U/L(基準 20以下)。CRP 0.3mg/dL。動脈血ガス分析(room air):pH 7.4、PaCO2 38Torr、PaO2 83Torr、HCO3- 24mEq/L。胸部エックス線写真で心胸郭比は3か月前に53%、受診時58%。心電図で高電位とV5、V6の軽度ST低下を認める。1年前の心エコー検査は正常である。今回の来院時の心エコー検査で左室はびまん性に壁運動が低下しており、左室駆出率は35%。
- 現時点での治療薬はどれか。3つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [113F074]←[国試_113]→[113F076]
[★]
- 次の文を読み、40、41の問いに答えよ。
- 22歳の女性。腹痛、嘔吐および発熱を主訴に来院した。
- 現病歴:午前6時ごろから心窩部痛を自覚した。痛みは徐々に右下腹部に移動し、悪心、嘔吐および発熱が出現したため午前9時に救急外来を受診した。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 生活歴:喫煙歴と飲酒歴はない。
- 現症:意識は清明。身長 153cm、体重 48kg。体温 37.6℃。脈拍 100/分、整。血圧 118/62mmHg。呼吸数 24/分。頸静脈の怒張を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で、右下腹部に圧痛を認める。下腿に浮腫を認めない。
- 検査所見:血液所見:赤血球 368万、Hb 11.9g/dL、Ht 36%、白血球 9,800、血小板 23万。血液生化学所見:尿素窒素 22mg/dL、クレアチニン 0.9mg/dL。CRP 5.2mg/dL。腹部超音波検査と腹部単純 CTとで虫垂の腫大を認める。40直ちに手術は必要ないと判断し、入院して抗菌薬による治療を開始することにした。①抗菌薬投与の指示を出す際に、適切な溶解液が分からず薬剤部に問い合わせた。②末柏静脈へのカテーテルの刺入を2回失敗し、3回目で成功した。③抗菌薬投与前に、点滴ボトルに別の患者の名前が記してあることに気が付いた。④正しい抗菌薬の投与を午前11時に開始したところ、30分後に患者が全身の痒みを訴え全身に紅斑が出現した。⑤抗菌薬を中止し様子をみたところ、午後2時までに紅斑は消退した。
- インシデントレポートの作成が必要なのは下線のどれか。
- その後の経過:腹痛は持続し、午後5時ごろから体温がさらに上昇し、悪寒を訴えた。体温 39.3℃。脈拍 124/分、整。血圧 80mmHg(触診)。
- この時点で直ちに行うべき治療はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112B040]←[国試_112]→[112B042]
[★]
- 次の文を読み、58~60の問いに答えよ。
- 79歳の男性。ふらつきを主訴に来院した。
- 現病歴:3年前に妻を亡くし、1人暮らし。隣県に住む娘が時々様子を見に来ており、数か月前から物忘れが目立ち、残薬も多いことに気づいたが、主治医には知らせていなかった。食事は給食サービスを受けていたが、服薬管理など生活上の問題を心配した娘が、2週前に老人ホームに入居させた。以後は介護職員が薬を管理している。約1週前から起立時や歩行時にふらつきを自覚するようになり、心配した職員に付き添われて受診した。
- 既往歴:60歳で高血圧症と糖尿病とを指摘され、1年前から利尿薬、β遮断薬、抗血小板薬、スルホニル尿素薬およびアンジオテンシン変換酵素阻害薬を処方されている。この1年間処方内容は変更されていない。
- 家族歴:父親が脳卒中のため65歳で死亡。
- 現症:意識は清明。身長165cm、体重67kg。体温35.8℃。脈拍36/分。血圧128/64mmHg。呼吸数16/分。口腔内は湿潤している。心雑音を聴取しない。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢の筋力は保たれており、浮腫を認めない。腱反射に異常はない。
- 検査所見:血液所見:赤血球407万、Hb 12.4g/dl、Ht 38%、白血球6,800、血小板18万。血液生化学所見:随時血糖126mg/dl、HbA1c(NGSP)6.5%(基準4.6~6.2)、総蛋白7.0g/dl、アルブミン3.8g/dl、尿素窒素18mg/dl、クレアチニン1.2mg/dl、AST 38IU/l、ALT 32IU/l、Na 135mEq/l、K 4.6mEq/l、Cl108mEq/l。CRP 0.3mg/dl。心電図(別冊No.8)を別に示す。
- 服用している薬剤でこの心電図異常の原因となるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107E058]←[国試_107]→[107E060]
[★]
- 次の文を読み、31、32の問いに答えよ。
- 62歳の男性。筋力低下を主訴に来院した。
- 現病歴:3か月前から階段の昇降に困難を感じていた。2か月前に顔面と頭皮との皮疹に気付いた。1か月前から整髪がしにくくなった。様子をみていたが改善しないため受診した。
- 既往歴:花粉症。
- 生活歴:喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:父親が脳梗塞。
- 現症:意識は清明。身長 170cm、体重 65kg。体温 36.6℃。脈拍88/分、整。血圧 128/84mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 97%(room air)。顔面、頭皮、体幹、背部および両手の手指の関節背面に皮疹を認める。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。口腔内と咽頭とに異常を認めない。頸静脈の怒張を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢に浮腫を認めない。徒手筋力テストで上腕二頭筋、上腕三頭筋、腸腰筋および大腿四頭筋は両側とも4と低下している。顔面の写真(別冊No. 5)を別に示す。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)。赤沈 45mm/1時間。血液所見:赤血球 372万、Hb 10.5g/dL、Ht 34%、白血球 8,800、血小板 23万。血液生化学所見:総蛋白 6.6g/dL、アルブミン 2.7g/dL、AST 89IU/L、ALT 35IU/L、LD 480IU/L(基準 176~353)、ALP 220IU/L(基準 115~359)、γ-GTP 27IU/L(基準 8~50)、CK 1,230IU/L(基準 30~140)、尿素窒素 20mg/dL、クレアチニン 0.8mg/dL。免疫血清学所見:CRP 1.6mg/dL、抗核抗体 320倍(基準 20以下)。
- 第一選択として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109H031]←[国試_109]→[109H033]
[★]
- 次の文を読み、35、36の問いに答えよ。
- 70歳の女性。発熱、咳嗽、喀痰および呼吸困難を主訴に来院した。
- 現病歴:3日前から咳嗽と喀痰とを自覚していた。その後、徐々に呼吸困難を感じるようになり、昨晩から発熱も認めたため、家族の運転する車で受診した。
- 既往歴:32歳時に虫垂炎。気管支喘息のため、5年前から時々吸入薬を使用している。
- 生活歴:長女夫婦と孫との4人暮らし。喫煙歴と飲酒歴はない。ADLは自立している。家事を分担しながら近所の児童館で読み聞かせのボランティアをしている。この1年間で特記すべき旅行歴はない。
- 現症:意識は清明。身長 153cm、体重 48kg。体温 38.1℃。脈拍 92/分、整。血圧 118/62mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 93%(room air)。頸静脈の怒張を認めない。心音に異常を認めない。右側の下胸部でcoarse cracklesを聴取する。下腿に浮腫を認めない。
- 検査所見:血液所見:赤血球 368万、Hb 11.9g/dL、Ht 36%、白血球 9,800、血小板 23万。血液生化学所見:尿素窒素 22mg/dL、クレアチニン 1.2mg/dL。CRP 5.2mg/dL。
- その後の経過:酸素投与を開始し、胸部エックス線撮影を行った。撮影室から車椅子で救急外来に戻ったところで突然意識レベルがJCSⅡ-30に低下した。橈骨動脈の脈拍は触知不能。すぐにベッドに移した。脈拍(頸動脈)124/分、整。
- 直ちに行うべきなのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110H034]←[国試_110]→[110H036]
[★]
- 36歳の初妊婦(1妊0産)。妊娠33週に、倦怠感と口渇のため受診した。
- 現病歴:妊娠前のBMIは20.8であった。これまで毎年受けている健診で異常を指摘されたことはない。妊娠18週で尿糖陽性を指摘されたが、その後妊婦健康診査に行かなくなった。妊娠25週で全身倦怠感が出現した。2日前から倦怠感が増悪し、口渇が出現した。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 生活歴:喫煙歴および飲酒歴はない。
- 家族歴:父が高血圧症。
- 現症:身長 152cm、体重 62kg。体温 37.6℃。脈拍 108/分、整。血圧 112/82mmHg。呼吸数 26/分。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。口腔内は乾燥している。心音と呼吸音とに異常を認めない。子宮底長 35cm、腹囲 95cm。腱反射に異常を認めない。眼底に糖尿病網膜症の所見を認めない。
- 検査所見:尿所見:蛋白 (-)、糖 2+、ケトン体 (-)。血液所見:赤血球 468万、Hb 13.9g/dL、Ht 42%、白血球 10,300(桿状核好中球 30%、分葉核好中球 45%、好酸球 1%、好塩基球 1%、単球 6%、リンパ球 17%)、血小板 21万。血液生化学所見:AST 28U/L、ALT 16U/L、尿素窒素 12mg/dL、クレアチニン 0.6mg/dL、尿酸 4.9mg/dL、血糖 255mg/dL、HbA1c 7.8%(基準 4.6~6.2)、Na 143mEq/L、K 4.9mEq/L。免疫血清学所見:抗GAD抗体 陰性。腹部超音波検査では児の推定体重 2,450g(+2.0SD)。明らかな心疾患を認めない。
- 薬物療法として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113C051]←[国試_113]→[113C053]
[★]
- 76歳の女性。一過性意識障害と四肢冷感とを主訴に来院した。2日前に前頚部に突然痛みが出現し、その後胸痛が加わったため早めに就寝した。背部痛で一時覚醒したが、翌朝には胸痛と背部痛とは軽減していた。かかりつけの診療所を受診し、高血圧に対してβ遮断薬を処方された。本日の午前3時ころ排尿後に約5分間意識消失した。意識回復後、四肢冷感と倦怠感とが持続したため 午前10時独歩で受診した。52歳時に高血圧症、74歳時に糖尿病を指摘されている。意識は清明。体温 35.8℃。脈拍 72/分、整。血圧 104/80mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2) 96%。胸部と腹部とに異常を認めない。神経学的所見に異常を認めない。血液所見: 赤血球 418万、Hb 12.7g/dl、Ht 40%、白血球 9,300、血小板 13万。血液生化学所見: 血糖 229mg/dl、尿素窒素 23mg/dl、クレアチニン 1.0mg/dl、AST 98 IU/l ALT 50IU/l、LD 526IU/l(基準176-353)、ALP 189IU/l(基準115-359)、CK 215IU/l(基準30-140)、CK-MB 15IU/l(基準20以下)、Na 135mEq/l、K 4.8mEq/l、Cl 100mEq/l。CRP 2.1mg/dl。胸部エックス線写真(別冊No.2A)と12誘導心電図(別冊No.2B)とを別に示す。
- 次に行うのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104F019]←[国試_104]→[104F021]
[★]
- 25歳の男性。激しい頭痛のために救急車で搬入された。3年前から短時間の動悸を1日2、3回自覚するようになった。半年前、健診で血圧高値を指摘され、その頃から動悸が頻回に出現するようになり、頭痛、前胸部痛および手指の蒼白を伴うようになった。今朝から激しい頭痛があったため救急車を要請した。既往歴に特記すべきことはない。喫煙歴はなく、飲酒は機会飲酒。家族歴として母親に甲状腺髄様癌の罹患歴がある。身長 174cm、体重 52kg。体温 37.5℃。心拍数 120/分、整。血圧 240/124mmHg。四肢の冷感を認める。項部硬直やjolt accentuationを認めない。腹部超音波検査で左側腹部に径12cmの腫瘤影を認める。心エコー検査と頭部CTとに異常を認めない。高血圧緊急症を疑い、カルシウム拮抗薬の点滴静注を行ったが、その後も頭痛と収縮期血圧が200mmHg以上の高血圧および頻脈が持続している。
- この時点の対応として正しいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112A046]←[国試_112]→[112A048]
[★]
- 60歳の男性。気が遠くなるようなめまいが出現したことを主訴に来院した。この症状は1週前から1日に1、2回自覚している。めまいの発作の出現は立位動作とは関係がなく、歩行中や座位でも生じるという。失神はない。高血圧症、左室肥大、胃潰瘍および脂質異常症で内服治療中である。意識は清明。身長 169cm、体重 65kg。体温 36.2℃。脈拍 60/分、整。血圧 148/82mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。神経学的所見に異常を認めない。血液生化学所見に異常を認めない。心電図は洞調律、心拍数 60/分でPQ時間が0.24秒(基準 0.12~0.20)である。その他に異常を認めない。胸部エックス線写真で異常を認めない。心エコーで異常を認めない。Holter心電図におけるめまい自覚時の記録(別冊No. 25)を別に示す。
- 内服を中止する必要があるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110D053]←[国試_110]→[110D055]
[★]
- 62歳の男性。今年の健康診断で高血糖を指摘され来院した。 10年前から健康診断で毎年、高血糖と高血圧とを指摘されていたが受診しなかった。喫煙は 15本/日を40年間。身長 168 cm、体重 70 kg、腹囲 88 cm。脈拍 80/分、整。血圧 188/96 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。下腿に浮腫を認めない。アキレス腱反射は両側で消失している。尿所見:蛋白 2+、糖 4+、ケトン体 (-)。血液生化学所見:アルブミン 3.8 g/dl、AST 36 IU/l、ALT 45 IU/l、尿素窒素 16 mg/dl、クレアチニン 0.8 mg/dl、尿酸 8.3 mg/dl、空腹時血糖 212 mg/dl、HbA1c(NGSP)9.8% (基準 4.6~6.2)、トリグリセリド 170 mg/dl、LDLコレステロール 139 mg/dl、Na 139 mEq/l、K 4.8mEq/l、Cl 104 mEq/l。眼底検査で単純網膜症を認める。摂取エネルギーと塩分とを制限する食事療法と運動療法とを開始した。
- 治療薬として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108A053]←[国試_108]→[108A055]
[★]
- 75歳の男性。呼吸困難と起坐呼吸とを主訴に来院した。3年前から高血圧症、弁膜症および脂質異常症で自宅近くの医療機関を定期受診していた。1週間前から咽頭痛および発熱の症状があり、その後、階段昇降時に息切れを自覚し、徐々に起坐呼吸の状態となった。意識は清明。体温 37.2℃。脈拍 100/分、整。血圧 138/86mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 88%(room air)。頸静脈の怒張と両下腿の浮腫とを認める。胸部の聴診でⅢ音とⅣ音とを聴取し、心尖部を最強点とするⅣ/Ⅵの全収縮期雑音を聴取する。呼吸音は両側の下胸部にcoarse cracklesを聴取する。四肢末梢に冷感を認めない。心電図は洞性頻脈を認めるが、有意なST-T変化を認めない。胸部エックス線写真(別冊No. 1)を別に示す。酸素投与を開始し、静脈路の確保と心電図モニターの装着とを行った。
- 硝酸薬とともに投与すべきなのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111F019]←[国試_111]→[111F021]
[★]
- 42歳の女性。「風邪がいつまでも治らない」と訴えて来院した。 2週前から微熱が出始め、その後 38℃程度まで上昇、同じころから「のど」も痛くなり、寝るのもつらいほどだという。以前、風邪で処方された鎮痛薬を飲んでみたが改善しなかった。既往歴と生活歴とに特記すべきことはない。体温 38.5℃。脈拍 84/分、整。血圧 122/80 mmHg。前頸部で気管の左外側に圧痛を認める。咽頭に発赤と腫脹とを認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:赤血球 420万、 Hb 13.5g/dl、Ht 39%、白血球 8,000、血小板 19万。血液生化学所見: TSH 0.02 μU/ml(基準 0.2.4.0)、 FT4 3.3 ng/dl(基準 0.8.1.7)。免疫血清学所見: CRP 5.5 mg/dl、抗TSH受容体抗体陰性。頸部超音波検査で疼痛部に一致した低エコー域を認める。
- 治療薬として最も適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108I069]←[国試_108]→[108I071]
[★]
- 40歳の女性。喘鳴を主訴に来院した。 9週前に発熱、咽頭痛、咳嗽および喀痰が出現し、自宅近くの医療機関で治療を受けて改善した。 2週前から夜間に喘鳴が出現したが、睡眠が妨げられるほどではなかった。喫煙歴はない。身長160cm、体重52kg。体温36.2℃。脈拍64/分、整。血圧106/62mmHg。呼吸数16/分。SpO2 98%(room air)。心音に異常を認めない。強制呼気時に背部でwheezesを聴取する。白血球7,200(桿状核好中球8%、分葉核好中球45%、好酸球16%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球24%)。血液生化学所見:IgG1,610mg/dl(基準960-1,960)、 IgA 232mg/dl(基準110-410)、 IgM 82mg/dl(基準65-350)、 IgE540IU/ml(基準250未満)。 CRP0.3mg/dl。心電図と胸部エックス線写真とに異常を認めない。
- 治療薬として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106D033]←[国試_106]→[106D035]
[★]
- 33歳の初妊婦。妊娠 36週。自宅で突然水様帯下の流出を認めたため 1時間後に来院した。妊娠 35週の妊婦健康診査時に施行した腟と外陰との培養検査では、 B群レンサ球菌〈GBS〉が陽性であった。体温 36.4 ℃。脈拍 76/分、整。血圧 116/72mmHg。腟鏡診で後腟円蓋に中等量の水様帯下の貯留を認め、帯下は弱アルカリ性である。内診で子宮口は 1 cm開大、展退度 30%、先進部は児頭で下降度は SP-2cm。血液所見:赤血球 350万、 Hb 11.6 g/dl、Ht 37%、白血球 9,000、血小板 18万。 CRP 0.1 mg/dl。腹部超音波検査で胎児推定体重は 2,600 g、羊水ポケットは 2 cm、胎盤に異常所見を認めない。胎児心拍数陣痛図で子宮収縮を認めず、胎児心拍パターンに異常を認めない。
- まず投与すべきなのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108B045]←[国試_108]→[108B047]
[★]
- 25歳の女性。動悸と手の震えとを主訴に来院した。2か月前から疲れやすくなり、動悸を感じるようになった。食欲は旺盛であるが体重は変化していない。汗が多く、イライラするようにもなった。10日前から安静時の手の震えを感じる。意識は清明。身長158cm、体重50kg。体温37.2℃。脈拍112/分、整。血圧156/42mmHg。眼裂は大きく、上眼瞼縁と角膜との間に強膜が認められる。う歯と歯槽膿漏とを認める。びまん性甲状腺腫を認める。血清生化学所見:総コレステロール100mg/dl、AST30IU/l、ALT22IU/l、ALP380IU/l(基準260以下)、γ-GTP 42IU/l(基準8~50)、TSH 0.01μU/ml以下(基準0.2~4.0)、FT3 12pg/ml(基準2.5~4.5)、FT4 7.6ng/dl(基準0.8~2.2)。
- 治療として適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [101A047]←[国試_101]→[101A049]
[★]
- 83歳の男性。高血圧症のために定期的に受診している。10年前に高血圧症と診断され、カルシウム拮抗薬とアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)とを内服している。介護保険では要支援2の判定を受けており、週2回デイサービスに通っている。服薬アドヒアランスは良好であり、めまい、ふらつきなどの症状はない。身長 162cm、体重 53kg。脈拍 72/分、整。診察室で測定した血圧 144/74mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。下肢に浮腫を認めない。患者が記録した最近2週間の家庭血圧(別冊No. 29)を別に示す。
- この患者に対する対応で適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112A060]←[国試_112]→[112A062]
[★]
- 40歳の男性。労作時の呼吸困難と動悸とを主訴に来院した。 2か月前から急いで歩いたときに呼吸困難と動悸とを自覚するようになり、次第に増悪してきたため受診した。 3年前から糖尿病のために食事療法と運動療法とを行っている。弟が35歳で突然死したという。意識は清明。身長168cm、体重52kg。脈拍72/分、不整。血圧102/76mmHg。呼吸数20/分。心尖拍動を鎖骨中線から2cm外側に触知する。 III音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。心電図で心房細動を認める。心エコー図(別冊No. 27A、 B、 C)を別に示す。
- 治療薬として適切なのはどれか。 3つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [106D058]←[国試_106]→[106D060]
[★]
- 23歳の女性。嘔吐と意識障害のため搬入された。付き添ってきた友人によると数日前から嘔吐が始まり、今朝から「錯乱状態となっている」という。高校生のころ甲状腺の病気で一時通院したが、薬疹が出たため中止したという。閉眼のまま身体をねじらせてうなるだけで呼びかけに反応しない。体温37.4℃。脈拍180/分、整。血圧104/60mmHg。眼球突出とびまん性の甲状腺腫大とを認める。著明な発汗を認める。血液所見:赤血球480万、Hb 14.5g/dl、Ht 46%、白血球9,000、血小板31万。血液生化学所見:尿素窒素34mg/dl、クレアチニン0.8mg/dl、総コレステロール119mg/dl、ALT 187IU/l、FT4 13.8ng/dl(基準0.8~1.7)。
- 治療として適切でないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107A047]←[国試_107]→[107A049]
[★]
- 40歳の男性。乏尿と呼吸困難とを主訴に救急外来を受診した。既往歴に特記すべきことはない。意識は清明。冷汗と下腿浮腫とを認める。 III音と IV音とを聴取する。両側の胸部に coarse cracklesを聴取する。脈拍 108/分、整。血圧 72/50 mmHg。呼吸数 28/分。血液生化学所見:クレアチニン 1.8 mg/dl、Na 134 mEq/l、K 3.8 mEq/l、 Cl 100 mEq/l、脳性ナトリウム利尿ぺプチド〈BNP〉840 pg/ml(基準 18.4以下)。動脈血ガス分析 ( room air): pH 7.32、PaCO2 30 Torr、PaO2 62 Torr、HCO3 15 mEq/l。心エコー図 (傍胸骨左縁長軸像 )(別冊 No.15A、B)を別に示す。
- まず投与すべき治療薬で適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108A040]←[国試_108]→[108A042]
[★]
- 58歳の女性。胸部圧迫感を主訴に来院した。 1か月前から、早朝に前胸部の圧迫感を感じるようになった。圧迫感は冷や汗を伴い、 5分程度で自然に消失するという。労作時には同様の症状はないという。喫煙は40本/日を38年間。飲酒は機会飲酒。身長163cm、体重72kg。体温36.5℃。脈拍72/分、整。血圧126/78mmHg。呼吸数20/分。心雑音を聴取しない。下腿に浮腫を認めない。尿所見と血液生化学所見とに異常を認めない。入院時の心電図に異常を認めない。入院後に施行した冠動脈内アセチルコリン負荷時の右冠動脈造影写真(別冊No. 25A、 B)を別に蝣j;->"
- 治療薬として適切なのはどれか。 2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [106D056]←[国試_106]→[106D058]
[★]
- 英
- dyslipidemia
- 同
- 高脂血症 hyperlipidemia、脂質代謝異常 lipoprotein disorders
- 関
- 高脂血症治療薬、リポ蛋白
定義
- 血清:
Total-CHO≧220 mg/dl。LDL-C≧140 mg/dl。TG≧150 mg/dl。HDL-C<40 mg/dl
病型
分類
原発性高脂血症のWHO分類
原発性高脂血症の型分類 (臨床検査法提要第32版 p.533)
|
I型
|
II型
|
III型
|
IV型
|
V型
|
IIa型
|
IIb型
|
高カイロミクロン血症
|
高コレステロール血症
|
複合型高脂血症
|
異常βリポ蛋白血症
|
高トリグリセリド血症
|
複合型高トリグリセリド血症
|
増加リポ蛋白
|
CM
|
++
|
|
|
|
|
+
|
VLDL
|
|
|
+
|
|
+
|
+
|
IDL
|
|
|
|
+
|
|
|
LDL
|
|
+
|
+
|
|
|
|
血漿脂質
|
TC
|
+
|
+++
|
++
|
++
|
/+
|
+
|
TG
|
+++
|
|
++
|
++
|
++
|
+++
|
TC/TG
|
<0.2
|
>1.6
|
不定
|
≒
|
0.6-1.6
|
<0.6
|
病因
|
・LPL欠損 ・アポCII欠損 (外因性高脂血症)
|
LDL受容体異常
|
不明
|
アポE異常 (E2/E2など)
|
不明 (内因性高脂血症)
|
LPL欠損へテロ(一部) (外因性高脂血症 and (内因性混合型高脂血症)
|
臨床所見
|
発症時期
|
小児期
|
小児期~成人
|
成人
|
成人
|
小児期~成人
|
肝脾肥大
|
+++
|
-
|
+
|
+++ 脾のみ
|
+++
|
腹痛
|
+
|
|
|
+
|
+
|
膵炎
|
+
|
|
|
|
+
|
網膜脂血症
|
+
|
|
|
|
+
|
肥満
|
|
|
|
+
|
+
|
角膜輪
|
|
+
|
+
|
|
|
冠動脈疾患
|
まれ
|
最も高率
|
高率
|
中程度
|
比較的まれ
|
黄色腫
|
発疹状
|
黄色板状 結節状 腱黄色腫
|
手掌線 結節状 発疹状
|
|
発疹状
|
耐糖能
|
正常
|
正常
|
正常
|
異常多い
|
異常多い
|
高尿酸血症
|
なし
|
なし
|
少ない
|
多い
|
多い
|
遺伝
|
劣性遺伝
|
優性遺伝
|
劣性遺伝
|
優性遺伝
|
不明
|
頻度
|
まれ
|
多い 500人中 1人(ヘテロ) 100万人中 1人(ホモ)
|
多い 200人中 1人
|
少ない 1万人中 2-3人
|
最も多い
|
まれ
|
血清静置試験
|
上層:乳濁
|
透明
|
わずかに混濁
|
混濁、 時にミルク状
|
混濁
|
上層:乳濁
|
下層:透明
|
下層:混濁
|
特徴
|
|
|
small dense LDL の存在
|
broad β
|
|
|
- 頻度:IIa > IIb > IV
- 遺伝(AR)I, III (AD)その他
- 症状
- 動脈硬化:IIa,IIb,III
- 膵炎:TG多い:I,IV,V
- TC優位に多いのがIIa, TG優位に多いのがIV
- リポ蛋白のパターンは、IIa + IV = IIb で IIIはその中間(IDL)。I + IV = V
|
治療方針の原則
|
カテゴリー
|
脂質管理目標値(mg/dL)
|
リスク群
|
LDL-C以外の主要危険因子
|
LDL-C
|
HDL-C
|
TG
|
一次予防
|
まず生活習慣の改善を 行った後、薬物治療の 適応を考慮する
|
I
|
低リスク群
|
0
|
<160
|
≧40
|
<150
|
II
|
中リスク群
|
1~2
|
<140
|
III
|
高リスク群
|
3以上
|
<120
|
二次予防
|
生活習慣の改善とともに 薬物治療を考慮する
|
冠動脈疾患の既往
|
<100
|
- 加齢(男性≧45歳、女性≧55歳)、高血圧、糖尿病(耐糖能異常を含む)、喫煙、冠動脈疾患の家族歴、低HDL-C血症(<40mg/dL)
- 糖尿病、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症の合併はカテゴリーIIIとする。
[★]
- 英
- hypotensor, depressor, hypotensive drugs hypotensive agent hypotensive drug
- 同
- 降圧剤、血圧降下薬、高血圧症治療薬、抗高血圧薬 antihypertensive antihypertensive drug, antihypertensive drugs
[show details]
ja
hypotensor : 約 1,170 件
depressor : 約 13,000 件
hypotensive drugs : 約 1,410 件
hypotensive agent : 約 1,320 件
hypotensive drug : 約 1,200 件
en
hypotensor : 約 12,100 件
depressor : 約 1,220,000 件
hypotensive drugs : 約 29,100 件
hypotensive agent : 約 37,600 件
hypotensive drug : 約 12,500 件
降圧薬
-
- 近位尿細管:アセタゾラミド:炭酸脱水酵素を阻害
- 太いヘンレループ上行脚:フロセミド:Na+-K+-2Cl-共輸送体(NKCC)を阻害
- 遠位尿細管前半部:チアジド系利尿薬:Na+とCl-の共輸送体を阻害
- 遠位尿細管後半部と集合管:
- スピラノラクトン:アルドステロン受容体に競合的に結合
- トリアムチレン:Na+流入を抑制
-
-
-
- カルベジロール(α1遮断により末梢血管を拡張。β遮断により陽性変力作用を抑制)
- アムスラロールなど
- 強力な降圧効果を示す
- 細胞内へのCa流入を抑制することにより血管平滑筋を弛緩させ末梢血管抵抗を下げる
- 脳、心臓、腎臓への血流を保つ
- 膜電位依存性Caチャネルに作用して血管平滑筋を弛緩させる
-
- 副作用:ジルチアゼムの副作用:洞性徐脈、洞性ブロック
- ニフェジピン: 血管への親和性が高い→抗高血圧薬として優れる
- 副作用:反射性交感神経緊張、顔面紅潮、浮腫(静脈拡張より動脈拡張の度合いが大きいため)、便秘
- 臓器障害の改善、進展予防 beyond blood pressure
- RA系の抑制
- アンジオテンシノゲン→(レニン)→アンジオテンシンI→(アンジオテンシン転換酵素)→アンジオテンシンII-(アンジオテンシン受容体遮断薬)-|アンジオテンシン受容体1
- ACE阻害薬の腎機能保護
- ACE阻害薬:輸入細動脈 拡張、輸出細動脈 拡張 → 糸球体内圧↓
- Ca拮抗薬 :輸入細動脈 拡張、輸出細動脈 なし → 糸球体内圧↑
-
- 副作用
- ACEはブラジキニンを分解するキニナーゼIIと同一の酵素である。ACE阻害薬はこの酵素を阻害するが、ブラジキニンは血管拡張、決勝滲出決勝進出、発痛作用に関わっている。このため咳を誘発することがある。
- 禁忌
- 妊婦。ブラジキニンは胎児の動脈管閉鎖に関わっている。このた、母胎にACE阻害剤を加え、ブラジキニンが増えると胎児の動脈管が閉鎖してしまう。(血管浮腫?)
- 1型アンジオテンシンII受容体拮抗薬(AT1受容体拮抗薬)
降圧薬の積極的な適応と禁忌
- 合併症を有する高齢者高血圧に対する第一選択薬と併用薬
○:第一選択 空欄:適応可 △:注意が必要 ×:禁忌
- 理由はACE参照
使用できる降圧薬
- α2作動薬
- β遮断薬
- α遮断薬
参考
- http://www.jhf.or.jp/a&s_info/guideline/kouketuatu.html
漢方薬
- 降圧目的に釣藤散が使われることが多い。補助的に防風通聖散が用いられることがある。
[★]
- 英
- hypertrophic obstructive cardiomyopathy, HOCM
- 同
- 特発性肥厚性大動脈弁下狭窄症 idiopathic hypertrophic subaortic stenosis IHSS
- 関
- 肥大型心筋症
- 非対称性心室中隔肥大、肥大型閉塞性心筋症、肥大性閉塞性心筋症、特発性肥大性大動脈弁下狭窄症
病態
- 心筋の肥大に伴い左室流出路狭窄を来しており、心拍出量が低下する。
- 心房細動などにより心房からの駆出量が減少すれば、心拍出量低下に繋がる。
類似疾患との鑑別
- QB.C-495改変
病理
病態
左室流出路狭窄の増悪・寛解因子
症状
合併症
検査
心エコー
[show details]
僧帽弁
- 僧帽弁前尖の収縮期前方運動(SAM):循環血液量の減少と左室の過収縮による(YN.C-135)
- 僧帽弁後退速度 DDRの低下:左心室のコンプライアンスが低下することにより、左室への血液流入速度が低下するため(YN.C-135)
大動脈弁
- 大動脈弁の収縮中期半閉鎖:HOCMでは収縮中期に駆出される血液量低下のために大動脈弁が閉鎖しそうになる(参考2)
心臓カテーテル検査
- 左室~大動脈圧:左室流入路圧 > 左室流出路圧
- ブロッケンブロウ現象:期外収縮が起きた場合、心室性期外収縮の休止期後の期外収縮後増強により収縮力が増強し、左室流出路閉塞が増強するためにかえって大動脈圧が低下する
- 造影:左室流出路狭窄
治療
- 治療目標:自覚症状の軽減、突然死、不正脈の予防
- βブロッカー、カルシウム拮抗薬 → 左室流出路狭窄の軽減 ⇔ ×硝酸薬、ジギタリス:左室流出路狭窄を増強
- Ia群抗不整脈薬
予後
国試
[★]
- 英
- β-blocker, beta-blocker, beta-antagonist, β-adrenoceptor blocking agent, β-adrenergic blocking agent, beta-adrenergic blocking agent, beta-adrenergic blocker, beta-adrenergic antagonist, beta-adrenergic receptor antagonist, β adrenergic receptor blocker, β adrenergic receptor antagonists
- 同
- β遮断薬、β阻害薬、βアドレナリン遮断薬、βアドレナリン拮抗薬、アドレナリンβ受容体拮抗薬、βブロッカー、βアドレナリン受容体遮断薬
- 関
- アドレナリン受容体
β受容体遮断薬
適応
禁忌および慎重投与
YN.C-57
- 平滑筋拡張が求められる病態、酸素供給を減らせない病態では使ってはいけないということ?
注意
- 突然休薬すると離脱症候群として、狭心症や高血圧発作が生じることがある(高血圧治療ガイドライン2009)。
- β2受容体遮断作用のある薬剤では、β2受容体を介した膵臓のインスリン分泌促進作用がブロックされる(アドレナリン受容体#アドレナリン受容体)ので、糖尿病患者に投与する場合には注意が必要、らしい。
各論
慢性心不全
[★]
- 英
- paroxysmal supraventricular tachycardia, PSVT
- 同
- 房室回帰頻拍 atrioventricular reciprocating tachycardia
- 関
- 上室性頻拍症
[show details]
概念
- 房室結節リエントリー、房室回帰、心房内リエントリー、異所性自動能亢進が機序となる.
- 発作性上室頻拍の約90%は房室結節リエントリー性頻拍 AVNRT あるいはWPW症候群に伴う房室回帰性頻拍 AVRT
症状
- 心拍数:150-200/分
- 動悸、胸部不快感など
- 血圧低下
検査
[show details]
治療のターゲット
治療
緊急
非緊急
- Valsalva手技以外の手技の有効性はそれほど高いものではない(Valsalva手技54%,右頚動脈洞マッサージ15%,顔面浸水15%など)
-
- ATP
- ベラパミル:比較的心拍数が遅い発作(心拍数<186/分)に有効
- ジルチアゼム:心拍数が速い発作(>166/分)に有効
参考
- 1. 不整脈薬物治療に関するガイドライン(2009年改訂版)
- [display]http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_kodama_h.pdf
国試