- 英
- nizatidine
- 商
- アシノン、アテミノン、チザノン、ドルセン、ニザチン、ニザトリック、ニザノン
効能又は効果
- 胃潰瘍,十二指腸潰瘍,逆流性食道炎
- 下記疾患の胃粘膜病変(びらん,出血,発赤,浮腫)の改善
- 急性胃炎,慢性胃炎の急性増悪期
用法及び用量
- 通常,成人にはニザチジンとして1回150mgを1日2回(朝食後,就寝前)経口投与する.また1回300mgを1日1回(就寝前)経口投与することもできる.なお,年齢,症状により適宜増減する.
- 通常,成人にはニザチジンとして1回150mgを1日2回(朝食後,就寝前)経口投与する.なお,年齢,症状により適宜増減する.
- 下記疾患の胃粘膜病変(びらん,出血,発赤,浮腫)の改善
- 急性胃炎,慢性胃炎の急性増悪期
- 通常,成人にはニザチジンとして1回75mgを1日2回(朝食後,就寝前)経口投与する.なお,年齢,症状により適宜増減する.
添付文書
- ニザチジンカプセル 75mg「タナベ」/ニザチジンカプセル 150mg「タナベ」
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2325005M1120_1_02/2325005M1120_1_02?view=body
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/03/24 13:40:02」(JST)
[Wiki ja表示]
|
本来の表記は「ヒスタミンH2受容体拮抗薬」です。この記事に付けられた題名は記事名の制約から不正確なものとなっています。 |
原型的なH
2受容体拮抗薬、シメチジンの球棒モデル。
ヒスタミンH2受容体拮抗薬(ヒスタミンエイチツーじゅようたいきっこうやく、Histamine H2-receptor antagonist)とはH2ブロッカーとも呼ばれ、胃潰瘍・十二指腸潰瘍といった消化性潰瘍の治療に用いられる薬品である。その作用機序は胃の壁細胞に存在し胃酸分泌を促進するヒスタミンH2受容体を競合的に拮抗することである。
目次
- 1 開発の経緯
- 2 薬理作用
- 3 臨床応用
- 4 ヒスタミンH2受容体拮抗薬の例
- 5 副作用
- 6 参考文献
- 7 関連項目
|
開発の経緯
ヒスタミンH2受容体拮抗薬の原型となっているシメチジンはアメリカのスミスクライン&フレンチ・ラボラトリーズ(SK&F、現在のグラクソ・スミスクライン)でジェームス・ブラックらの研究によって合成された。1964年当時、ヒスタミンが胃酸分泌を促進することは知られていたが旧来のヒスタミンの拮抗薬では胃酸分泌を抑制することはできなかった。この研究過程で彼らはヒスタミン受容体にH1とH2の2つのタイプがあることを明らかにした。彼らはH2受容体について何も判っていなかったので、まずヒスタミンの構造を少し変えた薬品を合成し作用を確かめてみた。
最初の進歩はNα-グアニルヒスタミンだった。この薬品はH2受容体を部分的に拮抗した。この延長線でH2受容体の詳しい構造が判り、最初のH2受容体拮抗薬であるブリマミドの合成に至った。ブリマミドはH2受容体に特異的な競合拮抗薬で作用はNαグアニルヒスタミンの100倍であった。ここにH2受容体の存在は確立した。ブリマミドは経口投与した場合の作用が弱かったのでこれを改良したメチアミド(Metiamide)が開発された。ところがメチアミドには腎毒性と顆粒球の抑制作用が明らかになったのでさらに改良し、ついにシメチジンの開発に至った。
薬理作用
ヒスタミンH2受容体拮抗薬は胃の壁細胞にあるヒスタミンH2受容体を競合的に拮抗する。これにより平時の胃酸の分泌および食物による胃酸の分泌の双方を抑制する。これには2通りのしくみがあると考えられている。ヒスタミンがH2受容体に結合するのを妨げるのと、ガストリンやアセチルコリンの持つ胃酸分泌刺激作用が弱まるということである。
臨床応用
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
- 逆流性食道炎(胃食道逆流症)
- ゾリンジャー・エリスン(Zollinger-Ellison)症候群
- 胸焼け(英: heartburn & acid indigestion)
ヒスタミンH2受容体拮抗薬の例
- シメチジン(商品名:タガメット、アルサメック錠など)
- 塩酸ラニチジン(商品名:ザンタック、アバロンZ、三共Z胃腸薬など)
- ファモチジン(商品名:ガスター、ガスター10など)
- ニザチジン(商品名:アシノン、アシノンZなど)
- 塩酸ロキサチジンアセタート(商品名:アルタット、アルタットA・イノセアワンブロックなど)
- ラフチジン(商品名:プロテカジン、ストガー)
上記はいずれも国内販売名
副作用
ヒスタミンH2受容体は人間の場合、胃壁の他、心筋等にも存在する。ヒスタミンH2受容体拮抗薬は心筋の受容体にも影響を与えるため、不整脈等の心臓の異常を起こすことがある。特に心臓病の患者が摂取することは禁忌とされる。ファモチジンを含む市販薬では死亡例も確認されている。
その他、低血圧、下痢、めまい、頭痛、発赤がみられることがある。シメチジンは抗アンドロゲン作用(性欲の低下、インポテンツ)がみられることがあるが中止すると回復する。
参考文献
- ISBN 4524209182 南江堂 NEW薬理学 改訂第3版(1996年)
- Wikipedia英語版 H₂-receptor antagonistの項
関連項目
薬理学:医薬品の分類 |
|
消化器/代謝(A) |
胃酸中和剤(制酸薬、H2ブロッカー、プロトンポンプ阻害薬) • 制吐薬 • 瀉下薬 • 止瀉薬/止痢薬 • 抗肥満薬 • 経口血糖降下薬 • ビタミン • ミネラル
|
|
血液、血液生成器官(B) |
抗血栓薬(抗血小板剤、抗凝固薬、血栓溶解薬) • 抗出血(血小板、凝固・線溶系、抗線維素溶解性)
|
|
循環器系(C) |
心臓療法/狭心症治療薬(強心配糖体、抗不整脈薬、強心剤) • 高血圧治療薬 • 利尿薬 • 血管拡張薬 • 交感神経β受容体遮断薬 • カルシウム拮抗剤 • レニン-アンジオテンシン系(ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬) • 脂質降下薬(スタチン、フィブラート、胆汁酸捕捉因子)
|
|
皮膚(D) |
皮膚軟化薬 • 瘢痕形成剤 • 鎮痒薬 • 乾癬治療薬 • 他の皮膚薬
|
|
泌尿生殖器系(G) |
ホルモン避妊薬 • 排卵誘発治療 • SERM • 性ホルモン
|
|
内分泌器(H) |
視床下部脳下垂体ホルモン • 副腎皮質ホルモン(糖質コルチコイド、ミネラルコルチコイド) • 性ホルモン • 甲状腺ホルモン/抗甲状腺薬
|
|
感染(J、P、QI) |
抗菌薬 (抗生物質) • 抗真菌薬 • 抗ウイルス薬 • 抗寄生虫薬(抗原虫薬、駆虫薬) • 外部寄生虫駆除剤 • 静注用免疫グロブリン • ワクチン
|
|
悪性腫瘍(L01-L02) |
抗がん剤(代謝拮抗薬、抗腫瘍性アルキル化薬、紡錘体毒、抗悪性腫瘍薬、トポイソメラーゼ阻害薬)
|
|
免疫系(L03-L04) |
免疫調節薬(免疫賦活薬、免疫抑制剤)
|
|
筋肉、骨、関節(M) |
アナボリックステロイド • 抗炎症薬(NSAIDs) • 抗リウマチ • 副腎皮質ホルモン • 筋弛緩剤 • ビスホスホネート
|
|
脳、神経(N) |
鎮痛剤 • 麻酔剤(一般、局所・静脈) • 食欲低下薬 • ADHD治療 • 中毒医学 • 抗てんかん薬 • アルツハイマー治療 • 抗うつ薬 • 片頭痛治療 • パーキンソン病治療 • 抗精神病薬 • 抗不安薬 • 抑制剤 • エンタクトゲン • エンセオジェン • 陶酔薬 • 幻覚剤(精神展開薬、解離性麻酔薬、デリリアント) • 睡眠導入剤/鎮静薬 • 気分安定薬 • 神経保護 • スマートドラッグ • 神経毒 • 食欲促進 • セレニック • 覚醒剤 • 覚醒促進物質
|
|
呼吸器(R) |
鬱血除去薬 • 気管支拡張薬 • 鎮咳去痰薬 • 抗ヒスタミン薬
|
|
感覚器(S) |
眼科学 • 耳科学
|
|
その他ATC(V) |
解毒剤 • 造影剤 • 放射性薬理学 • 湿潤療法
|
|
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- P-0660 ワルファリン服用中にニザチジンとオメプラゾールとの切り替えによりPT-INRの変動が見られた1症例(一般演題 ポスター発表,薬物相互作用,Enjoy Pharmacists' Lifestyles)
- Quetiapine投与後に生じた体重増加と口渇に対してnizatidineが有効であった双極性うつ病の1症例
- ニザチジンが固形食胃排出能に与える影響 : Wagner-Nelson 解析法を適応した^<13>C呼気試験による検討
- 土屋 昭彦
- 日本臨床生理学会雑誌 = Japanese journal of applied physiology 37(2), 109-113, 2007-04-01
- NAID 10019726230
Related Links
- アシノンとは?ニザチジンの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる( おくすり110番:薬事典版)
- ニザチジンカプセル75mg「タイヨー」. 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流 ... ニザチジン カプセル150mg「タイヨー」. 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流 ... 通常、成人にはニザチジン として1回150mgを1日2回(朝食後、就寝前)経口投与する。また1回300mgを1日1回( 就寝 ...
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ニザトリック錠150mg
組成
- 1錠中、ニザチジン150mgを含有する。
添加物として、ヒドロキシプロピルスターチ、ケイ酸Al、セルロース、ヒプロメロース、カルメロースCa、ステアリン酸Mg、タルク、酸化チタン、カルナウバロウを含有する。
効能または効果
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍
- 通常、成人にはニザチジンとして1回150mgを1日2回(朝食後、就寝前)経口投与する。また1回300mgを1日1回(就寝前)経口投与することもできる。なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 逆流性食道炎
- 通常、成人にはニザチジンとして1回150mgを1日2回(朝食後、就寝前)経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 本剤は腎排泄が主であるため、腎機能障害患者に150mgを経口投与した場合、腎機能低下にともなう血漿中半減期の遅延と、血漿クリアランスの低下がみられた。(外国データ)
慎重投与
薬物過敏症の既往歴のある患者
肝障害のある患者
- [本剤は主として肝臓で代謝されるので、血中濃度が上昇するおそれがある。]
腎障害のある患者
- [血中濃度が持続するので、投与量を減ずるか投与間隔をあけて使用すること。]((用法・用量に関連する使用上の注意)の項参照)
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー様症状(いずれも頻度不明)
- ショック、アナフィラキシー様症状(蕁麻疹、血圧低下、気管支痙攣、咽頭浮腫、呼吸困難等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
再生不良性貧血、汎血球減少症、無顆粒球症、血小板減少(いずれも頻度不明)
- 再生不良性貧血、汎血球減少症、無顆粒球症、血小板減少があらわれることがあるので、初期症状として全身倦怠感、発熱、出血傾向等がみられたら、その時点で血液検査を実施し、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
- AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP上昇等の肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- ニザチジンは、胃酸分泌細胞(壁細胞)のヒスタミンH2受容体を遮断して胃酸分泌を抑制する。胃酸はヒスタミン、アセチルコリン、ガストリンによって分泌されるが、胃酸分泌に関与する受容体の中では、H2受容体が最も重要な受容体であり、この受容体においてヒスタミンと拮抗すると最も強力な胃酸分泌抑制を示すことになる。2)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- (1EZ)-N-{2-[({2-[(Dimethylamino)methyl]
thiazol-4-yl}methyl)sulfanyl]ethyl}-N’-
methyl-2-nitroethene-1,1-diamine
分子式
分子量
性 状
- 白色〜微黄白色の結晶性の粉末で、特異なにおいがある。
メタノールにやや溶けやすく、水にやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくい。
融 点
★リンクテーブル★
[★]
商品
[★]
- 英
- H2 blocker H2-blockers
- 同
- H2受容体ブロッカー H2 receptor blocker、H2受容体拮抗薬 H2 receptor antagonist H2RA、ヒスタミンH2受容体遮断薬 ヒスタミンH2受容体拮抗薬 histamine H2-receptor antagonists histamine H2 receptor antagonist histamine H2 antagonist、H2拮抗薬 H2 antagonist H2-antagonist、H2遮断薬、H2ブロッカー
- 関
- 抗ヒスタミン薬
[show details]
GOO.chapter36 p.971
- 十二指腸潰瘍の治癒率を向上する (⇔プロトンポンプ阻害薬)
H2受容体拮抗薬
構造
作用機序
- H1受容体にはほとんど作用しない
- H2受容体に可逆的、競合的に結合してヒスタミンを阻害する。
- 胃粘膜の局所の肥満細胞、ECL細胞
- histamine→H2R→Csα→AC→cAMP↑→PKA→H+,K+-ATPase
- histamine→H2R→[Ca2+]i↑→H+,K+-ATPase ←補助的pathway
- H2RとMRとGRは相互作用しており、胃酸を分泌する。
注意
- 中止すると再発率が高い。そのため半年かけて漸減させゆっくり離脱
- 胃粘膜が減弱している
副作用
- 副作用5%↓
- 汎血球減少症、無顆粒球症
- 肝障害、抗アンドロゲン作用(女性化乳房、乳汁分泌)
- 中止すると再発率が高い。そのため半年かけて漸減させゆっくり離脱
- 胃粘膜が減弱しているから
相互作用
- シメチジン:CYP2D6, CYP3A4阻害作用。 CYPs(CYP1A2,CYP2C9,CYP2D6)の阻害 (GOO.972)
- ラニチジン:CYPs。しかし、シメチジンの10%程度
- ファモチジン、ニザチジン:なし
[★]
- 英
- sodium sulfate
- 商
- 乾燥硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、アストーマ、アスペノン、アプリトーン、アモキシシリン、アモペニキシン、アモリン、アルギスタット、アルフロシン、アレンフラール、アンチレクス、イソパール・P、イノバン、ウレパール、エカテリシン、エクセラーゼ、エクセラーゼ配合、エホチール、エルゴメトリンマレイン酸塩、オーネスSP、オーネスSZ、オーペグ 、カズマリン、ガモファー、カラシミンC、カルデナリン、カルメゾシン、グルコリンS、ケイラーゼA、ケフラール、ケフレックス、ゲンタマイシン、ゲンタロール、コスパノン、コバマミド、コントミン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ジアイナミックス、シーシーエル、シータック、シェトラゾーナ、ジソピラミド、スクリット配合、セクロダン、セフジトレンピボキシル、セフジニル、セブンイー・P、センセファリン、ダイメジンスリービー、ダウンテンシン、タフマックE、ダラシン、タンチパン配合、テクネMAG3、デトキソール、トキクロル、ドキサゾシン、ドキサゾン、ドパミン塩酸塩、トレキサメット、ドロキシドパ、トロキシン、ニザチジン、ニトレナール、ニトロールR、ニフプラス 、ニフレック配合、ニューロライト、ネオ・エフラーゼ配合、ハイポ、プロモーション
- 関
- 塩類下剤