- 英
- acetazolamide
- 同
- アセタゾールアミド acetazol amide
- 商
- ダイアモックス、Dazamide, Diamox
- 関
- 利尿薬
分類
作用機序
- 近位尿細管の上ににはCAは管腔側細胞膜と細胞質に存在。
- HCO3-は原尿としていったん排泄されるが、近位尿細管でH2CO3となり、これがCAによりCO2とH2Oに分解されてCO2(膜透過性が高いので)が近位尿細管上皮に取り込まれる。細胞内でCO2は細胞内に存在するCAによりH+とHCO3-となる。細胞内のH+は管腔側に存在するNa+/H+交換系によって分泌されると共にNa+が取り込まれる。ここでNa+とともにH2Oが再吸収される。細胞内のNa+とHCO3-はNa+/HCO3-共輸送体により血管側に運ばれる。
- 管腔側のCAを阻害することでNa+、HCO3-、およびH2Oは再吸収を受けることなく排泄される (SPC.263)。
適応
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/11/21 21:22:31」(JST)
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アセタゾラミド
|
|
IUPAC命名法による物質名 |
N-(5-(アミノスルホニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-アセトアミド
|
臨床データ |
商品名 |
Diamox |
AHFS/Drugs.com |
monograph |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
- AU: Prescription Only (S4)
- CA: ℞-only
- UK: 処方箋のみ (POM)
- US: ℞-only
|
投与方法 |
経口、静注 |
薬物動態データ |
代謝 |
None[1] |
半減期 |
2-4時間[1] |
排泄 |
尿中 (90%)[1] |
識別 |
CAS番号 |
59-66-5 |
ATCコード |
S01EC01 |
PubChem |
CID: 1986 |
DrugBank |
DB00819 |
ChemSpider |
1909 |
UNII |
O3FX965V0I |
KEGG |
D00218 |
ChEBI |
CHEBI:27690 |
ChEMBL |
CHEMBL20 |
PDB ligand ID |
AZM (PDBe, RCSB PDB) |
化学的データ |
化学式 |
C4H6N4O3S2 |
分子量 |
222.24 g·mol−1 |
SMILES
-
O=S(=O)(c1nnc(s1)NC(=O)C)N
|
InChI
-
InChI=1S/C4H6N4O3S2/c1-2(9)6-3-7-8-4(12-3)13(5,10)11/h1H3,(H2,5,10,11)(H,6,7,9)
-
Key:BZKPWHYZMXOIDC-UHFFFAOYSA-N
|
物理的データ |
融点 |
258 - 259 °C (496 - 498 °F) |
アセタゾラミド (acetazolamide) は、炭酸脱水酵素阻害薬の一種である。錠剤、粉末、注射剤が有る。
目次
- 1 効能・効果
- 2 作用と利用法
- 3 禁忌
- 4 副作用
- 5 用法・用量
- 6 参考文献
- 7 引用資料
効能・効果
- 緑内障
- てんかん(他の抗てんかん薬で効果不十分な場合に付加)
- 肺気腫における呼吸性アシドーシスの改善
- 心性浮腫(錠剤及び粉末剤)
- 肝性浮腫(錠剤及び粉末剤)
- 月経前緊張症(錠剤及び粉末剤)
- メニエル病及びメニエル症候群
- 睡眠時無呼吸症候群(錠剤のみ)
作用と利用法
アセタゾラミドは主として近位尿細管で作用し、炭酸脱水酵素を阻害することによりHCO−
3の再吸収を抑制する。利尿作用を持つが、主として利尿薬としてではなく緑内障の治療薬として用いる。毛様体上皮に作用して房水の産生を減少させる事に因る。また内耳で局所的にリンパ分泌を抑制する為メニエール病に用いられ、体内貯留水分の排泄や神経系に対する抑制作用に依る月経前緊張症の症状緩和効果や、脳内CO2濃度の局所的増大効果を利用してのてんかんの薬物治療の補助にも用いられている[2]:11-12。そのほか、脳脊髄液の産生抑制を目的に水頭症の治療に使用される。
高山病予防
なお、これらとは別に、アセタゾラミドが腎臓で炭酸脱水素酵素を阻害したために代謝性アシドーシスが起こった結果(副作用が起こった結果)、代償的に呼吸性アルカローシス(肺から炭酸を捨てることで血液のpHを上げようとすること)が起こる、つまり過換気気味となりがちである。これを利用して、高山病の発生を、ある程度予防するという使い方がなされる例も見られる。このように、副作用とされてきた作用を、主作用として用いる例も見られる。しかしながら、たとえアセタゾラミドを使用したところで、絶対に高山病を発症しないというわけではない。
脳循環予備能検査薬
アセタゾラミドは脳血管拡張作用を持つ為、適応外使用ではあるが20年以上に亘り脳循環予備能の評価の際に用いられてきた。然し急性心不全や肺水腫等の重篤な副作用が発生し、死亡に至る例も有ったため、日本脳卒中学会、日本脳神経外科学会、日本神経学会、日本核医学会の4学会から為るアセタゾラミド(ダイアモックス)適正使用合同検討委員会は2014年6月に緊急声明を発表し、検査が必要不可欠な場合にのみ実施する事、患者の同意を得る事、呼吸モニターや心電図モニター等を実施する事を呼びかけた[3]。
禁忌
以下の患者には禁忌である。
- 肝硬変等の進行した肝疾患又は高度の肝機能障害の有る患者
- 無尿、急性腎不全の患者
- 高クロール血症性アシドーシス
- 体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している患者
- (長期投与禁忌)慢性閉塞隅角緑内障の患者
副作用
添付文書に記載されている重大な副作用は、代謝性アシドーシス、電解質異常、ショック、アナフィラキシー様症状、再生不良性貧血、溶血性貧血、無顆粒球症、血小板減少性紫斑病、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、急性腎不全、腎・尿路結石、精神錯乱、痙攣、肝機能障害、黄疸である[4]。
妊娠マウスを用いた実験では、胎児の死亡や骨形成不全等が観察されている[4]。
用法・用量
- 1日250~1,000mgを分割経口投与する。
- てんかん(他の抗てんかん薬で効果不十分な場合に付加)
- 1日250~750mgを分割経口投与する。
- 肺気腫における呼吸性アシドーシスの改善、心性浮腫、肝性浮腫
- 1日1回250~500mgを経口投与する。
- 1日1回125~375mgを月経前5~10日間又は症状が発現した日から経口投与する。
- 1日1回250~750mgを経口投与する。
- 1日250~500mgを分割経口投与する。
参考文献
- 獣医学大辞典編集委員会編集 『明解獣医学辞典』 チクサン出版社 1991年 ISBN 4-88500-610-4
- 伊藤勝昭ほか編集 『新獣医薬理学 第二版』 近代出版 2004年 ISBN 4-87402-101-8
引用資料
- ^ a b c “Diamox Sequels (acetazolamide) dosing, indications, interactions, adverse effects, and more”. Medscape Reference. WebMD. 2014年4月10日閲覧。
- ^ “ダイアモックス末/ダイアモックス錠250mg インタビューフォーム”. 三和化学研究所 (2011年12月). 2015年4月15日閲覧。
- ^ “【緊急】ダイアモックス注射用による重篤な副作用の発生について”. 日本核医学会 (2014年6月18日). 2015年4月15日閲覧。
- ^ a b “ダイアモックス末/ダイアモックス錠250mg 添付文書” (2011年12月). 2015年4月15日閲覧。
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- 1. 急性高山病および高地脳浮腫 acute mountain sickness and high altitude cerebral edema
- 2. 利尿剤の作用機序 mechanism of action of diuretics
- 3. 換気調節障害 disorders of ventilatory control
- 4. 片麻痺性片頭痛 hemiplegic migraine
- 5. 腫瘍崩壊症候群:予防および治療 tumor lysis syndrome prevention and treatment
Japanese Journal
- QSPECTによる脳血流測定 : PETとの比較(<特集>最新の画像診断法)
- 松田 博史,今林 悦子,瀬戸 陽,伊藤 公輝,久慈 一英,島野 靖正
- 脳神経外科ジャーナル 20(9), 648-654, 2011-09-20
- … ^<123>I-IMPを用いたdual table autoradiogaphy(DTARG)定量的SPECT(QSPECT)を一側性の閉塞性脳血管障害患者15例に施行した.この方法により得られた安静時脳血流量とアセタゾラミド負荷時の血管反応性から血行力学的脳虚血の重症度分類をStage 0〜IIまでの3段階に分類した.このDTARG QSPCT分類を,同時期に施行した^<15>Oガス吸入によるPET測定から分類した重症度分類と比較した.15例中10例では,QSPECTとPET分類がStage II(QSPECTでは安静時 …
- NAID 110008712060
- ^<123>I-iomazenilおよび脳血流single-photon emission computed tomographyを用いた貧困灌流の検出精度:アセタゾラミド反応性との比較
- アセタゾラミドの酸塩基平衡に与える影響--simplified Stewart approachによる解析
- 臨床報告 アセタゾラミドの長期内服により発症した重症再生不良性貧血の1例
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ダイアモックス末
組成
- ダイアモックス末は、「日局」アセタゾラミドである。
禁忌
次の患者には投与しないこと
- 本剤の成分又はスルホンアミド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- 肝硬変等の進行した肝疾患又は高度の肝機能障害のある患者[血中アンモニア濃度を上昇させ、肝性昏睡を誘発するおそれがある。]
- 無尿、急性腎不全の患者[本剤の排泄遅延により副作用が強くあらわれるおそれがある。]
- 高クロール血症性アシドーシス、体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している患者、副腎機能不全・アジソン病の患者[電解質異常が増悪されるおそれがある。]
次の患者には長期投与しないこと
- 慢性閉塞隅角緑内障の患者[緑内障の悪化が不顕性化されるおそれがある。]
効能または効果
ダイアモックス末
- 緑内障、てんかん(他の抗てんかん薬で効果不十分な場合に付加)、肺気腫における呼吸性アシドーシスの改善、心性浮腫、肝性浮腫、月経前緊張症、メニエル病及びメニエル症候群
ダイアモックス錠250mg
- 緑内障、てんかん(他の抗てんかん薬で効果不十分な場合に付加)、肺気腫における呼吸性アシドーシスの改善、心性浮腫、肝性浮腫、月経前緊張症、メニエル病及びメニエル症候群、睡眠時無呼吸症候群
緑内障
- 通常、成人にはアセタゾラミドとして1日250〜1,000mgを分割経口投与する。
てんかん(他の抗てんかん薬で効果不十分な場合に付加)
- 通常、成人にはアセタゾラミドとして1日250〜750mgを分割経口投与する。
肺気腫における呼吸性アシドーシスの改善、心性浮腫、肝性浮腫
- 通常、成人にはアセタゾラミドとして1日1回250〜500mgを経口投与する。
月経前緊張症
- 通常、成人にはアセタゾラミドとして1日1回125〜375mgを月経前5〜10日間又は症状が発現した日から経口投与する。
メニエル病及びメニエル症候群
- 通常、成人にはアセタゾラミドとして1日1回250〜750mgを経口投与する。
睡眠時無呼吸症候群[ダイアモックス錠250mgのみ]
- 通常、成人にはアセタゾラミドとして1日250〜500mgを分割経口投与する。
- なお、いずれの場合も、年齢、症状により適宜増減する。
慎重投与
- 重篤な冠硬化症又は脳動脈硬化症の患者[急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。]
- 重篤な腎障害のある患者[本剤の排泄遅延により副作用が強くあらわれるおそれがある。]
- 肝疾患・肝機能障害のある患者[血中アンモニア濃度を上昇させ、肝性昏睡を誘発するおそれがある。]
- 糖尿病又は耐糖能異常のある患者[血糖値の異常変動が報告されている。]
- レスピレータ等を必要とする重篤な高炭酸ガス血症の患者[アシドーシスを進行させることがある。]
- ジギタリス剤、糖質副腎皮質ホルモン剤又はACTHを投与中の患者[「相互作用」の項参照]
- 減塩療法時の患者[低ナトリウム血症を起こすおそれがある。]
- 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
- 乳児[「小児等への投与」の項参照]
重大な副作用
ショック
- ショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
再生不良性貧血、溶血性貧血、無顆粒球症、血小板減少性紫斑病
- 再生不良性貧血、溶血性貧血、無顆粒球症(前駆症状として発熱、咽頭痛、インフルエンザ様症状等があらわれる場合がある)の重篤な血液障害、また、骨髄機能低下、白血球減少、血小板減少、血小板減少性紫斑病等があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性腎不全、腎・尿路結石
- 急性腎不全、腎・尿路結石があらわれることがあるので、観察を十分に行い、血尿、結晶尿、乏尿等があらわれた場合には、投与を中止すること。
精神錯乱、痙攣
- 精神錯乱、痙攣等の中枢神経症状があらわれることがあるので観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸
- AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P等の上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- 炭酸脱水酵素は腎上皮、赤血球、脳、毛様体上皮等に存在し、生体内で、炭酸ガスと水から炭酸を生成する可逆反応(CO2+H2O←→H2CO3)にあずかる酵素である。アセタゾラミドはこの酵素を特異的に抑制し、以下の作用を発揮する。
眼圧低下4)
- アセタゾラミドは毛様体上皮中に存在する炭酸脱水酵素の作用を抑制することによって房水の産生を減じ、眼圧を低下させるといわれている。
てんかん発作の抑制5)
- アセタゾラミドは中枢神経組織内に存在する炭酸脱水酵素を抑制し、脳のCO2濃度を局所的に増大させることにより、脳の異常な興奮を抑制して、精神神経系の諸症状を緩解すると考えられている。
呼吸性アシドーシス・睡眠時無呼吸の改善6〜9)
- アセタゾラミドは炭酸脱水酵素抑制作用により肺胞中のHCO3-の尿中排泄を増加させるとともに、他方代謝性アシドーシスを起こし、H+を増加させる。増加したH+により呼吸中枢が刺激され、換気量が増大し、併せて低酸素・炭酸ガス換気応答が改善される。この換気量の増大により血中O2が増加し、CO2は減少し、呼吸性アシドーシス・無呼吸による睡眠中の低酸素血症が改善する。また、換気応答の改善により睡眠中の呼吸感受性が維持され、無呼吸の回数が減少する。
利尿10)
- アセタゾラミドは腎上皮において炭酸脱水酵素の働きを抑制し、Na+並びにHCO3-の尿細管からの再吸収を抑制することによって利尿効果をあらわす。その効果は投与後6〜12時間持続する。
月経前緊張症の緩解11)
- アセタゾラミドによる体内貯留水分の排泄、神経系に対する抑制作用が本症の症状を緩解するといわれている。
メニエル症候群の改善12)
- メニエル症候群に対するアセタゾラミドの効果は内耳の局所的リンパ分泌抑制作用、利尿による内耳水腫の除去、中枢神経系に対する抑制作用等によるといわれている。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- アセタゾラミド(Acetazolamide)〔JAN〕
化学名
- N-(5-Sulfamoyl-1,3,4-thiadiazol-2-yl)acetamide
分子式
分子量
融点
性状
- 「日局」アセタゾラミドは白色〜微黄白色の結晶性の粉末で、においはなく、味はわずかに苦い。エタノール(95)に溶けにくく、水に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
[★]
- 英
- antiepileptic drug, antiepileptic antiepileptics
- 関
- てんかん、薬理学
抗てんかん薬
*1 第一選択薬ではない
*2 他薬が無効な精神運動発作のみに使用
*3 てんかん重積の第一選択薬
*4 第一選択薬
新規の抗てんかん薬
抗てんかん薬の選択
- 部分発作:カルバマゼピン、バルプロ酸
- 全般発作:バルプロ酸、フェニトイン
- ミオクローヌス発作:クロナゼパム
[★]
- 英
- diuretic, diuretics
- 関
- 尿細管
適応
利尿薬の種類 (GOO.744)
利尿薬の例
-
利尿薬の作用部位
- ホルモンと利尿薬の作用部位についての簡単なまとめは→尿細管
参照
- http://hobab.fc2web.com/sub4-Diuretics.htm
[★]
- 英
- metabolic acidosis
- 関
- アシドーシス、酸塩基平衡異常
酸塩基平衡異常とその代償 SP.660
原因
a. アニオンギャップの開大するアシドーシス 有機酸の蓄積
- 代謝アシドーシスをきたしているとき、HCO3-によりH+を滴定するため、HCO3-が減少する。HCO3-の減少を、Cl-ではない陰イオンが増加することで生体内の電気的中性を保つような病態ではアニオンギャップが開大する。
- (病態の形成機序としては不揮発酸が増大した結果としてHCO3-が減少しているのだが)
- (1)腎不全時のリン酸、硫酸の増加、(2)低酸素血症時の乳酸の増加[ 乳酸アシドーシス ]、(3)ケトン体増加[ 糖尿病性ケトアシドーシス ]
b. アニオンギャップの開大しない代謝性アシドーシス プロトン過剰 or HCO3-喪失
- 水・電解質と酸塩基平衡 改訂第2版
- メカニズム:代謝アシドーシスでは、HCO3-によりH+を滴定されておりHCO3-が減少する。代償的にCl-が増加してアニオンジャップが正常になっている(Cl-の値に注意する)。
- (不揮発性酸の過剰産生ではなく、代謝的にHCO3-の過剰喪失、H+の過剰産生、H+の排泄障害が考えられる)
-
症状
検査
- 血液ガス:pH↓
- 尿検査:カルシウム排泄増加 ← 遠位尿細管でのカルシウム再吸収が抑制されるため。
治療
- 重炭酸ナトリウム投与:volume overload、イオン化カルシウムの減少によりテタニーに注意
- 後者は、急激にpHを上げると、アルブミンが負に帯電、イオン化カルシウムが急激に減少することでテタニーを生じる。このような場合にはグルコン酸カルシウムの投与を行う。(QB.D-354)
その他
- 代謝性アシドーシスでは、呼吸性代償が機能していれば、PaCO2=pHの小数点以下2桁、となる。pH 7.34の代謝性アシドーシスではPaCO2 34Torrが期待されるが、34を大きく上回る場合、呼吸性代償が機能していないと判断される。(出典不明)
[★]
- 英
- hypophosphatemia、hypophosphataemia
- 同
- (国試)低リン血症、低P血症
- 関
- リン。低リン血症性。低リン血症性。hypophosphatemic、hypophosphataemic
[show details]
概念
原因
uptodate
- 改変
生体内での再分布
腸管からの吸収低下
- 摂取量低下
- リン酸の吸収を阻害する薬剤の摂取(制酸剤(アルミニウム制酸剤)、リン酸結合物質(炭酸カルシウム)、ナイアシンなど)
- 嘔吐
- 脂肪便、下痢
- 吸収不良症候群
- ビタミンD欠乏、ビタミンD抵抗性
尿からの排泄増加
腎代替療法による除去
臨床関連
- リンは骨や歯を形成するのに不可欠な物質であり、血清リン酸の低下が持続すると骨石灰化障害を来す
参考
- Hypophosphatemia - Sandeep Sharma; Muhammad F. Hashmi; Danny Castro.
- https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK493172/
[★]
- 英
- sleep apnea syndrome, SAS
- 同
- 睡眠時無呼吸 sleep apnea
- 関
- いびき=鼾、睡眠覚醒障害、睡眠障害
3つのS
- snores, stops breathing, sleepy
- いびき、無呼吸、ねむたい
無呼吸の定義
定義
- 一晩7時間の睡眠中に「無呼吸」が30回以上認められ、この無呼吸が、ノンレム睡眠時にも出現。
- 昼間時の眠気などの臨床症状があり、睡眠1時間当たりの「無呼吸」が5回以上である場合。(つまり1時間あたりのAHIが5以上)
疫学
- 男性(男女比は5:1)。中高年。肥満者。いびきをかく。
- 閉塞型が最も多い。
病型
閉塞型睡眠時無呼吸症候群 obstructive SAS, OSAS
- 睡眠に伴い、軟口蓋から下咽頭周辺の狭窄・閉塞(上気道の狭小化を伴う病態)が原因となり、無呼吸・低呼吸を繰り返すもの。
- 原因:鼻中隔弯曲、咽頭癌、扁桃腺肥大、アデノイド過形成、顎顔面形態の異常(小顎症など)
- 無呼吸・低呼吸の都度、覚醒反応から呼吸再開が起こるため、日中の眠気を訴えることが多い。ないこともある。
- OSASに伴う頻回の覚醒はまた交感神経活動の亢進を伴うため、一過性血圧上昇ばかりではなく、糖・脂質代謝に対する影響を介し、動脈硬化の促進などにかかわることが示唆されている。
- →高血圧、糖尿病、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などの有病率↑
中枢型睡眠時無呼吸症候群 central SAS, CSAS
- 原因入眠困難、慢性心不全・脳血管障害の一部に伴うチェーン・ストークス呼吸など
混合型睡眠時無呼吸症候群
問診
問診票
検査
治療
[★]
- 英
- acetazolamide sodium
- 関
- アセタゾラミド