- 英
- fenoterol
- 化
- 臭化水素酸フェノテロール fenoterol hydrobromide
- 商
- ウガコール、シオベテック、ベロテック、ポルボノール、モンブルト
- 関
- 気管支拡張剤
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/01/28 00:24:18」(JST)
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フェノテロール
|
IUPAC命名法による物質名 |
(RR,SS)-1-(3,5-Dihydroxyphenyl)- 2-[-2-(4-hydroxyphenyl)- 1-methylethylamino]ethanol
|
臨床データ |
胎児危険度分類 |
|
投与方法 |
吸入、経口 |
識別 |
CAS番号 |
13392-18-2 |
ATCコード |
R03AC04 G02CA03 |
PubChem |
CID: 3343 |
KEGG |
D04157 |
化学的データ |
化学式 |
C17H21NO4 |
分子量 |
303.35 g/mol |
フェノテロール(fenoterol)は短時間作用性β2アドレナリン受容体刺激剤であり、喘息や慢性閉塞性肺疾患の治療に使われる。
目次
- 1 概要
- 2 商品名
- 3 喘息死との関連
- 4 日本での「ベロテック問題」
- 5 脚注
概要
フェノテロールは吸入されると肺へと達してβ2アドレナリン受容体を活性化し、気管支平滑筋を弛緩させる(気管支拡張剤)。それは短時間作用性気管支拡張剤の一つとして分類され、気管支喘息または慢性閉塞性肺疾患の必須薬して用いられる。効果は吸入の数分後から現れ、3~5時間持続する。副作用として振戦、動悸、不安、めまい、頭痛、不整脈、などが起こりうる。
商品名
臭化水素酸フェノテロールは日本では以下の商品名で販売されている。
- ベロテックBerotec (日本ベーリンガーインゲルハイム)
- エミテックスEmitex (長生堂、ジェネリック)
- モンブルトMonburt (日新、ジェネリック)
- ポルボノールPolbonol (ローマン=高田、ジェネリック)
- シオベテックSiobetec (シオノ、ジェネリック)
- ウガコールUgacor (大原、ジェネリック)
定量噴霧式吸入器(MDI)のベロテックエロゾル(日本ベーリンガーインゲルハイム)は、添加剤としてかつてCFC(特定フロン)が使われていたが、現在はHFA(代替フロン)に切り替えられている。
喘息死との関連
ニュージーランドでは1990年代前半までフェノテロールが広く使われていたが、本薬が喘息死の第二の流行の要因であるという証拠[1]に応えて、ニュージーランド厚生省は使用を厳しく制限した。その後ニュージーランドでは喘息の悪化が著しく減少したため、喘息死の流行はフェノテロールが原因だったとする主張がある[2]。ただし、同じデータを再分析した結果、喘息悪化の減少はフェノテロールではなく、吸入副腎皮質ステロイド剤の使用の増加と強く関連している、という反論がある[3]。
日本での「ベロテック問題」
1997年ごろ、薬害オンブズパースンやジャーナリストの櫻井よし子は、喘息患者の死亡は当時最もよく使われていたβ2刺激剤であるベロテックの心臓への副作用が原因であると主張し、当時の厚生省と販売元の日本ベーリンガーインゲルハイム社にベロテックの販売中止を要求するなどの運動が起こしていた[4]。当時専門家によって、β2刺激剤の常用による耐性の発生や、β2刺激剤の乱用を許すことによる通院の遅れなどによって、喘息悪化・喘息死のリスクが増大していることは指摘されていた[5][6]。しかし同時に、発作時のβ2刺激剤の使用は喘息治療に必須であることも認められていた。薬害オンブズパースンらは、喘息治療の現場への無知、喘息死に対する誤解(喘息死のほとんどは喘息症状の悪化によるものであり、β2刺激剤の副作用ではない)、データの悪質な誤用による主張などがあり、喘息の専門家・患者団体からの支持をまったく受けることができず、現場を混乱させたとして批判されている。
脚注
- ^ Crane, J. et al. (1989). “Prescribed fenoterol and death from asthma in New Zealand, 1981-83: case-control study”. Lancet (Elsevier) 1989 (1): 917-922. http://www.blackwell-synergy.com/doi/abs/10.1111/j.1445-5994.1997.tb00967.x.
- ^ Kemp, T. and Pearce, N. (1997). “The decline in asthma hospitalisations in persons aged 0–34 years in New Zealand”. Internal Medicine Journal (Blackwell) 27 (5): 578-581. http://www.blackwell-synergy.com/doi/abs/10.1111/j.1445-5994.1997.tb00967.x.
- ^ Suissa, S. and Ernst, P. (1997). “Optical illusions from visual data analysis: Example of the New Zealand asthma mortality epidemic”. Journal of Clinical Epidemiology (Elsevier) 50 (10): 1079-1088. http://www.jclinepi.com/article/S0895-4356(97)00158-3/abstract.
- ^ http://www.id.yamagata-u.ac.jp/LaboratoryMedicine/Asthma/tokusyuu/tokusyuu.frame.html
- ^ http://rods777.ddo.jp/~s002/tisiki/berokiken/berokiken.html
- ^ Spitzer, W. O. et al. (1992). “The use of beta-agonists and the risk of death and near death from asthma”. NEJM. (Massachusetts Medical Society) 326 (8): 501-506. http://content.nejm.org/cgi/content/abstract/326/8/501.
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- モルモット気道を用いた吸入β_2刺激薬の長期反復暴露による気道壁リモデリングの形成に関する検討-フェノテロールとプロカテロールの比較-
- 臭化フェノテロールのβ_2選択性についてβ_2選択性の表示に関する問題点
- フェノテロール吸入剤の安全性について : 過去の完全性に基づく総合評価の試み
Related Links
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ポルボノールドライシロップ0.25%
組成
- ポルボノールドライシロップ0.25%は、1g中に次の成分を含有する。
有効成分・含有量
添加物
- 精製白糖、D-マンニトール、ヒプロメロース、pH調整剤、ステアリン酸ポリオキシル40、ジメチルポリシロキサン、二酸化ケイ素、グリセリン脂肪酸エステル、含水二酸化ケイ素、ショ糖脂肪酸エステル、香料、カラメル
禁忌
カテコールアミン(アドレナリン、イソプレナリン等)を投与中の患者
本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
下記疾患の気道閉塞性障害に基づく呼吸困難など諸症状の緩解
ポルボノールドライシロップ0.25%
- 通常幼小児に対し、1日0.15g/kg(フェノテロール臭化水素酸塩として0.375mg/kg)を3回に分け、用時溶解して経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、標準投与量は通常、
- ◆0.5〜1歳未満 0.6〜1.2g(フェノテロール臭化水素酸塩として1.5〜3.0mg)
- ◆1〜3歳未満 1.2〜1.8g(フェノテロール臭化水素酸塩として3.0〜4.5mg)
- ◆3〜5歳未満 1.8〜3.0g(フェノテロール臭化水素酸塩として4.5〜7.5mg)を1日量とし、1日3回に分け、用時溶解して経口投与する。
ポルボノールドライシロップ0.5%
- 通常幼小児に対し、1日0.075g/kg(フェノテロール臭化水素酸塩として0.375mg/kg)を3回に分け、用時溶解して経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、標準投与量は通常、
- ◆0.5〜1歳未満 0.3〜0.6g(フェノテロール臭化水素酸塩として1.5〜3.0mg)
- ◆1〜3歳未満 0.6〜0.9g(フェノテロール臭化水素酸塩として3.0〜4.5mg)
- ◆3〜5歳未満 0.9〜1.5g(フェノテロール臭化水素酸塩として4.5〜7.5mg)を1日量とし、1日3回に分け、用時溶解して経口投与する。
慎重投与
甲状腺機能亢進症の患者
高血圧症の患者
心疾患のある患者
糖尿病の患者
高齢者
重大な副作用
- 頻度不明
- β2刺激剤により重篤な血清カリウム値の低下が報告されている。また、β2刺激剤による血清カリウム値の低下作用は、キサンチン誘導体、ステロイド剤及び利尿剤の併用により増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること。さらに、低酸素血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある。このような場合には、血清カリウム値をモニターすることが望ましい。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- フェノテロール臭化水素酸塩(Fenoterol Hydrobromide)
化学名
- (R*,R*)-1-(3,5-Dihydroxyphenyl)-2-〔1-(4-hydroxybenzyl)ethylamino〕ethanol hydrobromide
分子式
分子量
性状
- フェノテロール臭化水素酸塩は、白色の結晶性の粉末である。
メタノールに溶けやすく、水又はエタノール(95)にやや溶けやすく、ギ酸にやや溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
融点
★リンクテーブル★
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- 英
- short-acting β-agonists, SABA
- 関
- 長時間作用型β2刺激薬 LABA
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短時間作用型吸入β2刺激薬 : 78 件
短時間作動型吸入β2刺激薬 : 約 3,590 件
短時間作用型β2刺激薬 : 約 8,370 件
短時間作動型β2刺激薬 : 65 件
短時間作用型吸入β刺激薬 : 31 件
短時間作動型吸入β刺激薬 : 1 件
短時間作用型β刺激薬 : 約 71 件
短時間作動型β刺激薬 : 32 件
短時間作用型吸入β2刺激薬 SABA : 42 件
短時間作動型吸入β2刺激薬 SABA : 6 件
短時間作用型β2刺激薬 SABA : 74 件
短時間作動型β2刺激薬 SABA : 19 件
短時間作用型吸入β刺激薬 SABA : 2 件
短時間作動型吸入β刺激薬 SABA : 約 2,130 件
短時間作用型β刺激薬 SABA : 15 件
短時間作動型β刺激薬 SABA : 9 件
- 小発作から大発作の救急対応で反復吸入するkey drug
- 20-30分おきにネブライザーで吸入。脈拍が130/分以下を保つようにする。
[★]
- 英
- drug-induced hypoglycemia
- 同
- 薬剤性低血糖症
- 関
- 低血糖
低血糖を引きおこす薬剤
- DMR.295
[★]
フェノテロール
- 関
- fenoterol hydrobromide