- 英
- cibenzoline
- 化
- コハク酸シベンゾリン シベンゾリンコハク酸塩 cibenzoline succinate
- 商
- シベノール、シノベジール
- 関
- 不整脈用剤
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 薬剤師が気をつけたい高齢者の薬--処方薬の効果・副作用・相互作用(3)シベンゾリンによる低血糖
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- シベノール(シベンゾリン)の作用機序:抗不整脈薬 心臓は規則正しく拍動を繰り返しています。しかし、病気によって心臓の拍動が不規則になってしまいうことがあります。これを不整脈と呼び、突然死を引き起こすこともあります。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
シベノール静注70mg
組成
有効成分(1管5mL中)
添加物
禁忌
- 高度の房室ブロック、高度の洞房ブロックのある患者[心停止を起こすおそれがある。]
- うっ血性心不全のある患者[心機能抑制作用及び催不整脈作用により、心不全を悪化させるおそれがある。また、循環不全により肝・腎障害があらわれるおそれがある。]
- 透析中の患者[急激な血中濃度上昇により意識障害を伴う低血糖などの重篤な副作用を起こしやすい。(本剤は透析ではほとんど除去されない。)]
- 緑内障、尿貯留傾向のある患者[抗コリン作用を有するため症状を悪化させるおそれがある。]
- ,*バルデナフィル塩酸塩水和物、モキシフロキサシン塩酸塩、トレミフェンクエン酸塩又はフィンゴリモド塩酸塩を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
効能または効果
- 頻脈性不整脈
- 通常、成人には1回0.1mL/kg(シベンゾリンコハク酸塩として1.4mg/kg)を必要に応じて生理食塩液又はブドウ糖液にて希釈し、血圧及び心電図監視下2〜5分間かけて静脈内に注射する。
なお、年齢、症状により適宜減量する。
慎重投与
- 基礎心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)のある患者
- 刺激伝導障害(房室ブロック、洞房ブロック、脚ブロック等)のある患者
- 著明な洞性徐脈のある患者
- 重篤な肝機能障害のある患者
- 腎機能障害のある患者[蓄積しやすい傾向があるので、少量を投与するなど投与量に十分に注意し、慎重に観察しながら投与すること。]
- 高齢者[腎機能が低下していることが多いので、腎機能障害のある患者に準じて投与すること。(「高齢者への投与」及び「薬物動態」の項参照)]
- 治療中の糖尿病患者[低血糖があらわれるおそれがあるので、血糖値に注意すること。]
- 血清カリウム低下のある患者[催不整脈作用が誘発されやすいので、心電図変化に注意すること。]
重大な副作用
催不整脈作用
- 心室細動(0.1%未満)、心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)、上室性不整脈(各0.1〜5%未満)があらわれ、心停止に至る場合もあるので、心電図に異常な変動が観察された場合には、投与を中止し、抗不整脈薬を投与するなど適切な処置を行うこと。
ショック
- ショック(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、胸内苦悶、冷汗、呼吸困難、血圧低下、浮腫等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
心不全
- 心不全、心原性ショック(各0.1%未満)があらわれることがあるので、心機能に異常な変動が観察された場合には、投与を中止し、ドパミンの投与等適切な処置を行うこと。
重篤な肝障害
- 本剤の心機能抑制作用及び催不整脈作用に起因する循環不全によって重篤な肝障害(トランスアミナーゼ、LDHの急激な上昇を特徴とするショック肝:0.1%未満)があらわれることがある。このような場合には、投与を中止し、早急にドパミンの投与等心機能改善のための処置を行うとともに、必要に応じ肝庇護療法など適切な処置を行うこと。なお、このような症例では、腎障害を伴うことがある。
薬効薬理
不整脈モデルに対する作用
電気刺激による不整脈11)12)
- 麻酔ネコにおいて、心室細動を生ずる電気刺激閾値を増加させる。また、冠動脈結紮により心筋梗塞を作成したイヌにおいても、電気刺激による心室細動を抑制する。
薬物投与による不整脈11)13)
- 麻酔ラットないし麻酔イヌにおいて、アコニチン、ウワバイン及びアドレナリンにより惹起された心室性不整脈を抑制する。
冠動脈結紮による不整脈11)13)
- イヌにおいて、冠動脈二段階結紮により惹起される心室性不整脈を抑制し、その効果はジソピラミドに比べ強く、持続的である。
電気生理学的作用11)14)〜16)
- ウサギ、イヌ、モルモット及びカエルの各種摘出心筋標本で、Vaughan Williamsらの分類でのクラスI型(心筋活動電位の最大脱分極速度の抑制)の作用を示し、この抑制開始速度のキネティックスは中程度である。なお、活動電位の持続時間の延長及び高濃度において内向きCa2+電流の抑制作用を示す。また、低酸素によって惹起される心房活動電位の持続時間の短縮を抑制する。
心筋代謝に対する作用17)
- 麻酔イヌにおいて、心筋虚血による心筋ATP含量の低下、乳酸含量の増加及び心筋アシド−シスに対して改善作用を示す。
心血行動態に対する作用
- 抗不整脈作用発現量では血行動態に対して特に障害となる影響を及ぼさない。すなわち麻酔イヌあるいは冠動脈狭窄イヌにおいて心筋収縮力、心拍出量及び左心室仕事量に対する抑制作用はジソピラミドよりも弱く、また、左心室内圧max dp/dtに対して影響を及ぼさない18)。
- 不整脈患者において、本剤1.4mg/kgを静脈内投与した場合、軽度の心拍数抑制、心係数抑制並びに末梢血管抵抗の上昇がみられるが、他の心血行動態パラメーターに変化は認められない2)。
腎動脈及び冠動脈血流量に対する作用
- 腎動脈及び冠動脈血流量に対しても特に明らかな影響を及ぼさない(イヌ)19)20)。
有効成分に関する理化学的知見
分子式
分子量
融点
分配係数
性状
- シベンゾリンコハク酸塩は白色の結晶性の粉末である。メタノール又は酢酸(100)に溶けやすく、水又はエタノール(99.5)にやや溶けにくい。本品のメタノール溶液(1→10)は旋光性を示さない。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- atrial fibrillation, AF, AFIB
- 関
- 心房粗動、心室細動
定義
- 心房細動は心房が高頻度に、しかも同期せずに興奮する状態である。その結果、心房は心室に血液を送るための律動的な収縮を行えなくなり、また心室の興奮も不規則となる。 (参考2)
分類
- 参考2
- 基礎心疾患を認めず,高血圧もない症例に出現した心房細動
完全房室ブロックを伴う心房細動(EAB 135)
原因
心房細動を合併しやすい病態
- 医学大事典
- 虚血性心疾患、高血圧症、リウマチ性心疾患、心筋症、呼吸器疾患、甲状腺機能亢進症、高齢者心房中隔欠損症、WPW症候群など
- 心房負荷で僧帽弁狭窄症を来しやすい
甲状腺機能亢進症
危険因子 QB.C-410
- 高齢者(65歳以上)
- 脳卒中の既往
- 高血圧
- 心不全
- 心房・心室拡大
症状
- 頻拍に因る:動悸、胸部圧迫感
- 拍出量低下による:(器質的心疾患のある場合)心不全
- 心房収縮低下による:心房内血栓形成 → 血栓塞栓症
- 血栓塞栓症は心房細動の時と心房細動から洞調律に復帰させるときに起こりやすい。
心電図
- 着目する誘導:P波 = II誘導、f波 = V1誘導
- 1. f波の出現(400-700/分(EAB.160), 350-600/分(PHD.295))←多数興奮旋回 multiple reentry
- 2. P波の欠如
- 3. RR間隔が不整 ← f波が時々心室に伝わるため
- 絶対性不整脈
[show details]
治療
QB.C-410
- 血行動態が不安定:電気的除細動
- 血行動態が安定 :2-3週間抗凝固療法を行ってから薬物的な除細動Class Ia(APD↑), Class Ic(APD±)
- 48-72時間以内に新規発症した心房細動では抗凝固療法不要
- 経食道心エコーにより左房内血栓を認めなければ、除細動施行。
- 慢性経過(6ヶ月程度)した慢性心房細動では除細動を行っても再発する率が高いので、除細動の適応にはならない????
概要
- 薬物療法と抗凝固療法を施行する
- electrical direct-current cardioversionによる洞調律の回復は、頻脈の時にすべき(心房の興奮が心室に伝導しているとき)
- カテーテルアブレーションは症状があって、かつ他の内科的治療法が奏効しない特に行う
- 外科治療はMaze手術がある
薬物治療
- 心室への興奮の伝達を抑制:Class II, class IV, or digitalis
- 除細動 :Class Ia(APD↑), Class Ic(APD±), Class III
薬物治療 (不整脈薬物治療に関するガイドライン Guidelines for Drug Treatment of Arrhythmias (JCS 2004))
抗凝固療法
- ワーファリンはINR 1.6-2.5に調節。欧米では2.0-3.0。 (QB.C347)日本人ではPT-INRを1.5-2.0に設定。 治療域が狭く個人差が大きいのでPT-INRをモニターする。
- C cardiac failure
- H hypertension
- A age >75yr
- D disbites mellitus
- S2 prior stroke or TIA
- 0 LOW: aspirin 81-325 mg PO dialy
- 1 MODERATE: aspirin or warfarin
- 2 MODERATE: previous CVA/TIA/embolism? YES: warfarin/NO: aspirin or warfarin
- 3-6 HIGH: warfarin
外科的療法 (NSU.440)
- 再発性の発作性心房細動で患者の社会生活に障害が生じているもの
- 塞栓症の既往のある心房細動
- 冠状動脈疾患、僧帽弁膜症、心房中隔欠損症などのため手術を受ける症例で、発作性あるいは慢性心房細動を有する症例
- 右心房、心房中隔、左心房に切り込みを入れ一方向性の伝導しか起こらなくする。
- Coxが創案し、手術法はMazeIII法と呼ばれる。
心房細動の存在により面倒くさくなること
参考
- 1. 不整脈薬物治療に関するガイドライン(2009年改訂版)
- [display]http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_kodama_h.pdf
- 2. 不整脈薬物治療に関するガイドライン Guidelines for Drug Treatment of Arrhythmias (JCS 2004)
国試
[★]
- 英
- hypertrophic obstructive cardiomyopathy, HOCM
- 同
- 特発性肥厚性大動脈弁下狭窄症 idiopathic hypertrophic subaortic stenosis IHSS
- 関
- 肥大型心筋症
- 非対称性心室中隔肥大、肥大型閉塞性心筋症、肥大性閉塞性心筋症、特発性肥大性大動脈弁下狭窄症
病態
- 心筋の肥大に伴い左室流出路狭窄を来しており、心拍出量が低下する。
- 心房細動などにより心房からの駆出量が減少すれば、心拍出量低下に繋がる。
類似疾患との鑑別
- QB.C-495改変
病理
病態
左室流出路狭窄の増悪・寛解因子
症状
合併症
検査
心エコー
[show details]
僧帽弁
- 僧帽弁前尖の収縮期前方運動(SAM):循環血液量の減少と左室の過収縮による(YN.C-135)
- 僧帽弁後退速度 DDRの低下:左心室のコンプライアンスが低下することにより、左室への血液流入速度が低下するため(YN.C-135)
大動脈弁
- 大動脈弁の収縮中期半閉鎖:HOCMでは収縮中期に駆出される血液量低下のために大動脈弁が閉鎖しそうになる(参考2)
心臓カテーテル検査
- 左室~大動脈圧:左室流入路圧 > 左室流出路圧
- ブロッケンブロウ現象:期外収縮が起きた場合、心室性期外収縮の休止期後の期外収縮後増強により収縮力が増強し、左室流出路閉塞が増強するためにかえって大動脈圧が低下する
- 造影:左室流出路狭窄
治療
- 治療目標:自覚症状の軽減、突然死、不正脈の予防
- βブロッカー、カルシウム拮抗薬 → 左室流出路狭窄の軽減 ⇔ ×硝酸薬、ジギタリス:左室流出路狭窄を増強
- Ia群抗不整脈薬
予後
国試
[★]
- 英
- Wolff-Parkinson-White syndrome, WPW syndrome
- 同
- ウォルフ-パーキンソン-ホワイト症候群、Wolff-Parkinson-White症候群、WPW症候群
- 関
- ケント束、心電図、偽性心室頻拍 pseudoventricular tachycardia, pseudo VT
- ヒス束に加え、ケント束により心房と心室が連絡されるもの → WPW症候群
分類
- V1誘導で分類する。Kent束の局在を反映
- 1. A型: 高いR波。左室自由壁
- 2. B型: rS型。右側
- 3. C型: Qr/QS。中隔
検査
心電図
- PQ短縮:PQ時間の正常値は 0.12-0.2sであるが、これより短くなる
- QRSの延長:QRSは正常では0.06-0.15s。0.1s以下は正常、0.1s以上は異常と考えるらしい。
./t_image/105/105I011.jpg
合併症
- orthodromic atrioventricular reentrant tachycardia
- antidromic atrioventricular reentrant tachycardia
- 高頻度に興奮がケント束を介して心臓に達する。このため、心室細動のリスクが高まる。
治療法
対症療法
WPW症候群+心房細動による偽性心室頻拍
- 参考1
根治療法
- カテーテルアブレーション:ケント束の焼灼による副伝導路の遮断。
参考
- 1. 不整脈薬物治療に関するガイドライン(2009年改訂版)
- [display]http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_kodama_h.pdf
- http://www.cardiac.jp/view.php?target=wpw_synd.xml
- http://www.hamt.or.jp/kenkyuhan/link/seiri/ECG/402.html
- 4. 心電図の読み方:WPW症候群の波形を覚えるエクササイズだ! | 心カテブートキャンプ
- http://med-infom.com/?p=690
国試
[★]
- 英
- drug-induced hypoglycemia
- 同
- 薬剤性低血糖症
- 関
- 低血糖
低血糖を引きおこす薬剤
- DMR.295
[★]
- 英
- pseudoventricular tachycardia, pseudo VT
- 関
- WPW症候群、心房細動、心室頻拍 VT
概念
- WPW症候群において発作性の心房細動を合併した際、副伝導路を(順行性に)介して心室に伝わったことにより生じる心室頻拍
- ケント束の不応期が房室結節のそれより短い場合に生じる。
- 心室細動により突然死の可能性がある
- この用語は日本でのみ使われるらしい
治療
- 参考2
- 治療の目標は心拍数コントロールであり、治療の標的は副伝導路(ケント束)とすると、ナトリウムチャネル遮断薬、あるいはカリウムチャネル遮断薬による副伝導路の抑制が治療法としてあげることができる。
- 従って、治療薬は、ピルジカイニド、シベンゾリン、ジソピラミド、フレカイニド、プロカインアミドが上げられる。
- 根治療法としては、カテーテルアブレーションによる副伝導路の遮断である。
参考
- 1. これからカテーテルアブレーションを受ける人のために - 図説あり
http://www.s-more.net/sasaki/rfca/rfca.html
- 2. 不整脈薬物治療に関するガイドライン(2009年改訂版)
- [display]http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_kodama_h.pdf
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3