- 4か月の乳児。10日前から続く咳を主訴に来院した。7日前に38℃台の発熱があったが2日間で解熱した。3日前から顔を真っ赤にする激しい咳と発汗とが著明になり、睡眠が障害されるようになった。食欲低下がみられる。体温36.6℃。脈拍96/分、整。血圧88/50mmHg。眼瞼腫脹がみられる。頸部に湿疹がみられる。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:赤血球450万、Hb13.0g/dl、白血球38,000(分葉核好中球12%、好酸球2%、リンパ球86%)、血小板19万。血清生化学所見:尿素窒素18mg/dl、AST45IU/l、ALT30IU/l、LDH300IU/l(基準176~353)。CRP0.8mg/dl。
- 治療薬として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101A056]←[国試_101]→[101A058]
★リンクテーブル★
[★]
- 56歳の男性。物忘れとふらつきとを主訴に来院した。3か月前から物忘れが始まり、歩行時にふらつくようになった。性格的には元々おとなしい人だったが、1か月前から怒りっぽくなり、時々興奮することに家族が気付いた。最近、物を持とうとすると、右手がピクピク震えるようになった。5年前から肝硬変を指摘され、食事療法を受けている。認知症の家族歴はない。意識は清明。身長168cm、体重62kg。体温36.0℃。呼吸数20/分。脈拍76/分、整。血圧130/76mmHg。貧血と浮腫とはない。心音と呼吸音とに異常を認めない。見当識障害、四肢の筋固縮、右上肢のミオクローヌス、四肢の深部腱反射亢進、右手の把握反射および歩行失調を認める。運動麻痺はない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球474万、Hb14.6g/dl、Ht40%、白血球3,500、血小板10万。血清生化学所見: 総蛋白6.2g/dl、アルブミン3.7g/dl、尿素窒素9.2mg/dl、クレアチニン0.9mg/dl、AST55IU/l、ALT40IU/l、LDH460IU/l(基準176~353)。脳波を以下に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101A057]←[国試_101]→[101A059]
[★]
- 21歳の男性。発熱と強い咳嗽とを主訴に来院した。生来健康であったが、1週前から出現した症状が近医での投薬にもかかわらず持続している。喀痰は少ない。既往歴に特記すべきことはないが、家族に同様の症状を示すものがいる。意識は清明。身長180cm、体重70kg。体温39.0℃。脈拍64/分、整。血圧128/68mmHg。心雑音はない。左背部に軽度のcoarse cracklesを聴取する。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤沈26mm/1時間、赤血球510万、Hb13.4g/dl、白血球8,900、血小板22万。血清生化学所見:AST42IU/l、ALT35IU/l。CRP6.8mg/dl。胸部エックス線写真と胸部単純CTとを以下に示す。
- 抗菌薬として適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [101A055]←[国試_101]→[101A057]
[★]
- 英
- pertussis
- ラ
- pertussis
- 同
- whooping cough, tussis convulsiva
- 関
- レプリーゼ、細菌、マイコプラズマ肺炎
概念
病原菌
潜伏期
感染期間
- SPE.362
- カタル期~第4週まで → 抗菌薬投与により感染期間を抗菌薬投与後5日間に短縮できる。
症候
- カタル期:1-2週間:伝染力が強い。鼻汁、咳などの普通感冒様症状が次第に増悪。検査上、白血球増多が見られる
- 痙咳期:2-6週間:レプリーゼ(連続した咳(staccato)と吸気時の笛音(whoop))。咳発作は夜間に強い。乳児期には無呼吸発作。百日咳顔貌(顔面紅潮、眼瞼浮腫、結膜充血)。重症化で百日咳脳症
- 回復期:2-3週間:特有の咳が弱まってくる。
合併症
検査
- 血液検査:末梢血白血球増多(リンパ球優位)、CRP正常
- 画像検査
診断
- 確定診断:喀痰・後鼻腔の擦過検体で百日咳菌の分離培養、PCR法による同定、あるいはペア血清による免疫血液学検査による。
鑑別疾患
治療
- マクロライド系抗菌薬(エリスロマイシンが第一選択)を7-14日間。カタル期の投与により咳発作を軽減できる。痙咳期の投与により感染期間を5日に短縮できる。(SPE.393)
- エリスロマイシンの他、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ST合剤も用いられる。
- PED.596
- SPE.363
- マクロライド系抗菌薬を7-14日間投与。カタル期から投与すると咳発作を軽減でき、痙咳期の投与により感染期間を5日間に短縮できる。
感染経路
予防接種
参考
- 1. 日本の定期/任意予防接種スケジュール(20歳未満)
- http://idsc.nih.go.jp/vaccine/dschedule/Imm11-01JP.gif
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