- 英
- calcium antagonist
- 同
- カルシウムチャネル遮断薬 calcium channel blocker CCB calcium channel blockers CCBs, Ca2+ channel blocker、カルシウムチャネル拮抗薬、カルシウムチャネル阻害薬、カルシウムチャネルブロッカー
- カルシウムブロッカー, calcium blocker, Ca blocker、カルシウム拮抗薬、カルシウム阻害薬、Ca拮抗薬
- 関
- 薬理学、カルシウムチャネル
概念
- 細胞膜の膜電位依存性Caチャネルに特異的に結合し、細胞内へのカルシウムの流入を減少させる作用を有する薬物の総称。
適応
分類
- ベラパミル verapamil 心臓
- ジルチアゼム diltiazem 心臓 血管
- ニフェジピン nifedipine 血管
- 徐放化的製剤 ・・・剤形が変わる
- 組織特異性・長時間作用
-
- アムロジピン amlodipine
副作用
- YN.C-64他
- 1. 末梢血管拡張作用による頭痛、顔面紅潮、めまい
- 2. 不整脈
- ジルチアゼム、ベラパミル → 洞性徐脈、房室伝導障害
- ニフェジピン → 反射性頻脈
- 3. 下腿浮腫 ← 細静脈拡張せずに細動脈が拡張するため
- 4. 歯肉肥厚
禁忌
- 動物実験にて催奇形性がある→妊婦への使用は禁忌→胎児の形成が終わればO.K.
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カルシウム拮抗剤(カルシウムきっこうざい、英: calcium channel blocker, CCB)とは、血管の平滑筋にあるカルシウムチャネルの機能を拮抗(阻害)し、血管拡張作用を示す薬剤のこと。適用症例として主に高血圧、狭心症があげられる。
目次
- 1 概要
- 2 作用機序
- 3 主な副作用
- 4 分類
- 4.1 ジヒドロピリジン系
- 4.2 ベンゾチアゼピン系
- 4.3 フェニルアルキルアミン系
- 4.4 その他
- 5 相互作用
- 6 現在市販されている商品
- 7 脚注
- 8 参考文献
- 9 関連項目
- 10 外部リンク
概要[編集]
カルシウム拮抗剤は、カルシウムを拮抗させる薬剤ではなく細胞膜上のカルシウムチャネルに結合し、細胞内へのカルシウムイオン流入を阻害する薬剤である。「カルシウム拮抗剤」という名称は本来適当でなく「カルシウムチャネル拮抗剤」「カルシウムイオン流入抑制薬」とするべきものであるが、日本においては「カルシウム拮抗剤」の名称が一般的となっている(開発当時は作用機序がわからず、Caイオンによる血管や心筋収縮を用量依存的に抑制し、見掛け上はカルシウムに拮抗した作用であったため「カルシウム拮抗薬」と記載された)。ただ、この一般的な名称のために一部でカルシウムの吸収が阻害される薬剤であるとの誤解がある。
カルシウム拮抗剤は構造上大きく3つに分類される。血管選択制の高いジヒドロピリジン系は、主に高血圧に用いられ高血圧治療の第一選択薬とされ幅広い患者に使用されている。ベンゾチアゼピン系は血管拡張作用は緩徐で比較的弱いが、心拍数抑制作用があり、更には冠スパズム抑制作用が強いことから狭心症の第一選択使用され。フェニルアルキルアミン系には刺激生成・伝導系(洞結節・房室結節)の抑制作用が高いことからPSVT(発作性上室性頻拍)や心房細動などの頻脈性不整脈に使用されることが多い。なお、催奇形性の可能性が報告されており、妊婦・妊娠の可能性のある患者には禁忌である。
作用機序[編集]
カルシウムチャネルはL,T,N,Pなどの多数のサブタイプが知られているが、現在市販されているカルシウム拮抗剤は主にL型カルシウムチャネルを介したカルシウム流入の阻止を行うことでその薬理活性を得ていると考えられている。
作用の違いはL型カルシウムチャネルへの結合部位が異なるためと考えられている。血管への作用は、血管平滑筋細胞へのCaイオン流入抑制に伴う血管の収縮抑制作用であり、平滑筋細胞のある動脈が静脈よりも収縮抑制が強い。また、同じ動脈血管でも末梢血管動脈よりも冠動脈での拡張作用が高い。ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗剤は、腎臓では輸入細動脈の拡張を行うため、糸球体内圧を上昇させる可能性があり、腎硬化症の進展予防としてはACE阻害薬に劣ると考えられている。心臓では洞房結節の興奮頻度の減少や房室結節の伝導抑制が効果があることが知られているが、ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗剤は、血管選択制が高く臨床用量での効果は殆ど期待できず、血管拡張作用に伴う圧受容体反射に伴い心拍数上昇が見られることがある。 なお、バルプロ酸(デパケン)はT型カルシウムチャネルに作用する抗てんかん薬である。
主な副作用[編集]
- 血管拡張による:顔面紅潮、頭痛、熱感(ほてり)、下肢浮腫(むくみ)
- 過度の降圧による:低血圧(めまい)
- 心刺激生成(洞結節)・伝導系(房室結節)の抑制による:徐脈、房室ブロック(ベラパミル、ジルチアゼム)
- 原因不明:歯肉腫脹
分類[編集]
ジヒドロピリジン系[編集]
ニフェジピン(アダラートなど)やニカルジピン(ペルジピンなど)やアムロジピン(アムロジンやノルバスク)が含まれる分類である。ジヒドロピリジン系はL型カルシウムチャネルのN部位(NifedipinのN)に結合する。 血管拡張作用、降圧作用が強く、心筋への作用がほとんどない。高血圧や狭心症でよく用いられる。陰性変力作用や抗不整脈作用は殆どないと考えられている。 ニフェジピンは作用発現が早すぎて、心拍数の上昇が認められることがあったが、アダラートLなどは徐放剤とすることでその問題点を克服している。
アダラートカプセルは徐放剤ではないため高血圧緊急症における迅速な降圧の際に用いられ、20分程度で降圧効果を得ることができるのでしばしば使用されたが、現在では使用は推奨されていない。
ニカルジピンは安定した点滴静注が可能であるため、病棟では好まれる。ペルジピンの1アンプルは10 mg/10 mLである。原液のまま使用するのではなく、必ず添付文書どおり希釈して使用する。維持量が2~10γであるため、体重が50 Kgならば1γは原液で3 mL/hrに相当する。原液2 mL/hrから開始しスケーリング対応で2~20 mL/hrの範囲で維持することが多い。副作用に頻脈性不整脈があるため心不全を合併している場合は0.5γである1.5 mL/hrという低用量からスタートするのが無難である。 また、脳出血急性期で止血が完成していない患者は、使用禁忌である。
以下の、現在までに発売されたジヒドロピリジン系薬剤一覧のように、一般名の末尾に、必ず”ジピン”が付く。
- アムロジピン(アムロジンやノルバスク)
- ニフェジピン(アダラート)
- ニカルジピン(ペルジピン) - 注射剤型がある
- ベニジピン(コニール)
- バルニジピン(ヒポカ)
- ニトレンジピン(バイロテンシン)
- ニソルジピン(バイミカード)
- アゼルニジピン(カルブロック)
- マニジピン(カルスロット)
- エフォニジピン(ランデル)
- シルニジピン(アテレック、シナロング)
- アラニジピン(サプレスタ)
- フェロジピン
- ニモジピン
- クレビジピン
- ラシジピン
- レルカニジピン
ベンゾチアゼピン系[編集]
ジルチアゼム(ヘルベッサーなど)が含まれる。ジルチアゼムはL型カルシウムチャネルのD部位(diltiazemのD)に結合する。ジヒドロピリジン系の結合するN部位やベラパミルが結合するV(verapamilのV)部位とは異なっており、このことが作用の違いにつながっている。なお、ジヒドロピリジンとはお互いの薬剤の結合を増加するのに対してベラパミルとは結合を阻害する。
心臓にも血管にも作用する。ただ、降圧作用はマイルドで正常血圧は下げ無いため、正常血圧の狭心症には第一選択である。冠スパズム性の狭心症で早朝に狭心症発作のある場合は、夕食後もしくは就眠前に100~200mg経口投与する。 高血圧ではマイルドな降圧、徐脈作用を期待する場合や狭心症や心筋虚血が疑われる患者に1日100~200mgを経口投与する。
ヘルベッサー注射剤には10mg,50mg,250mgの3剤型がある。房室伝道の抑制、徐脈の作用はベラパミルが主に使用されており余り用いられず、静注(持続点滴)を行うのは高血圧性緊急症と不安定狭心症の時が多い。
PSVTなどの頻脈性不整脈には10mg含有製剤を5%ブドウ糖液10mLに溶解し3分間で靜注する。不安定狭心症や高血圧緊急症には持続静脈内投与され、高血圧性緊急症では5~15γで不安定狭心症では1~5γで維持される。使用方法は50mg剤型3Aを5%ブドウ糖液100mlで溶解させると1.5 mg/mLとなる。体重が50 kgの場合は1γが3 mg/hrとなるため2 mL/hrで投与すると1γ投与となる。
ベンゾチアゼピン系とマイナートランキライザーのベンゾジアゼピン系は名称が似ているがまったく異なることに注意。
フェニルアルキルアミン系[編集]
ベラパミル(ワソラン)などが含まれる。ベラパミルはL型カルシウムチャネルのV部位に結合する。ジルチアゼムが結合するD部位とは重なっているため併用すると効果が落ちる原因となる。心臓にも血管にも作用するがジルチアゼムと比べて圧倒的に心臓への作用が強い。
心房細動、心房粗動のレートコントロールやPSVTの停止に用いられる。降圧効果もみられるため、PSVTの停止では血圧のモニタリングが重要である。PSVTではワソラン5 mgを5%ブドウ糖液で10 mLとし、4 mL (2 mg) の静注を行い、血圧、心電図を見ながら2分後とに2 mL (1 mg) ずつ追加していく。総量は10 mgを超えないようにする。 また右脚ブロック、左軸偏位型心室性頻拍はベラパミル感受性特発性心室頻拍と言われベラパミルが著効する。
その他[編集]
ベプリジル(ベプリコール)などがある。これはマルチチャネル遮断薬であり抗不整脈薬として用いられることがある。
相互作用[編集]
食品[編集]
カルシウム拮抗薬には服用中に特定の食品を摂食した場合、薬剤の作用がより強く現れる現象(相互作用)が知られている[1]。この現象は(解毒酵素)として機能するCYP3A4で代謝される薬剤で多く報告されている。相互作用の原因として、前述のCYP3A4以外に、腸粘膜上皮細胞に見られる低分子排泄ポンプ機構を果汁液中のフラボノイド類が阻害することによって相互作用を起こしている可能性も示唆する報告がある[2]。 体内では、「薬の分解が抑えられ薬剤の血中濃度が上昇することにより、血圧が低下し過ぎる」と言う現象が起きる。このため、CYP3A4活性阻害作用を持つフラノクマリン類を多く含むグレープフルーツジュース、ザボン、ボンタン、ナツミカンなどとの飲みあわせは一般的に行うべきではない。同じ柑橘類でも温州みかん、オレンジジュースでは相互作用は起きない。但し、肝初回通過効果の影響が小さいアムロジピンなど一部の薬剤では、グレープフルーツジュースによるCYP3A4活性阻害作用の影響が比較的少ないことが知られている。
薬剤[編集]
カナダの研究者により、マクロライド系抗生物質のエリスロマイシン、クラリスロマイシンとの併用で血中濃度が高まり、グレープフルーツ果汁と同様に低血圧や危険なレベルのショックを引き起こす可能性が指摘されている[3][4]。
現在市販されている商品[編集]
- アムロジン((大日本住友製薬)・ノルバスク(ファイザー:一般名ベシル酸アムロジピン
- コニール(協和発酵キリン)
- ヘルベッサー・R(田辺三菱製薬:一般名ジルチアゼム塩酸塩)
- アダラート・L・CR (バイエル薬品:一般名:ニフェジピン)
- ワソラン(エーザイ:一般名:ベラパミル塩酸塩)
- カルブロック (第一三共)
- アテレック(持田製薬)
- カルスロット(武田薬品工業)
- ランデル(ゼリア新薬工業、塩野義製薬)
- バイロテンシン(田辺三菱製薬:一般名ニトレンジピン)
脚注[編集]
- ^ 植沢 芳広 (2008). “グレープフルーツジュース-薬物間相互作用のQSAR解析”. 日本化学会情報化学部会誌 26: 114. NAID 130000091003. JOI:JST.JSTAGE/cicsj/26.114.
- ^ 高長 ひとみ, 大西 綾子, 内田 淳子, 山田 志穂, 松尾 浩民, 森元 聡, 正山 征洋, 澤田 康文 (1998). “薬物の消化管吸収におけるP糖タンパク質の機能に及ぼすグレープフルーツジュースなどの効果”. 薬物動態 13 (No.supplement): 110-111. doi:10.2133/dmpk.13.supplement_110. NAID 10007629682.
- ^ Wright AJ, Gomes T, Mamdani MM, Horn JR, Juurlink DN (2011). “The risk of hypotension following co-prescription of macrolide antibiotics and calcium-channel blockers”. CMAJ 183 (3). doi:10.1503/cmaj.100702. PMC 3042440. PMID 21242274. http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pmcentrez&artid=3042440.
- ^ いきいき健康 NIKKEI NET (2011年1月27日). “一部の抗生物質とカルシウム拮抗薬の併用は低血圧をもたらす”. 2011年3月8日閲覧。
参考文献[編集]
- 榊原 守, 田口 淳一 『循環器内科ゴールデンハンドブック』 南江堂、2008年、改訂第2版。ISBN 9784524243860。
- 村川 裕二 『循環器治療薬ファイル』 メディカルサイエンスインターナショナル、2003年。ISBN 978-4895922951。
- 平 則夫 (1989). “カルシウム拮抗薬の作用機序”. 薬物動態 4 (3): 247-247. doi:10.2133/dmpk.4.247.
- 山中 教造, 鈴木 真, 宗蓮 司朗, 石河 醇一 (1991). “新規Ca拮抗薬Amlodipine besilateの降圧作用”. 日本薬理学雑誌 97 (2): 115-126. doi:10.1254/fpj.97.2_115.
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- カルシウム拮抗薬 札幌厚生病院循環器科
- 成分(一般名): アムロジピン ベシル酸塩 おくすり110番
薬理学:医薬品の分類 |
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消化器/代謝(A) |
胃酸中和剤(制酸薬、H2ブロッカー、プロトンポンプ阻害薬) • 制吐薬 • 瀉下薬 • 止瀉薬/止痢薬 • 抗肥満薬 • 経口血糖降下薬 • ビタミン • ミネラル
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血液、血液生成器官(B) |
抗血栓薬(抗血小板剤、抗凝固薬、血栓溶解薬) • 抗出血(血小板、凝固・線溶系、抗線維素溶解性)
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循環器系(C) |
心臓療法/狭心症治療薬(強心配糖体、抗不整脈薬、強心剤) • 高血圧治療薬 • 利尿薬 • 血管拡張薬 • 交感神経β受容体遮断薬 • カルシウム拮抗剤 • レニン-アンジオテンシン系(ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬) • 脂質降下薬(スタチン、フィブラート、胆汁酸捕捉因子)
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皮膚(D) |
皮膚軟化薬 • 瘢痕形成剤 • 鎮痒薬 • 乾癬治療薬 • 他の皮膚薬
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泌尿生殖器系(G) |
ホルモン避妊薬 • 排卵誘発治療 • SERM • 性ホルモン
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内分泌器(H) |
視床下部脳下垂体ホルモン • 副腎皮質ホルモン(糖質コルチコイド、ミネラルコルチコイド) • 性ホルモン • 甲状腺ホルモン/抗甲状腺薬
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感染(J、P、QI) |
抗菌薬 (抗生物質) • 抗真菌薬 • 抗ウイルス薬 • 抗寄生虫薬(抗原虫薬、駆虫薬) • 外部寄生虫駆除剤 • 静注用免疫グロブリン • ワクチン
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悪性腫瘍(L01-L02) |
抗がん剤(代謝拮抗薬、抗腫瘍性アルキル化薬、紡錘体毒、抗悪性腫瘍薬、トポイソメラーゼ阻害薬)
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免疫系(L03-L04) |
免疫調節薬(免疫賦活薬、免疫抑制剤)
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筋肉、骨、関節(M) |
アナボリックステロイド • 抗炎症薬(NSAIDs) • 抗リウマチ • 副腎皮質ホルモン • 筋弛緩剤 • ビスホスホネート
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脳、神経(N) |
鎮痛剤 • 麻酔剤(一般、局所・静脈) • 食欲低下薬 • ADHD治療 • 中毒医学 • 抗てんかん薬 • アルツハイマー治療 • 抗うつ薬 • 片頭痛治療 • 抗パーキンソン病薬 • 抗精神病薬 • 抗不安薬 • 抑制剤 • エンタクトゲン • エンセオジェン • 陶酔薬 • 幻覚剤(精神展開薬、解離性麻酔薬、デリリアント) • 睡眠導入剤/鎮静薬 • 気分安定薬 • 神経保護 • スマートドラッグ • 神経毒 • 食欲促進 • セレニック • 覚醒剤 • 覚醒促進物質
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呼吸器(R) |
鬱血除去薬 • 気管支拡張薬 • 鎮咳去痰薬 • 抗ヒスタミン薬
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感覚器(S) |
眼科学 • 耳科学
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その他ATC(V) |
解毒剤 • 造影剤 • 放射性薬理学 • 湿潤療法
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心血管疾患 |
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疾患 |
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心疾患
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不整脈
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徐脈性
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洞不全症候群 | 房室ブロック | 脚ブロック(右脚ブロック · 完全右脚ブロック · 左脚ブロック)
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頻脈性
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上室性
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洞性頻脈 | 心房細動 | 心房粗動 | ブルガダ症候群 | QT延長症候群 | WPW症候群
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心室性
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心室細動 | 心室頻拍
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虚血性心疾患
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狭心症 | 急性冠症候群 | 心筋梗塞 | 冠動脈血栓症
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弁膜性心疾患
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僧帽弁狭窄症 | 僧帽弁閉鎖不全症 | 三尖弁狭窄症 | 三尖弁閉鎖不全症 | 大動脈弁狭窄症 | 大動脈弁閉鎖不全症
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先天性心疾患
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心房中隔欠損 | 心室中隔欠損 | 心内膜床欠損症 | 動脈管開存症 | ファロー四徴症(極型ファロー四徴症) | 大血管転位(左旋性 · 右旋性) | 総肺静脈還流異常症 | 大動脈縮窄 | 左心低形成症候群 | 両大血管右室起始症 | 三尖弁閉鎖
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心内膜・心筋
・心膜疾患
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心内膜疾患
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感染性心内膜炎
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心膜疾患
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心膜炎(急性心膜炎 · 慢性収縮性心膜炎) | 心タンポナーデ
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心筋疾患
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心筋症(特発性拡張型心筋症 · 肥大型心筋症 · 拘束型心筋症 · 特発性心筋症) | 心筋炎
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心臓腫瘍 | 心臓神経症 | 心臓性喘息 | 肺性心
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血管疾患
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動脈
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動脈硬化 | 大動脈瘤 | 大動脈解離 | 大動脈炎症候群 | 動静脈瘻 | 閉塞性動脈硬化症 | 閉塞性血栓性血管炎 | レイノー病
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静脈
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静脈瘤 | 血栓性静脈炎 | 静脈血栓塞栓症 | 脂肪塞栓症
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病態・症候 |
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心不全
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左心不全 | 右心不全
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高血圧
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本態性高血圧症 | 二次性高血圧 | 悪性高血圧症
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低血圧
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心臓発作 | 心臓肥大 | 心停止 | 心肺停止
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所見・検査 |
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血圧計 | 聴診 | 心雑音 | 心電図 | 心電図モニタ | 心臓超音波検査 | 胸部X線写真 | 胸部X線CT | 心臓カテーテル検査(肺動脈カテーテル) | 心臓核医学検査
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治療 |
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外科的治療
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冠動脈大動脈バイパス移植術 | 経皮的冠動脈形成術 | 植え込み型除細動器 | バチスタ手術 | 人工心臓 | 心臓ペースメーカー
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内科的治療
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心臓作動薬
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抗不整脈薬
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Ia群: プロカインアミド, キニジン
Ib群: リドカイン, フェニトイン
Ic群: フレカイニド, プロパフェノン
II群: 交感神経β受容体遮断薬(プロプラノロールなど)
III群: アミオダロン, ソタロール
IV群: カルシウム拮抗剤(ベラパミル, ジルチアゼムなど)
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心不全治療薬
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利尿薬 | 血管拡張薬 | 強心配糖体 | 強心剤
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狭心症治療薬
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交感神経β受容体遮断薬 | 硝酸薬
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血管作動薬
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高血圧治療薬
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利尿薬 | 交感神経β受容体遮断薬 | レニン-アンジオテンシン系 (ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬) | カルシウム拮抗剤 | アドレナリン作動薬 | 脂質降下薬
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循環器系の正常構造・生理 |
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Japanese Journal
- 日本から発信する血管病のEBM(第25回)OlmeSartan and Calcium Antagonists Randomized (OSCAR) Study
- 小川 久雄,光山 勝慶,松井 邦彦 [他]
- Vascular medicine : journal of vascular medicine 8(2), 143-148, 2012-10
- NAID 40019488371
Related Links
- カルシウム拮抗薬には服用中に特定の食品を摂食した場合、薬剤の作用がより強く 現れる現象(相互作用)が知られている。この現象は(解毒酵素)として機能するCYP 3A4で代謝される薬剤で多く報告されている。相互作用の原因として、前述のCYP3A4 以外 ...
- カルシウム拮抗薬は、筋肉細胞にカルシウムイオンが流入するのを 抑える働きがある ので、血管が拡張し、血圧が下がります。 糖や脂質の代謝に悪い影響を与えないため、 糖尿病や高脂血症、 腎機能障害のある人にも用いることができ、幅広い人に適応でき ます。
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★リンクテーブル★
[★]
- 82歳の女性。転倒し救急車で搬入された。
- 現病歴:廊下で倒れているところを家族が発見し、救急車を要請した。半年前から階段昇降時の息切れを自覚していた。
- 既往歴:68歳時から高血圧症のためカルシウム拮抗薬、糖尿病のためビグアナイド薬、75歳時から深部静脈血栓症のためワルファリン、76歳時から不眠症のためベンゾジアゼピン系睡眠薬、骨粗鬆症のためビスホスホネート製剤で治療中。
- 生活歴:日常生活動作(ADL)は自立。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:問いかけに対し名前を言うことができる。身長 152cm、体重 42kg。体温 36.6℃。心拍数 72/分、整。仰臥位で血圧 112/68mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜は貧血様である。眼球結膜に黄染を認めない。前頭部に2cm大の皮下血腫を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。神経診察を含む身体診察に異常を認めない。
- 頭部CTでは皮下血腫のみで頭蓋内に異常を認めなかった。座位にしたところ1分後にふらつきを生じ「目の前が暗くなる」と訴えた。心拍数 120/分、整。血圧 82/40mmHg。呼吸数 20/分。直腸診で黒色便の付着を認める。静脈路を確保して輸液を開始し、血圧は 110/62mmHgに上昇した。
- 検査所見:血液所見:赤血球 245万、Hb 7.5g/dL、Ht 24%、白血球 9,600、血小板 18万。血液生化学所見:総蛋白 6.5g/dL、アルブミン 3.2g/dL、AST 20U/L、ALT 30U/L、尿素窒素 65mg/dL、クレアチニン 0.6mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.5mEq/L、Cl 108mEq/L。
- この患者において今後の頭蓋内出血の出現を予測する上で、最も注意すべき薬剤内服歴はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113C055]←[国試_113]→[113C057]
[★]
- 次の文を読み、47、48の問いに答えよ。
- 48歳の男性。夜間の呼吸困難のため救急車で搬入された。
- 現病歴 : 4年前に狭心症と診断され、アスピリンと亜硝散薬とを服薬していたが、半年前から中断していた。3か月前から通勤途中の駅の階段を昇るとき軽度の胸痛を感じていた。2か月前から、就眠前の安静時にも軽度の胸痛が出現するようになった。2週前の夕方、勤務中に冷汗を伴う前胸部絞扼感を感じたが、30分ほど安静にしていると軽快した。昨夜、就寝後1時間ほどで呼吸困難のため覚醒した。横になると呼吸困難が再発するので眠れず、午前3時に来院した。
- 既往歴 : 8年前に健康診断で糖尿病を指摘されたことがある。
- 現症 : 意識は清明。身長169cm、体重68kg。呼吸数28/分。脈拍92/分、整。血圧122/88mmHg。頚静脈の怒張と下腿の浮腫とを認める。心雑音はない。両下肺にcoarse crackles を聴取する。右季肋部に圧痛を認める。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白1+、糖1+。血液所見:赤血球430万、Hb14.2g/dl、Ht42%、白血球6,500、血小板30万。血清生化学所見:血糖150mg/dl、HbA1c6.8%(基準4.3~5.8)、総蛋白7.0g/dl、尿素窒素17mg/dl、クレアチニン0.9mg/dl、総コレステロール204mg/dl、トリグリセライド129mg/dl(基準50~130)、総ビリルビン0.5mg/dl、AST22単位(基準40以下)、ALT34単位(基準35以下)、LDH320単位(基準176~353)、CK40単位(基準10~40)、Na 148mEq/l、K4.6mEq/l、Cl103mEq/l。入院時の心電図を以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [098F047]←[国試_098]→[098F049]
[★]
- 82歳の女性。転倒し救急車で搬入された。
- 現病歴:廊下で倒れているところを家族が発見し、救急車を要請した。半年前から階段昇降時の息切れを自覚していた。
- 既往歴:68歳時から高血圧症のためカルシウム拮抗薬、糖尿病のためビグアナイド薬、75歳時から深部静脈血栓症のためワルファリン、76歳時から不眠症のためベンゾジアゼピン系睡眠薬、骨粗鬆症のためビスホスホネート製剤で治療中。
- 生活歴:日常生活動作(ADL)は自立。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:問いかけに対し名前を言うことができる。身長 152cm、体重 42kg。体温 36.6℃。心拍数 72/分、整。仰臥位で血圧 112/68mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜は貧血様である。眼球結膜に黄染を認めない。前頭部に2cm大の皮下血腫を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。神経診察を含む身体診察に異常を認めない。
- 頭部CTでは皮下血腫のみで頭蓋内に異常を認めなかった。座位にしたところ1分後にふらつきを生じ「目の前が暗くなる」と訴えた。心拍数 120/分、整。血圧 82/40mmHg。呼吸数 20/分。直腸診で黒色便の付着を認める。静脈路を確保して輸液を開始し、血圧は 110/62mmHgに上昇した。
- 検査所見:血液所見:赤血球 245万、Hb 7.5g/dL、Ht 24%、白血球 9,600、血小板 18万。血液生化学所見:総蛋白 6.5g/dL、アルブミン 3.2g/dL、AST 20U/L、ALT 30U/L、尿素窒素 65mg/dL、クレアチニン 0.6mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.5mEq/L、Cl 108mEq/L。
- 次に優先すべき検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113C054]←[国試_113]→[113C056]
[★]
- 次の文を読み、60~62の問いに答えよ。
- 82歳の男性。意識消失のため搬入された。
- 現病歴:本日、ビールを飲みながら夕食をとった後、入浴のため食卓から立ち上がり歩き始めたところ、突然意識を消失し倒れた。驚いた妻が駆けつけ大声で呼びかけたところ、すぐに意識は清明となった。明らかな外傷やけいれんはなかったという。最近、椅子から立ち上がる時にふわっとすることがよくあったという。
- 既往歴:高血圧症のためカルシウム拮抗薬を内服している。1か月前から持病の腰痛症悪化のため非ステロイド性抗炎症薬を内服している。
- 生活歴:長男夫婦と同居。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:意識は清明。体温36.8℃。脈拍88/分、整。血圧132/68mmHg。呼吸数18/分。SpO2 95%(room air)。瞳孔径は両側3mmで対光反射は正常である。眼瞼結膜はやや蒼白である。眼球結膜に黄染を認めない。口腔内に出血を認めない。舌と粘膜とに損傷を認めない。項部硬直を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。咽頭に腫脹と発赤とを認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腹部に圧痛を認めない。四肢に浮腫、チアノーゼ、ばち指および皮疹を認めない。
- 検査所見:心電図に異常を認めない。
- 追加した診察では異常を認めなかった。意識消失の原因を診断するためにまず行うべき検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107G061]←[国試_107]→[107G063]
[★]
- 次の文を読み、39、40の問いに答えよ。
- 58歳の男性。夜間の呼吸困難のため救急車で搬入された。
- 現病歴: 4年前に狭心症と診断され、アスピリンと硝酸薬とを服薬していたが、半年前から中断していた。3か月前から駅の階段を昇るとき軽度の胸痛を感じていた。2日前冷汗を伴う前胸部絞扼感が数時間持続し、自宅での安静で軽快した。しかし、昨夜就寝後呼吸困難のため覚醒した。横になると呼吸困難が再発するので眠れず、午前3時に来院した。
- 既往歴: 8年前に糖尿病を指摘された。
- 現症: 意識は清明。身長169cm、体重75㎏。呼吸数28/分。脈拍104/分、整。血圧102/88mmHg。頸静脈の怒張を認めるが、心雑音はない。両側下肺野にcoarse cracklesを聴取する。右肋骨弓下に圧痛を認める。両側下腿に浮腫を認める。
- 検査所見: 尿所見: 蛋白1+、糖2+。血液所見: 赤血球430万、Hb14.2g/dl、Ht42%、白血球9,500、血小板30万。血清生化学所見: 血糖150mg/dl、HbA1c8.8%(基準4.3~5.8)、総蛋白7.0g/dl、尿素窒素26mg/dl、クレアチニン1.2mg/dl、総コレステロール224mg/dl、トリグリセライド190mg/dl、総ビリルビン0.8mg/dl、AST60単位、ALT34単位、LDH620単位(基準176~353)、CK960単位(基準10~110)、Na148mEq/l、K4.6mEq/l、Cl103mEq/l。経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)96%(酸素3l/分投与下)。入院時の胸部エックス線写真と心電図とを次に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [100D039]←[国試_100]→[100D041]
[★]
- 次の文を読み、60~62の問いに答えよ。
- 82歳の男性。意識消失のため搬入された。
- 現病歴:本日、ビールを飲みながら夕食をとった後、入浴のため食卓から立ち上がり歩き始めたところ、突然意識を消失し倒れた。驚いた妻が駆けつけ大声で呼びかけたところ、すぐに意識は清明となった。明らかな外傷やけいれんはなかったという。最近、椅子から立ち上がる時にふわっとすることがよくあったという。
- 既往歴:高血圧症のためカルシウム拮抗薬を内服している。1か月前から持病の腰痛症悪化のため非ステロイド性抗炎症薬を内服している。
- 生活歴:長男夫婦と同居。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:意識は清明。体温36.8℃。脈拍88/分、整。血圧132/68mmHg。呼吸数18/分。SpO2 95%(room air)。瞳孔径は両側3mmで対光反射は正常である。眼瞼結膜はやや蒼白である。眼球結膜に黄染を認めない。口腔内に出血を認めない。舌と粘膜とに損傷を認めない。項部硬直を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。咽頭に腫脹と発赤とを認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腹部に圧痛を認めない。四肢に浮腫、チアノーゼ、ばち指および皮疹を認めない。
- 検査所見:心電図に異常を認めない。
- 意識消失の原因として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107G059]←[国試_107]→[107G061]
[★]
- 次の文を読み、60~62の問いに答えよ。
- 82歳の男性。意識消失のため搬入された。
- 現病歴:本日、ビールを飲みながら夕食をとった後、入浴のため食卓から立ち上がり歩き始めたところ、突然意識を消失し倒れた。驚いた妻が駆けつけ大声で呼びかけたところ、すぐに意識は清明となった。明らかな外傷やけいれんはなかったという。最近、椅子から立ち上がる時にふわっとすることがよくあったという。
- 既往歴:高血圧症のためカルシウム拮抗薬を内服している。1か月前から持病の腰痛症悪化のため非ステロイド性抗炎症薬を内服している。
- 生活歴:長男夫婦と同居。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:意識は清明。体温36.8℃。脈拍88/分、整。血圧132/68mmHg。呼吸数18/分。SpO2 95%(room air)。瞳孔径は両側3mmで対光反射は正常である。眼瞼結膜はやや蒼白である。眼球結膜に黄染を認めない。口腔内に出血を認めない。舌と粘膜とに損傷を認めない。項部硬直を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。咽頭に腫脹と発赤とを認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腹部に圧痛を認めない。四肢に浮腫、チアノーゼ、ばち指および皮疹を認めない。
- 検査所見:心電図に異常を認めない。
- 追加すべき診察はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107G060]←[国試_107]→[107G062]
[★]
- 64歳の男性。浮腫と全身倦怠感とを主訴に来院した。 10年前に健康診療で血糖高値と血圧高値とを指摘されたが受診しなかった。半年前から夜間排尿回数の増加を自覚していた。 1か月前から浮腫と全身倦怠感とが出現し、次第に増悪するために受診した。飲酒は日本酒1台/日を40年間。喫煙は15本/日を40年間。身長168cm、体重74kg。体温36.0℃、呼吸数16/分。脈拍80/分、整。血圧166/100mmHg。眼瞼結膜に貧血を認める。心尖部に2/6度の収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は軽度に膨隆し、圧痛を認めない。肝・脾を触知しない。前脛骨部に浮腫を中等度認める。尿検査:蛋白3+、糖1+、潜血1 +。血液所見:赤血球 280万、 Hb 8.2g/dl、 Ht 22%、白血球 5,000、血小板 20万。血液生化学所見:空腹時血糖146mg/dl、HbA1c 6.8%(基準4.3-5.8)、総蛋白 5.8g/dl、アルブミン 3.0g/dl、尿素窒素 30mg/dl、クレアチニン 2.2mg/dl、尿酸 8.2mg/dl, Na 140mEq/l、K 6.0mEq/l, Cl 114mEq/l。胸部エックス線写真で心胸郭比56%であり、心電図で左室肥大を認める。
- 治療として適切でないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105D044]←[国試_105]→[105D046]
[★]
- 82歳の女性。転倒し救急車で搬入された。
- 現病歴:廊下で倒れているところを家族が発見し、救急車を要請した。半年前から階段昇降時の息切れを自覚していた。
- 既往歴:68歳時から高血圧症のためカルシウム拮抗薬、糖尿病のためビグアナイド薬、75歳時から深部静脈血栓症のためワルファリン、76歳時から不眠症のためベンゾジアゼピン系睡眠薬、骨粗鬆症のためビスホスホネート製剤で治療中。
- 生活歴:日常生活動作(ADL)は自立。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:問いかけに対し名前を言うことができる。身長 152cm、体重 42kg。体温 36.6℃。心拍数 72/分、整。仰臥位で血圧 112/68mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜は貧血様である。眼球結膜に黄染を認めない。前頭部に2cm大の皮下血腫を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。神経診察を含む身体診察に異常を認めない。
- 転倒の原因を評価するための質問として有用性が低いのはどれか。
- a 「転倒した時のことを覚えていますか」
- b 「打撲して最も痛い部位はどこですか」
- c 「転倒するときに何かにつまずきましたか」
- d 「手足のしびれや、動かしづらさはありませんか」
- e 「これまで痙攣発作を起こしたと言われたことがありますか」
[正答]
※国試ナビ4※ [113C053]←[国試_113]→[113C055]
[★]
- 63歳の女性。 「鼻血を止める方法を教えてください」と救急外来に電話があった。
- 現病歴:本日19時から、自宅で特に誘因なく鼻出血が出現した。 30分たっても止血しないため、救急外来に電話したという。
- 既往歴:約10年前に高血圧症と診断され、自宅近くの診療所で降圧薬を処方されている。
- 患者は20時30分頃来院した。助言に従い止血を試みたが、効果がみられなかったという。
- 生活歴:特記すべきことはない。
- 家族歴 :父親が高血圧性脳出血のため76歳で死亡。
- 現 症:意識は清明。脈拍88/分、整。血圧166/80mmHg。左鼻孔からの出血を認め、しばしば口腔内に溜まった血液を吐き出している。他の身体所見に異常を認めない。
- 救急外来担当医が耳鼻咽喉科医師に対応を要請している間に、座って待機していた患者が床にうずくまった。呼びかけに対する反応は明確でなく、顔面は蒼白で冷汗を認める。脈拍56/分、整。血圧104/72mmHg。呼吸数16/分。胸部聴診で呼吸音に異常を認めない。
[正答]
※国試ナビ4※ [106F030]←[国試_106]→[106G001]
[★]
- 58歳の男性。倦怠感と歩行時の息切れとを主訴に来院した。 20年前に糖尿病を指摘されたが治療は受けていない。 5年前から蛋白尿、 2年前から高血圧を認めていた。母親が糖尿病である。意識は清明。身長 170 cm、体重 68 kg。脈拍 96/分、整。血圧 168/96 mmHg。眼瞼結膜は貧血様である。 II /VIの収縮期心雑音を認める。両側の下胸部に coarse cracklesを聴取する。下腿に浮腫を認める。尿所見:蛋白 2+、糖 (-)、沈渣に赤血球 1~ 4 / 1視野。血液所見:赤血球 270万、 Hb 8.0 g/dl、Ht 25%、白血球 7,200、血小板 12万。血液生化学所見:総蛋白 6.4 g/dl、アルブミン 3.2 g/dl、フェリチン 85 ng/ml(基準 20~120)、尿素窒素 58 mg/dl、クレアチニン 5.1 mg/dl、尿酸 9.5 mg/dl、空腹時血糖 140 mg/dl、HbA1c(NGSP) 7.2% (基準 4.6~6.2)、総コレステロール 190 mg/dl、Na 140 mEq/l、K 5.5 mEq/l、Cl 111 mEq/l、Ca 8.0 mg/dl、 P 5.5 mg/dl、Fe 80μg/dl、総鉄結合能〈TIBC〉300 μg/dl(基準 290~390)。動脈血ガ-ス分析 ( room air): pH 7.34、PaCO2 35 Torr、PaO2 92 Torr、HCO3 16.5 mEq/l。腹部超音波検査で両腎の大きさは正常である。
- この患者に対する治療薬として適切でないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108I066]←[国試_108]→[108I068]
[★]
- 次の文を読み、7~9の問いに答えよ。
- 36歳の女性。呼吸困難を主訴に来院した。
- 現病歴 : 5年前に心電図で左室肥大を指摘されたが、無症状のため放置していた。3か月前から労作時の息切れを自覚していたが、最近、夜間に呼吸困難発作が生じるようになった。
- 既往歴 : 特記すべきことはない。
- 現症 : 身長161cm、体重56kg。呼吸数16/分。脈拍86/分、整。血圧104/72mmHg。頚静脈は軽度怒張し、胸部では心尖拍動が左方に偏位し、その部位にIII音と汎収縮期雑音とを聴取する。呼吸音に異常はない。肝を右肋骨弓下に2cm触知し、両側下腿前面に浮腫を認める。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球385万、Hb12.1g/dl、白血球4,600。血清生化学所見:総蛋白6.8g/dl、アルブミン3.3g/dl、クレアチニン0.7mg/dl、総ビリルビン1.2mg/dl、AST(GOT)48単位(基準40以下)、ALT(GPT)56単位(基準35以下)、CK28単位(基準10~40)。心エコーの左室長軸断層像(別冊No.2)を別に示す。
- この患者の治療薬として適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [096C008]←[国試_096]→[096C010]
[★]
- 56歳の男性。意識障害のため救急車で搬入された。午前7時30分に、頭痛、悪心および嘔吐が出現し、徐々に意識がもうろうとしてきたため、30分後に妻が救急車を要請した。40歳時に高血圧症を指摘されていたが、定期的な通院はしていなかった。喫煙は20歳から20本/日。飲酒はビール2L/日。意識状態はJCS Ⅰ-3。体温 37.9℃。心拍数 96/分、整。血圧 226/136mmHg。呼吸数 22/分。SpO2 96%(鼻カニューラ 3L/分酸素投与下)。眼底にうっ血乳頭を認める。心音に異常を認めない。両側胸部にcoarse cracklesを聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球 412万、Hb 13.9g/dL、白血球 9,300、血小板 21万。血液生化学所見:総蛋白 6.3/dL、アルブミン 3.2g/dL、総ビリルビン 0.9mg/dL、AST 25U/L、ALT 21U/L、LD 232U/L(基準 176~353)、クレアチニン 1.3mg/dL、血糖 94mg/dL、Na 139mEq/L、K 3.8mEq/L、Cl 103mEq/L。CRP 1.6mg/dL。頭部CTで軽度の浮腫が疑われたが脳出血を認めない。
- 降圧治療の方針で適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113D041]←[国試_113]→[113D043]
[★]
- 58歳の男性。 1か月前からの下腿の浮腫を主訴に来院した。 5年前に健康診断で糖尿病と高血圧症とを指摘されたため、自宅近くの診療所で食事療法の指導を受け、経口糖尿病薬とカルシウム拮抗薬とを処方されている。眼底検査で明らかな異常を指摘されていないという。意識は清明。身長166cm、体重70kg。体温36.4℃。脈拍84/分、整。血圧142/88mmHg。呼吸数14/分。眼瞼と下腿とに浮腫を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。神経学的所見に異常を認めない。尿所見:蛋白3+、潜血1+、沈渣に赤血球1-4/1視野、白血球1-4/1視野。血液所見:赤血球480万、 Hb15.1g/dl、 Ht46%、白血球5,000、血小板30万。血液生化学所見:空腹時血糖98mg/dl、 HbA1c6.0%(基準4.3-5.8)、総蛋白4.6g/dl、アルブミン2.5g/dl、尿素窒素16mg/dl、クレアチニン0.9mg/dl、総コレステロール300mg/dl。腎生検のPAM染色標本(別冊No. 14)を別に示す。
- 治療として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106D040]←[国試_106]→[106D042]
[★]
- 47歳の女性。右趾の難治性潰瘍と高血糖のため紹介されて来院した。10年前から糖尿病の診断を受けていたが、1年ほど通院していなかった。2か月前に右趾に湯たんぽで熱傷を負い、自宅近くの診療所で処置を受けていた。難治性のため血糖を測定したところ、550mg/dLと高く、紹介されて受診した。身長 155cm、体重 62kg。血圧 156/94mmHg。顔面と下腿とに高度の浮腫を認める。腹部に血管雑音を聴取しない。尿所見:蛋白3+、潜血(-)、沈渣に上皮円柱 1個/数視野、脂肪円柱 5~9個/各視野、尿蛋白3.8g/日。血液所見:赤血球 380万、Hb 11.8g/dL、Ht 37%、白血球 5,900、血小板 36万。血液生化学所見:総蛋白 5.8g/dL、アルブミン 2.6g/dL、IgG 1,166mg/dL(基準 960~1,960)、IgA 160mg/dL(基準 110~410)、IgM 69mg/dL(基準65~350)、尿素窒素 8mg/dL、クレアチニン 0.7mg/dL、HbA1c 13.5%(基準 4.6~6.2)、総コレステロール 380mg/dL。免疫血清学所見:ASO 200単位(基準 250以下)。抗核抗体陰性、CH50 38.4U/mL(基準 30~40)。
- この患者の治療に有効でないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110A024]←[国試_110]→[110A026]
[★]
- 次の文を読み、26、27の問いに答えよ。
- 65歳の女性。動悸を訴え、外来の処置室で臥床している。
- 現病歴:本日、眼底検査のため来院し眼科外来の待合室の長椅子に座って待っていた。看護師が声かけしたところ、応答が鈍く、冷汗がみられた。体調について尋ねたところ、患者は動悸を訴えた。処置室へ移動するために、立ち上がろうとしたときにふらつきがみられた。処置室で臥床後も動悸は続いている。
- 既往歴:5年前から高血圧症と糖尿病とで内科で治療中である。カルシウム拮抗薬、利尿薬、スルホニル尿素薬およびビグアナイド薬を内服し血圧は150/92mmHg程度、この1年間のHbA1cは8.5%程度。
- 生活歴:喫煙は10本/日を40年間。
- 家族歴:姉が脳梗塞で右片麻痺。弟が急性心筋梗塞のため60歳で死亡。
- 現時点でのこの患者への質問として最も適切なのはどれか。
- a 「最近、食欲や体重に変わりはありませんか」
- b 「最近、排尿や排便の調子はどうでしょうか」
- c 「昨日の夕食の内容で心当たりはありますか」
- d 「昨夜の睡眠時間は何時間だったでしょうか」
- e 「今朝の食事とお薬は、いつも通りでしたか」
[正答]
※国試ナビ4※ [109C025]←[国試_109]→[109C027]
[★]
- 78歳の女性。皮疹と食欲低下を主訴に来院した。高血圧症、狭心症および脂質異常症で自宅近くの医療機関に通院し、カルシウム拮抗薬、抗血小板薬およびスタチンの処方を受けていた。20日前の定期通院時の血清クレアチニンは0.7mg/dL、eGFR 61mL/分/1.73m2であった。5日前から左背部から側腹部にかけて痛みを伴う皮疹が出現し市販のNSAIDを腹用していたが改善せず、食事も摂れなくなったため受診した。意識は清明。身長 152cm、体重 41kg。体温 37.2℃。脈拍 88/分、整。血圧 142/80mmHg。左背部から側腹部にかけて紅斑と水疱を認め強い疹痛を伴っている。血液所見:赤血球 341万、Hb 11.0g/dL、Ht 33%、白血球 3,700、血小板 17万。血液生化学所見:尿素窒素 23mg/dL、クレアチニン 1.4mg/dL、eGFR 28mL/分/1.73m2、総コレステロール 210mg/dL、Na 143mEq/L、K 4.6mEq/L、Cl 106mEq/L。CRP 0.7mg/dL。帯状疱疹と診断され、強い痛みと食欲不振もあることから入院の上でアシクロビルによる帯状疱疹の治療を行うこととした。
- この患者で減量して投与すべきなのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [114A067]←[国試_114]→[114A069]
[★]
- 50歳の女性。2か月前から出現した下肢の浮腫を主訴に来院した。約半年前から脱毛と多関節痛とを自覚していた。光線過敏の既往がある。身長156cm、体重48kg。体温37.4℃。脈拍84/分、整。血圧112/70mmHg。眼瞼と下腿とに浮腫を認める。尿所見:蛋白+、潜血2+、沈渣に赤血球10~19/1視野、顆粒円柱1~4/1視野、卵円形脂肪体1~4/1視野。血液所見:赤血球320万、Hb9.8g/dl、Ht29%、白血球3,200、血小板10万。血液生化学所見:空腹時血糖90mg/dl、総蛋白6.2g/dl、アルブミン2.1g/dl、尿素窒素16mg/dl、クレアチニン0.8mg/dl、IgG 1,950mg/dl(基準960~1,960)、IgA 350mg/dl(基準110~410)、IgM 240mg/dl(基準65~350)、総コレステロール320mg/dl。免疫学所見:CH50 10U/ml未満(基準30~40)、C3 40mg/dl(基準52~112)、C4 6mg/dl(基準16~51)、抗核抗体1,280倍(基準20以下)、抗DNA抗体(RIA法)56IU/ml(基準7以下)、抗リン脂質抗体陰性。腎生検のH-E染色標本(別冊No.28)を別に示す。
- 治療薬として適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [107D053]←[国試_107]→[107D055]
[★]
- 83歳の女性。全身の衰弱のため、心配した介護施設の職員に伴われて来院した。2か月前から介助がないと立ち上がれなくなった。1か月前からさらに活気がなくなり、1週間前から食事量も減少してきた。脳梗塞後遺症の左不全片麻痺、高血圧症、脂質異常症、骨粗鬆症および便秘のため、アスピリン、カルシウム拮抗薬、スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、活性型ビタミンD、酸化マグネシウム及びプロトンポンプ阻害薬を内服している。意識レベルはJCSⅠ-2。血圧 126/62mmHg。尿所見:蛋白(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 302万、Hb 9.7g/dL、Ht 30%、白血球 5,700、血小板 14万。血液生化学所見:総蛋白 6.3g/dL、アルブミン 3.3g/dL、AST 11U/L、ALT 16U/L、CK 97U/L(基準 30~140)、尿素窒素 28mg/dL、クレアチニン 2.8mg/dL、LDLコレステロール 120mg/dL、Na 134mEq/L、K 4.5mEq/L、Cl 100mEq/L、Ca 12.5mg/dL、P 3.1mg/dL、Mg 2.5mg/dL(基準 1.8~2.5)。
- この患者の衰弱の原因として最も考えられる薬剤はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111D045]←[国試_111]→[111D047]
[★]
- 次の文を読み、26、27の問いに答えよ。
- 65歳の女性。動悸を訴え、外来の処置室で臥床している。
- 現病歴:本日、眼底検査のため来院し眼科外来の待合室の長椅子に座って待っていた。看護師が声かけしたところ、応答が鈍く、冷汗がみられた。体調について尋ねたところ、患者は動悸を訴えた。処置室へ移動するために、立ち上がろうとしたときにふらつきがみられた。処置室で臥床後も動悸は続いている。
- 既往歴:5年前から高血圧症と糖尿病とで内科で治療中である。カルシウム拮抗薬、利尿薬、スルホニル尿素薬およびビグアナイド薬を内服し血圧は150/92mmHg程度、この1年間のHbA1cは8.5%程度。
- 生活歴:喫煙は10本/日を40年間。
- 家族歴:姉が脳梗塞で右片麻痺。弟が急性心筋梗塞のため60歳で死亡。
- 現症:意識レベルはJCS I-1。体温 36.4℃。脈拍 108/分、整。血圧 166/96mmHg。呼吸数 22/分。SpO2 98%(room air)。
- 直ちに行うべき検査はどれか。
- a 血糖測定
- b 頭部MRI
- c 心エコー検査
- d 甲状腺機能検査
- e 胸部エックス線撮影
[正答]
※国試ナビ4※ [109C026]←[国試_109]→[109C028]
[★]
- 英
- systemic sclerosis, systemic scleroderma, SSc
- 同
- 汎発性強皮症 diffuse sclerosis、進行性全身性硬化症 progressive systemic sclerosis PSS、全身性硬化症
- 関
- 強皮症、膠原病
概念
- 皮膚硬化を特徴とする強皮症のうち、皮膚のみでなく全身の諸臓器(肺、消化管、心、腎、関節など)に病変がみられるもの。
病因
- 珪肺症患者:リスク110倍
- 美容などの豊胸手術後に発症:シリコンがアジュバンドとして作用
- 塩化ビニル工場従事者に多い
- 薬剤(ブレオマイシン、トリプトファン)
- マイクロキメリズム(胎児由来血液幹細胞が母胎に移行)
疫学
- 30-50歳に好発。男女比は1:3-4。(NDE.171)
病型
- limited cuteneous SSc, diffuse cuteneous SSc
limited cuteneous SSc
- 皮膚硬化は肘から末梢に限局
- 内臓病変:軽度
- 予後:良好
- 自己抗体:抗セントロメア抗体
CREST症候群
- C:carcinosis:石灰沈着
- R:Raynaud's phenomenon:レイノー現象
- E:esophageal dysfunction:食道機能不全
- S:sclerodacrylia:強指症
- T:teleangiectasia:毛細血管拡張
diffuse cuteneous SSc
症状
- 初発症状:レイノー現象、指、手の硬化
- 関節炎、食道蠕動運動低下、下部食道の拡張、肺線維症(55%)、肺高血圧(5%)、心症状(不整脈、伝導障害)(10-20%)、心膜炎(3%)、吸収不良症候群、強皮腎(悪性高血圧症。5%)、橋本甲状腺炎
- 強皮腎:血管内皮細胞の障害→血管内膜の肥厚、内腔の狭窄→血管の攣縮・虚血→輸入動脈、糸球体係蹄の壊死→レニン産生の亢進→悪性高血圧→急性腎不全
症状の出現頻度
- 100%:皮膚硬化、レイノー現象
- 60%:食道機能障害、肺線維症
- 20%:小腸、大腸、ミオパチー
- 10%:心肥大
- 5%:肺高血圧、強皮腎
検査
診断
(1) 大基準
手指あるいは足趾を越える皮膚硬化※1
(2) 小基準
① 手指あるいは足趾に限局する皮膚硬化
② 手指尖端の陥凹性瘢痕,あるいは指腹の萎縮※2
③ 両側性肺基底部の線維症
④ 抗トポイソメラーゼⅠ(Scl-70)抗体または抗セントロメア抗体陽性
(3) 除外基準
① ※1 限局性強皮症(いわゆるモルフィア)を除外する
② ※2 手指の循環障害によるもので,外傷などによるものを除く
(4) 診断の判定
大基準を満たすものを強皮症と診断する。
大基準を満たさない場合は,小基準の①かつ②~④のうち1項目以上を満たすものを強皮症と判断する
治療
- 進行性腎不全に陥り予後は重大であるが、早期のACE阻害薬による治療が予後を改善させた(REU.195)
予後
- 5年生存率 :93.7%
- 10年生存率 :76.6%
予後因子
- 全身の皮膚硬化
- 腎病変
- 心、血管病変
- 抗Scl-70抗体 ←予後不良
- 抗セントロメア抗体 ←予後良好
[★]
- 英
- edema
- 関
- 水腫、angioedema、全身性浮腫
分類
- 低アルブミン血症はfast edema と覚えておく
浮腫の原因
- IMD.518
-
- 内分泌性浮腫
- 栄養失調性浮腫・栄養障害性浮腫
- 薬剤性浮腫
- 起立性浮腫
- 特発性浮腫
- 内科診断リファレンス p.4
浮腫を来す疾患
- IMD.519改変
-
- 内科外科マニュアルp.212
- 蜂窩織炎
- 深部静脈血栓症
- 表在静脈瘤(慢性静脈還流不全)
- うっ血性心不全
- ネフローゼ症候群
- 肝硬変
- 甲状腺機能亢進症
- 甲状腺機能低下症
- 薬剤:CCB,ピオグリタゾン,NSAIDs,女性ホルモン,甘草
- 特発性浮腫:女性,夕方増悪する下腿の浮腫:NaCl,炭水化物制限
- 月経前症候群:黄体期に出現し,月経発来と共に消退:当帰芍薬散,加味逍遥散
肝性浮腫と腎性浮腫
- 肝性浮腫は下肢に、腎性浮腫では眼瞼に浮腫が初発する?(出典不明)
-
- 越婢加朮湯
- 五苓散
-
-
- 当帰芍薬散
- 真武湯
-
- 防已黄耆湯
- 八味地黄丸
参考
[★]
- 英
- gastroesophageal reflux disease GERD
- 関
- 酸逆流症、胃食道逆流症
[show details]
概念
- 胃内容物が食道側に逆流する現象により不快な症状や合併症を伴うもの
- 病態を示すので下位概念として逆流性食道炎などが存在する。
疫学
胃食道逆流症に含まれる疾患概念
- 胃食道逆流症 gastroesophageal reflux disease
- 逆流性食道炎(びらん性食道炎)。症状あり。内視鏡的食道炎あり
- 非びらん性胃食道逆流症(NERD) non erosive reflux disease。症状あり。内視鏡的食道炎なし
- 無症候性GERD(sGERD)(無症候性逆流性食道炎)。症状なし。内視鏡的食道炎あり
病態
- 胃酸分泌過多:Herycobacter pylori除菌後、Zollinger-Ellison症候群
- 食道クリアランス不全
症状
食道症状
食道外症状
分類
- 胃食道逆流症(GERD)の下位概念に以下のようなものがある
- 症状(+)、内視鏡異常(+):びらん性食道炎、逆流性食道炎
- 症状(+)、内視鏡異常(-):非びらん性胃食道逆流症, NERD
- 症状(-)、内視鏡異常(+):無症候性GERD
検査
- 重症度評価 → 改訂ロサンゼルス分類
- そのほかの食道疾患鑑別:好酸球性食道炎、[[アカラシア]
[show details]
治療
生活療法
- ファーラー位での臥床睡眠
- 禁煙
- 肥満治療(ダイエット)、
- 食後に前屈を回避
- 就寝前に食事をしない
- アルコールの回避
- 高脂肪食の回避
- 過食の回避
薬物療法
- プロトンポンプ阻害薬
- H2受容体阻害薬
- 消化管運動促進:モサプリド、六君子湯
- (カルシウム拮抗薬服用の場合)他剤への切り替え ← 平滑筋弛緩作用によりLES圧の低下を招く
手術療法
[★]
- 英
- verapamil
- 関
- カルシウム拮抗薬
- 化
- 塩酸ベラパミル verapamil hydrochloride ベラパミル塩酸塩
- 商
- ホルミトール、マゴチロン、ワソラン
禁忌
- ワソラン錠40mg
- 1. 重篤なうっ血性心不全のある患者〔本剤は陰性変力作用を有し、心不全症状を更に悪化させることがある。〕
- 2. 第II度以上の房室ブロック、洞房ブロックのある患者〔本剤は房室結節、洞結節を抑制する作用を有し、刺激伝導を更に悪化させることがある。〕
- 3. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人〔「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照〕
- 4. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 不整脈#ガイドライン
- 禁忌:新生児、乳児期。Caチャネル遮断薬の感受性が高く、徐脈、心停止となりやすい。
効能又は効果
- ワソラン錠40mg
- 頻脈性不整脈(心房細動・粗動、発作性上室性頻拍)
- 狭心症、心筋梗塞(急性期を除く)、その他の虚血性心疾患
適応症
- 頻脈性不整脈(心房細動・粗動、発作性上室性頻拍)
- 狭心症、心筋梗塞(急性期を除く)、その他の虚血性心疾患
用量
- 成人例では、1回1-2錠を、1日3回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜減量。
粉砕
- http://www.nihon-generic.co.jp/medical/search/files/VERAP_FUNSAI.pdf
- ベラパミル塩酸塩錠 40mg「JG」(大興製薬㈱製)
- 粉砕は可能で4週間程度は安定であることが示されている。
添付文書
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2171008F1070_1_02/2171008F1070_1_02?view=body
[★]
- 英
- activated charcoal、active carbon
- 関
- 木炭
概念
- 炭化水素化合物を焼成して調製した炭素末
- 炭化水素の網目構造に物質を吸着できる ← 炭化水素という物性からしてイオン性、大分子(蛋白と結合した
物質)、水溶性の物質は吸着しづらい、と思われる。
活性炭の吸着に関与する要素
- くり返し投与が有効なのは脂溶性、非イオン性、分布容量 Vdが小さい、蛋白結合率が低い
- 腸管循環する物質、腸溶剤、徐放剤
吸着できる物質
SQ.480
吸着できない物質
- 参考1
- アルカン、アルケン、ハロゲン化アルキル、芳香族炭化水素、アルコール、アセトン、エタノール、エチレングリコール、イソプロパノール、メタノール、
参考
- 1. [charged] Decontamination of poisoned adults - uptodate [1]
- 2. 活性炭 - wiki ja