- 英
- proton pump inhibitor PPI
- 同
- プロトン-カリウムATPアーゼ阻害薬 proton-potassium ATPase inhibitor、H+ポンプ阻害薬
- 胃潰瘍の治癒率を向上する (⇔H2受容体拮抗薬)
プロトンポンプ阻害薬
-
-
相互作用
プロトンポンプ
H+/K+ ATPase ・・・これはNa+/K+ ATPaseと60%相同性を持つ
2,4のαサブユニットと同数のβサブユニットを含む。
αサブユニット10回膜貫通, 120-150kDa, glycoprotein
αは管腔側、原形質膜まで。細胞内輸送に必要。
βサブユニットは管腔側に突き出ており、反対側は膜内に埋もれている。
休止期には小胞体内内腔へのH+,K+,Cl-の移動、分泌期には小胞は管腔の細胞膜と癒合してK+, Cl-を管腔側に排出する一方でH+を排出でしてK+を取り込む。
PPIは弱塩基性
PPIはH+と反応してPPIaとなりS-S-活性体となり、H+,K+-ATPaseのSH基と結合して不可逆的に阻害する。
比較
PPI:胃潰瘍の治癒率↑
H2R阻害薬:十二指腸潰瘍の治癒率↑
PPI問題
胃潰瘍8
十二指腸6
逆流性食道炎8
副作用
血中ガストリン↑→ECL cell↑→リバウンドが激しい
week end therapy: 週末3日だけ投与後休薬
ピレンゼピン(Mi R blocker), PG(プロスタグランジン) → ガストリン↑を軽減
ラベプラゾール:ガストリン濃度を上げず酸分泌↓
→リバウンドが少ない。
PPI抵抗性潰瘍:PPIによる酸分泌抑制不十分
①個人差によるPPIの用量不足
②胃内でのPPIの不活性化→
胃内容の排泄遅延。PPIが不活化、アルカリに晒される。
副作用
- http://www.uptodate.com/contents/overview-and-comparison-of-the-proton-pump-inhibitors-for-the-treatment-of-acid-related-disorders?source=search_result&search=%EF%BC%B0%EF%BC%B0%EF%BC%A9&selectedTitle=1~150#H59974871
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/09/11 19:37:05」(JST)
[Wiki ja表示]
プロトンポンプ阻害薬(-そがいやく、英: PPI; Proton pump inhibitor)とは胃の壁細胞のプロトンポンプに作用し、胃酸の分泌を抑制する薬である。胃酸分泌抑制作用を持つ薬剤には他にヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)があるがプロトンポンプ阻害薬はH2ブロッカーよりも強力な胃酸分泌抑制作用を持ち、分泌抑制作用は用量に依存する。H2ブロッカーよりも抑制作用が長時間持続する。
目次
- 1 適用
- 2 相互作用・副作用
- 3 プロトンポンプ阻害薬の例
- 4 脚注
- 5 外部リンク
適用
プロトンポンプ阻害薬は以下の疾患の治療に用いられ、投与中は定期的に血液学的検査を行うことが望ましい。
- 消化性潰瘍(胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍)
- Zollinger-Ellison症候群(en)
- 逆流性食道炎
- ヘリコバクター・ピロリの除菌補助:抗生物質であるクラリスロマイシン(商品名:クラリスなど)とアモキシシリン(商品名:サワシリンなど)と共に用いられる。
相互作用・副作用
- 相互作用が報告されている薬剤等
- 水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム含有の制酸剤、ジゴキシンメチルジゴキシン、イトラコナゾールゲフィチニブ、アタザナビル硫酸塩、クロピドグレルとの併用は注意また禁忌とされる。
- おもな副作用
- アナフィラキシー、血小板減少、溶血性貧血、横紋筋融解症、劇症肝炎、低ナトリウム血症、視力障害[1]、血管浮腫
- 胃酸による殺菌作用が抑制される結果、腸内細菌叢の変化を引き起こし小腸の炎症が増強される事が報告されている[2]。
プロトンポンプ阻害薬の例
- オメプラゾール(製品の代表的なもの:オメプラール・オメプラゾン)
- ランソプラゾール(製品の代表的なもの:タケプロン・タケプロンOD錠, 武田薬品工業製造販売)
- ラベプラゾールナトリウム(製品名:パリエット[3], エーザイ製造販売)
- エソメプラゾール(製品名: ネキシウム, アストラゼネカ製造, 第一三共販売)
脚注
- ^ プロトンポンプ阻害剤により視力障害をきたした2症例 日本消化器病学会雑誌 Vol.97 (2000) No.5 P575-579
- ^ プロトンポンプ阻害薬は小腸の炎症を増強する 日本医科大学医学会雑誌 Vol.10 (2014) No.2 p.38-39
- ^ パリエット
外部リンク
- プロトンポンプ阻害薬の胃液分泌および消化性潰瘍に対する効果 日本薬理学雑誌 Vol.87、No.4(1986) pp.351-360
薬理学:医薬品の分類 |
|
消化器/代謝(A) |
胃酸中和剤(制酸薬、H2ブロッカー、プロトンポンプ阻害薬) • 制吐薬 • 瀉下薬 • 止瀉薬/止痢薬 • 抗肥満薬 • 血糖降下薬 • ビタミン • ミネラル
|
|
血液、血液生成器官(B) |
抗血栓薬(抗血小板剤、抗凝固薬、血栓溶解薬) • 抗出血(血小板、凝固・線溶系、抗線維素溶解性)
|
|
循環器系(C) |
心臓療法/狭心症治療薬(強心配糖体、抗不整脈薬、強心剤) • 高血圧治療薬 • 利尿薬 • 血管拡張薬 • 交感神経β受容体遮断薬 • カルシウム拮抗剤 • レニン-アンジオテンシン系(ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬) • 脂質降下薬(スタチン、フィブラート、胆汁酸捕捉因子)
|
|
皮膚(D) |
皮膚軟化剤 • 瘢痕形成剤 • 鎮痒薬 • 乾癬治療薬 • 他の皮膚薬
|
|
泌尿生殖器系(G) |
ホルモン避妊薬 • 排卵誘発治療 • SERM • 性ホルモン
|
|
内分泌器(H) |
視床下部脳下垂体ホルモン • 副腎皮質ホルモン(糖質コルチコイド、ミネラルコルチコイド) • 性ホルモン • 甲状腺ホルモン/抗甲状腺薬
|
|
感染(J、P、QI) |
抗菌薬 (抗生物質) • 抗真菌薬 • 抗ウイルス薬 • 抗寄生虫薬(抗原虫薬、駆虫薬) • 外部寄生虫駆除剤 • 静注用免疫グロブリン • ワクチン
|
|
悪性腫瘍(L01-L02) |
抗がん剤(代謝拮抗薬、抗腫瘍性アルキル化薬、紡錘体毒、抗悪性腫瘍薬、トポイソメラーゼ阻害薬)
|
|
免疫系(L03-L04) |
免疫調節薬(免疫賦活薬、免疫抑制剤)
|
|
筋肉、骨、関節(M) |
アナボリックステロイド • 抗炎症薬(NSAIDs) • 抗リウマチ • 副腎皮質ホルモン • 筋弛緩剤 • ビスホスホネート
|
|
脳、神経(N) |
鎮痛剤 • 麻酔剤(一般、局所・静脈) • 食欲低下薬 • ADHD治療 • 中毒医学 • 抗てんかん薬 • アルツハイマー治療 • 抗うつ薬 • 片頭痛治療 • 抗パーキンソン病薬 • 抗精神病薬 • 抗不安薬 • 抑制剤 • エンタクトゲン • エンセオジェン • 陶酔薬 • 幻覚剤(サイケデリック、解離性麻酔薬、デリリアント) • 催眠薬/鎮静薬 • 気分安定薬 • 神経保護 • スマートドラッグ • 神経毒 • 食欲促進 • セレニック • 精神刺激薬 • 覚醒促進物質
|
|
呼吸器(R) |
鬱血除去薬 • 気管支拡張薬 • 鎮咳去痰薬 • 抗ヒスタミン薬
|
|
感覚器(S) |
眼科学 • 耳科学
|
|
その他ATC(V) |
解毒剤 • 造影剤 • 放射性薬理学 • 湿潤療法
|
|
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- プロトンポンプ阻害薬内服で上気道炎様症状が改善した2型糖尿病合併逆流性食道炎の一例
- 山本 弥生,中神 朋子,小西 洋之,近藤 光子,山村 幸江,岩本 安彦
- 東京女子医科大学雑誌 81(E2), E261-E265, 2011-03-31
- … プロトンポンプ阻害薬の内服にて上気道炎様症状の改善をみた一例を経験したので報告する。 …
- NAID 110008441479
- 消化器疾患 出血性胃・十二指腸潰瘍 (特集 救急薬剤プラクティカルガイド) -- (疾患別救急薬剤ベストプラクティス)
- 消化器疾患 胃食道逆流症(GERD) (特集 救急薬剤プラクティカルガイド) -- (疾患別救急薬剤ベストプラクティス)
- 抗血小板療法時の消化管傷害の対策 (冠動脈疾患(上)診断と治療の進歩) -- (冠動脈疾患における治療学の進歩)
Related Links
- プロトンポンプ阻害薬(-そがいやく、英: PPI; Proton pump inhibitor)とは胃の壁細胞の プロトンポンプに作用し、胃酸の分泌を抑制する薬である。胃酸分泌抑制作用を持つ 薬剤には他にヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)があるがプロトンポンプ阻害薬 ...
- 2007年8月24日 ... 承認を取得したプロトンポンプ阻害薬は、「タケプロン ® 」(一般名:ランソプラゾール/ 武田薬品工業)、「オメプラール ® 」(一般名:オメプラゾール/アストラゼネカ)、「 オメプラゾン ® 」(一般名:オメプラゾール/三菱ウェルファーマ)、「 ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、66~68の問いに答えよ。
- 78歳の男性。呼吸困難と下腿浮腫とを主訴に来院した。
- 現病歴:心不全、心筋梗塞および高血圧症にて自宅近くの診療所に通院中であった。2か月前から階段を上がる際に胸部の違和感を覚えるようになった。1か月前から歩行時の呼吸困難と下腿浮腫とを自覚するようになった。呼吸困難は徐々に悪化し、10mさえも歩くことが困難になり受診した。
- 既往歴:65歳から高血圧症。75歳時に心筋梗塞にて経皮的冠動脈形成術(薬剤溶出性ステント留置)。76歳から心不全。アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、β遮断薬、ループ利尿薬、HMG-CoA還元酵素阻害薬、アスピリン及びチエノピリジン系抗血小板薬を処方されている。
- 生活歴:喫煙は70歳まで20本/日を50年間。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:父親は脳出血で死亡。母親は胃癌で死亡。
- 現症:意識は清明。身長 154cm、体重 58kg(1か月で3kg増加)。体温 36.3℃。脈拍 96/分、整。血圧 156/86mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 96%(鼻カニューラ2L/分酸素投与下)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈の怒張を認める。頸部血管雑音を聴取しない。胸部の聴診でⅢ音とⅣ音とを聴取する。心雑音を聴取しない。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。両側の下腿に浮腫を認める。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球 412万、Hb 13.8g/dL、Ht 42%、白血球 6,500(桿状核好中球 30%、分葉核好中球 40%、好酸球 1%、好塩基球 1%、単球 6%、リンパ球 22%)、血小板 19万、Dダイマー 0.6μg/dL(基準 1.0以下)。血液生化学所見:総蛋白 6.5g/dL、アルブミン 3.8g/dL、総ビリルビン 1.1mg/dL、AST 36IU/L、ALT 39IU/L、LD 352IU/L(基準 176~353)、ALP 153IU/L(基準 115~359)、CK 156IU/L(基準30~140)、尿素窒素 21mg/dL、クレアチニン 0.9mg/dL、血糖 114mg/dL、HbA1c 5.7%(基準 4.2~6.2)、総コレステロール 139mg/dL、トリグリセリド 77mg/dL、HDLコレステロール 53mg/dL、Na 137mEq/L、K 4.7mEq/L、Cl 104mEq/L、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)840pg/mL(基準 18.4以下)。CRP 0.2mg/dL。心筋トロポニンT迅速検査は陰性。心電図は心拍数98/分の洞調律で、不完全右脚ブロックを認める。胸部エックス線写真で心胸郭比は58%であり、肺血管陰影の増強と右肋骨横隔膜角の鈍化とを認める。心エコーで左室駆出率は34%で、びまん性に左室の壁運動低下を認める。
- 入院後の経過:入院し適切な治療を行ったところ徐々に病状は改善し、入院3日目には、酸素投与を中止し内服薬をすべて再開した。入院5日目の夜、トイレに行こうとしてベッドサイドで転倒した。意識は清明。体温 36.8℃。脈拍 88/分、整。血圧 138/84mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 96%(room air)。大腿骨エックス線写真と腰椎エックス線写真で骨折を認めない。頭部CTで異常を認めない。
- その後の経過:入院10日目の昼ころから、心窩部に軽い痛みを感じるようになった。翌朝、黒色便が出現した。意識は清明。体温 36.6℃。脈拍 100/分、整。血圧 98/56mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 97%(room air)。
- 対応として適切でないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110G067]←[国試_110]→[110G069]
[★]
- 次の文を読み、54~56の問いに答えよ。
- 84歳の女性。ふらつきがあり、頻回に転倒するため夫と来院した。
- 現病歴:2か月前に腰椎圧迫骨折を起こし、自宅近くの病院に入院した。入院後は腰痛のためベッド上で安静にしていた。徐々に痛みは改善し、1か月後、自宅に退院したが、退院後にふらつきを自覚し、転倒するようになった。ふらつきは特に朝方に強い。難聴と耳鳴りは自覚していない。入院した病院で頭部を含めた精査を受けたが原因が明らかでなく、症状が改善しないため受診した。
- 既往歴:68歳時から糖尿病と高血圧症、75歳時から逆流性食道炎と不眠症。
- 生活歴:夫と2人暮らし。喫煙歴と飲酒歴はない。入院までは夫と飲食業をしていた。リハビリテーションは週1回続けている。
- 家族歴:父親は胃癌で死亡。母親は肺炎で死亡。弟は糖尿病で治療中。
- 現症:意識は清明。身長 150cm、体重 36kg(2か月前は40kg)。体温 36.0℃。脈拍 72/分、整。血圧 146/78mmHg(立位3分後 138/74mmHg)。呼吸数 16/分。眼瞼結膜に貧血を認めない。頸静脈の怒張を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。脳神経に異常を認めない。眼振を認めない。四肢に明らかな麻痺を認めない。筋強剛を認めない。握力 14kg(基準 18以上)。指鼻試験 陰性。Romberg徴候 陰性。明らかな歩行障害を認めない。通常歩行速度 0.7m/秒(基準 0.8以上)。手指振戦を認めない。振動覚と腱反射は正常である。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖1+、ケトン体(-)。血液所見:赤血球 403万、Hb 12.1g/dL、Ht 38%、白血球 7,400。血液生化学 所見:総蛋白 6.8g/dL、アルブミン 3.3g/dL、AST 22U/L、ALT 14U/L、LD 278U/L(基準 176~353)、CK 90U/L(基準 30~140)、尿素窒素 21mg/dL、クレアチニン 0.7mg/dL、血糖 128mg/dL、HbA1c 7.4%(基準 4.6~6.2)、総コレステロール 186mg/dL、トリグリセリド 100mg/dL、HDLコレステロール 50mg/dL、Na 135mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 97mEq/L。心電図に異常を認めない。高齢者総合機能評価(CGA):基本的日常生活動作(Barthel指数)100点(100点満点)、手段的日常生活動作 (IADLスケール)8点(8点満点)、Mini-Mental State Examination(MMSE)27点(30点満点)、Geriatric Depression Scale2点(基準5点以下)。
- 来院時の内服薬を調べたところ、経口血糖降下薬、降圧薬、ビスホスホネート製剤、ベンゾジアゼピン系睡眠薬、プロトンポンプ阻害薬が処方されていた。
- まず減量を検討すべきなのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112C055]←[国試_112]→[112C057]
[★]
- 次の文を読み、28、29の問いに答えよ。
- 62歳の男性。右下肢の痛みを主訴に来院した。
- 現病歴:半年前から散歩の際に右下肢の疲れやすさを自覚していた。1か月前から15分程度の平地歩行で右下肢の痛みが出現するようになった。しばらく立ち止まっていると痛みが軽快して再び歩くことができた。様子をみていたが同様の症状が続くため受診した。
- 既往歴:45歳から高血圧症、脂質異常症および高尿酸血症。55歳から心房細動。57歳から逆流性食道炎。アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、尿酸排泄促進薬、抗凝固薬およびプロトンポンプ阻害薬を処方されている。
- 生活歴:喫煙は30本/日を42年間。飲酒はビール500mL/日を42年間。営業職で外食が多い。
- 家族歴:父親が82歳で大動脈瘤破裂。母親が84歳で脳梗塞。
- 現症:意識は清明。身長 172cm、体重 82kg。体温 36.2℃。脈拍 92/分、整。血圧は右上腕で142/92mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈の怒張を認めない。両頸部および両鎖骨上部に血管雑音を聴取しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腸雑音を聴取する。腹部大動脈の拍動を触知しない。両鼠径部に血管雑音を聴取しない。四肢末梢に皮膚潰瘍を認めない。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、ケトン体(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 537万、Hb 17.4g/dL、Ht 54%、白血球 6,300、血小板 22万、PT-INR 2.1(基準 0.9~1.1)。血液生化学所見:総蛋白 7.4g/dL、アルブミン 3.8g/dL、総ビリルビン 1.0mg/dL、直接ビリルビン 0.3mg/dL、AST 26U/L、ALT 18U/L、LD 182U/L(基準 176~353)、ALP 320U/L(基準 115~359)、γ-GTP 142U/L(基準8~50)、CK 120U/L(基準30~140)、尿素窒素 22mg/dL、クレアチニン 1.2mg/dL、尿酸 7.2mg/dL、血糖 108mg/dL、総コレステロール 278mg/dL、トリグリセリド 356mg/dL、HDLコレステロール 48mg/dL、Na 140mEq/L、K 3.9mEq/L、Cl 98mEq/L。
- 抗血小板作用を有する血管拡張薬を追加する場合、服用中の薬剤で副作用が出現する可能性が高まるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111F028]←[国試_111]→[111F030]
[★]
- 次の文を読み、63~65の問いに答えよ。
- 84歳の女性。失神と眼前暗黒感とを主訴に来院した。
- 現病歴:1週間前から時々気が遠くなるようなふらつきを自覚していたが、本日、朝食前に突然眼前暗黒感を自覚し意識が消失した。意識はすぐに回復したが、心配になり長女に付き添われて救急外来を受診した。
- 既往歴:60歳ごろから高血圧症と脂質異常症。75歳ごろから骨粗鬆症と逆流性食道炎。80歳ごろから心不全と心房細動で内服治療中。アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、ビスホスホネート製剤、プロトンポンプ阻害薬およびジゴキシンを処方されている。
- 生活歴:ADLは自立している。長女夫婦と3人暮らし。喫煙歴と飲酒歴はない。
- 家族歴:父親が心筋梗塞で死亡。母親が胃癌で死亡。
- 現症:意識は清明。身長 150cm、体重 42kg。体温 35.8℃。脈拍 36/分、不整。血圧 152/70mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 96%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心尖部を最強点とするⅡ/Ⅵの汎収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。神経学的所見に異常を認めない。
- 検査所見:尿所見:蛋白(±)、糖(-)、沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球 352万、Hb 11.8g/dL、Ht 36%、白血球 5,800、血小板 16万。血液生化学所見:総蛋白 6.8g/dL、アルブミン 3.9g/dL、AST 28U/L、ALT 32U/L、ALP 164U/L(基準 115~359)、CK 45U/L(基準 30~140)、尿素窒素 24mg/dL、クレアチニン 1.4mg/dL、血糖 110mg/dL、HbA1c 5.7%(基準 4.6~6.2)、Na 133mEq/L、K 3.6mEq/L、Cl 97mEq/L。CRP 0.3mg/dL。
- 中止すべき薬剤はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111G063]←[国試_111]→[111G065]
[★]
- 次の文を読み、67~69の問いに答えよ。
- 62歳の女性。胃病変の精査と内視鏡治療とを希望して来院した。
- 現病歴:3年前に胸やけがあり、自宅近くの医療機関で上部消化管内視鏡検査を施行され、逆流性食道炎と診断された。その後、近くの診療所でプロトンポンプ阻害薬を投与されていた。1か月前から再度、食後や就寝後に胸やけが生じるようになったため、同じ医療機関で上部消化管内視鏡検査を受けたところ、逆流性食道炎は治っているが胃に異常があると言われた。胃病変が心配になりインターネットで検索した結果、早期の癌は内視鏡で治療できると記載があったため、胃病変の精査と内視鏡治療とを希望して受診した。
- 既往歴:5年前から高血圧症で治療中。
- 生活歴:喫煙歴と飲酒歴とはない。
- 家族歴:父親が糖尿病。
- 現 症:意識は清明。身長 156cm、体重 48kg。体温 36.2℃。脈拍 68/分、整。血圧 114/76mmHg。呼吸数 14/分。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で、心窩部に圧痛を認めるが腫瘤は触知しない。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球 400万、Hb 12.1g/dL、Ht 40%、白血球 8,200、血小板 30万。心電図と胸部エックス線写真とに異常を認めない。上部消化管内視鏡像(別冊No. 8A、B)を別に示す。生検組織のH-E染色標本(別冊No. 9①~⑤)を別に示す。
- 胃病変への対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109G068]←[国試_109]→[109H001]
[★]
- 次の文を読み、59~61の問いに答えよ。
- 63歳の男性。吐血のため救急車で搬入された。
- 現病歴:2年前から食後に心窩部痛を感じていたが、多忙であったために医療機関を受診していなかった。最近になって、常に心窩部不快感があり食欲低下と全身倦怠感とを感じるようになった。2日前に便が黒いことに気付いたが、今朝、排便後に真っ赤な血を大量に吐いたため救急車を要請した。
- 既往歴:50歳ごろに脳梗塞。抗血小板薬を処方されている。
- 生活歴:喫煙は20本/日を43年間。飲酒は焼酎1合/日を38年間。
- 家族歴:父親が胃癌。母親が高血圧症。
- 現症:意識は清明。身長 168cm、体重 72kg。体温 36.3℃。心拍数 96/分、整。血圧 98/68mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 96%(room air)。眼瞼結膜は貧血様だが眼球結膜に黄染を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、心窩部に軽度圧痛を認める。表在リンパ節を触知しない。
- 検査所見:血液所見:赤血球 276万、Hb 8.7g/dL、Ht 28%、白血球 6,400、血小板 28万。血液生化学所見:総蛋白 6.8g/dL、アルブミン 3.4g/dL、総ビリルビン 0.8mg/dL、AST 45U/L、ALT 56U/L、LD 344U/L(基準 176~353)、ALP 322U/L(基準 115~359)、γ-GTP 87U/L(基準8~50)、アミラーゼ 120U/L(基準 37~160)、CK 78U/L(基準 30~140)、尿素窒素 28mg/dL、クレアチニン 0.8mg/dL、尿酸 6.3mg/dL、血糖 108mg/dL、HbA1c 5.8%(基準 4.6~6.2)、総コレステロール 250mg/dL、トリグリセリド 190mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 100mEq/L。上部消化管内視鏡像(別冊No. 7)を別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [111B060]←[国試_111]→[111B062]
[★]
- 次の文を読み、 67~ 69の問いに答えよ。
- 62歳の男性。心窩部痛を主訴に来院した。
- 現病歴: 3か月前から時々心窩部不快感を自覚するようになった。最近、会社の同僚が同じような症状で胃癌の診断を受け手術を行ったため、自分も胃癌ではないかと心配になっていた。食欲低下も出現したため、市販の胃薬を内服したところ心窩部不快感と食欲不振とは改善した。その後仕事が忙しく、時々心窩部不快感はあったがそのままにしていた。 1週前に腰部を打撲し、自宅近くの診療所で治療を受け 2日後には軽快した。 3日前から心窩部痛が持続するようになり、夜間就寝中にも痛みで覚醒するようになった。テレビで胃癌の原因が Helicobacterpyloriの感染であることを聞いて心配になり、上部消化管内視鏡検査を希望し受診した。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 生活歴:喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 現症:意識は清明。体温 36.7℃。脈拍 76/分、整。血圧 128/70 mmHg。呼吸数 16/分。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。心窩部に軽度の圧痛を認めるが、腫瘤は触知しない。直腸指診で異常を認めない。
- 検査所見:尿所見:蛋白 (-)、糖 (-)、潜血 (-)。血液所見:赤血球 330万、 Hb11.8 g/dl、Ht 32%、白血球 7,200、血小板 24万。心電図と胸部エックス線写真とに異常を認めない。上部消化管内視鏡像 (別冊 No. 9)を別に示す
- 治療として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108G068]←[国試_108]→[108H001]
[★]
- 次の文を読み、13~15の問いに答えよ。
- 62歳の男性。今朝、突然、吐血をしたため来院した。
- 現病歴 :15年前に近医で肝障害を指摘されたが、放置していた。
- 既往歴 :特記すべきことはない。輸血歴なし。機会飲酒のみ。
- 現症 : 意識は清明。身長168cm、体重67kg。体温36.2℃。脈拍72/分、整。血圧128/62mmHg。眼瞼結膜に貧血はなく、眼球結膜に黄染を認めない。腹部は平坦、軟で、肝を正中に4cm触知する。脾は触知しない。
- 検査所見:血液所見:赤血球392万、Hb12.2g/dl、Ht38%、白血球3,100、血小板7万、プロトロンビン時間62%(基準80~120)。
- 血清生化学所見:総蛋白6.8g/dl、アルブミン3.3 g/dl、総コレステロール173 mg/dl、総ビリルビン1.8mg/dl、AST45単位、ALT25単位、LDH288単位(基準176~353)、アルカリホスファターゼ245単位(基準260以下)、γ-GTP45単位(基準8~50)。免疫学所見:HBs抗原陰性、HCV抗体陽性、抗核抗体陰性、抗ミトコンドリア抗体陰性、α-フェトプロテイン2,800ng/ml(基準20以下)。 ICG試験(15分値)32%(基準10以下)。静脈路を確保したうえで行った食道内視鏡写真(別冊No.3)を別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [099I012]←[国試_099]→[099I014]
[★]
- 次の文を読み、49~51の問いに答えよ。
- 77歳の男性。歩行困難のため搬入された。
- 現病歴:最近手のしびれを自覚したため1か月前からかかりつけ医でビタミンB12を投与されていた。今朝、散歩中に公園のトイレで一時的に意識がもうろうとなり転倒した。すぐに意識は回復したが、右殿部の強い痛みで歩けなくなったために救急車を要請した。日常生活は自立していた。
- 既往歴:3年前に軽い脳梗塞を発症し、アスピリンを内服している。残存する上下肢の麻痺はない。逆流性食道炎、前立腺肥大症および脂質異常症で、プロトンポンプ阻害薬、α1遮断薬およびHMG-CoA還元酵素阻害薬を内服している。
- 生活歴:無職。要支援1と認定されている。74歳の妻と2人暮らし。
- 家族歴:父親が肺結核。
- 現症:意識は清明。体温36.4℃。脈拍88/分、整。血圧122/64mmHg。呼吸数20/分。SpO2 96%(鼻カニューラ2L/分 酸素投与下)。眼瞼結膜に異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。心電図に異常を認めない。頭部単純CTでは頭蓋内出血を認めない。
- この患者の転倒に最も影響したと考えられる薬剤はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107B048]←[国試_107]→[107B050]
[★]
- 次の文を読み、 50-52の問いに答えよ。
- 76歳の男性。転居に伴いB型慢性肝疾患の治療継続目的で紹介され来院した。
- 現病歴 10年前に自宅近くの医療機関でB型慢性肝炎と診断され、ウルソデオキシコール酸を服用していた。自覚症状は特にない。
- 生活歴 飲酒は機会飲酒。
- 既往歴・家族歴 特記すべきことはない。
- 現 症 意識は清明。身長176cm、体重64kg。体温36.4℃。脈拍76/分、整。血圧132/68mmHg。腹部は平坦で、心窩部に肝を1cm触知するが、圧痛を認めない。左肋骨弓下に脾を1cm触知する。下肢に浮腫を認めない。
- 検査所見 尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球 311万、Hb 10.9g/dl、Ht 32%、白血球 3,600。血液生化学所見:総蛋白 6.0g/dl、アルブミン 2.6g/dl、クレアチニン0.8mg/dl、総ビリルビン 0.9mg/dl、AST 84IU/l、ALT 68IU/l、ALP 220IU/l(基準115-359)。免疫学所見:HBs抗原陽性、HCV抗体陰性、AFP 140ng/ml(基準20以下)。食道内視鏡写真(別冊No.7)を別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [105B050]←[国試_105]→[105B052]
[★]
- 61歳の男性。心窩部痛を主訴に救急車で搬入された。7日前に腰痛を自覚し自宅近くの診療所でNSAIDを処方されていた。今朝急に心窩部痛が出現し急速に増強するため救急車を要請した。意識は清明。身長 173cm、体重 67kg。体温 36.0℃。心拍数 88/分、整。血圧 124/80mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 98%(鼻カニューラ3L/分酸素投与下)。腹部は平坦で、心窩部に圧痛と軽度の反跳痛とを認める。血液所見:赤血球 483万、Hb 15.7g/dL、Ht 47%、白血球 14,700、血小板 30万。血液生化学所見:総蛋白 7.3g/dL、アルブミン 4.2g/dL、総ビリルビン 0.9mg/dL、AST 20U/L、ALT 15U/L、LD 170U/L(基準 120~245)、ALP 265U/L(基準 115~359)、γ-GT 66U/L(基準 8~50)、アミラーゼ 52U/L(基準 37~160)、CK 85U/L(基準 30~140)、尿素窒素 17mg/dL、クレアチニン 1.0mg/dL、血糖 103mg/dL、Na 146mEq/L、K 3.8mEq/L、Cl 106mEq/L。CRP 2.2mg/dL。腹部単純CT(別冊No. 33)を別に示す。まずは手術を実施せず、保存的治療を行うこととした。
- 対応として適切なのはどれか。3つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [114A071]←[国試_114]→[114A073]
[★]
- 54歳の男性。胸やけを主訴に来院した。半年前から週に2回ほど胸やけを自覚するようになった。最近、食後に心窩部痛やもたれ感が出現し、胸やけが増強した。意識は清明。身長168cm、体重78kg。体温36.4℃。脈拍72/分、整。血圧122/68mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。血液所見: 赤血球 488万、Hb 13.5g/dl、Ht 40%、白血球 7,400、血小板 28万。血液生化学所見: 血糖 138mg/dl、クレアチニン 0.8mg/dl、総コレステロール 248mg/dl、トリグリセリド 125mg/dl、総ビリルビン 1.0mg/dl、AST 28IU/l、ALT 62IU/l。上部消化管内視鏡写真(別冊No.6)を別に示す。
- 治療薬はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104I044]←[国試_104]→[104I046]
[★]
- 74歳の女性。嚥下困難を主訴に来院した。6か月前から時々胸のつかえ感を自覚していた。3か月前に行った上部消化管内視鏡検査で逆流性食道炎を認め内服薬を処方された。その後も症状は持続し、2週前から食事摂取が困難となったため再度受診した。橋本病、高血圧症、骨粗鬆症および不眠症があり内服加療中である。身長 156cm、体重 45kg。脈拍 76/分、整。血圧 140/86mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
- 服用している薬剤のうち、休薬によって症状の改善が見込まれるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114D049]←[国試_114]→[114D051]
[★]
- 67歳の男性。労作時胸痛の再発を主訴に来院した。10年前に胃潰瘍の既往がある。4か月前に狭心症、高血圧、高尿酸血症および高脂血症と診断され、経皮的冠動脈ステント留置術を受けた。その後は胸痛が消失し体調が良かったため、自己判断で1週前から処方薬の内服を中断していた。意識は清明。身長168cm、体重68kg、脈拍72/分、整。血圧132/78mmHg。心尖部でIV音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。下肢に浮腫を認めない。
- 以前服薬していた薬剤の中で、中断が労作時胸痛の再発に最も影響したのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104I045]←[国試_104]→[104I047]
[★]
- 35歳の男性。アジ、イカなどの刺身を食べた後に出現した上腹部痛を主訴に来院した。生来健康である。意識は清明。身長 170cm、体重 66kg。体温 36.1℃。脈拍 64/分、整。血圧 118/78mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で、心窩部に圧痛を認めるが、反跳痛と筋性防御とを認めない。便通に異常はない。緊急上部消化管内視鏡像(別冊No. 25)を別に示す。
- この疾患について正しいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112A054]←[国試_112]→[112A056]
[★]
- 54歳の男性。吐血を主訴に来院した。3日前から黒色便であったがそのままにしていたところ、今朝コップ1杯程度の吐血があったため救急外来を受診した。意識は清明。体温 36.4℃。脈拍 124/分、整。血圧 86/60mmHg。呼吸数 20/分。皮膚は湿潤している。四肢に冷感と蒼白とを認める。眼瞼結膜は軽度貧血様であるが、眼球結膜に黄染を認めない。腹部は平坦で、心窩部に圧痛を認めるが、筋性防御はない。まず急速輸液を開始し、脈拍 96/分、血圧 104/68mmHgとなった。
- 次に行うべきなのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112F053]←[国試_112]→[112F055]
[★]
- 28歳の男性。空腹時の上腹部痛のため来院した。数年前から同様の症状が出現していたが、市販薬を適宜服用していた。体重減少はみられない。右上腹部に圧痛を認める。便潜血反応は陰性。血液所見と血清生化学所見とに異常を認めない。十二指腸内視鏡写真を以下に示す。迅速ウレアーゼ試験を行ったところ陽性であった。治療薬として適切なのはどれか。
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [099G023]←[国試_099]→[099G025]
[★]
- 48歳の女性。胃がん検診の上部消化管造影検査で胃に異常が認められたため来院した。自覚症状はなく、内服薬の服用はない。来院後に施行した上部消化管内視鏡像(別冊No. 22)を別に示す。
- 適切な対応はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114D048]←[国試_114]→[114D050]
[★]
- 52歳の男性。上腹部の不快感を主訴に来院した。色素散布後の上部消化管内視鏡写真と生検組織のH-E染色標本とを以下に示す。治療として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103I063]←[国試_103]→[103I065]
[★]
- Helicobacter pylori陽性の非出血性胃潰瘍の治療について正しいのはどれか。
- a 入院での加療が必要である。
- b ヒスタミンH2受容体拮抗薬が第一選択である。
- c 除菌治療成功後も粘膜保護薬の投与が必要である。
- d プロトンポンプ阻害薬と抗菌薬の静脈内投与で除菌を行う。
- e 除菌治療成功後も定期的な上部消化管内視鏡検査が必要である。
[正答]
※国試ナビ4※ [111I021]←[国試_111]→[111I023]
[★]
- 英
- reflux esophagitis
- 同
- peptic esophagitis
- 関
- 胸骨下痛、食道炎、バレット食道、胃食道逆流症 GERD
概念
- 胃食道の逆流防止機構が十分に作動せず、胃・小腸内容液の逆流から粘膜傷害をきたした状態(IMD)。
- 上位の疾患概念に胃食道逆流症 GERDがある。
分類
- ロサンゼルス分類:(内視鏡的な分類)
- Savary-Miller分類
- 食道疾患研究会による分類:色調変化型、びらん型、潰瘍型、隆起肥厚型
リスク
- 肥満、妊娠(腹腔内圧上昇、エストロゲン・プロゲステロンによるLES圧低下)、過食、高カロリー食(チョコレート、和菓子、高脂肪食、餅)・刺激物、食後臥位(3時間以内)、喫煙、アルコール、薬剤(Ca拮抗薬、硝酸薬、テオフィリン)
- 滑脱型食道裂孔ヘルニア、LES機能不全、胃切除後
症状
- 食道症状:胸焼け、呑酸、嚥下困難
- 食道外症状:咳嗽、前胸部痛(胸骨後部痛)、嚥下困難、嚥下痛、つまり感
検査
- 確定診断のために、食道内24時間pHモニター、食道内圧測定、内視鏡検査が重要。特に食道内24時間pHモニターでpHの低下が証明できなければ、胃食道逆流症は否定的。(QB.A-53)
- X線造影
- 胃カメラ
- 食道内24時間pHモニター
24-hour pH monitoring
治療
- (胃酸分泌抑制)H2受容体阻害薬、プロトンポンプ阻害薬
- (胃の逆流阻害)消化管運動促進薬 ← 本当?
- 粘膜保護薬 (QB.A-53)
- 術後胃で十二指腸液の逆流があるばあいには酸分泌抑制薬は無効であり、メシル酸カモスタットが用いられる。
プロトンポンプ阻害薬
- hospitalist vol.2 no.3 2014.9 P.741
- 血液濃度が低い:腸溶コーティングされたPPIが長時間胃に留まると胃の中で溶解してしまい成分が失活して、血液中濃度が十分に上昇しない場合がある。腸管運動の運動改善薬が有効なことがある。
- rapid metabolizer:PPIはCYP2C19の代謝を受けるが、遺伝子多形により代謝の速度が異なる(homozygous extensive metabolizer, heterozygous extenstive metabolizer, poor metabolizer)。ランソプラゾールでは多型の影響をうける。エソメプラゾールやラベプラゾールは影響が少ない。
- 胃内環境が酸性でない:PPIの活性化には酸性環境が必要であるが、食後など胃内に大量の食物がある場合には胃酸が希釈されて酸性環境が得られない場合がある。これに対して腸管の運動改善薬や食前内服が等の対策が必要。
胃酸以外の逆流の可能性
国試
[★]
- 英
- H2 blocker H2-blockers
- 同
- H2受容体ブロッカー H2 receptor blocker、H2受容体拮抗薬 H2 receptor antagonist H2RA、ヒスタミンH2受容体遮断薬 ヒスタミンH2受容体拮抗薬 histamine H2-receptor antagonists histamine H2 receptor antagonist histamine H2 antagonist、H2拮抗薬 H2 antagonist H2-antagonist、H2遮断薬、H2ブロッカー
- 関
- 抗ヒスタミン薬
[show details]
GOO.chapter36 p.971
- 十二指腸潰瘍の治癒率を向上する (⇔プロトンポンプ阻害薬)
H2受容体拮抗薬
構造
作用機序
- H1受容体にはほとんど作用しない
- H2受容体に可逆的、競合的に結合してヒスタミンを阻害する。
- 胃粘膜の局所の肥満細胞、ECL細胞
- histamine→H2R→Csα→AC→cAMP↑→PKA→H+,K+-ATPase
- histamine→H2R→[Ca2+]i↑→H+,K+-ATPase ←補助的pathway
- H2RとMRとGRは相互作用しており、胃酸を分泌する。
注意
- 中止すると再発率が高い。そのため半年かけて漸減させゆっくり離脱
- 胃粘膜が減弱している
副作用
- 副作用5%↓
- 汎血球減少症、無顆粒球症
- 肝障害、抗アンドロゲン作用(女性化乳房、乳汁分泌)
- 中止すると再発率が高い。そのため半年かけて漸減させゆっくり離脱
- 胃粘膜が減弱しているから
相互作用
- シメチジン:CYP2D6, CYP3A4阻害作用。 CYPs(CYP1A2,CYP2C9,CYP2D6)の阻害 (GOO.972)
- ラニチジン:CYPs。しかし、シメチジンの10%程度
- ファモチジン、ニザチジン:なし
[★]
- 英
- omeprazole
- 化
- オメプラゾールナトリウム omeprazole sodium
- 商
- エンプラール、オブランゼ、オメプトロール、オメプラール、オメプラゾン、オメプロトン、オメラップ, Prilosec
- 関
- プロトンポンプ阻害薬
分類
-
適応
相互作用
併用禁忌
副作用
[★]
- 英
- acute tubulointerstitial nephritis
- 同
- 急性間質性腎炎 acute interstitial nephritis, AIN
- 関
- 尿細管間質性腎炎
原因
- antibiotics (lactams, sulfonamides, quinolones, vancomycin, erythromycin, minocycline, rifampin, ethambutol, acyclovir)
- NSAIDs,COX-2阻害薬
- 利尿薬(thiazides, furosemide, triamterene)
- 抗てんかん薬(フェニトイン、フェノバルビタール、カルバマゼピン、バルプロ酸)
- その他(カプトプリル、H2受容体阻害薬、プロトンポンプ阻害薬、mesalazine、indinavir、アロプリノール)
[★]
- 英
- rabeprazole
- 化
- ラベプラゾールナトリウム sodium rabeprazole
- 商
- パリエット Pariet
- 関
- 消化性潰瘍用剤
-
特徴
- 胃酸分泌を速やかに抑制かつ酸分泌回復性に優れガストリン濃度への影響少ない。リバウンドが少ない。
- ガストリン濃度を上げず酸分泌↓→リバウンドが少ない。
[★]
- 英
- drug, agent
- 同
- 薬物
- 関
- 作用薬、剤、ドラッグ、媒介物、病原体、麻薬、薬剤、薬物、代理人、薬品
[★]
- 英
- blocking(精神医学), inhibition(生化学)
- 同
- 遮断 blockade、途絶
[★]
- 英
- pro
[★]
- 英
- proton、H+
- 関
- 水素イオン、陽子
[★]
- 英
- proto
- 関
- 原、元