- 英
- roxatidine
- 化
- 塩酸ロキサチジンアセタート roxatidine acetate hydrochloride
- 商
- アルギスタット、アルタット、ロキサチ、ロキセタート、ロキタット、ロザルタット
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/05/23 05:06:46」(JST)
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ロキサチジン
|
IUPAC命名法による物質名 |
IUPAC名
2-oxo-2-(3-[3-(piperidin-1-ylmethyl)phenoxy]propylamino)ethyl acetate
|
臨床データ |
投与方法 |
Oral |
薬物動態データ |
生物学的利用能 |
80–90% |
血漿タンパク結合 |
5–7% |
代謝 |
Hepatic deacetylation
Minor involvement of CYP2D6 and CYP2A6 |
半減期 |
5–7 hours |
排泄 |
Renal |
識別 |
CAS番号 |
78628-28-1 |
ATCコード |
A02BA06 |
PubChem |
CID: 5105 |
ChemSpider |
4926 |
化学的データ |
化学式 |
C19H28N2O4 |
分子量 |
348.437 g/mol |
SMILES
-
O=C(OCC(=O)NCCCOc1cc(ccc1)CN2CCCCC2)C
|
InChI
-
InChI=1S/C19H28N2O4/c1-16(22)25-15-19(23)20-9-6-12-24-18-8-5-7-17(13-18)14-21-10-3-2-4-11-21/h5,7-8,13H,2-4,6,9-12,14-15H2,1H3,(H,20,23)
-
Key:SMTZFNFIKUPEJC-UHFFFAOYSA-N
|
ロキサチジンアセタート(英: Roxatidine acetate)は、H2受容体拮抗薬のひとつ。H2受容体と拮抗することにより胃酸分泌を抑制することから胃酸抑制薬として使用される。
効能・効果
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、Zollinger-Ellison症候群、逆流性食道炎、麻酔前投薬
下記疾患の胃粘膜病変(糜爛、出血、発赤、浮腫)の改善
急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期
用法・用量
成人にはロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として1回75mgを1日2回(朝食後、就寝前又は夕食後)経口投与する。また、1回150mgを1日1回(就寝前)経口投与することもできる。
小児にはロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として、体重30kg未満では1回37.5mgを、体重30kg以上では1回75mgを1日2回(朝食後、就寝前又は夕食後)経口投与する。
Japanese Journal
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
アルタット細粒20%
組成
成分・含量
- 1g中 日局ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩 200mg
添加物
- アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物),アセスルファムカリウム,結晶セルロース(粒),タルク,ヒドロキシプロピルセルロース,D-マンニトール,香料,その他3成分
効能または効果
- 胃潰瘍,十二指腸潰瘍,吻合部潰瘍,逆流性食道炎
- 通常,成人にはロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として1回75mg(本剤375mg)を1日2回(朝食後,就寝前又は夕食後)経口投与する.また,1回150mg(本剤750mg)を1日1回(就寝前)経口投与することもできる.
通常,小児にはロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として,体重30kg未満では1回37.5mg(本剤187.5mg)を,体重30kg以上では1回75mg(本剤375mg)を1日2回(朝食後,就寝前又は夕食後)経口投与する.
なお,年齢,症状により適宜増減する.
- Zollinger-Ellison症候群
- 通常,成人にはロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として1回75mg(本剤375mg)を1日2回(朝食後,就寝前又は夕食後)経口投与する.
通常,小児にはロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として,体重30kg未満では1回37.5mg(本剤187.5mg)を,体重30kg以上では1回75mg(本剤375mg)を1日2回(朝食後,就寝前又は夕食後)経口投与する.
なお,年齢,症状により適宜増減する.
- 麻酔前投薬
- 通常,成人にはロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として1回75mg(本剤375mg)を手術前日就寝前及び手術当日麻酔導入2時間前の2回経口投与する.また,1回150mg(本剤750mg)を手術前日就寝前に1回経口投与することもできる.
通常,小児にはロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として,体重30kg未満では1回37.5mg(本剤187.5mg)を,体重30kg以上では1回75mg(本剤375mg)を手術前日就寝前及び手術当日麻酔導入2時間前の2回経口投与する.
- 下記疾患の胃粘膜病変(びらん,出血,発赤,浮腫)の改善
急性胃炎,慢性胃炎の急性増悪期
- 通常,成人にはロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として1回75mg(本剤375mg)を1日1回(就寝前又は夕食後)経口投与する.
通常,小児にはロキサチジン酢酸エステル塩酸塩として,体重30kg未満では1回37.5mg(本剤187.5mg)を,体重30kg以上では1回75mg(本剤375mg)を1日1回(就寝前又は夕食後)経口投与する.
なお,年齢,症状により適宜増減する.
- 腎機能障害患者では血中濃度が持続することがあるので,投与量を減ずるか投与間隔をあけるなど注意すること.(「薬物動態」の項参照)
慎重投与
- 薬物過敏症の既往歴のある患者
- 肝障害のある患者
- 腎障害のある患者
[血中濃度が持続することがあるので,使用に際しては投与量を減ずるか投与間隔をあけること.](「薬物動態」の項参照)
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
ショック(0.1%未満)
- ショック(初期症状:不快感,顔面蒼白,血圧低下等)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと.
再生不良性貧血,汎血球減少,無顆粒球症,血小板減少(0.1%未満)
- 再生不良性貧血,汎血球減少,無顆粒球症,血小板減少(初期症状:全身けん怠,脱力,皮下・粘膜下出血,発熱等)があらわれることがあるので,定期的に血液検査を実施し,異常が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと.
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.1%未満)
- 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので,異常が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと.
肝機能障害,黄疸(0.1%未満)
- AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTP上昇等の肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと.
横紋筋融解症(0.1%未満)
- 横紋筋融解症があらわれることがあるので,CK(CPK),LDH等の筋逸脱酵素の急激な上昇,ミオグロビン尿,筋肉痛等の異常が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと.
薬効薬理
ヒトでの作用
胃酸分泌抑制作用
基礎分泌44)
- 消化性潰瘍患者に25mg,50mg及び80mgを経口投与した結果,酸分泌量は投与150〜180分後においてそれぞれ80.7%,94.8%及び97.9%抑制された.
べタゾール,ペンタガストリン及びインスリン刺激分泌45),46)
- 消化性潰瘍患者及び健康成人に75mgを経口投与した結果,ベタゾール(1mg/kg)筋注,ペンタガストリン(6μg/kg)筋注及びインスリン(0.2U/kg)静注による刺激後2時間の総酸分泌量はそれぞれ97.7%,83.7%及び64.4%抑制された.
食事刺激分泌47)
- 健康成人に75mgを経口投与した結果,食事刺激後2時間の総酸分泌量は78.2%抑制された.
夜間分泌48)
- 消化性潰瘍患者及び健康成人に75mgを経口投与した結果,夜間7時間の総酸分泌量は95.5%抑制された.
胃内pH
- 消化性潰瘍患者に1回75mgを1日2回(朝食後,就寝前)又は1回150mgを1日1回(就寝前)経口投与した結果,胃内のpHは上昇し,特に夜間において顕著であった.また,pH3以上を示す時間の総和はプラセボ投与時より有意に延長した49).
6〜13歳の小児患者(逆流性食道炎又はその疑い)に37.5mgを夕食後に経口投与した結果,夜間の胃内pH は上昇した.また,pH3以上を示す時間の総和は非投与時と比較し有意に延長した50).
ペプシン分泌抑制作用
- 消化性潰瘍患者及び健康成人に75mgを経口投与した結果,ベタゾール(1mg/kg)筋注,ペンタガストリン(6μg/kg)筋注及びインスリン(0.2U/kg)静注による刺激後2時間の総ペプシン分泌量はそれぞれ89.8%,60.8%及び22.6%抑制された45),46).また,夜間7時間の総ペプシン分泌量は89.4%抑制された48).
胃粘液増加作用51)
- 胃切除術を施行予定の患者に,手術の1週間前から1回75mgを1日2回経口投与した結果,胃体部,幽門部の表層粘液ゲル層の厚さが増加する傾向が認められた.
血清ガストリンに及ぼす影響11)
- 消化性潰瘍患者に1日150mgを8週間経口投与した結果,血清ガストリン値は投与前後において有意な変動は認められなかった.
血清プロラクチン等に及ぼす影響52)
- 消化性潰瘍患者に1日150mgを6〜8週間経口投与した結果,血清プロラクチン,LH,FSH,テストステロン,エストラジオール,DHEA-S及びコルチゾール値は投与前後において有意な変動は認められなかった.
動物での作用
胃粘液生合成・分泌増加作用
- ラット胃組織培養系において粘液生合成増加作用が認められた(in vitro)53).また,ラットに50,100及び200mg/kgを経口投与した結果,100mg/kg以上で胃粘液分泌を増加させた54).
胃粘膜ヘキソサミン量に対する作用55)
- ラットに300mg/kgを経口投与した結果,胃粘膜ヘキソサミン量には影響がみられなかったが,アスピリン経口投与及び水浸拘束ストレス負荷によるヘキソサミン量の減少はそれぞれ32及び90mg/kg経口投与により有意に抑制された.
胃粘膜電位差に対する作用55)
- ラットに25mg/kgを静脈内投与した結果,基礎状態の胃粘膜電位差には影響がみられなかったが,アスピリン胃内注入による胃粘膜電位差の低下は有意に抑制された.
胃粘膜血液量及び粘膜内ヘモグロビン酸素飽和度に対する作用56)
- ラットに10mg/kgを静脈内投与した結果,基礎状態の粘膜血液量及び粘膜内ヘモグロビン酸素飽和度には影響がみられなかったが,脱血ショックによるこれら指標の低下は有意に抑制された.
胃粘膜プロスタグランジン産生能に対する作用57)
- ラットに200mg/kgを経口投与した結果,胃粘膜のプロスタグランジンE2及びプロスタグランジンI2の産生能を低下させなかった.
胃粘膜障害抑制作用58)
- ラットに30mg/kgを腹腔内投与した結果,無水エタノール,0.6N塩酸及び0.2N水酸化ナトリウム投与による胃粘膜障害の発生を有意に抑制した.
実験的急性胃出血に対する作用59)
- ラットの実験的急性胃出血に対し,用量依存的に胃出血量を抑制した.
有効成分に関する理化学的知見
分子量
融 点
性 状
- 白色の結晶又は結晶性の粉末である.
水に極めて溶けやすく,酢酸(100)に溶けやすく,エタノール(99.5)にやや溶けにくい.
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- H2 blocker H2-blockers
- 同
- H2受容体ブロッカー H2 receptor blocker、H2受容体拮抗薬 H2 receptor antagonist H2RA、ヒスタミンH2受容体遮断薬 ヒスタミンH2受容体拮抗薬 histamine H2-receptor antagonists histamine H2 receptor antagonist histamine H2 antagonist、H2拮抗薬 H2 antagonist H2-antagonist、H2遮断薬、H2ブロッカー
- 関
- 抗ヒスタミン薬
[show details]
GOO.chapter36 p.971
- 十二指腸潰瘍の治癒率を向上する (⇔プロトンポンプ阻害薬)
H2受容体拮抗薬
構造
作用機序
- H1受容体にはほとんど作用しない
- H2受容体に可逆的、競合的に結合してヒスタミンを阻害する。
- 胃粘膜の局所の肥満細胞、ECL細胞
- histamine→H2R→Csα→AC→cAMP↑→PKA→H+,K+-ATPase
- histamine→H2R→[Ca2+]i↑→H+,K+-ATPase ←補助的pathway
- H2RとMRとGRは相互作用しており、胃酸を分泌する。
注意
- 中止すると再発率が高い。そのため半年かけて漸減させゆっくり離脱
- 胃粘膜が減弱している
副作用
- 副作用5%↓
- 汎血球減少症、無顆粒球症
- 肝障害、抗アンドロゲン作用(女性化乳房、乳汁分泌)
- 中止すると再発率が高い。そのため半年かけて漸減させゆっくり離脱
- 胃粘膜が減弱しているから
相互作用
- シメチジン:CYP2D6, CYP3A4阻害作用。 CYPs(CYP1A2,CYP2C9,CYP2D6)の阻害 (GOO.972)
- ラニチジン:CYPs。しかし、シメチジンの10%程度
- ファモチジン、ニザチジン:なし
[★]
ロキサチジン
- 関
- roxatidine acetate hydrochloride