セチリジン
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セチリジン
|
IUPAC命名法による物質名 |
(±) - [2- [4- [ (4-クロロフェニル)フェニルメチル] -1- ピペラジニル] エトキシ]酢酸, ジヒドロクロライド |
臨床データ |
ライセンス |
US FDA:link |
胎児危険度分類 |
B(US) |
法的規制 |
GSL (UK) OTC (US) OTC (CA) |
投与方法 |
経口 |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
容易に吸収される |
血漿タンパク結合 |
93% avg |
代謝 |
CYP3A4 (Cytochrome P450 3A4) |
半減期 |
8.3 時間 |
排泄 |
尿 |
識別 |
CAS登録番号 |
83881-51-0 |
ATCコード |
R06AE07 |
PubChem |
CID 2678 |
DrugBank |
APRD00630 |
KEGG |
D07662 |
別名 |
Alatrol, Alzene, Cetirizina MERCK, Cetzine Glaxo, Cetirizin, Humex, Letizen, Razene, Reactine, Zyrtec, Zirtec, Zodac, Zirtek, Zynor, Zyrlek |
化学的データ |
化学式 |
C21H25ClN2O3 |
分子量 |
461.82 |
SMILES
- C1CN(CCN1CCOCC(=O)O)C
(C2=CC=CC=C2)C3=CC=C(C=C3)Cl
|
セチリジン (cetirizine ) は、アレルギー疾患および皮膚疾患の治療薬として用いられる有機化合物の一種。第2世代の抗ヒスタミン薬として知られる。セチリジン塩酸塩 (Cetirizine hydrochloride)または、セチリジンジヒドロクロライド (Cetirizine Dihydrochloride)とも呼ばれる。 分子式 C21H25ClN2O3。
アレルギー性鼻炎や蕁麻疹、皮膚の発疹、湿疹などに適応がある。
ベルギーのUCB社が開発した。日本では第一三共、グラクソ・スミスクラインから、塩酸塩がジルテックなどの商品名で販売されている。
副作用
種類
- 錠剤:5mg,10mg
- ドライシロップ:1.25%
用法・用量
- 1日1回 10mg を経口投与する。なお症状、年齢により適宜増量し 20mg まで増量することができる。
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 治療 高齢者の皮膚掻痒症および皮脂欠乏性湿疹に対するセチリジン塩酸塩(ジルテック錠)の有用性の検討
- 〓痒性皮膚疾患を対象としたセチリジン塩酸塩ドライシロップ(ジルテック^【○!R】ドライシロップ1.25%)の服薬アドヒアランスに関する患者調査
- 服部 真理子,比留間 政太郎,大月 亜希子,康井 真帆,貞政 裕子,矢口 均
- 西日本皮膚科 = The Nishinihon journal of dermatology 72(3), 251-255, 2010-06-01
- NAID 10026929716
- 成人患者を対象としたセチリジン塩酸塩ドライシロップ(ジルテック^【○!R】ドライシロップ1.25%)の有用性とコンプライアンスに関する検討
- 佐藤 さおり,古江 増隆
- 西日本皮膚科 = The Nishinihon journal of dermatology 70(5), 535-540, 2008-10-01
- NAID 10024944371
Related Links
- ジルテックとは?セチリジンの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:病気別版) ... 成分(一般名) : セチリジン塩酸塩 製品例 : ジルテック錠5~10、ジルテックドライシロップ1.25% ・・その他(ジェネリック) & 薬価
- グラクソ・スミスクライン株式会社のジルテック錠10(アレルギー用薬)、一般名セチリジン塩酸塩(Cetirizine hydrochloride) の効果と副作用、写真、保管方法等を掲載。 ... ジルテック錠10 薬には効果(ベネフィット)だけでなく副作用(リスク ...
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ジルテック錠5
組成
日本薬局方 セチリジン塩酸塩含量
添加物
- 乳糖水和物、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン、マクロゴール400
禁忌
- 本剤の成分又はピペラジン誘導体(レボセチリジン、ヒドロキシジンを含む)に対し過敏症の既往歴のある患者
- 重度の腎障害(クレアチニンクリアランス10mL/min未満)のある患者[高い血中濃度が持続するおそれがある。]
効能または効果
〔成人〕
- アレルギー性鼻炎
蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症
〔小児〕
- アレルギー性鼻炎
蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒
〔10mg錠〕
- 通常、成人にはセチリジン塩酸塩として1回10mgを1日1回、就寝前に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、最高投与量は1日20mgとする。
〔5mg錠〕
〔成人〕
- 通常、成人にはセチリジン塩酸塩として1回10mgを1日1回、就寝前に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、最高投与量は1日20mgとする。
〔小児〕
- 通常、7歳以上15歳未満の小児にはセチリジン塩酸塩として1回5mgを1日2回、朝食後及び就寝前に経口投与する。
- 腎障害患者では、血中濃度半減期の延長が認められ、血中濃度が増大するため、クレアチニンクリアランスに応じて、下表のとおり投与量の調節が必要である(「薬物動態」の項参照)。
なお、クレアチニンクリアランスが10mL/min未満の患者への投与は禁忌である。
成人患者の腎機能に対応する用法・用量の目安(外国人データ)
クレアチニンクリアランス(mL/min):≧80
クレアチニンクリアランス(mL/min):50〜79
クレアチニンクリアランス(mL/min):30〜49
クレアチニンクリアランス(mL/min):10〜29
- 推奨用量:5mgを2日に1回
- 腎障害を有する小児患者では、各患者の腎クリアランスと体重を考慮して、個別に用量を調整すること。
慎重投与
- 腎障害のある患者〔高い血中濃度が持続するおそれがある。(「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「薬物動態」の項参照)〕
- 肝障害のある患者〔高い血中濃度が持続するおそれがある。(「薬物動態」の項参照)〕
- 高齢者〔高い血中濃度が持続するおそれがある。(「高齢者への投与」及び「薬物動態」の項参照)〕
- てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者〔痙攣を発現するおそれがある。〕
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー様症状(頻度不明注))
- ショック、アナフィラキシー様症状(呼吸困難、血圧低下、蕁麻疹、発赤等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
痙攣(0.1%未満)
- 異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸(頻度不明注))
- AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、LDH、Al-Pの上昇等の肝機能障害(初期症状:全身けん怠感、食欲不振、発熱、嘔気等)、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血小板減少(頻度不明注))
- 血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
ヒスタミンH1受容体拮抗作用
- ヒスタミンH1受容体に選択的に結合することにより、ヒスタミンの作用を阻害する。ヒスタミンH2、ドパミン、アセチルコリン、セロトニンの各受容体に対する親和性は低く(ラット、モルモット)17)、中枢神経系におけるヒスタミンH1受容体への影響が少ない(ラット)18)。摘出臓器(ヒト気管支平滑筋)のヒスタミン反応を濃度依存的に抑制した19)。また、ヒスタミン誘発皮膚反応及びヒスタミン誘発鼻症状を抑制し、その作用は速効的かつ持続的であった(ヒト)20)21)。
好酸球に対する作用
- 好酸球に対しin vitro及びin vivoにおいて遊走抑制を示し、好酸球活性化の指標であるスーパーオキサイド産生を抑制した(ヒト)22)23)。
メディエーター遊離抑制作用
- ヒト肺切片からのロイコトリエン及びプロスタグランジンD2遊離を抑制した24)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- セチリジン塩酸塩(Cetirizine Hydrochloride)
化学名
- 2-(2-{4-[(RS)-(4-Chlorophenyl)phenylmethyl]piperazin-1-yl}ethoxy)acetic acid dihydrochloride
分子式
分子量
融点
性状
- 白色の結晶性の粉末である。水に極めて溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けにくい。0.1mol/L塩酸試液に溶ける。水溶液(1→10)は旋光性を示さない。
分配係数
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- antihistamine antihistamines, histamine antagonist
- 同
- ヒスタミン拮抗薬 histamine antagonists、ヒスタミン遮断薬 histamine blocking agents
- 関
- ヒスタミン受容体。薬理学
- ヒスタミンH1受容体拮抗薬 histamine H1 receptor antagonist、H1拮抗薬 H1 blocker、H2遮断薬
- ヒスタミンH2受容体拮抗薬 histamine H2 receptor antagonist、H2拮抗薬 H2 blocker、H2遮断薬
-
- 中枢作用↓、鎮静作用↓、抗コリン作用↓
-
- ケミカルメディエーター放出を抑制
- 中枢作用:有。鎮静作用:有
鎮静性からの分類
構造からの分類
薬理学的作用の比較
- https://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0024/G0000065/0023 をより改変して引用
抗ヒスタミン薬の抗ヒスタミン受容体占拠率
- https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/112/3/112_3_99/_pdf
[★]
- 英
- cold syndrome, common cold syndrome
- 同
- 上気道症候群 upper airway syndrome、急性上気道炎 acute upper respiratory tract infection
- 関
概念
- 上気道粘膜の急性カタル性炎症(急性カタル性上気道炎)の総称
- 急性鼻炎や咽頭炎を呈し、全身症状は軽微。
- 予後良好、2-5日で軽快し予後は良好。
病因
-
- 環境要因:個体条件(アレルギー、免疫不全、脱水、疲労、飲酒など)、物理化学的刺激(乾燥、寒冷)
疫学
- 多くの人が1年に1回以上罹患。冬期に多い。
- 小児において罹患回数が多い → 成人になると記憶T細胞、記憶B細胞が増加するため、なんとなくウイルスに対して抵抗性が付与される、はず。
病理
- ウイルスの場合、上気道粘膜に付着して、粘膜上皮を冒す。上気道線毛円柱上皮(呼吸上皮)に付着し、上皮細胞は変性・脱落・壊死する。上皮を失った部位から細菌が侵入しやすくなる。
病型
症状
- 鼻かぜ:鼻汁、鼻閉などの鼻症状が主体
- のどかぜ:咽頭痛、嗄声など咽頭症状が主体
- 気管支かぜ:咳、痰などの気管支症状が主体
共通の症状
- まず、鼻炎症状が緩徐に発現し、鼻咽頭不快感・乾燥感、くしゃみ、鼻閉、水様鼻汁を呈する。
病原体に特異的な症状
診断
- 臨床的診断
- 検査はほとんどの場合行わないが、インフルエンザ、溶連菌などを鑑別する場合には迅速診断キットを使う。 → つかえる迅速診断キットがあればのはなし
検査
- 血液検査:ウイルス感染の場合、WBCやCRPは動かないが、細菌感染があれば上昇する。
- ウイルス分離は一般臨床では行われない。 → 高コストだし、培養している内に治癒する。
- 血清抗体価測定ではペア血清で 4 倍以上の上昇で陽性とする。 → 高コストだし、ペア血清を取った時点で治癒する。
- 細菌感染を疑ったら、喀痰検査(培養は時間がかかるので検鏡でしょう?)、血液検査(血算)のちに、培養して薬物感受性検査を行う(けど時間がどのくらいかかるのやら)
治療
- 一般療法(安静、保温・保湿、栄養補給、脱水予防、入浴制限)
- 対症療法:解熱・鎮痛薬、非ステロイド性抗炎症薬、蛋白分解酵素製剤、含嗽薬、鎮咳去痰薬、抗ヒスタミン薬
- 細菌感染が疑われるときのみ、抗生物質を使用する。予防的に使うのはいかがな最中
予後
予防
- RSウイルス:適応が限られるが、ワクチンを使うことができる。
[★]
商品
[★]
- 英
- fexofenadine
- 化
- 塩酸フェキソフェナジン fexofenadine hydrochloride
- 商
- アレグラ
- 関
- テルフェナジン
-
[★]
- 英
- cetirizine
- 化
- 塩酸セチリジン cetirizine hydrochloride
- 商
- ジルテック Zyrtec、ザイザル
- 関
- その他のアレルギー用薬、抗ヒスタミン薬