- 英
- Cushing disease, Cushing's disease
- 同
- (国試)Cushing病
- 関
- クッシング症候群
- first aid step1 2006 p.253
概念
検査
- 選択的下垂体静脈洞サンプリング/海綿静脈洞サンプリング
- 内分泌検査
治療
- modality:手術療法、薬物療法、放射線療法
- 経蝶形骨洞下垂体腺腫摘出術(ハーディ手術)が第一選択である。
- その他、放射線療法、ステロイド合成阻害薬による薬物療法(メチラポン、ミトタン、トリロスタン)を行い、これらの治療法に抵抗性の場合に両側副腎摘除を行う。
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クッシング症候群 |
コルチゾール
|
分類及び外部参照情報 |
ICD-10 |
E24 |
ICD-9 |
255.0 |
DiseasesDB |
3242 |
MedlinePlus |
000410 |
eMedicine |
med/485 |
Patient UK |
クッシング症候群 |
MeSH |
D003480 |
クッシング症候群(クッシングしょうこうぐん、Cushing's syndrome)は、慢性の糖質コルチコイド過剰による症候群。なお、下垂体腺腫が原因で起こるクッシング症候群を特にクッシング病(Cushing's disease)と呼ぶ。
目次
- 1 歴史
- 2 疫学
- 3 分類
- 4 病態
- 5 原因
- 6 臨床像
- 7 検査
- 8 治療
- 9 予後
- 10 関連事項
- 11 外部リンク
歴史
アメリカの脳神経外科医ハーヴェイ・ウィリアムス・クッシングによって「クッシング病」が初めて報告された。
疫学
原因は副腎腺腫が約50%、クッシング病が約35%である。他の腫瘍から来るものもある。女に多い。
分類
- 下垂体腺腫(クッシング病)
- 副腎疾患
- 副腎腺腫、副腎癌、ACTH非依存性大結節性副腎過形成(AIMAH)、原発性副腎皮質小結節性異形成(PPNAD)など
- 異所性ACTH産生腫瘍
- 小細胞肺癌、気管支カルチノイド、胸腺腫、甲状腺髄様癌、膵癌、卵巣癌など
病態
種々の原因により糖質コルチコイドが増加していることによって、引き起こされる。ACTH産生性の腫瘍であるかどうかで、ACTH依存性、ACTH非依存性に分けられる。
原因
異所性ACTH産生腫瘍の原因には肺腫瘍、膵腫瘍、等が含まれる。
臨床像
主症状は
- 中心性肥満
- 満月様顔貌(ムーンフェイス)
- 高血圧
- 糖質コルチコイドが持つ鉱質コルチコイド作用によってナトリウムの再吸収が亢進し、ナトリウムによる浸透圧で水の再吸収が亢進し、循環血漿量が増加することで高血圧になる。
- 一般糖尿病症状
- 糖質コルチコイドは血糖値を上昇させるホルモンであるため。
- 皮膚線条
- 中心性肥満により、いわゆる「妊娠線」が出来る。
- 筋力低下
- 糖質コルチコイドが持つ鉱質コルチコイド作用によってナトリウムの再吸収が亢進し、逆にカリウム利尿が亢進して低カリウム血症が起こるため。
- 骨粗鬆症
検査
- 尿中、血中コルチゾール検査:コルチゾール値の増加が見られる。また、通常朝高く夜低くなる日内変動の消失が見られる。
- ACTH:ACTHの減少→副腎腫瘍、ACTHの増加→下垂体腫瘍・異所性ACTH産生腫瘍と鑑別される。
- 尿中17-KS、17-OHCS:ステロイドの代謝物。1日の尿中排泄量で評価する。クッシング症候群で増加する。
- DHEA-S:コルチゾールが高く、DHEA-Sも高いときは、ACTH依存性クッシング症候群の他に副腎癌も考慮すべきである。
- 下垂体MRI:クッシング病の場合、腫瘍を認める。
- 腹部CT/MRI:コルチゾール産生腺腫では腫瘍を認め、対側副腎は萎縮傾向。
- 胸部CT:異所性ACTH症候群の場合、肺や胸腺の病変を疑う必要あり。
- 副腎シンチグラフィー:コルチゾール産生腺腫では腫瘍側の集積亢進と対側の抑制。ACTH依存性クッシング症候群では両側の集積亢進。
- 白血球数増加、好酸球減少
- 基礎代謝率上昇
- デキサメサゾン抑制試験
- デキサメサゾン抑制試験(できさめさぞんよくせいしけん)は、糖質コルチコイドのアゴニストであるデキサメサゾンを投与して副腎皮質刺激ホルモンの分泌を抑制して血中糖質コルチコイドを測定する試験。
- 迅速法 : ニュージェント法、オーバーナイト法
- デキサメサゾン抑制試験迅速法は、糖質コルチコイド受容体のアゴニストであるデキサメサゾンを投与して副腎皮質刺激ホルモンの分泌を抑制して血中糖質コルチコイドを測定する試験。採血で済むので外来で行える。
- 目的
- クッシング症候群のスクリーニング。
- 原理
- 正常では、糖質コルチコイドは副腎皮質刺激ホルモンをネガティブフィードバックしている。従ってデキサメサゾンの投与によって糖質コルチコイドが過剰だと誤解した脳下垂体系は、正常ならば副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンや副腎皮質刺激ホルモンの分泌を抑制する。抑制されない場合はフィードバック経路のどこかに異常があると考えられる。
- 方法
- 検査前夜11時に1mgのデキサメサゾンを経口投与して翌朝8時に血中糖質コルチコイドを測定する。予めデキサメサゾンを貰っておけば一回の外来で済む。
- 判定
血中糖質コルチコイド(μg/dL) |
判定 |
理由 |
5以上~ |
クッシング症候群 |
フィードバック経路のどこかに異常がある |
3以上~5未満 |
プレクリニカルクッシング症候群(前臨床的クッシング症候群) |
フィードバック経路のどこかに異常があるかもしれない |
~3未満 |
正常(単純性肥満) |
正常では抑制される |
-
- 標準法 : リドル原法
- デキサメサゾン抑制試験標準法は、糖質コルチコイドのアゴニストであるデキサメサゾンを投与して副腎皮質刺激ホルモンの分泌を抑制して尿中17-OHCS(にょうちゅうじゅうななおーはーしーえす)を測定する検査。24時間蓄尿をするので入院を要する。
- 目的
- 迅速法で判明したクッシング症候群の病型分類。
- 原理
- 正常では糖質コルチコイドは副腎皮質刺激ホルモンをネガティブフィードバックしている。従ってデキサメサゾンの投与によって糖質コルチコイドが過剰だと誤解した脳下垂体系は、正常ならば副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンや副腎皮質刺激ホルモンの分泌を抑制して、糖質コルチコイドの合成は抑制されて、その代謝産物である尿中17-OHCSも減る。
- 方法
- 基準値
- 入院1日目に何も投与せずに24時間蓄尿尿中17-OHCSを測定して、基準値とする。
- 2mg投与
- 入院第2日目と第3日目に0.5mgのデキサメサゾンを6時間毎に1錠、一日4錠(2mg/日、計8錠)経口投与して、24時間蓄尿尿中17-OHCSを測定する。
- 8mg投与
- 2mgで低下しない場合はさらに、入院第4日目と第5日目に2mgのデキサメサゾンを6時間毎に1錠、一日4錠(8mg/日、計8錠)経口投与して、24時間蓄尿尿中17-OHCSを測定する。ここで低下したら判定によりクッシング病と分かる。
- 判定
- 尿中17-OHCSが低下するのにどれだけのデキサメサゾンを要したかで行う。
デキサメサゾン(mg/日) |
17-OHCS低下の意味 |
判定 |
理由 |
2 |
正常量で低下した |
正常(単純性肥満) |
正常ならば反応するはず |
8 |
大量投与で低下した |
クッシング病 |
下垂体腺腫は多少反応性が保たれている |
(∞) |
低下せず |
副腎腺腫、副腎癌、異所性ACTH産生腫瘍 |
副腎腺腫や腫瘍は反応性が破綻している |
- メチラポン試験
- メチラポン試験(めちらぽんしけん)は、11βヒドロキシラーゼ(11β-HOlase)阻害薬メチラポン(商品名メトピロン)を投与して副腎皮質刺激ホルモンの分泌を刺激して尿中17-OHCS(にょうちゅうじゅうななおーはーしーえす)を測定する検査。
- 目的
- デキサメサゾン抑制試験8gm投与と同じ。
- 意義
- 副腎皮質刺激ホルモン刺激試験。
- 原理
- 正常では糖質コルチコイドは副腎皮質刺激ホルモンをネガティブフィードバックしている。従ってメチラポンの投与によって糖質コルチコイドが不足だと誤解した脳下垂体系は、正常ならば副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンや副腎皮質刺激ホルモンの分泌を増強する。その結果、11βヒドロキシラーゼの基質である11デオキシコルチゾールの産成が増強され、その代謝産物である尿中17-OHCSも増える。
- なお、H21年より17-OHCSの測定はできなくなったため、17-KGSを測定するとよい。また現在は、下記標準法よりは、1回の内服で血中のACTHと11-デオキシコルチゾール、コルチゾールを測定する方法(迅速法、オーバーナイト法)を行うことが多い。
-
- 方法(標準法)
- 0.5mgのメチラポンを一日六回、計3gを経口投与して、24時間蓄尿尿中17-OHCSを測定する。
- 判定
- 尿中17-OHCSが増加したかどうかで行う。
尿中17-OHCS |
判定 |
理由 |
増加 |
クッシング病(又は正常) |
下垂体腺腫は多少反応性が保たれている |
増加せず |
副腎腺腫、副腎癌、異所性ACTH産生腫瘍 |
副腎腺腫や腫瘍は反応性が破綻していて、フィードバックが強くかかっている。 |
-
- 特異度
- 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン試験に劣る。この為同一目的・意義である副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン試験に取って代わられつつある。
- 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン試験
- 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン試験(ふくじんひしつしげきほるもんほうしゅつほるもんしけん)は、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンを投与して血中副腎皮質刺激ホルモン及び血中糖質コルチコイドを測定する試験。
- 目的
- デキサメサゾン抑制試験8gm投与に加え、副腎腫瘍と異所性ACTH産生腫瘍の鑑別を行うこと。
- 意義
- 副腎皮質刺激ホルモン刺激試験を迅速に行える。
- 原理
- 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンが副腎皮質刺激ホルモンを刺激し、これが糖質コルチコイド産成を刺激する事。
- 方法
- 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンを静脈注射して、30分後と60分後の血中の副腎皮質刺激ホルモンと糖質コルチコイドを測定する。
- 判定
- 血中の副腎皮質刺激ホルモンと糖質コルチコイドの多寡で行う。
検査値 |
判定 |
理由 |
過剰反応 |
クッシング病 |
下垂体腺腫は反応性が保たれている |
反応せず |
副腎腺腫、副腎癌、異所性ACTH産生腫瘍 |
副腎腺腫や腫瘍は反応性が破綻していて、フィードバックが強くかかっている。 |
治療
- クッシング病の治療
- 手術療法:経蝶形骨洞的下垂体腫瘍摘出術。かつては下垂体腫瘍を残したまま両側副腎の摘出術を行っていたこともあり、ネルソン症候群を発生させる原因となった。
- 放射線療法:ガンマナイフ。
- 薬物療法:副腎皮質ステロイド合成阻害薬。
- 異所性ACTH症候群の治療
- 原因腫瘍の摘出や化学療法を行う。手術不能例では副腎摘出を行う。
- 副腎腫瘍
- 副腎腫瘍の摘出。副腎の萎縮が見られるため、摘出後はグルココルチコイドの補充を行う。手術不能例、癌再発例や転移例にはステロイド合成阻害薬(ミトタン、トリロスタン、メチラポンなど)を投与する。
腫瘍の除去を第一として、手術・放射線治療・薬物による治療を行う。
予後
クッシング病や副腎腺腫は腫瘍摘出術によって大半が治癒する。一方、異所性ACTH症候群や副腎癌は予後不良である。
関連事項
偽性クッシング症候群
外部リンク
- 糖尿病・代謝 -清涼飲料水ケトーシスを契機に診断されたCushing病の一例- 日本内分泌学会雑誌 Vol.85 (2009) No.Supplement-1 特集号 第19回臨床内分泌代謝Update Proceeding p. 152-172
|
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Japanese Journal
- 教育講演 犬のクッシング病に対する下垂体切除術 (第25回日本獣医生命科学大学学術交流会)
- 教育講演 犬のクッシング病の検査と内科的治療 (第25回日本獣医生命科学大学学術交流会)
Related Links
- クッシング病 クッシング症候群とクッシング病 クッシング病の症状は? 放置するとどうなるの? クッシング病の診断は? 治療はどうするの? クッシング症候群とクッシング病 クッシング症候群とは副腎皮質ホルモン(ステロイド ...
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- 異所性ACTH症候群でもカルチノイドによる場合は、クッシング病と酷似した内分泌検査結果を呈することがある。一方、下垂体マクロアデノーマによるクッシング病の場合には内分泌検査に反応しないこと ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- examination、test、testing、assessment、trial、exam、examine
- 関
- アセスメント、計測、検査、検定、試み、査定、試行、調べる、診断、治験、調査、テスト、判定、評価、検討、影響評価、実験デザイン、研究デザイン、データ品質、対応群、スコアリング法
循環器
肝臓異物排泄能
カルシウム
ビタミン
血液
- ショ糖溶血試験:(方法)等張ショ糖液に血液を加える。(検査)溶血の存在。低イオン強度では補体の赤血球に対する結合性が増し、発作性夜間血色素尿症 PNHにおいては溶血をきたす。スクリーニング検査として用いられ、確定診断のためにはハム試験を行う。
- ハム試験 Ham試験:(方法)洗浄赤血球に塩酸を加え、弱酸性(pH6.5-7.0)条件にする。(検査)溶血の存在。発作性夜間血色素尿症 PNHにおいては弱酸性条件で補体に対する感受性が亢進するため
産婦人科
内分泌
視床下部-下垂体-糖質コルチコイド
高血圧
- 立位フロセミド負荷試験:(投与)フロセミド、(検査)血漿レニン濃度:フロセミドでhypovolemicとし歩行負荷で交感神経を興奮させレニンの分泌を促す。原発性アルドステロン症の場合、レニン高値のまま無反応。
膵臓
膵外分泌機能
腎臓
ガストリノーマ
感染症
[★]
- 英
- Cushing syndrome, Cushing's syndrome
- 同
- (国試)Cushing症候群
- 関
- アジソン病、糖質コルチコイド、発症前クッシング症候群
- first aid step1 2006 p.253,259,296
糖質ステロイドの分泌過剰 ⇔ アジソン病
概念
- 糖質コルチコイドの分泌が過剰であるために引き起こされる症候群
- 副腎皮質の腺腫・癌、原発性副腎皮質結節性過形成、異所性ACTH産生腫瘍、下垂体過形成、下垂体腺腫(クッシング病)に分類される。
疫学
- 成人女性に多い(男:女=1:3-4。30-50歳代)
- 平成9年度の全国調査では年間発生数は 100-160例程度
- 副腎皮質腺腫: 47.1%
- 異所性ACTH産生腫瘍:3.6%
病因
鑑別診断
LAB.713改変
IMD.956
病態生理
- 1. 満月様顔貌、中心性肥満、buffalo hump、体重増加
- 線維芽細胞が抑制され、間質組織が脆弱になり、皮膚が菲薄化。また、急激な肥満により皮膚の成長が追いつかず皮膚が引き延ばされるため?
- 3. 浮腫
- 4. 皮膚の菲薄化 、創傷治癒の遅延、皮膚の易感染性
- 線維芽細胞が抑制され、間質組織が脆弱になり、皮膚が菲薄化
- グルココルチコイドのミネラルコルチコイド作用や血管への直接作用
- 肝臓における蛋白の異化亢進→アミノ酸からの糖新生亢進→血糖上昇。末梢組織でのインスリン抵抗性が上昇。
- コルチゾールの過剰による骨形成の抑制・骨吸収の促進・腸管からのCa吸収抑制、尿中Ca排泄促進(尿路結石の原因になることがあるらしい)
- 11. 精神症状
- 12. 成長障害(成長遅延)
- 13. 免疫抑制
症状
- 1. 満月様顔貌、中心性肥満、buffalo hump、体重増加
- 2. 皮膚線条、皮下出血、ざ瘡、多毛、浮腫、皮膚の菲薄化
- 3. 高血圧
- 4. 耐糖能低下、糖尿病
- 5. (近位筋の)筋力低下
- 6. 月経異常(無月経)
- 7. 骨折や骨粗鬆症
- 8. 精神症状:うつ、lethargy
- 9. 成長障害
- 10. 免疫抑制
- 11. 成長遅延
- 12. 多毛、挫創
鑑別に有用な小児におけるクッシング症候群の症状
診断
検査
血液検査
白血球
|
↑
|
白血球増多症
|
好中球
|
↑
|
|
好酸球
|
↓
|
|
リンパ球
|
↓
|
|
Na
|
↑
|
|
K
|
↓
|
3.5mEq/L以下 ← 低カリウム血症
|
血糖
|
高値
|
← 耐糖能異常
|
血漿ACTH
|
高値
|
(Cushing病、異所性ACTH産生腫瘍)、それ以外は低値
|
血清コルチゾール
|
増加
|
日中の変動無し
|
総コレステロール
|
↑
|
高コレステロール血症
|
- 電解質異常:低カリウム血症 → アルカローシス (低カリウム血症により尿細管からのH+が増加(QB.D-357)???)
尿検査
治療
- 下垂体腺腫:腺腫:摘除
- 副腎腺腫・癌:
- 異所性ACTH産生腫瘍:腫瘍摘除
- 手術不能例・俯瞰全摘出例・再発例では放射線療法,薬物療法
択する.
予後
予防
[★]
- ☆case30 無月経
- ■症例
- 23歳 女性 女優
- 主訴:無月経
- 現病歴:5ヶ月前からの無月経である。初経は13歳で、これまで月経周期は整であった。食欲はあると言っているが昨年から(over the pas year)体重が8kg減少した。
- 嗜好品:アルコール10 unit/week(缶ビール(350ml)6本弱本/週)。
- 既往歴:なし
- 社会歴:現在は無職。
- 服用薬:なし
- 生活歴:一年前、彼氏と別れた。
- 身体所見 examination
- 四肢と殿部の筋肉が喪失。身長1.7m、体重41kg、BMI 13.7(標準的:20< <24)。頬、首、前腕で毛が過剰に生えている。脈拍52/分。血圧96 /60 mmHg
- 検査所見 investigations
- ECG
- 血液生化学
- K↓, Cl↓, HCO3-↑, Cre↓, Alb(保たれているのか・・・)
- 問診(S)
- 5ヶ月前からの無月経
- 昨年から8kg体重が減少。
- 無職
- 1年前に彼氏と別れた
- 身体所見(O)
- 四肢と殿部の筋肉が喪失。
- 身長1.7m
- 体重41kg
- BMI 13.666666666666666
- 頬、首、前腕で毛が過剰に生えている。
- 脈拍52/分
- 血圧96/60 mmHg
- 検査(O)
- K↓, Cl↓, HCO3-↑, Cre↓
- ・なにをすべきか?
- ・無月経の鑑別診断?
- ・体重減少の原因
- ■診断
- 神経性食思不振症, anorexia nervosa, AN
- ■要点
- ・嘔吐 → H+,Cl-喪失。
- ・減少した血漿量 → アルドステロン分泌亢進 → 尿細管ではナトリウム保持、カリウム分泌、(本来分泌されるべき)H+の枯渇
- ・アルカローシス(血中:Cl-低値、HCO3-高値。尿:Cl-低値、K+高値)
- ・尿中のCl-:<10mmol/day:嘔吐していることを暗示(imply vomitting)。高値:利尿剤の乱用
- ・anorexia nervosaで見られる検査値もチェックしておこう
- ・LH, FSH, エストロゲンは低値
- ■key points
- ・神経性食思不振症は若年女性の中で無月経の主要な原因である。
- ・低カリウム性代謝性アルカローシスは特徴的な代謝異常
- ・神経性食思不振症は利尿剤や下剤の濫用と結びついていることがある。
- ■参考文献
- DIF Differential Diagnosis in Primary Care Fourth Edition版 Lippincott Williams & Wilkins
- ■major cases of secondary amenorrhea
- ・視床下部、下垂体の疾患:ex. 下垂体機能低下症、高プロラクチン血症
- ・性腺不全:ex. 自己免疫性卵巣不全、多能性卵巣
- ・副腎不全:ex. クッシング病
- ・甲状腺疾患:ex. [甲状腺機能低下症]]、甲状腺機能亢進症
- ・重症慢性疾患:ex. 癌、慢性腎不全
- □アルコールのunit
- 1 unit = 10 ml of ethanol
- 350ml アルコール5% → 350x0.05/10=1.75 unit
- ■glossary
- buttock
- n. 殿部、尻。船尾
- interrelate
- vi. 相互関係を持つ(有する)
- vt. 相互に関係(関連)づける
- contract
- v. 収縮する
- lanugo
- n. 毳毛、うぶ毛
[★]
- 英
- dexamethasone suppression test, DST
- 同
- (国試)デキサメサゾン抑制試験
- 関
- デキサメタゾン、クッシング症候群、1mgデキサメタゾン抑制試験、8mgデキサメタゾン抑制試験、低用量デキサメタゾン抑制試験、コルチゾール
[show details]
概念
- デキサメタゾンはネガティブフィードバックによりACTH分泌を抑制することを利用し、クッシング症候群の診断やスクリーニングに用いられる。
LAB.713改変
方法
- LAB.713
1. 標準法(Liddle原法)
2. over night test
- 試験前日の11時にデキサメサゾン1-2mg(低用量)を服用させ、翌朝6-8時に空腹臥床で採血し、血漿コルチゾールとACTHを測定する。血漿コルチゾールの抑制がみられない場合には8mg(高用量)を投与する。
基準範囲
1. 標準法(Liddle原法)
- 健常者では、尿中17-OHCSの減少(3mg/日以下)または尿中遊離コルチゾールの減少(25μg/日)がみられる
2. over night test
- 健常者では、血漿コルチゾール5μg/dl以下、ACTHは10pg/ml以下
[★]
- 英
- corticotropin-releasing hormone test, CRH test
- 同
- CRH試験、CRH負荷試験、CRH負荷テスト
- 関
- クッシング病、クッシング症候群
判定
[★]
- 英
- disease、sickness
- 関
- 疾病、不調、病害、病気、疾患