- 英
- metyrapone
- 商
- メトロピン METOPIRONE
- 関
- メチラポン負荷試験、糖質コルチコイド、副腎皮質
概念
- 下垂体機能検査薬。下垂体ACTH分泌予備能の検査薬。
- 副腎でのコルチゾール産生を阻害する。
薬理作用
メチラポン負荷試験
- 11β-hydroxylase阻害作用によりコルチゾール産生減少 → ネガティブフィードバック機構によりATCH産生亢進 → コルチゾール前駆体 11-deoxycortisol産生↑ → 11-deoxycortisolの代謝産物である17-OHCSの尿中排泄↑
- 血中ATCHと尿17-OHCSを測定
添付文書
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/7223001M1035_1_01/7223001M1035_1_01?view=body
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/02/18 22:07:13」(JST)
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メチラポン
|
IUPAC命名法による物質名 |
2-methyl-1,2-dipyridin-3-yl-propan-1-one |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
C US |
法的規制 |
? |
投与方法 |
Oral |
薬物動態的データ |
半減期 |
1.9 ±0.7 hours. |
識別 |
CAS登録番号 |
54-36-4 |
ATCコード |
V04CD01 |
PubChem |
CID 4174 |
DrugBank |
APRD01111 |
化学的データ |
化学式 |
C14H14N2O |
分子量 |
226.274 g/mol |
メチラポン(英: metyrapone)とは副腎機能障害の診断や、時としてクッシング症候群の治療に使用される薬物の一つ。メチラポンは11-β-ヒドロキシラーゼを阻害することによりコルチゾールの合成を抑制する[1]。
出典[編集]
- ^ Young EA, Ribeiro SC, Ye W (June 2007). “Sex differences in ACTH pulsatility following metyrapone blockade in patients with major depression”. Psychoneuroendocrinology 32 (5): 503–7. doi:10.1016/j.psyneuen.2007.03.003. PMC 1975691. PMID 17462829. http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0306-4530(07)00061-3.
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 症例に学ぶ メチラポン投与中,頭痛を主訴に下垂体腺腫卒中を引き起こしたCushing病の1例
- 腸腰筋膿瘍を合併したACTH依存性Cushing症候群の疑い例
- 石井 翔,立木 美香 ,田辺 晶代 [他],高野 加寿恵,ISHII Sho,TSUIKI Mika,TANABE Akiyo,TAKANO Kazue
- 東京女子医科大学雑誌 80(6/7), 156-158, 2010-07-25
- … メチラポンの投与を開始したところ2週間後にはコルチゾールは正常化し、それとともに意識障害や高血糖も改善した。 … メチラポン投与中止後もコルチゾールは正常であり、デキサメサゾン抑制試験でも正常反応であったが、コルチゾールの日内変動は消失しており軽度のコルチゾール過剰分泌は持続していると考えた。 …
- NAID 110007628974
- 尿中テトラヒドロ-11-デオキシコルチゾール(THS) (広範囲 血液・尿化学検査 免疫学的検査(第7版・4)その数値をどう読むか) -- (内分泌学的検査 副腎皮質関係)
- 11-デオキシコルチゾール (広範囲 血液・尿化学検査 免疫学的検査(第7版・4)その数値をどう読むか) -- (内分泌学的検査 副腎皮質関係)
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- メトピロンとは?メチラポンの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる( おくすり110番:薬事典版)
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
- 下垂体ACTH分泌機能検査用薬
- **副腎皮質ホルモン合成阻害剤
販売名
*メトピロンカプセル250mg
組成
成分・含量
添加物
- グリセリン、マクロゴール
カプセル本体にゼラチン、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、グリセリン、酸化チタン、香料、エチルバニリン含有
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- **副腎皮質機能不全の患者〔急性副腎不全をきたすことがある。〕
効能または効果
- 下垂体ACTH分泌予備能の測定
- **クッシング症候群
**下垂体ACTH分泌予備能の測定
- 通常、成人には、メチラポンとして1回500〜750mgを1日6回4時間毎に経口投与する。
小児には、1回15mg/kgに相当する量を1日6回4時間毎に経口投与するが、1回の最小量は、メチラポンとして250mgが望ましい。
**クッシング症候群
- 通常、成人及び小児には、メチラポンとして1回250mg〜1gを1日1〜4回経口投与する。なお、患者の状態により適宜増減する。
**「下垂体ACTH分泌予備能の測定」に本剤を使用する場合
- メトピロン・テストを行う前に全ての副腎皮質ステロイド療法を中止すること。
- **尿中ステロイドの測定に影響を与える薬剤があるので、メトピロン・テスト実施期間中は、他の薬剤は投与しないことが望ましい。特に、本テストに影響の可能性がある薬剤として次のものが報告されている。
- フェニトイン、蛋白同化ステロイド、エストロゲン、クロルプロマジン、バルビツール酸誘導体、アミトリプチリン、抗甲状腺ホルモン剤、アルプラゾラム、シプロヘプタジン
〔試験法〕
第1日目
- 対照期-24時間尿を集め、17-ヒドロキシコルチコステロイド(17-OHCS)あるいは、17-ケトジェニックステロイド(17-KGS)を測定する。
第2日目
第3日目及び第4日目
第5日目
第6日目
- 本剤投与後の期間-24時間尿のステロイドを測定する。本剤投与に対する最大の反応は、この日にみられる。
(反応の判定)
- ACTH及び本剤投与に対する反応の判定は、対照期にみられるステロイド分泌と比較して、これらの薬剤に反応して生じる尿中の17-OHCSあるいは、17-KGSの増加に基づいて行われる。
本剤の反応は、内分泌性ACTHに対する副腎の反応性に基づいているので、メトピロン・テストを行う前に投与したACTHに対して副腎の反応が弱ければ、下垂体の予備能を検査するメトピロン・テストを行っても無意味である。
本剤に対する反応は徐々に起こるので、尿中に排泄されるステロイドが最高値に達するのは、通常本剤の投与が終った後になる。即ち、24時間にわたって、経口的に本剤を投与すると、ステロイド排泄が頂点に達するのは、本剤投与終了に引続く24時間の採尿期間中である。
正常反応
- 下垂体機能が正常な場合には、本剤投与によって、17-OHCS排泄が2〜4倍に、又は17-KGS排泄が2倍に増加する。
正常以下の反応
- ACTHに正常に反応する患者で、本剤に対する反応が正常以下の場合には、下垂体機能の低下を意味する。
過剰反応
- 本剤投与後の17-OHCS又は17-KGSの正常範囲以上の過剰排泄は、副腎過形成を伴うクッシング症候群を考えさせる。この場合には、安静時にも尿中のステロイドの排泄が増加しており、ほとんど常に、ACTHや本剤に対して過剰の反応を示す。
**「クッシング症候群」に本剤を使用する場合
- 血中・尿中コルチゾール値あるいは臨床症状に応じて用量調節を行うこと。
慎重投与
- リウマチ性疾患のある患者〔症状の急性化をきたすことがある。〕
重大な副作用
ショック(0.1%〜5%未満)
- 血圧低下、冷汗、四肢冷却等を伴うショックがあらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
**副腎皮質機能不全(頻度不明)
- 副腎皮質機能不全があらわれることがあるので、検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
**骨髄抑制(頻度不明)注1)
- 汎血球減少、白血球減少、血小板減少、貧血等の骨髄抑制があらわれることがあるので、血液検査を実施するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- **メチラポンは、副腎皮質ステロイドの中の主要な三つ、即ちコルチゾール(ヒドロコルチゾン)、コルチコステロン及びアルドステロンの生合成の過程において、11β-水酸化酵素を特異的かつ可逆的に阻害する。3〜5)
**下垂体ACTH分泌予備能の測定
- 下垂体前葉からのACTH分泌は、血中のコルチゾールの濃度に影響されるので、メチラポン投与によって、副腎皮質からのコルチゾール分泌が減少すると、下垂体前葉機能が正常であれば、ACTH分泌の増加が起こってくる。
ACTH分泌の増加によって、副腎皮質機能が刺激されるが、メチラポンの阻害作用のために副腎皮質におけるステロイド生合成は、11-デスオキシコルチゾール及び11-デスオキシコルチコステロンの段階で止まる。
この両者の生成は増量し、これらの物質又はその代謝産物は、血中及び尿中に出現し、代謝産物は、17-OHCS又は17-KGSとして定量的に測定される。
副腎皮質機能が正常で、しかも上記の11-デスオキシコルチゾール、11-デスオキシコルチコステロン又はその代謝産物の尿中排泄が、メチラポン投与に反応して増加しなかった場合には、下垂体前葉のACTH分泌機能不全を意味する。3〜5)
**クッシング症候群
- クッシング症候群患者において、メチラポンはコルチゾール産生を抑制し高コルチゾール血症を改善する。この薬効は投与2時間後より認められた。なお、クッシング病患者において、本剤の効果は長期投与でも維持された。3〜5)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- 2-Methyl-1,2-di(pyridin-3-yl)propan-1-one
分子式
分子量
性状
- 白色〜微黄色の結晶性の粉末で、特異なにおいがあり、味は苦い。メタノール、エタノール(95)、無水酢酸、クロロホルム、ジエチルエーテル又はニトロベンゼンに極めて溶けやすく、水にやや溶けにくい。0.5mol/L硫酸試液に溶ける。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- examination、test、testing、assessment、trial、exam、examine
- 関
- アセスメント、計測、検査、検定、試み、査定、試行、調べる、診断、治験、調査、テスト、判定、評価、検討、影響評価、実験デザイン、研究デザイン、データ品質、対応群、スコアリング法
循環器
肝臓異物排泄能
カルシウム
ビタミン
血液
- ショ糖溶血試験:(方法)等張ショ糖液に血液を加える。(検査)溶血の存在。低イオン強度では補体の赤血球に対する結合性が増し、発作性夜間血色素尿症 PNHにおいては溶血をきたす。スクリーニング検査として用いられ、確定診断のためにはハム試験を行う。
- ハム試験 Ham試験:(方法)洗浄赤血球に塩酸を加え、弱酸性(pH6.5-7.0)条件にする。(検査)溶血の存在。発作性夜間血色素尿症 PNHにおいては弱酸性条件で補体に対する感受性が亢進するため
産婦人科
内分泌
視床下部-下垂体-糖質コルチコイド
高血圧
- 立位フロセミド負荷試験:(投与)フロセミド、(検査)血漿レニン濃度:フロセミドでhypovolemicとし歩行負荷で交感神経を興奮させレニンの分泌を促す。原発性アルドステロン症の場合、レニン高値のまま無反応。
膵臓
膵外分泌機能
腎臓
ガストリノーマ
感染症
[★]
- 英
- Cushing disease, Cushing's disease
- 同
- (国試)Cushing病
- 関
- クッシング症候群
- first aid step1 2006 p.253
概念
検査
- 選択的下垂体静脈洞サンプリング/海綿静脈洞サンプリング
- 内分泌検査
治療
- modality:手術療法、薬物療法、放射線療法
- 経蝶形骨洞下垂体腺腫摘出術(ハーディ手術)が第一選択である。
- その他、放射線療法、ステロイド合成阻害薬による薬物療法(メチラポン、ミトタン、トリロスタン)を行い、これらの治療法に抵抗性の場合に両側副腎摘除を行う。
[★]
メチラポン metyrapone
-METOPIRONE
[★]
メチラポン
-metyrapone
[★]
- 英
- metyrapone test
- 同
- メトピロン試験 メトピロン負荷試験 metopirone test、メチラポン負荷試験、メチラポン負荷テスト
- 関
- メチラポン、糖質コルチコイド、クッシング症候群
[show details]
- 下垂体-副腎皮質系の予備能を検索する。クッシング症候群の鑑別を目的に行われる。クッシング病では正常~過大反応(代償的)。
- メチラポンを投与すると11β-hydroxylase阻害作用によりコルチゾール産生減少 → ネガティブフィードバック機構によりATCH産生亢進 → 11-deoxycortisol産生↑、あるいはこの代謝産物であるtetrahydrodeoxycortisol(THS)↑を17-OHCS これを尿中排泄を見る