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- the 16th letter of the Roman alphabet (同)p
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- parking
- phosphorusの化学記号
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パラトルモン(parathormone)とは副甲状腺(上皮小体)から分泌される84アミノ酸から構成されるポリペプチドホルモンである。 副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone, PTH)、上皮小体ホルモンとも呼ばれる。パラトルモンは、血液のカルシウムの濃度を増加させるように働き、逆に甲状腺から分泌されるカルシトニンはカルシウムを減少させるように働く。パラトルモンは、血中のカルシウム濃度を増加させるが、そのためのパラトルモン受容体は身体に骨、腸、腎臓の3箇所ある[1]。
目次
- 1 機能
- 1.1 血中カルシウム濃度の上昇
- 1.2 リン酸塩の減少
- 2 フィードバック機構
- 3 疾患
- 4 副甲状腺ホルモン関連ペプチド
- 5 脚注
機能[編集]
血中カルシウム濃度の上昇[編集]
器官 |
効果 |
骨 |
カルシウムの放出を増大させる骨は大きなカルシウムの貯蔵器官である[2]。 骨の再吸収は、通常は破骨細胞による骨の破壊で、それらは間接的にパラトルモンの刺激による。 破骨細胞にはパラトルモン受容体がないので、その刺激は間接的である。むしろ、パラトルモンは、骨を作る骨芽細胞と結合する。結合は、破骨細胞分化因子(RANKL)を出現させ、骨芽細胞の増大を刺激し、破骨細胞の前駆体は破骨細胞分化因子受容体(RANK)を取り囲む。破骨細胞分化因子と破骨細胞分化因子との結合体は、それらの先駆体と融合し、新しい溶骨細胞を形成する。その結果骨の再吸収が促進する。 |
腎臓 |
遠位尿細管[3]とヘンレ係蹄上行脚でカルシウムの再吸収を活発・増大させる。 |
腸 |
ビタミンDの生成を促進、25-ヒドロキシビタミンDに1-αヒドロキシル化反応を起こさせる酵素を活性化させ、カルシウム吸収に実際に作用する1,25-ジヒドロキシビタミンD(活性ビタミンD)に変換しカルビンジンを通してカルシウムイオンを吸収させ、結果的に腸のカルシウムの吸収を促進させる。 |
リン酸塩の減少[編集]
パラトルモンは腎臓の尿細管でリン酸塩の吸収を抑制させる[3]。これはより多くのリン酸塩が尿から排出されることを意味する。また、パラトルモンは腸と骨のリン酸塩の血中からの吸収を促進させる。破骨細胞による骨の破壊でリン酸塩もカルシウムと一緒に放出されるが、腸からのリン酸塩の吸収はカルシウムのそれとは違い、ビタミンDに依存しない(活性ビタミンDの増加で、調停する)。
フィードバック機構[編集]
血液中のカルシウム濃度が増加すると、副甲状腺の細胞上にカルシウム受容体が反応し、パラトルモンの分泌が抑制される[4]。
疾患[編集]
- 副甲状腺機能亢進症 - パラトルモンの過剰によって起こる。
- 原因が副甲状腺腺にあるなら、原発性副甲状腺機能亢進症と呼ばれる。原因は、副甲状腺腺腫または副甲状腺過形成そして、副甲状腺癌である。
- 副甲状腺が原因でない場合、二次性副甲状腺機能亢進症と呼ばれる。これは慢性腎不全で起こることが知られている。
- 副甲状腺機能低下症 - パラトルモンの欠乏によって起こる。
副甲状腺ホルモン関連ペプチド[編集]
パラトルモンに類似した物質に副甲状腺ホルモン関連ペプチド(Parathyroid hormone-related peptide, PTHrP)がある。これは141個のアミノ酸からなる蛋白質であるが、アミノ末端の13残基中6個がパラトルモンと同一であるために生物作用がパラトルモンときわめて類似する。生体内にもある程度は存在するが、悪性腫瘍によって大量に産生されると副甲状腺機能亢進症と類似した症状をきたす。悪性腫瘍による高カルシウム血症の80%以上がPTHrPが原因となる。
脚注[編集]
- ^ Physiology at MCG 5/5ch6/s5ch6_11
- ^ Poole K, Reeve J (2005). "Parathyroid hormone - a bone anabolic and catabolic agent.". Curr Opin Pharmacol 5 (6): 612-7.PMID 16181808
- ^ a b http://sprojects.mmi.mcgill.ca/nephrology/presentation/presentation5.htm
- ^ Physiology at MCG 5/5ch6/s5ch6_9
内分泌器:ホルモン(ペプチドホルモン、ステロイドホルモン) |
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視床下部 - 脳下垂体 |
視床下部
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GnRH - TRH - ドーパミン - CRH - GHRH - ソマトスタチン - ORX - MCH - MRH - MIH
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脳下垂体後葉
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バソプレッシン - OXT
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脳下垂体中葉
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インテルメジン
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脳下垂体前葉
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αサブユニット糖タンパク質ホルモン(FSH - LH - TSH) - GH - PRL - POMC(ACTH - MSH - エンドルフィン - リポトロピン)
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副腎 |
副腎髄質
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副腎髄質ホルモン(アドレナリン - ノルアドレナリン - ドーパミン)
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副腎皮質
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副腎皮質ホルモン(アルドステロン - コルチゾール - DHEA)
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甲状腺 |
甲状腺
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甲状腺ホルモン(T3 - T4 - カルシトニン)
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副甲状腺
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PTH
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生殖腺 |
精巣
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テストステロン - AMH - インヒビン
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卵巣
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エストラジオール - プロゲステロン - インヒビン/アクチビン - リラキシン(妊娠時)
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その他の内分泌器 |
膵臓
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グルカゴン - インスリン - ソマトスタチン
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松果体
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メラトニン
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内分泌器でない器官 |
胎盤:hCG - HPL - エストロゲン - プロゲステロン - 腎臓:レニン - EPO - カルシトリオール - プロスタグランジン - 心臓:ANP - BNP - ET - 胃:ガストリン - グレリン - 十二指腸:CCK - GIP - セクレチン - モチリン - VIP - 回腸:エンテログルカゴン - 脂肪組織:レプチン - アディポネクチン - レジスチン - 胸腺:サイモシン - サイモポイエチン - サイムリン - STF - THF - 肝臓:IGFs(IGF-1 - IGF-2) - 耳下腺:バロチン - 末梢神経系:CGRP - P物質
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誘導タンパク質 |
NGF - BDNF - NT-3
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PTH may refer to:
- Parathyroid hormone
- Pin through hole, mounting scheme used in electronics with component leads inserted through drilled holes
- Plated through-hole, used in electronics to connect layers with plated through-hole vias
- Polskie Towarzystwo Historyczne
- Protest the Hero, a Canadian progressive metal band from Whitby, Ontario
- GNU Portable Threads, a thread library
- The station code for Perth railway station, Scotland
- Port Huron (Amtrak station), Michigan, United States; Amtrak station code PTH
- Phenolphthalein, an indicator used in chemical reactions to indicate the presence of a base
- Parsippany-Troy Hills, a township in New Jersey, United States
- phenylthiohydantoin - a type of amino acid derivative formed by the Edman degradation
- Phantom time hypothesis, a proposed theory that a calendar change explains the lack of archaeology coinciding with the Early Middle Ages
UpToDate Contents
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English Journal
- Role of fibroblast growth factor 2 and wnt signaling in anabolic effects of parathyroid hormone on bone formation.
- Fei Y, Hurley MM.SourceDepartment of Medicine, University of Connecticut Health Center, Farmington, Connecticut.
- Journal of cellular physiology.J Cell Physiol.2012 Nov;227(11):3539-45. doi: 10.1002/jcp.24075.
- Osteoporosis poses enormous health and economic burden worldwide. One of the very few anabolic agents for osteoporosis is parathyroid hormone (PTH). Although great progress has been made since the FDA approved PTH in 2002, the detailed mechanisms of the bone anabolic effects of intermittent PTH trea
- PMID 22378151
- Surgical approach and outcomes in patients with lithium-associated hyperparathyroidism.
- Marti JL, Yang CS, Carling T, Roman SA, Sosa JA, Donovan P, Guoth MS, Heller KS, Udelsman R.SourceDivision of Endocrine Surgery, Department of Surgery, Yale University School of Medicine, New Haven, CT, USA, jmarti@chpnet.org.
- Annals of surgical oncology.Ann Surg Oncol.2012 Oct;19(11):3465-71. Epub 2012 Jun 6.
- BACKGROUND: Patients receiving lithium therapy are at elevated risk of developing hyperparathyroidism. In lithium-associated hyperparathyroidism (LAH), the incidence of multiglandular disease (MGD) is unclear, and the need for routine bilateral cervical exploration remains controversial. Therefore,
- PMID 22669448
Japanese Journal
- 透析患者における血清終末糖化産物(AGEs)濃度 : セベラマー塩酸塩投与の効果
- 村本 弘昭,北田 欽也,武藤 寿生,竹内 正義
- 日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy 44(10), 1015-1021, 2011-10-28
- … 9例を対象に,炭酸カルシウムから徐々にセベラマー塩酸塩に変更し,最終的に全例にセベラマー塩酸塩4.5g/日,1例に炭酸カルシウム1.5g/日を投与した.24週間経過を観察しAGEs,脂質,カルシウム,リン,intact PTHおよび高感度CRPの血清濃度を検討した.AGEsは食品中に多く含まれるglucose由来のGlc-AGEsおよび生体内で生成され強い毒性を呈するglyceraldehyde由来のGlycer-AGEsをELISA法で測定した.Glc-AGEsは29.64±7.86U/mLから12週後25.41 …
- NAID 10029861729
- 残腎機能を有する腹膜透析患者に対するシナカルセト投与時のMg, K代謝に及ぼす影響
- 柴田 佳菜子,伊藤 恭彦,水野 正司,鈴木 康弘,平松 英樹,伊藤 功,戸田 晋,丸山 彰一,松尾 清一
- 日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy 44(10), 1007-1013, 2011-10-28
- … 二次性副甲状腺機能亢進症(2°HPT)の治療薬であるシナカルセトは副甲状腺のカルシウムセンシングレセプター(CaSR)に結合することにより,副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌を抑制する.CaSRは副甲状腺のみならず,腎臓や骨,脳など全身に発現している.腎臓では,ヘンレループの上行脚や集合管に発現しているため,CaSRを介したマグネシウム(Mg),カリウム(K)代謝への影響が考えられる.腹膜透析(PD)は残腎 …
- NAID 10029861706
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- 透析患者の Intact PTH の管理目標値は 60~180 pg/ml です。健常者では 10~65 pg/ml です。 なぜ透析患者ではPTHの管理目標値が高いのでしょうか。 骨折しても一ヶ月程で治癒するように、骨は無機質な固まりではなく、活発に代謝 ...
- PTHと二次性副甲状腺機能亢進症について PTHとは PTHとは、副甲状腺から分泌されるホルモンです。 働きは、 ・骨を溶かして血液中にCaを供給する。 ・小腸での、Caの吸収を促進する。 ・腎臓からCaの排出を抑制する ようは、血液中のCa ...
- 副甲状腺ホルモンは、血中へ分泌された後、速やかに分解されるため、PTH-C(パラサイロホルモンC末端)、PTH-M(パラサイロホルモン中央部)、intact PTH(全分子PTH)として測定します。 多くの場合、どの ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 75歳の男性。急に立ち上がれなくなったため搬入された。数日前から下肢にしびれ感を感じていた。今朝起きた際に下肢に力が入らず立ち上がれなくなったため救急搬送された。意識は清明。対麻痺を認める。筋力は徒手筋力テストで下肢は1から2であるが、上肢には筋力低下はない。鼠径部以下に感覚障害を認める。上肢に感覚障害を認めない。下肢の深部腱反射は消失している。脊椎エックス線写真で第11胸椎に骨硬化を認める。病変部の胸椎CT(別冊No. 20)を別に示す。
- 診断のために有用なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109D041]←[国試_109]→[109D043]
[★]
- 32歳の女性。学校ではクラスで一番身長が低かった。現在まで、月経の発来がない。3年前から手指のしびれと突っ張りを訴えるようになった。昨日、突然家族の呼びかけに応答しなくなり、その状態が10分持続する発作があり来院した。身長140cm、体重52kg。恥毛は認められない。深部腱反射亢進。病的反射はない。血清生化学所見:総蛋白 7.0g/dl、アルブミン 4.2g/dl、Na 140mEq/l, K 4.0mEq/l、Ca 5.2mg/dl、P 6.4 mg/dl。手のX線写真を次に示す。
- この患者で高値を示すのはどれか
- (1) 血清副甲状腺ホルモン濃度
- (2) 血清カルシトニン濃度
- (3) 血清1,25-dihydroxy-vitamin D濃度
- (4) PTH負荷後尿中cAMP排泄量
- (5) 尿細管リン再吸収率
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [109I024]←[国試_109]→[109I026]
[★]
- 採血時の体位により血中濃度が影響されやすいホルモンはどれか。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [097B038]←[国試_097]→[097B040]
[★]
- 53歳の男性。幼児期から嗅覚が脱出しており、二次性徴が発達しなかった。最近、特に誘因無く胸椎の圧迫骨折を生じた。
- 予想される血中ホルモンの所見はどれか?
[正答]
[★]
- 異所性ホルモン産生腫瘍とホルモンの組合せで正しいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [096H057]←[国試_096]→[096H059]
[★]
- 英
- examination、test、testing、assessment、trial、exam、examine
- 関
- アセスメント、計測、検査、検定、試み、査定、試行、調べる、診断、治験、調査、テスト、判定、評価、検討、影響評価、実験デザイン、研究デザイン、データ品質、対応群、スコアリング法
循環器
肝臓異物排泄能
カルシウム
ビタミン
血液
- ショ糖溶血試験:(方法)等張ショ糖液に血液を加える。(検査)溶血の存在。低イオン強度では補体の赤血球に対する結合性が増し、発作性夜間血色素尿症 PNHにおいては溶血をきたす。スクリーニング検査として用いられ、確定診断のためにはハム試験を行う。
- ハム試験 Ham試験:(方法)洗浄赤血球に塩酸を加え、弱酸性(pH6.5-7.0)条件にする。(検査)溶血の存在。発作性夜間血色素尿症 PNHにおいては弱酸性条件で補体に対する感受性が亢進するため
産婦人科
内分泌
視床下部-下垂体-糖質コルチコイド
高血圧
- 立位フロセミド負荷試験:(投与)フロセミド、(検査)血漿レニン濃度:フロセミドでhypovolemicとし歩行負荷で交感神経を興奮させレニンの分泌を促す。原発性アルドステロン症の場合、レニン高値のまま無反応。
膵臓
膵外分泌機能
腎臓
ガストリノーマ
感染症
[★]
- 英
- calcium
- 関
- カルシウムイオン、リン
- calcium channel blockers, calcium channels
基準値
- 血清総Ca 8.6-10.1 mg/dl(臨床検査法提要第32版)
- 8.6-10.2 mg/dL (QB) だいたい 9.4 ± 0.8
- 血清Caイオン 1.15-1.30 mmmol/l(臨床検査法提要第32版), 4.6-5.1 mg/dl
血液ガス
- 血液ガスでは (mEq/l)で出されるが 4倍すれば (mg/dl)に変換できる 原子量が約40ゆえ
溶解度積
リン酸カルシウム
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366x10-6
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(30℃)
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リン酸カルシウム
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0.35x10-6
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(38℃)
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炭酸カルシウム
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0.0087x10-6
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(25℃)
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酒石酸カルシウム
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0.0077x10-6
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(25℃)
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シュウ酸カルシウム
|
0.00257x10-6
|
(25℃)
|
オレイン酸カルシウム
|
0.000291x10-6
|
(25℃)
|
パルチミン酸カルシウム
|
0.000000161x10-6
|
(23℃)
|
カルシウムの吸収(SP.744)
- +健康成人の1日あたりの食物Ca摂取0.6g
- +消化管分泌物と脱落上皮細胞のCa 0.6g
- -吸収されるCa 0.7g
- -そのまま排泄 0.5g
- 正味吸収されるCa 0.1g
カルシウムの吸収部位
カルシウム代謝の調節機構
副甲状腺ホルモン
- 1. 破骨細胞に作用してCa,Pが血中へ。
- 2. 腎の遠位尿細管に作用してCa再吸収の亢進、近位尿細管でのP再吸収の抑制。
- 3. 近位尿細管に作用して酵素を活性化し、1,25水酸化ビタミンD3の産生亢進。
1,25(OH)2D3
- 1. 空腸からのCaとPの吸収。
- 2. 骨形成促進。
- 3. 遠位尿細管でのCaとPの再吸収促進。
- 4. 副甲状腺ホルモンの合成を抑制
尿細管における部位別カルシウム輸送
- 糸球体で濾過されるのはイオン化Caと陰イオン複合型Ca(蛋白結合型Caは濾過されない)
- 濾過されたカルシウムのうち95%が再吸収される。
- 近位尿細管:60-70%
- ヘンレループ:20-25%
- 遠位尿細管、集合管:10-15%
近位尿細管
- Na+依存的に再吸収。受動輸送80%、能動輸送20%
- 基底側のCa2+ ATPase, 3Na+-Ca2+逆輸送系
ヘンレループ
- 太いヘンレループ上行脚で
- 受動輸送:管腔内電位が正であるため
遠位尿細管~集合管
- 糸球体濾過量の10-15%が再吸収されている → 量としては少ないが能動的に吸収が行われる部位。
- 能動輸送:管腔内電位が負であるため。
- PTH、カルシトニンに調節されている
- チアジド系利尿薬により細胞内Na↓となるとCa再吸収↑となる!!!! ← ループ利尿薬と違う点。よって高カルシウム血症が起こることがある。
接合尿細管
- 管腔側:Ca2+チャネル/非選択的カチオンチャネル
- 基底側:Na+-K+ ATPase, 3Na+-Ca2+交換系
尿細管におけるカルシウムの輸送の調節 SP.796
- Ca2+の尿中排泄量はNa+の尿中排泄量と比例。循環血漿量が増加するとCa2+排泄も増加
- Ca2+の尿中排泄量は血漿Ca2+濃度と比例する。
血清カルシウム濃度
- 血液中でCa2+は調節を受けて一定に保たれるが、蛋白と結合しているCaはアルブミンの量によって増減する。
- 血清アルブミン濃度 4 g/dl、血清Ca濃度 9mg/dl。補正Ca濃度 9mg/dl → 正常
- 血清アルブミン濃度 2 g/dl、血清Ca濃度 7mg/dl。 → 大変!!低カルシウム血症!! → ホント? ってことになる。アルブミンの量が減ってAlb-Caが減っただけで生理的に重要なCa2+は保たれているのではないか。 → こんな時に補正Ca濃度を用いるのである
- →補正Ca濃度 9mg/dl → 正常
- つまり、低アルブミン血症ではCa2+は保たれているにもかかわらず、血清Caは低値となりそのままでは評価できないために補正を行う。
- 補正Ca濃度(mg/dl)=Ca実測値(mg/dl)+(4-血清アルブミン濃度(g/dl)) ・・・Payneの式
- アルブミンのpIは7より小さく、アシデミアでは負に帯電しているアルブミンが減少、アルカレミアでは負に帯電しているアルブミンが増加する。すなわち、pHが下がるとアルブミンとくっつなくなったCaが増加するので、血液pH0.1の低下につきfreeイオン化Ca(Ca2+)は0.12mg/dl増加する???????????
循環血液量
血清Ca濃度
- 血清Ca濃度↑→PTH↓
- 生理活性のあるのはイオン化Ca(Ca2+)のみ
- 血清Ca濃度=イオン化Ca(45%) + 蛋白結合型Ca(40%) + 陰イオン複合型Ca(15%)
- イオン化Caは一定に保たれる
pH
- アシドーシス :pHが小さくなると負電荷減少:蛋白のCa結合能↓、イオン化Ca↑
- アルカローシス:pHが大きくなると負電荷増加:蛋白Caの結合能↑、イオン化Ca↓→Ca欠乏(低カルシウム血症)
低蛋白血症
- 低蛋白血症の際、蛋白結合型Caは減少するが、イオン化Ca一定。
尿中カルシウム
血中カルシウムと尿中カルシウム
- 薬剤などの影響がなければ、血中カルシウムと尿中カルシウムは相関がありそうである → 副甲状腺ホルモン
血清カルシウムと心電図
元素
- 金属元素。周期表第2族アルカリ土類金属元素
- 原子番号:20
- 元素記号:Ca
- 原子量 40.078 g/mol
臨床関連
参考
- http://www.orth.or.jp/osteoporose/caseizai.html
[★]
- 英
- parathyroid hormone, PTH
- 同
- 上皮小体ホルモン, パラソルモン parathormone
- 関
- 上皮小体、カルシトニン
- 副甲状腺、甲状腺
- カルシウム
- 「血中カルシウムイオンの低下」により分泌され、「血中カルシウムイオン濃度を上げる」ホルモン
分類
性状
産生組織
標的組織
作用
2007年度後期生理学授業プリント
-
- リン酸の再吸収↓ ← ビタミンDはリン酸の再吸収↑
- HCO3-排出↑ → 原発性副甲状腺機能亢進症では代謝性アシドーシスを起こす
- 活性ビタミンD3産生↑ (副甲状腺に対してネガティブフィードバックをかける)
-
- カルシウム再吸収↑
- 活性ビタミンD3存在下で、腸管からのカルシウム取り込み↑
YN.D46
- 1. 遠位尿細管でのCa2+再吸収↑→血中Ca↑
- 2. 近位尿細管でのP再吸収↓→血中P↓
- 3. 近位尿細管でのHCO3-再吸収↓→排泄↑→高Cl性代謝性アシドーシス
- 4. 近位尿細管で1α水酸化酵素活性化→1,25-(OH)2-D産生↑→腸管でのCaとPの吸収↑
- 5. 骨芽細胞に作用は破骨細胞の形成・機能↑→Ca2+遊離→血中Ca2+, P, H+↑
骨の形成と吸収 YN.D46
分泌の調節 (2007年度後期生理学授業プリント)
- 血中カルシウムイオン濃度↓→PTH分泌↑
- 血中カルシウムイオン濃度↑→PTH分泌↓
分泌調節のポイント:カルシトニン ←Ca2+ + protein binding Ca 。 副甲状腺ホルモン ←Ca2+
分子機構
臨床関連
臨床関連
[★]
- 英
- chronic renal failure, CRF
- 関
- 腎不全、急性腎不全
概念
- 数ヶ月から数十年に及ぶ緩徐な経過で腎機能障害が進行し、末期腎不全に至る不可逆的疾患。
- 濾過される原尿の量が減少するので、血液中の不要物を排泄したり、電解質・水分の調節能が低下する。
定義 (日本人腎臓学会 CKD診断ガイド)
- 1.-2.のいずれか、または両方が3ヶ月以上持続する。
- 1. 尿異常、画像診断、血液、病理で腎障害の存在が明らか。特に尿蛋白が存在
- 2. GFR < 60 ml/min/1.73m3
病態
- カリウム↑:GFR低下によりカリウム分泌が不十分となる。
- リン↑:近位尿細管での排泄障害(YN.E-25)?、酸分泌障害?
- カルシウム↓:尿細管機能低下???により、PTHの作用を受けて遠位尿細管で再吸収されるべきカルシウムが排泄される。
- 細胞性免疫能の低下 → 結核のリスク(FSRFでは正常人比10倍)
- 出血傾向 → 尿毒症により凝固系機能低下
- 低カルシウム血症:
- 尿細管での再吸収不全、1,25-dihydroxy-vitamin D3不足により腸管からのCa吸収低下、無機リン増加によりカルシウムの減少([Ca][P]積が一定になるように保たれているらしい)、骨のPTHに対する感受性低下???(なぜ?)
慢性腎不全におけるカルシウムリン代謝
- PRE.355
- 上記の病態と矛盾する点があり。
症状
- 脳 :不眠、意識障害、麻痺
- 眼 :眼底出血、視力低下
- 口 :アンモニア臭
- 心臓:心膜炎、心筋症、心タンポナーデ
- 肺 :呼吸困難、咳、血痰
- 胃腸:嘔気、食欲低下、潰瘍
- 腎臓:
尿量減少? 尿濃縮能障害、等張尿(多尿、夜間尿)
- 血管:高血圧、動脈硬化
- 血液:貧血、高カリウム血症
- 末梢神経:感覚異常
- 皮膚:掻痒感
- 骨:腎性骨異形成症
検査
血液検査
治療
- 炭酸カルシウム製剤などのリン吸着薬。消化管の中で不溶性の塩を形成
国試
[★]
- 英
- hypomagnesemia
- 関
- マグネシウム、高マグネシウム血症、電解質異常
定義
- 血清中のマグネシウム値低下による症状。
- 正常範囲以下(1.5mg/dl以下)となった病態 正常範囲は 1.5-2.3 mg/dl
病因
- 食事摂取量不足
- 消化管(腸管)からの吸収障害:飢餓状態、嘔吐、長期の胃腸液吸引、吸収不良症候群*、急性膵炎*、肝硬変
- 腎からの排泄増加
病態生理
症状
- 神経筋機能の異常:テタニー、振戦、てんかん発作、筋脱力、運動失行、眼振、めまい、感情鈍麻、うつ、易刺激性、譫妄(delirium)、精神症状 (HIM.2373)
- 心血管系:不整脈(洞性頻脈、上室性頻拍、心室性不整脈)、PR/QT延長、T波平坦化/陰性T波、ST straightening (HIM.2373)
- 電解質:低カルシウム血症、低カリウム血症 ← 個別に治療しても無駄。マグネシウムを補正する必要がある。1,25(OH)2Dの産生を阻害、細胞にPTHへの耐性をもたせ、さらに<1mg/dLではPTHの分泌を阻害する。 (HIM.2373) また、低マグネシウム血症では尿細管でのカリウム再吸収が低下するらしい。
- その他:ジギタリス毒性上昇(MgはATPaseの補酵素だからね)
低マグネシウム血症と高マグネシウム血症の比較
検査
心電図
- HIM.2373
合併症
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- 英
- PTH method phenylthiohydantoin method
- 関
- エドマン分解
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副甲状腺ホルモン関連ペプチド PTHrP
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異所性上皮小体ホルモン産生腫瘍
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副甲状腺ホルモン関連ペプチド
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