- 英
- eosinophil (Z), eosinophile
- 関
- 顆粒球、白血球、好塩基球
組織学
- 酸性色素(エオシン)で染まる顆粒(好酸性顆粒)を持つ → ギムザ染色で赤っぽい顆粒がみえる (HIS.190 図10-3)
- 塩基性の成分が含まれている?
- 二分葉の核 (HIS.197)
- 直径は10-14μm (HIS.197)
- 末梢血
顆粒
-
- 特殊顆粒:主要塩基性タンパク質、好酸性陽イオンタンパク、好酸球由来神経毒素
機能 (HIS.198)
- ヒスタミン、ロイコトリエン、好酸球走化因子と結合して、これに向かって遊走する。
- 抗原抗体複合体の取り込み、およびファゴサイト内での分解
基準値
好酸球数の変化
- 寄生虫感染症、アレルギー疾患(特に、I型アレルギー)
- 喘息、ある種の腫瘍
サイトカイン
- IL-5の受容→好酸球の前駆細胞増殖、前駆細胞から好酸球への分化促進 (HIS.197)
臨床関連
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/05/25 00:03:16」(JST)
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好酸球(こうさんきゅう、Eosinophil granulocyte)は、白血球の一種である顆粒球の1つである。正常な末梢血でみられるのは成熟型で、普通染色標本でみると、エオジン親和性の橙黄色に染まる均質・粗大な顆粒(好酸性顆粒)が細胞質に充満し、核は通常2分葉で細いクロマチン糸でつながれ細胞周縁に偏在し、細胞の大きさは好中球に比べてやや大きく、直径10~15μm。肥満細胞から出されるIL-5によって活性化する。
好酸球数は白血球の0.5~13%を占める。
機能
アレルギー反応の制御を行なう。I型アレルギーで増加し、ヒスタミンを不活性化する。弱い貪食能力を持つ。
I型アレルギー、寄生虫の感染などで増殖する。
好酸球に含まれる顆粒
1. 晶質体 (crystalloid body)を含む顆粒。結晶状の構造が電子顕微鏡で観察される。この顆粒は主に以下の4つのタンパク質を含んでいる。
- major basic protein (MBP)
- eosinophil cationic protein (ECP)
- eosinophil peroxidase (EPO)
- eosinophil-derived neurotoxin (EDN)
この中で、MBP, ECP , EPOは 原生動物と蠕虫類に対して細胞毒性を持っており、こうした生物の神経系を働かなくする。
また、histaminaseはヒスタミンの働きを中和し、arylsulfataseは好塩基球から分泌されたロイコトリエンを中和する。
2. アズール体 lysozymeを含み、取り込まれた異物を分解する。
好酸球が関係する病気
- 鼻茸
- 好酸球増多症候群
- 好酸球性筋膜炎
- Wells症候群(好酸球性蜂窩織炎)
- 慢性好酸球性白血病/特発性好酸球増加症候群
- 好酸球性肺炎
- 木村病
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Japanese Journal
- 松元 幸一郎,中西 洋一,Matsumoto Koichiro,Nakanishi Yoichi,マツモト コウイチロウ,ナカニシ ヨウイチ
- 福岡医学雑誌 102(8), 243-253, 2011-08-25
- … 気管支喘息,特にアトピー性喘息は吸入抗原に対するTh2 タイプのアレルギー性炎症反応を本態とし,抗原提示細胞を介したT 細胞の活性化がB細胞からの抗原特異的IgE の産生,肥満細胞や好酸球の活性化に繋がる.これら多種類の免疫担当細胞・炎症細胞によって構成される慢性の気道炎症は気道過敏性と連動することで可逆性の気道狭窄(喘息発作)をもたらす.抗原特異的Th2細胞の成立・活性化とその制御において …
- NAID 120003294955
- トピックス2 Episodic angioedema with eosinophilia(IX.好酸球増多を主徴とする疾患,専門医のためのアレルギー学講座)
- 4.好酸球性副鼻腔炎と好酸球性中耳炎(IX.好酸球増多を主徴とする疾患,専門医のためのアレルギー学講座)
- 抗IgEモノクローナル抗体 (オマリズマブ) が奏功した好酸球性中耳炎・副鼻腔炎例
- 大島 英敏,川瀬 哲明,小林 俊光
- 耳鼻咽喉科臨床 104(5), 319-323, 2011-05-01
- Omalizumab, a monoclonal antibody to human IgE, is used to treat severe asthma and is reportedly effective in other allergic diseases. We report a case of eosinophilic otitis media and sinusitis impro …
- NAID 10027972553
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- 2010年6月11日 ... この好酸球が上昇します。 しかし、そもそも好酸球とはどういう性質のもので、 ... つまり 、好酸球はマクロファージという大型細胞のように、 外敵を直接攻撃する働き ... 好酸球 が沢山集まっていることが多いのですが、 それが何故であるのかは ...
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[★]
- 次の文を読み、50~52の問いに答えよ。
- 43歳の男性。発熱を主訴に来院した。
- 現病歴:半年前から全身倦怠感を自覚していた。1か月前から37℃前半の微熱と乾性咳嗽とが出現した。2週前に自宅近くの診療所を受診し総合感冒薬を処方されたが改善しなかった。そのころから体温は38℃を超えるようになり、1週前から階段昇降時に呼吸困難を自覚するようになった。精査のため診療所から紹介されて受診した。
- 既往歴:22歳時にB型急性肝炎。35歳時に帯状疱疹。
- 生活歴:会社員。独身。一人暮らし。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:父親がうつ病で通院治療中。
- 現症:意識は清明。身長173cm、体重58kg(半年前は68kg)。体温 38.6℃。脈拍 96/分、整。血圧 104/58mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 94%(room air)。前額と鼻唇溝とに黄白色の鱗屑を伴う紅斑を認める。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。口腔内に多発する白苔を認める。頸静脈の怒張を認めない。径1~2cmのリンパ節を右頸部に7個、左頸部に5個触知する。心音に異常を認めない。両側の胸部にfine cracklesを聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腸雑音は正常である。下腿に浮腫を認めない。
- 検査所見:血液所見:赤血球 454万、Hb 15.1g/dL、Ht 42%、白血球 3,100、血小板 12万。血液生化学所見:総ビリルビン 0.9mg/dL、クレアチニン 1.0mg/dL。免疫血清学所見:CRP 0.6mg/dL、β-D-グルカン 486pg/mL(基準 10以下)。動脈血ガス分析(room air):pH 7.47、PaCO2 34Torr、PaO2 76Torr、HCO3- 24mEq/L。胸部エックス線写真(別冊No. 6A)と胸部CT(別冊No. 6B)とを別に示す。
- この患者の白血球分画で割合が減少しているのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109B049]←[国試_109]→[109B051]
[★]
- 33歳の女性。高熱と多関節痛を主訴に来院した。4週前から両膝関節痛、3週前から発熱と咽頭痛が出現した。自宅近くの診療所を受診し経口抗菌薬を処方されたが改善しなかった。週に3日は39℃を超える発熱があり、発熱時には四肢内側や体幹皮膚に淡い約5mmの小紅斑が出現したという。身長 154cm、体重 50kg。体温 39.6℃。脈拍 100/分、整。血圧 104/64mmHg。咽頭に発赤を認める。両側の頸部に約1cmのリンパ節を複数触知する。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。両手関節に腫脹と圧痛を認める。赤沈 140mm/1時間。血液所見:赤血球 268万、Hb 8.6g/dL、Ht 24%、白血球 3,200(桿状核好中球 36%、分葉核好中球 51%、好酸球 1%、好塩基球 0%、単球 4%、リンパ球 8%)、血小板 5.7万。血液生化学所見:総蛋白 7.8g/dL、アルブミン 2.6g/dL、AST 70U/L、ALT 102U/L、LD 460U/L(基準 120~245)、CK 50U/L(基準 30~140)、尿素窒素 17mg/dL、クレアチニン 0.5mg/dL、フェリチン 5,800ng/mL(基準 20~120)。免疫血清学所見:CRP 10mg/dL、可溶性IL-2受容体 1,240U/mL(基準 157~474)、抗CCP抗体 陰性、抗核抗体 陰性。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本(別冊No. 9)を別に示す。
- この患者の現在の病態に最も関与している免疫細胞はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114F042]←[国試_114]→[114F044]
[★]
- 60歳の男性。腎機能の低下について他科からのコンサルテーションを受けた。5年前から年に数回胸痛を訴えており、最近頻度が増加したので、1週前に精査のため入院した。6日前に心臓カテーテル検査で1枝病変が確認された。3日前から血清クレアチニンの上昇が認められ、徐々に悪化している。昨日から第2趾先端部に疼痛を伴う紫色の変色が認められた。30歳から高血圧で降圧薬の投与を受けている。40歳から糖尿病で経口糖尿病薬の投与を受けている。喫煙は30本/日を30年間。飲酒はビール大瓶2本/日を25年間。意識は清明。身長170cm、体重95kg。体温37.2℃。脈拍72/分、整。血圧 160/90mmHg。尿所見:蛋白1+、糖1+、潜血3+。血液所見:赤血球420万、Hb 14g/dl、Ht 42%、白血球 7,000、血小板 14万。血液生化学所見:血糖 180mg/dl、HbA1C 7.5%、総蛋白 7.0g/dl、アルブミン 4.5g/dl、尿素窒素 70mg/dl、クレアチニン5.2mg/dl、尿酸 8.0mg/dl、総コレステロール 310mg/dl、トリグリセリド 220mg/dl、総ビリルビン 1.0mg/dl、直接ビリルビン 0.5mg/dl、AST 32IU/l、ALT 25IU/l、LD <LDH> 480IU/l(基準176~353)、ALP 250IU/l(基準115~359)、Na 141mEq/l、K 5.2mEq/l、Cl 102mEq/l、Ca 9.0mg/dl、P 5.1mg/dl。CRP 1.2mg/dl。
[正答]
※国試ナビ4※ [103A049]←[国試_103]→[103A051]
[★]
- 58歳の女性。頭重感を主訴に来院した。 10年前から時々洗顔時に鼻出血をきたすことがあったが、そのままにしていた。 3か月前からふらつきを自覚するようになった。 1週前から頭重感を自覚し、次第に増悪してきたため受診した。 32歳時に喀血したことがある。父と弟も、若年のころから鼻出血を繰り返していたという。
- 意識は清明。身長156cm、体重55kg。体温36.6℃。脈拍92/分、整。血圧108/80mmHg。呼吸数14/分。 SpO2 92 %(roomair)。眼瞼結膜に貧血を認めない。舌尖に小出血斑の点在を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。
- 神経学的所見に異常を認めない。血液所見:赤血球498万、 Hb14.9g/dl、 Ht42%、白血球5,200(桿状核好中球10%、分葉核好中球42%、好酸球2%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球39%)、血小板22万、 PT115%(基準80-120)。 CRP0.2mg/dl。動脈血ガス分析(自発呼吸、 room air) : pH7.42、 PaCO2 32Torr、 PaO2 62Torr、HCO3" 20mEq/l。心電図に異常を認めない。胸部エックス線写真で両側肺野に異常陰影を認める。胸部単純CT(別冊No. 10)を別に示す。
- この疾患の主な病態として正しいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106A031]←[国試_106]→[106A033]
[★]
- 78歳の男性。労作時呼吸困難を主訴に来院した。6年前から坂道や階段を昇る際に息切れを自覚していた。1か月前に感冒様症状があり、その後、呼吸困難が増強するため受診した。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。喫煙は60歳まで50本/日を35年間。意識は清明。身長 162cm、体重 63kg。体温 36.2℃。脈拍 92/分、整。血圧 132/66mmHg。呼吸数 28/分。SpO2 91%(room air)。呼吸音は背部にfine cracklesを聴取する。ばち指を認める。血液所見:赤血球 499万、Hb 16.2g/dL、Ht 47%、白血球 8,900(桿状核好中球 4%、分葉核好中球 78%、好酸球 1%、好塩基球 0%、単球 2%、リンパ球 15%)、血小板 17万。血液生化学所見:LD 380IU/L(基準 176~353)、尿素窒素 22mg/dL、クレアチニン 0.9mg/dL、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP) 37pg/mL(基準 18.4以下)、KL-6 1,460U/mL(基準 500未満)。CRP 1.2mg/dL。胸部エックス線写真(別冊No. 10A)と胸部CT(別冊No. 10B)とを別に示す。
- 検査結果として最も予想されるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109A028]←[国試_109]→[109A030]
[★]
- 68歳の女性。体重減少と全身倦怠感を主訴に来院した。4年前から、農作業のあとに顔や手足などの日焼けが周囲の人より目立つことに気付いていた。昨年から食欲が低下し、体重減少と全身倦怠感を自覚し、改善しないため受診した。50歳以降、健診にて胸膜肥厚と肺野の石灰化病変を指摘されている。身長 164cm、体重 49kg。体温 35.7℃。脈拍 64/分、整。血圧 98/54mmHg。顔面と四肢、関節伸側、口腔内に色素沈着を認める。血液所見:赤血球 350万、Hb 10.8g/dL、Ht 32%、白血球 4,200。血液生化学所見:尿素窒素 17mg/dL、クレアチニン 0.7mg/dL、血糖 70mg/dL、Na 127mEq/L、K 5.3mEq/L、Cl 94mEq/L。結核菌特異的全血インターフェロンγ遊離測定法(IGRA) 陽性。
- この患者で予想される所見はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113D034]←[国試_113]→[113D036]
[★]
- 43歳の男性。健診で白血球増多を指摘され来院した。自覚症状は特にない。体温 36.5℃。脈拍 84/分、整。血圧 136/76mmHg。表在リンパ節を触知しない。左肋骨弓下に脾を3cm触知する。血液所見:赤血球 430万、Hb 12.8g/dL、Ht 42%、白血球 35,000(骨髄芽球 2%、前骨髄球 2%、骨髄球 5%、後骨髄球 7%、桿状核好中球 4%、分葉核好中球 60%、好酸球 8%、好塩基球 7%、リンパ球 5%)、血小板 35万。血清ビタミンB12 8,600pg/mL(基準 250~950)。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本(別冊No. 18A)、骨髄細胞染色体分析(別冊No. 18B)及び末梢血好中球bcr/abl遺伝子のFISH解析(別冊No. 18C)を別に示す。
- 治療薬はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113D047]←[国試_113]→[113D049]
[★]
- 次の文を読み、37、38の問いに答えよ。
- 57歳の男性。発作性の喘鳴を主訴に来院した。
- 現病歴 : 1週前から微熱、咳、痰および発作性の喘鳴が出現し、市販の感冒薬を服用したが改善せず、呼吸困難が増強した。
- 既往歴 : 2年前から降圧薬を服用している。喫煙歴はない。
- 現症 : 意識は清明。体温37.0℃。脈拍92/分、整。心音と呼吸音とに異常を認めない。
- 検査所見 : 血液所見:赤血球441万、Hb 15.0g/dl、Ht 45%、白血球 10,200、血小板 18万。血液生化学所見に異常を認めない。免疫学所見:CRP 1.2mg/dl。ツベルクリン反応陽性。胸部エックス線写真と喀痰のMay-
- Giemsa染色標本とを以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [103H036]←[国試_103]→[103H038]
[★]
- 35歳の女性。発熱と関節痛とのため来院した。2週前から38℃以上の間欠熱が出現している。意識は清明。身長152cm、体重41㎏。体温38.1℃。脈拍84/分、整。血圧102/70mmHg。眼瞼結膜に貧血はなく、眼球結膜に黄疸はない。頚部リンパ節腫脹を認める。心雑音はない。胸部でラ音を聴取しない。肝を右肋骨弓下に2cm触知する。四肢に淡紅色の丘疹を認める。両肘、右手および両足関節に腫脹と圧痛とを認める。尿所見:蛋白(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球418万、Hb11.2g/dl、白血球13,300、血小板33万。血清生化学所見:総蛋白6.7g/dl、アルブミン3.7mg/dl、AST95単位、ALT245単位、LDH645単位(基準176~353)、CRP10.4mg/dl。胸部エックス線写真に異常を認めない。
- この疾患でみとめられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099G052]←[国試_099]→[099G054]
[★]
- 70歳の男性。定期健康診断で検査値の異常を指摘されたため来院した。 1年前に脳梗塞の既往がある。心音と呼吸音とに異常を認めない。肝・脾を触知しない。
- 血液所見:赤血球468万、 Hb13.9g/dl、 Ht42%、白血球12,300(桿状核好中球30%、分葉核好中球45%、好酸球1%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球17%)、血小板250万。骨髄検査では線維化を認めず、染色体は正常核型である。末梢血塗抹may-giemsa染色標本(別冊No. 5A)と骨髄生検のH-E染色標本(別冊No. 5B)とを別に示す。
- 診断として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106A026]←[国試_106]→[106A028]
[★]
- 28歳の男性。息切れと空咳とを主訴に来院した。3か月前から体重減少と倦怠感とが出現し、1週前から息切れと空咳とを自覚している。身長172cm、体重54kg。体温37.6℃。呼吸数20/分。脈拍92/分、整。血圧96/62mmHg。口腔内に多発する白苔を認める。血液生化学所見:総蛋白 6.0g/dl、アルブミン 3.2g/dl、LD 384IU/l(基準176-353)、免疫学所見:CRP 12.4mg/dl、β-D-グルカン 118pg/ml(基準10以下)、HTLV-1抗体陰性。胸部エックス線写真で両側肺野に淡いすりガラス陰影を認める。
- この患者の白血球分画で著明に減少している可能性が高いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105G042]←[国試_105]→[105G044]
[★]
- 22歳の女性。発熱と顔面の紅斑とを主訴に来院した。昨年の冬に両手にRaynaud現象が出現し、時々関節痛があった。1週前、友人と海に行き日焼けをした後の皮膚に水疱を伴う皮疹が出現した。意識は清明。体温38.6℃。脈拍92/分、整。血圧110/60mmHg。顔面に蝶形紅斑を認める。頸部リンパ節腫脹を認める。胸部に異常はない。手と手指との関節に腫脹と圧痛とを認める。血液所見:赤沈48mm/1時間、赤血球306万、Hb10.2g/dl、白血球2,600。血清生化学所見:AST25単位、ALT30単位。CRP2.0mg/dl。
- この疾患でみられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100A035]←[国試_100]→[100A037]
[★]
- 6歳の男児。かゆみを伴う皮疹のため来院した。皮疹は数か月前から頚部と四肢屈曲部とに繰り返し出現している。母親にアレルギー性鼻炎がある。体温36.5℃。血圧102/60mmHg。胸部は打聴診で異常を認めない。頚部と両側の肘屈側とに落屑を伴う皮疹を認める。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球420万、Hb14.3g/dl、白血球7,300、血小板18万。血清生化学所見:総蛋白7.6g/dl、AST28単位(基準40以下)、ALT30単位(基準35以下)。
- この疾患でみられる検査所見はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [098A051]←[国試_098]→[098A053]
[★]
- 25歳の男性。水様性鼻汁と眼の痒みとを主訴に来院した。2月中旬から水様性鼻汁、くしゃみ及び眼の痒みが出現するようになり、3月上旬から症状が増悪したため受診した。3年前から同様の症状を2月中旬から4月にかけて認めていた。症状は外出時に増悪する。体温 36.5℃。眼球結膜の充血を認める。咽頭に発赤を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。
- この患者の病態として正しいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110E047]←[国試_110]→[110E049]
[★]
- 48歳の女性。主婦。咳と息切れとを主訴に8月中旬に来院した。3週前から乾性の咳と階段を上る際の息切れとが出現した。近医で抗菌薬の投与を受けたが改善せず、さらに症状は悪化している。喫煙歴はない。白血球 5,200(好中球52%、好酸球 3%、好塩基球 1%、単球6%、リンパ球 38%)。IgG 2,300mg/dl(基準960~1,960)。ツベルクリン反応陰性。
- この検査所見に直接関与する細胞はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [103E044]←[国試_103]→[103E046]
[★]
- 42歳の男性。くしゃみ、鼻汁および流涙を主訴に来院した。5年前から春になると同症状を繰り返している。眼球結膜に軽度の発赤がみられる。前鼻鏡検査では両側下鼻甲介の腫脹が高度で、鼻汁が充満している。咽頭と扁桃とに異常はない。血液所見:赤血球450万、Hb14.0g/dl、白血球5,600。RASTで花粉に対するlgE抗体が高値である。鼻汁中に特徴的に増加するのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [097D052]←[国試_097]→[097D054]
[★]
- 50歳の男性。感冒様症状を主訴に来院した。1週前から咳、痰および37℃台の発熱が出現し、市販の感冒薬を内服したが改善しなかった。喫煙歴は60本/日を20年間。意識は清明。身長168cm、体重55kg。体温37.6℃。脈拍84/分、整。血圧128/72mmHg。顔面と四肢とは紅潮している。心音と呼吸音とに異常を認めない。
- 血球検査で増加が予想されるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [103G046]←[国試_103]→[103G048]
[★]
- 各種Tリンパ球(T細胞)とその働きの組合せで正しいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113F017]←[国試_113]→[113F019]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105G037]←[国試_105]→[105G039]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [099D040]←[国試_099]→[099D042]
[★]
- ☆case33 頭痛と混乱
- ■glossary
- accompany
- vt.
- (人)と同行する、(人)に随行する。(もの)に付随する。~と同時に起こる。~に加える(添える、同封する)(with)
- slurred n. 不明瞭
- 強直間代痙攣 tonic-clonic convulsion
- 意識消失とともに全身の随意筋に強直痙攣が生じ(強直痙攣期tonic convulsion)、次いで全身の筋の強直と弛緩とが律動的に繰り返される時期(間代痙攣期clonic convulsion)を経て、発作後もうろう状態を呈する一連の発作。
- ■症例
- 28歳、女性 黒人 南アフリカ 手術室看護師 ロンドン住在
- 主訴:頭痛と混乱
- 現病歴:過去3週間で頭痛が続いており、ひどくなってきた。現在も頭痛が持続しており、頭全体が痛い。友人曰く「過去六ヶ月で体重が10kg減っていて、最近、混乱してきたようだ」。発話は不明瞭。救急室にいる間に強直間代痙攣を起こした。
- ・診察 examination
- やせている。55kg。38.5℃。口腔カンジダ症(oral candidiasis)。リンパ節腫脹無し。心血管、呼吸器系、消化器系正常。痙攣前における神経検査では時間、場所、人の見当識無し。神経局所症状無し(no focal neurological sign)。眼底両側に乳頭浮腫有り。
- ・検査 investigation
- 血算:白血球増多
- 血液生化学:ナトリウム低下
- CT:供覧
- ■キーワード&着目するポイント
- ・口腔カンジダ症(oral candidiasis)
- ・頭痛、精神症状、強直間代痙攣
- ・眼底両側に乳頭浮腫
- ・CT所見
- ・低ナトリウム血症は二次的なもの
- ■アプローチ
- ・口腔カンジダ症(oral candidiasis) → 細胞免疫低下状態(DM、免疫抑制、AIDSなど) or 常在細菌叢の攪乱(長期の抗菌薬の使用)
- ・The occurrence of thrush in a young, otherwise healthy-appearing person should prompt an investigation for underlying HIV infection.(HIM.1254)
- ・More commonly, thrush is seen as a nonspecific manifestation of severe debilitating illness.(HIM.1254)
- ・精神症状、強直間代痙攣 → 一次的、あるいは二次的な脳の疾患がありそう
- ・頭痛 → 漠然としていて絞れないが、他の症状からして機能性頭痛ではなく症候性頭痛っぽい。
- ・眼底両側に乳頭浮腫 → 脳圧亢進の徴候 → 原因は・・・脳腫瘍、ことにテント下腫瘍と側頭葉の腫瘍、クモ膜下出血、脳水腫など、そのほか、眼窩内病変、低眼圧などの局所的要因、悪性高血圧、血液疾患、大量出血、肺気腫などの全身的要因 (vindicate本のp342も参考になる)
- ・頭痛と脳圧亢進 → 頭蓋内圧占拠性病変、脳炎(IMD.274)
- ・CT所見 → ringformの病変、脳浮腫、脳圧亢進
- ・低ナトリウム血症 → 脳ヘルニアに続発して起こることがあるらしい。実際には下垂体にトキソプラズマによる病変が形成されることにより起こりうる。
- ・そのほか出身地、体重減少もHIVを疑わせる点
- パターン認識でHIV + 精神症状 + てんかん発作(強直間代痙攣) + 脳圧亢進 + CT所見 = 一番ありそうなのはToxoplasma gondiiによるトキソプラズマ脳症 cerebral toxoplasosis (トキソプラズマ脳炎 toxoplasmic encephalitis)
- ■Toxoplasma gondii
- 原虫 胞子原虫類
- (感染予防学 080521のプリント、CASES p,92、HIM p.1305-)
- ・疫学:西洋では30-80%の成人がトキソプラズマの感染の既往がある・・・うぇ(CASES)。日本では10%前後(Wikipedia)。
- ・生活環
- ・終宿主:ネコ:ネコの小腸上皮細胞で有性・無性生殖 糞便にオーシストの排泄
- ・中間宿主:ヒト.ブタを含むほ乳類と鳥類:無性生殖で増殖、シストの形成
- 急性期の増殖盛んな急増虫体tachyzoiteとシスト内の緩増虫体bradyzoite
- ・病原、病因 phathogenesis
- ・緩増虫体(bradyzoite)、接合子嚢(oocyst)
- ・感染経路
- 1. オーシストの経口摂取
- 2. 中間宿主の生肉中のシストの経口摂取
- 3. 初感染妊婦からの経胎盤感染。既感染なら胎盤感染しないらしい(HIM.1306)
- (4)移植臓器、輸血。確率は低い(at low rate)(HIM.1306)
- ・病態
- 1. 先天性トキソプラズマ症 congenital toxoplasmosis
- ①網脈絡膜炎、 ②水頭症、 ③脳内石灰化、 ④精神・運動障害
- 2. 後天性トキソプラズマ症 acquired toxoplasmosis
- (1) 健常者
- ・多くは不顕性感染。発熱、リンパ節腫脹、皮疹(rash)
- ・(少数例)筋肉痛、暈疼痛、腹痛、斑状丘疹状皮疹(maculopapular rash)、脳脊髄炎、混乱(HIM.1308)
- ・(まれ)肺炎、心筋炎、脳症、心膜炎、多発筋炎
- ・網膜、脈絡叢に瘢痕や、脳に小さい炎症性の病変を残すことあり(CASES)。
- ・急性感染の症状は数週間で消失 筋肉や中枢神経系に緩増虫体が残存
- (2)HIV感染者、臓器移植例、がん化学療法例
- シスト内緩増虫体→急増虫体→播種性の多臓器感染
- AIDSでは、トキソプラズマ性脳炎が指標疾患 AIDS-defineing illness(CASES)
- ・治療
- (日本)アセチルスピラマイシン、ファンシダール(感染予防学 080521)
- ■トキソプラズマ脳炎 toxoplasmic encephalitis、トキソプラズマ脳症 cerebral toxoplasosis
- ・症状
- 発熱、頭痛、混乱m、痙攣、認知の障害、局所神経徴候(不全片麻痺、歯垢、脳神経損傷、視野欠損、感覚喪失)(CASES)
- ・画像検査
- (CT,MRI)多発性、両側性、ring-enhancing lesion、特に灰白質-白質境界、大脳基底核、脳幹、小脳が冒されやすい(CASES)
- ・鑑別診断(臨床症状・画像診断の所見で)
- リンパ腫、結核、転移性脳腫瘍(CASES)
- ・病歴と画像所見からの鑑別診断
- リンパ腫、結核、転移性腫瘍
- ?
- このCTがcerebral toxoplasmosisに特徴的かは不明
- □最後に残る疑問
- AIDSでWBC(leukocyte)の数はどうなるんだろう???AIDSの初診患者ではWBCが低い人が多いらしいし()、HIVはCD4+ T cellとmacrophageに感染して殺すから、これによってB cellは減るだろうし、CD8+ T cellも若干減少するだろうからWBCは減るんじゃないか?!好中球はAIDSとは関係ない?好中球は他の感染症に反応性に増加している?ちなみに、好酸球は寄生虫(原虫)の感染のために増える傾向にあるらしい(HIMのどこか)。
- スルファジアジン
- sulfadiazine
- ピリメタミン
- pyrimethamine
- 葉酸拮抗剤である。
- サルファ剤と併用され、抗トキソプラズマ薬、抗ニューモシチス・カリニ薬として相乗的に働く。
- ST合剤
- SMX-TMP
- スルファメトキサゾール・トリメトプリム合剤 sulfamethoxazole and trimethoprim mixture
- □AIDSの定義(http://en.wikipedia.org/wiki/CDC_Classification_System_for_HIV_Infection_in_Adults_and_Adolescents)
- A CD4+ T-cell count below 200 cells/μl (or a CD4+ T-cell percentage of total lymphocytes of less than 14%).
- or he/she has one of the following defining illnesses:
-
- 01. Candidiasis of bronchi, trachea, or lungs
- 02. Candidiasis esophageal
- 03. Cervical cancer (invasive)
- 04. Coccidioidomycosis, disseminated or extrapulmonary
- 05. Cryptococcosis, extrapulmonary
- 06. Cryptosporidiosis, chronic intestinal for longer than 1 month
- 07. Cytomegalovirus disease (other than liver, spleen or lymph nodes)
- 08. Encephalopathy (HIV-related)
- 09. Herpes simplex: chronic ulcer(s) (for more than 1 month); or bronchitis, pneumonitis, or esophagitis
- 10. Histoplasmosis, disseminated or extrapulmonary
- 11. Isosporiasis, chronic intestinal (for more than 1 month)
- 12. Kaposi's sarcoma
- 13. Lymphoma Burkitt's, immunoblastic or primary brain
- 14. Mycobacterium avium complex
- 15. Mycobacterium, other species, disseminated or extrapulmonary
- 16. Pneumocystis carinii pneumonia
- 17. Pneumonia (recurrent)
- 18. Progressive multifocal leukoencephalopathy
- 19. Salmonella septicemia (recurrent)
- 20. Toxoplasmosis of the brain
- 21. Tuberculosis
- 22. Wasting syndrome due to HIV
- People who are not infected with HIV may also develop these conditions; this does not mean they have AIDS. However, when an individual presents laboratory evidence against HIV infection, a diagnosis of AIDS is ruled out unless the patient has not:
-
- AND
- □AIDSのステージング
- ■参考文献
- HIM = Harrison's Principles of Internal Medicine 17th Edition
- CASES = 100 Cases in Clinical Medicine Second edition
- IMD = 内科診断学第2版
[★]
- 英
- Cushing syndrome, Cushing's syndrome
- 同
- (国試)Cushing症候群
- 関
- アジソン病、糖質コルチコイド、発症前クッシング症候群
- first aid step1 2006 p.253,259,296
糖質ステロイドの分泌過剰 ⇔ アジソン病
概念
- 糖質コルチコイドの分泌が過剰であるために引き起こされる症候群
- 副腎皮質の腺腫・癌、原発性副腎皮質結節性過形成、異所性ACTH産生腫瘍、下垂体過形成、下垂体腺腫(クッシング病)に分類される。
疫学
- 成人女性に多い(男:女=1:3-4。30-50歳代)
- 平成9年度の全国調査では年間発生数は 100-160例程度
- 副腎皮質腺腫: 47.1%
- 異所性ACTH産生腫瘍:3.6%
病因
鑑別診断
LAB.713改変
IMD.956
病態生理
- 1. 満月様顔貌、中心性肥満、buffalo hump、体重増加
- 線維芽細胞が抑制され、間質組織が脆弱になり、皮膚が菲薄化。また、急激な肥満により皮膚の成長が追いつかず皮膚が引き延ばされるため?
- 3. 浮腫
- 4. 皮膚の菲薄化 、創傷治癒の遅延、皮膚の易感染性
- 線維芽細胞が抑制され、間質組織が脆弱になり、皮膚が菲薄化
- グルココルチコイドのミネラルコルチコイド作用や血管への直接作用
- 肝臓における蛋白の異化亢進→アミノ酸からの糖新生亢進→血糖上昇。末梢組織でのインスリン抵抗性が上昇。
- コルチゾールの過剰による骨形成の抑制・骨吸収の促進・腸管からのCa吸収抑制、尿中Ca排泄促進(尿路結石の原因になることがあるらしい)
- 11. 精神症状
- 12. 成長障害(成長遅延)
- 13. 免疫抑制
症状
- 1. 満月様顔貌、中心性肥満、buffalo hump、体重増加
- 2. 皮膚線条、皮下出血、ざ瘡、多毛、浮腫、皮膚の菲薄化
- 3. 高血圧
- 4. 耐糖能低下、糖尿病
- 5. (近位筋の)筋力低下
- 6. 月経異常(無月経)
- 7. 骨折や骨粗鬆症
- 8. 精神症状:うつ、lethargy
- 9. 成長障害
- 10. 免疫抑制
- 11. 成長遅延
- 12. 多毛、挫創
鑑別に有用な小児におけるクッシング症候群の症状
診断
検査
血液検査
白血球
|
↑
|
白血球増多症
|
好中球
|
↑
|
|
好酸球
|
↓
|
|
リンパ球
|
↓
|
|
Na
|
↑
|
|
K
|
↓
|
3.5mEq/L以下 ← 低カリウム血症
|
血糖
|
高値
|
← 耐糖能異常
|
血漿ACTH
|
高値
|
(Cushing病、異所性ACTH産生腫瘍)、それ以外は低値
|
血清コルチゾール
|
増加
|
日中の変動無し
|
総コレステロール
|
↑
|
高コレステロール血症
|
- 電解質異常:低カリウム血症 → アルカローシス (低カリウム血症により尿細管からのH+が増加(QB.D-357)???)
尿検査
治療
- 下垂体腺腫:腺腫:摘除
- 副腎腺腫・癌:
- 異所性ACTH産生腫瘍:腫瘍摘除
- 手術不能例・俯瞰全摘出例・再発例では放射線療法,薬物療法
択する.
予後
予防
[★]
- cyto=cell kin(e)=small substance
- ex. manikine
- 細胞が分泌する糖タンパク質で、生物活性(増殖・分化・タンパク産生誘導などを)を有するもの
- 英
- cytokine, cytokines
- 関
- サイトカイン受容体、インターロイキン、リンホカイン
生態情報伝達方式
- 傍分泌系、自己分泌系により情報を伝達する。局所ホルモンともいえる(ホルモンは血流を介して他臓器に働く)
産生細胞・機能による分類名
機能
サイトカインのシグナル伝達 JAK/STAT pathway (IMM.245-246)
組み換えサイトカインと臨床利用 first aid step1 2006 p.327
[★]
- 英
- bronchial asthma
- 同
- 喘息 asthma
- 関
- 喘息発作(喘息の急性増悪)
概念
- 気道の慢性炎症、気道過敏性、可逆性の気道閉塞を呈する
疫学
病型
- アトピー型:小児に多く、60-70%は成人になる前に寛解
- 感染型
- 混合型
病態生理
- 遺伝子素因を背景とした気道過敏性が存在し、ある誘因により気道閉塞が起こる。これが喘息症状を引きおこす。
- ここに気管炎症が加わると、気道過敏性亢進、気道閉塞を直接引きおこすほか、気道リモデリングを促してさらに気道過敏性亢進・気道閉塞を亢進させる。
- この病態の中で、気道に起こっている変化は次のようにまとめられる。
- 可逆的変化 :気道上皮細胞の剥離、粘液栓、炎症細胞(好酸球など)の浸潤、粘膜・粘膜下の浮腫、うっ血
- 不可逆的変化:平滑筋の肥厚、気道上皮下の線維性肥厚、気道上皮での杯細胞の過形成、気道粘膜下の血管新生
気流制限をきたす機序
- 気流制限は4つの機序により成立
- (1)気道平滑筋収縮、(2)気管壁の浮腫、(3)気道粘液分泌、(4)気道壁リモデリング
気管炎症
- 好酸球性気道炎症:好酸球、肥満細胞、リンパ球などの炎症細胞がサイトカインと化学伝達物質などを介して炎症を惹起する。
- リンパ球
- 肥満細胞
- 好酸球
- 気道上皮細胞
- 気管支平滑筋
- 気管支分泌腺
気管壁リモデリング
- 慢性の炎症状態 → 永続的な気道壁の肥厚 → 不可逆的な気流制限
- (1) 基底膜下にコラーゲンが沈着 → 気道粘膜の線維化
- (2) 気管支平滑筋の肥厚、過形成
- (3) 粘膜下線過形成
気道過敏性
- 非特異的な刺激により気管支平滑筋が容易に収縮する状態
- ヒスタミン、アセチルコリン、メサコリンの希釈系列を投与してFEV1.0が20%以上低下する閾値を測定して評価
- 気道過敏性と喘息の重症度が相関する。
検査
- 高値であることが多く、その場合には抗原の同定を行う。
- IgEの値と症状には相関関係がない。
症状
身体所見
診断
成人喘息での診断の目安
- 参考1
- 成人喘息の診断基準はない
- 1.発作性の呼吸困難、喘鳴、咳(夜間、早朝に出現する傾向)の反復
- 2.可逆性気流制限:自然に、あるいは治療により寛解する。PEF値の日内変動20%以上、β2刺激薬吸入により1秒量が12%以上増加かつ絶対量で200mL以上増加
- 3.気道過敏性の亢進:アセチルコリン、ヒスタミン、メサコリンに対する気道収縮反応の亢進
- 4.アトピー素因:環境アレルゲンに対するIgE抗体の存在
- 5.気道炎症の存在:喀痰、末梢血中の好酸球数の増加、ECP高値、クレオラ体の証明、呼気中NO濃度上昇
- 6.鑑別診断疾患の除外:症状が他の心肺疾患によらない
治療
-
-
- β2受容体に結合→Gsα活性化→[cAMP]i↑
- 副作用:振戦、動悸
- PDE阻害→[cAMP]i↑。抗炎症作用もあるらしい(T細胞、好酸球に対する作用(SPU.241))
- 安全域(有効安全治療濃度閾)が狭いので、血中濃度モニタリングが必要。5-15μg/ml
- 副作用:悪心、嘔吐、頻脈、不整脈
- M3受容体に拮抗して作用を発現。作用力、即時性ともにβ2作動薬より劣る。(SPU.242)
- β2作動薬と併用するらしい。
- イプラトロピウム
-
- 化学伝達物質遊離抑制薬、ヒスタミンH1機構薬、ロイコトリエン拮抗薬、トロンボキサンA2阻害薬。
薬物療法に用いられる薬剤
長期管理薬 (コントローラー)
|
・ステロイド薬(吸入、経口)
|
・テオフィリン徐放製剤
|
・長時間作用性β2刺激薬(吸入、経口、貼付)
|
・抗アレルギー薬
|
・ロイコトリエン受容体拮抗薬
|
・メディエーター遊離抑制薬
|
・ヒスタミンH1拮抗薬
|
・トロンボキサン阻害薬
|
・Th2サイトカイン阻害薬
|
発作治療薬 (リリーバー)
|
・ステロイド薬(注射・経口)
|
・短時間作用性β2刺激薬(吸入・経口・注射)
|
・アミノフィリン点滴静注
|
・短時間作用性テオフィリン製剤(経口)
|
・抗コリン薬(吸入)
|
ガイドライン
- 1. 一般臨床医のための喘息治療ガイドライン2007
- http://www.jaanet.org/medical/guide.html
国試
[★]
- 英
- leukocyte, leucocyte (Z), white blood cell (Z), WBC, white corpuscle, white cell
- 関
- 赤血球、血球、血液
白血球
基準値
- 4000-9000 (/μl) (2007前期解剖学授業プリント)
- 異常値の出るメカニズム第5版
- 5000- 8400 (/μl) (健常者の2/3)
- 4500-11000 (/μl) (95%範囲)
年齢との関連
生理的な変動
- 精神的ストレス↑ → 交感神経の刺激により好中球の血管壁遊離が促進されるため
- 午前↓、午後↑
基準値
|
07解
|
異メ
|
流マ
|
HIM.A-1
|
顆粒球
|
好中球
|
桿状核球
|
40~70
|
44~66
|
40~60
|
4~14
|
0~5
|
分葉核球
|
43~59
|
40~70
|
好酸球
|
2~4
|
0~ 4
|
2~4
|
0~6
|
好塩基球
|
0~2
|
0~0.5
|
0~2
|
0~2
|
無顆粒球
|
リンパ球
|
25~40
|
30~38
|
26~40
|
20~50
|
単球
|
3~6
|
0~ 5
|
3~6
|
4~8
|
- 07解: 2007前期解剖学授業プリント
- 異メ: 異常値の出るメカニズム第5版 p.91
- 流マ: 流れが分かる実践検査マニュアル上巻 p.10
(margination)
- 1. 赤血球は軽く早く流れるので血管の中央をながれ、白血球は血管のへりを流れている
(rolling)
(adheresion & arrested)
(transmigration)
- 6. 白血球と血管内皮細胞に発現しているPECAM-1(CD31)がお互い接着し、白血球が血管内皮細胞の間隙を通って細胞外マトリックスに入る
白血球の染色
- 好酸性:赤く染まる→ヘモグロビン
- 好塩基性:青く染まる→リボソーム、核内のヒストン蛋白
- 好酸性でも好塩基性でもない:淡いピンクに染まる
- MPOをもつ:顆粒球(前骨髄球~分葉核球)、単球(前単球~単球)
- MPOをもたない:リンパ球系細胞
- 好中球:長鎖エステルを分解
- 単球:短鎖エステルを分解
関節液
- 炎症 感染
- 200 2000 20000
- 500 5000 50000
臨床関連
- 白血球のインテグリンが欠損または減少する先天性疾患
- 反復性の細菌皮膚感染
- SIRSの診断基準:<4,000/ul or >12,000/ul