カンジダ属
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出芽酵母 |
カンジダ・アルビカンス。偽菌糸が左に見える
|
分類 |
界 |
: |
菌界 Fungi |
門 |
: |
子嚢菌門 Ascomycota |
綱 |
: |
半子嚢菌綱 Hemiascomycetes |
目 |
: |
サッカロミケス目 Saccharomycetales |
科 |
: |
サッカロミケス科 Saccharomycetaceae |
属 |
: |
カンジダ Candida Berkh., 1923 |
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種 |
|
カンジダ(カンディダ、Candida)とは、酵母の姿の菌類の属名である。無色の不完全酵母に対してこの名が与えられる。一部はかつてトルロプシス属(Torulopsis)と呼ばれていた。
酵母は単細胞性の菌類の総称であり、分類上の群ではない。いわゆる出芽酵母など、多くのものが子嚢菌類に属するが、担子菌系の酵母も発見されている。これらの判断はその酵母の有性生殖の姿(テレオモルフ)を観察しなければわからない。しかし、それが発見されないものもある。そのような場合、菌類の分類においてはそれをアナモルフ菌(不完全菌)と位置づけ、それに学名を与えることが認められている。そこで、酵母の場合もそれにならい、不完全酵母という。かつてはこれに分類単位としての位置を与え、不完全菌門不完全酵母綱と呼んだが、現在はこのような扱いは行わない。不完全菌の位置はあくまで仮のものであり、正しい分類上の位置がどこかにあるはずだからである。
その中で、カンジダはもっとも普通な不完全酵母を含むものである。出芽によって増殖する酵母であり、条件によっては菌糸に近い姿(偽菌糸)をとるものもある。多くの種があるが、特に有名なのはカンジダ・アルビカンス(C. albicans)である。これは、時にヒトのカンジダ症を引き起こす病原体として知られている。元来はヒトの体表や消化管、それに女性の膣粘膜に普通に生息するもので、多くの場合は特に何の影響も与えないのだが、体調が悪いときなどに病変を起こす日和見感染の原因となるものである。
C. etchellsiiやC. versatilisは味噌の発酵に関与している。また、C. stellataなどはワインの醸造に関与している。 C.albicansの鑑別試験として、仔牛血清に被検菌を接種し、37℃で2~3時間培養した後に顕微鏡下で発芽管を観察する発芽管試験がある。
関連疾患
- カンジダ症
- 皮膚カンジダ症
- 口腔カンジダ症
- 性器カンジダ症(カンジダ膣炎)
- 口角炎
- 胃鼓脹症 - C. sakeを原因とするサケ科魚類の感染症。ガス産生による腹部膨満を引き起こす。
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 性器カンジダ症 (特集 ストップ ザ 性感染症) -- (診断・治療)
- クリニカル 身近な臨床・これからの歯科医のための臨床講座(48)歯科開業医が診断・治療できる口腔カンジダ症
Related Links
- カンジダというのは、真菌という、カビの一種に属する菌です。 カンジダを含めて、真菌 というもの自体身体のあちこちに常在するもので、膣の中でいえば正常人の約10%に は検出されるものであると言われています。 このカンジダが何らかの原因によって異常 に ...
- 性器カンジダ症(せいきカンジダしょう、英:genital candidiasis)とは、カンジダという 真菌が性器に感染して生じる感染症。特に女性の膣に起きるケースが多く、その場合 カンジダ膣炎または、膣カンジダ症(ちつカンジダしょう、Vaginal thrush、または、 Vaginal ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
- 気管支喘息の特異的減感作療法薬
*治療用皮下エキス 真菌類
※アレルゲン製品中、以下の8品目が「生物由来製品」に指定されています。
販売名
- 治療用アレルゲンエキス皮下注「トリイ」アスペルギルス1:1,000
組成
組成
- 本剤は原菌(アスペルギルス)から得た特異的アレルゲンを含む50%グリセリン溶液で、培養液から得た凍結乾燥物重量に対し表示濃度に希釈したものである。(1:1,000)
添加物
効能または効果
- 気管支喘息(減感作療法)
- 用法及び用量
- 皮膚反応で陽性の場合、通常1:1,000,000液0.02mLを初回量として皮下に注射し、1週2回約50%ずつ増量し、0.5mLに至れば1:100,000液0.05mLにかえ、同様に増量しながら注射を続け、次第に高濃度の液とし、1:1,000液0.5mLの維持量までに至らしめる。
但し、皮膚反応に応じ、初回の液の濃度及び量又は増量、投与間隔並びに維持量は適宜に定めうる。
- 患者の状態によっては過量投与になることがあるので、投与量、濃度、増量の割合、維持量等は個々の患者の症状を考慮して決定し、注意して投与すること。
製品のロット変更と投与濃度
- 減感作療法は長期にわたるため、同一ロットのアレルゲンエキスを使うことは困難である。エキスの力価は各ロットごとに常に一定の範囲内に保持されるように製造されているが、予期しない反応を避けるため、ロットが変わるときは、前回投与量の25〜50%を減ずることが好ましい。
なお、高濃度のアレルゲンエキスでは、同一ロットでも発作を誘発することがあるので、患者の容態を十分に観察した上で濃度を上げるような配慮が必要である。
重大な副作用
ショック
(頻度不明)
- ショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、くしゃみ、蕁麻疹、血管浮腫、不快感、口内異常感、喘鳴、耳鳴等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、50~52の問いに答えよ。
- 43歳の男性。発熱を主訴に来院した。
- 現病歴:半年前から全身倦怠感を自覚していた。1か月前から37℃前半の微熱と乾性咳嗽とが出現した。2週前に自宅近くの診療所を受診し総合感冒薬を処方されたが改善しなかった。そのころから体温は38℃を超えるようになり、1週前から階段昇降時に呼吸困難を自覚するようになった。精査のため診療所から紹介されて受診した。
- 既往歴:22歳時にB型急性肝炎。35歳時に帯状疱疹。
- 生活歴:会社員。独身。一人暮らし。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:父親がうつ病で通院治療中。
- 現症:意識は清明。身長173cm、体重58kg(半年前は68kg)。体温 38.6℃。脈拍 96/分、整。血圧 104/58mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 94%(room air)。前額と鼻唇溝とに黄白色の鱗屑を伴う紅斑を認める。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。口腔内に多発する白苔を認める。頸静脈の怒張を認めない。径1~2cmのリンパ節を右頸部に7個、左頸部に5個触知する。心音に異常を認めない。両側の胸部にfine cracklesを聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腸雑音は正常である。下腿に浮腫を認めない。
- 検査所見:血液所見:赤血球 454万、Hb 15.1g/dL、Ht 42%、白血球 3,100、血小板 12万。血液生化学所見:総ビリルビン 0.9mg/dL、クレアチニン 1.0mg/dL。免疫血清学所見:CRP 0.6mg/dL、β-D-グルカン 486pg/mL(基準 10以下)。動脈血ガス分析(room air):pH 7.47、PaCO2 34Torr、PaO2 76Torr、HCO3- 24mEq/L。胸部エックス線写真(別冊No. 6A)と胸部CT(別冊No. 6B)とを別に示す。
- 肺病変の原因として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109B050]←[国試_109]→[109B052]
[★]
- 18歳の男性。発熱、嘔吐および下痢を主訴に来院した。1週前に自宅で熱湯により、前腕に水疱を伴う熱傷を負った。自宅近くの診療所で軟膏を処方され様子をみていたが、本日になり発熱、嘔吐および褐色でやや粘度のある下痢が出現したため、家族に付き添われて受診した。意識レベルはJCS Ⅰ-2。身長 165cm、体重 56kg。体温 39.0℃。脈拍数 112/分、整。血圧 80/40mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 99%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。全身に紅斑を認める。熱傷部はびらんとなっている。血液所見:赤血球 420万、Hb 13.2g/dL、Ht 42%、網赤血球 1.2%、白血球 9,300(桿状核好中球 30%、分葉核好中球 45%、好酸球 1%、好塩基球 1%、単球 6%、リンパ球 17%)、血小板 25万。血液生化学所見:総蛋白 7.5g/dL、アルブミン3.9g/dL、総ビリルビン 0.8mg/dL、AST 28U/L、ALT 18U/L、LD 178U/L(基準 120~245)、ALP 120U/L(基準 115~359)、γ-GT 9U/L(基準 8~50)、CK 46U/L(基準 30~140)、尿素窒素 40mg/dL、クレアチニン 1.2mg/dL、Na 131mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 97mEq/L。CRP 4.4mg/dL。
- 原因微生物として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114A023]←[国試_114]→[114A025]
[★]
- 6か月の乳児。呼吸不全のため来院した。生後5か月から咳嗽が出現しており、昨日から多呼吸も出現するようになったため救急外来を受診した。身長 66.5cm、体重 5.3kg。体温 37.2℃。脈拍 180/分、整。血圧 88/52mmHg。呼吸数 50/分。SpO2 86%(room air)。咽頭は発赤を認めないが、口腔粘膜に鵞口瘡を認める。心音に異常を認めない。両側の胸部にびまん性にfine cracklesを聴取する。血液所見:赤血球 403万、Hb 10.4g/dL、Ht 31%、白血球 2,300(好中球 64%、好酸球 1%、好塩基球 1%、単球 7%、リンパ球 27%)、血小板 37万。血液生化学所見:総蛋白 6.1g/dL、IgG 152mg/dL(基準 440~880)、IgA 5mg/dL(基準 31~77)、IgM 13mg/dL(基準 19~55)。免疫血清学所見:CRP 0.1mg/dL、β-D-グルカン 26pg/mL(基準 10以下)。人工呼吸管理を開始し、胃管と中心静脈カテーテルを挿入した。胸部エックス線写真(別冊No. 11A)と肺野条件の胸部CT(別冊No. 11B)とを別に示す。
- 考えられる原因微生物はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111D031]←[国試_111]→[111D033]
[★]
- 38歳の男性。発熱を主訴に来院した。3か月前から38℃台の発熱と多発するアフタ性口内炎とが出現するようになった。1か月前から両眼が赤くなり、まぶしく感じるようになった。身長164cm、体重65kg。体温38.2℃。脈拍92/分、整。血圧128/78mmHg。呼吸数14/分。両眼が充血しており、左眼に前房蓄膿を認める。下~に皮疹がみられた。尿検査と血液検査とを行い、2日後に再診した。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球420万、Hb 13.0g/dl、Ht40%、白血球12,800、血小板42万。血液生化学所見:総蛋白6.8g/dl、アルブミン3.4g/dl。CRP 12mg/dl。皮疹のみられた下腿の写真(別冊No.24)を別に示す。再診時に採血部位に小膿疱が生じていた。
- この膿疱内容物の培養で予想されるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107D048]←[国試_107]→[107D050]
[★]
- 57歳の女性。全身性エリテマトーデス(SLE)の治療のため入院中である。6週前に副腎皮質ステロイドとシクロホスファミドとの点滴を受け、現在はプレドニゾロン40mg/日とプロトンポンプ阻害薬とを内服している。3日前から腹痛と下痢とが続いている。意識は清明。体温 37.6℃。脈拍96/分、整。血圧 140/80mmHg。呼吸数 18/分。口腔内に異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は膨満し、臍部を中心に強い圧痛がある。筋性防御はない。肝・脾を触知しない。原因検索のため行った下部消化管内視鏡像(別冊No. 24A、B)と粘膜生検のH-E染色標本(別冊No. 24C)とを別に示す。
- 腹痛と下痢の原因として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109I067]←[国試_109]→[109I069]
[★]
- 11か月の乳児。皮膚の発赤とびらんとを主訴に来院した。10日前から顔面に皮疹を認めていた。皮疹は次第に全身に拡大し、びらんを伴うようになった。37.8℃の発熱を認めたが機嫌は良く、食欲も低下しなかった。全身状態は良好。眼球結膜と口腔粘膜とにびらんと出血とを認めない。顔面、前頸部、肘窩、膝窩、鼠径部および陰部にびらんを伴う広範な発赤を認める。血液所見:赤血球416万、Hb12.8g/dl、Ht 39%、白血球11,200、血小板22万。CRP 0.3mg/dl。来院時の顔面の写真(別冊No.18)を別に示す。
- この疾患の原因となる病原体はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107A044]←[国試_107]→[107A046]
[★]
- 25歳の男性。尿道のかゆみと分泌物とが持続するため来院した。14日前に異性との性交渉があった。7日前から尿道の掻痒感と下着に分泌物を認め、近医でペニシリン系薬剤を投与されたが軽快しなかった。直腸診後に尿道口から白色の排膿がある。尿所見:蛋白(±)、糖(-)、沈渣に白血球30~50/1視野。行うべき検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095G054]←[国試_095]→[095G056]
[★]
- 22歳の初妊婦。妊娠33週。自宅で水様の帯下を突然認めたため来院した。昨日夕方から軽度の腹部緊満を認め安静にしていた。現在、帯下の流出感はない。膣内容物の検査で診断に有用なのはどれか。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096I050]←[国試_097]→[097A002]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [095B017]←[国試_095]→[095B019]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098G089]←[国試_098]→[098G091]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098H047]←[国試_098]→[098H049]
[★]
- 母児感染に起因する疾患について正しい組み合わせはどれか?
[★]
- ☆case33 頭痛と混乱
- ■glossary
- accompany
- vt.
- (人)と同行する、(人)に随行する。(もの)に付随する。~と同時に起こる。~に加える(添える、同封する)(with)
- slurred n. 不明瞭
- 強直間代痙攣 tonic-clonic convulsion
- 意識消失とともに全身の随意筋に強直痙攣が生じ(強直痙攣期tonic convulsion)、次いで全身の筋の強直と弛緩とが律動的に繰り返される時期(間代痙攣期clonic convulsion)を経て、発作後もうろう状態を呈する一連の発作。
- ■症例
- 28歳、女性 黒人 南アフリカ 手術室看護師 ロンドン住在
- 主訴:頭痛と混乱
- 現病歴:過去3週間で頭痛が続いており、ひどくなってきた。現在も頭痛が持続しており、頭全体が痛い。友人曰く「過去六ヶ月で体重が10kg減っていて、最近、混乱してきたようだ」。発話は不明瞭。救急室にいる間に強直間代痙攣を起こした。
- ・診察 examination
- やせている。55kg。38.5℃。口腔カンジダ症(oral candidiasis)。リンパ節腫脹無し。心血管、呼吸器系、消化器系正常。痙攣前における神経検査では時間、場所、人の見当識無し。神経局所症状無し(no focal neurological sign)。眼底両側に乳頭浮腫有り。
- ・検査 investigation
- 血算:白血球増多
- 血液生化学:ナトリウム低下
- CT:供覧
- ■キーワード&着目するポイント
- ・口腔カンジダ症(oral candidiasis)
- ・頭痛、精神症状、強直間代痙攣
- ・眼底両側に乳頭浮腫
- ・CT所見
- ・低ナトリウム血症は二次的なもの
- ■アプローチ
- ・口腔カンジダ症(oral candidiasis) → 細胞免疫低下状態(DM、免疫抑制、AIDSなど) or 常在細菌叢の攪乱(長期の抗菌薬の使用)
- ・The occurrence of thrush in a young, otherwise healthy-appearing person should prompt an investigation for underlying HIV infection.(HIM.1254)
- ・More commonly, thrush is seen as a nonspecific manifestation of severe debilitating illness.(HIM.1254)
- ・精神症状、強直間代痙攣 → 一次的、あるいは二次的な脳の疾患がありそう
- ・頭痛 → 漠然としていて絞れないが、他の症状からして機能性頭痛ではなく症候性頭痛っぽい。
- ・眼底両側に乳頭浮腫 → 脳圧亢進の徴候 → 原因は・・・脳腫瘍、ことにテント下腫瘍と側頭葉の腫瘍、クモ膜下出血、脳水腫など、そのほか、眼窩内病変、低眼圧などの局所的要因、悪性高血圧、血液疾患、大量出血、肺気腫などの全身的要因 (vindicate本のp342も参考になる)
- ・頭痛と脳圧亢進 → 頭蓋内圧占拠性病変、脳炎(IMD.274)
- ・CT所見 → ringformの病変、脳浮腫、脳圧亢進
- ・低ナトリウム血症 → 脳ヘルニアに続発して起こることがあるらしい。実際には下垂体にトキソプラズマによる病変が形成されることにより起こりうる。
- ・そのほか出身地、体重減少もHIVを疑わせる点
- パターン認識でHIV + 精神症状 + てんかん発作(強直間代痙攣) + 脳圧亢進 + CT所見 = 一番ありそうなのはToxoplasma gondiiによるトキソプラズマ脳症 cerebral toxoplasosis (トキソプラズマ脳炎 toxoplasmic encephalitis)
- ■Toxoplasma gondii
- 原虫 胞子原虫類
- (感染予防学 080521のプリント、CASES p,92、HIM p.1305-)
- ・疫学:西洋では30-80%の成人がトキソプラズマの感染の既往がある・・・うぇ(CASES)。日本では10%前後(Wikipedia)。
- ・生活環
- ・終宿主:ネコ:ネコの小腸上皮細胞で有性・無性生殖 糞便にオーシストの排泄
- ・中間宿主:ヒト.ブタを含むほ乳類と鳥類:無性生殖で増殖、シストの形成
- 急性期の増殖盛んな急増虫体tachyzoiteとシスト内の緩増虫体bradyzoite
- ・病原、病因 phathogenesis
- ・緩増虫体(bradyzoite)、接合子嚢(oocyst)
- ・感染経路
- 1. オーシストの経口摂取
- 2. 中間宿主の生肉中のシストの経口摂取
- 3. 初感染妊婦からの経胎盤感染。既感染なら胎盤感染しないらしい(HIM.1306)
- (4)移植臓器、輸血。確率は低い(at low rate)(HIM.1306)
- ・病態
- 1. 先天性トキソプラズマ症 congenital toxoplasmosis
- ①網脈絡膜炎、 ②水頭症、 ③脳内石灰化、 ④精神・運動障害
- 2. 後天性トキソプラズマ症 acquired toxoplasmosis
- (1) 健常者
- ・多くは不顕性感染。発熱、リンパ節腫脹、皮疹(rash)
- ・(少数例)筋肉痛、暈疼痛、腹痛、斑状丘疹状皮疹(maculopapular rash)、脳脊髄炎、混乱(HIM.1308)
- ・(まれ)肺炎、心筋炎、脳症、心膜炎、多発筋炎
- ・網膜、脈絡叢に瘢痕や、脳に小さい炎症性の病変を残すことあり(CASES)。
- ・急性感染の症状は数週間で消失 筋肉や中枢神経系に緩増虫体が残存
- (2)HIV感染者、臓器移植例、がん化学療法例
- シスト内緩増虫体→急増虫体→播種性の多臓器感染
- AIDSでは、トキソプラズマ性脳炎が指標疾患 AIDS-defineing illness(CASES)
- ・治療
- (日本)アセチルスピラマイシン、ファンシダール(感染予防学 080521)
- ■トキソプラズマ脳炎 toxoplasmic encephalitis、トキソプラズマ脳症 cerebral toxoplasosis
- ・症状
- 発熱、頭痛、混乱m、痙攣、認知の障害、局所神経徴候(不全片麻痺、歯垢、脳神経損傷、視野欠損、感覚喪失)(CASES)
- ・画像検査
- (CT,MRI)多発性、両側性、ring-enhancing lesion、特に灰白質-白質境界、大脳基底核、脳幹、小脳が冒されやすい(CASES)
- ・鑑別診断(臨床症状・画像診断の所見で)
- リンパ腫、結核、転移性脳腫瘍(CASES)
- ・病歴と画像所見からの鑑別診断
- リンパ腫、結核、転移性腫瘍
- ?
- このCTがcerebral toxoplasmosisに特徴的かは不明
- □最後に残る疑問
- AIDSでWBC(leukocyte)の数はどうなるんだろう???AIDSの初診患者ではWBCが低い人が多いらしいし()、HIVはCD4+ T cellとmacrophageに感染して殺すから、これによってB cellは減るだろうし、CD8+ T cellも若干減少するだろうからWBCは減るんじゃないか?!好中球はAIDSとは関係ない?好中球は他の感染症に反応性に増加している?ちなみに、好酸球は寄生虫(原虫)の感染のために増える傾向にあるらしい(HIMのどこか)。
- スルファジアジン
- sulfadiazine
- ピリメタミン
- pyrimethamine
- 葉酸拮抗剤である。
- サルファ剤と併用され、抗トキソプラズマ薬、抗ニューモシチス・カリニ薬として相乗的に働く。
- ST合剤
- SMX-TMP
- スルファメトキサゾール・トリメトプリム合剤 sulfamethoxazole and trimethoprim mixture
- □AIDSの定義(http://en.wikipedia.org/wiki/CDC_Classification_System_for_HIV_Infection_in_Adults_and_Adolescents)
- A CD4+ T-cell count below 200 cells/μl (or a CD4+ T-cell percentage of total lymphocytes of less than 14%).
- or he/she has one of the following defining illnesses:
-
- 01. Candidiasis of bronchi, trachea, or lungs
- 02. Candidiasis esophageal
- 03. Cervical cancer (invasive)
- 04. Coccidioidomycosis, disseminated or extrapulmonary
- 05. Cryptococcosis, extrapulmonary
- 06. Cryptosporidiosis, chronic intestinal for longer than 1 month
- 07. Cytomegalovirus disease (other than liver, spleen or lymph nodes)
- 08. Encephalopathy (HIV-related)
- 09. Herpes simplex: chronic ulcer(s) (for more than 1 month); or bronchitis, pneumonitis, or esophagitis
- 10. Histoplasmosis, disseminated or extrapulmonary
- 11. Isosporiasis, chronic intestinal (for more than 1 month)
- 12. Kaposi's sarcoma
- 13. Lymphoma Burkitt's, immunoblastic or primary brain
- 14. Mycobacterium avium complex
- 15. Mycobacterium, other species, disseminated or extrapulmonary
- 16. Pneumocystis carinii pneumonia
- 17. Pneumonia (recurrent)
- 18. Progressive multifocal leukoencephalopathy
- 19. Salmonella septicemia (recurrent)
- 20. Toxoplasmosis of the brain
- 21. Tuberculosis
- 22. Wasting syndrome due to HIV
- People who are not infected with HIV may also develop these conditions; this does not mean they have AIDS. However, when an individual presents laboratory evidence against HIV infection, a diagnosis of AIDS is ruled out unless the patient has not:
-
- AND
- □AIDSのステージング
- ■参考文献
- HIM = Harrison's Principles of Internal Medicine 17th Edition
- CASES = 100 Cases in Clinical Medicine Second edition
- IMD = 内科診断学第2版
[★]
- 英
- antibacterial drug, antibacterial
- 関
- 抗生剤、薬理学、抗菌薬一覧、抗細菌薬
- first aid step 1 2006 p.165
定義
- 細菌/微生物に静菌作用、殺菌作用を示す物質。結果として、人において病原性を除去する目的で使用される。
- このうち、微生物によって産生される物質を抗生物質と呼ぶ
作用機序による分類
- first aid step 1 2006 p.165
|
Mechanism of action
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Drugs
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1
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Block cell wall synthesis by inhibition of peptidoglycan cross-linking
|
penicillin, ampicillin, ticarcillin, piperacillin, imipenem, aztreonam, cephalosporins
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2
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Block peptidoglycan synthesis
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bacitracin, vancomycin, cycloserine
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3
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Disrupt bacterial/fungal cell membranes
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polymyxins
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4
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Disrupt fungal cell membranes
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amphotericin B, nystatin, fluconazole/azoles
|
5
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Block nucleotide synthesis
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sulfonamides, trimethoprim
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6
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Block DNA topoisomerases
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quinolones
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7
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Block mRNA synthesis
|
rifampin
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8
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Block protein synthesis at 50S ribosomal subunit
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chloramphenicol, erythromycin/macrolides, lincomycin, clindamycin, streptogramins (quinupristin, dalfopristin), linezolid
|
9
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Block protein synthesis at 30S ribosomal subunit
|
aminoglycosides, tetracyclines, spectinomycin ATuSi → あつし
|
薬物動態
- 濃度依存性:アミノグリコシド系抗菌薬、ニューロキノロン系抗菌薬
- 時間依存性:βラクタム系抗菌薬
治療期間
小児
- 尾内一信 ; 第 39 回日本小児感染症学会教育講演 2 小児感染症の抗菌薬療法 -耐性菌時代の適正使用-
感染臓器・臨床診断
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原因菌
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投与期間(抗菌薬)
|
髄膜炎
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インフルエンザ菌
|
7-10日
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肺炎球菌
|
10-14日
|
髄膜炎菌
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7-10日
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GBS,腸内細菌,リステリア
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21日
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中耳炎
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<2 歳
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10日
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2 歳≦
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5-7日
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咽頭炎
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A 群連鎖球菌
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10日(ペニシリン系薬)
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5日(セフェム系薬)
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肺炎
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肺炎球菌,インフルエンザ菌
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解熱後3-4日
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黄色ブドウ球菌
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3-4週間
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マイコプラズマ,クラミジア
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10-21日
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腎臓、膀胱炎、腎盂腎炎
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大腸菌,プロテウス,腸球菌
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3日
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14日
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骨髄炎
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黄色ブドウ球菌
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21日
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連鎖球菌,インフルエンザ菌
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14日
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主要な感染症の抗菌薬投与期間
- 感染レジマニュ p.27
ソース不明
妊婦に避けるべき抗菌薬
- Antibiotics to avoid in pregnancy
- Sulfonamides––kernicterus.
- Aminoglycosides––ototoxicity.
- Fluoroquinolones––cartilage damage.
- Erythromycin––acute cholestatic hepatitis in mom
- (and clarithromycin––embryotoxic).
- Metronidazole––mutagenesis.
- Tetracyclines––discolored teeth, inhibition of bone growth.
- Ribavirin (antiviral)––teratogenic.
- Griseofulvin (antifungal)––teratogenic.
- Chloramphenicol––“gray baby.”
- SAFE Moms Take Really Good Care.
使っても良い
- YN.H-24
参考
- まとまっていてよい
- http://www.antibiotic-books.jp
[★]
- 英
- sexually transmitted disease, STD, STI
- 同
- 性行為感染症
- 関
- 性病
定義
- 性行為を介して、ヒトからヒトへ病原微生物が直接伝播する感染症の総称
- 性行為は性交のみに限らず、また異性間の場合も同性間の場合も含まれ,性器以外の性交に類似した行為も該当する。
疫学
♂:淋菌性尿道炎 > クラミジア性尿道炎 > 性器ヘルペス > 尖圭コンジローマ
♀:クラミジア性尿道炎 > 性器ヘルペス > 尖圭コンジローマ > 淋菌性尿道炎
性感染症
治療薬
- QB.Q-265
URL
- http://sks.oriaca.net/
- http://www.jsog.or.jp/PDF/51/5109-203.pdf
[★]
- 英
- immune response
- 同
- 免疫反応
- 関
免疫応答とリンパ球
免疫応答と病原体
[★]
- 英
- antifungal drug, antifungal, antimycotic
- 関
- 真菌、真菌症、抗真菌薬一覧
作用機序
[★]
- 英
- Candida paronychia
- 同
- Candida性爪囲炎
- 関
- 爪周囲カンジダ症
[★]
- 英
- candiduria
- 同
- Candida尿
- 関
- カンジダ尿症