- 英
- sulfamethoxazole, SMX
- 同
- スルフイソメゾール sulfisomezole, Gantanol
- 商
- ダイフェン配合、バクタ配合、バクトラミン、バクトラミン配合
- 関
- 葉酸、スルホンアミド系抗菌薬
-
WordNet
- a sulfonamide (trade name Gantanol) used to treat infections (especially infections of the urinary tract) (同)Gantanol
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/10/03 06:18:59」(JST)
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スルファメトキサゾール
|
|
IUPAC命名法による物質名 |
IUPAC名
4-amino-N-(5-methylisoxazol-3-yl)-benzenesulfonamide
|
臨床データ |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
- AU: 処方箋薬(S4)
- ℞ (Prescription only)
|
投与方法 |
経口投与 |
薬物動態データ |
血漿タンパク結合 |
70% |
代謝 |
Hepatic acetylation and glucuronidation |
半減期 |
10 時間 |
排泄 |
Renal |
識別 |
CAS番号
(MeSH) |
723-46-6 |
ATCコード |
J01EC01 QJ01EQ11 |
PubChem |
CID: 5329 |
DrugBank |
APRD00076 |
ChemSpider |
5138 |
KEGG |
D00447 |
化学的データ |
化学式 |
C10H11N3O3S |
分子量 |
253.279 g/mol |
SMILES
-
CC1=CC(=NO1)NS(=O)(=O)C2=CC=C(C=C2)N
|
物理的データ |
融点 |
169 °C (336 °F) |
スルファメトキサゾール(Sulfamethoxazole、略号:SMX または SMZ[1][2][3])とは、スルホンアミド系の静菌的抗生物質のひとつ。これはしばしばトリメトプリムとの組み合わせで相乗効果(シナジー)を示す。スルファメトキサゾール単剤では耐性獲得のために無効となりやすいため、日本ではトリメトプリムとの合剤としてしか販売されていない(2010年現在)。これを日本ではST合剤と略すことが多い。ST合剤での商品名はバクタ®(塩野義製薬)[4]やバクトラミン®(中外製薬)[5]など。
MRSAを含むブドウ球菌・大腸菌・インフルエンザ菌・嫌気性菌に感受性を持つことが多い。 また尿路感染症でしばしば処方される。副鼻腔炎においてペニシリン系薬剤の代替薬として用いられることもある。トキソプラズマ症・ニューモシスチス感染症でも用いられる。
目次
- 1 薬理
- 2 副作用
- 3 関連事項
- 4 脚注
- 5 参照・引用
- 6 外部リンク
薬理
スルホンアミド系薬剤はパラアミノ安息香酸(para-aminobenzoic acid; PABA)と構造が類似しており、競争的阻害薬として作用する。これらは細菌がPABAを用いて葉酸を正常に合成することを阻害する。葉酸はDNA合成に重要な代謝物である[6]。この効果は一般的に静菌的に現れる。葉酸は人体では合成されず、経口的に摂取される。このため効果は人体には影響せず、細菌(もしくは葉酸合成を行う生物)にのみ影響する。細菌のスルファメトキサゾールへの耐性獲得は葉酸合成酵素が変異し、PABA結合性変化などを起こすことによる。
-
- トリメトプリムとのシナジー効果については英語版ウィキペディアの図を参照のこと。
副作用
最もST合剤で多い副作用・有害事象は胃腸障害である。発疹・発赤・呼吸困難・嚥下障害などがみられることもある。
ST合剤はまたワーファリン®の血中濃度を増加させることもあるため、出血傾向を来す事も有る。また骨髄抑制を起こし、白血球減少や貧血、血小板減少症などを起こす事も稀に有る。
重大な副作用として知られているものには、
- 再生不良性貧血、巨赤芽球性貧血、メトヘモグロビン血症、血小板減少症、無顆粒球症(0.16%)、溶血性貧血(0.16%)、汎血球減少(2.45%)、
- 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、溶血性尿毒症症候群(HUS)、
- アナフィラキシー、ショック(0.16%)、
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、薬剤性過敏症症候群、
- 急性膵炎、偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎、
- 重度の肝障害、急性腎不全(1.31%)、間質性腎炎、間質性肺炎、PIE症候群、
- 無菌性髄膜炎、末梢神経炎、
- 低血糖発作、高カリウム血症(4.57%)、低ナトリウム血症(4.57%)、
- 横紋筋融解症
が有る。(頻度未記載は頻度不明)
関連事項
脚注
- ^ Ma, M.; Cheng, Y.; Xu, Z.; Xu, P.; Qu, H.; Fang, Y.; Xu, T.; Wen, L. (2007). “Evaluation of polyamidoamine (PAMAM) dendrimers as drug carriers of anti-bacterial drugs using sulfamethoxazole (SMZ) as a model drug”. European journal of medicinal chemistry 42 (1): 93–8. doi:10.1016/j.ejmech.2006.07.015. PMID 17095123.
- ^ Garg, S.K.; Ghosh, S.S.; Mathur, V.S. (1986). “Comparative pharmacokinetic study of four different sulfonamides in combination with trimethoprim in human volunteers”. International journal of clinical pharmacology, therapy, and toxicology 24 (1): 23–5. PMID 3485584.
- ^ SMZ in Abstract of "Rat model of concurrent Pneumocystis carinii (Pc), Toxoplasma gondii (Tg), and Mycobacterium avium complex (MAC) infections for assessment of multiple prophylaxis" at ncbi.nlm.nih.gov
- ^ “バクタ配合錠/バクタ配合顆粒 添付文書” (2014年2月). 2016年6月28日閲覧。
- ^ “バクトラミン注 添付文書” (2014年2月). 2016年6月28日閲覧。
- ^ Martindale, The extra pharmacopoeia, 30th ed, p. 208
参照・引用
- BIAM. "Sulfamethoxazole" (フランス語), Banque d'Informations Automatisée sur les Médicaments (drugs database), last updated December 21, 2000
- ChemDB. "Sulfamethoxazole", ChemDB, National Institute of Allergy and Infectious Diseases (NIAID), National Institutes of Health (NIH)
- PubChem. "Sulfamethoxazole - Substance Summary", PubChem, National Center for Biotechnology Information (NCBI), National Library of Medicine (NLM), National Institutes of Health (NIH)
外部リンク
- Sulfamethoxazole full record at ChemIDplus
|
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Japanese Journal
- P-0899 腎移植患者におけるスルファメトキサゾールの体内動態に及ぼすNAT2遺伝子多型の影響(一般演題 ポスター発表,薬物治療と遺伝子多型,Enjoy Pharmacists' Lifestyles)
- 加賀谷 英彰,三浦 昌朋,新岡 丈典,齋藤 満,沼倉 一幸,羽渕 友則,佐藤 滋
- 日本医療薬学会年会講演要旨集 21, 331, 2011-09-09
- NAID 110008910364
- MS12-5 膠原病におけるスルファメトキサゾール・トリメトプリム(ST合剤)の薬剤障害(MS12 薬物アレルギー,ミニシンポジウム,第23回日本アレルギー学会春季臨床大会)
- 浅島 弘充,猪熊 茂子,仲地 真一郎,松尾 佳美,六反田 諒,萩原 清文,小林 祥子
- アレルギー 60(3・4), 430, 2011-04-10
- NAID 110008594409
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
組成
成分・含量(1錠中):
- スルファメトキサゾール400mg
トリメトプリム80mg
添加物:
- カルメロースカルシウム,ヒドロキシプロピルセルロース,ステアリン酸マグネシウム
禁忌
本剤の成分又はサルファ剤に対し過敏症の既往歴のある患者
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照]
低出生体重児,新生児[「小児等への投与」の項参照]
グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G-6-PD)欠乏患者[溶血を起こすおそれがある。]
効能または効果
適応菌種>
- スルファメトキサゾール/トリメトプリムに感性の腸球菌属,大腸菌,赤痢菌,チフス菌,パラチフス菌,シトロバクター属,クレブシエラ属,エンテロバクター属,プロテウス属,モルガネラ・モルガニー,プロビデンシア・レットゲリ,インフルエンザ菌
適応症>
- ○ 肺炎,慢性呼吸器病変の二次感染*○ 複雑性膀胱炎,腎盂腎炎*○ 感染性腸炎,腸チフス,パラチフス
他剤耐性菌による上記適応症において,他剤が無効又は使用できない場合に投与すること。
- [錠剤]*通常,成人には1日量4錠を2回に分割し,経口投与する。
ただし,年齢,症状に応じて適宜増減する。*[顆粒]*通常,成人には1日量4gを2回に分割し,経口投与する。
ただし,年齢,症状に応じて適宜増減する。
本剤の使用にあたっては,耐性菌の発現等を防ぐため,原則として感受性を確認し,疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
慎重投与
肝障害のある患者[肝障害を悪化させることがある。]
腎障害のある患者[血中濃度が持続するので,減量等を考慮すること。]
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
葉酸欠乏又は代謝異常のある患者(既往に胃の摘出術を受けている患者,他の葉酸代謝拮抗剤を投与されている患者,分娩後,先天性葉酸代謝異常症等)[葉酸欠乏を悪化させ,巨赤芽球性貧血を起こすことがある。]
重大な副作用
次のような副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
再生不良性貧血,溶血性貧血,巨赤芽球性貧血,メトヘモグロビン血症,汎血球減少,無顆粒球症(頻度不明)
ショック(0.1%未満),アナフィラキシー様症状(頻度不明)(初期症状:不快感,口内異常感,喘鳴,眩暈,便意,耳鳴,発汗,浮腫等)
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.1%未満),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)(頻度不明)
急性膵炎(頻度不明)
偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(頻度不明)(腹痛,頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。)
重度の肝障害(頻度不明)
急性腎不全(頻度不明)
無菌性髄膜炎,末梢神経炎(頻度不明)
間質性肺炎,PIE症候群(頻度不明)(発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部X線異常,好酸球増多等)
低血糖発作(頻度不明)
高カリウム血症,低ナトリウム血症(頻度不明):これらの電解質異常があらわれることがある。異常が認められた場合には投与を中止し,電解質補正等の適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇等を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがある。これに伴い急激に腎機能が悪化し,急性腎不全等の重篤な症状に至ることがある。
薬効薬理
薬理作用
- 抗菌作用
試験管内では,トリメトプリム,スルファメトキサゾールをそれぞれ単独で作用させたときに比べ,両薬の併用時には,相乗的な抗菌作用の増大が認められ,殺菌的に作用する。腸球菌属,大腸菌,赤痢菌,チフス菌,パラチフス菌,シトロバクター属,クレブシエラ属,エンテロバクター属,プロテウス属,モルガネラ・モルガニー,プロビデンシア・レットゲリ,インフルエンザ菌に対して抗菌作用を示す。
作用機序
- スルファメトキサゾールは微生物体内での葉酸生合成を阻害し,トリメトプリムは葉酸の活性化を阻害して抗菌作用を示す。両薬の併用により細菌の葉酸代謝の連続した2ヵ所を同時に阻害するため相乗的な抗菌作用の増大が認められる。
有効成分に関する理化学的知見
1.
- 一般的名称:
スルファメトキサゾール(JAN)[日局]
Sulfamethoxazole
- 化学名:
4-Amino-N-(5-methylisoxazol-3-yl)benzenesulfonamide
- 分子式:
C10H11N3O3S
- 分子量:
253.28
- 化学構造式:
- 性状:
白色の結晶又は結晶性の粉末で,においはなく,味はわずかに苦い。
N,N-ジメチルホルムアミドに極めて溶けやすく,エタノール(95)にやや溶けにくく,ジエチルエーテルに溶けにくく,水に極めて溶けにくい。
水酸化ナトリウム試液に溶ける。
光によって徐々に着色する。
- 融点:
169?172℃
- 分配係数:
7.76[1-オクタノール/水]
2.
- 一般的名称:
トリメトプリム(JAN)[局外規]
Trimethoprim
- 化学名:
2,4-Diamino-5-(3,4,5-trimethoxybenzyl)-pyrimidine
- 分子式:
C14H18N4O3
- 分子量:
290.32
- 化学構造式:
- 性状:
白色の結晶又は結晶性の粉末で,においはなく,味は苦い。
酢酸(100)に溶けやすく,メタノール,希酢酸又はクロロホルムにやや溶けにくく,エタノール(95)又はアセトンに溶けにくく,水に極めて溶けにくく,ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
- 融点:
199?203℃
- 分配係数:
4.37[pH7.4,1-オクタノール/緩衝液]
★リンクテーブル★
[★]
- ☆case33 頭痛と混乱
- ■glossary
- accompany
- vt.
- (人)と同行する、(人)に随行する。(もの)に付随する。~と同時に起こる。~に加える(添える、同封する)(with)
- slurred n. 不明瞭
- 強直間代痙攣 tonic-clonic convulsion
- 意識消失とともに全身の随意筋に強直痙攣が生じ(強直痙攣期tonic convulsion)、次いで全身の筋の強直と弛緩とが律動的に繰り返される時期(間代痙攣期clonic convulsion)を経て、発作後もうろう状態を呈する一連の発作。
- ■症例
- 28歳、女性 黒人 南アフリカ 手術室看護師 ロンドン住在
- 主訴:頭痛と混乱
- 現病歴:過去3週間で頭痛が続いており、ひどくなってきた。現在も頭痛が持続しており、頭全体が痛い。友人曰く「過去六ヶ月で体重が10kg減っていて、最近、混乱してきたようだ」。発話は不明瞭。救急室にいる間に強直間代痙攣を起こした。
- ・診察 examination
- やせている。55kg。38.5℃。口腔カンジダ症(oral candidiasis)。リンパ節腫脹無し。心血管、呼吸器系、消化器系正常。痙攣前における神経検査では時間、場所、人の見当識無し。神経局所症状無し(no focal neurological sign)。眼底両側に乳頭浮腫有り。
- ・検査 investigation
- 血算:白血球増多
- 血液生化学:ナトリウム低下
- CT:供覧
- ■キーワード&着目するポイント
- ・口腔カンジダ症(oral candidiasis)
- ・頭痛、精神症状、強直間代痙攣
- ・眼底両側に乳頭浮腫
- ・CT所見
- ・低ナトリウム血症は二次的なもの
- ■アプローチ
- ・口腔カンジダ症(oral candidiasis) → 細胞免疫低下状態(DM、免疫抑制、AIDSなど) or 常在細菌叢の攪乱(長期の抗菌薬の使用)
- ・The occurrence of thrush in a young, otherwise healthy-appearing person should prompt an investigation for underlying HIV infection.(HIM.1254)
- ・More commonly, thrush is seen as a nonspecific manifestation of severe debilitating illness.(HIM.1254)
- ・精神症状、強直間代痙攣 → 一次的、あるいは二次的な脳の疾患がありそう
- ・頭痛 → 漠然としていて絞れないが、他の症状からして機能性頭痛ではなく症候性頭痛っぽい。
- ・眼底両側に乳頭浮腫 → 脳圧亢進の徴候 → 原因は・・・脳腫瘍、ことにテント下腫瘍と側頭葉の腫瘍、クモ膜下出血、脳水腫など、そのほか、眼窩内病変、低眼圧などの局所的要因、悪性高血圧、血液疾患、大量出血、肺気腫などの全身的要因 (vindicate本のp342も参考になる)
- ・頭痛と脳圧亢進 → 頭蓋内圧占拠性病変、脳炎(IMD.274)
- ・CT所見 → ringformの病変、脳浮腫、脳圧亢進
- ・低ナトリウム血症 → 脳ヘルニアに続発して起こることがあるらしい。実際には下垂体にトキソプラズマによる病変が形成されることにより起こりうる。
- ・そのほか出身地、体重減少もHIVを疑わせる点
- パターン認識でHIV + 精神症状 + てんかん発作(強直間代痙攣) + 脳圧亢進 + CT所見 = 一番ありそうなのはToxoplasma gondiiによるトキソプラズマ脳症 cerebral toxoplasosis (トキソプラズマ脳炎 toxoplasmic encephalitis)
- ■Toxoplasma gondii
- 原虫 胞子原虫類
- (感染予防学 080521のプリント、CASES p,92、HIM p.1305-)
- ・疫学:西洋では30-80%の成人がトキソプラズマの感染の既往がある・・・うぇ(CASES)。日本では10%前後(Wikipedia)。
- ・生活環
- ・終宿主:ネコ:ネコの小腸上皮細胞で有性・無性生殖 糞便にオーシストの排泄
- ・中間宿主:ヒト.ブタを含むほ乳類と鳥類:無性生殖で増殖、シストの形成
- 急性期の増殖盛んな急増虫体tachyzoiteとシスト内の緩増虫体bradyzoite
- ・病原、病因 phathogenesis
- ・緩増虫体(bradyzoite)、接合子嚢(oocyst)
- ・感染経路
- 1. オーシストの経口摂取
- 2. 中間宿主の生肉中のシストの経口摂取
- 3. 初感染妊婦からの経胎盤感染。既感染なら胎盤感染しないらしい(HIM.1306)
- (4)移植臓器、輸血。確率は低い(at low rate)(HIM.1306)
- ・病態
- 1. 先天性トキソプラズマ症 congenital toxoplasmosis
- ①網脈絡膜炎、 ②水頭症、 ③脳内石灰化、 ④精神・運動障害
- 2. 後天性トキソプラズマ症 acquired toxoplasmosis
- (1) 健常者
- ・多くは不顕性感染。発熱、リンパ節腫脹、皮疹(rash)
- ・(少数例)筋肉痛、暈疼痛、腹痛、斑状丘疹状皮疹(maculopapular rash)、脳脊髄炎、混乱(HIM.1308)
- ・(まれ)肺炎、心筋炎、脳症、心膜炎、多発筋炎
- ・網膜、脈絡叢に瘢痕や、脳に小さい炎症性の病変を残すことあり(CASES)。
- ・急性感染の症状は数週間で消失 筋肉や中枢神経系に緩増虫体が残存
- (2)HIV感染者、臓器移植例、がん化学療法例
- シスト内緩増虫体→急増虫体→播種性の多臓器感染
- AIDSでは、トキソプラズマ性脳炎が指標疾患 AIDS-defineing illness(CASES)
- ・治療
- (日本)アセチルスピラマイシン、ファンシダール(感染予防学 080521)
- ■トキソプラズマ脳炎 toxoplasmic encephalitis、トキソプラズマ脳症 cerebral toxoplasosis
- ・症状
- 発熱、頭痛、混乱m、痙攣、認知の障害、局所神経徴候(不全片麻痺、歯垢、脳神経損傷、視野欠損、感覚喪失)(CASES)
- ・画像検査
- (CT,MRI)多発性、両側性、ring-enhancing lesion、特に灰白質-白質境界、大脳基底核、脳幹、小脳が冒されやすい(CASES)
- ・鑑別診断(臨床症状・画像診断の所見で)
- リンパ腫、結核、転移性脳腫瘍(CASES)
- ・病歴と画像所見からの鑑別診断
- リンパ腫、結核、転移性腫瘍
- ?
- このCTがcerebral toxoplasmosisに特徴的かは不明
- □最後に残る疑問
- AIDSでWBC(leukocyte)の数はどうなるんだろう???AIDSの初診患者ではWBCが低い人が多いらしいし()、HIVはCD4+ T cellとmacrophageに感染して殺すから、これによってB cellは減るだろうし、CD8+ T cellも若干減少するだろうからWBCは減るんじゃないか?!好中球はAIDSとは関係ない?好中球は他の感染症に反応性に増加している?ちなみに、好酸球は寄生虫(原虫)の感染のために増える傾向にあるらしい(HIMのどこか)。
- スルファジアジン
- sulfadiazine
- ピリメタミン
- pyrimethamine
- 葉酸拮抗剤である。
- サルファ剤と併用され、抗トキソプラズマ薬、抗ニューモシチス・カリニ薬として相乗的に働く。
- ST合剤
- SMX-TMP
- スルファメトキサゾール・トリメトプリム合剤 sulfamethoxazole and trimethoprim mixture
- □AIDSの定義(http://en.wikipedia.org/wiki/CDC_Classification_System_for_HIV_Infection_in_Adults_and_Adolescents)
- A CD4+ T-cell count below 200 cells/μl (or a CD4+ T-cell percentage of total lymphocytes of less than 14%).
- or he/she has one of the following defining illnesses:
-
- 01. Candidiasis of bronchi, trachea, or lungs
- 02. Candidiasis esophageal
- 03. Cervical cancer (invasive)
- 04. Coccidioidomycosis, disseminated or extrapulmonary
- 05. Cryptococcosis, extrapulmonary
- 06. Cryptosporidiosis, chronic intestinal for longer than 1 month
- 07. Cytomegalovirus disease (other than liver, spleen or lymph nodes)
- 08. Encephalopathy (HIV-related)
- 09. Herpes simplex: chronic ulcer(s) (for more than 1 month); or bronchitis, pneumonitis, or esophagitis
- 10. Histoplasmosis, disseminated or extrapulmonary
- 11. Isosporiasis, chronic intestinal (for more than 1 month)
- 12. Kaposi's sarcoma
- 13. Lymphoma Burkitt's, immunoblastic or primary brain
- 14. Mycobacterium avium complex
- 15. Mycobacterium, other species, disseminated or extrapulmonary
- 16. Pneumocystis carinii pneumonia
- 17. Pneumonia (recurrent)
- 18. Progressive multifocal leukoencephalopathy
- 19. Salmonella septicemia (recurrent)
- 20. Toxoplasmosis of the brain
- 21. Tuberculosis
- 22. Wasting syndrome due to HIV
- People who are not infected with HIV may also develop these conditions; this does not mean they have AIDS. However, when an individual presents laboratory evidence against HIV infection, a diagnosis of AIDS is ruled out unless the patient has not:
-
- AND
- □AIDSのステージング
- ■参考文献
- HIM = Harrison's Principles of Internal Medicine 17th Edition
- CASES = 100 Cases in Clinical Medicine Second edition
- IMD = 内科診断学第2版
[★]
- 英
- drug-induced hypersensitivity syndrome DIHS
- 同
- drug rash with eosinophilia and systemic symptoms DRESS,drug-induced delayed multiorgan hypersensitivity syndrome DIDMOS
- 関
- 薬疹
概念
- 高熱と臓器障害を伴う薬疹で、医薬品中止後も遷延化する。多くの場合、発症後2-3週間後にHHV-6の再活性化を生じる。(参考1)
病因
原因薬物
- 原因薬物としては芳香族抗てんかん薬とスルホンアミド系抗菌薬が最も多い (参考2)
- 参考3
病態
- 特定の薬剤を服用した2-6週間後に突然の発熱と紅斑を来たし、ついには紅皮症を呈する。
- リンパ節腫脹、血液学的異常、肝機能障害を伴う。
- 肺炎、腎不全、心筋炎、甲状腺炎、神経学的症状を呈することがある。(参考2)
症状
身体所見
検査
- 血算:白血球増多、異型リンパ球有り、好酸球増多
- 血清学的検査:IgM-抗HHV-6抗体陽性
検査異常の出現頻度
- 参考2
- 肝炎:51%
- 間質性腎炎:11%
- 血液学的異常(好酸球増多、異型単核球):30%
診断基準
- 参考1
- 1. 限られた薬剤投与後に遅発性に生じ、急速に拡大する紅斑。多くの場合、紅皮症に移行する
- 2. 原因薬剤中止後も2週間以上遷延する
- 3. 38 ℃以上の発熱
- 4. 肝機能障害
- 5. 血液学的異常:a、b、c のうち1 つ以上
- a. 白血球増多(11,000/mm3 以上)
- b. 異型リンパ球の出現(5%以上)
- c. 好酸球増多(1,500/mm3 以上)
- 典型DIHS:1 - 7 すべて
- 非典型DIHS:1 - 5 すべて。ただし4 に関しては、その他の重篤な臓器障害をもって代えることができる。
治療
- 薬剤の中止、全身ステロイド療法(要するに静注ということか)。(参考1)
予後
- 完全に治癒する。重症例では生命予後不良。(参考1)
参考
- 1. 重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤性過敏症症候群
- http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1a09.pdf
- 2. [charged] Drug eruptions - uptodate [1]
- CLASSIC DRUG REACTION PATTERNSの1項目として記載。
- www.eiken.co.jp/modern_media/backnumber/pdf/MM1012_01.pdf
国試
[★]
- 英
- pneumocystis pneumonia, pneumocystis jirovecii pneumonia pneumocystis jirovecn pneumonia
- 同
- カリニ肺炎 carinii pneumonia、Pneumocystis肺炎
- ニューモシスチス・カリニ肺炎 pneumocystis carinii pneumonia PCP、ニューモシスチス・カリニ肺炎、ニューモシステイスカリニ肺炎
- 関
- ニューモシスチス症 pneumocystosis
病原体
病因
- IMD.1083
- 剖検例で悪性リンパ腫の1/4、成人T細胞白血病の1/10、全身性エリテマトーデスの1/20 に認められる。
- AIDSに高率に合併。
リスク因子
非HIV
- 別の易感染性の原因を有するグルココルチコイド投与患者
- 他の免疫抑制薬
- 細胞性免疫不全
- 悪性腫瘍(特に造血系悪性腫瘍)
- 造血幹細胞移植(HCT、特にallogeneic HCT)
- 固形臓器の臓器移植
- 拒絶反応に対する治療
- 炎症状態に対する治療(例えば、多発血管炎を伴う肉芽腫症など(ウェゲナー肉芽腫症)
- 重症の低栄養(特に低蛋白)
- 一次性免疫不全(特に重症複合免疫不全)
- 未熟児
症状
検査
- 末梢血液検査:リンパ球数減少。
- 胸部X線検査:肺門から両肺野にかけて微細な網状から索状影を認め、徐々にすりガラス様陰影となる。
- 呼吸機能検査:PaO2 が基準値の 1/2~1/3 に低下。PaCO2 は上昇することもある。
- (USMLE:first aid step1 2006 p.147)
- diagnosed by lung biopsy or lavage
- identified by methenamine silver stain of lung tissue
胸部X線写真
治療
予後
国試
[★]
- 英
- sulfonamides
- 関
- 抗菌薬
概念
- 葉酸合成系において代謝を拮抗阻害することで静菌作用を呈する薬物。
- 単剤で使うことはない?、という印象がある。
スルホンアミド系抗菌薬
[★]
- 関
- ST合剤
スルファメトキサゾールとトリメトプリムの合剤
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/6290100D1088_1_01/6290100D1088_1_01?view=body
- ニューモシスチス肺炎予防のためのスルファメトキサゾール・トリメトプリム投与量の検討
- http://www.jrs.or.jp/quicklink/journal/nopass_pdf/ajrs/006020053j.pdf
[★]
- 英
- trimethoprim-sulfamethoxazole
- 関
- コトリモキサゾール、トリメトプリム・スルファメトキサゾール合剤、セントリン
[★]
- 英
- trimethoprim-sulfamethoxazole, trimethoprim-sulfamethoxazole combination
[★]
- 英
- sulfa
- 関
- サルファ