- 英
- tuberculin skin test、tuberculin reaction
- 同
- マントー反応 マントゥー反応 Mantoux reaction、ツ反
- 関
- 精製ツベルクリン蛋白
- 結核菌由来タンパク質に対するIV型アレルギー反応により、結核菌への感染の既往およびBCGの効果を知るための試験
ツベルクリン反応が陰性化または減弱する要因
- ウイルス感染(麻疹、ムンプス、水痘、風疹)
- 細菌感染(チフス、猩紅熱、重症結核など)
- 生菌ワクチン接種(麻疹、ムンプス、ポリオ)
- 代謝異常(慢性腎不全)
- 栄養不良、悪液質(重度の蛋白欠乏、癌末期)
- リンパ組織を冒す疾患(リンパ腫、慢性リンパ性白血球、サルコイドーシス)
- 薬剤(ステロイド、免疫抑制剤)
- 年齢(新生児、高齢者)
- ストレス(手術、火傷など)
- 結核菌の感染初期
- アレルギー性の疾患(過敏性肺臓炎)
- ツベルクリン液の問題(変質、汚染、容器への吸着)
- 注射法の問題(量が少ない、注射後漏出、深く注射しすぎた場合)
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/11/12 14:22:06」(JST)
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ツベルクリン(tuberculin)は、結核菌感染の診断に用いられる抗原である。結核菌に感染した場合、この抗原に対して陽性反応が起きることが多い。1890年にドイツの科学者・医師であるロベルト・コッホによって創製された。当時のツベルクリン(旧ツベルクリン)は、結核菌からグリセリン抽出したものであった。結核治療用に開発されたが効果はなかった。
クレメンス・フォン・ピルケは、ウマ血清または天然痘ワクチンの接種を受けた患者が、2度目の接種に対してより早期に重度の反応を示すことを発見し、この過敏反応をアレルギーと名付けた。フォン・ピルケはその後すぐに結核菌感染者についても同様の反応が起こることを発見し、今日でいうツベルクリン皮膚検査を結核菌感染の診断に用いることができることを見出した。
日本では、結核予防法により乳幼児・小中学生に対してツベルクリン反応検査を行い、陰性者に対してBCG接種が行われていた(なお、BCG接種では1960年代に管針法(俗にいうハンコ注射)が導入されている)。しかし、その後の法改正により、これらの者に対するツベルクリン反応検査は行われなくなっている。現在は予防接種法に基づき生後6ヶ月に至るまでの定期接種時にある乳幼児に対してのみ、ツベルクリン反応検査をせずに直接にBCG接種を行う形となっている。
現在、米国ではマントゥーテスト(Mantoux test)と呼ばれる検査が行われており、精製ツベルクリン(Purified Protein Derivative、PPD)が用いられている。英国では2005年までヒーフテスト(Heaf test)と呼ばれる検査が行われていたが、現在はマントゥーテストに変更されている。
関連項目
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 免疫抑制療法下の結核再燃の予防は? (特集 リウマチ診療における感染症対策を考える)
- 清武 良子,沖波 聡,相馬 実穂,平田 憲,石郷岡 均,喜多 美穂里,稲田 晃一朗
- 日本眼科學会雜誌 114(8), 678-682, 2010-08-10
- NAID 10026601082
- BCG既接種の小児に対する QuantiFERON^【○!R】TB-2G結果とツベルクリン反応結果の乖離に関する検討
Related Links
- 結核に対するBCG(バシル・カルメット・ゲラン)接種を受けた人は、ツベルクリン反応検査に対し、疑陽性を示すことがあります。米国を除き、過去に結核の高率発生が起きた国では、BCG接種を行っているところがあります。
- 結核菌感染の有無を知る一つの検査法です。 ただし、結核菌に感染したか、類似の非結核性抗酸菌に感染したか、BCG接種の影響であるかの区別は、ツベルクリン反応だけでは判断できません。 ツベルクリンのなかみは?
- デジタル大辞泉 - ツベルクリン反応の用語解説 - ツベルクリン液を皮内注射し、48時間後にそこの発赤・腫脹(しゅちょう)などの反応を見て、結核菌の感染の有無などを判断する検査法。
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[★]
- 次の文を読み、31、32の問いに答えよ。
- 65歳の男性。両側頸部と鼠径部とのリンパ節腫脹を主訴に来院した。
- 現病歴 : 3か月前からリンパ節腫脹が出現し、次第に増大してきた。この間、発熱や体重減少は認めていない。
- 既往歴 : 特記すべきことはない。
- 現症 : 意識は清明。身長166cm、体重62kg。体温36.7℃。脈拍72/分、整。血圧116/66mmHg。皮膚は正常。心雑音はない。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。両側頸部と鼠径部とに、直径2~3cm大の表面平滑で弾性硬のリンパ節を各々数個触知する。可動性を認めるが圧痛はない。下肢に浮腫を認めない。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球 524万、Hb 15.2g/dl、Ht 47%、白血球 5,800(桿状核好中球2%、分葉核好中球 56%、単球10%、好酸球 4%、好塩基球 3%、リンパ球 25%)、血小板 34万。血清生化学所見:総蛋白 7.3g/dl、アルブミン 4.2g/dl、尿素窒素 12mg/dl、クレアチニン 0.7mg/dl、総コレステロール 217mg/dl、AST 50単位、ALT 28単位、LDH 530単位(基準176~353)、可溶性IL-2受容体 2,280U/ml(基準220~530)。免疫学所見:CRP 5.4mg/dl、ツベルクリン反応陰性。
- a. 骨髄穿刺
- b. リンパ節生検
- c. 胸腹部造影CT
- d. 胸部エックス線撮影
- e. 全身骨エックス線単純撮影
[正答]
※国試ナビ4※ [100D031]←[国試_100]→[100D033]
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- 次の文を読み、31、32の問いに答えよ。
- 65歳の男性。両側頸部と鼠径部とのリンパ節腫脹を主訴に来院した。
- 現病歴 : 3か月前からリンパ節腫脹が出現し、次第に増大してきた。この間、発熱や体重減少は認めていない。
- 既往歴 : 特記すべきことはない。
- 現症 : 意識は清明。身長166cm、体重62kg。体温36.7℃。脈拍72/分、整。血圧116/66mmHg。皮膚は正常。心雑音はない。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。両側頸部と鼠径部とに、直径2~3cm大の表面平滑で弾性硬のリンパ節を各々数個触知する。可動性を認めるが圧痛はない。下肢に浮腫を認めない。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球 524万、Hb 15.2g/dl、Ht 47%、白血球 5,800(桿状核好中球2%、分葉核好中球 56%、単球10%、好酸球 4%、好塩基球 3%、リンパ球 25%)、血小板 34万。血清生化学所見:総蛋白 7.3g/dl、アルブミン 4.2g/dl、尿素窒素 12mg/dl、クレアチニン 0.7mg/dl、総コレステロール 217mg/dl、AST 50単位、ALT 28単位、LDH 530単位(基準176~353)、可溶性IL-2受容体 2,280U/ml(基準220~530)。免疫学所見:CRP 5.4mg/dl、ツベルクリン反応陰性。
[正答]
※国試ナビ4※ [100D030]←[国試_100]→[100D032]
[★]
- 50歳の女性。主婦。呼吸困難を主訴に来院した。1か月前から乾性咳嗽と軽い息切れ、1週前から微熱が出現し、2日前から呼吸困難を強く感じるようになった。喫煙歴はない。住居は築16年で往来の激しい道路沿いにある。家では猫を飼い、洋裁の内職をしている。意識は清明。身長153cm、体重47kg。体温37.6℃。呼吸数24/分。脈拍84/分、整。血圧98/56mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。赤沈28mm/1時間。血液所見: 赤血球 497万、Hb 13.7g/dl、Ht 42%、白血球 5,500(桿状核好中球11%、分葉核好中球51%、好酸球4%、好塩基球0%、単球7%、リンパ球27%)、血小板 23万。血液生化学所見: 総蛋白 6.8g/dl、アルブミン 3.5g/dl、尿素窒素 16mg/dl、クレアチニン 0.8mg/dl、総ビリルビン 0.7mg/dl、AST 19IU/l、ALT 4IU/l、LD 252IU/l(基準176-353)、ALP 137IU/l(基準115-359)、Na 137mEq/l、K 4.4mEq/l、Cl 103mEq/l。免疫学所見: CRP6.9mg/dl、IgG 1,225mg/dl(基準960-1,960)、IgA 365mg/dl(基準110-410)、IgM 117mg/dl(基準65-350)、IgE 96IU/ml(基準120以下)。ツベルクリン反応陰性。胸部エックス線写真(別冊No.19)を別に示す。
- 原因として考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104I066]←[国試_104]→[104I068]
[★]
- 58歳の男性。右頸部腫瘤を主訴に来院した。半年前から右頸部の腫瘤を自覚していたが放置していた。3か月前から38℃程度の発熱を認め、頸部腫瘤が増大した。3か月で5kgの体重減少を認めた。右頸部に5×3 cmの硬いリンパ節を触知する以外は身体所見に異常を認めない。血液所見:赤血球 522万、Hb 14.8 g/dl、Ht 48%、白血球 8,800(桿状核好中球 3%、分葉核好中球 53%、好酸球 2%、好塩基球 1%、単球 5%、リンパ球 36%)、血小板 29万。血液生化学所見:総蛋白 7.8 g/dl(Alb 62.4%、α1-グロブリン 2.8%、α2-グロブリン 7.4%、β-グロブリン 9.5%、γ-グロブリン 17.9%)、尿素窒素 19 mg/dl、クレアチニン 1.1 mg/dl、尿酸 7.5 mg/dl、総コレステロール130 mg/dl、AST 24 IU/l、ALT 32 IU/l、LD<LDH> 530 IU/l(基準176~353)。CRP 2.4 mg/dl。頸部リンパ節生検H-E染色標本を以下に示す。
- 治療方針の決定に必要なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [103I065]←[国試_103]→[103I067]
[★]
- 28歳の男性。上腹部痛を主訴に来院した。10日前から心窩部に痛みを自覚するようになった。痛みは空腹時に出現することが多く、食後に軽減していた。既往歴に特記すべきことはない。身長168cm、体重56kg。体温36.2℃。脈拍64/分、整。血圧122/62mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腸雑音に異常を認めない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球460万、Hb 13.9g/dl、Ht44%、白血球8,300、血小板24万。血液生化学所見:アルブミン4.1g/dl、尿素窒素18mg/dl、クレアチニン0.8mg/dl、総ビリルビン0.9mg/dl、AST 22IU/l、ALT 32IU/l、LD 286IU/l(基準176~353)、ALP 221IU/l(基準115~359)、Na 136mEq/l、K 4.2mEq/l、Cl 102mEq/l。十二指腸球部の内視鏡像(別冊No.6)を別に示す。
- 治療方針の決定に必要な検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107E051]←[国試_107]→[107E053]
[★]
- 61歳の男性。発熱、胸痛および呼吸困難を主訴に来院した。2週前から咳、痰および38℃台の発熱が出現し、自宅近くの診療所で風邪と診断されて治療を受けたが改善しなかった。4日前から胸痛と呼吸困難とが出現して増強するため受診した。42歳時にアルコール性肝障害を指摘された。喫煙は30本/日を32年間。飲酒は日本酒4台/日を36年間。体温38.4℃。聴診で左胸部の呼吸音が減弱し、同部の打診で濁音を認める。血液所見: 赤血球 430万、Hb 12.4g/dl、Ht 42%、白血球 14,800、血小板 23万。免疫学所見: CRP 22.8mg/dl、ツベルクリン反応陰性。胸部エックス線写真で左下肺野に陰影を認める。胸部造影CT(別冊No.21)を別に示す。胸腔試験穿刺を行って悪臭のある黄色膿性の液を採取した。
- 対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
- a 抗菌薬静脈内投与
- b 気管支鏡下吸引
- c 穿刺ドレナージ
- d 左下葉切除
- e 放射線治療
[正答]
※国試ナビ4※ [104I068]←[国試_104]→[104I070]
[★]
- 18歳の女子。肛門部痛を主訴に来院した。6か月前から37℃前後の発熱が時折出現するようになり近医を受診したが原因不明であった。2週前から口内炎、肘関節痛および肛門部痛が出現し、体重も2kg減少した。来院時、体温37.6℃。右下腹部に圧痛を伴う腫瘤を触知する。肛門周囲に瘻孔と腫脹とが存在し、圧迫で排膿を認める。血液所見:赤沈48mm/1時間、赤血球310万、Hb 9.1g/dl、白血球9,800、血小板51万。CRP6.8mg/dl(基準0.3以下)。
- 診断確定に有用な検査はどれか。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [095G024]←[国試_095]→[095G026]
[★]
- 4か月の乳児。予防接種を受けた部位の変化を心配して来院した。 3日前に左上腕にBCG接種を受けた。昨日から接種部位の発赤を認め、接種痕が膿疱様になってきたという。体温36.8℃。身体診察所見に異常を認めない。哺乳力や機嫌に変化はない。接種部位の写真(別冊No.21)を別に示す。
- 説明として適切なのはどれか。
- a 「通常の反応であり、検査や処置は不要です」
- b 「1週後にまた受診してください」
- c 「黄色い膿を採取して顕微鏡で検査しましょう」
- d 「黄色い膿を採取して培養検査をしましょう」
- e 「ツベルクリン反応の検査をしましょう」
[正答]
※国試ナビ4※ [105D048]←[国試_105]→[105D050]
[★]
- 36歳の男性。右眼の充血と視力低下とを主訴に来院した。3年前から時々難治性の口内炎が出現していた。1年前からしばしば右眼の霧視が出現するようになったが2週間程度で回復するため気にしていなかった。3日前から霧視に加えて視力低下が出現したため受診した。視力は右 0.1(0.2×-2.5D)、左 0.1(1.0×-2.0D)。右眼の前眼部写真(別冊No. 25A)、眼底写真(別冊No. 25B)及び蛍光眼底造影写真(別冊No. 25C)を別に示す。
- 診断に有用な検査はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [111I076]←[国試_111]→[111I078]
[★]
- 5歳の男児。発熱と咳嗽とを主訴に来院した。3日前から39℃の発熱と強い乾性咳嗽とが出現した。診察中に刺激性の咳嗽が著明であった。肺の聴診で明らかな副雑音は聴取されなかった。血液所見:赤血球436万、Hb 13.8g/dl、Ht 40%、白血球9,000(桿状核好中球5%、分葉核好中球55%、好酸球3%、単球5%、リンパ球32%)、血小板26万。CRP 3.5mg/dl。寒冷凝集反応1,024倍(基準128以下)。胸部エックス線写真(別冊No.25)を別に示す。
- 確定診断に有用な検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107I072]←[国試_107]→[107I074]
[★]
- 48歳の女性。主婦。咳と息切れとを主訴に8月中旬に来院した。3週前から乾性の咳と階段を上る際の息切れとが出現した。近医で抗菌薬の投与を受けたが改善せず、さらに症状は悪化している。喫煙歴はない。白血球 5,200(好中球52%、好酸球 3%、好塩基球 1%、単球6%、リンパ球 38%)。IgG 2,300mg/dl(基準960~1,960)。ツベルクリン反応陰性。
- この検査所見に直接関与する細胞はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [103E044]←[国試_103]→[103E046]
[★]
- 69歳の女性。肺炎の疑いで紹介され来院した。3週前から咳と痰、全身倦怠感、食思不振および37℃台の微熱が出現し、市販薬で改善しないため他院を受診した。胸部エックス線写真で右下肺野に陰影を認め、肺炎が疑われた。喀痰の抗酸菌塗抹検査が陽性であったため患者を個室に入院させた。
- まず行うのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103I048]←[国試_103]→[103I050]
[★]
- 5か月の乳児。BCG接種部位が赤く腫れてきたため母親に連れられて来院した。BCG接種後2日目に接種部位が赤く腫れてきたことに気付き、日ごとに増悪したため接種後5日目に受診した。これまで成長や発達に異常を指摘されたことはない。来院時、左上腕部の接種部位に発赤と腫脹とを認め、一部膿疱様になっている。身体所見に異常を認めない。
- まず行うのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110D052]←[国試_110]→[110D054]
[★]
- 50歳の男性。4日前からの複視を主訴に来院した。2か月前に左耳閉感と左難聴とを自覚したが放置していた。左眼の外転が障害されており、両側頭部に2cm大の硬い腫瘤を複数触知する。耳鏡検査で左鼓室に滲出液の貯留を認め、聴力検査で左伝音難聴を認める。
[正答]
※国試ナビ4※ [104A053]←[国試_104]→[104A055]
[★]
- a 痰が出ないときは胃液を採取し検体とする。
- b 末梢血で白血球増多が著明な場合は結核の可能性が低い。
- c ツベルクリン反応が陽性であれば直ちに治療を開始する。
- d 隔離の必要性を決めるため気管支ファイバースコープで痰を採取する。
- e 結核菌特異的全血インターフェロンγ遊離測定法(IGRA)が陽性であれば直ちに治療を開始する。
[正答]
※国試ナビ4※ [107C010]←[国試_107]→[107C012]
[★]
- 50歳の男性。2か月前からの咳、体重減少および盗汗を主訴に来院した。2週前から血痰を認める。喫煙歴はない。胸部エックス線写真と胸部単純CTとを以下に示す。
- 迅速で診断に有用な検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103I047]←[国試_103]→[103I049]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [102B021]←[国試_102]→[102B023]
[★]
- (1) HTLV-I抗体が陽性を示す。
- (2) Langerhans巨細胞が出現する。
- (3) ツベルクリン反応が陰性化する。
- (4) 隣接リンパ節に連続性に進展する。
- (5) 病理組織分類は予後に影響する。
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096H036]←[国試_096]→[096H038]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105I031]←[国試_105]→[105I033]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [104D014]←[国試_104]→[104D016]
[★]
- pneumonitis
- 英
- hypersensitivity pneumonitis, HP
- 同
- 過敏性肺炎、外因性アレルギー性肺胞炎 extrinsic allergic alveolitis
- 関
- セコイア症、夏型過敏性肺炎
[show details]
概念
- 種々の有機性粉塵を感受性のあるヒトが反復吸入した結果、粉塵中の抗原成分によって惹起される呼吸困難、発熱などをきたす疾患群。
- 非乾酪性の類上皮細胞性肉芽腫の形成を伴う間質性肺炎である。
- 肺の炎症性疾患であり、肺胞壁や終末の気道も侵される。
- 本態はIII型アレルギーおよびIV型アレルギー(慢性期。Th1サイトカインによる肉芽腫形成)である。
- 外因性アレルギー性胞隔炎extrinsic allergic alveolitisとも呼ばれる。
病型
病因
- 抗原に感作された人に対する抗原の再暴露により生じる
- 抗原は種々ある。
病因による分類
- 夏型過敏性肺臓炎
- 加湿器肺
- 空調病
- 農夫肺
- 砂糖キビ肺症
- 鳥飼病
- ハト飼病
- 木屑病
- 草屋病
- キノコ栽培者肺病
- 毛皮商人肺
- コーヒー労働者肺症
- チーズ洗い病
- 楓皮病
- コルク肺
- 麦芽労働者肺
- 痘苗病
- 養蚕従事者肺
- たたみ職人肺
- 空洞病
- 加湿器肺
疫学
- IMD
- 夏型過敏性肺炎:80%。屋内のカビ。日本では8-9月に多い。
- 農夫肺:8.1%。干草中の真菌。
- 換気装置肺炎:4.3%
- 鳥飼病:4.1%
病態
- IMD
III型アレルギーの関与
- 抗原曝露後約4-6時間で発症。抗原除去により6-8時間後に自然消退。
- 皮内反応:アルサス型
- BALF・血清中に抗原特異的IgG・IgAの出現
- 急性期のBALFには好中球が増加
IV型アレルギーの関与
- 肺生検において、肉芽腫形成。間質性肺炎(マクロファージ・リンパ球の浸潤)。
- BALFにおいて、リンパ球の増加がみられる
病理
- 病理組織学的には、肺胞壁のリンパ球を主体とした細胞浸潤、肺胞壁とそれに隣接した細気管支領域にみられる類上皮細胞肉芽腫病変が主要所見である。 → 肉芽腫性間質性肺炎
身体所見
症状
- HIM.1607
- 急性型:(抗原暴露後6-8時間より)咳、発熱、悪寒、全身倦怠感、呼吸困難
- 亜急性型:(数週間かけて潜行性に発症)咳、呼吸困難-(次第に悪化)→チアノーゼ、重度の呼吸困難。急性型の病型で、抗原が除去されない場合に亜急性に移行することがある。急性・亜急性型はいずれも抗原除去により数日~数週間~数ヶ月の経過で症状が消失。
- 慢性型:臨床的に肺線維症と区別できない。不可逆的。
検査
- IMD. YN.I-111
- 原因抗原を確定するために血清中の沈降抗体の証明や、気管支肺胞洗浄液リンパ球の抗原刺激試験が必要
- 血液検査:(総じて炎症所見)白血球増加、ESR上昇、CRP上昇、リウマチ因子陽性、アンジオテンシン転換酵素(ACE)上昇(類上皮肉芽腫のせい)、γグロブリン上昇、(間質の障害を伴うので)KL-6上昇
- 好酸球は不変、補体不変
- 急性・亜急性型:(間質性肺炎の像)両側中下肺野を中心にびまん性にすりガラス様陰影や小粒状陰影
- 慢性型:(肺線維症の像)肺の萎縮、線状影や輪状影。20-30%の症例で上肺野優位。
- 急性・亜急性型:肺野濃度の上昇、2-4mm大の境界不鮮明な小円形の粒状影が小葉中心性にびまん性に認められる。
- 慢性型:辺縁不整な線状影、輪状影
- BALF:抗原曝露後24時間以内には多核白血球、以降はリンパ球の増加が認められる。
- 急性型:非乾酪性類上皮性肉芽腫、胞隔炎(リンパ球・マクロファージ)。肺胞内のMasson体
- 慢性型:肉芽腫病変は稀。
- 吸入誘発試験:抗原の吸入により咳・呼吸困難を認め、検査上、炎症所見、低酸素血症が認められる。急性・亜急性型で有用。
診断基準
急性過敏性肺炎
- (参考1)
- 臨床症状・所見1) ~4) のうちいずれか2つ以上と、検査所見1) ~4) のうち1) を含む2つ以上の項目を同時に満足するもの
- 1) せき、2) 息切れ 3) 発熱、4) 捻髪音ないし小水疱性ラ音
- 1) 胸部X線像にてびまん性散布性粒状陰影(またはスリガラス状)
- 2) 拘束性換気能障害
- 3) 血沈値亢進、好中球増多、CRP陽性のいずれか一つ)
- 4) 低酸素血症(安静時あるいは運動後)
- 1) ~6) のうちいずれか1つを満足するもの
- 1) 夏型過敏性肺炎は夏期(5~10月) に、高温多湿の住宅で起こる
- 2) 鳥飼病は鳥の飼育や羽毛と関連して起こる
- 3) 農夫肺は黴びた枯れ草の取り扱いと関連して起こる
- 4) 空調肺、加湿器肺はこれらの機器の使用と関連して起こる
- 5) 有機塵挨抗原に曝露される環境での生活歴
- 6) 特定の化学物質と関連して起こる
- 注:症状は抗原暴露4~8時間して起こることが多く、環境から離れると自然に軽快する。
- 1) ~3) のうち1つ以上を満足するもの
- 1) 抗原に対する特異抗体陽性(血清あるもいはBAL*1液中)
- 2) 特異抗原によるリンパ球増殖反応陽性(末梢瓜あるいはBALリンパ球)
- 3) BAL所見(リンパ球↑、Tリンパ球↑) *2
- 1) ~2) のうち1つ以上を満足するもの
- 1) 特異抗原吸入にまる臨床像の再現
- 2) 環境暴露による臨床像の再現
- 1) ~3) のうちいずれか2つ以上を満足するもの
- 1) 肉芽腫形成、2) 胞隔炎、3) Masson体
診断
- 確実:a、b、dまたはa、b、c、eを満たすもの
- 強い疑い:aを含む3項目を満たすもの
- 疑い:aを含む2項目を満たすもの
- (*1)bronchoalveolar lavage(気管支肺胞洗浄)
- (*2)一般的にリンパ球比率は35%を超える。抗原回避2日以内では好中球増多を示す。
慢性過敏性肺炎
- (参考2)
- 1. 環境誘発あるいは抗原誘発試験で陽性
- 2. 組織学的の線維化が観察される
- 3. HRCTで線維化所見とhoneycombが観察される
- 4. 肺機能の拘束性障害が1年以上にわたって進行性である
- 5. 過敏性肺炎と関連した症状が6ヶ月以上続く
- 6. 当該抗原に対する抗体か、あるいはリンパ球増殖試験が陽性か、両者が陽性
- 以上1か6、および2か3、および4か5の3項目以上を満足させれば慢性過敏性肺炎と診断する
- 付記
- 1. 環境誘発試験は陰性のこともあるが、抗原誘発試験は陽性となる。この場合、症状の発現は弱くても白血球数、CRP、PaO2、DLCOなどの検査所見だけでも陽性と判定する。
- 2. 病理学的所見では肉芽腫はほとんどみられず、限局性のhoneycomb、リンパ球主体の肺隔炎とリンパ球の集族がみられる
- 3. 症状は抗原吸入を持続しても軽くなることが多い。労作時呼吸困難が主な症状である。
- 4. 抗体が陰性で抗原添加リンパ球増殖試験だけが陽性例もみられる
- 5. KL-6、SP-Dは高値
- 6. 慢性過敏性肺炎の発症環境として、カビの多い住宅や仕事場、羽毛布団使用、隣人の鳩飼育、公園・神社・駅の野鳩、野鳥の集団棲息などがある
治療
- 抗原の隔離
- 薬物療法:ステロイド(呼吸困難例)、ステロイドパスル療法(呼吸困難の重症例、急性増悪例)
- 支持療法:在宅酸素療法
予後
予防
参考
- http://www.naoru.com/kabinseihaien.htm
- http://www.geocities.jp/kokyukika/document/ChronicHP.html
- http://www.ibaraisikai.or.jp/treasure/chisivew/chisi-03.html
国試
[★]
- 英
- sarcoidosis
- 同
- サルコイド症、ベック病 Boeck disease、ベック類肉腫 Boeck sarcoid Boeck's sarcoid、ベニエー・ベック・シャウマン病 morbus Besnier-Boeck-Schaumann、血管類狼瘡 angio-lupoide
- 関
- 難病
概念
- 特定疾患治療研究事業の対象となっている難病である。
- 原因不明の全身性疾患
病因
- P. acnes?が抗原としてTh細胞に提示されるため?
- HLA-DRB1*1101 are assosiated with an increased risk for developing sarcoidosis (HIM.2136)
疫学
- 若年と中年に好発。
- 北に多く南に少ない。黒人に多い。HLAやサイトカイン遺伝子が関与か?
病型
病理
- 真皮および皮下組織に、結合組織に被包された類上皮細胞の特徴的な島嶼状結節性の肉芽腫がある。
- 皮膚では複数の類上皮細胞肉芽腫が主に真皮の上中層に生じる。ときに真皮深層、皮下組織、筋層に生じうる。
症候
- 無症状での検診発見例が大多数。微熱などの症状を出して来院することはまれ。
- 肺病変 :両側肺門リンパ節腫脹(bilateral hilar lymphadenopathy, BHL):胸部X線所見の割には無症状。
- 眼病変 :両眼性霧視(ぶどう膜炎、硝子体炎)
- 心病変 :心サルコイドーシス。心ブロック、不整脈、Adams-Stokes症候群
- 皮膚病変:2型ある。結節型、びまん浸潤型が多く、古い瘢痕(肘、膝)にサルコイド肉芽腫ができることがある。この肉芽腫を病理診断に使うと浸襲が少ない。
- 内分泌異常:高ACE活性、高カルシウム血症
- その他・・無痛性表在リンパ節腫大や心病変(まれだが本症の急死の原因)脳神経(致死的)
病変部位の頻度
- 肺(縦隔・肺門リンパ節,肺)95%以上
- 眼(ぶどう膜,網膜,硝子体)30-40%
- 皮膚5-10%
- 表在リンパ節腫脹のみられることがあり,時に心臓病変がみられる。
- YN I-112
- 初発症状:眼(眼前霧視)50%、呼吸器症状15%、皮膚症状5-10%、両側耳下腺腫脹、リンパ節腫脹
検査
- 生検:病理的に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を証明する。経気管支的肺生検や前斜角筋生検が行われる。
- 画像検査
- 胸部単純X線写真:両側肺門部リンパ節腫脹(BHL)、びまん性陰影、結節影、空洞病変、網状影、浸潤影、小粒状影
- 分類(I~III型):(I型)BHL、(II型)BHL+肺野病変、(III型)肺野病変。I型が最多。
- 胸部CT:縦隔リンパ腺腫脹、血管・気管支周囲の肥厚・不整像、胸膜不整像
- ガリウムシンチグラム(67Ga):病変部に集積。
- テクネシウムシンチグラム(99mTc):病変部に欠損像
- タリウムシンチグラム(201Tl):灌流欠損像
- PET:高集積
- 気管支鏡検査:気管分岐部周囲や両主気管支に毛細血管の増生・拡張や腫大したリンパ節による圧排像を認めうる。気管支内にサルコイド結節(肉芽腫)を認めうる。
- 気管支肺胞洗浄
- 細胞数増加
- リンパ球増加
- CD4/CD8比:高値 (喫煙者でも上昇しうる) → 液性免疫優位。血清γグロブリン上昇はこのためか?
- 皮膚生検、皮下結節生検、表在リンパ節生検、前斜角筋リンパ節生検、肝生検、縦隔・肺門部リンパ節生検:非乾酪性類上皮細胞肉芽腫の証明
診断
診断基準
- 参考1
- 組織診断群(確実) :1-(2)のいずれかの臨床・検査所見があり,1-(3)が陽性。
- 臨床診断群(ほぼ確実):1-(2)①,②のいずれかの臨床所見があり,1-(2)③の(a)(ツベリクリン反応)又は(c)(血清ACE)を含む3 項目以上陽性。
- (1) 臨床症状:呼吸器症状(咳・息切れ),眼症状(霧視),皮膚症状(丘疹)など。
- (2) 臨床所見・検査所見
-
- (a) 胸部X 線・CT 所見(両側肺門リンパ節腫脹,びまん性陰影,血管・胸膜の変化など)
- (b) 肺機能所見(%VC・DLco・PaO2 の低下)
- (c) 気管支鏡所見(粘膜下血管のnetwork formation,結節など)
- (d) 気管支肺胞洗浄液所見※1(総細胞数・リンパ球の増加,CD4/8 上昇)
- (e) 胸腔鏡所見(結節,肥厚,胸水など)
- (a) 眼病変(前部ぶどう膜炎,隅角結節,網膜血管周囲炎など) → 眼サルコイドーシス
- (b) 皮膚病変(結節,局面,びまん性浸潤,皮下結節,瘢痕浸潤)
- (c) 表在リンパ節病変(無痛性腫脹)
- (d) 心病変(伝導障害,期外収縮,心筋障害など) → 心サルコイドーシス
- (e) 唾液腺病変(耳下腺腫脹,角結膜乾燥,涙腺病変など)
- (f) 神経系病変(脳神経,中枢神経障害など)
- (g) 肝病変(黄疸,肝機能上昇,結節など)
- (h) 骨病変(手足短骨の骨梁脱落など)
- (i) 脾病変(腫脹など)
- (j) 筋病変(腫瘤,筋力低下,萎縮など)
- (k) 腎病変(持続性蛋白尿,高カルシウム血症,結石など)
- (l) 胃病変(胃壁肥厚,ポリープなど)
- (a) ツベルクリン反応陰性
- (b) γグロブリン上昇
- (c) 血清ACE 上昇
- (d) 血清リゾチーム上昇
- (e) 67Ga 集積像陽性(リンパ節,肺など)
- (f) 気管支肺胞洗浄液の総細胞数・リンパ球増加,CD4/8 上昇
- 類上皮細胞からなる乾酪性壊死を伴わない肉芽腫病変生検部位(リンパ節,経気管支肺生検,気管支壁,皮膚,肝,筋肉,心筋,結膜など)。クベイム反応も参考になる
治療
- stage0やⅠ(BHL)では経過観察
- stageⅡ(BHL+肺陰影)、Ⅲ(肺陰影のみ)、Ⅳ(肺繊維化)では
- 1ステロイド(8割) 2免疫抑制剤メソトレキセート・アザチオプリン(難治性2割に)
予後
- 70%は2年以内に自然寛解。5-10%は難治性に進行。
- 死因の60%は心サルコイドーシスであり、心病変(刺激伝導障害)をきたす。
参考
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/266
- http://www.nanbyou.or.jp/upload_files/043_s.pdf
- http://www.jssog.com/www/top/shindan/shindankijyun.html
[★]
- 英
- Hodgkin's lymphoma Hodgkin lymphoma HL
- 同
- Hodgkinリンパ腫、ホジキン病 (国試)Hodgkin病 Hodgkin disease Hodgkin's disease HD
- 関
- 悪性リンパ腫
[show details]
ja
ホジキンリンパ腫 : 約 140,000 件
ホジキン病 : 約 77,800 件
Hodgkin's lymphoma : 約 14,000 件
Hodgkin lymphoma : 約 9,420 件
Hodgkin's disease : 約 7,570 件
Hodgkin disease : 約 2,760 件
en
Hodgkin's lymphoma : 約 1,210,000 件
Hodgkin lymphoma : 約 1,520,000 件
Hodgkin's disease : 約 737,000 件
Hodgkin disease : 約 794,000 件
概念
疫学
- 日本では悪性リンパ腫の約10%を占める ⇔ 欧米では30%程度。
- 好発年齢:若年者、中・高年者
病因
病型
- A. 結節性リンパ球優勢型
- B. 古典型:ホジキン細胞の表面抗原(CD15+, CD20-, CD30+, CD45-)
- 1) 結節硬化型:高頻度
- 2) 混合細胞型:1)に次ぐが少ない。
- 3) リンパ球豊富型
- 4) リンパ球減少型
- リンパ球減少型と混合細胞型はHIV感染患者によくみられる(HIM.699)
病期分類
- 参考2 YN.G-59
- Ann Arbor 分類(Cotswolds 改訂)
I期
|
一リンパ節領域、またはリンパ組織(扁桃腺、脾臓、胸腺など)に病変が限局している場合。リンパ節以外の臓器の限局的なリンパ腫の病変がある場合。
|
II期
|
横隔膜を境界として、その上・下いずれか一方に限局した、二つ以上のリンパ節領域・リンパ組織の病変、もしくは一つのリンパ節領域・リンパ組織の病変と一つの非リンパ性臓器の浸潤
|
III期
|
横隔膜の両側に及ぶ、リンパ節領域・リンパ組織の病変
|
IV期
|
広汎な、リンパ節以外の臓器への浸潤
|
- 継続または繰り返す38度以上の原因不明の発熱、盗汗、6ヶ月以内での10%以上の体重減少、などのどれかの症状があるときB。無い場合はA。
病理
病態
- 炎症症状+免疫不全症状
- リンパ節に原発、とりわけ頚部のリンパ節に原発して、リンパ節に沿って連続的に進展する。
- ホジキン細胞が各種のサイトカインを放出する結果、炎症に伴う症状・検査値の異常を呈する。(WCH.2527)
- 免疫不全はリンパ球の減少に伴うものと考えられる。 → ツベルクリン反応陰性 ← 細胞性免疫能の低下
症状
- 発熱、リンパ節腫脹
- 皮膚症状、遠隔部の症状(中枢神経、ネフローゼ症候群、免疫性溶血性貧血、血小板減少症、高カリウム血症、アルコール摂取時のリンパ節の疼痛)
HIM.699
- (ほとんどの患者)圧痛を伴わないリンパ節の腫脹:頚部、鎖骨上部、腋窩
- (半数以上の患者)(診断時に)縦隔リンパ節腫脹
- (1/3の患者)発熱、寝汗(night sweat)、and/or 体重減少 → B症状(予後の悪さと関連)
発熱
- 不明熱の原因としてホジキンリンパ腫が存在することがある。このような症状は腹部に混合細胞型のホジキンリンパ腫が存在するときによく見られる。(HIM.699)
- Pel-Ebstein fever:まれ(HIM.699)。発熱は2-3週間ごとに3-7日の高熱をくり返す。
リンパ節腫脹
- 無痛性。頚部リンパ節・鎖骨上窩リンパ節が多く、次いで鼡径部リンパ節、腋窩リンパ節が多い。
- 半分の患者では診断時に縦隔リンパ節腫脹が認められる(HIM.699)。縦隔原発もありうる。
皮膚症状
全身症状
検査
血液検査
- 血算、赤沈、生化学、CRP、銅、鉄、可溶性IL-2レセプター
- 赤血球:正球性正色素性貧血 (診断時40%で程度は軽い。Hb10-12(WCH.2530))。自己免疫性溶血性貧血もみられるが診断時にはまれ。
- 白血球:中等度増加
- 単球増多、リンパ球減少(WCH.2530)。好酸球増加(YN.G-60)
- 血沈:亢進 → 病勢を良く反映する。
- LDH:↑
- CRP:陽性
- 銅:↑
- 鉄:↓ ← 慢性疾患に伴う貧血ではないとすれば・・・何?
- 可溶性IL-2レセプター:↑
診断
- リンパ節生検、CTスキャン、ガリウムシンチ、PETより。
鑑別診断
- 炎症性、単核球症、非ホジキンリンパ腫、phenytoin-induced adenopathy、非リンパ腫性の悪性腫瘍
病期分類
治療
- 治療方法の選択肢:化学療法、化学療法+放射線療法、放射線療法
- I~IIA期:化学療法+放射線療法の併用療法。
- IIB期以降:進行期の治療をおこなう。すなわち化学療法の適応となる。 → IIB期の治療は化学療法+放射線療法の併用療法とかもありうる??(要調査)
- 放射線療法単独は、予後不良因子がない臨床病期I期に対して選択されることがある
予後
- 良好。
- 白血病化の頻度は少ない(YN.G-60)
- 5年生存率:I/II期=90%以上、III/IV期=50-80% (YN.G-60)
- 病型(次の順で良好):リンパ球豊富型>結節硬化型>混合細胞型>リンパ球減少型 (YN.G-60)
予後因子
(参考2)
国試
参考
- http://ganjoho.ncc.go.jp/public/cancer/data/Hodgkin_lymphoma.html
- 2. ホジキンリンパ腫 Ann Arbor分類 - 癌情報サービス
- http://ganjoho.jp/public/cancer/data/Hodgkin_lymphoma_a.html
- http://lymphoma.kmpm1b.com/L-basis/L-aboutlymphoma/stage.htm
[★]
- 日
- ましん
- 英
- measles, rubeola
- 同
- はしか、麻しん
- 関
- 麻疹ウイルス、感染症法、ワクチン、学校伝染病。修飾麻疹
特徴
病原体
疫学
感染経路
- 空気感染
- 上気道粘膜に進入・増殖 → 所属リンパ節で増殖 → ウイルス血症 → 全身諸臓器で増殖
- 感染性のある時期は、前駆症状(鼻汁、咳嗽、全身倦怠感、結膜充血)が出現する直前から発疹出現後4日間である。
潜伏期
経過、症状
- NDE.437
- 1. カタル期:1-5病日:発熱、くしゃみ、鼻水、目脂。コプリック斑
-
- 白血球が劇的に低下し、2000-3000まで落ち込むことがある。
- カタル期終わりの1-2病日に解熱してコプリック斑が発生
- カタル期の鼻汁、唾液、涙液、気道分泌液は感染性有り
- 2. 発疹期:6-10病日:発熱。発疹は耳後部、頚部から始まり体幹から四肢へ。色素沈着を残す ⇔風疹
細胞性免疫の低下
- リンパ球への感染→細胞性免疫が低下
- 結核に罹患している場合、粟粒結核に進展することがある
合併症
晩期合併症
- M蛋白の欠損した麻疹ウイルスによる、らしい
- 麻疹に感染し、小児期に知能低下、ミオクローヌスなどを、初発症状として発症し、意識障害をきたし致命的となる。
妊娠
検査
診断
- 原則的には血清学的検査でペア血清による4倍以上の抗体価の上昇を証明する。ただし、検体を凍結保存する必要があり、2回目の検体は感染後2週間後の血清を用いることになり、迅速な診断には向かない。RT-PCRは効果であり、商業レベルで普及しておらず、実臨床では麻疹IgMの抗体価でもって診断をしているのが現状である。
鑑別疾患
治療
- 対症療法
- 合併症の治療:肺炎、中耳炎などの細菌性二次感染が多く、予防のために抗菌薬投与が行われる
- 学校保健安全法では、解熱後3日経過するまで出席停止(NDE.438)
出席停止の解除は、主要症状が消退したあと7日?
予防
- 麻疹生ワクチン
- 免疫不全患者にはγグロブリン製剤(ガンマグロブリン筋注)
- 免疫があれば重症化しない
暴露後発症予防
- 麻疹抗体を持たない健常者が麻疹患者と接触した場合、72時間以内であれば麻疹ワクチンを接種することにより麻疹の発症を予防できる可能性がある。また発症しても症状を軽減しうる。
- 免疫不全者、1歳以下の乳児、妊婦などが暴露された場合や麻疹ワクチンが禁忌の人では、暴露後6日以内であれば、免疫グロブリンを投与することにより、あるい程度の発症予防効果、症状軽減効果があるとされる。
予後
参考
uptodate
- 1. [charged] 麻疹の臨床症状および診断 - uptodate [1]
- 2. [charged] 麻疹の予防および治療 - uptodate [2]
- 3. [charged] 麻疹の疫学および伝染 - uptodate [3]
[★]
- 英
- allergy
- 同
- アレルギー反応 allergic reaction
- 関
- 過敏症 hypersensitivity
クームス分類
クームス分類
診療ガイドライン
- http://www.allergy.go.jp/allergy/guideline/index.html
検査