出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/03/19 16:51:14」(JST)
B細胞(びーさいぼう、B cell、B lymphocyte)はリンパ球の一種。
目次
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抗体は特定の分子にとりつく機能を持った分子で、その働きによって病原体を失活させたり、病原体を直接攻撃する目印になったりする。そのため、抗体を産生するB細胞は免疫系の中では間接攻撃の役割を担っており、その働きは液性免疫とも呼ばれる。
B細胞は細胞ごとに産生する抗体の種類が決まっている。自分の抗体タイプに見合った病原体が出現した場合にのみ活性化して抗体産生を開始することになる。また、いったん病原体が姿を消しても、それに適合したB細胞の一部は記憶細胞として長く残り、次回の侵入の際に素早く抗体産生が開始できるようになる。この働きによっていわゆる「免疫が付く」(免疫記憶)という現象が起きており、予防接種もこれを利用したもの。
哺乳動物においては、B細胞は骨髄に存在する造血幹細胞から分化したのち、脾臓などの二次リンパ組織に移動し、抗原に対する反応に備える。 また一部のB細胞には、消化管上皮、粘膜組織など、外来抗原との接触頻度の高い組織に移動する集団も存在する。
細胞表面の抗原レセプターとして細胞膜結合形の免疫グロブリンを発現しており、これによって自分に適合した抗原の出現を察知する。抗原は抗原提示細胞と呼ばれる機能を持った細胞に接触することで与えられ、適合した場合には形質細胞に分化することになる。形質細胞に分化すると分泌形の免疫グロブリンを抗体として産生するようになる。個々のB細胞が産生する抗体は均一な免疫グロブリン分子(抗原分子)であり、単一の抗原特異性を示す。この単一な抗体産生細胞のクローンを分離してモノクローナル抗体を得ることができる。
B細胞を始めとした全ての血球細胞は、骨髄中の造血幹細胞が分化したものである。始めに造血幹細胞はリンパ系幹細胞へ分化する。次いでプロB細胞を経てH鎖の遺伝子再構成が起きる。完成したH鎖とSL鎖(V-preB・lambda5)とともにpre-BCRを形成、大型プレB細胞となる。そこでpre-BCRシグナルにより一度増殖した後に、L鎖の遺伝子再構成が引き起こされ、やがて小型プレB細胞へと分化する。完成したL鎖はH鎖とともにIgMを形成して、細胞膜上に発現する。そしてIgMとともに同じ抗原特異性をもつIgDも発現し、B細胞は骨髄から末梢へと移行し、脾臓において成熟B細胞となる。B細胞は、抗原の存在下で抗体を産生するべく、形質細胞(プラズマ細胞、plasma cell)へと最終的に分化する。
鳥類では骨髄で産生された前駆細胞がファブリキウス嚢 (Bursa Fabricii) で分化成熟したものが、器官の頭文字を取ってB細胞と命名された。哺乳動物にはこの器官は存在せず、骨髄(Bone Marrow)で分化成熟する。偶然にも頭文字が同じであることから、そのままB細胞という名称が定着した。
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VCA IgG | VCA IgM | EBNA | EA IgG | |
感染前 | ー | ー | ー | ー |
急性期 | + | + | ー | +/ー |
回復期 | + | +/ー | +/ー | +/ー |
感染既往 | + | ー | + | +/ー |
再活性化 | + | +/ー | + | + |
VCA IgG | VCA IgM | EBNA | EA IgG | VCA IgA | |
伝染性単核症 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
EBV再活性化の疑い | ○ | ○ | ○ | ||
既往確認 | ○ | ○ | |||
バーキットリンパ腫 | ○ | ○ | ○ | ||
上咽頭癌 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
慢性活動性EBV感染症 | ○ | ○ | ○ | ||
上記以外でのEBV感染疑い | ○ | ○ | ○ | ○ |
ヘルペスウイルス亜科 ヘルペスウイルス亜科 ヘルペスウイルス亜科 |
ヘルペスウイルス | 潜伏部位 | 初感染における 顕性感染率 |
主な疾患 | |
α | 単純ヘルペスウイルス1型 | HSV-1 | 知覚神経節 | 低 | 口唇ヘルペス、口内炎、角膜ヘルペス、ヘルペス脳炎、性器ヘルペス、新生児ヘルペス |
単純ヘルペスウイルス2型 | HSV-2 | 低 | 性器ヘルペス、新生児ヘルペス、ヘルペス?疽、殿部ヘルペス | ||
水痘・帯状疱疹ウイルス | VZV | 高 | 水痘、帯状疱疹、ラムゼイ・ハント症候群 | ||
β | サイトメガロウイルス | CMV | 顆粒球/マクロファージ前駆細胞 | 低 | 先天性巨細胞封入体症、輸血後CMV単球症、臓器移植後間質性肺炎、肝炎 |
ヒトヘルペスウイルス6型 | HHV-6 | マクロファージ | 高 | 突発性発疹、脳炎 | |
ヒトヘルペスウイルス7型 | HHV-7 | 唾液腺? | 低 | 突発性発疹 | |
γ | エプスタイン-バーウイルス | EBV | 骨髄Bリンパ球 | 低 | 伝染性単核症、バーキットリンパ腫、上咽頭癌、日和見リンパ腫 |
ヒトヘルペスウイルス8型 | HHV-8 | Bリンパ球 | 低 | カポジ肉腫、キャッスルマン病 |
CD1 | CD21 | CD41 | CD61 | CD81 |
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αβTCR | TCR | Ig | CD3 | CD4 | CD8 | CD16 | CD56 | |
T細胞 | ○ | ○ | ||||||
Tc細胞 | ○ | ○ | ○ | |||||
Th細胞 | ○ | ○ | ○ | |||||
B細胞 | ○ | |||||||
NK細胞 | ○ | ○ |
近位尿細管 | 70% |
遠位尿細管 | 20% |
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